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(桑野信介くわの しんすけ) “しばらく忙しくて”
“更新して いませんでしたが”
“時間ができたので更新します”
“さて ここ数日 私が息をひそめている間に—”
“桑野くんは 着々と悪行をすすめていました”
クソ…
3位!
(吉山よしやままどか)香織かおりちゃん この判例 探しといて
(山下香織)分かりました (まどか)うん
(香織)あっ
どうしました?
(まどか) やっくん 更新してますね
(信介)一体 いつまで 野放しにする気なんですか
(まどか) 裁判所の訴状審査を 待ってる状態です
慎重に審理するために 結構 時間がかかるんです
(信介)なんで そんなに時間が…
司法の闇だな
(まどか)裁判所も忙しいんです
(信介) 司法試験 受かった者同士 かばい合ってんでしょ
ハア… どうしてほしいんですか?
このままだと 僕の計算じゃ—
あと25日で やつが 1位になってしまうんですよ
(信介)金メダルですよ (香織)フフッ
(まどか)そうですか
う〜ん では とりあえず 裁判所をせっついてみます
せっついて 効果があるんですか?
やってみないと…
望み薄だな…
こうなったら じかに攻めるしかないか…
何をする気ですか?
やっくんとおぼしき人間が—
僕が通ってるジムのメンバーに いるんですよ
ハッ 薬丸やくまるってやつなんですけどね
(まどか)薬丸… やっくん…
いや それだけじゃ
薬丸はブログをやってることも 判明してます
ただの状況証拠でしょ
だから その証拠を つかんでやるんですよ
どうやって?
偽情報を流すんです
偽情報?
何か 僕に関するウソの情報を 薬丸の周辺に流すんです
やっくんが それをブログに書いたら—
やつが犯人と確定です
(信介)あっ これはね— (まどか)ああ…
CIAがよく使う手法なんですよ
(まどか)まあ やるなとは言いませんけど…
もう少し 待ってみたらどうですか?
待て待てって そればっかりか
いや 時間がかかると—
自分だけ ほったらかしに されてるんじゃないかって—
思う気持ちは分かりますけど
ほったらかされて50年 慣れてますから
ブフッ
それは ご自分の問題でしょ
まあ とにかく やっくんの金メダル阻止
どうか よろしくお願いしますよ
そうですね 金メダルだけは回避しましょう
(矢野亮介やの りょうすけ)ただいま〜 国会図書館でコピーしてきました
(まどか)ああ〜 ご苦労さま
(亮介) ああ〜 いい筋トレになった
(まどか)桑野さん いとこの亮介です
弁護士目指して 勉強中なんですけど—
今 忙しいんで ちょっと 手伝ってもらってるんです
そうですか
クライアントの桑野さん
はじめまして 矢野亮介です よろしくお願いします
どうも
あっ バナナ
桑野さんから頂いたんです
ありがとうございます 頂きます
ハア
うわ〜
あっ うま
おいしいですね どこで買ったんですか?
八百屋です
(亮介)えっ
あっ 資料 コピーしながら ちらちら見たんだけど
DVでひどい目に遭ってる女性って たくさんいるんだね
そうね…
困ってる女性たちのためにも 今回の裁判は頑張らないと
じゃあ お忙しそうなんで 僕は これで…
あっ くれぐれも
さっきの件 よろしくお願いしますよ
はい 分かりました
(まどか)ハア…
ああっ 結構 忙しいな
(まどか)ああ〜 (香織)忙しくなりますね
(まどか)香織ちゃん 残業よろしくね
ハア〜
(ドアの開く音)
(田中有希江たなか ゆきえ)いらっしゃいませ (太田留美るみ)いらっしゃいませ
あっ 桑野さん
どうも
どうも
(有希江)どうぞ (亮介)ありがとうございます
(有希江)お知り合いなんですか?
あっ いえ…
僕 吉山まどかのいとこです
あっ そうなんですか
まどか姉が ここ教えてくれたんです
コーヒー おいしいよって
ありがとうございます うれしいです
桑野さん
何が オススメですか?
ミルクティー
えっ
ハア… じゃあ ブレンドで
ん… はい
(亮介)あの… (有希江)はい
(亮介)つかぬ事を お聞きしますが
桑野さんって まどか姉とどんな関係ですか?
えっ あっ さあ…
特別な関係ではないと 思いますけど
えっ じゃあ なぜ 僕に あんなに よそよそしいんでしょう?
ああ〜 あの それは…
ああいう人なんですよ
桑野さんに関わっても 疲れるだけですよ
そうなんですか
(有希江)でも どうして まどかさんと桑野さんのこと—
気になるんですか?
実は…
まどか姉につきあっている人が いるのかどうか—
確かめろって叔母に
あっ つまり まどか姉の母親に頼まれまして
そうなんですか…
叔母は まどか姉に 長野に帰ってきて—
弁護士事務所を 継いでほしいんですよ
(有希江)へえ〜 じゃあ
まどか先生のお母さんも 弁護士さんなんですか?
(亮介)そうですよ
まどか姉は もともと お母さんの影響で—
弁護士を目指したらしいです
へえ〜
(亮介) …で 僕は まどか姉の影響で 弁護士 目指してるってわけです
叔母は 最近 体の具合がよくなくて—
なのに まどか姉は帰らないって 言い張ってるんです
事務所経営は そんなに 絶好調でもないみたいだし—
もしかして こっちに 好きな人でもいるのかなって
それはないみたいですよ
東京にはいませんが 鎌倉かまくらに ごっついのがいますよ
(亮介)えっ ホントですか?
(有希江)鎌倉の大仏様です
(亮介)えっ
あの人 大仏女なんですよ
(有希江)ハハッ (留美)だから 関わらない方が…
ああ…
(信介)今日のコーヒーは渋いな
♪〜
〜♪
(オペラの音楽)
(インターホン)
(戸波早紀となみ さき)あっ こんばんは
どうも
まどかさんと有希江さんが来て 女子会やってるんですけど—
お総菜 買いすぎちゃったんで よかったら
(信介)これ 残飯処理ですか
いらないならいいです
いります どうも ありがとう
(早紀)ハア…
はい
(信介)空心菜か…
やつの付け合わせには ちょうどいいか
えっ
(早紀)ハアッ
桑野さんに お総菜 持っていったら—
“フッ 残飯処理か”だって
(有希江)そんなこと言われたの
おすそ分けして なんで ムカつかなきゃいけないんですか
桑野さんへの一番の対処法は 気にしないこと
ああ ムカつく
(まどか)まあ まあ (早紀)フウ…
(まどか)…で とにかく 私は親不孝な娘なの
それは認める
(有希江)そんなことないでしょ
弁護士になって 東京で頑張ってるってだけでも—
親孝行よ
(まどか)ありがとう
(早紀)お母さん 長野に 帰ってこいって言ってるんですか?
そうはっきり言うわけじゃ ないんだけどね
今回の亮介のそぶり見てると そんな感じなのよね
あれは明らかに 母の密命を受けて来てるね
(オペラの音楽)
よし 完璧だ
う〜ん…
(まどか)1回帰って 母と話してこようかな…
(有希江)そうすれば
私は どうかと思います
(有希江)えっ
お母さんのために何かしてあげたい 気持ちは分かるけど…
自分の目標 曲げてまで 親の犠牲になることないですよ
若い子は簡単に言うけど…
若さは関係ないです
そうね ごめん…
(早紀)いや ごめんなさい
ちょっと自分のこと考えちゃって…
私も 父に女優やめて結婚しろって うるさく言われてるから
(有希江)う〜ん みんな いろいろあるのね…
私なんか平凡な日々で 申し訳ないみたい
(まどか)離婚したくせに 何言ってんの
(有希江)そっか
(早紀・まどか)フフフッ
(インターホン)
うわ 桑野さん
(まどか)あっ
今更 お総菜いらないとか 言ってくるんですかね
(まどか)ええ〜
桑野さん どうしました?
ちょっと作りすぎちゃったんで… さっきのお返しというか
あっ そうですか ありがとうございます
あっ 何ですか これ?
北京ペキンダックですよ
あっ 気持ち悪い…
どうやって食べるんですか?
あのね…
いいですよ 僕が切り分けますから
(早紀)えっ いや いいです いいです いいです
(まどか)すご〜い
(有希江)いいんですか 頂いちゃって
(信介)北京ダックはね
手早く切らないと うまみが逃げてしまうんですよ
(有希江)へえ〜
犬だな
女子会ですか?
女子会です
女子とは言えない年齢の女たちが 集う謎の集会か
悪かったですね 女子じゃなくて
(信介)あっ 気にせず続けてください
(まどか)んっ… (有希江)ハハッ…
ちょっと桑野さんの前では 話しづらい話題だったかな
そんなに 恥ずかしい話題だったんですか
(まどか)別に 恥ずかしくないです
私と母の関係について 真剣な話をしてたんです
なら 続けてくださいよ
(まどか) でも 桑野さんが聞くと—
どうせ親離れ 子離れできてないとか—
皮肉言うに決まってます
それは 親離れできていないという 自覚があるってことですか
(まどか)ほら (信介)ああ〜
お母さんが立派すぎて 劣等感があるんじゃないですか
よくそんな想像が口に出ますね
なまじ当たってるだけに 腹が立ちます
ああ きっと大仏好きなのも そういうことですよ
大仏に 優しい母の母性を 求めるんですよ
母と娘の関係は難しいんです 知らないでしょうけど
知りません
鎌倉大仏の中って入れるんですよ 入ったことありますか?
入ってますよ いつも
やっぱり そうか…
あなたにとって 母親の代わりに—
胎内回帰願望を満たしてくれるのは 大仏なんですよ
大仏は 文句も言わずに 受け入れてくれますからね
オホホッ
鎌倉大仏の胎内拝観料は 20円
安上がりな逃げ道だな
(グラスを置く音)
ハアッ 北京ダック おいしそう
(信介)あっ (有希江)お お皿出して
ああ〜 はい
あなたって人は…
(まどか)私 帰ります (信介)えっ
(有希江) ああ ちょっと ちょっと まだいいじゃない
(まどか)北京ダック 楽しんで
桑野さんが作るんだから さぞかしおいしいでしょう
(信介)おっ 食べないの?
んっ
もったいないな
(早紀)ああ〜あ 怒っちゃった
桑野さん
僕?
謝った方がいいですよ
何を?
(早紀・有希江)ハア…
(沢村映子) これ 日付が抜けています
(丸山裕太ゆうた)あれ (映子)“あれ”ではありません
(裕太)すいません… (映子)ったく
(村上英治むらかみ えいじ) あっ おはようございます
(一同)おはようございます (信介)ああ
(横田詩織よこた しおり)コーヒーいれますね (信介)結構だ
(信介)ったく
なんで あんなことに なっちまったんだ…
(裕太)桑野さん あの これ見てほしいんですけど…
(信介:小声で)どうして こんなことになっちまったんだ
(英治) おい 裕太あとにしよう もう今日ダメだ
はい…
(小声で) 違う そんなのいつもじゃない
教えてくれよ…
(香織)先生 (まどか)はい
(香織)今月の収支です
ありがとう
ちょっと厳しいな…
(香織) 今月 結審した国選の案件が—
手間がかかる割に 意外と 報酬が少なかったんですよね
そうね…
ありがとう
んん…
(亮介)あの…
(まどか) お母さんのところには 帰らないよ
(亮介)まだ言ってないし
事務所 苦しいなら 畳んで—
長野に帰ればいいじゃないって 言おうとしたでしょ
なんで お母さんが 直接言わないのよ
何でか聞いてみれば 叔母さんに
ごめんだわ そんなの
お互い意地張って
意地か…
そうかもね…
まどか姉
昔 叔母さんとの間に 何かあったの?
(まどか)どうも (有希江)いらっしゃい
(留美)いらっしゃいませ
(まどか)ブレンド お願い (有希江)うん
あっ
こんばんは
(留美)どうぞ (亮介)ありがとう
(留美)どうぞ (まどか)ありがとう
(留美)何ですか この空気?
昨日 まどかさんと桑野さん ちょっとトラブったのよ
あの…
はい
昨日は どうも すいませんでした
まあ 昨日のことは 水に流しましょう
そうですか…
(小声で) とりあえず和解できた
(小声で) あれ 和解かな…
(亮介)…で 話は?
(まどか)あっ うん…
また桑野さんがいるし…
話って?
亮介に 私と母の間に—
何があったかを話そうと思って 来たんだけど…
(有希江)ハア… いいじゃないですか
(まどか)んっ
(有希江)私も聞きたい
ハア…
(信介)どうか…
僕のことは もう気にしないで
いや やっぱ 無理
なら 僕のことを石か何かだと 思えばいいじゃないですか
人が不愉快になる突っ込みを 入れる石がありますか
言うなと言うなら 何も言いませんよ
じゃあ 何があっても 黙っててくださいよ
はい 言いません
(まどか)フウ…
私ね 小さい頃から—
結構 母の言いなりになって 育ってきたの
父が早くに死んだこともあって
自分を継いで弁護士になれって 母に言われて
それが自分の人生だって思って 勉強して…
もちろん弁護士になったことは よかったと思ってる
人の役に立てる いい仕事だから
ただ…
心のどこかで ずっと疑問に思ってたの—
母の言いなりで いいんだろうかって
それで ある時 反抗したの
27の時だったかな…
弁護士になって—
母の下で働き始めて 仕事に慣れてきた頃—
母から ある人との結婚を勧められたの
同じ弁護士で きちんとした人だった
私…
その人が嫌っていうよりも このまま この人と結婚したら—
一生 母の元から 逃げられないって…
断ったの?
ええ
それだけじゃなくて 他に好きな人を見つけたの
結婚相手くらい 自分で 見つけられるってことを示したくて
お母さんは?
もちろん怒ったわ
でも 私は意地を張って この人と結婚するって言い張った
そのうち母も折れたの
だったら 好きな人と結婚したらいいって
あれ? でも 結婚は…
(まどか)してないわ
結婚の準備をしている最中に 彼が詐欺で逮捕されたの
(一同)えっ
あ… 本人に そのつもりはなかったんだけど
人に出資してもらったお金を 返せなくなって—
訴えられてしまって それで 裁判沙汰に
えっ それで?
私が その人の弁護をした
(信介)おお〜
何とか 執行猶予を勝ち取って
…で その人とは?
(まどか) 裁判所の前で解散して それっきり
(まどか)あっ! (有希江・矢野)あっ
そういえば 弁護費用もらってない
ハッ 今更
まあ そういうわけで…
母とは 気まずいままになって
それで 東京に?
うん 東京に出るきっかけは—
ホントに ささいなことだったんだけどね
冷蔵庫に置いてあった 私のプリンを—
母が勝手に食べたことで 大ゲンカになって フッ
プリン…
私ね 仕事から疲れて帰った時—
そのプリンを食べるのが すっごい楽しみだったの
そのプリンを母が勝手に
プリン 母 プリン…
でも それは ただのきっかけだったんですよね
そうね 母とケンカして—
家を出る口実を 探してたのかもしれない
運命のプリンか…
ほら そこ やっぱり ごにょごにょ言ってる
独り言です
プリンは どうでもいいんです
(亮介)どっちにしても—
1度 叔母さんと ちゃんと話した方がいいって
亮介君は どうして そんなに—
まどかさんの お母さんの肩持つの?
僕は 別に…
ただ 叔母さんの事務所は 顧問先も結構あって—
経営は安定してるんです
叔母さんは事務所継いでほしいと 思ってるんだし
(信介の口ごもる声)
何か?
(信介)いや…
聞こえるといけないから サイレントに言ってるだけです
逆に気になります
いいから はっきり言えばいいでしょ
(信介)いいんですか? (まどか)どうぞ
いい話じゃないですか
(まどか)はっ
東京にいても 仕事はうまくいかず 結婚もできず—
でも 長野に帰れば 仕事はあるし お母さんの力で—
お見合い相手でも何でも 力ずくで探し出して—
どんな形でも 結婚成立まで 持ってってくれますよ
現状打破には とてもいいかもしれませんよ
私の現状は そんなにひどいですか
(有希江)ハア… まどかさんも悩んでるんだから—
もっと思いやりのある言い方 ないんですか?
じゃあ 言い方を変えましょう
結構です
(信介)すう…
(有希江)桑野さんって なんで ああなんでしょうね
(まどか)ううん
実は 桑野さんが正しいのかも
えっ
正しいから腹が立つのよ フフッ
まどかさんって たくましいのね…
自分をそうやって 客観的に見れるってすごい
いつもじゃないけど
でも 客観的になればいいか っていうと—
そんなこともないでしょ
そう?
うん 恋愛とかの場合は
(有希江)あっ そっか
自分が恋愛してる時に あんまり自分を振り返ってもね
(まどか)うん 人を好きになるとさ—
どっか みっともなかったりするじゃない
気にしないで突っ走れる人が 強いのかも
私 意外とそういうタイプかも
えっ ホントに
でも 結婚してからは—
そういう本当の私が 鳴りを潜めてた気がする
じゃあ これからね
うん そうなの これからなの
フフフッ
(中川圭子けいこ)うん (中川なかがわ良雄) しば漬けときゅうりのぬか漬けって どっちもキュウリだよね
(中川なかがわ良雄) しば漬けときゅうりのぬか漬けって どっちもキュウリだよね
(中川なかがわ良雄) しば漬けときゅうりのぬか漬けって どっちもキュウリだよね (圭子)文句だよね 文句ね 文句…
(中川なかがわ良雄) しば漬けときゅうりのぬか漬けって どっちもキュウリだよね
(中川) えっ 文句じゃないよ
(中川) えっ 文句じゃないよ (桑野育代いくよ)信介 何かあったの?
(桑野育代いくよ)信介 何かあったの?
(信介)えっ
(育代)何か いつもと違うから
(圭子)えっ お母さんすごい 微妙な違い 分かんの
(育代)まあ 長年 母親をやってますからね
(中川)そう言われると 何か…
負のオーラが いつもより 若干 強い気がする
(圭子)えっ そう?
(圭子)ねえ ゆみ どう? (ゆみ)ん
う〜ん…
何か変
(信介)帰る (育代)えっ いいじゃないの
こういう時に慰めになったり
癒やしになったりするのが 家族なのよ
(中川)う〜ん (圭子)そうよ お兄ちゃん
何 悩んでんの?
(ゆみ) あっ そういえば 本で読んだけど—
人の悩みって煎せんじ詰めれば—
お金か人間関係が ほとんどなんだって
ふ〜ん お前には金の悩みはないよな
(圭子)うん でも 人間関係の悩みもないでしょ
お兄ちゃんに人間関係ないし
(圭子)ハハハッ (中川)あっ そうか ハハハハッ
(圭子)ハハハハッ
(桑野)どこが癒やしだ (中川)フフフッ
(圭子)ハハッ おかしい…
(早紀)ああ…
(早紀)ちょっと (男性)コラ
(早紀)すいません
いえ…
(信介)フウ〜 ハハッ
(男性) 何これ ドンサック? えっ うまいんかな?
(女性)えっ 知らな〜い
(男性)“幻のカレー味 本場インドのスパイス配合”
(女性)ねえ 待って これ かわいくない
(男性)はあ (女性)ねえ これ 欲しいんだけど
(男性)お前 それ 持ってっから
(女性)ねえ お願い 買ってよ (男性)はっ
(男性) お前 絶対使わねえじゃん それ
(男性) お前 絶対使わねえじゃん それ (女性) 使う 私が持ってんの こっちだもん
(女性) 使う 私が持ってんの こっちだもん
(女性) 使う 私が持ってんの こっちだもん (男性) いやいや 同じ色 同じ色 俺 見た 絶対見た
(男性) いやいや 同じ色 同じ色 俺 見た 絶対見た
(女性)なんで〜
(男性)やっぱ 買ってみっか
(女性)要らないじゃん
ったく
(店員)1230円です ポイントカードありますか?
(男性)あっ あります
(男性)あれ どこだっけ (女性)ないの?
(女性)なくしたの?
(男性)なくしてねえよ ちょ 絶対ある…
(男性)あっ 絶対あるんで (女性)早くしてよ
(英治)く 桑野さん
み み 見つけました
(信介)えっ (英治)ちょ ちょ こっち
やっくんのブログのこの写真
この腕時計
ついにやったな 英治
もし 薬丸って人が これと同じ時計してたら…
よし ジムで 首根っこつかんでやる
ごまかされないように してくださいよ
あっ そうだ ちゃんと証拠になる写真も—
(英治)押さえてくださいね (信介)分かってるよ
お前の努力は 決して無駄にしないからな
(英治)ありがとうございます (信介)よし
(英治)この ねえ 時計な ちょっと色がな 特徴的だからな
(薬丸やくまる)こんばんは〜
(薬丸)あっ こんばんは (信介)あっ どうも
(薬丸の鼻歌)
(薬丸)う〜ん
(薬丸)うっ うっ フウ〜
(男性) 薬丸さん 上腕二頭筋 また太くなったんじゃないですか
(薬丸)うっ… (男性)すごいっすね
いや うお… う〜ん ハハハッ
もうちょっと パンプアップしたかったね これね
(男性)あっ すっげえ (薬丸)いや 若者には負けるよ
(薬丸)まだまだ… (男性)何をおっしゃいますか
もうちょっと胸をね 大胸筋 こうやって上げたかったんだよね
(男性)大胸筋? あっ でも (薬丸)うん こっちのね
(男性)結構きてますよ これ はい (薬丸)きてるかね これね
(男性)きてますよ (薬丸)いけるかな これ (シャッター音)
(男性)やっぱ 僕的には 肩があった方が…
(薬丸)あっ 肩ね (シャッター音)
(薬丸)何か?
(信介)あっ ちょ すいません
(信介)ああ いてえ (薬丸)大丈夫ですか?
(信介) いや アキレスけん やらかした すいませんでした
(薬丸)あっ ストレッチ やった方がいいですよ…
(薬丸)ストレッチ (信介)あっ 分かりました
(英治) 桑野さん 大丈夫かな…
(森山桜子もりやま さくらこ)何?
(英治)今日 桑野さん やっくんと対決するんだ
(桜子)フフッ
いっつも文句言ってる割に 心配するんだ
(英治)うん そりゃ…
(桜子)ねえ 私たち 桑野さんに遠慮しすぎじゃない
桑野さんの前で デートの相談もできないなんて—
変でしょ ていうか…
なんで デート中に 桑野さんの話題出すかな
ごめん
桑野さんに ちゃんと言って 私たちがつきあってること
うん そのうち
(桜子)明日 (英治)え そんな急に
私を取るか 桑野さんを取るか はっきりしてよね
いや その選択肢 おかしいって
(桜子)フン (携帯メールのバイブ音)
(携帯メールのバイブ音)
来た…
(英治)“間違いないです”
よし
どうも
あっ どうも…
(薬丸)あ…
若い人と仲がいいんですね
ええ まあ
ハア…
ブログの話で 盛り上がったんですか?
ああ〜 まあ そういう話も…
僕と2人っきりで—
サウナにいるのは どんな気持ちですか?
えっ
(薬丸)ああ…
これも ブログに書けばどうですか
はあ?
あっ ハア ハア…
何だよ
逃げるんですか
何を おっしゃってるんですか?
逃げることないでしょ あんなに俺に関心があるくせに!
(薬丸)誰か〜 (信介)薬丸ーっ
(信介)チッ クソ
んんっ 何だよ〜
(亮介)あっ 桑野さん
あっ どうも…
(信介)話って何ですか?
僕を非難しに来たんですか
(亮介)別にそんなことは…
まどか姉のことで…
やっぱり彼女は男関係に トラウマがあったんですね
僕の勘は正しかった ハハッ
僕も まどか姉に あんなことがあったって—
初めて聞きました
しかし もう 過去は変えようもないのに ハッ
過去じゃなくて今の話ですよ
僕は まどか姉が叔母に対して 意地を張ってるのが—
どうも見てられなくて
桑野さんからも まどか姉に 話してやっていただけませんか
あいにく僕と彼女は そりが合わないというか…
いや 桑野さんなら 説得してもらえる気がするんですよ
僕 もうすぐ 長野に帰らないといけないんです
司法試験の勉強にも 本腰入れないといけないし…
なのに このままじゃ帰れない
僕に 彼女に長野へ帰れって 説得しろとでも言うんですか
いや そんなことは…
ただ… まどか姉が 自分と向き合って—
納得のいく結論を出せるように 話してもらえませんか
フッ そんなことは—
各自が おのおの 自己責任でやるべきでしょ
何ですか?
彼女にメールを打ちます
自分と向き合って 納得のいく結論を出せと—
いとこの青年が言ってると
やめてくださいよ
すいませんでした 時間を無駄にさせて
(携帯電話の着信音)
はい
(まどか)おはようございます
どうも
こないだは… すいませんでした
あっ いえ…
ハッ そんなことで電話を?
いいえ お知らせしたいことがありまして
何でしょうか
やっくんの正体が分かりました
えっ
(香織)いらっしゃいませ
(信介) “大和貴史やまと たかし” 誰だ これ?
知らない人ですか?
記憶にない
薬丸の別名…
そんなことないか
とにかく ジムにいる 薬丸という人は無関係です
(信介)いや しかしですね… (まどか)今じゃなくても—
昔 関わりがあった人とか
大和貴史…
「レインボーマン」の主人公の あのヤマトタケシと1字違いだ
知り合いなら忘れるわけがない
(電話の着信音)
ああ そうですか…
(電話の着信音) (信介)1文字違い…
(香織)はい 吉山法律… (信介)兄さん…
(香織)えっ (まどか)お兄さん?
(香織)先生… (まどか)ん?
(香織) 大和って人から お電話です
えっ
(大和)プロバイダーから—
氏名を開示するっていう 連絡を受けて…
もう逃げられないなと思って
(まどか)桑野さんの ファンだったんですか?
(大和)はい… すいませんでした
(まどか)ファンなのに なんで こんなことを?
高校の時 ネットで桑野さんのことを見て
建築家になりたいなと思って…
でも 大学落ちて…
フッ 浪人するお金なくて
就職するしかなくて…
仕事も給料少ないし
楽しくないし…
そう思ったら だんだん 桑野さんが憎くなってきて
この人さえいなければって 思うようになって…
毎晩 残業ばっかで 彼女 作る暇もないし
残業代も あまり支払われてないし
ある時 時給換算してみたら—
時給350円だったんですよ
僕の労働って 乾電池4本分ぐらいの—
価値なのかなと思ったら 何か悲しくなってきて
やっと彼女できても あんまりかわいくないし…
しょっちゅう 買い物つきあわされて
俺 ただの荷物持ちじゃねえか って思うこともあって
あげくの果てに浮気されて
しかも相手の名前が 信介だった時…
いいんですか 許して?
まあ もうしないって 誓約書も書いたことだし
とにかく解決してよかったです
あっ いろいろと どうも…
ですが 桑野さんには まだ やることがありますね
えっ
ジムにいる薬丸さんという人に 疑ったことを謝らないと
ああ
早い方がいいですよ
あの そういうのは弁護士として…
はい?
人のトラブルを解決するのが 仕事というか…
知りません
1人で行ってください
はい…
(信介)あの… (薬丸)ひっ
えっ
(薬丸)あっ ハア ハア ハア
えっ
(信介)あの… (薬丸)ハア ハア ハア…
(信介)待って
(薬丸)あっ (信介)ねえ
(薬丸)しまった… くっ
ハア… ハア…
ち… 違うから
ハア… ハア… ハア…
(薬丸)フフッ そういうことだったんですね
(信介)ええ どうも すいませんでした
(薬丸)薬丸と やっくんね…
グウフフッ そりゃ疑いますよね
まあ 話は分かりました
(信介)すいません 昨日は変なこと言っちゃって
(薬丸) もう 気にしないでください
僕は てっきり あなたが僕のことを…
(信介)えっ (薬丸)えっ
ああ そうそう 僕もブログやってるんですよ
ブログ…
よかったら見てください
変なブログじゃないですよ
はあ…
(信介) “一人で楽しむ都会生活”か…
いい趣味してるな
“ビルの隙間から見える 富士山は格別”
達人だ
(まどか) 謝ったんですね
(信介)ええ… 何とか
ああ
これが本当の解決ですね
あの…
はい?
こないだは その…
ちゃんとやってくれないみたいな 文句言って—
すいませんでした
いえ…
ちゃんとやってくれてました
そりゃ 弁護士ですから
ハハッ しかし…
人っていうのは 見かけによらないもんですよね
そういう問題でしょうか
(信介)えっ (まどか)ああ…
あなたが 人との関わりをさけるから—
結果的に うわべしか 見ないんじゃないですか?
だから ホントのことが 見えないんです
めっちゃ いい人じゃないですか
ハハッ まあ…
フフッ
私に 人のことは言えないですね…
私も母に謝ろうかな
そのうち電話してみます
今したらどうですか
えっ
そのうちとか言って 絶対しないでしょ
いや…
するんですか?
(まどか)しませんね (信介)やっぱり
仕事はいくらちゃんとやっても—
そういうことだから人間関係が 充実しないんじゃないですか
はい?
いつまでたっても 結婚相手が見つからないのも—
きっと そういうことが原因なんでしょう
ちょっといいなと思った相手が いたとしても—
そのうち連絡しようと思って そのままになる
まあ 怖いという心理が 働くんでしょうが—
脳科学的に言うと それは…
すればいんでしょ すれば
ああ お母さん あっ 私 元気?
ああ…
いつぞやのプリンのことは 怒ってごめんね
いや プリンよ イレーヌのプリン
お母さんが勝手に食べたでしょ
覚えてないの?
ハッ ひどい 私が あのプリン…
まあ それはいいわ…
ところで 私ね
今 弁護士の仕事が すごく楽しいの
それに…
面倒を見なきゃいけない クライアントもたくさんいるの
だから 当分は こっちで頑張ってみる
だからさ お母さん
いよいよ 体にガタがきたら こっちに来たら
私が面倒見てあげるからさ
いや… いや そういうことじゃなくてさ
いや 分かってるって もう
はい はい 一応 考えておいて じゃあね
(信介)フフフフッ
(まどか)ハア…
何よ… プリンのこと 全然覚えてない
(信介)じゃあ 僕はこれで
(まどか)ああっ…
ありがとうございました
桑野さんのおかげで 電話できました
何か ケンカしてませんでした?
いいんです ケンカしながら いろいろ話します
そうですか… それじゃあ
(まどか)ああ それから
今回の弁護士報酬の請求書 あとで送りますので
(信介)待ってますよ
(信介)ごちそうさま
(亮介)桑野さん
ありがとうございました
えっ
僕がお願いしたこと やってくれたじゃないですか
何の話ですか?
僕 仕事終わったんで 実家に帰ります
勉強 頑張ります
ああ そう
それにしても…
桑野さんと まどか姉って…
(信介)ん?
ハハッ いえ いいんです
いろいろ勉強になりました
まどか姉のこと よろしくお願いします
それじゃあ
(信介)爽やかだな
(英治)店舗デザインの 話なんですけど…
(信介)構想を練ります
(まどか) 有希江さんに 店長を 辞めろって言うの?
(大島)我々と 闘うということですか?
ここでお店が やりたいんです
(まどか) 激しい恋を—
たくさんして らっしゃるんでしょうね
(信介) 僕だってしますよ
(一同)えっ
フフフフッ
どっかに男の人いませんか
私をほんろうして ボロボロにしてくれる最悪な男
(棟梁とうりょう)“巧言令色鮮こうげんれいしょくすくなしじんし仁”
(信介)意外に学があるな
何かあったの?
えっ 別に
(英治)桑野さんには—
ちゃんと俺たちの結婚に 賛成してほしいんだよ
(信介)僕には 大事なんですよ
なくなると困るんです
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