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Original subtitles

(桑野信介くわの しんすけ)事業譲渡と 不動産売買って どう違うんだ…

はっ あっ

(山下香織かおり)お疲れさまでした (吉山よしやままどか)お疲れ〜

ああ…

(携帯電話のバイブ音)

ハア…

(まどか)はい (信介)どうも

(まどか)どうされました?

(信介)こんな時間に デートもしないで仕事ですか?

用件をどうぞ

ちょっと 聞きたいことがあるんですけどね

あっ 相談料は 今度 行った時にでも

まずは質問をどうぞ

(信介) 飲食店の事業譲渡では 許認可は譲り受けた方で—

新たに取得しなければ ならないんですか

(まどか) 通常の事業譲渡だと—

確か 新たに取得しないと いけないはずです

ただ 会社の株式を 100%買い取る形であれば—

引き継がれることになりますが…

まあ 飲食店といっても いろいろな形態がありますし…

詳しくは ちょっと調べてみないと 何とも言えませんね

弁護士会の図書館に行けば 分かるかな…

あっ じゃあ 調べていただけますか

弁護士会の図書館で

分かりました

でも どうして桑野さんが そんなこと聞くんですか?

まあ その クライアントというか…

まあ 英治えいじが ほら いろいろやっちゃいましてね

(信介)まあ そんな… (まどか)もしもし

あっ じゃあ 資料送っといてください

どうも ありがとうございました じゃあ

(通話の切れる音) (まどか)ああっ

(不通音)

何…

(信介)さあ

(まどかのため息)

何か最近 仕事ばっかり

フフッ 久しぶりに会いたい…

(田中有希江たなか ゆきえ)会いたいって誰と?

(まどか)ん… 彼ね 鎌倉かまくらにいるの

えっ そんな人いたの?

フフッ 大柄で ちょっと猫背で

(有希江)えっ ちょっと 見せて 見せて

(まどか)えっ 見たい? (有希江)うん

(まどか)フフフッ

高徳院こうとくいん 銅造阿弥陀如来坐像どうぞうあみだにょらいざぞう

(有希江)大仏? (まどか)うん

(有希江)まどか先生って 仏女ぶつじょ?

(まどか)いや 私が好きなのは このお方だけ

いいと思わない? この高貴なお顔

微動だにしない落ち着き…

そうね…

(まどか)ハア… ずいぶん 長いこと会ってなくてさ

久しぶりに このお顔を拝見して 癒やされたいなって

(有希江)いいんじゃない…

でも 1人じゃ あれだし 行かない?

(有希江)えっ 私? (まどか)うん

あっ 大仏様だけじゃなくて—

あちこち ぶらぶらしたり おいしいもの食べたり

1泊くらいしてさ

(有希江)いいね (まどか)あっ…

でも 仕事があるし…

(太田留美るみ) いいじゃないですか 行ってくれば

お店なら 私1人で大丈夫ですよ

(皿を落とす音)

(小声で) ちょっと無理な気がする

あっ それから もう1つ

これ

(有希江)“結岡ゆいおか神社” あっ 聞いたことある

最近 縁結びで御利益があるって 評判なのよ

月1回の例大祭には 参拝者全員の名前を呼んで—

ご祈とうしてくれるんだって

(有希江)縁結びか… (まどか)うん

でも 私 当分 新しい縁はいいかなって…

私も すぐにとは思ってないけど 仕込みは大切でしょ

仕込み…

(まどか)フフッ

(有希江)“今月の例大祭は10日”

あっ ちょうど定休日

あっ 運命よ 行きなさいってことよ

そうね

(まどか)行く? (有希江)うん

ハハハハッ

じゃあ 10日だから 9日に待ち合わせをして…

(留美)いらっしゃいませ

(有希江)あっ いらっしゃい

(まどか)あっ (信介)どうも

(小声で) 今の話は桑野さんには…

(有希江)えっ なんで?

(信介)どうかしました?

いいえ 何でも

じゃあ また連絡するね

(有希江)はい また

(まどか)よいしょ

(まどか)じゃあ ごちそうさま (有希江)うん

(留美)ありがとうございました

挙動不審だな

ハハハッ…

ハハハッ

あの…

はい…

あっ いや…

これ

見といてもらえますか

はい 何ですか?

あっ いや…

それじゃ

(有希江) あっ あの コーヒーは?

仕事なので

(留美)どっちが挙動不審だ

あっ…

(信介の鼻歌)

(衝撃音) (信介)うっ ぐっ

(村上英治むらかみ えいじ)何だよ この家

リビング40畳で トイレ4つ作ってくれって—

しかも 和風のテイスト入れろって どんな注文だよ

(横田詩織) どんな気持ちかな〜 こんなうち住んだら

(丸山裕太ゆうた)家の中で迷ったりして (詩織)フフフッ

貧乏人が造った家に 金持ちが住む…

資本主義社会の縮図だな

(英治) ええ 桑野さんだって これには負けるでしょ

俺はな 富裕層のニーズをつかむ ノウハウを持ってるから

えっ だったら 手え貸してくださいよ

俺に頼るな

(森山桜子もりやま さくらこ) コンペ 来週ですよ 間に合います?

(英治)ねえ 桑野さ〜ん

自己責任だろ

(沢村映子)この仕事は 大変利益率が高く—

コンペに勝てば 事務所経営に寄与します

ほら〜

検討しよう

(戸波早紀となみ さき)鎌倉 いいですね

今度の土日なら ちょうど舞台も終わるし

ご一緒します

(まどか) あっ でも このことは 桑野さんにはないしょね

寂しい女たちとか 何とか言うに決まってるから

あっ

(小声で)大丈夫です

それじゃあ

タツオ おいで

よ〜し ここだ

♪〜

〜♪

(早紀) 鎌倉っていいですね

(有希江)結岡神社の 例大祭は明日だから—

今日は この辺 ぶらぶらして—

(有希江) のんびりしましょ

(早紀)はい

(早紀)はい (まどか)大仏様 見てると 癒やされるでしょ

(まどか)大仏様 見てると 癒やされるでしょ

(有希江) 包容力があるところが いいんでしょ

(早紀)ええ〜 次 どこ行きます?

(まどか)ねえ 早紀ちゃん その本のセレクト どうなの

(早紀)えっ 何か?

私 鎌倉って 高校の時に 彼氏と来て以来です

早紀ちゃん

(早紀)はい

(まどか) 私たちと つきあってくれるのは うれしいんだけど注意点があるのね

何ですか?

今の発言って 高校時代が—

そんなに遠い昔じゃないっていう 若さアピールと—

彼氏と来たっていう リア充アピールの—

2つが含まれてる気がするのね

いや そんなつもりは…

ちょっと頭の隅に置いといて

(早紀)分かりました (まどか)うん

冗談よ

えっ

えっ…

そういえば ワンちゃんどうした?

あっ マネージャーに預けました

(川上) 何してるの? あ…

行きましょ ねっ

うっ うっ

うっ うっ…

(早紀)ここですか?

(まどか) ここで お金洗うと 金持ちになれるんだって

(有希江)ええ〜 (早紀)ええ〜 ホントですか

(有希江)ここか〜

(早紀)わあ〜 すご〜い

(まどか)すご〜い

あっ

(有希江)んっ (早紀)えっ!

(早紀)桑野さん 何でいるの?

(まどか)1人だよね…

(有希江)1人洗い…

(まどか)行きましょうか

(早紀)はい

(早紀)ここもいいですね

(有希江)私は こっちの仏様の方が好きだな

細いのが好きなんだ

(早紀)ふ〜ん…

鎌倉って ホントに 外国人が多いですね

(まどか) むしろ外国人の方が—

日本の古くからの美しさに 興味があるのよ

古くからの美しさ…

(まどか)ん?

あっ そういう意味じゃなくて

どんな意味?

いや〜 いやいや

あっ

(まどか)あっ

(早紀)またいるし…

(外国人)フジ? (信介)ヤー

(信介) イッツ ライク ザ ホクサイ ランドスケープ ペインティング

(外国人たち)ワオ

(信介)イッツ ベリー ゴージャス

(外国人)メルシーボークー (外国人)テンキュー

(信介)テンキュー (外国人)センキュー

(信介) ビー ケアフル テンキュー

(信介)ハブ ア ナイス デー (外国人たち)センキュー

なんで 外国人には 愛想がいいの… (信介)ハハハハッ

(信介)ハハハハッ

さて…

(早紀)あっ

(まどか)行きましょう

うかうかしてたら また出くわすかも

(早紀)はい

(有希江)ホテルに チェックインしましょうか

(まどか)うん

(早紀)う〜ん

おいしい〜

(有希江)あっ そうだ

今までで 一番痛かった恋愛体験を—

告白し合うって どう?

(まどか)いいね (早紀)いいですね

じゃあ 言いだしっぺから

私は… 離婚かな

私は こないだの写真週刊誌事件

何だ〜 知ってる話ばっかりじゃない

(早紀)じゃあ まどか先生 お願いします

秘蔵のやつ

(まどか)私?

う〜ん…

ハハッ あった クリスマスチキン事件

(早紀)えっ 何ですか?

(まどか)フフッ

2年くらい前なんだけど スーパーの店長やってる人と—

仕事がらみで ちょっと親しくなったのね

…で 初めてのクリスマスを 迎えたんだけど…

おお〜 きたきた〜

イブの朝に電話があって 彼 言うの—

“チキン食べたくないか よかったら今夜持っていく”

(早紀)えっ 家に来るって?

(まどか) そう 仕事忙しいのに—

時間作ってくれたんだと思って うれしかった

…で 夜の8時頃に—

ピンポンって チャイムが鳴って出たの

そしたら その人が スーパーの制服のまま立ってて—

チキン差し出して—

“5000円です”って

それって…

デリバリー?

グフッ 5000円払って—

1人でチキンやけ食いしたよ アッ ハハハハッ…

1人じゃ食べきれないでしょ?

完食した アハハハッ

その人とは?

自然消滅

まあ そのスーパーの店長さんも 桑野さんよりは マシでしょ

まあね〜

どうすると ああいう人になるんだろうか

う〜ん 前世で悪いことしたとか

そうかな…

こないだね 私が お店の 買い取りの件で相談したら

ちゃんと調べてくれたの

弁護士会の資料まで付けてくれて

えっ…

それって 事業譲渡と 不動産売買についてでしょ?

そうそう えっ なんで知ってるの?

(まどか) 私が送った資料だもん 弁護士会の図書館で調べて

(有希江)そうなの?

まあ でも…

あの人なりに 人のこと ちゃんと考えてるのよね

それって…

有希江さんだからじゃないの?

ええ〜 まさか

いや 分かんないよ〜

(有希江)やめてください (まどか)おっ

(早紀)怪しい… (有希江)えっ 全然

(まどか)館内に バーがあったと思うの

(早紀)あっ ラーメン屋もありました

(有希江) まさか食べないよね?

(早紀)えっ まさか…

(まどか)あっ

(シャッター音)

(シャッター音)

(シャッター音)

(一同)はっ

(シャッター音)

(足音)

(信介)あの…

(まどか)どうも

(信介)どうも

(まどか)偶然ですね

(信介)観光ですか?

普通そうだと思うんですけど

僕は仕事ですよ

(まどか)えっ

どんなお仕事なんですか?

(信介)都内に 和風のテイストを入れた—

家を建ててほしいという 注文がありましてね

街を散策しながら こうやって 参考資料を集めてたんですよ

それと銭洗弁天ぜにあらいべんてんの関係は?

(信介)えっ (まどか)いえ 何でも…

そうですか…

じゃあ

(一同) ああ… フウ…

(信介) 結岡神社の例大祭は すごい人だから—

早朝から行かないと ダメですよ

なんで 私たちが 結岡神社に行くって—

分かるんですか?

この日に女3人で来てるなんて それしかないでしょ

ほっといてください

それに ああいうのって…

本当に 御利益があるんですかね?

毎月 何百人もの女たちが 大挙して押し寄せて

やれ結婚したいだの

いい男を紹介しろだの 言うんですよ

神様だって いちいち 答えてられないんじゃないですかね

答えてられるんじゃないですか 神様ですから

(信介)ちなみに僕は 明日は別の神社に行きます

鎌倉に来た時は 必ず 立ち寄ることにしてるんですが

ガイドブックにも載っていない

知る人ぞ知る 小さな神社なんですよ

本当の御利益っていうのは ああいう神社にあるんだろうな

どこですか それ?

教えません

評判になって 女たちが 大挙して押し寄せても困るんでね

それじゃ おやすみなさい

(シャッター音)

教えないなら言うなよ

さっき桑野さんのこと かばうようなこと言ったの—

後悔してきた

いいのよ それで 部屋で飲み直しましょう

はい

(客たち)ありがとうございました (仲居)ありがとうございます

いたたたた

(有希江)あんなに飲むから

(まどか)すいません (足音)

(早紀) ああ〜 やっぱり ダメです

(まどか)ん?

“結岡神社の例大祭に来てます 参拝まで5時間”…

5時間!

(有希江)5時間!

(まどか)マジか

他にも同じようなこと書いてる人が たくさんいるんで—

ホントだと思います

(まどか)ハア…

ああ〜 やっぱり 早起きしないといけなかったか

飲み過ぎたのが失敗だった〜

あっ

(信介)よし

(有希江)昨日言ってた 知る人ぞ知る神社に行くんですかね

(まどか)隠すってことは すんごい御利益がある証拠かも

(早紀)教えてもらいます?

あの人に頭下げて 教えてもらうことないわ

後をつけていきましょう

自動的に 案内してもらえるじゃない

(まどか)ねっ 行こう (早紀)えっ

(有希江)えっ (まどか)よし 行くよ

(信介)ハア…

(信介の鼻歌)

(信介)おっ ああ〜

(シャッター音)

(信介)よし

(信介が草笛を吹く音)

(まどか) どんだけ歩くの…

(早紀)私 もうダメです

(まどか)ここで諦めたら終わりよ

(有希江)何と戦ってるの…

(まどか)ハア… ハア…

おいしそう〜

(蚊の羽音)

あっ

(蚊の羽音) (まどか)もう ああ…

(信介の鼻歌)

(まどか)あれ?

(有希江)いない…

(信介) やっぱり つけてきましたか

(まどか)あっ

そんなに 御利益に飢えてるんですか?

別に…

散歩してただけです

(信介)神社は こっちですよ

(まどか)えっ

(まどか)あっ ベンチ

ああ…

ああ〜 もう無理だ

(鈴の音)

(信介)参拝しないんですか?

(まどか)ちょっと休憩してから

(信介)あっ そうだ

鎌倉は 三方を山に 一方を海に囲まれた—

守りやすく攻めづらい 天然の要害であることから—

幕府は開かれたんですよ

そうなんですか…

それから 鎌倉大仏とは もともとは奈良の大仏のように—

大仏殿に 安置されていたんですが—

その大仏殿が崩壊して—

今のように 露天になったといわれています

えっ そうなんですか

ちなみに あの大仏 高さは11メートルなんですが—

立ち上がると24メートルの 長身の男になるそうですよ

どうですか?

えっ?

えっ どうって言われても…

詳しいんですね

鎌倉に来ている以上 常識ですよ

さてと…

お札も買ったことだし—

僕は そろそろ 東京に戻るかな

じゃあ お先に

(信介)うっ うっ

おお〜 うっ よっ

厄払いしましょう

(まどか)出た

10番です

ありがとうございます

小吉か…

“人のために尽力して吉”

“思わぬ苦労を 背負う恐れあり”

えっ

(まどか)ハア… こっちで合ってんのかな?

(早紀)あっち 行き止まりです

(まどか)ええ〜

(有希江)やっぱり 一緒に行けばよかった…

いや 道はあるはずよ

こっち ハアッ

“思わぬ苦労を 背負う恐れあり”…

これか

(有希江)疲れた…

(まどか) 御利益があれば 元が取れるわ

次のバスまで20分あります

(まどか)ええ〜

あそこのベンチ 座りましょうか

(早紀・まどか)うん

(早紀)休憩したい…

(一同の荒い息)

(大下おおしたエリカ)まどかさん じゃないですか?

エリカちゃん!

(エリカ)おお〜 (まどか)ええ〜

(エリカ)お久しぶりです

(まどか)ウソでしょ や〜だ

あっ 大下エリカさん 女子高の新体操部の後輩

新体操部?

私 キャプテンだったの

(早紀)えっ すごい (まどか・エリカ)フフフッ

(まどか) あっ 有希江さんに早紀ちゃん

(エリカ)こんにちは

(有希江)こんにちは (早紀)どうも

観光? 1人?

結岡神社の例大祭に 来たんです

(まどか)えっ (有希江)えっ

何時間も並んで?

ええ 今日は6時間でした

今日は?

はい 私 毎月 来てるんで

(まどか)アッ ハハッ

(エリカ)どうかしました?

ちょっとお茶飲もうか

(エリカ) 私 絶賛婚活中なんです

まだ若いのに

(エリカ) 婚活に適齢期なんて ないんじゃないですか

結婚したくなった時が 適齢期というか

結婚したくなった時が適齢期 いい言葉

(エリカ)私… 理想が高すぎるのかもしれません

理想って?

とりあえず背が高いこと

高ければ高いほどいいです

他には?

自分の仕事にプライドを持っていて 常識をわきまえてる人

あとは ある程度 年上で しっかりした人がいいです

(早紀)それくらい いそうなのに

(エリカ)それがいないのよ

ていうか ちゃんとした人って ほとんど結婚してませんか

まあね…

(エリカ)どこかにいませんか?

背が高くて真面目で 仕事熱心で常識のある人

そうね…

あっ

あっ

あっ

(シャッター音)

(早紀・有希江・まどか)ああ…

いるんですか?

えっ

う〜ん いるといえば… いや でも

紹介してください

えっ… ああ… ねえ

まあ 背は高いし う〜ん

収入はあるし 真面目といえば…

(早紀) 最後の常識って どうなんですか?

(有希江) すっごい物知りじゃない

物知りと常識は ちょっと違うんじゃ…

聞いてると ほぼOKな感じがします

紹介してください

う〜ん…

その人 何か 決まった女性がいるんですか?

まず いない

だったら…

なんで 出し惜しみするんですか?

あっ…

“人のために尽力して吉”

分かった 紹介しましょう

あとのことは 自己責任ということでいいなら

よろしくお願いします

ああ〜 フフッ

(エリカ)やった〜

(信介) フウー フウー フウー…

(薬丸やくまる) ああっ フッハッ フッ フッ…

うあ〜 オフ…

(男性)おっ 薬丸さん 筋肉ついてますね

(薬丸)いや もうちょっと 仕上げたかったんだけどね

(男性)パンパンじゃないっすか (薬丸)ちゃんとやれよ

(男性)はい お疲れさまです

(信介)ああ…

(薬丸)どうも

(信介)ああ どうも

(薬丸)ああ よく会いますね

(信介)あっ あの…

桑野と申します

(薬丸)薬丸です (信介)ああ…

(薬丸)やりますか?

(信介)いいですか

(薬丸)あっ どうぞ (信介)あっ

(薬丸)どうぞ…

(信介)あっ すいません

じゃあ

(男性)あっ 薬丸さん (薬丸)ん?

(男性) こないだのブログ見ました…

(薬丸)あっ シーッ

(薬丸)恥ずかしいだろ フフッ (男性)アハハハッ

あっ どうも

ああ…

(薬丸)ちゃんとやって ほら (男性)はい

(男性)頑張りま〜す (薬丸)うん

こいつだ

(英治) いいんですか 隠し撮りして

(信介)向こうは もっと卑劣なことやってるんだよ

だって こいつが やっくんだって確証ないんでしょ

だから それを探すんだよ

薬丸は中野新なかのしんばし橋に自宅がある

そこから ジムとか筋肉とかいう ワードが出てこないか探せ

やつが やっくんだという確証を 見つけだすんだ

(映子)業務以外のことに—

アシスタントのマンパワーを 振り向けることは—

事務所経営にとって マイナスですが

ギャラは ポケットマネーで払いますよ

あっ はい

(詩織)あっ これ (信介)おおっ

ほら 後ろに 新宿しんじゅくの都庁がちょっと見えます

(信介)でかしたぞ 有力な手がかりだ

この公園が 中野新橋かどうか特定できれば…

ハア…

(携帯電話の着信音) (信介)おうっ

はい

(まどか)こんにちは

先日は ありがとうございました

いえ

(まどか) 今日の午後とか お時間ありますか?

ちょっと今 取り込み中なんですけどね 何か?

あっ…

実は…

来るかな…

私は来ると見た

有希江さんが こないだの資料の お礼したいらしいですよ—

…って言ったら まんざらでもない感じだったし

それに 鎌倉大仏のうんちくについて—

知りたいとも言ってあるから

緊張します

(留美)あっ 来た (有希江)来た

(まどか)じゃ 打ち合わせどおり (有希江)うん

(まどか) あっ ほら ステキでしょ—

(まどか)建長寺けんちょうじの方丈庭園ほうじょうていえん (留美)いらっしゃいませ

(エリカ)うわ〜 ホントだ (有希江)あっ いらっしゃい

(エリカ)今度 行きたいです (信介)どうも

(まどか)一緒に行く? (エリカ)はい ウフフッ

(信介)どうも

あっ どうも

あっ ここ座ります—

(まどか)ここ (信介)えっ

(まどか) ちょうど打ち合わせ 終わったところなんで

どうぞ

(信介)いいんですか? (まどか)ええ どうぞ どうぞ

(信介)じゃあ

(まどか)え〜と… あっ こちら 建築家の桑野さん

彼女は私の高校の後輩の…

はじめまして 大下エリカです

どうも

(有希江)先日は ありがとうございました

(信介)あっ いえ…

これ ほんのお礼です

(信介) えっ あっ ハア…

どうも すいません

ごゆっくり

(信介)…で (携帯電話のバイブ音)

あっ ごめんなさい 電話なんで ちょっと失礼

もしもし

どうも お世話になっております

ええ その件はですね はい

(エリカ)いいお天気ですね

(信介)ええ

(エリカ)あっ あの…

(信介)はい

はい はい… いえ

建築家のお仕事って 大変そうですね

あの 発想とか感性が—

研ぎ澄まされてないと いけないでしょ

いろんな雑学がなければ できないでしょうし

まあ そうですね

きっと桑野さんを支えてる奥様も ステキな方なんでしょうね

いません

えっ!

結婚してませんから

どうして…

どうして?

(エリカ) だって ステキな方だし—

建築家っていう 立派なお仕事をされてて…

あ 仕事がお忙しくて それどころじゃなかったとか

必要なかったんですよ

(エリカ)でも パートナーがいなければ—

毎日の食事の面や 健康管理が大変でしょ

いれば 支えてくれるし—

仕事にも 張り合いが出るじゃないですか

張り合いは 1人でも出てますよ

そんな余裕でいられるのは—

桑野さんに将来の不安が ないからじゃないですか?

将来への不安?

ええ

私みたいな普通の人間は—

桑野さんみたいな 特別な才能があるわけじゃないし

年を取って… フッ

1人で生きていけるかどうか 自信が…

どうせ 人間は いつ死ぬか分からないですよ

それに結婚後の災難を どう考えますか?

災難?

結婚すれば パートナーだけじゃなく—

親と親戚が倍になるんですよ

それは当たり前のことです

そして ありとあらゆる おせっかいを焼いてくるんです

特に 女性の方には やれ子供は まだかとか

仕事は いつまで続けるんだよとか…

あげくの果ては みそ汁の味まで 伝授してくるんですよ

おじさん おばさんを含め そういう やからが—

一生を通して 覆いかぶさってくるんですよ

(エリカ)でも…

(信介) いいですか 見てください

これが1つの例です

(エリカ)よさそうな 人たちじゃないですか…

(信介)写真だからですよ 実際は そうじゃない

(まどか)またひどいこと言ってる (信介)いいですか

昔 こういうことを 言った人がいます

アメリカの人類学者 ヘレン・E・フィッシャーは—

動物がつがいを作るのは 子供を育てることが目的で—

子供が巣立つ頃には つがい関係は崩壊してしまうと

これを人間に当てはめると

子供が巣立って 乳離れするまでが約4年

その期間だけ愛が持続するように プログラムされてるんです

実際 夫婦の離婚は4年目が 一番多い

(エリカ) ええ〜 そうなんですか…

ほら 教会の結婚式で—

牧師に 永遠の愛を誓わされるでしょ

あれは逆に考えれば 過去のほとんどの愛が—

ぶざまに短く崩壊してきた歴史の 代弁させられてるんです

そして 過去の偉人たちも皆 結婚の愚かさをうたっている

例えば ショーペンハウアーは—

結婚とは 権利を半分にして—

義務を倍にすることだと 言ってます

それから もう1人 オスカー・ワイルドは—

結婚とは まさしく相互の誤解に 基づくものであると

ハイネは 結婚 それは いかなる羅針盤によっても—

航路を見いだすことができない 荒海である

そして もう1人 アレイヘム (エリカ)ああ…

人は 生きて結婚生活に入り 死体となって出てくる

それからモリエールは 人間だけ… (エリカ)あはっ… あ

(エリカ)はあ…

あれ

私が間違ってたかもしれません…

あっ えっ あっ 失礼します

(まどか)ちょ えっ エリカちゃん ちょ…

またか…

ハア…

(エリカの泣き声)

まだ モリエールがあったのにな…

(有希江)かわいそうに…

人の夢を壊して楽しいですか

夢?

いい人と結婚して 幸せになりたいっていう夢ですよ

あれぐらいで壊れるような 夢なんですか

どんな夢だってつぶそうとする 人間はいるもんですよ

それを論破できなくて 何が夢ですか

あなたは…

僕にデリカシーがないっていうのは 前にも聞きましたよ

デリカシーもないですけど

それ以前に 何ていうか…

愛がないんです

そんな人が いくら神社にお参りしたって—

それこそ 御利益なんかありませんよ

どうかな

(まどか)さよなら

(信介)えっ

あっ

まだ大仏の話 してないのに

ハア…

あっ コーヒー お代わりください

(有希江)ハア…

(中川なかがわ良雄) そんな この国の未婚率 上げるようなことして—

どうすんだよ フフフッ…

(信介) 俺は意見を述べただけだよ

結婚したいやつは すればいいじゃないか

何言ってんだよ

いつも結婚生活の文句ばっかり 言ってるくせにさ

文句が言えるのも 結婚してるからこそだからな

ゆがんでるな

普通だよ

なあなあ ところでさ

お前の隣にいる女優さんって この子だろ?

カワイイな 紹介してくれよ

(小声で)お勘定

(中川) このさ 口元にある—

ちょんって ほくろも カワイイんだよな

(早紀)あっ 鎌倉 うん 楽しかったよ

あっ でも 年上のお姉様と つきあうのって—

結構 スキル要求されるなって

フフフッ うん そうそう

うんうん

うん うんうん

ああ そうだよね…

うん

あっ でも そういうのも 役者の肥やしになるのよね

何してるの?

タツオ

タツオ

(信介) スウ… スウ… スウ…

チッ フウ…

(早紀)あっ

こんばんは

あっ

(英治)ひどいっすね 桑野さんも (有希江)そうなのよ

(英治)まあ あの人は しょうがないですよ

こっちが どう適度な距離を取って つきあっていくかってことでしょ

桑野さん このまま1人でいいのかな

フフッ いいんでしょ

桑野さんが結婚すれば—

あなたたちも 心おきなくつきあえるのにね

(英治)えっ

(英治)いや 俺たちは 別に… (桜子)はい

私たち つきあってます

桑野さんに あれこれ言われるのが嫌で—

隠してましたけど

あっ… そうです

あれ 今 何か温度差あった

(英治)いやいや ないよ (桜子)英治君

(英治)えっ 何 えっ 何 (桜子)温度差あったよね 今

(桜子)遅かったですよね (英治)温度差って 何?

(英治)えっ どうした (桜子)ちょっと

(英治) あっ コーヒーぬるかった これ

ああ…

(香織)どうかしたんですか?

(まどか) 後輩に悪いことしちゃった

私が 桑野さんと会わせて 傷つけることになっちゃって

(香織)それ きついですね

ハア…

(香織)そうなんだ (ノック)

は〜い

(エリカ)失礼します

あっ ハア

(エリカ)こんにちは

(まどか)大丈夫?

(エリカ)えっ 何がですか?

昨日のこと…

ああ〜 桑野さん

フフフフッ

ああ とにかく座って

(まどか)香織ちゃん お茶 (香織)はい

(まどか)もう私さ ホントに 申し訳ないことしたと思って

(エリカ)えっ 何がですか?

えっ

私 あの人の話を聞いて つきものが落ちた気がするんです

つきもの?

何を そんなに 結婚に こだわってたのかなって

えっ

(エリカ)桑野さんに 私 いろいろ言われて—

最初は まあ ショックだったんですけど…

そのうちに—

あれ 私 なんで こんなに 結婚にこだわってたんだって

何か 結婚 結婚—

バカみたいじゃないかって 思うようになって

えっ いいの? 急に そんな…

あの人の言うことは極論よ 信じることないから

とんでもない で 私も調べたんです

そしたら トルストイが こんなことを言っています

“急いで結婚することはない”

“結婚は果物と違って—”

“いくら遅くなっても 季節外れになることはない”って

だから まどか先輩も 結婚 そんな焦ることはないんです

うん… そうね

まずは自分をしっかり持って

…で 結婚しなくても 全然オッケーってところに—

本当の幸せが やってくるような気がしています

なるほどね

(エリカ)まあ これからは 婚活をするにしても—

肩の力を抜いて 自然体で やっていけるような気がしてます

じゃあ 怒ってないの? 桑野さんに

怒ってないです 結果的には感謝してます

まあ もう一度 会いたいかって言われたら—

絶対 会いたくないですけど

ああ… うん

(信介)そうですか

(まどか)一応 お知らせしておこうと思いまして

もしかしたら 桑野さんも 気にされてるかもしれないと思って

気にするって何を?

いいんです 忘れてください

はい

(まどか) でも 結果的には桑野さんが いいことしたみたいですね

彼女 ずいぶん明るくなって

でしょ

6時間並んだ神社の御利益が こういう形で出たんですかね…

僕らが行った神社の御利益も あるといいですね

新しい出会い ありますかね

新しい出会い? 何ですか それ?

えっ いや だから…

あっ ちょっと仕事中なんで

ああ はい また

(香織)先生 (まどか)ん?

ミツワ証券 投資詐欺訴訟の 弁護団に—

参加してくれっていうメール 山岡やまおか先生から来てます

ミツワ証券?

それって ニュースになってた裁判じゃない

報酬 期待できますよ

ああ〜

新しい出会いどころじゃないわね

(香織)ですね

(香織・まどか)ハハハハッ

(早紀)ああ〜 まだかな

(有希江)何が?

御利益 新しい出会い

ハア そんな すぐ来るわけないでしょ

(携帯電話のバイブ音)

(有希江)はっ (早紀)はあ

マネージャーだし…

(有希江)ハア…

はい

えっ

テレビ!

(川上)そう

スペシャルドラマ

出番は少ないけど 結構いい役だよ

はい 分かりました 頑張ります

(早紀)はっ (有希江)はあ…

(有希江)テレビの仕事? (早紀)はい

(有希江)おめでとう (早紀)ありがとうございます

(留美)いらっしゃいませ (有希江)いらっしゃいませ

(女性)あっ 7人なんですけど (留美)はい お好きなお席どうぞ

最近 近所に専門学校ができたの そこの生徒さんたちね

(早紀)えっ

じゃあ 売り上げ期待できますね

お互い忙しくなりそうね

恋愛どころじゃないですね

こんにちは いいお知らせです

桑野さんがデザインしてくれた 和風テイストの邸宅

コンペに通りました

(村上たち)お〜 (信介)よし

(裕太・詩織)イェイ フフッ

これで今期 大丈夫です

おお よかったですね

当たり前だ

福玉ふくたま神社の御利益だ

商売繁盛の神様だけのことはある

(まどか) いとこの亮介りょうすけです

(矢野やの亮介) はじめまして 矢野亮介です

知りません

母と娘の関係は 難しいんです

(亮介) 桑野さんなら—

説得してもらえる気が するんですよ

(まどか)やっくんの 正体が分かりました

(信介) 僕と2人っきりで—

サウナにいるのは どんな気持ちですか?

完璧だ

(信介)北京ペキンダックですよ (早紀)あっ 気持ち悪い

(亮介)あっ バナナ

(亮介)どこで買ったんですか? (信介)八百屋です

(早紀)ちょっと (男性)コラ

(信介)逃げることないでしょ あんなに 俺に関心があるくせに

(矢野)桑野さんとまどか姉って… (信介)えっ

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