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[ある人は言う]
[ 「 人事部とは… 」 ]
[ 「 経営者である 」 と]
(マイク) ( 小笠原 ) われわれの時代はね➡
サービス残業 休日出勤➡
こんなもん 当たり前ですよ!
今の社員たちはね➡
「 自己犠牲の精神 」 が まるで分かってない!➡
ワン ・ フォー ・ オール! これです 。
(携帯電話)われわれの時代はね➡
サービス残業 休日出勤➡
こんなもん 当たり前ですよ!➡
今の社員たちはね 「 自己犠牲の精神 」 が➡
まるで分かってない! ( 相沢 ) ち ょ … 森谷ち ゃ ん これ見て 。
ちょっ 見て見て見て 。 ( 堀 ) んっ?
(携帯電話) ( 小笠原 ) われわれの時代はね… 。 ( 森谷 ) うわ 。 これは また… 。
ヤバいでしょ? ちょちょちょ… これ 。
( 堀 ) あ~… 。 (携帯電話) ( 小笠原 ) 今の社員たちはね… 。
( 人見 ) どうしたんすか? ( 堀 ) 社長の失言➡
とうとう見つかっちゃった 。
動画で押さえられて➡
現在 大炎上中 。
( ウジン ) 時間の問題だと思ってましたけど 。
自業自得だな 。 ( 森谷 ) でも➡
これで困るのは 社長本人だけじゃなくないっすか 。
会社全体が そのイメージで 見られかねないじゃないっすか 。
( 堀 ) そこなのよ 。 小笠原さんって➡
何で こういうこと 言っちゃうんでしょう?
何でって… 。 ( 堀 ) そういう考え方の人だから 。
( 須永 ) 古い人だからな 。
( 小笠原 ) 《副業なんか認めてたら 仕事になんないだろうが!》
( 堀 ) 《多様性を尊重してください》
( 小笠原 ) 《何だ? ありゃ…》 ( 里井 ) 《第一営業部の➡
清川君です》 《何か 最近➡
会社が おかしなことに なってるような気が するんだが》
どうなってんだ 最近… 。
《これを》 《はい》
《 「 前時代的なパワハラ社長が のさばる 」 》➡
《 「 カラオケ馬鹿社長! 」 》
《それが 子育てしながら働く社員です》
《多様な働き方を 認めてくださいませんか?》
どいつも こいつも… 。
♬~
( ドアレバーを引く音 )
えっ? ( ドアレバーを引く音 )
えっ? 嘘だろ… 。
( ドアレバーを引く音 ) ( 小笠原 ) んっ… 。
チッ 。 ハァ… 。
あれ?
おいおい… 勘弁してくれよ 。
お~い! 誰か いないのか !? ( ドアをたたく音 )
まだ 屋上に いるんだけど! ( ドアをたたく音 )
( ドアをたたく音 )
おい もう 勘弁してくれよ… 。
お~い! 誰か いないか~ !?
誰も いないのか !? うわ!
夜だ… 。 あっ… お前は… 。
社長 !?
えっ… 何 やってんすか? 開かねえんだよ 。
えっ? 鍵 掛けられたんだよ 。
えっ 何で? えっ? マジで 中 入れないんすか?
そうだよ 。 あっ そんなことより 携帯 貸せ 。
あ~ はい… 。 携帯… 。
あっ… 。
何だ? 充電 ないんでした 。
( ドアをたたく音 ) ( 小笠原 ) くそ~… 。
( ドアをたたく音 )
あっ オガっさん 。
「 オガっさん 」 って 何だ? えっ だって 小笠原さんだから… 。
ハハ… 。 で 何してたんすか?
うん 。 ちょっと 考え事をね 。 大したことじゃない 。
え~ 大変っすね 社長も 。
ほとんど 君らのせいだけどな 。
俺らっすか? ハハハ… 。 そうだよ 。
えっ まあ すいません 。
でも ラグビーやったじゃないっすか 。
タグラグビーだけどな 。
でも 何で みんな ボール持って 走ってたんすか?
そんなことも知らずに プレーしてたのか !?
はい 。 前に投げちゃえばいいのにって 。
フフ 。 ラグビーっていうのは➡
後ろか横にしか パスできないんだよ 。
だから 泥くさく ボールを 自分の体で運ぶしかない 。
え~ 大変っすね 。 ハハ… 。
そして それは チームに対する自己犠牲➡
「 ワン ・ フォー ・ オール 」 の 精神なんだ 。
かっけ~! えっ 何か そういう ラグビーの➡
何か そういう カッコイイやつ ないんすか?
う~ん… 「 ノーサイド 」 とか? 何すか? それ 。
「 ノーサイド 」 っていうのは 試合終了ってことだよ 。
こっちサイドと 向こうサイド➡
つまり 試合が終われば 敵も味方もない 。
これは ラグビーの大事な精神なんだ 。
お~ 。
「 ノーサイド 」 ラグビー… 。
深~ 。
( 人見 ・ 小笠原の笑い声 )
これ いります? おう 。
預かっとこう 。 ハハハ… 。 預かっとく?
駄目っすよ 。 一緒に食べるんすよ これ 。
( 平田 ) おそらく 先日の 『 リーブス ・ ジャパン 』 の➡
インタビューの 反動と言いますか…➡
地元の商工会向けだから➡
本音が出てしまったんだと 思います 。
本音で これが出てしまうというのが➡
大問題です 。 ( 平田 ) ですね… 。
社長が このままでは この会社は 持ちません 。
どうなさるおつもりですか?
( 小笠原 ) この会社は どうしちまったんだ 。
社員も みんなして いったい 何 考えてんだか… 。
色々じゃないっすか?
人によって 会社に 「 こうしてほしい 」 っていうのも➡
結構 違うっぽいですしね 。 さっぱり分からん 。
まあ そりゃ 聞かなきゃ分かんないっすよ 。
いや 私は 社員と コミュニケーションとってるぞ 。
ほら この間のラガーシャツ配りも 見ただろ 。
あれじゃ 社員のこと 分かんないっすよ 。
あれ ラガーシャツと オガっさんの考えを➡
配ってただけですし➡
オガっさんを知ってるから みんな 何も言わないんすよ 。
そこで 正体 言わずに 近づかないと 。
なるほどな… 。
それで こっそり みんなの話を 聞けば いいんじゃないっすか?
正体 隠して 潜入するってことか 。
( 指を鳴らす音 ) そうっす!
( 小笠原 ) この 世を忍ぶ仮の姿で➡
わが社に はびこる 悪を 成敗してくれるわ! ハハ… 。
悪を成敗って… 。
( 真野 ) あっ 人見君 。 あっ おはようございます 。
ねえねえ これ 読んだ? うちの社長の記事 。
えっ? 老害に時代錯誤… 。
まあ 言われて当然だけど 。
(スピーカー) ( 電子音 ) これが うちの会社の➡
トップだって思うと 悲しくなるよね~ 。
ハハハ… 。 あっ はい 。 ハハ… 。
( 小笠原 ) 何なんだ あいつは! でも オガっさんの言ってた➡
社員の正直な声が 分かったじゃないっすか 。
( 小笠原 ) いや 分かりたかったのは ああいう声じゃないんだよ 。
え~… 。
( 小笠原 ) 今度 なめたこと 言うやつが いたら➡
海外に飛ばしてやる!
それじゃ 潜入して本音を聞く意味 ないじゃないっすか 。
( 小笠原 ) だから 言ったろ? 悪を成敗してやるって 。
( 須永 ) お疲れ~ 。 あっ 須永さん 。 お疲れさまです 。
おい 聞いたか? あの話 。
何すか?
社長が屋上に閉め出された事件 。
( 笑い声 ) あっ… ハハ… 。
もう 傑作だよな… 。
( 須永の笑い声 ) あ~… 。
そうなんすね… 。 ( 笑い声 )
そんなことより 須永さん 。 ( 笑い声 )
何が みっともないって それが恥ずかしくて➡
秘書室とか 警備会社に 相当 口止めしたらしいからな 。
もう 器が ちっちゃいんだよ 。 須永さん… 。 須永さん!
ワン ・ フォー ・ オール 屋上でオール 。
( 須永の笑い声 )
天才 天才 。 ハハハ…!
(携帯電話) ( バイブレーターの音 )
あっ… フフフ… 。
あっ もしもし 陽菜? うん 。 どちた?➡
うん 。 あ~ そっか そっか 。 うんうん うんうん… 。 ➡
あ~ それは よかったなあ 。
ジャカルタ行きだな 。 いやいや いやいや… 。
社長の あの発言のせいで また 商談 こけたよ 。
またですか !? ( 社員 ) ああ 。 最悪だよな 。
何してくれてるんですかね あの人 。
( 社員 ) 何で あんなこと言ったんだろう 。
( 社員 ) 信じられないですよ 。 ( 社員 ) ホントだよ 。
( エレベーターの到着音 )
⚟ ( 社員 ) もう 社長の尻拭いで大変だよ 。
えっ !? お前 社長の あれ 担当してんのか?
そう 。 もう 最悪!
( 社員 ) だよな 。 俺だったら 絶対 担当したくないと思ってたもん 。
( 社員 ) 仕事だからって 言い聞かせてるけどさ➡
でも 社長の失言の言い訳を 考えるのが➡
本当に 広報の仕事なのかって むなしくなるわ… 。
そうなんだよな 。 いや 俺は 直接は関係ない部署だけどさ➡
友達とかに 「 あの人が社長の ヤバ会社か 」 って言われると➡
もう ちょっと 考えちゃうよね 。 ( 社員 ) ハァ~ 。 どうするよ… 。
オガっさ… 。
めっちゃ 落ち込んでるじゃないっすか 。
何なんだよ あいつら 。
まったく… 人の気も知らないで 好き勝手なこと言いやがって 。
正直な声 聞きたいって言ったの オガっさんじゃないっすか 。
《お~ 遅くまで悪いね》
《何 言ってんすか 。 小笠原部長のためなら➡
これぐらい 何でもないっすよ》 《そうですよ 。 その代わり➡
終わったら 飲み お願いします》 《いいよ》
《おし 。 みんなで行こう》 ( 一同の笑い声 )
昔は こんなんじゃなかった 。
何が変わってしまったんだか… 。
( 役員 ) 他に何もなければ➡
本日 これで 終わりにしたいと思います 。
一つ よろしいでしょうか? ( 役員 ) はい 。 どうぞ 。
先日の 社長の講演会での発言ですが 。
まだ その話か 。 ( 里井 ) SNSで➡
議論を呼んでいることで➡
社内でも 動揺の声が 大きくなっております 。
ついては 臨時の全社ミーティングにて➡
社長の方から 社員に 説明を していただけますでしょうか?
私に 謝罪しろっていうのか?
どういう意図の発言だったのか 社長の口から説明していただき➡
社員の皆を 安心させる必要があるかと 。
♬~
( 平田の せきばらい ) ( 平田 ) え~➡
それでは 社長より➡
ご挨拶と 今後の方針についての お話を 頂きたいと思います 。
小笠原社長 よろしくお願いいたします 。
すいません 。 社長がいません 。
堀さん側にいませんか?
こっちにも いない… 。
役員の所にも いないな 。
♬~
あっ… すいません すいません 。
あの 社長は どちらに いらっしゃいますか?
それが… その… 。
申し訳ありません 。
( ざわめき )
( 平田 ) あの 静粛に お願いします 。
( ざわめき )
《一緒に 会社 変えよう》
《堂前 一緒に会社を変えようって 言ったじゃないか!》
( ざわめき )
( 里井 ) ここでしたか 。
社長 どうして 出席されなかったのですか?
社員に 説明が必要だと 申し上げたはずです 。 ➡
あらためて 説明会を開きます 。
そこで ご説明と撤回を お願いします 。
断る 。
私は 何も間違ったことは言ってない 。
そして 今後 二度と➡
昔の極端な働き方を 美化するような発言は➡
なさらないでください 。 ( 小笠原 ) 何?
男女平等に反する発言➡
社員の人権を軽んじるような 発言も 同様です 。
里井 いったい 何の権利があって 私の発言を縛ろうっていうんだ?
会社のためです 。
小笠原社長の言動が➡
日の出鉛筆のイメージを 損ねているのは 事実です 。
何が イメージだ! ( 里井 ) それらの発言を➡
やめていただかないと 日の出鉛筆の社長を やっ… 。
私に辞めろっていうのか?
考えを改めていただきたいと 言ってるんです 。
冗談じゃない 。
いったい お前は 何様のつもりだ!
会社を憂う 日の出鉛筆の一員として➡
申し上げています 。
そんなに 私の やり方が 気に入らないなら お前が辞めろ 。
社長! ( 小笠原 ) もう いい!
お前は 首だ!
( 里井 ) そうやって また 切り捨てるんですか?
耳の痛いことを言う人間を 会社のために意見した人間を➡
また 辞めさせるおつもりですか?
次の取締役会で 解任の決議をすることになる 。
それまでは 自宅待機だ!
( 堂前 ) 《里井 一緒に 会社 変えよう》
《まだまだ これからだよ》
えっ !? サトさん 首っすか !?
シ~! 声 大きいよ! ( 相沢 ) マジで !?
ち ょっ と待て 。 それ ホントなのか !? ( 森谷 ) だいぶ 衝撃の事実… 。
( 堀 ) 社長が 「 首だ 」 って 言ってたのは 確実みたい 。
( ウジン ) ヤバ過ぎますね あの社長… 。
全社会議も ドタキャンするし… 。
何が理由なんですか?
常務取締役 解任って 相当な大ごとじゃないですか 。
理由までは分からないけど➡
2人で話し込んで 結構 言い合ってた➡
ってのは聞いた 。
( 須永 ) 里井常務が首になったら この先 どうすんだよ… 。
そうですよ 。 あれだけ 会社のために 色々と… 。
( 須永 ) 俺は 誰についていけば いいんだよ… 。
そこ !? ( 須永 ・ 富樫 ) えっ?
( 須永 ) じょっ… 。
( ドアの閉まる音 )
( ドアの開く音 ) サトさん 。
( ノック )
首になるって マジっすか? ( ドアの閉まる音 )
すごい単刀直入に聞くね 。
何か 社長とバトったって聞いて 。
ああ 。
今度こそ 社長に 変わってもらわなきゃと思って➡
強く進言したんだけど 聞き入れてはもらえなかったよ 。
それで首って… 。
でも 須永さんも 持田さんも➡
結局 首になんなかったし そういうのじゃないっすか?
彼らと違って 勘違いでもないし 単なるミスでもないからね 。
それに こうやって 社長に物申して切られるのは➡
前例がある 。 そうなんすね… 。
前に話したかな? 堂前って男のこと 。
あ~ 何か 自由過ぎて 会社員 向いてなさそうな人 。
フフ… 。
あいつも 10 年前 社長に物申して 辞めることになったんだ 。
マジっすか… 。
《堂前 一緒に会社を変えようって 言ったじゃないか!》
《俺は もう ここには いられない》
( 里井 ) 僕に 「 お前は 会社に残って 会社を変えてくれ 」 ➡
「 困ってる社員を 助けてあげてほしい 」 ➡
って 言い残して 。
彼の分まで この会社を もっと いい会社にする 。
もっと 皆が働きやすくて もっと 自由で➡
もっと 関わる人 みんなを 大切にする会社にする 。
それが 僕の目標になったんだけど… 。
( かばんに入れる音 )
フゥ~… 。
ここまでみたいだ 。
サトさん… どうにか できないっすか?
あの社長は変わらないから 。
( かばんを閉める音 )
人見君を誘っておきながら 先に いなくなってしまうのが➡
心残りです 。
サトさん… 。
♬~
( ドアの閉まる音 )
後のことは 頼みます 。
♬~
( 部長 ) うちの若手社員を中心に➡
退職の希望とか相談が 急増してます 。
その理由というのは… 。
当然 社長の失言と この間 説明しなかった件ですよ 。
( 平田 ) ハァ… ですよね~ 。
それに関しては こっちは 何も言いようがないんで➡
人事の方で 引き留めてもらえますか?
分かりました… 。
ハァ… 。 ( エレベーターの到着音 )
説明会 ドタキャンって あり得ないじゃないですか 。
やっぱり あの社長の下じゃ やっていけません 。
( 須永 ) あっ まあまあまあ… 。 でも まあ➡
あの発言が全てじゃない っていうか… 。
だって 社長の一存で 色々 ひっくり返る会社じゃないですか 。
ついていけないですよ 。 ( ウジン ) それは…➡
そうなんですけど 。 ( 社員 ) 説明も撤回も➡
する気ないってことは➡
あれが本音 ってことじゃないですか 。
そうとも言えないと 思うんですよね 。
止まんないぞ これ… 。 ( 堀 ) 動かぬ証拠が➡
流れちゃったからね 。
やっぱり おかしいですよ 。
これだけ 会社に迷惑を掛けた 社長が だんまりで➡
里井常務が首とか あり得ないと思う 。
( 富樫 ) そりゃそうなんだけど 。
( 須永 ) あの社長だからな~ 。
そんなので許すんですか !? ( 須永 ) おっ 。 ➡
社長にも かみつく気か?
堀さん 社長の弱みとかで 握ってること ないですか?
( 堀 ) う~ん… 。
あの社長の場合 ほとんど全部が 失言みたいなもんだから➡
何か もう一個 やらかしたくらいじゃ➡
効かないと思うんだよね 。
ですよね… 。
( 相沢 ) でも あれは? 「 社長の自宅に眠る秘宝 」 ってやつ 。
何ですか? それ 。 ( 相沢 ) いや 何かね➡
前の部署の先輩の同期が 友達に聞いたらしいんだけど➡
社長の家には 権力の源? みたいな宝物があって 。 ➡
でも それは 人に渡ったら➡
社長自身が破滅しちゃう っていう… 。
そういう秘密のお宝が 社長の家には眠っているっていう 。
何すか? その漠然とした話 。
曖昧過ぎるし フィクション過ぎるな 。
『ロード・オブ・ザ・リング』 じゃないんだから 。 ( 相沢 ) いや 私も 先輩から➡
聞いただけだから 。 そんなの あるわけないじゃ➡
ないですか 。 いや…➡
ホントに あるかも… 。
あるの?
秘書時代に 社長が 昔の仲間と集まって➡
べろっべろに酔っぱらったときに 聞いたかも 。
何か 「 ヤバい物 」 みたいな話 。
ほら ホントに あるじゃん! ( 堀 )「 あれが世に出たら➡
終わりだろう 」 って 。
それは どこに あるんですか? 手に入れる気かよ!
( 堀 ) ん~ 確か 書斎のデスクが どうこうとか 言ってた気がする 。
その自宅にある 「 ヤバい物 」 を➡
どうやって手に入れるか ですよね~ 。
本気ですか? ( 須永 ) 無理だろ 。
社長んちに あるんだから 。 戻りました~ 。
近々 社長の家に 招待されてたり… 。
( 相沢 ) いや そんな 都合のいい… 。 ( 須永 ) いないだろ 。
えっ います 。 ( 一同 ) えっ?
オガっさんの家 今度 行きますけど… 。
えっ? ( 須永 ) えっ?
盗むってことっすか?
( 森谷 )「 盗む 」 って言うと ちょっと 印象 悪いんだけど 。
社長の自宅に 招かれてるんでしょ?
招かれてはいますけど… 。
オガっさん 色々あって 落ち込んでたから➡
励ましてたら 「 飲み会やるから来い 」 って 。
オガっさん… 。 ( 富樫 ) いつの間に➡
社長と そんな関係に… 。 ( 須永 ) うらやましい… 。
お願い 。 人見君しか いないの 。
でも その 「 ヤバい物 」 ? を➡
持って帰ってくる ってことっすよね?
社長と 交渉するためにね 。
う~ん… 。
私たちだって 人見君に こんな 泥棒みたいな まねは➡
させたくないよ 。 だけど このまま 何もしないで➡
里井常務が 黙って解任されるところを➡
見てたくはない 。 それは… そうっすね… 。
常務を救えるのは 人見君しか いないの 。
そうっすよね… 。
分かりました… 。
( 社員 ) 社長 伝説の決勝戦のトライ➡
みんなに 聞かせてやってくださいよ 。
( 小笠原 ) 準決勝な 。 ( 一同の笑い声 )
( 小笠原 ) え っ 話してなかった っ け? ( 社員 ) はい 。
私が ひらりと タックルかわして➡
左サイドから滑り込んで トライだよ 。
( 社員 ) うわ すっげえ さすが!
( 社員 ) 社長 社長 その後の劇的な➡
例のお話も ぜひ お願いします 。 ( 小笠原 ) あっ… 。
( 社員 ) はい 。 ( 小笠原 ) いや これはね➡
俺が 大学2年のときね… 。 ( 猪俣 ) あっ 。
お邪魔しま~す 。 ( 猪俣 ) はい 。 それ もら っ ち ゃ うね 。
あっ いいっすか? あざっす 。 ( 猪俣 ) ありがとう 。
( 堀 ) 《社長は 豪快に見えて 妙なところに細かいから➡
おそらく 自宅でも 書斎には 鍵が掛かってるはず》➡
《鍵は おそらく いつものキーケース》➡
《その中に 車の鍵や 家の鍵とは とうてい思えないような➡
古めかしい鍵があるから たぶん それだと思う》
( 社員 ) でも 社長 そこまで ラグビーがお好きだったのに➡
なぜ 日の出鉛筆に?
( 小笠原 ) まあ 仕事だからな 。 そういうもんだ 。
泣く泣く ラグビーを離れて➡
大学 通いながら 親父の手伝いをする毎日だった 。
( 社員 ) ハァ… 社長 もう一度 乾杯してください!
( 社員 ) 乾杯しましょう 。 乾杯 。 ( 社員 ) 乾杯しよう 。 乾杯 。
( 一同 ) 乾杯~!
⚟ ( 颯太 ) それ 欲しいの?
( 颯太 ) シャインマスカット君のシール 。
あっ これね 。 シャインマスカット君 。
俺が もらうんだよ?
あっ そっか~ 。 うわ 残念だな 。
あっ でも 俺 もう 持ってるから 大丈夫 。 ハハハ… 。
( 颯太 ) ふ~ん… 。 ( 猪俣 ) 颯太 。 あっ 。 ➡
ちょっと これ 運ぶの手伝って 。 ( 颯太 ) は~い 。
( 猪俣 ) はい 。 ありがとう 。 気を付けてね 。
( 猪俣 ) 人見君 ちゃんと食べてる? はい 。 食べてます 。 はい 。
痩せてんじゃない? 大丈夫っす 大丈夫っす 。
もっと食べないと… 大丈夫? 大丈夫っす 大丈夫っす 。
飲んでね 。 はい 。
( 牛島 ) おい 。 はい 。
人見っていったか?
あっ はい… 。
何してるんだ?
いや 特に その 何もしてないというか… 。
台所 奥さんとか 志保さん 手伝えよ 。
お前が 一番 若いんだから 。
あっ あっ… あっ そっか 。 あっ はい 。
すいません 。
おい 。
台所 あっちだろ 。
はい 。 行きま~す 。 ヘヘヘヘ… 。
すいません 。 何か お手伝いすること ありますか?
あっ じゃあ その おわん 並べてくださる?
はい 。 了解っす 。 あっ 志保ちゃん 。 ➡
あと よろしくお願い 。 ( 猪俣 ) はい 。
ごめんね? 牛島君が 無理 言っちゃって 。
あっ いえいえ 全然 。 そりゃ 手伝わないとですし… 。
( 猪俣 ) 言い方 きついけど 悪い人じゃないから 。
はい… 。
社長のこと好き過ぎるから➡
急に呼ばれた人見君に 嫉妬してんのよ 。
嫉妬っすか?
最近 社長と 仲良くしてるんでしょ?
まあ 仲良くっていうか…➡
一緒に 屋上に閉め出されて以来 ちょっとだけ 。
へ~ 。
ていうか 社長って 呼ぶんすね お父さんのこと 。
ハハ… 。
私 娘じゃないよ?
あっ そうなんすか !? ごめんなさい 。
俺 てっきり その 娘さんとか お孫さんとかかなと… 。
そのくらい お世話になってるけどね 。
父が 小笠原さんの部下で だいぶ お世話になってて 。
2人が 第一営業部で ばりばり やってたときからの 縁で 。
ずっと 面倒 見てもらってたんだけどね 。
父が 突然 亡くなっちゃってね 。
それは… 。
うち 父子家庭だったから 「 どうしようかな 」 ってときに➡
生活のことも 進路とか 何なら 冠婚葬祭も?
小笠原さんが 面倒 見てくれて 。
何かあったら 助けてくれて 。
だから 中3からは もう一人のお父さんみたいな 。
( 颯太 ) 俺も ラグビーやりたい 。 ( 小笠原 ) よ~し 。
( 猪俣 ) 颯太にとっては 生まれたときから おじいちゃん 。
( 颯太 ) やりたい 。 ( 小笠原 ) うん 。 いいよ 。 もちろん 。
いい人なんすね 。
古~い人だけどね?
フフフ… 。 ( 一同の笑い声 )
いや 先代… うちの親父は➡
根っからの 職人かたぎだったから➡
売るのが 下手で下手で 。 ( 一同の笑い声 )
まあ おまけに ちょうど➡
シャープペンシルが 普及するころだったから➡
散々なもんだったよ 。
( 社員 ) それを 社長が 一新したと 。
そう 。 もう 大ゲンカしてね 必死になって説得した 。 ➡
文房具全般を売ることにして➡
まず 営業部門を 第一に立て直した 。 ➡
ラグビー部の後輩 大量に入れて 朝から晩まで 作戦 練って➡
走り回って 残業して➡
もう がむしゃらに 文房具 売って回った 。 ➡
何せ 体力に自信あるし➡
ガッツもある連中 ばっかりだったからな 。
あのころの社員は 紛れもなく 家族だったよ 。
( 社員 ) 素晴らしいお話です 。
まあ そういうわけで➡
日の出鉛筆は わが人生であります!
( 一同の笑い声 ) ( 牛島 ) はい 。
( 社員 ) 素晴らしい 。
( 社員 ) 日の出… 日の出… 。 ( 小笠原 ) ハハハ… 。
( 一同 ) 日の出 日の出 日の出 日の出…!
( 堀 ) 《 「 ヤバい物 」 は➡
書斎のデスクの引き出しに 入ってるはず》
( ドアノブを回す音 ) ん~… 。
え~?
⚟ ( 牛島 ) 鍵は これだぞ 。
何してるんだ?
えっと… あの トイレ探してて… 。
トイレは向こうだろ 。
あ~ ハハハハハ… そうでした~ 。
人目を盗んで 鍵 持ち出して➡
社長の部屋の前で 何をするつもりだったのかと➡
聞いてるんだ 。 いや あの➡
何ってわけじゃないんすよね… 。 そっ その… 。
何だ? その かばんは 。 あっ いや あの これは… 。
どういうつもりだ !?
社長に… その… 。
プレゼントを… 。
プレゼント~?
あれっすよ あの ちょっとしたサプライズで➡
置いておくっていう… 。
お前… 。
すいません 。
同じこと考えてたのか!
えっ? ハハハハ… 。
まさか 同じこと考えてるやつが いるとはな 。
こっちの せりふっすよ 。
社長の誕生日 近いしな 。 ですね 。
会社で なれなれしく お渡しすることもできないし➡
人前で 堂々と お渡ししたら 照れて断るしな あの お方 。
そうなんすよね~ 。 で 何にしたんだ? プレゼント 。
あっ え~っと… 。
あっ 牛島さんは 何にしたんすか?
俺は ことしは ラグビーのゴールポスト形の文鎮 。
オーダーメードで作らせたんだ 。
あ~ すてきっすね 。
てか そういえば 文鎮って あれらしいっす… 。
で お前は?
俺はですね 。 ヘヘヘ… 。
あの これっす 。
これ 。
これは…?
世界中 旅してたときに 見つけた ナイジェリアの首飾りっす 。
まあ プレゼントっぽくは ないんですけど➡
この間 社長が めっちゃ 興味 持ってて 。
まあ だから あえて これを プレゼントにしようと思って… 。
裸で?
逆に おしゃれかな~って 。
社長に 何も言わずに 部屋の どっかに 飾っておいて➡
社長が ある日 ふとしたときに 「 これは! 」 って気付くっていう➡
サプライズっす 。
お前… 。
しゃれてるな! ハハハハ… 。
あざっす! ハハハ… 。
でも 意外だったよ 。
お前は 里井常務派だと思ってたから 。
「 派 」 っていうか… 。
里井常務が 社長に 反旗を翻しただろ?
お前のことも 送り込まれたスパイだと➡
思っててさ 。 ハハハ… 。
里井常務は 今や 敵だけどさ➡
そういう 人に ついていこうとする気持ち➡
分かるんだよ 。
俺も 社長に拾ってもらったから 。
俺 大学で ラグビーやってたんだ 。
社長の 40 個くらい下の後輩 。
スポーツ推薦だったんだけど ケガして続けられなくなって 。
大学も中退して 目標もなく 生活のために 清掃のバイトして 。
たまたま 日の出鉛筆の社屋の 担当になったら➡
あるとき 突然 声を掛けられたんだ 。
「 テイトク大のフルバックが こんな所で何してるんだ 」 って 。
それから 何かと 目をかけてくれて➡
OBとして ほっとけなかったのかな 。
「 うちに来い 」 って➡
日の出鉛筆の社員に してくれたんだ 。
学歴も 経歴も 何もない俺を 。
いきなりの大抜てきだったよ 。
やっぱ いい人なんすね… 。
俺は その恩に応えなきゃいけない 。
いつだって 社長のために走って 何かあったら 社長の盾になる➡
そう決めたんだ 。
だから もし お前が➡
社長に害をなそうと してるんだったら 見過ごせない 。
そう思って 警戒してる部分もあった 。
すまなかったな 。 あっ いえ… 。
よし 。 じゃあ 置いて戻るか 。 はっ はい… 。
( 鍵の開く音 )
《このまま 何もしないで➡
里井常務が 黙って解任されるところを➡
見てたくはない》
行くぞ?
あっ… やっぱり さすがに 一言だけ メッセージ書いて➡
置いとこうかなって 。
そうか 。 じゃあ これ 。
ちゃんと閉めて出ろよ 。 はい 。
( 小笠原 ) 《あのころの社員は 紛れもなく 家族だったよ》
( 猪俣 ) 《中3からは もう一人のお父さんみたいな》
( 牛島 ) 《いつだって 社長のために走って➡
何かあったら 社長の盾になる➡
そう決めたんだ》
( 小笠原 ) 《日の出鉛筆は わが人生であります!》
♬~
♬~
ごめん 。 堂前 。 約束を果たせなかったよ 。
( 里井 ) 《堂前➡
一緒に会社を変えようって 言ったじゃないか!》
《俺は もう ここには いられない》
《お前は ここに残って 会社を変えてくれ》➡
《困ってる社員を 助けてあげてほしい》
⚟ ( 足音 )
あっ 人見君… 。
お疲れさまっす 。
(マイク) ( 小笠原 ) われわれの時代はね サービス残業… 。
( 小笠原 ) [皆さん お疲れさまです]
[日の出鉛筆 社長の 小笠原 治です]
[いや~ 最近 世の中 様子がおかしいですね]
( 堀 ) 社長の失言 とうとう見つかっちゃった 。
[会社員として 当たり前の精神を 説うただけで➡
や~れ 「 ブラックだ 」 「 独裁だ 」 と 炎上するんですから]
どいつも こいつも… 。
[てなことを 屋上で嘆いていたら➡
いつの間にか 施錠されて 閉め出される始末]
誰も いないのか !? うわ!
[一念発起した私は 世を忍ぶ仮の姿に 身をやつし➡
社員の本音を 探ることにしたのであります]
( 社員 ) もう 社長の尻拭いで大変だよ 。
[しかし そこで聞こえてきたのは➡
思いの外 シビア過ぎる本音でした]
人の気も知らないで 好き勝手なこと言いやがって 。
[まったく けしからん! どうなってるんだ!]
[あのときの 熱くて優しい社員たちは➡
どこに行ってしまったんだ]
何が変わってしまったんだか… 。
[そんな中 里井が 先日の私の発言について➡
全社ミーティングで説明をしろ とまで言いだした]
すいません 。 社長がいません 。
[さらに 里井は 欠席した私に 社長失格とまで言い始めた]
私に辞めろっていうのか?
考えを改めていただきたいと 言っているんです 。
[上等じゃないか 。 そんなに 私が気に入らないのなら➡
お前が辞めればいいだろう!]
また 辞めさせるおつもりですか?
( 里井 ) [ハァ… 何で あの人には 伝わらないんでしょう]
[あっ 申し遅れました 。 首を突き付けられた男 里井です]
えっ !? サトさん 首っすか !?
[日の出鉛筆に入って 40 年➡
志半ばで会社を去った 仲間のためにも➡
どうにか この会社を 健全にしようと➡
頑張ってきたのですが➡
とうとう あの社長には 響くことはありませんでした]
後のことは 頼みます 。
[私が自宅待機してる間に➡
会社は 大変なことになっていました]
[社長の態度に失望した 若手の間に➡
退職の空気が 広がってきたのです]
里井常務が首とか あり得ないと思う 。
[我慢の限界に達した 人事部の面々は➡
どうやら 僕の首の撤回と 社員への説明を➡
社長に直訴すると決意]
盗むってことっすか?
[その作戦とは➡
社長宅に 遊びに行くことに なっていた 人見君が➡
社長の書斎に眠る 「 世に出たらヤバい物 」 を➡
取ってくるというものでした]
[いや スパイ映画じゃないんだから]
[ですが 社長宅に潜入した人見君は➡
周りの人間から 次々に➡
社長の 「 いい人エピソード 」 を 浴びせられ 葛藤し始めます]
いい人なんすね… 。
[果たして 人見君は どうしたのか]
[そして 僕は どうなってしまうのか]
[解決編は この後]
[日の出鉛筆 常務 里井 嘉久でした]
( 里井 ) えっ? 取ってくる?
はい 。 サトさんを助けるために オガっさんの家に隠し持ってる➡
「 人に見られたらヤバい物 」 を 手に入れて➡
交渉のカードにしようって 人事部で作戦してたんすよ 。
それで 社長を脅そうとしたってこと?
はい… 。
まあ でも 何も取ってこれませんでした 。
うん 。 普通に 窃盗は駄目だから 。
オガっさんって 実は 会社のことが大好きで➡
仲間思いの いい人なんです 。
でも それが 昔の感覚のまま➡
自分と同質の人間にしか 向いてない 。
それは 経営者としては 許されることではないよ 。
この時代 いろんな社員がいて いろんな事情を抱えているからね 。
そうなんすよねえ 。
だから 嫌われてるんすよね 。
若手社員の離職も増えてると 聞いたよ 。
そうなんすよ 。 それも 結構 ヤバくて 。
だから サトさん 。
戻ってきてくれません?
いや… 僕は もう… 。
困ってる人がいるんですよ 。
だから 助けてあげてほしいんです 。
僕と彼らが話したところで 何も変わらないよ 。
オガっさんのことです 。
んっ? 社長?
はい 。 僕が社長を助けるの?
辞めていく若手じゃなくて?
はい 。 オガっさんだって➡
困ってる社員の 一人じゃないですか 。
オガっさんも このままじゃ駄目だって➡
分かってると思うんすよ 。 分かってるんすよ 。
でも 変われない的な…?
どうにか してあげたいんすけど➡
俺じゃ どうしていいか 分かんないんすよね 。
ハハハハハ… 。
よく それを 首を宣告された僕に 頼むね 。
あっ そっか 。 すいません 。 ハハハ… 。
でも お願いします!
相変わらず むちゃくちゃだ 。
さ~せん… 。
でも やっぱり 面白いね 。
サトさん 一緒に 会社 変えましょう 。
まだまだ これからっすよ 。
( 堂前 ) 《里井 まだまだ これからだよ》
そうだね… 。
オガっさん こっちっす 。 ( 小笠原 ) えっ?
里井… 。
( 小笠原 ) どういうことだ? ( 里井 ) 小笠原社長➡
お話があって参りました 。
あらためて お願いします 。
社員向けに 説明会を開いてください 。
( 小笠原 ) しつこいぞ 。 それに なぜ お前が ここにいるんだ 。
取締役会まで待機しろと 伝えたはずだ 。
いつまで こんなことをする おつもりですか?
社長の その態度で 多くの社員が 日の出鉛筆に失望しています 。 ➡
若手を中心に 多くの社員が 辞めようとしています 。
あなたは 「 社員は家族だ 」 と おっしゃいました 。
その 「 家族 」 を こんな形で失っていいんですか?
そんな愛社精神のないやつらは 家族でも何でもない 。
なぜ それを あなたが決めるんですか?
私が 一番 この会社を愛してるし この会社は 私の全てなんだ!
人生なんだよ!
( 里井 ) あなたにとって 日の出鉛筆は 人生で➡
全てを捧げてきたものなのかも しれません 。
それは 疑いません 。 ➡
ですが 日の出鉛筆は あなただけのものじゃない 。
そこで働いている そこに関わってくれている➡
多くの人々のものです 。 ➡
あなたに比べたら 小さな愛情かもしれません 。
でも 愛があるから 理想があるから➡
失望するんです 。 ➡
私は 辞めようとしてる社員に 愛社精神がないとは思いません 。
だから 彼らと もう一度 向き合っていただきたいんです 。
私は 向き合ってきたよ 。
だから 言いたいことも言ったし 本音で ぶつかり合ってきた 。
チッ 。 何が 説明会だ 。
そんなものは なくたって➡
私は 彼らを信頼していたし 彼らも 私を信頼していた 。
そんな日の出鉛筆の精神を➡
あのときの結束を➡
底力を 大切にしたい… 。
それだけなんだ 。
( 里井 ) 社長 私は あなたの古い感覚や価値観には➡
まったく 賛成できません 。
ですが あなたのことは 尊敬しています 。
( 里井 ) 今の日の出鉛筆があるのは 間違いなく あなたの功績です 。
それは 単に 規模を大きくした という話ではありません 。
会社の いい所にも 悪い所にも 向き合って➡
世の中の動静を見て➡
鉛筆専業メーカーから 総合文具メーカーに➡
会社を変えていったという 功績です 。 ➡
それは 社長と 当時の第一営業部の皆さんが➡
一緒に始めたことです 。
もしも 日の出鉛筆らしさ というものが あるのなら➡
私は 時代に合わせて変えていった その姿勢こそが➡
日の出鉛筆の精神なのだと 思います 。
だから 社長➡
今の家族と向き合ってください 。
( 小笠原 ) 分かっていたよ 。 ➡
俺の思う 日の出鉛筆なんて もう ないってことは 。 ➡
時代が変わり 常識が変わり➡
昔の仲間も いなくなって 。 ➡
だけど これが間違ってると認めたら➡
俺たちが➡
あいつらが➡
全部 間違っていたことに なっちまう 。
それは できない 。
なるんですか?
あのときは あのときで 残ってるじゃないですか… 。
なぜ これを… 。
今の社員と向き合っても➡
あなたの愛した日の出鉛筆は なくなりません 。
里井… 。
社員を集めてくれ 。
ノーサイドだ 。
はい 。
♬~
( 平田 ) それでは ただ今より 社内説明会を開催いたします 。 ➡
まずは 小笠原社長より➡
社員の皆さまに お話がございます 。
♬~
え~ 日の出鉛筆 代表取締役社長 小笠原 治です 。
このたびは 私の発言で➡
皆さまに 大変 心配をかけ➡
不快な思いをさせ➡
また 業務上も 様々な悪影響を 及ぼしてしまったこと➡
心から おわび申し上げます 。 ➡
ついては 私 小笠原 治は➡
取締役社長の座を 退くことにいたしました 。
( ざわめき )
何で… 。
( 小笠原 ) 日の出鉛筆は 変わらなければなりません 。
ですが それを 先頭に立って➡
変えていくのに ふさわしい人物は➡
私では ありません 。
今回のことで 私は 様々なことに気付きました 。 ➡
考えを改めようと 意識もしました 。 ➡
しかし それでも 今の時代 今の価値観に➡
対応しきれてない自分を 感じてしまいます 。
なので➡
私は 身を引くことにいたします 。
日の出鉛筆の一員としての 最後の瞬間に➡
気付かせていただいたこと➡
感謝してます 。
( 小笠原 ) 社長として 最後の責任を果たすために➡
後継となる人物を 指名させていただきました 。
ご紹介します 。
新しく 日の出鉛筆の社長を やることになりました 。
「 人を見る 」 と書いて 人見➡
人見 廉です 。
( ざわめき )
は~?
(ナレーター) [ある人は言う]
[ 「 人事部とは 会社全体を動かす 経営者である 」 と]
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