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(初音) ん~!
(蒼) おはようございます。 (あくび)
おはよう。
♪~
(奏奈) あっ お姉ちゃん 違う!
これ 料理酒。
(初音) あ~ またやっちゃった。
寝起き悪過ぎだから。
ハッ! (初音) ん? 何してんの?
(奏奈) メイクしてないから。
(初音) そんなの毎日気にしてたら 持たないよ?
(奏奈) お姉ちゃんこそ 少しは気にしようか。
あの 谷岡さん。
あっ どっちも谷岡…。 >> あぁ! そっか。
これからは下の名前で呼んで。 (初音) うん そうして。
はい…。
は… 初音さん…。
あの ゴミの集積場って どこでしたっけ?
(初音) 出て右行って 最初の角 曲がったとこ。
>> 分かりました いってきます。 (初音) ありがとう。
(奏奈) ありがとう!
♪~
うんま! 手作りの朝ごはんなんて 久しぶりに食べた。
よかった! どんどん食べてね。 (初音) 何か品数 多くない?
>> そう? いつもと一緒だよ。 (初音) フフっ。
あっ そうだ 蒼君さ。 >> はい。
(初音) レッスン室なんだけど…。
ここと ここと ここから ここに→
ヴァイオリン教室の 生徒さんが来るから→
それ以外の時間を 2人でシェアしよう。
分かりました。
初音さん 生徒 とってるんですね。 (初音) ボランティアだけどね。
公務員は お月謝もらうと 副業になっちゃうから。
そういえば 役所の人たちに ヴァイオリニストってこと→
まだ言ってないんだよね? >> えっ そうなんだ。
(初音) 玉響には広報担当ってことで 出向してるから。
けど ステージ出たら バレちゃうんじゃないの?
(初音) だよね… 早く言わなきゃと 思ってるんだけどさ。
♪~
(初音) おはようございま~す。 >> おはようございま~す。
(みどり) やだ 2人そろって ご出勤?
(玲緒) フゥ~!
いやいや そんなんじゃ…。 (初音) 何言ってるんですか~。
(穂刈) あぁ 同居を始められたんですね。
下宿です!
あっ。
初音さん これ。 (初音) あっ ありがとう。
(玲緒) えっ? (玲緒:みどり)「初音さん」!?
いやいや 皆さんも そうやって 呼べばいいじゃないですか。
ねぇ 初音さん。 (初音) ぜひ そうしてください。
「谷岡」とか 何か堅苦しいし。
>> えっ いいの? (初音) もちろん!
(弓香) ねぇ! ねぇねぇねぇ!
木之崎さんが辞めたって! (団員たち) えっ!?
(初音) 木之崎さんってティンパニの? (弓香) うん。
東都フィルに スカウトされたみたい。
(初音) スカウト…。 >> 地方オケから→
優秀なプレーヤーが 引き抜かれるのは→
よくあることなんです。 (初音) そうなんですか。
(玲緒) それにしたって 急過ぎるよね。
しかも あいさつもなしって…。
(弓香) 取りあえず エキストラ呼ばないと。
本番まで あと4日しかないのに 手配できんのかな?
\おはようございます/ (朝陽) おはようございます。
谷岡さん 練習が終わったら 指揮者室に来てください。
(初音) はぁ。
(朝陽) この人をティンパニストとして スカウトしてきてください。
(初音) あの~ この藤谷さんって どういう方なんですか?
あの。
あの!
あの!!
(朝陽) 何ですか?
(初音) 何で そんなにいつも 一方的なんですか。
説明ぐらいしてくれたって…。
(朝陽) 谷岡さん あなたはティンパニが オーケストラにとって→
どういう存在か 理解してますか?
(初音) なくてはならない大事な存在です。 (朝陽) その通りです。
ティンパニはオケを支える土台。
大黒柱です。 (初音) はい。
(朝陽) それほどまでに大事な役割を担う パートがいなくなった。
演奏会まで もう日にちがない これ どういうことだと思います?
(初音) 緊急事態だと。 (朝陽) その通りです。
つまり 無駄口をたたいてる 暇はない。
大至急 お願いします。
♪~
♪~
(初音)「その通りです」 何か…。 (玲緒) はつねっち!
何ブツブツ言ってんの? (初音) はつねっち?
>> ねぇ! 常葉さんと何話してたの? (初音) あっ 何か 今すぐ→
この人をスカウトしてこいって 言われました。
>> 誰 この人。 (初音) さぁ…。
「藤谷耀司」?
私も一緒に行くよ。 (初音) えっ? 何で…。
常葉さんに 役に立つ女って 思ってもらいたいじゃない?
(初音) ハハハ…。 >> ハハハ…。
あった! ふ~ん。
S響のティンパニだったんだ。 (初音) へぇ~。
(蒼) お疲れさまです。 (初音) あっ あっ… 蒼君!
(蒼) はい。 (初音) 今日 帰り遅くなるかも。
あっ 俺もです 楽器の調整で新宿まで行くんで。
新宿? (蒼) はい。
一緒だ 蒼も行こう。
ん?
(初音) あ~ 都会来るの久しぶり。
(モニタ)♪~
あっ! 初音さん この人です。
この間 話した 中1の時に ひと耳ぼれした…。
(初音) あぁ! 蒼君がフルート始める きっかけになった人?
(蒼) はい。 (初音) へぇ~!
えっ 日地谷更紗と 付き合ってたの?
(蒼) いや まさか! あっ でも音大の時に1回だけ…。
(初音) 再会できたの? (蒼) はい 彼女のコンサートに→
オケで参加したことがあって。 (初音:玲緒) へぇ~!
(玲緒) で 仲良くなって?
いえ 話したことは一度もないです まぁ 向こう スターだったし。
そんなチャンスがあったのに 何で押さないの。
いやいや みんな玲緒さんみたいに ガツガツ…。
えっ?
積極的にいけませんよ。
あんた 今 ガツガツって言った? あっ あそこじゃないですか?
(初音) あっ あそこだ! (蒼) ねぇ。
♪~
こんにちは~。
あっ あの→
こちらに藤谷耀司さんって方 いらしてますか?
耀司さん お客さん。
(藤谷) あっ?
今更 オーケストラって ないない 他 当たって。
そうおっしゃらずに 一度 ご検討いただけたら…。
ヤダよ オケは人間関係も 面倒くせぇしな。
いや うちのオケは みんな仲いいし 楽しいですよ。
別にティンパニじゃなくたって 俺 太鼓なら何でもいいんだわ。
役に立てなくて悪ぃな。
(玲緒) あ… あの 藤谷さん! >> 出番だから じゃ。
はつねっちも何か言ってよ。 (初音) ハァ…。
何か 難しそうですね。
(初音) どうしよう…。
もう少し粘ってみよう!
\キャ~!/ \フゥ~!/
\イェ~イ!/
(初音) あ~!! >> あぁ…!
(玲緒) おぉ… はつねっち どうした?
あぁ…。
(初音) 失礼します! >> 何だよ まだいたのかよ。
(初音) 思い出しました 藤谷さん S響にいらっしゃったんですよね。
えっ?
あっ!! 谷岡初音?
はい! うちのコンマスです。
コンマス。
(初音) 21年前 2002年6月19日 グランデリアホールの→
コンサートで 共演させてもらってますよね。
パガニーニの “ヴァイオリンコンチェルト1番”。
ほら あの 真夏みたいに暑かった日!
>> 天気までは覚えてねえけど。 (初音) 私 あの時 7歳で→
あれが初めてのコンサートで ずっと楽しみで→
ワクワクしてたんですけど いざ大勢のお客さん見たら→
びっくりして緊張しちゃって 何か お腹も痛くなってくるし→
もう帰りたいって 泣きそうな気分で。
あの時の指揮者の人 怖い感じの人 だったじゃないですか。
あ~っと その… あの…→
あっ ヒゲの おじいちゃんの! >> あぁ 磯村さんな。
(初音) もうホント無理って思ってるうちに 演奏 始まっちゃって。
でも 最初の あの ドドドンっていうティンパニの音。
あの音で 心がふわっと楽になったんです。
温かい包容力のある 安心感のある音で。
あの時はホントに ありがとうございました!
私が無事にヴァイオリニストとして スタートを切れたのは→
間違いなく 藤谷さんのおかげです!
あ~ こんな所で再会できるなんて 感激です~!
>> ハハっ。 (初音) あっ 藤谷さんのあの音で→
今度の曲やったら 絶対ステキだと思う!
特に あの… ♪~ テンテン テレレレレ ダダダダン
…のところ。 >> へっ?
(初音)♪~ テレレレレ ダダダダン です!
(ペンで書く音)
(初音) これです! ダダダダン!
>> 何? (初音) いえ ですから…。
(缶が倒れる音) あ~!
(初音) すいません すいません! あ~ ごめんなさい~!
とにかく もう帰ってくれ。
(初音) 藤谷さん ホントにもう一度→
ティンパニやろうと思ったこと ないですか?
私 今回 10年ぶりに ステージ立つんです。
正直 ちゃんとできるか すごく不安です。
でも もし藤谷さんが 後ろから支えてくださったら→
私も オケのみんなも 安心できる気がするんです。
一緒にやってくださいませんか?
他の人じゃなくて 藤谷さんがいいんです。
(ドアが開く音) (男性) 耀司さん。
ちょっといいですか?
(初音) 藤谷さん。
もう今更だろ じゃ。
(玲緒) ハァ… ダメかぁ。
(蒼) 聴いてみたかったなぁ。
(小野田) ティンパニストの 木之崎さんの退団→
どうやら 本宮市議が 裏で手を引いていたようです。
(朝陽) やっぱり そうか。
(本宮)〔じゃあ 話を進めちゃって 大丈夫ですか?〕
(木之崎) 〔はい ぜひ お願いします〕
(本宮) 〔では また ご連絡いたします〕 〔よろしくお願いします〕
(本宮)〔失礼いたします〕 〔失礼します〕
(本宮)〔どうも〕
(小野田) 本宮市議には 気を付けた方がよさそうですね。
何を仕掛けてくるか分かりません。
(朝陽) もう仕掛けてきてる。
(高階)〔常葉朝陽さん〕
〔うちのオーケストラ…→
高階フィルの常任指揮者に なってくださらない?〕
(朝陽)〔嫌です〕
(本宮) 〔日本随一のオーケストラが→
最も重要なポストを用意すると 申し出てくれてるんです〕
〔音楽家としては これ以上ない 名誉な話だと思いますが〕
(朝陽)〔お断りします〕 >> 〔なぜ?〕
〔お父様への義理立てですか?〕 (朝陽)〔関係ないです〕
〔単純に好きじゃないんですよ 高階フィル〕
〔あのオケじゃ 僕の理想とする音は出せない〕
〔少なくとも 玉響… でしたっけ?→
そちらのオケより 格段良いかと思うけど〕
(朝陽)〔そうでもないですよ〕
〔では 失礼します〕
♪~
(小野田) いや~ 断っていただけて よかったですけど→
朝陽さん 完全に ケンカ売ってるじゃないですか。
(朝陽) 何が問題だ あのオケは大っ嫌いだが→
「好きじゃ ない」と オブラートに包んだ。
十分に配慮はしてる。
本宮市議は玉響が こけら落としに 出るの大反対してますからね。
シンフォニーホールの完成前に→
うちのオケを 潰しておきたいんでしょう。
高階フィルと 接触しているということは→
朝陽さんを手土産にして→
あちらのオケを出演させようと してるのかもしれません。
(朝陽) 人を菓子折りみたいに言うな。
僕のミッションは 児玉交響楽団の演奏で→
ホールを満席にする それだけだ。
(黒木) ティンパニストを 退団させたとなると→
玉響が自滅するのも 時間の問題ですね。
ただ 常葉朝陽を取るためには 何か…→
もう1枚 カードが必要なんだよな。
(土井) ティンパニのいない“威風堂々” 全く締まりませんね。
お出汁の入ってない お味噌汁みたい。
小野田さん! (小野田) はい。
ティンパニのエキストラさん いつ来るんですか?
あぁ… 忙しい方なんで→
当日 ぶっつけ本番になる 可能性が高いです。
(ヨーゼフ) 一度も合わせないの? 大丈夫?
やむを得ません 今回の発表会には 間に合いませんが→
なるべく早く 正式な団員を 募集するつもりです。
オーディションやる ってことですか?
だったら またSNSで告知してみては。
(初音) あっ いいかも! 蒼君の生徒さんも→
SNSで見つかったしね。 >> SNS もっと→
も~っと盛り上げたいよね! >> ただ 私→
ネットの方は恥ずかしながら さっぱりで…。
大丈夫 こっちでやります。 >> ホント?
今夜 作戦会議しよう はつねっちの家で!
(初音) えっ!? >> 広報担当でしょ?
谷岡家には奏奈ちゃんも あっ 蒼もいるし!
谷岡さんのサポートは この私がきっちり務めますと→
常葉さんに伝えてください。 (小野田) はい。
そういうことか。
必ず伝えてくださいね!
はい…。
2人暮らしにしては広いですね。 >> 1人増えても余裕だね。
(初音) 元々は家族4人で住んでたんで。
(玲緒) は~い みんな こっち向いて~。
(ヨーゼフ) うわ~! (土井) ちょちょちょ…!
(玲緒) OK はい はい! 📱(カメラのシャッター音)
みどりさんが送ってくれって。
今日 一緒に 来たがってたんだけど→
今 家の中 ピリピリしてるみたいで。 (初音) あ~ お子さん 受験生ですもんね。
(奏奈) えっ 待って!
土井さん プチバズってる! えっ ウケるんだけど!
📱♪~ セカンドヴァイオリン 土井琢郎
📱♪~ ぺちゃんこにすっぞ どいとけよ
♪~
(ヨーゼフ) 面白いよね! ハハっ!
おっ! 次は僕の番だ! えっ 何しよっかな?
ってか こんなんで いいね稼ぐの卑怯だわ。
ご自分のいいねの数が思ったほど 伸びなかったからといって→
文句つけるの やめてもらえますかね。
はぁ? (土井) この いいねの数は→
全国のセコヴァイが 共感してくれた証しです。
セコヴァイって何? >> セカンドヴァイオリン。
第2ヴァイオリンのこと。 >> あぁ…。
第1ヴァイオリンと 第2ヴァイオリンって→
どう違うの? >> 今の動画で説明してますが。
いや ちょっと何言ってんのか 分かんなかったし…。
(玲緒) ね~! 分かんないよね~! (土井) ですから…。
ものすごく簡単に言うと メロディーが第1で→
ハモりが第2って感じ。 >> ものすごく簡単に言うと→
そうなりますね。 >> なるほど~。
で 第1ヴァイオリンの首席が コンサートマスター。
あっ お姉ちゃんがやってる コンマスね! (蒼) そうそう…。
(奏奈) 今更だけど コンマスって何するの?
指揮者の意図を プレーヤーたちに伝えて→
演奏を取りまとめるのが コンマスの仕事。
アインザッツ出したりね。 >> ア… アインザッツって?
ものすごく簡単に言うと 「せ~の」って合図みたいな。
ですよね? (初音) うん そうだね。
万が一 指揮者に何かあった時→
指揮者の代わりをするのも コンマス。
へぇ~ なるほど~。 >> いくつかのパターンはありますが→
基本的にオーケストラは この配置が多いです。
ファーストヴァイオリンはここ そして コンマスの席はここ。
全てのプレーヤーたちから アインザッツがよく見えるように→
コンマスだけは少し高さのある 椅子に座っています。
(奏奈) へぇ~。
あっ こういうのも SNSで発信するといいかもね。
(初音) あっ いいと思う! オーケストラ講座。
広報活動に 本格的に力を入れるなら→
オケのマスコットキャラクターも 作ってみては。
例えば…→
こんな感じの。
これ どっかで 見たことあるんだけど。
えっ…。 >> あっ それで→
スケッチブック 持ってきたんですね。
キャラクター みんなで考えようよ! >> そうしましょう。
あっ そろそろ オンラインレッスンの時間だ。
(初音) いよいよ講師デビューだね。 >> はい いってきます。
(一同) いってらっしゃい! >> よし!
📱 こんばんは。 >> こんばんは。
庄司 蒼です。
よろしくお願いします。 📱 よろしくお願いします。
じゃあ まず頭部管を外して→
頭部管だけで 音を出す練習をしてみましょうか。
(玲緒) でも 蒼が オケ続けてくれてよかったよね。
(初音) うん! >> あとはティンパニですね。
発表会 大丈夫かな? >> 大丈夫!
うちには優秀なコンマスいるから。 (初音) いやいや そんな…。
はつねっちと 同じ舞台でやれるなんて→
ウソみたいだよね あの谷岡初音だよ?
オーストリアの友達に うらやましい!って言われたよ。
(玲緒) 本番 めちゃくちゃ楽しみ! (ヨーゼフ) 頑張ろう!
(玲緒) フフっ 頑張ろう!
♪~
(階段を駆け下りる音) (奏奈) ハァ ハァ…。
あったよ 色鉛筆! (蒼) ありがとう!
ハァ… あっ お姉ちゃんは?
レッスン室 行ったよ。 (奏奈) あっ… 危な~。
また走るなって 怒られるとこだったわ よいしょ。
えっ! うまっ! 蒼君 断トツだね!
他 ひど過ぎ!
奏奈ちゃんさ 何で走ると怒られんの?
あぁ… 子供の頃 心臓の手術したから。
えっ そうなの? >> うん。
まっ もう全然 健康なんだけどね。
私が病気したせいで お姉ちゃん 舞台を降りたんだ。
えっ…。
(奏奈の声) いつか復帰してほしいって ずっと思ってたから→
玉響で演奏できることになって すごくうれしいんだけど…。
お姉ちゃん まだ舞台に立てる 自信がないみたい。
あぁ… ちらっと そんなこと言ってたな。
あぁ… やっぱそうか。
♪~
(常葉) マスコットキャラクター。
オリジナルグッズ→
SNSキャンペーン…。
ハァ…。
いいんじゃないですか。
(初音) ありがとうございます! (常葉) う~ん!
このまま こけら落としまで どんどん盛り上げていきましょう。
ハハハ… あっ 費用は→
プロジェクトの予算から 引っ張りますから。
(初音) ありがとうございます。 >> ありがとうございます。
(常葉) しかし 谷岡さんは ホンットにいい仕事をされる。
広報担当に任命して 大正解でした!
(初音) あっ…。
(常葉) いくら オケのレベルが 上がったところで→
市民に それを伝えるすべが なければ意味ないですからね。
これからも よろしくお願いしますね!
(初音) はい…。
(小野田) え~ というわけで 無事に予算を確保しました。
\お~!/ (拍手)
え~ そして 奏奈さんには正式に→
SNSの担当を お願いすることになりました。
よろしくお願いします。 >> はい 頑張ります!
よろしくお願いします! (拍手)
(奏奈) お願いします! (拍手)
(拍手)
(初音) あの 小野田さん。 >> はい。
(初音) やっぱり ちゃんと 市長に伝えた方がいいですよね?
ホントは私がコンマスとして 玉響に参加してるってこと。
まぁ いずれは 分かってしまうことですからね。
(初音) 市長と もう一度 面会させてもらえますか?
分かりました アポイント取りますね。
(初音) お願いします。
ハァ…。
(常葉 鼻歌)
(本宮)\ご機嫌ですね 市長/
(常葉) これはこれは 本宮さん。
中学生たちの吹奏楽発表会に→
玉響の演奏を ねじ込んだみたいですね。
困ります~ 勝手なことをされては。
(常葉) 何が問題なんですか?
中学生に 本物のオケを体験してもらう→
いい機会じゃないですか。 >> 本物ねぇ…。
何ですか? それ。 (常葉) あぁ…。
玉響の広報がマスコットキャラクターを 作ってみてはどうかと。
で オケの団員たちと一緒に 宣伝プランを→
練り上げてくれたんです。 >> 随分 暇なようですね。
見ましたよ SNS たったフォロワー500人の。
団員たちが交互に登場して アピールしてるみたいですけど→
そんな暇あったら 練習したら どうですかね?
(常葉) してますよ! 当たり前でしょう。 >> どうだか。
(常葉) じゃあ 見にいきましょうよ! ねぇ 行きましょう!
(朝陽) ダン!
(朝陽) Aから もう一度。
大変です 視察が来ます。
(朝陽) は?
(常葉) 皆さん! どうですか? 調子は。
(朝陽) 練習中です 出ていってもらえますか。
(常葉) その練習を見学させてもらおうと。 (朝陽) 断る!
(常葉) まぁ そう言わないで さわりだけでもいいからさ。
で 曲は何をやるんだっけ?
え~…→
“ポンプ エンドゥ サー…”。
これ 邦題 何て言うんですか?
ほ… 邦題… すいません これ 邦題は何…。
あれ?
あれ? あっ! 何で?
(初音) 市長 あの 申し訳ありません!
実は私…。 (本宮) おや!?
ティンパニの席が空いてますね。
(常葉) えっ? (本宮) どういうことです?
ティンパニストがいないなんて あり得ませんよね。
(常葉) いや それは…。
市長。
♪~
(常葉) 皆さん ここで一つ お知らせです。
ご報告が遅れました。
わが玉響の コンサートマスターは→
天才ヴァイオリニストである→
こちらの谷岡初音さんが 務めてくれています。
この私が任命しました。 (初音) えっ?
それは素晴らしい。
ですが ティンパニストが不在では どうにもならないでしょう。
ティンパニはオーケストラの 要だと言うじゃないですか。
そんな重要なパートが いないんじゃ…。
(朝陽) いますよ!
(初音) あっ!
どうも。
来た…。 >> 何で?
(朝陽) うちのティンパニストです。
そろいましたが 何か文句がありますか?
(息を吸う音)
僕はオケのプラスにならない 部外者が→
練習に立ち会うのが 大っ嫌いなんです!
いいですか? 今 この時間は 音楽家たちが仲間の音を聴いて→
自分の音を確かめる よりよい音楽を届けるための→
真剣勝負の時間なんです!
あなた方の くだらない小競り合いのせいで→
その大事な時間が もう4分半も無駄になっている。
確かに このオケはひどい 三流以下のポンコツです。
皆さんがご心配されるのも 分かります。
ですが 僕が来て→
まだ1か月前と同じ実力だと お思いでしたら大間違いだ!
僕のオケを評価できるのは→
僕と 客席の聴衆だけです。
♪~
(朝陽) ありがたいご心配は 日曜日の本番の後で。
お帰りを。
♪~
ねぇ 今 「僕のオケ」って言った?
言った…。
(常葉) 朝陽!
カッコいい! (朝陽) 小野田。
(常葉) えっ? >> 市長 行きましょう。
(朝陽) いいタイミングでした 藤谷さん よろしくお願いします。
こちらこそ。
(朝陽) もう一度 Aからいきます。
♪~
(藤谷) 穂刈さん ご無沙汰してます。
久しぶりですね お元気でしたか?
まぁ 何とか…。
(初音) 来てくださってうれしいです ありがとうございます。
こいつのせいで えらい目に遭ったわ。
(初音) えっ?
これだけじゃ 何の曲か分かんねえだろう。
気になって気になって 昔のスコア引っ張り出して→
探しちゃったじゃねえか。 (初音) すいません。
五線譜なんて久しぶりに見たわ。
押し入れん中に山ほど残ってて→
あれでもねえ これでもねえって 見てたおかげで徹夜だよ。
最初から “威風堂々”って言えっつうの。
(初音) ですよね。
まっ 仕方ねえから 復帰戦もあんたと一緒に闘うわ。
(初音) ありがとうございます。
(穂刈) うれしいなぁ また一緒にやれるんですね。
オケは もういいやって 思ってたんですけどね。
(藤谷の声) ここなら→
やれそうな気がしたんで。
(穂刈) 皆さん→
藤谷君とはS響時代に 一緒に演奏をしてました。
彼は大変信頼できる ティンパニストです。
これから 一緒に頑張っていきましょう。
お世話になります。
(拍手)
(常葉) いや~ 先ほどは 留飲が下がりましたよ!
ウエルカム トゥ 玉響!
(初音) あの 市長 ホントのこと 言いそびれてて→
すいませんでした。 (常葉) いえいえ 謝る必要はないよ。
頼りにしてるから よろしく頼むよ。
(初音) はい 頑張ります。 (常葉) そうだ→
SNSで宣伝したらいいじゃない 「玉響のコンマスは→
あの天才ヴァイオリニスト 谷岡初音」って。
(初音) あっ いや…。 (常葉) 宣伝効果 抜群でしょう。
そうだ そうしよう! SNS担当 誰だっけ?
(朝陽) 小野田。 >> は~い 市長 行きましょう。
(常葉) 話 まだ途中じゃない! ちょっと! 朝陽!
初音さんは SNSには出なくていいっすよ。
そうそう 気乗りしないのに 無理することないよ。
はつねっちは 客寄せパンダじゃないっつうの!
プレーヤーは 演奏してなんぼだよ!
やりたくないことは しなくてOK!
ねぇ! みんな!
\そうだ~!/ \そうだ そうだ/
(ヨーゼフ) もっと~! はい!
S響とは 随分と感じが違うでしょう?
ですね フフっ。
(奏奈) 朝陽君!
ちょっといい?
お姉ちゃん 表舞台に出ること怖がってる。
SNSに出たがらないのも→
今まで市長さんに ホントのこと言えなかったのも→
全部 そのせいだと思う。
まぁ 10年もブランクあったし 無理もないと思うんだけど→
どうしたらいい?
(朝陽) なぜ 僕に聞くんです。
だって朝陽君 いろんな音楽家の人 見てきたでしょ?
(朝陽) あぁ…。
問題の解決方法は人それぞれです 正解はありません。
あぁ… そうかもしれないけど。
(朝陽) 谷岡さんの問題は 谷岡さん自身で解決する他ない。
ねぇ 何で そういう言い方しかできないの?
(朝陽) そういう言い方とは? >> そんなんだから→
みんなと仲良くなれないんだよ!
(朝陽) 仲良くなることなど 求めてはいません では。
えっ ちょ…。
自分がお姉ちゃんのこと 引っ張り込んだんでしょうが~!
ん~!!
(キーボードを打つ音)
(本宮) 谷岡初音…。
なるほどね。
(大塚) このたびは うちの三島が お世話になりまして→
ありがとうございました。 >> 大成功でしたねぇ。
とても素晴らしい コンサートでした。
高階フィルさんのおかげです。 (高階) フッ…。
いかがでした? 久しぶりの日本公演は。
(三島) う~ん 安心感がありました。
この空気 懐かしいなって。
三島さんは 西さいたま市のご出身よね?
ええ 生まれは東京ですが 4歳からは→
西さいたまの 祖父母の家で育ちました。
第2の故郷ってやつですね。
さっきね→
その西さいたま市の市議から 面白い話を聞いたの。
あなたのライバルが 復帰するそうよ。
ライバル?
谷岡初音さん。
(高階) もちろん ご存じよね?
ええ…。
小さな地方オケの コンマスになったんですって。
表舞台から姿を消して10年。
いろんな生き方があるものね。
♪~
(朝陽) 全然違う!
この曲は イギリスの第2の国歌です。
♪~ ラ~ラ ラ~ラ ラ~ラ ラ~ラ
もっと気品を持って!
Rから もう一度。
♪~
(朝陽) やぼったい ここは昭和のオケですか?
♪~
(朝陽) 重過ぎます ベートーベンじゃないんです。
♪~
(みどり) 今日は いつにも増して 厳しかったね~!
怖かった! >> 語気の荒さが3割増しでした。
けど 言ってることは まともだろ 言い方はともかく。
そうなんですよねぇ。
本番前だもん そりゃ 熱も入るでしょ。
いよいよ あしたかぁ!
生まれ変わった玉響 聴いてもらえるね!
指揮者も コンマスも ティンパニも変わってますからね。
平常心でいきましょう。
(藤谷) コンマス。
背中預けてもらって大丈夫だから。
(初音) はい。
>> いい感じ! >> バッチリ!
うん! ごはん 出来てるよ。 (初音) うん。
(深呼吸する音)
トイトイトイ。
えっ 何それ?
本番で楽しく弾ける おまじない。
いつも お姉ちゃんが 生徒さんに教えてるの。
ほら お姉ちゃんも!
(初音) トイトイトイ。
フフ… うん 確かに落ち着くね。
フフフ。 >> じゃあ 俺もやってみよう。
(ゆっくりと) トイ トイ トイ。 (初音) ハハハハ!
何かそれ 寝かしつけみたいなんだけど。
ちょっと違う。 >> ちょっと違う?
えっ どう違うんだろ? (奏奈) ハハハ!
大丈夫! 楽しんで!
(初音) うん!
(玲緒) あ~!
んん…!
(初音) 玲緒さん 寒くないですか? (玲緒) えっ?
その露出 もしや常葉さんへのアピール?
あっ いやいや そんな…。
合法的な 色仕掛けというわけですね。
(玲緒) 今 何つった? あぁ…! 冷たい!
冷たっ! (玲緒) 温か~い!
(みどり) ハハハ…! (土井) つ… 冷たいです。
え~ 皆さん あの 急きょの出演なので→
ゲネなしですが ステージ 見ておきますか?
午後の部が始まるまで まだ時間もありますんで。
(団員たち) はい。
(穂刈) セッティングの変更が 大変ですね。
そうなんですよね。
(みどり) ここ 広いよね 座席数 どれくらいだっけ?
(土井) 1029席です。 (玲緒) え~! 全部 埋まんの?
(小野田) 今日は ほぼ満席だそうですよ。
♪~
(小野田) 吹奏楽部の最後の演奏が 2時30分に終了した後→
市長の閉会のあいさつを経て 我々の出番となります。
ただ 一つ問題なのは→
セッティングの変更に 時間がかかるため→
その間に お客さんたちが帰って しまわないかということです。
最低でも15分はかかりますよね。
あ~ その間 お客さんを→
引き留めておかないと いけないわけね。 >> そうです。
ですので 3時から 玉響の演奏があることを→
市長に告知してもらうことに なってます。
お客さん 待っててほしいね。
満席の会場で 我々が演奏するのは→
埼玉県主催で行われた 県民ふれあいフェスティバル以来→
5年ぶりとなりますね。 \懐かしい!/
(みどり) ワクワクしてきた! (玲緒) ねぇ!
(みどり) 5年ぶりだっけ? (玲緒) ねぇ。
\すごっ!/ \うれしい!/
(常葉) 今から演奏いたします わが町のオーケストラ→
児玉交響楽団 通称 玉響は→
西さいたま市の名士であります 児玉源三郎氏によって→
1975年に創設されました。
伝統あるオーケストラです。
創設のきっかけは 児玉氏の旧友であります→
西さいたま市出身の音楽家 工藤高政氏から→
音楽の都 ウィーンへの 留学経験の話を聞いた児玉氏が→
地元にもクラシック音楽を 広めたいという強い思いを→
抱いたのが発端だそうです。 >> 長い…。
(常葉) そんな2人が友情を育んだのが まさに中学時代!
完全に逆効果だ。
あっ お願いします。
(常葉) 音楽が心を育み 友情を育む。
児玉氏と工藤氏が体現した歴史を まさに…。
ヤバいよ! 市長の話 止まんなくて→
お客さんが どんどん帰っちゃってるよ!
マジか…。
(弓香) ちょっと どこ行くの?
初音さん 探してきます。
さっき出てってから ずっと戻ってこないんで。
1人の時間も大切です 初音さんは大丈夫。
私も そう思う。
はつねっちのこと 信じてあげな。
(初音) フゥ…。
ハァ…。
ハァ… 大丈夫…。
大丈夫 落ち着いて…。
フゥ…。
ハァ… そろそろスタンバイかな。
よし! 頑張っていきまっしょい!
\よしよし!/
フゥ…。
てっ… てっ…!
えっ… 「て」?
敵は豚汁です!
さぁ さぁ! 本日は寒いですからねぇ!
皆さん 温まって帰ってください!
市議会議員 本宮雄一が 豚汁を配っておりますので→
どうぞ どうぞ…。 (女性) ファンなんです!
写真撮っていただいて いいですか?
(本宮) もちろんです。 (玲緒) 皆さ~ん! この後→
オーケストラの演奏がありま~す! >> 3時からです。
ぜひ… ぜひ聴いてってください! >> どう?
みんな 皆さん! >> もし よろしかったら→
私どもが演奏いたしますので…。
無料でやります 無料でやります あの…。
ちょっと待ってください! >> 豚汁を食べた方は→
どうぞ お帰りください! 気を付けて お帰りくださいませ。
聴いてってください! 皆さん 3時からです!
ピッコロじゃん! >> あっ!
♪~
(初音) ハァ…。
(初音) フゥ…。
トイトイトイ。
フゥ…。
フゥ…。
(初音 深呼吸する音)
よし。
(初音) ハァ… ハァ…。
(初音) 何で? みんな どこ?
(観客の話し声)
♪~
〔どうしたの?〕
〔ざわめき〕
(初音) 無理… やっぱり無理。
(朝陽) 怖いですか?
(初音) はい…。
(朝陽) じゃあ 逃げますか?
10年前と同じように。
(足音)
トイトイトイ。
(朝陽) 困ったな。
あなたが説得した仲間が2人 ステージに出ましたが。
♪~
(朝陽) 大丈夫です。
一人じゃ ない。
(朝陽) 僕たちは→
オーケストラです。
(初音) はい!
(拍手)
(チューニングの音)
(拍手)
(朝陽) おかえり。 (拍手)
(拍手)
♪~
(拍手)
(常葉) ブラボー! (拍手)
(常葉) ブラボー! 朝陽~! (拍手)
(拍手)
(みどり) ねぇ あの笑顔 何? ずるくない?
いや~ もう破壊力 半端ないわ! >> ハハハ…。
(初音) 支えてくださって ありがとうございます。
やっぱり 藤谷さんに 来ていただけてよかった。
>> フフっ。 (初音) フフっ。
あの…。
皆さんも ありがとうございます。
お礼を言うのは私たちの方ですよ。
コンマスのおかげで 気持ち良く演奏できました。
(みどり) 初音ちゃん ありがとう。
(奏奈)\お姉ちゃん!/
(初音) あっ!
(奏奈) お姉ちゃん! よかったよ!
(初音) ありがとね 奏奈。
(ヨーゼフ) じゃ みんな 飲みに行かない?
(玲緒) 行こう 行こう! (奏奈) 飲みか!
お姉ちゃん どうする?
(三島)\初音/
(初音) 彰ちゃん…。
♪~
久しぶり。
復帰 おめでとう。
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