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(橘) あの2人 財務省時代の同期だったんだ。
(華子) 副市長は私の兄でした。 (三係一同) 「でした」?
(相楽) 捜索も 市民の皆さんのための 業務だということは→
分かっていますよね。
(日比野) 徴税強化体制の一環なの 副市長のお墨付きです。
(浜村) 要するに クビ切りするぞってことだよな。
(饗庭) 俺たちが 徴収率 上げりゃいいんだろ?
財務省への手土産が欲しいのも 分かるよ。
前にも来てたんすか?
(陽子) 職場が変わって→
時間がとれるように なったからって。
(饗庭) 奥林に会いに行ったんだろ?
お前 何が目的なんだよ?
ん? 答えらんねえか?
(相楽) 俺は ただ 同期の見舞いに行っただけだ。
それが何か問題か?
(饗庭) 何で今更 奥林のこと気にすんだよ。
あの時の質問の答えも まだ聞いてねえぞ。
〔そもそも お前 屋上で何してたんだよ?〕
〔奥林と何か話してたのか?〕
〔答えろよ!? どうして奥林は飛び降りた?〕
どうして奥林は…。
>> 華子…。
♪~
そう怖い顔するな お前らしくないぞ。
♪~
(弘三) これ 間違ってんだけど。
(華子) はい?
(弘三) どうして自分のものでもない バイクの税金→
払わなきゃいけねえんだ 何とかしろよ!
(華子) 熊川さま 落ち着いてください。
バイクの名義変更をされたのは→
4月の15日ですね。 >> だから何だよ?
(華子) 軽自動車税は4月1日付の 所有者に課される税なので→
納税義務は熊川さまにあるんです。
>> 知らねえよ そんなこと!
何が何でも払えなんて 権力の横暴だろ。
みゆきの市役所の実態 暴いてやる。
(華子) 熊川さま…。 (弘三) おい 顔隠すな!
公務員に肖像権はないからな。
おい ふざけんなよ。
(華子) 熊川さま。 (弘三) おい…。
何すんだよ。 (饗庭) 公務員にも肖像権はありますし→
背景に写り込んだものには 個人情報も含まれてるんで→
今すぐ その動画 消してください。
>> 何なんだよ クソが!
(弘三) 覚えとけよ。
(饗庭) 大丈夫? (華子) はい ありがとうございます。
♪~
〔饗庭さん…〕 (饗庭) 〔ん?〕
(華子) 〔副市長と 何かあったんですか?〕
〔いや 立ち聞きするつもりは なかったんですけど→
気になってしまって〕
(饗庭) 〔おっ 百目鬼ちゃんが 俺のこと気にかけてくれてる~〕
〔そんな顔しないの〕
〔大丈夫だよ 百目鬼ちゃんには 関係ないことだから〕
〔じゃあ また明日ね〕 (華子) 〔はい〕
(饗庭) ん?
(華子) あっ いえ…。
(饗庭) あっ じゃあ そろそろ行こっか。
(華子) はい。
(鷺沼) 家宅捜索により 差し押さえた物品は→
滞納した税に充てるため インターネット公売に出品される。
(浜村) ただ その前に全国の方々が→
物品をじかに見られるようにする 機会を設けることがある。
それが この下見会。
(鷺沼) 下見会は 数か月に一度 行われていて→
納税課の職員が公売担当として 取り仕切る。
で 今回は うちから 俺と鷺沼さんが担当になったんだ。
(饗庭) 俺たちは そのお手伝い。
イェ~!
(華子) 差し押さえ品も こうして並べると すごい数ですね。
>> ホント 大変だったよ。
まぁ これも少しでも 徴収率を上げるためですからね。
(饗庭) お~ 何か 公務員みたいなこと言うじゃん。
>> 公務員なんだよ。
(華子) これ全部 捜索で 差し押さえたものなんですよね。
(饗庭) えっ? (華子) いや…。
中には 元の持ち主の思いが 詰まったものも→
あるかもしれないなと。
(羽生) 〔国税徴収法 第142条に基づく→
捜索を開始します〕
(羽生) 〔華子ちゃん 顔上げて〕
(羽生) 〔下ばかり見てたら もったいないよ〕
(饗庭) 昔のこと 思い出したか?
(華子) いえ。
(饗庭) えっ ウソだ 思い出したでしょ? 思い出した?
ホントは思い出したでしょ? (華子) しつこいですよ。
(饗庭) すいません。
>> あっ…。
すみません 差し押さえ品には 触らないでください。
あ~ 悪い 悪い。
♪~
(鷺沼) ほら。
(華子) 100万円!?
(加茂原) ゆで卵器がですか!
(浜村) ネット公売に出したら たったのひと晩で。
(饗庭) 最低価格は200円なり~。
(華子) どうして こんな値段が 付いてるんでしょう。
>> 記録を調べたら 2人が競り合って→
値段をつり上げてた。
この熊川一哉って人と→
熊川英二って人。
(橘) けど こんな ゆで卵器に 100万も出す?
>> ないない! 絶対出さない!
(饗庭) ちょっと待って このゆで卵器ってさ→
俺らが捜索で 差し押さえたやつじゃない?
(華子) えっ? (饗庭) ほら あの ちょっと前の→
一係のヘルプ入った時の。
>> ああ! あったな。
まだ百目鬼さんが 来る前のことだね。
(饗庭) 確か 元の持ち主も…。
(日比野) 〔熊川良太郎さん→
あなたは市からの再三にわたる 催告の通知を無視しました〕
(日比野) 〔これより 国税徴収法 第142条に基づく→
捜索を開始します〕
♪~
(加茂原) 〔ねぇ 詳しく聞いてないんだけどさ→
あの人 何で 捜索されることになったの?〕
〔父親がやってた 生地の製造会社を→
あの人の代で 関連企業を いくつも手がけるまで→
大きくしたらしいんすけど…〕
〔最近は赤字続きで 一つ残らず倒産〕
(饗庭) 〔で 借金で首が回んなくなって 固定資産税を中心に→
住民税とか国保税を 滞納しちゃったってわけ〕
>> 〔自己破産しなかったんだ〕
(饗庭) 〔まぁ だから 返済する気は あるんでしょうね〕
>> 〔そこの三係! 無駄口禁止!〕
(一同) 〔は~い〕
〔はい もらった よいしょ〕
(饗庭) 〔こっち こっち…〕 >> 〔あっ 早く早く! 早く早く!〕
(饗庭) 〔もうちょっと もうちょっと もうちょっと…〕
>> 〔饗庭 ふざけてないで 早く積めよ!〕
(饗庭) 〔あっ 熊川さん→
そちらも見せていただいて よろしいですか?〕
(熊川) 〔いや これは大したものじゃ…〕
(饗庭) 〔すいません お願いします〕
(熊川) 〔こんなものまで…〕
(饗庭) 〔ゆで卵器… ですか〕
〔差し押さえさせて もらいますね〕
〔他に お金になりそうなものは 残ってないっすよね〕
>> 〔はい ありません!〕
(饗庭) 〔あざ~す〕
>> 〔饗庭君 何してるの? >> もう行きますよ〕
(饗庭) 〔は~い〕
(饗庭の声) で その時の ゆで卵器は→
ずっと市役所内に 保管されてたってわけ。
ですよね? 日比野係長。
>> ええ ありましたね そんなことも。
いつの間に!?
(華子) その滞納者の方も 「熊川さん」だったんですね。
>> 熊川良太郎さん。
差し押さえ品だけで→
滞納金の全額を 補える見込みがないし→
これ以上の徴収は諦めるしかない と思ってたんだけど…。
何かあったんですか? >> 熊川さん→
あの後 持病を悪化させて→
そのまま お亡くなりになったの。 >> え~!?
(華子) それでは 徴収どころじゃありませんね。
>> いいえ むしろ 徴収する チャンスが生まれました。
(饗庭) 滞納された分の税金は 遺族に相続されるから→
そっちから徴収できる。 (華子) 相続…。
(日比野) 奥さまは既に亡くなられていて→
熊川さんには→
3人の息子さんがいました。
(橘) じゃあ 滞納金は→
その3人の息子さんたちで 3等分ですか?
>> ところが この長男と次男は→
それぞれ相続放棄をしたそうです。 >> 相続放棄?
なので 熊川さんの財産は 全て 滞納金も含めて→
この三男に相続されました。
全部 弟に押し付けたのか エグい兄貴たちだな。
(華子) そんなことができるんですか?
(橘) 原則として 3か月以内に相続放棄しないと→
マイナスの財産も 相続されるんだけど→
お兄さんたちは それを知ってて回避したんだな。
(饗庭) で 法律のこととか 何も知らない三男は→
気付いたら 1人で相続してましたっていう→
まぁ 珍しいケースじゃ ないんだよね。
>> あの もしかして その長男と次男って…。
(日比野) 熊川一哉さんと→
英二さんです。
(加茂原) ゆで卵器を 競り落とそうとしてたのは→
息子たちだったのか。
(饗庭) で その滞納金を相続した→
三男っていうのは どんな人なんすか?
(日比野) 熊川弘三さん。
え~ 確か フリーのカメラマンを やっています。
(華子) あっ…。
(日比野の声) 収入は そう多くないみたいだから→
納付は難しいでしょうね。
彼にも近いうちに捜索して→
自己破産される前に あの土地も家も差し押さえないと。
♪~
(チャイム)
(饗庭) 守秘義務があるので あんま詳しく言えないんすけど→
熊川さんのお父さんのご自宅から 差し押さえた物品を→
市の公売にかけてんすよ。 >> 公売?
(華子) この ゆで卵器が→
お2人の入札者によって このような金額に。
>> 一 十 百 千… 100万円!?
(饗庭) ねっ ビックリでしょ。 >> こんな値段で 誰が買うんだよ?
(饗庭) 心当たりないっすか?
お父さんのものを欲しがる 2人…。
(せき払い) ふた…。
2人の入札者。
>> 2人…。
兄貴たちか。
(饗庭) え~! そうなんですか~! (華子) わざとらしいですよ。
(饗庭) しょうがないじゃん 公務員なんだから。
(華子) お兄さんたちは→
どうして このゆで卵器を 競り落とそうとしてるんでしょう。
お父さまとの 思い出の品なんですか?
>> ゆで卵器が? んなわけねえだろ。
(華子) ですよね。
>> てか これ ホントに 親父の家にあったのか?
(華子) はい。
(饗庭) 何か気になります?
いや 親父は→
卵アレルギーだったんだよ ゆで卵なんか食べるわけがない。
(華子) 卵アレルギー…。
>> まぁ そもそも 思い出があったとしても→
兄貴たちが欲しがるわけねえよ。
うちは家族みんな 仲悪かったから。
(華子) そうなんですか。
>> 兄貴たち2人は→
どっちかが親父の会社を 継ぐと思ってたんだよ。
大学でも そのために勉強してたんだけど→
親父が選んだのは 俺だったんだ。
(華子) えっ? >> 高校出た後→
俺は適当にバイトしながら フラフラしてたから→
兄貴たちは ぶちギレて…。
(一哉) 〔おかしいだろ そんなの! >> 長男は俺だぞ!〕
(英二) 〔よりによって弘三なんて…〕
〔一体 何 考えてんだよ!〕
(弘三の声) 2人とも家を出ていったんだ。
(饗庭) 熊川さんは 会社 継がなかったんすか?
>> どうせ親父に あれこれ指示されるだけだからな。
親父が俺を選んだのだって→
出来の悪い俺なら 言うこと聞くと思ってたからだよ。
まぁ そういうことだから→
兄貴たちが ゆで卵器を 欲しがってる理由なんか→
俺は知らない。
(華子) 熊川さまの記録を確認しました。
軽自動車税だけでなく→
お父さまが滞納した税金も かなりの額がありますよね。
>> 俺も相続放棄できるって 知ってればな。
仲のいい優しい兄貴たちは 何にも言ってなかったよ。
(華子) 一度 お兄さまたちに 相談してみてはいかがですか?
>> あいつらを頼れっていうの?
会社を継ぐ 継がないで 本音が聞けて よかったんだよ。
兄貴たちが それまで俺に良くしてたのは→
俺が継ぐ立場にない 三男だったからだよ。
結局 親兄弟だろうが→
人間関係なんて 金次第ってことだろ。
(橘) それで ひとまず→
軽自動車税だけ 納付してもらったんだ。
(華子) はい お父さまの分までとは 言えませんでした。
(橘) あ~ まぁ ご本人が 滞納してたわけじゃないからね。
>> でも このままだと 日比野係長が捜索に入るよな。
(華子) はい。
(弘三) 〔結局 親兄弟だろうが→
人間関係なんて 金次第ってことだろ〕
(奥林) 〔誰のための仕事か?〕
(饗庭) 〔毎日毎日 上司とか議員先生のために→
こんな時間までさ~〕
〔そういえば俺 入省してから→
一回も 「お疲れさま」とか 「ありがとう」とか→
言われたことないんですけど~〕
(奥林) 〔確かに〕
〔お前は礼を言われるために 仕事してるのか?〕
(饗庭) 〔相楽ちゃ~ん〕
(相楽) 〔俺たちの仕事は 国家予算の編成だ〕
〔国民の血税の使い道を 担ってるんだから→
国民のための仕事だろ〕
(饗庭) 〔君 いいね 出世するよ〕
>> 〔褒め言葉として受け取ろう〕 (饗庭) 〔ハァ…〕
>> 〔俺 思うんだけど…〕
〔金ってさ 良くも悪くも→
人間関係を変えるものじゃん?〕
〔仕事相手とか 一緒に暮らす家族とか→
大切な人との関係が→
金を巡って変わることは よくある〕
〔何が言いたいんだ?〕
〔だったら 税金の使い方次第で→
この国の どこかで→
いい人間関係が生まれることも あるかもしれない〕
〔それで幸せになる人が いるかもしれない〕
〔俺は その人のために働くよ〕
〔こいつだろ 上に行くべきなのは〕
♪~
(浜村) 納付に来た 弟さんの分をですか?
はい 親父の税金の件で 弟が困ってるそうなので。
第三者納付ですか。
(一哉) できますよね?
この通り 熊川弘三の兄の 一哉と申します。
(華子) あの… 弟さんと お話しされたということですか?
>> はい? (華子) いえ 弘三さん→
お兄さまたちには頼りたくないと おっしゃってたので。
>> 話すも何も あいつが親父の税金を 払えるわけないでしょ。
私が全額 納めますから お幾らですか?
(饗庭) あの 申し訳ないんですけど→
弟さんが 幾ら滞納してるかという金額は→
個人情報に当たりますので お教えできなくて。
>> 私は あいつの兄ですよ?
(華子) ご兄弟であっても 守秘義務は厳守されます。
>> おかしいでしょ そんなの!
こっちは税金を払うって 言ってるんですよ!
熊川さん 落ち着いてください。 >> うるさい とっとと税金払わせろ!
(華子) とにかく 弟さんとお話ししてください。
>> 君らじゃ 話になんないな 上の者出せ 上の者!
(饗庭) あっ 上の者っすね。 >> ああ。
(饗庭) 係長。
(橘) 何やってんだよ!
間もなく。 (加茂原) いや あんただろ。
いや~ 初めて見たよ。
税金払いたいって文句言ってる人。
兄弟そろって 窓口で ほえてましたね。
(華子) どうして あんなに必死だったんでしょう。
(饗庭) 何か裏があんだろうね。 (華子) 裏?
(橘) まぁ 弟さんに 一方的に 相続を押し付けた人だからね。
>> ただの親切心で 納付に来たはずない。
(珠代) あら! 饗庭君→
今日は卵料理 いっぱいね。 (饗庭) そうなんすよ。
近くに安く売ってるスーパー 見つけちゃって。
スペインオムレツに トマトの炒めもの→
それから このピカタなんかにも 全部 卵 使ってます!
>> 卵パーティーだ!
(華子) どこのスーパーですか?
(饗庭) 南口にできた メグミストア2号店。
(華子) お~ ありがとうございます。
>> 私もな~ 冷蔵庫に 卵 余らせてるからな~。
帰ったら まとめて ゆで卵にしちゃおう。
今夜は ゆで卵パーティーだ!
(饗庭) レッツ パーティー! イェ~!
♪~ イェ~! イェ~! ゆで卵!
♪~ ゆで珠代! 卵 珠代 ゆで卵 ゆで珠代!
>> \♪~ イェ~! イェ~! >> イェ~! ゆで卵!/
(饗庭) あ~! 俺 分かっちゃったかも。
あのお兄さんの狙い。
例のゆで卵器じゃない?
(橘) ゆで卵器? (饗庭) はい。
お兄さん 下見会の時にも ゆで卵器 見てたし。
>> あの時の。
(華子) それで どうして 納付に来たんですか?
(饗庭) 滞納してる税金 納めたら→
差し押さえ品は どうなるでしょう?
はい 百目鬼ちゃん! (華子) あっ 返してもらえます。
>> 正解!
捜索によって 差し押さえられた物品は→
公売までに 滞納分が納付されれば→
本人に返却される。 (華子) でも 今回の場合→
お父さまの滞納金を相続したのは 三男の弘三さんです。
長男の一哉さんが納付しても→
ゆで卵器は 弘三さんに返却されますよね。
(饗庭) それはそれで 後で弟から 回収しようとしたんじゃない?
(華子) なるほど。
>> いよいよ気になるな。
あの ゆで卵器の正体が。
♪~
(饗庭) お~!?
(一同) お~?
(饗庭) 何だ? これ。
(華子) お父さまが書いたものですかね?
(橘) 何の数字だろう? >> 何かの暗証番号っすかね?
銀行口座とか 貸金庫の?
それにしては桁数が多いんだよな。
(橘) 色が2色なのも気になるよね。
(饗庭) いずれにしても お兄さんたちは この数字が知りたくて→
下見会に来たり 公売で 競り落とそうとしてるのは→
間違いないってばよ。
>> つまり この数字には 100万円以上の価値がある。
(饗庭) 例えば→
熊川良太郎さんが 市役所にバレないように→
隠し金庫を持ってて その暗証番号が これとか。
(華子) 金庫?
(饗庭) 熊川さんさ→
隠し資産 持ってるんじゃない?
(一同) 隠し資産!?
(橘) 熊川さん 前は いくつも 会社 経営してたんだよね?
>> その時に ガッツリため込んでたんだ!
長男と次男は それに気付いて ゆで卵器に100万円も。
(華子) 隠し資産があるのなら→
徴税吏員として 見つけるべきですよね。
(饗庭) その資産は本来 税の納付に 使われるべきものだから→
徴収すれば 弘三さんの滞納分に 充てられるってばよ!
(華子) 弘三さんを 助けることができますね。
(饗庭) 隠し資産があるとしたら この家の どっかなんですよね?
>> 俺は他に思いつかない。
(饗庭・口笛)
(華子) お邪魔します。
(浜村) とにかく 手分けして 探しましょうか。
♪~
(弘三) 親父は そこら辺の家具や家電に→
メモするのが癖だったんだよ。
(華子) それで ゆで卵器にも。 >> うん…。
(饗庭) でも何で ゆで卵器なんすかね。 >> えっ?
(饗庭) だって 親父さん 卵アレルギーだったんすよね。
だとしたら メモする以前に→
家に ゆで卵器があること自体 不自然じゃないっすか?
>> さぁ? そんなことより→
隠し資産が見つかったら 全部 俺のものなんだよな?
(鷺沼) はい お兄さんたちは 相続放棄してますから。
親父 会社やってた頃は→
宝石とか高い時計とか 集めてたんだよ。
それ全部 売り飛ばせば→
滞納してる税金 払っても 釣りがくるかもな。
(華子) その前に 相続税はかかりますよ。
>> はぁ?
チッ… 結局 税金か。
(饗庭) さ~せん。
♪~
>> サウナ室には ねえか。
♪~
(饗庭) ドワ~! (華子) うわ~!?
真面目にやってください! (饗庭) ハハハハ…。
ビックリした? ビックリしたでしょ?
あっ すごい あっ あっ…。
♪~
(鷺沼) \みんな 来て!/
(華子) どうしました?
>> あそこ。
(華子) この部屋 捜索の時は?
>> 日比野係長に せかされてたから 詳しく調べられなかったんだよ。
壁は こんな状態じゃなかったぞ。
(華子) それじゃあ…。
(饗庭) 誰かが捜索の後で 屋根裏部屋 調べてんな~。
で もう一回 ふさいで 隠した感じ?
>> 兄貴たちだな クッソ…。
やっぱり俺を利用したいだけか。
何日か前 一哉と英二から 別々に連絡が来たんだ。
(英二) 〔お前に全部 押し付けて 悪かったよ〕
(一哉) 〔お前に 全部 押し付けて悪かった〕
(一哉:英二) 〔俺が滞納してる分の 税金 払うよ〕
〔はぁ? 何言ってんだ 今更〕
〔急に連絡してきたかと思えば〕
〔そんなの いらねえよ 俺が全部払う〕
(弘三の声) 謝ってきたし→
あいつらなりに 反省してんのかなと思ったんだ。
でも 隠し資産のことは ひと言もなかった。
危うく だまされかけたよ。
屋根裏 調べてみますか。
何か道具がいるね~。
(弘三) はしごなんて あったかな。
(饗庭) あ~ ちょっと…。
弘三さん 提案があるんすけど。
>> えっ?
(橘) お~! 百目鬼さん 帰ってたんだ おかえり。
(華子) 係長 お疲れさまです。 (橘) ハハっ。
あっ 熊川さんの件 どうなった? 金庫 見つかった?
(華子) いや 大体の見当は ついたんですけど…。
(橘) ん?
(華子) 「兄弟3人そろってから 調べ直さねえ?」って饗庭さんが。
それが 熊川さんたちのためだからって。
(橘) どういうこと?
(華子) 饗庭さん どうして 徴税吏員になったんですかね?
(橘) ん?
(華子) いや 本来であれば すぐに金庫を調べて→
中のものを徴収するのが 私たちの仕事です。
でも饗庭さん 以前から 普通の徴税吏員が→
しないようなことばっかり するじゃないですか。
(橘) ハハ… いや~ 僕も驚いたよ。
あれ 2年前だったかな。
元財務省官僚が 部下になるからって→
最初は胃が痛かったよ。
でも やって来た饗庭君 あんな感じでしょ?
堅苦しいところは全然ないし→
ちょっと なさ過ぎるけどね。
もうちょっと真面目でも いいんだけど ハハ…。
(華子) 徴税吏員になった理由 係長は何か聞いてますか?
(橘) いや 詳しくは ただ…。
(饗庭) 〔理由… ですか?〕
(橘) 〔饗庭君 うちには 志望して来たんでしょ?〕
(饗庭) 〔まぁ 友達のためですかね〕
(橘) 〔友達?〕
(饗庭) 〔財務省の 同期だったヤツがいて〕
(華子) 友達? (橘) うん。
相楽副市長のことかなと 思ったんだけど 違ってた。
あの2人 全然 仲良さそうじゃないし。
(饗庭) 〔今日は 友達に会ってきたんだ~〕
(華子) 〔饗庭さん 友達なんて いたんですね〕
(饗庭) 〔ばか野郎!〕
〔興味なさ過ぎじゃない?〕
(陽子) あっ。
こんにちは。 (陽子) こんにちは。
副市長のお仕事 忙しいでしょう?
こんなに頻繁に 無理しなくても大丈夫ですよ。
今日は公務で 近くに来たんです。
奥林 元気そうでよかった。
(相楽) すみません これ 奥林の日記ですよね?
僕のこと書いてあるんじゃないか って気になって さっきチラっと。
(陽子) 勝手に読んでるのは 私も一緒ですから。
ダメね 開きっ放しにしといちゃ。
それじゃあ 僕はこれで。
もう? ゆっくりしてっていいのに。
また来ます。
じゃあな。
♪~
(弘三) じゃ やっぱり知ってたのかよ!
この上に金庫があるんだな。
いつから知ってたんだよ?
親父が死んだ後→
自分の荷物が残ってないか 見に来たんだよ。
♪~
♪~
(饗庭) で その時には相続人は→
弘三さんになっていたと。
>> 金庫の中身も 弘三のものだから→
ひとまず 壁紙でふさいで→
後で調べようとしたんだ。
何だよ それ。
英二さんも その後?
ええ 僕も荷物を取りに来て→
壁が直ってるのに気付いたんです。
♪~
(英二の声) 見たところ 金庫は かなり古いタイプのものでした。
専門の業者に頼んで 開けることも まぁ できたんですけど…。
(饗庭) 万が一 業者の口からバレると→
金庫の中身は相続税やら 滞納金の補填やらで→
ほとんど持ってかれちまう!
…って考えたわけっすね。
>> ええ。
(華子) 弘三さんに知らせようとは 思わなかったんですか?
>> それは…。 >> フッ 言えなかったんだろ。
はぁ? >> 相続を押し付けられた俺が→
中身を おとなしく渡すわけないからな。
(饗庭) そこで お2人は それぞれ→
ひそかに金庫の暗証番号を 手に入れようとしたんだ!
>> しかし この家に残されたものに それらしきメモはなかった。
それで役所に差し押さえられた ものを調べたんだよ。
そしたら 卵アレルギーだった親父が→
ゆで卵器を持ってたって知って。
番号がメモされてるとしたら そこしかないと思ったんです。
(英二の声) 競り合ってる途中→
相手が一哉だっていうのに 気付きました。
〔はぁ?〕
〔キーボードを打つ音〕
(英二の声) それで むきになって…。
(饗庭) 100万円まで つり上げちゃったんだ ククク…。
(華子) お2人とも 相続は弘三さんに押し付けて→
隠し資産を独り占めするつもり だったんですか?
>> どれだけ勝手なんだよ。
申し訳ない!
(英二) 悪かったよ。
分かったよ。
親父の財産は 3人で3等分しよう。
えっ? >> いいのか?
この前 饗庭さんに言われたんだ。
(饗庭) 〔弘三さん 提案があるんすけど〕
〔親父さんの隠し資産→
お兄さんたちと 3等分しませんか?〕
>> 〔えっ?〕
(饗庭) 〔ホントは仲直りしたいんじゃ ないんですか?〕
>> 〔まぁ…〕
(饗庭) 〔だったら…〕
>> だったら これを機に 関係を戻してみたらどうかって。
確かに兄貴たちは 俺をだました。
けど 昔みたいに戻れるなら 俺も…。
そうか。 >> ありがとう 弘三。
そうだな! 兄弟3人 仲良くしよう!
ハハハハ…。 >> ホントに 言えよ おい。
よし… じゃあ 上っちゃいます?
数字が色分けされてんのは→
これ ダイヤル回す向きだと 思うんすよね。
だから 例えば 赤は右回し→
で 黒は左回しとかで やってみますか。
違ったら逆で。
♪~
(鍵が開く音)
(弘三) あっ…。 (鷺沼) お~。
♪~
えっ? 何だ 空っぽじゃないかよ。
まさか弘三 先に開けたんじゃねえだろうな。
(華子) 何言ってるんですか 今 確かに初めて開けたんです。
だったら どうして? >> どうしても何も→
初めから なかったんだろ 隠し資産なんて。
ハァ…。
なら もういいな。
(饗庭) あ~ ちょちょ ちょちょ…。
さっきの約束 もう忘れたんですか?
>> 約束?
(饗庭) 親父さんの財産を 3等分するって話。
>> はぁ?
いやいや 金庫には 何もなかったじゃないですか。
(饗庭) あ~ ちょちょ…。
何か勘違いしてません? >> えっ?
(饗庭) 弘三さんが言った 3等分っつうのは→
金庫の中身だけじゃないんすよ。 >> ん?
(饗庭) 親父さんの全部の財産。
だから 熊川良太郎さんの財産。
金庫の中身も そりゃそうなんですけど→
それだけじゃなくて→
弘三さんが相続した 滞納分の税金→
マイナス分の財産も 含まれま~す!
>> そんな むちゃくちゃな話 ないですよ!
そもそも ただの口約束じゃないか!
(饗庭) 口約束にも法的効力はありますよ ねぇ 英二さん!
弁護士の あなたなら 分かると思いますけど。
>> そうですけど…。 ふざけんなよ!
あんたら 初めから だますつもりだったのか!
(饗庭) まぁまぁまぁ それは 一回 置いといて…。
>> あぁ? (饗庭) ちゃんと見てくださいよ。
金庫の中身 空っぽじゃないでしょ?
(一哉:英二) えっ?
♪~
これ…。 >> 弘三が成人式の時の…。
弘三さん ケガしてませんか?
あ~ 前の日に ちょっとしたことで→
友達とケンカになったんです。
(弘三の声) 兄貴たちが 警察まで迎えに来てくれて。
〔ふざけんな ばか野郎!〕 〔おい〕
〔ばかは お前だ〕
〔昔っから変わんねえな お前は〕
〔それに いい年して何してんだよ〕
〔悪かったよ〕
〔さっさと帰るぞ 明日は大事な日だ〕
〔ああ〕
親父は ずっと仕事で 忙しくしてたから→
ガキの頃から兄貴たちが 俺の親代わりでした。
この袴も…。
(弘三の声) 兄貴たちが 成人した時に着たやつで。
(弘三) あっ 俺の記事。
親父 カメラマンになること 反対してたのに…。
えっ?
あっ! ちょっと待って これ→
俺の会社の周年記念で 作ったやつだ。
どうして親父が…。
えっ この記事…。
何で…。
♪~
(饗庭) これは あくまで想像なんですけど…。
親父さん 皆さんが 仲悪くなってしまった原因は→
自分にあると 思ってたんじゃないっすか。
>> 親父が?
(饗庭) だから せめて 自分が亡くなった後は→
兄弟3人で 仲良く暮らしてほしい→
そう考えて…。
(饗庭の声) 思い出の品 金庫に入れたんじゃないっすかね。
暗証番号を ゆで卵器に書いたのも→
親父さんなりの ヒントだったのかも。
(華子) 卵アレルギー。
>> そのことを知っている 皆さんだけが→
番号の隠し場所に気付けるように。
(饗庭) 初めから資産価値があるものが 入ってないと思ってたのは→
その通りです。
だって 捜索の時に…。
〔他には もう お金になりそうなものは→
残ってないですよね?〕 >> 〔はい ありません!〕
(饗庭) …って お父さん おっしゃってましたから。
(華子) ホントに資産があったら どうするつもりだったんですか?
(饗庭) まぁ その時は その時かなって。
ただ お兄さんたちに 言いたいのは→
もしホントに 隠し資産があったとしても→
弘三さんは本気で お2人と 3等分するつもりだった→
…ってことです。
>> 弘三…。
(饗庭) 良くも悪くも お金は 人間関係を変えてしまうものです。
だけど お金を巡って→
仲直りする兄弟がいても いいんじゃないっすかね。
♪~
(弘三) 青色申告? (華子) はい。
青色申告は 確定申告する方法の一つで→
白色申告より手間がかかる分 特別控除があり→
所得税などの負担が減る制度です。
弘三さんのような 個人事業主の方には→
メリットが大きいんですよ。
>> ありがとうございます 何から何まで。
(華子) 税を徴収するためなら→
私たち徴税吏員は ありとあらゆる手を尽くします。
公務員 ナメないでください。
(饗庭:華子のモノマネ) 公務員 ナメないでください。
(華子) 何ですか? それ。
(饗庭) だって 俺の決めゼリフ 取っちゃうんだもん。
(饗庭:華子のモノマネ) 公務員 ナメないでください。
(華子) もしかして モノマネしてます? 全然 似てません!
(饗庭) えっ 似てますよね? >> 結構 似てる。
(華子) 似てません! (饗庭) え~ 似てますよね?
ちょっと ごめんなさい 動画だけ やめてください。
(弘三) この前は すいませんでした。
これからは カメラマンとして心機一転→
撮りたい写真を撮れるように 頑張るつもりです。
お父さんの分の滞納金は 兄弟で3等分することに?
はい あの 最後まで 人騒がせな親父だったけど→
あの金庫がきっかけで→
兄貴たちとは 昔みたいに戻れる気がします。
〔セルフタイマーのカウントダウン音〕
〔何秒?〕 〔5秒〕
〔セルフタイマーのカウントダウン音〕
〔カメラのシャッター音〕
〔いいじゃん!〕 〔何か懐かしいね〕
お兄さんたちは 会社経営者と弁護士。
所得もあるので これ以上の 延滞の心配はありませんね。
(饗庭) つまり 捜索の必要もなし→
…でいいですよね?
日比野係長。 (加茂原) あっ いつの間に!?
問題ないですよ ちゃんと納付してもらえるなら。
(饗庭) あっ 捜索の時 金庫 見逃しちゃいましたね。
>> あの部屋 捜索してたの 饗庭君でしょ?
まぁ 何だか 丸く収めたみたいだから→
今回は おとがめなしに しておきますけど。
(饗庭) あざ~す! ペキペキ ペキペキ。
パカ~ン! 饗庭ちゃん!
これが出たから ポイント2倍!
(華子) 饗庭さん…。
この前は 失礼なこと言って すいませんでした。
(饗庭) えっ 何だっけ? それ。
(華子) 係長から聞いたんです。
饗庭さんが 徴税吏員になったのは→
お友達のためだって。
前に スーパーで話してた方ですよね。
(饗庭) あ~。
(華子) 大切な方なんですよね。
それを私 あんな言い方して…。
(饗庭) いいよ 気にすんなって。
(華子) 気にしますよ。
私たち… もう関係のない 赤の他人じゃありません。
一緒に働く仲間です。
みゆきの市に来る前 何があったんですか?
私にできることがあれば 何でも おっしゃってください。
(饗庭) いい感じにチョゼってんね~。
ハァ…。
財務省の同期に→
奥林っつうのがいてさ。
相楽と3人で それなりに 仲良くやってたんだけど…。
そいつがさ…→
屋上から飛び降りた。
最後に連絡もらった時→
俺も何か おかしいなと思って 屋上 行ったんだけど…。
〔奥林…〕
(饗庭の声) そこには相楽もいた。
〔奥林!〕
(華子) 副市長が… どうして?
(饗庭) ん~。
それは俺も聞きたいんだけどね~。
で まぁ その後 俺は 財務省 辞めて→
ここで徴税吏員をやってる っつうわけ。
フッ… ごめんごめん。
奥林 生きてます。
(饗庭の声) とにかく→
俺は 奥林が何で あんなことしたのか知りたい。
相楽は 何か知ってるっぽいんだよね。
ほらね。
百目鬼ちゃんには 関係のないお話でしたでしょ?
(華子) そんなこと…。
(饗庭) でも お言葉に甘えて→
また今度 相談させてもらっちゃうかも。
その時は よろしくね。
♪~
>> 〔華子ちゃん 顔上げて〕
〔下ばかり見てたら もったいないよ〕
♪~
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