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(饗庭) これより 国税徴収法 第142条に基づく→
捜索を開始します。
(相楽) あの饗庭が 徴税吏員なんかになって→
新人の教育係か。
(華子) 副市長は私の兄でした。
(饗庭) 兄? (一同)「でした」?
(加茂原) いつの間に!? (饗庭 鼻を鳴らす音)
(日比野) 三係は のんきでいいですね。
(日比野) そんな調子でいられるのも 今のうちですけどね。
(米田) みゆきの市では今後 徴税強化体制を組みます。
(相楽) 特に徴税係の方々→
あなたたちには 家宅捜索による徴収も→
積極的に行っていただくことに なりますが よろしいですね?
(饗庭)♪~ 調子はどうですか?
(高い声で) 絶好調だよ!
♪~
(橘) あの2人 財務省時代の同期だったんだ。
(饗庭) 奥林!
♪~
(戸が開く音)
(饗庭) 先生 奥林は…。
一命は取り留めました。
(饗庭) そうですか。
ただ 目が覚めても→
脳に障害が残るかもしれません。
(医師) 残念ですが…。
(饗庭) どこ行くんだよ?
(饗庭) 同期が飛び降りたんだぞ! しかも目の前で!!
俺たちは止められなかった!!
そもそも お前 屋上で何してたんだよ?
奥林と何か話してたのか?
答えろよ!! どうして奥林は飛び降りた?
♪~
(相楽) みゆきの市の魅力は 何でしょうか?
私が副市長に就任した際→
米田市長に 最初にした質問です。
市長の答えは はっきりしておりました。
みゆきの市は 「子育ての街」。
それこそが この市の魅力であると。
実際 ここ数年 待機児童の数は減少し→
皆さまのような 子育て世帯を中心とした→
若い世代の人口も 増加しております。
(橘) 副市長 若いのに堂々としてるな。
(華子) どうなるんでしょうね? 徴税強化体制って。
口で言うのは簡単ですけど。
(相楽)〔あなたたちには 家宅捜索による徴収も→
積極的に行っていただくことに なりますが→
よろしいですね?〕
(饗庭) そんなに気になるなら 聞いてみりゃいいじゃん。
ねぇ~ お兄ちゃん! 教えて~!
(華子) 今は ただの職員と副市長です。
っていうか 何なんですか? この格好。
ハロウィーンイベントの手伝いを するとは聞いてましたけど→
どうして皆さん カボチャなんですか?
ハロウィーンって もっと いろんな仮装で→
集まるものなんじゃ…。 (饗庭) あれ?
百目鬼ちゃん こういうの 気合入れちゃうタイプ?
意外だね~。 (華子) まさか。
仮装するくらいなら 食費に回します。
(饗庭) お~!
(子供たちの騒ぎ声) (板谷) 静かにしようか。
(子供たちの騒ぎ声) (板谷) 静かにしようね!
(子供たちの騒ぎ声)
(板谷) みんな 仲良くしよう!
仲良くしようね ねっ ねっ!
ケンカしないで。 (子供たちの騒ぎ声)
(加茂原) まぁまぁ まぁまぁ…。
(華子) どうしました? (加茂原) あ~。
子供たちに 絵 描いてもらってたんだけど…。
♪~
(加茂原) 他の保育園の子が 急に破いちゃったんだ。
(鷺沼) それで みんなも 騒ぎ始めちゃったんだよ。
(増野) どうして破いちゃったの?
(桜) 知らない!
(浜村) ちょいちょいちょい どこ行くの~?
すいません! ありがとうございます。
戻ろっか ねっ すいません。
(華子) 浜村さん その格好…。
(浜村) 言わないで!
これしかなかったんだよ。
(饗庭) ハハハハ…!
何それ 大丈夫なの? コンプラ違反じゃない?
ハラスメント カボハラだ!
お前だって似たようなもんだろ。
見ろよ 元同期なのに→
随分 差つけられたな。
(町田) 保育課としても 市長にご出演いただけて→
イベントに箔が付きました。 (米田) ハハハハ…。
これくらいで お安い御用ですよ。
(饗庭) あっ!
やったな~!
カボチャ怪人が食べちゃうぞ~!
♪~
(饗庭) 木下裕介さん 32歳。
契約社員のSEで→
住民税の滞納が27万6400円。
督促状も留守電も 無視されていて→
前に臨宅しても 会えなかったんですよ。
(饗庭) 家族は?
3歳と2歳の子供たち。
で 奥さんを 1年前に病気で亡くしている…。
突然 シングルファーザーに なっちゃったパターンか。
はい 年収は 450万円ほどあるので→
まぁ 納付はできると 思うんですけどね。
(華子) 年収450万円で滞納ですか?
(饗庭) いくら収入があっても 滞納する人はするの。
(華子) ん~。 (饗庭) まぁ そう チョゼらないで。
木下さんは多分 天引きとか 口座引き落とし以外は→
全部 奥さんに 任せきりだったんでしょ。
でも どうしましょう。
まだ銀行口座を押さえる 段階でもないですし。
(華子) 保育課はどうでしょう? >> えっ?
(華子) 子供が保育園に 通っているのなら→
保育課に相談すれば 臨宅できるタイミングが→
分かるかもしれません。 (饗庭) さすが百目鬼ちゃん!
(増野) 保育課が対応してくれますかね?
同じ役所内といっても 縦割りですし。
(饗庭) そういう時は いい手がある。
難しい用件がある時は 「上」から攻めんだよ。
(華子)「上」? >> 「上」?
(板谷) はい…。
うちは2人とも フルタイムで働いてるんです。
点数は十分ですよね?
(板谷) ですが どこのご家庭も 状況は似ておりまして…。
そう言われても うちだって 生活が懸かってるんですよ。
すごいっすね。 (饗庭) ここは戦場だな。
(饗庭) 町田課長。
納税課の饗庭です。
(町田) あなたですか。
また何か面倒事でも?
(増野) 「上」って課長のことですか。
(饗庭) 何 もっと上じゃなきゃ不満? 言うね まっす~。
僕 何にも言ってないっすよ。
(饗庭) 嫌いじゃないよ。 >> 何にも言ってないっすよ。
(町田) え~っと 木下裕介。
あ~ 確かに 園の保育料も滞納してますね。
(饗庭) だったら 協力しませんか?
あっ 納税課として 臨宅しますので→
保育課は1人 担当者を 出してくれれば大丈夫です。
人手不足っぽいっすもんね。
まぁ そういうことでしたら 担当は…→
板谷! はい。
(町田) 悪いけど 納税課に協力してくれ。
(板谷) はい。 (饗庭) お願いします。
早速なんすけど 木下さんと 直接 お会いすることできます?
そうですね うちでは 手が回らなかったのですが…。
園のお迎えのタイミングなら。
どうでしょうか? >> なるほど。
(饗庭) じゃあ 一緒に。 >> はい。
(饗庭) 早く ほらほら…。 >> 失礼します。
(饗庭) 保育料と住民税 きっちり納めてもらいましょう!
(大声で) しょう! (饗庭) ばか お前 声デカいだろ。
(増野) ごめんなさい。 (饗庭) 嫌いじゃないけどね。
(増野) 饗庭さん 優しい。 (饗庭) 嫌いじゃ ない。
(保育士) 木下さんは早退されました。
(饗庭) 早退した。 >> はい 下の子が熱を出したので→
今日は早めに お迎えに来てもらったんです。
(保育士の声) 木下さん 仕事を無理に抜けてきたみたいで。
〔すいません 木下です〕
(碧)〔パパ!〕 〔碧…〕
〔彩ちゃん 先ほどの検温で 38度ありました〕
〔病院 連れていって あげてください〕
〔はい〕
〔それと おむつかぶれ できてますので→
気を付けてあげてください〕 〔すいません 急いでるんで〕
木下さん 限界なんじゃないでしょうか。
えっ?
仕事と子育ての両立です。
私 木下さんが笑ってるところ 見たことないんです。
(瀬戸) あっ 先生 こんにちは。
瀬戸さん こんにちは 陸君…。
大丈夫ですよ ちょっと見てきます。
お~ 何描いてんの? これ。
すごいじゃん。
(増野) あの人 どっかで…。
SNSじゃないですか? >> SNS?
瀬戸さん シングルなんですけど→
お仕事も子育ても 完璧にこなしていて→
そのことを書いたSNSが 人気なんです。
(饗庭) あっ これか。
(板谷) 「理想のシングルファーザー」なんて。
理想のシングルファーザー。
(板谷) はい 呼ばれてますよね。
(瀬戸) やめてください 僕なんか全然です。
私たちの間でも 瀬戸さんのSNS 評判なんですよ。
仕事と両立できてるのは 先生たちのおかげです。
特に 下の子の保育園が 見つかる前は→
かなり大変でしたから。
それじゃ 今日もありがとうございました。
(保育士) はい。
♪~
(饗庭) 正直 比べちゃいます? >> えっ?
(饗庭) 瀬戸さんは ちゃんと両立できてんのに→
木下さんはって。
まさか… ないですよ そんなこと。
(饗庭) あるわけないだろ お前。 >> 僕っすか?
(饗庭) ないですよね~。 >> ないですよね~。
男性のひとり親って→
弱みを見せたがらない人が 多いんですよ。
(増野) えっ?
木下さんは 市のひとり親支援を 全て受けられるはずなんです。
ですが どれも自己申告制なので→
ご案内できていなくて。
そうなんですね。
(饗庭) 知らないと損する 税金と一緒っすね。
ええ。
(増野) 饗庭さん この後どうします?
僕 木下さんのお宅へ 行ってみようかと思うんですけど。
あっ 私も 保育士さんのお話が気になるので。
(饗庭) そっか じゃあ 俺 戻ろっかな。
えっ?
(饗庭) 後は よろしく。
男にしてやってください。
お疲れさまです。
(チャイム)
(板谷) こんにちは。
みゆきの市役所の者です 今 よろしいですか?
えっ?
(木下) どこやったっけな~?
あれ 住民税と何でしたっけ?
その延滞金です。
合わせて 28万5500円なんですが→
納付書ありませんか?
(木下) 郵便物 いちいちチェックしてないんで。
では 保育課からの納付書も 見当たらない感じですか?
はい。 >> はい。
取りあえず 今ある分だけ渡しますから。
7万円です。 (増野) すみません。
碧 あっちの部屋に行こうか。
はい… 進んで。
木下さん→
下のお子さんの体調の方は 大丈夫ですか?
落ち着いたらでよいので→
ひとり親支援の制度を ご案内できたらなと思いまして。
僕も お手伝いできることがあれば 何でもおっしゃってください。
結構です。
役所の方を頼るつもりは ありませんから。
ですが…。 >> 申し訳ないですけど→
まだ仕事があるんです。
あなたたちは お金を取りにきただけですよね?
残りの分も 今度 払いに行きますから。
(華子) それで そのまま…。 (饗庭) それで そのまま→
帰ってきちゃったんですか? まさか 解決したつもりじゃ→
ないですよね!
…って百目鬼ちゃんなら チョゼりそうだよね~。
ごめんごめん… 「それで そのまま」 何ですか?
(華子) 何でもありません。
(増野) 僕たち 嫌われて当然ですよね。
あんな状況の木下さんから 徴収するんですから。
(饗庭) 何 何? どうした? 何 どうした?
>> 何だか 申し訳なくって。 (饗庭) ん?
僕 納税課には 希望して来たわけじゃないんです。
採用の時の志望は保育課でしたし。
(饗庭) 確かに まっす~ 子供 好きそうだもんな。
はい。
公務員として 子供たちのために→
何かできればと 思ってたんですけど。
(饗庭) それが よりにもよって 徴税吏員になっちゃったんだ。
役所内でも行きたくない部署 ナンバーワンだもんね。
(恵美) すいません。 (華子) はい。
(饗庭) 泣くなよ。 (増野) 泣いてないっすよ。
(華子) 出渕恵美さん。
1年前に旦那さんと離婚して→
夫婦それぞれで長女と長男の 1人ずつを引き取った。
(恵美) はい 今は お互い シングルです。
(華子) 申請をご希望されているのは→
生活保護と ひとり親控除→
児童扶養手当ですか。
離婚した後 体をこわして 働けなくなってしまって→
いろいろと利用できる制度を 調べたんです。
(華子) それでは→
福祉課と子育て支援の窓口へ 行ってみてください。
あちらの…。 >> それだけじゃないんです。
私 住民税を滞納してるんです。
その停止処分をお願いします。
(華子) 停止処分?
できますよね?
(華子) 出渕さん 納税は国民の義務です。
確かに どうしても納税ができず→
差し押さえられる財産が ない場合は→
滞納処分の執行を 停止することもあります。
生活保護の受給者も その対象には なり得ますが…。
(恵美) だったら 私も適用してください。
(華子) 停止処分は→
滞納者の申請に 基づくものではないんです。
停止を検討するかどうかも こちらで審議して…。
地方税法 15条の7です 停止処分の規定がありますよね?
ちゃんと審議してください。
♪~
碧君?
碧君… 碧君。
(木下) 碧! (増野) どうしたの?
あっ…。
♪~
(木下) あの コーヒー入れたんで よかったら。
(増野) ありがとうございます。
すいません 子供たちが わがまま言って。
(増野) いえ。
碧も彩も あんなに 他の人に懐くのは珍しくて。
碧君 さっき どうしたんですか?
せがまれたんです 絵本 読んでくれって。
(木下の声) でも 仕事がまだ残ってて。
〔パパ 絵本読んで〕
〔今 仕事中なんだ 後で読むから〕
〔今がいい! 今 読んで〕 >> 〔少し静かにしてくれ〕
〔彩も やっと熱が下がって 寝たんだし〕
(碧)〔やだ! 読んで 読んで 読んで!〕
(木下)〔どうして パパを困らせるんだ!〕
〔碧は お兄ちゃんだろ!〕
〔彩の泣き声〕 (木下)〔あぁ…〕
〔彩の泣き声〕 (木下)〔ごめんな 彩〕
〔ママは読んでくれたのに パパなんか大っ嫌い!〕
〔碧… 碧!〕 〔彩の泣き声〕
ダメな父親ですよね。
(増野) いや…。
毎日のように思うんですよ。
こんなはずじゃなかった。
これ以上 どうしたらいいんだって。
すいません 自分のことばっか。 >> いえ。
よければ 木下さんのこと話してください。
妻は 気付いた時には→
もう手遅れで…。
入院してからも→
最期まで 子供たちの心配をしていました。
妻の実家からは 時々 電話がかかってきて→
子育てを分担しないかって 言われてるんです。
だけど僕…→
妻に約束したんで。
1人でやり切るって。
木下さんのご両親は…。
地方に住んでるので 最初から頼る気は…。
でも お一人だと大変では…。
できてる人はいますから。
保育園に 瀬戸さんっていう シングルの方がいるんです。
年下なのに 仕事も子育ても 僕以上にできていて…。
僕が この程度で音を上げている 場合じゃないんです。
木下さん→
せめて ひとり親支援の制度を 申請してください。
どれも自己申告制なので→
木下さんから おっしゃっていただかないと→
僕たちも対応しようがないんです。
♪~
(北沢) どうなんでしょうね 三係は。
15期連続で→
3つの係の中で 徴収率が最下位というのは。
(橘) 申し訳ございません。 >> あなたは いいんですよ。
あと何年かすれば 定年を迎えられるんですから。
問題なのは そのツケを払うのは 部下たちだってことです。
橘係長。 (橘) あっ はい。
三係は 捜索の件数が 極端に少ないですね。
(橘) はい…。
捜索も 市民の皆さんのための 業務だということは→
分かっていますよね。
(橘) あっ はい。
では 何とかしていただけますね?
(華子) 理想のシングルファーザー?
(饗庭) SNSが評判で そう呼ばれてんだって。
(華子) この方が 出渕恵美さんの件と 関係あるんですか?
(饗庭) 出渕さんの離婚した夫の欄 チェック!
(華子) 瀬戸知宏…。
えっ! 出渕さんの元旦那さん。 (饗庭) うん。
離婚した夫が 理想のシングルファーザー って呼ばれてて→
妻は生活保護を申請するほどの 貧困家庭。
しかも彼女 地方税法なんて マイナーな法律 妙に詳しかった。
(華子) 何か裏があるのかもしれないと。
(饗庭) どうだろうに~。
(饗庭) ここか… おっ!
>> こんにちは。 (瀬戸) こんにちは。
(華子) 離婚後も同じマンションに 住んでるんですかね。
(華子) 一家団欒。
とても離婚してるようには…。
(饗庭) ねぇ このお店ってさ…。
(保育士) 陸君の絵は この絵ですね。
(饗庭) あざ~す。
あ~ やっぱり。
(華子) これ ハロウィーンの時の。 (饗庭) うん。
ほら ここ。
これ さっきのレストランの 看板じゃん。
(華子) 確かに。
(饗庭) あの子たち どっかで 見たことあると思ったんだよな~。
(饗庭の声) それぞれ別の保育園から イベント 参加してたんだ。
(華子) どうして 絵を破いたりしたんでしょう?
あんなに仲のいい きょうだいなのに。
(饗庭) もしかしたら瀬戸さんたちって…。
(橘) 偽装離婚? (饗庭) はい。
その可能性が高いと思います。
それって ひとり親の支援を 受けるためですかね?
(鷺沼) ん~。
(鷺沼) ひとり親は→
行政から さまざまな支援を 受けることができる。
それを不正に得るために 結婚生活を続けたまま→
離婚届だけを提出するんだ。
どっかの自治体で 偽装離婚した夫婦それぞれが→
生活保護を受給してたこと ありましたよね。
働かなくても 夫婦で月に30~40万か。
うらやましいな~。
(華子) 不正受給は詐欺罪 犯罪です! >> 分かってるよ!
(饗庭) 偽装離婚のこと お姉ちゃんは 何となく理解してて→
親に口止めされてたんだろうね。
で 弟が このお店を描いちゃって 「ヤバい!」と思って…。
子供なりに 証拠を隠そうとしたのか。
瀬戸さん 全然 理想のシングルファーザー じゃなかったんですね。
(瀬戸の声) 偽装離婚?
何のことですか?
私たちは本気で離婚しました。
正真正銘の元夫婦です。
(華子) ですが…。
(華子) キッチンには 4人分の食器もありますし→
どう見ても 一緒に暮らしてますよね?
ここに住んでるのは 僕と長男ですが→
娘たちも時々 遊びに来るんです。
食器は その時に必要なものです。
子供たちのために 家族4人の時間をつくろうって→
離婚する前から決めてたんです。
(華子) こちらのお店には 毎週 通っているそうですね。
それに加えて ご自宅で 食事することもあるんですか?
それは…。
(華子) 住民税の停止処分を 検討する以上→
生活実態を確認する 必要があるんです。
だからって→
役所は会う頻度まで 口出しするんですか?
(華子) そういうわけでは…。
(華子) 全然 悪気がありませんでしたね。
自分たちのしようとしてることが 犯罪だと分かってるんですかね?
(饗庭) あの家 子育て支援の本が めちゃくちゃあった。
(饗庭の声) 行政の支援について 相当 勉強してたっぽいね。
(華子) 不正受給のためにですか?
(饗庭) そうかもだけど 瀬戸さん 元々 所得は高いし→
家の中も 特にお金に困ってる感じ しなかったんだよな。
(華子) わざわざ不正受給をする理由が ないということですか?
(饗庭) ん~ まぁ 単に働きたくないだけ っつうのもあるけどね。
📱(振動音)
(饗庭) まっす~。 📱(振動音)
(饗庭) もしもし…。
えっ?
(華子) 木下さんは…。
過労だって… 入院はせずに もうすぐ帰れるみたい。
(饗庭) そっか。
あっ 増野に 知らせてくれたんですよね。
あざ~す。 (板谷) はい。
木下さん 夕方ごろに 出先で倒れたみたいで…。
お迎えがないということで→
園のほうから保育課に 連絡がありまして それで…。
あっ。
見つけよう 見つけよう 一緒に 見つけよう。
(頼子) 裕介さん 前にも言ったけど→
碧と彩のお世話 私にもさせてくれない?
不慣れなことも多いでしょ?
今日みたいなことがあったら 心配だし…。
1人で大丈夫ですから。
でも…。 >> 珠里に約束したんです。
「僕が頑張るから大丈夫だ」って。
(頼子) 裕介さん…。
(増野) 木下さん… 木下さん。
前にも言ってましたよね。
「奥さんのためにも 1人で頑張らなきゃ。
同じシングルの瀬戸さんは できてるんだから」って。
ええ。
(増野) でも… 違うんです。
瀬戸さんだって→
ホントは1人で 子育てしてるわけじゃなかった。
えっ?
(増野) いろいろ事情が…。
木下さんも もっと周りの人を 頼っていいんですよ。
ありがとうございます。
でも 僕は…。 木下さん…。
お義母さん わざわざ来てくださって→
ありがとうございました 皆さんも お騒がせしました。
すいません… 碧 行こう。
荷物 忘れないで… ほら そこ左 曲がって。
早く進んで… ほら 帰るよ。
(華子)\どういうことですか?/
木下さんに家宅捜索しろって。
どうもこうも ないの この木下って人→
早く捜索してください。
(華子) 木下さんは 納付の意思が ないわけじゃないんです。
そうですよ 口座の差し押さえも まだなのに→
いきなり捜索すること ないじゃないですか。
(華子) この件は 係長にも相談しましたよね?
(橘) あっ うん あの そ… それは…。
状況は保育課からも聞いてるよ。
その上で 捜索による徴収くらいしないと→
生活を見直してもらえない って言ってるの。
(華子) そんな理屈…。
他の滞納者への 示しもつかないでしょ。
これは徴税強化体制の一環なの。
副市長のお墨付きです。
どうして日比野さんが… 一係は関係ないですよね。
木下さんへの捜索 三係がされないようでしたら→
一係で引き継ぎます。 >> えっ?
市としての徴収率は それで上がりますから。
そうですよね? 橘係長。
(橘) あっ… はい。
(華子) 係長!
(饗庭) 何で木下さんなんすか?
(北沢) えっ?
(饗庭) だって 滞納者の方は 他にもいますよね?
急に木下さんに目 付けたのには 何か理由があんのかなって。
木下さんから保育課に→
子育て支援の申請が あったそうです。
〔この子育てヘルパーの支援を お願いしたいのですが〕
(日比野の声) ただ彼は 住民税を 滞納しているようだから→
受理すべきかどうか 迷ったみたいで。
それで保育課の町田課長から 確認があったんだ。
「木下さんは 滞納したままですよね」って。
(増野) 木下さん 申請してくれたんだ。
(華子) どうして すぐに受理しないんですか?
まずは滞納している分を 払ってもらうのが先でしょ?
保育料は払ったみたいだけど→
税金を滞納しながら 支援を受けようだなんて→
厚かましい。
みゆきの市は 「子育ての街」なの。
保育課も忙しくて 大変なんだから→
滞納者のことなんかで いちいち煩わせちゃ迷惑でしょ。
(華子) 滞納してるからこそ→
手を差し伸べるべきなんじゃ ないんですか。
〔みゆきの市は 「子育ての街」〕
〔それこそが この市の魅力であると〕
〔下の子の保育園が見つかる前は かなり大変でしたから〕
(日比野) 〔木下さんから保育課に→
子育て支援の申請が あったそうです〕
(北沢)〔それで保育課の 町田課長から確認があったんだ〕
〔「木下さんは 滞納したままですよね」って〕
(饗庭)〔知らないと損する 税金と一緒っすね〕
〔ええ〕
♪~
(饗庭) よし!
百目鬼ちゃん 行こっか。 (華子) えっ?
早速 木下さんへの捜索 行ってくれる気になった?
(饗庭) いえ… 行くのは→
瀬戸さんのお宅です。
えっ?
♪~
お疲れさまです。
お疲れさまです。 >> お疲れさまでした。
(職員) 板谷さん 今日も残業?
あっ 入園選考の資料が まだ できてなくて。
(職員) お先に失礼するね。 >> お疲れさまです。
(饗庭) 板谷さん… ちょっといいっすか?
はい。
木下さんへの支援 全て通してもらいたいんです。
えっ?
(饗庭) それと瀬戸知宏さんと元奥さん→
うちで偽装離婚なんじゃないか っつって問題になってんすけど…。
偽装離婚?
(饗庭) 元奥さんは 出渕恵美さんといいます。
ご存じですよね?
(ドアが開く音)
また納税課ですか 今度は何ですか?
(饗庭) ちょうどよかったです 町田課長にもお話が。
はい?
(饗庭) 瀬戸さんたち ご夫婦には→
偽装離婚をせざるを得ない 事情があったんです。
何の話ですか?
(饗庭) 育休退園ですよ。
(華子) 2人目が生まれた親が 育児休業を取得すると→
家庭で保育できると見なされ→
上の子が退園させられることが あるそうですね。
出渕さんからも お話を聞いてきました。
(恵美)〔下の子が生まれて 育休を取ったら→
家で保育できるからって 退園させられたんです〕
〔その頃は 夫も 育休を取ることができなくて→
子育ては私一人で〕
〔保育園をいくら探しても 空きが出なくて…〕
〔育休を延長するのも限界で→
結局 私は… 退職を〕
(華子)〔そうだったんですか〕
(饗庭)〔出渕さん これね…→
陸君の絵を桜ちゃんが…〕
(饗庭)〔事情は… よく分かりました〕
〔だけど このまま偽装離婚→
続けてていいんですかね〕
〔ハァ…〕
〔ダメな親ですね… 私たち〕
(華子)〔えっ?〕
〔保育園に入れないなら→
割り切って 一緒に過ごす時間を→
大切にすることだって できたんです〕
〔でも あの時は→
育休退園なんて おかしな制度に 振り回されたのが→
ホントに… 悔しくて〕
(華子) 出渕さんは 何度 保育課に相談しても→
退職したのなら 家で保育できるだろうと→
相手にされなかったそうです。
その担当者が→
板谷さん あなただった。
そこで ご夫婦が考えたのが→
偽装離婚による入園でした。
みゆきの市では入園審査に 点数制を導入してますよね。
はい。
しかし 申し込みをする 保護者の大半が→
両親共に フルタイムで働いているなど→
加点条件が似ています。
実際は ほとんど点差ができません。
(町田) 大変なのは どこの家も 同じだってことですよ。
あの もしかして 偽装離婚って…。
(華子) 瀬戸さんたちは 偽装離婚によって→
書面上ではシングルになることで 点数を稼ぎ→
子供たちを 入園させることにしたんです。
(華子の声) その上で→
どうせなら徹底的に 市の制度を使おうと考え→
住民税の停止処分の件で 納税課へ来たそうです。
制度を知らずに 届けられなかった→
木下さんとは正反対ですね。
みゆきの市では最近 瀬戸さんのお家のように→
やむを得ず 育休延長や退職をした結果→
待機児童として カウントされない→
隠れ待機児童が 増えてるんじゃありませんか?
それは…。
(饗庭) 分かっています。
出渕さんへの対応も全て→
町田課長による 指示だったんですよね。
すいません…。
(饗庭) あなたは「子育ての街」という 市のイメージを守るため→
待機児童の数を減らすのに 必死だった。
だから瀬戸さんたちにも まともな対応をせず→
数字の上だけで 待機児童の数を 減ってるように見せかけていた。
仕方ないだろ。
どこの園でも→
保育士を確保できなくて 限界なんだよ。
それなのに市長は みゆきの市を→
「子育ての街」と言って PRしている。
みゆきの市に→
待機児童なんて いちゃいけないんだよ!
課長は誰のために 仕事をしているんですか。
保育課の職員なのに 子供たちを見ていないなんて…。
そもそも俺は 保育課になんか来たくなかった!
えっ?
親たちは自分の子供のことしか 考えてないし→
むちゃな要求も→
子供のためだと言えば 通ると思ってる!
こんな面倒だらけの部署 誰が希望して来るんだよ!
公務員になったのだって→
安定した職場だと思っただけだ。
だったら定年まで 上の機嫌を損ねず→
仕事しようと思うのが自然だろ。
えぇ!?
(華子) 最低ですね。
(饗庭) 町田課長。
市役所に来る人たちは みんな→
何かしら 生活に困り事があって 来てるんです。
そんな人たちに寄り添えない 職員が1人でもいれば→
役所全体の信頼が失われ→
本来 頼ってくるべき人を 遠ざけてしまうことになる。
せっかく徴収した 税金による支援を→
届けるべき人に 届けられなくなってしまう!
そんなことも分かんねえんすか!
町田さん→
公務員 ナメないでください。
(饗庭) うわ~! ハハっ!
残業しちゃったよ~。
♪~
木下さんが先日→
保育課に申請していただいた 支援に加えて→
今日は ひとり親控除の説明に来ました。
ひとり親控除? (増野) はい。
(華子) ひとり親家庭が受けられる 所得控除です。
所得500万円以下で 生計を一緒にする子があれば→
住民税では30万円の 控除が受けられます。
税金が減るんですか?
はい 制度を知らないと 控除を受けられないのは→
こちらの努力不足です。
他にも時間が取れない方に向けて 園への送り迎えや→
個人宅で預かってくれる サポートもあるので→
何でも相談してください。
ありがとうございます。
(瀬戸)\饗庭さん 百目鬼さん/
(饗庭) おっ 瀬戸さん。
今日は ご夫婦一緒なんですね。
桜ちゃんも こんにちは。
>> こんにちは。 (饗庭) フフ…。
>> 陸も桜も今日が退園日なんです。 (華子) 退園?
あの後 保育課の方に相談したら→
ネットや本じゃ 分からなかった情報も→
たくさん調べてくれて→
2人そろって通わせられる→
認可外保育園が 運よく見つかったんです。
遠くはなりますし 保育料も高い所なので→
正直 負担は かなり増えるんですけど→
その分 また働きたいと考えていて。
今後は また籍を入れて 夫婦で子育てしていきます。
あの子たちのためには それが一番ですから。
くれるの? ありがとう。
木下さん。
もう 一人で 頑張らないでください。
何か困ってることがあれば→
僕たちを頼ってください。
僕たちは公務員ですから。
はい。
(饗庭) もう頼れてるみたいだけどね。
(増野) えっ?
(碧) おばあちゃ~ん!
碧~!
これからは お義母さんとも 分担することにしたんです。
妻も きっと 安心してくれてます。
はい。
(増野) 今回 瀬戸さんたちに→
いろいろ我慢してもらうことに なっちゃいました。
でも 僕が今できることを やるしかないんです。
だから まずは…。
いただきます!
(橘) 増野君 どうしたの?
食べないと 仕事も頑張れませんから。
急に やる気スイッチ 入ったんですよ。
「俺たちが税を徴収するのは→
市民の皆さんに 使ってもらうためだ」って。
ホント 今更だよね。
木下さんを助ける ひとり親控除は 税金の軽減です。
その分 しっかり徴収しないと 計算合いませんから。
(橘) 若いっていいね~。
(饗庭) 係長も まだまだ頑張ってくださいよ~。
上に何言われたのか 知りませんけど。
(橘) あ~ あの… この前は ごめんね 力になれなくて。
(華子) でも 瀬戸さんたちのことは 警察にも相談しないとですよね。
公務員には 犯罪の告発義務がありますから。
(饗庭) えっ まだ相談してないと 思ってたの?
(華子) もうしたんですか? (饗庭) 百目鬼ちゃん!
こういう時こそ チョゼんないと!
もう優秀な弁護士に 任せてあります。
(珠代) はい これサービス。
えっ いいんですか?
私のお給料も税金から出てるの 増野君には頑張ってもらわないと。
え~ ありがとうございます! 頑張ります。
(華子) サービスはダメですよ。
ちゃんと食券 買ってください。 (増野) えっ…。
(饗庭) 分かった じゃあ 俺のほら… これあげる。
>> えっ! (饗庭) サービス。
>> ありがとうございます! (饗庭) 今食って 今食って。
早く早く… うまいから! 一口でいける。
>> お~ うまっ! (饗庭) うまいでしょ。
ハロウィーンだから カボチャ 食べたくなっちゃったんでしょ。
(饗庭) そうなんすよ でも俺 1人暮らしなのに→
1個丸々 買っちゃって…。
百目鬼ちゃんも 一緒じゃない?
っていうか百目鬼ちゃん 待って。
全部カボチャじゃん!
えっ このまま全部食べたら→
カボチャになっちゃうよ 百目鬼ちゃん。
カボ… カボ目鬼 カボ目鬼です 私。
ストック 全部カボチャじゃん!
カボチャの控えが もう…。 (華子) 饗庭さん。
(饗庭) 何 もう… じゃあ分かったよ どれが欲しいの? これ?
(華子) 違います。 (饗庭) 何~?
(華子) 私たち→
まだやり残したことが ありますよね。
(饗庭) えっ?
嫌な予感すんな…。
日比野係長。
(日比野) はい。
少し お時間よろしいですか?
はい。
(饗庭) 無理だよ 市長に会うなんて。
(華子) 隠れ待機児童の問題は→
元をたどれば 市長にも責任があります。
何とか改善してもらわないと。
(饗庭) だからって直談判ってさ…。
ほら 俺たちは まず 目の前の市民の方々のために…。
(華子) こういう時は 上から攻めるように 言ったのは 饗庭さんです。
(饗庭) いや そんなこと言った… 言ったね 確かに。
言ったけどさ~ でも…。
何を騒いでる?
北沢課長から聞いたぞ。
納税課へは 自分で希望して 配属されたんだってな。
(華子) それが何か?
母親のこともあるのに 悪趣味なヤツだ。
で 上が何だって?
話があるなら俺が聞くぞ→
華子。
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