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(波の音)
(林太郎) えっ! 海!?
(女の子) お兄さん 大丈夫?
(林太郎) えっ?
うみ?
(うみ) どうして名前知ってるの?
あっ お兄さん もしかして 土星人?
うみ 土星人さん 初めて見た よろしく!
(林太郎) あっ うん…。
(林太郎) これ… 夢?
♪~
(林太郎) 夢じゃ ない…。
じゃあ 何で うみが ちっちゃくなってるんだ?
っていうか ここ…。
あっ! 痛った!
(うみ) あららら…。 (林太郎) 痛てて… 痛…。
ク~!
(林太郎)「音子浜海岸」?
(風の音) (うみ) イ~…。
(林太郎) あっ 寒いよね。
これ どうぞ。
(うみ) ありがとう。 (林太郎) うん。
うみちゃんは一人で遊んでるの?
(うみ) ここ パパとよく 一緒に来てたの。
うみのパパね→
うみのせいで いなくなっちゃったんだ。
(父)〔うみ そろそろ帰ろう〕
(うみ)〔やだ! まだ遊ぶの!〕
〔もう帰る時間だよ〕
(うみ)〔やだ! パパ 先 帰って!〕
♪~
(うみの声) パパ もう戻って これなくなっちゃったの…。
〔パパ!〕
(林太郎) えっ?
(うみ) パパの言うこと聞かないで わがまま言っちゃったから。
(うみ)〔私のせいで 誰かが傷つくのは やだよ〕
(林太郎)〔何で こんな時まで 人のことばっかりなんだよ!〕
(うみ)〔だって 自分なんかより…〕
♪~
(林太郎)《そうか…》
《この時から うみは わがままが言えないんだ》
《大切なものを 失ってしまったのが→
自分のせいだと思ってるから》
(はなをすする音) (うみ) 大丈夫?
(林太郎) うん 心配してくれてありがとう。
俺 もう行くね。
(うみ) もっと遊びたかったな~。
(林太郎) 大丈夫。
きっと またすぐ会えるよ。
その時は うみちゃんが やりたい遊びしよう。
行きたい所に行こう。
(うみ) 行きたい所? うみ 分かんない。
(林太郎) それでいいよ 一緒に探しに行こう。
(うみ) 冒険だね!
(林太郎) うん。
約束。
(うみ) うん!
(林太郎) えっ…!
あぁ…!
あっ 痛っててて…。
痛…。
あれ?
(涼子の声) 林太郎? 今 うみちゃんと一緒?
さっき うみちゃんママから 帰ってないって聞いて→
林太郎といるのかと思って。
(林太郎)《ずっと→
俺は うみに 支えられてばかりだと思ってた》
(先生)〔お~! すごい メロンパン人気だね~〕
〔うみちゃん 取らないの?〕
(うみ)〔うん うみは最後でいい〕
(先生)〔そう〕
(林太郎)〔はい これ〕
(うみ)〔えっ?〕 (林太郎)〔うみちゃん これ好きでしょ?〕
(うみ)〔何で これが好きって 分かったの?〕
(林太郎)〔何でだろう?〕
〔うみちゃんのこと 大好きだからかなぁ?〕
(うみ)〔たろーのは?〕
(林太郎)〔あっ 忘れてた〕
(林太郎)〔うみちゃん?〕
〔どどどど… どうしたの?〕
(うみ)〔ありがとう うれしい!〕
(林太郎)《でも 違った》
《それだけじゃなかった》
《俺も うみを…》
うみ。
(うみ) たろー!? 何で ここに?
(林太郎) ここだと思った。
(うみ くしゃみ)
(林太郎) あぁ… 寒いでしょ 風邪ひいちゃうよ。
(うみ) ありがと。
(林太郎) うん。
(うみ) どうして ここにいるって分かったの?
(林太郎) 俺はね うみがどこにいても 迎えにくるんだよ。
(うみ) 何だそりゃ。
(林太郎) うみはさ…。
自分のことが嫌いなの?
(うみ) どうなんだろうなぁ…。
(うみ) そうなのかもしれない。
(うみ) 私はね→
みんなのことが大好きなんですよ。
たろーも みかちゃんも→
みのりちゃんも いつき君も。
(うみ) ちゃんと自分の意見を持ってて→
それを真っすぐ伝えられる。
(うみ) 千明ちゃんにも言われたけど…。
傷つけることを避けようとして→
人とも 自分とも 向き合えてないんだ。
(うみ) たろーが→
「頼ってほしい」って 言ってくれるのはうれしいよ。
でも…。
どうしても→
私には難しいよ。
(うみ) 人に頼ったり→
負担になるのは怖いよ。
♪~
(林太郎) うん。
(うみ) たろー。
(林太郎) 何?
(うみ 泣き声)
どうしたらいいのかなぁ?
(うみ) いつかは怖くなくなる?
人とも→
嫌いな自分とも 向き合うべきなのに…。
私は どうしたら…。
(林太郎) うみはね…。
(林太郎) うみは変わらなくていい。
(林太郎) そのままでいいよ。
(うみ) でも…。
(林太郎) うみの分まで…。
俺がうみを好きでいるよ。
♪~
(林太郎) だから大丈夫。
大丈夫!
(林太郎) うみに怖いものがあるなら→
俺が手をつないでてあげる。
うみが怖くなくなるまで ずっと。
(うみ)〔うみが手をつないでてあげる〕
〔たろーが怖くなくなるまで ずっと!〕
(うみ) うん。
(うみ 泣き声)
(うみ 泣き声)
(うみ) ごめん! ちょっと遅れた。
(林太郎) えっ? えぇ…! (うみ) おっととと…!
フゥ… おはよう。
(林太郎) えっ!
(みのり) あと5日!?
(林太郎) 面目ない…。
(いつき) 俺も昨日 考えてたんだけどさ→
やっぱり 余命の増減するシステムを 解くのは無理だと思う。
それが分かったら いくらでも 寿命をコントロールできちゃうでしょ?
そんなこと できていいはずがない。
(林太郎) 確かに。
(いつき) だから 俺たちがするべきことは→
これから うみちゃんに 降りかかる出来事に→
逆らい続けること。
(みのり) つまり 逆に言えば→
この5日間を 乗りきればいいってこと?
(いつき) うん… どう変わるか分かんないけど。
(うみ) 短期決戦だ!
(みか) うみ!
私 今日 部活ないんだ 一緒に帰ろう?
(うみ) あっ… えっと 今日は ちょっと…。
そっか 来週は?
(うみ) 来週も どうだろう…。
(うみ) みかちゃん ごめん…。
フフ… 何 そんな変な顔して。
別に帰るの断られたぐらいで 怒んないよ。
何かあった?
(うみ) 何にも…。
あったけど…。
ない…。 >> いや どっち?
(うみ) どっちも…。
ふ~ん。
じゃあ 聞かないでおこうかな。
(うみ) えっ…。
うみが話したくなった時に 聞いてあげる。
じゃあね。
(うみ) みかちゃん!
ん?
(うみ) 全部 終わったら…。
(うみ) 聞いてほしい!
うん 待ってるね。
♪~
(林太郎) 俺は余命の変化を見逃さない。
登下校は必ず複数でする。
(いつき) 仮病を使って学校を休むのは 最後の2日間に取っておく。
(うみ) うみは頑張って生きる!
よし! じゃあ下校開始!
(うみ) お~。 (いつき) よし。
(うみ) 何か 避難訓練みたいで ワクワクするね!
もうちょっと危機感持とうか。
(林太郎) うみ! (いつき) でも あと5日あるわけだし→
そんな気…。
\ごめん! 大丈夫?/
(いつき) 最大限 気 張ってこうか…。
(みのり) 林太郎君 余命は?
(林太郎) 変化なし。 (いつき) 車も来る気配なし。
OK 進もう。
うみちゃん家 こっちで合ってる?
(うみ) うん あっ でもね こっち抜けてった方が近道かも。
(林太郎) そっち 危ないかも…。
(うみ) わっ!
コォ~!
(林太郎) 藤井さん ナイス…。
(うみ) 寄り道 近道 しない。
(林太郎) うみ 待って! そっちもダメ! (いつき 駆ける音)
セーフ…。
あと5日も これが続くの?
(いつき) 案外 今日が山場だったりして…。
(林太郎) ちょっと休もうか。
道端だけど ここなら車通り少ないし。
(うみ) みのりちゃん 飲む?
はい。 >> あぁ ありがとう。
(林太郎)〔ずっと うみの運命を変えられるのは→
俺だけだと思ってた〕
〔けど…→
俺や いつき君に 余命や未来が見えるのって→
やっぱり意味があると思うんだ〕
(いつき)〔どうして そう思うの?〕
(林太郎)〔これは推測だけど→
余命が見える人は限られてる〕
〔そして それは…〕
〔変えられるから 見えるんだと思う〕
(林太郎)〔でも…〕
〔俺は結局…〕
〔うみの余命を 消すことはできなかった〕
(林太郎)〔もちろん まだまだ 頑張るつもりだけど…〕
〔でも いつき君が見た未来は→
いつき君なら きっと変えられる〕
〔君なら うみを→
きっと 助けられる…〕
(林太郎)〔だから…〕
〔だから…〕
〔はなをすする音〕
〔頼む…〕
(林太郎)〔いつき君が…〕
〔はなをすする音〕
〔うみを救ってあげて〕
(いつき)《林太郎君は気付いているんだ》
《自分が うみちゃんを助ける 運命の相手じゃないって》
《ホントは自分の手で 助けたいはずなのに…》
(うみ) あれ? 見て。
あの子 下りられないのかな? (鳴き声)
(林太郎) ちょっと見てくる。 (うみ) うん。
(林太郎) よいしょ。 (ネコの鳴き声)
(林太郎) こっちおいで 怖くないから。 (ネコの鳴き声)
(林太郎) よいしょ。 (ネコの鳴き声)
(警告音) (林太郎) うわっ!
(警告音) (うみ) あっ たろー 危ない!
(警告音)
(いつき)《光…?》
(林太郎)〔俺のせいだったのか…〕
(いつき) うみちゃん 5秒止まって!
(衝突音)
(林太郎) うみ!
うみちゃん… うみちゃん!
(林太郎) 大丈夫? ケガしてない?
(うみ) うん… ケガしてない 大丈夫。
(林太郎) よかった…。
(林太郎) 余命…。
なくなってる!
(いつき) ウソ…。
(林太郎) 見えない。
ホントに… 消えてる。
(うみ) ホントに?
すごい! やったよ! たろー!
♪~
(林太郎) うみ… もう 死なない?
(うみ) 死なないよ! 勝ったよ!
♪~
(林太郎) よかった~! うみ~!
よかった~。
(泣き声)
あっ ひとまず 警察に。
この辺りの住所…。
どうかしたの?
(いつき) いや…。
何か ちょっと 見落としてるような…。
見落としてるって?
(いつき) うみちゃんの余命は 消えたわけだし→
確実に未来は変わってるはず…。
ただ…→
さっき 林太郎君に触れた時も→
未来は1つじゃなかった。
もし あの中に→
うみちゃんの運命を変えた先の 未来があったとしたら…。
(林太郎 泣き声) (うみ) フフフ…。
(林太郎 はなをすする音)
(ネコの鳴き声)
(林太郎) そんな所いたら危ないよ。
(うみ) ちょっと気を付けてよ?
(林太郎) うみ 下がっておいて 危ないから。
よいしょ 危ないよ。
(ネコの鳴き声) (林太郎) よいしょ よいしょ。
(物音)
(林太郎) よしよしよし…。
よしよし!
(いつき) 林太郎君 そこにいちゃダメだ!
(林太郎) えっ?
おぉ 来た?
どうも 17年間 お疲れさまでした。
(林太郎) あの…。
どちらさまですか? >> えっ?
あっ 神様 神様。
(林太郎) えっ?
えっ?
(ししおどしの音)
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