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つたや じゅうざぶろう(蔦屋重三郎)よしわら吉原を国に見立てるのは?
つたや じゅうざぶろう(蔦屋重三郎)よしわら吉原を国に見立てるのは?
ほうせいどう きさんじ(朋誠堂喜三二)吉原の町をそれぞれの国に見立てて紹介する?
ほうせいどう きさんじ(朋誠堂喜三二)吉原の町をそれぞれの国に見立てて紹介する?
…ってなぁ どうでしょ。
女郎屋の名前を それぞれ 郡にして。
女郎屋の名前を それぞれ 郡にして。
「松葉郡には瀬川という美しい川が流れてる」➡
ってな具合?そう! そうです! ヘヘッ!
ってな具合?そう! そうです! ヘヘッ!
にいおお 義兄さん。
じろべえ(次郎兵衛)若松郡には のぞくと怖い鶴の井っていう井戸があるってのは?
じろべえ(次郎兵衛)若松郡には のぞくと怖い鶴の井っていう井戸があるってのは?
(笑い声)うめえなぁ!
(笑い声)うめえなぁ!
もう いっそ 「日本書紀」で遊んじゃうってなぁ どうだろう?
もう いっそ 「日本書紀」で遊んじゃうってなぁ どうだろう?
安永六年 秋。
つたじゅうどうだろう まあ蔦重は 道陀楼麻阿こと➡
つたじゅうどうだろう まあ蔦重は 道陀楼麻阿こと➡
朋誠堂喜三二こと 平沢様と➡
吉原の案内本作りに➡
吉原の案内本作りに➡
乗り出しておりました。
男なら 生まれながらに 出まかせの。
男なら 生まれながらに 出まかせの。
(笑い声)
ところでさ…。ええ。
ところでさ…。ええ。
例の ほんとに出ちゃった人どうなったの? 足抜け。
ああ…。
ああ…。
(平賀源内)知るかよ。 新之助の行き先なんかさ。
(平賀源内)知るかよ。 新之助の行き先なんかさ。
(いね)ほら これ持って走んな!
(源内)おい! 何すんだい!身代金だよ!
こあの妓が捕まったら 返すよ!
こあの妓が捕まったら 返すよ!
ほんとに知らねえんすか?
知ったか尻クソだぁ んなもん!エレキテル〜!
知ったか尻クソだぁ んなもん!エレキテル〜!
(次郎兵衛)ありゃ もうどうにも見つからねえもんで➡
(次郎兵衛)ありゃ もうどうにも見つからねえもんで➡
松葉屋は 「神隠しにあった」ってことにしようって言いだしてんだよな。
松葉屋は 「神隠しにあった」ってことにしようって言いだしてんだよな。
…ああ へえ。
え? 今 間があったね。
いやいや… 知りませんよ。
いやいや… 知りませんよ。
知ったか尻クソでさぁ んなもん!
何を知らねえの?…ん?
何を知らねえの?…ん?
とめしろう(留四郎)戻りました〜!おお 留。邪魔してるよ。
じゅうざ(留四郎)重三さん。おう。
どうやら 捕まったみたいですよ。
どうやら 捕まったみたいですよ。
新さんが?
うろこ鱗の旦那が。
うろこ鱗の旦那が。
鱗の旦那?(喜三二)何で?
にせはん(留四郎)それが また 偽板で。➡
しかも 前と おんなじ板元の前と おんなじ本だって。
しかも 前と おんなじ板元の前と おんなじ本だって。
(次郎兵衛)前と まったく同じ!?
(次郎兵衛)前と まったく同じ!?
♬ チリチリ チリチリ チリ チッチャン
だいもんじや いちべえ(大文字屋市兵衛)大きく!♬ トン チチン チャチャン
だいもんじや いちべえ(大文字屋市兵衛)大きく!♬ トン チチン チャチャン
♬ トン チチン チャチャン
(笑い声)にわか(丁子屋長十郎)俄 楽しかったなぁ!
(笑い声)にわか(丁子屋長十郎)俄 楽しかったなぁ!
はんざえもん(松葉屋半左衛門)若木屋 やるねぇ!
あの… 何で 次の正月うちの細見 入れてくれるんですか?
あの… 何で 次の正月うちの細見 入れてくれるんですか?
(若木屋与八)客も嫌がらぁね。
正月からいわくつきの本屋の細見なんてよ。
正月からいわくつきの本屋の細見なんてよ。
するがや いちえもん(駿河屋市右衛門)まぁ この折なら➡
おめえの方に乗り換えても角が立たねえってこった。
おめえの方に乗り換えても角が立たねえってこった。
実は 薄い細見くれって客も多かったしな。
実は 薄い細見くれって客も多かったしな。
そうですか。おう。
うろこがたや鱗形屋の偽板騒動に年の瀬 お裁きが下りました。
うろこがたや鱗形屋の偽板騒動に年の瀬 お裁きが下りました。
すりほん板木と摺本の召し上げは もちろん➡
実行犯の手代の徳兵衛は江戸十里四方から追放➡
実行犯の手代の徳兵衛は江戸十里四方から追放➡
鱗形屋も 監督不行き届きとして罰金 20貫文。
鱗形屋も 監督不行き届きとして罰金 20貫文。
鱗形屋は 年が明けても店を開けられぬままにございました。
鱗形屋は 年が明けても店を開けられぬままにございました。
鱗形屋は 年が明けても店を開けられぬままにございました。
すみません 蔦重です。
(西村屋与八)すまないね。➡
これだけしか入れられなくて。
これだけしか入れられなくて。
まごべえ(鱗形屋孫兵衛)なにを。扱ってもらえるだけ 地獄に仏さ。
まごべえ(鱗形屋孫兵衛)なにを。扱ってもらえるだけ 地獄に仏さ。
きえもん(鶴屋喜右衛門)青本の出来は すこぶる よいですし➡
地道に売っていきましょう。
だねぇ。➡
だねぇ。➡
難しいのは 細見だねぇ。
難しいのは 細見だねぇ。
けえ⚟(万次郎)帰れよ! 疫病神!➡
お前なんて 死んでしまえ!
お前なんて 死んでしまえ!
(藤八)坊ちゃん! いけません!➡
けえ坊ちゃん! 坊ちゃん!(万次郎)帰れ!
(鱗形屋)万次郎!(藤八)あっ 旦那様!
(鱗形屋)万次郎!(藤八)あっ 旦那様!
奥へ。はい。
ああ… これは これは 蔦屋の旦那様。
ああ… これは これは 蔦屋の旦那様。
何か御用か 九日十日。
細見を 500冊買わせてもらえねえかと思いまして。
細見を 500冊買わせてもらえねえかと思いまして。
フッ 哀れな本屋に施しにございますか。
フッ 哀れな本屋に施しにございますか。
だったら 店 畳んでくれませんか。
だったら 店 畳んでくれませんか。
けえそろそろ返してくんねえですか。
けえそろそろ返してくんねえですか。
うちから盗んだ商いを。
うちから盗んだ商いを。
それは できねえんで。
それは できねえんで。
何で できねえんだよ。
てめえは 本屋じゃなくていいだろうが。あんな立派な茶屋が あんだからよ!
てめえは 本屋じゃなくていいだろうが。あんな立派な茶屋が あんだからよ!
俺には これしかねえんだよ!
この商いしかねえんだよ! ええ!?
この商いしかねえんだよ! ええ!?
吉原もんはよ 女だけ売ってりゃそれでいいだろうが!
吉原もんはよ 女だけ売ってりゃそれでいいだろうが!
♬〜
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すわらや いちべえ(須原屋市兵衛)これで 俺が細見を買やぁいいんだな。
お願いします。 須原屋さんが買うなら角が立たないと思うんで。
お願いします。 須原屋さんが買うなら角が立たないと思うんで。
(須原屋)しかしお前さんにだって 借金があるだろう。
(須原屋)しかしお前さんにだって 借金があるだろう。
まあ 返していけてますし所詮 身内から借りてる金ですから。
まあ 返していけてますし所詮 身内から借りてる金ですから。
(須原屋)ああ そこがお前さんの恵まれてるところだな。
(須原屋)ああ そこがお前さんの恵まれてるところだな。
後ろに ど〜んと吉原がついてらぁ。 ん?
後ろに ど〜んと吉原がついてらぁ。 ん?
そうなんでさね。
今まで考えたことなかったっすけど…。
今まで考えたことなかったっすけど…。
ハハハハハ。
あ…。
あ…。
何で 鱗の旦那は また偽板を?
うん?
うん?
ざとうがね座頭金だよ。
座頭…。
座頭…。
けんぎょうかしら座頭というのは 検校を頭とするめしい当道座に属する 下位の盲のこと。
けんぎょうかしら座頭というのは 検校を頭とするめしい当道座に属する 下位の盲のこと。
そして この当道座は➡
お上から 金貸しを許されておりましたが➡
お上から 金貸しを許されておりましたが➡
一部の座頭は あくどい貸し付けや取り立てを行う者もおり…。
一部の座頭は あくどい貸し付けや取り立てを行う者もおり…。
鱗形屋はなたあちこちに ツケを溜めていただろ。
その一つが倒れてな 鱗形屋の証文が座頭に流れちまったらしいんだよ。
その一つが倒れてな 鱗形屋の証文が座頭に流れちまったらしいんだよ。
その一つが倒れてな 鱗形屋の証文が座頭に流れちまったらしいんだよ。
この証文は もう うちのもんでして➡
そろ今すぐ 耳を揃えて返してもらいましょうかね。
そろ今すぐ 耳を揃えて返してもらいましょうかね。
(徳兵衛)いや… こんな金 すぐには…。ああ?
(徳兵衛)いや… こんな金 すぐには…。ああ?
ああ そうですか。
ああ そうですか。
この店は 哀れな盲の金を借り倒すと!
この店は 哀れな盲の金を借り倒すと!
我ら 盲の金は お上より預かりしもの!鱗形屋は 我らの金を返さぬと!
我ら 盲の金は お上より預かりしもの!鱗形屋は 我らの金を返さぬと!
鱗形屋は 青本で持ち直そうとしてる大事な時だ。
なんとか乗り切りてえ 徳兵衛は旦那には知らせずに➡
なんとか乗り切りてえ 徳兵衛は旦那には知らせずに➡
陰で偽板を作ってしの凌いでいたらしいんだよ。
陰で偽板を作ってしの凌いでいたらしいんだよ。
よえ弱えもん 守んなきゃいけねえのは分かるんすけど…。
よえ弱えもん 守んなきゃいけねえのは分かるんすけど…。
つえもしかしたら 今 この世で一番強えのは盲かもしれねぇ。
つえもしかしたら 今 この世で一番強えのは盲かもしれねぇ。
強え?(須原屋)ああ。
強え?(須原屋)ああ。
なにとぞ何卒… 何卒!
(須原屋)お上はふださし札差の高利貸しを禁じただろ。➡
(須原屋)お上はふださし札差の高利貸しを禁じただろ。➡
札差から借りることができなくなったやつらは➡
みんな 座頭金に走ったんだよ。➡
みんな 座頭金に走ったんだよ。➡
そん中にはお旗本も お大名すらいるって話だ。
そん中にはお旗本も お大名すらいるって話だ。
(鳥山検校)さあ 好きなだけ頼むがいいぞ。せいお瀬以。
(鳥山検校)さあ 好きなだけ頼むがいいぞ。せいお瀬以。
(瀬以)旦那様。
(瀬以)旦那様。
私にではなく 松葉屋の皆に➡
私にではなく 松葉屋の皆に➡
着物をお作りいただくことはできませんか?
(鳥山)松葉屋の女郎に?
女郎は 次々と着物を作らねばならずその度に 主さん頼み。
女郎は 次々と着物を作らねばならずその度に 主さん頼み。
うまくいかねば 見世に借金を増やす仕組みになっておりまして。
うまくいかねば 見世に借金を増やす仕組みになっておりまして。
…そうか。
…そうか。
どのみち わしはそなたの姿を見ることはできぬしな。
どのみち わしはそなたの姿を見ることはできぬしな。
決して そのような意味では…。(鳥山)よい よい。
さようでは 然様に計らおう。
さようでは 然様に計らおう。
そなたの望みならばな。
そなたの望みならばな。
ありがとうございます。 旦那様。
ありがとうございます。 旦那様。
どれにしようかねぇ!瀬川から?
(松の井)皆に花見用の見事な反物が贈られてきて➡
(松の井)皆に花見用の見事な反物が贈られてきて➡
まぁ 羽振りのいいものでありんす。
まぁ 羽振りのいいものでありんす。
(にぎやかな声)
(にぎやかな声)
(にぎやかな声)
では。
松葉屋さん いるかい?
間もなく戻りますんで。ちょっと待たせてもらうぜ。
間もなく戻りますんで。ちょっと待たせてもらうぜ。
ありゃ どこの武家の子ですかね。
ありゃ どこの武家の子ですかね。
(松の井)旗本でありんしょう。➡
近頃は 珍しくもないけんど。
近頃は 珍しくもないけんど。
まつだいら たけちかとのも(松平武元)どういうことだ 主殿!➡
まつだいら たけちかとのも(松平武元)どういうことだ 主殿!➡
旗本の娘が 借金のかたに売られておると聞いたぞ。
札差の高利貸しを禁じれば➡
札差の高利貸しを禁じれば➡
武家の暮らしは持ち直すはずではなかったのか!
武家の暮らしは持ち直すはずではなかったのか!
おきつぐ(田沼意次)札差のみを禁じたところでほかに流れるばかりと申し上げたはず!➡
おきつぐ(田沼意次)札差のみを禁じたところでほかに流れるばかりと申し上げたはず!➡
まことに 武家の借金を救いたいのならば札差のみならず➡
全ての高利貸しを禁じねば意味がないと申し上げました!
全ての高利貸しを禁じねば意味がないと申し上げました!
言い訳ばかり!
それも これも➡
それも これも➡
そなたが わしに逆らい いつまでたっても米の値を上げぬからであろうが!
上げぬのではなく 上げられぬのです!
上げぬのではなく 上げられぬのです!
米の値 物の値 金の動きを操るは森羅万象を操るようなもの!
米の値 物の値 金の動きを操るは森羅万象を操るようなもの!
人の力では 成しえぬことと心得まする。
成せぬことを 成すためであろうが!そなたが そこにおるのは!
成せぬことを 成すためであろうが!そなたが そこにおるのは!
は?
成せることだけ 成すのなら➡
成せることだけ 成すのなら➡
足軽上がりに 席を汚させるいわれは何一つなかろう!
足軽上がりに 席を汚させるいわれは何一つなかろう!
♬〜
♬〜
♬〜
(三浦庄司)殿に 森羅万象を操れと。➡
はあ〜 めちゃくちゃにございますな。
はあ〜 めちゃくちゃにございますな。
このままでは いつまでたっても打つべき手を打つまでには話が進まんな。
このままでは いつまでたっても打つべき手を打つまでには話が進まんな。
(笑い声)⚟殿。➡
おきむね意致様が お越しです。
おきむね意致様が お越しです。
かような夜半に何でございましょうな。構わん 通せ。
伯父上 夜分 失礼いたします。
伯父上 夜分 失礼いたします。
どうした? 何かあったか?
近く 公に知らされることと思いますが➡
近く 公に知らされることと思いますが➡
私 お役御免となってしまいました。
おきとも(田沼意知)何故に!?
おきとも(田沼意知)何故に!?
先日 西の丸で進物の窃盗騒ぎがあったのです。
実のところは 盗まれておらずただ紛れておったというだけなのですが。
実のところは 盗まれておらずただ紛れておったというだけなのですが。
(意次)何故 それでお主が お役御免になるのだ。
(意次)何故 それでお主が お役御免になるのだ。
めつけ全ては 目付である私がゆる弛んでおるゆえだと…。
めつけ全ては 目付である私がゆる弛んでおるゆえだと…。
(意知)体よく 西の丸を追い払われたということか。
(意知)体よく 西の丸を追い払われたということか。
西の丸は 田沼嫌いが あまたおるゆえ。
次から次へと…。
次から次へと…。
ひとつばし はるさだ(一橋治済)構わぬぞ。
ひとつばし はるさだ(一橋治済)構わぬぞ。
おいそなたの甥は当家の家老に取り立ててやろう。
(意次)まことにございますか!
(意次)まことにございますか!
そなたの弟は 当家の家老であったし田沼の者は よう働く。
そなたの弟は 当家の家老であったし田沼の者は よう働く。
た金繰りにも長けておるしなぁ。
た金繰りにも長けておるしなぁ。
然様に評していただけると救われる心地でございまする。
まことに かたじけのうございます!
まことに かたじけのうございます!
しかし そなた➡
しかし そなた➡
相当 西の丸に嫌われておるようじゃの。
相当 西の丸に嫌われておるようじゃの。
このままでは 早晩田沼は 干されてしまうのではないか?
このままでは 早晩田沼は 干されてしまうのではないか?
仰せのとおりにございまする。
このままでは この流れは止められませぬ。
このままでは この流れは止められませぬ。
おおばくち故に 大博打を打ってみようかと考えております。
おおばくち故に 大博打を打ってみようかと考えております。
ほう 大博打とな。
はっ。
はっ。
ひでもち(松本秀持)座頭金の実情を明らかにするのでございますか?
ああ。 検校らの家屋敷 身代をあらためてほしい。
ああ。 検校らの家屋敷 身代をあらためてほしい。
加えて 不法な貸し付け不当な取り立てを行っている者たちを➡
加えて 不法な貸し付け不当な取り立てを行っている者たちを➡
洗い出してほしいのだ。
洗い出してほしいのだ。
まさか 当道座に手を入れるおつもりで?
成り行き次第ではな。
成り行き次第ではな。
⚟(三浦)殿 参られました。
(意致)お待たせしました。➡
こちら 先日 話しました➡
西の丸を出たがっておるのぶため進物番の長谷川平蔵宣以にございます。
西の丸を出たがっておるのぶため進物番の長谷川平蔵宣以にございます。
(意次)面を上げい。➡
(意次)面を上げい。➡
ひつけとうぞくあらためああ かの火付盗賊改 長谷川の息子か。
ひつけとうぞくあらためああ かの火付盗賊改 長谷川の息子か。
(長谷川平蔵宣以)はっ!
そなた 何故 西の丸を出たいのだ。
そなた 何故 西の丸を出たいのだ。
(平蔵)御殿勤めはうわさ日がな一日 人の噂や悪口ばかり。➡
(平蔵)御殿勤めはうわさ日がな一日 人の噂や悪口ばかり。➡
まずは そこが性に合いませぬ。
(意次)しかし 進物番は目立つし 役得の多いお役目だ。
(意次)しかし 進物番は目立つし 役得の多いお役目だ。
ないがし蔑ろにされてるとは思わんがな。
ないがし蔑ろにされてるとは思わんがな。
(平蔵)故に やっかみが強いのでございます。
やれ 親の名だ 七光りだと➡
やれ 親の名だ 七光りだと➡
小さな粗相を見つけ「あの長谷川殿の息子がのぅ」と。➡
小さな粗相を見つけ「あの長谷川殿の息子がのぅ」と。➡
あまりにも うるさいので…。
おっ 七光りが歩いておるぞ。どこじゃ? 光っておらぬので分からぬ。
おっ 七光りが歩いておるぞ。どこじゃ? 光っておらぬので分からぬ。
光っておるのは 親の名だけじゃ。(笑い声)
光っておるのは 親の名だけじゃ。(笑い声)
てめえら そんなに進物番になりたきゃ男前に生まれ直してきやがれ。
てめえら そんなに進物番になりたきゃ男前に生まれ直してきやがれ。
(平蔵)その日より 更なる嫌がらせを受けるようになりまして…。
(平蔵)その日より 更なる嫌がらせを受けるようになりまして…。
(意知)まぁ 見栄えがよいことは進物番に求められる一つというしな。
(意知)まぁ 見栄えがよいことは進物番に求められる一つというしな。
まこと 然様で!
それがしは この見てくれで選ばれただけなのでございます。
それがしは この見てくれで選ばれただけなのでございます。
興味もなく お役のための修練 稽古全て苦行でしかござりませぬ!
興味もなく お役のための修練 稽古全て苦行でしかござりませぬ!
田沼様のお力でどうか外向きのお役目に!
田沼様のお力でどうか外向きのお役目に!
では そなたの働きを見せてもらいたい。
では そなたの働きを見せてもらいたい。
では そなたの働きを見せてもらいたい。
西の丸に勤めている者で➡
座頭金に手を出している者を探ってくれ。➡
座頭金に手を出している者を探ってくれ。➡
お勤めをこなしながらの働きになるができるか?
お任せくださりませ!
お任せくださりませ!
それがしには 頼もしき仲間がおりまする。
どうぞ お気を付けて!
どうぞ お気を付けて!
さささ こちらでございます。
さささ こちらでございます。
(仙太)入ってったな。(磯八)おうよ。
(仙太)入ってったな。(磯八)おうよ。
あっ ここ 誰の家だ?えっ?
森様。
ひとつ ご相談があるのでございますがね。
ひとつ ご相談があるのでございますがね。
おやじ親父様方も気に入ってて。
(北尾重政)おう ほんとかい?へえ!よかったなぁ。
(北尾重政)おう ほんとかい?へえ!よかったなぁ。
次は 重政先生っすよ!(重政)私かい?ええ。
まさのぶ(北尾政演)はい!おっ。
まさのぶ(北尾政演)はい!おっ。
おお〜!
わけ若えのに 達者だなぁ。
わけ若えのに 達者だなぁ。
書き込みは細けえのに線が すっきりしてて。
書き込みは細けえのに線が すっきりしてて。
(重政)器用なんだよ 政演は。
あと 手が早くてねぇ 絵も女も。
あと 手が早くてねぇ 絵も女も。
蔦重さん。ん?
褒美に 今度 吉原で遊ばせてくださいよ!
褒美に 今度 吉原で遊ばせてくださいよ!
おう。
誰がいいんだ?えっ!(重政)おっ。
じゃあ…。うん。
じゃあ…。うん。
えっ どこ… あった。➡
きよはな三田万郡の清花は心開いたら もう格別って話で!➡
きよはな三田万郡の清花は心開いたら もう格別って話で!➡
美濃郡の みやこ野は初々しいのに輝いてるらしくて…。
美濃郡の みやこ野は初々しいのに輝いてるらしくて…。
なあ。
もう 誰でもいいんじゃねえか?ハハハハ!
もう 誰でもいいんじゃねえか?ハハハハ!
だめなのか?ああ そうだ!
ところで 蔦重。へえ。
読んだかい? これ。➡
読んだかい? これ。➡
ことばたたかいあたらしいのね「辞闘戦新根」。
あたぼうでさ! いや〜 面白かった!
あたぼうでさ! いや〜 面白かった!
はるまちさすが春町 さすがの鱗形屋でさね。
とんだ茶釜ってなぁ。
とんだ茶釜ってなぁ。
じぐちしゃれ地口や洒落が化け物になるなんて誰も思いつかねえ!
へえ。もっと評判になってもいい。
へえ。もっと評判になってもいい。
けど 今は 鱗の名が入ってるだけで避けられてるようでさ。
けど 今は 鱗の名が入ってるだけで避けられてるようでさ。
いっそ お前さんが板木を買い取って出し直すなんてなぁ ねえの?
いっそ お前さんが板木を買い取って出し直すなんてなぁ ねえの?
いやぁ…。
もう 市中の本屋さんが申し出てんじゃねえすか。
俺なんて お呼びじゃねえでしょう。
俺なんて お呼びじゃねえでしょう。
(重政)そうか?へえ。
(大文字屋)おっ 重三!おお カボチャの親父様!
(大文字屋)おっ 重三!おお カボチャの親父様!
お客様と お出かけですか?
(大文字屋)実はよ この先の屋敷 買わねえかって。➡
(大文字屋)実はよ この先の屋敷 買わねえかって。➡
今から 見に行くんだよ!え〜!
神田に お屋敷ですか?おう。
神田に お屋敷ですか?おう。
借金で首が回らなくなった人がいるってんでな。
じゃあな!
じゃあな!
♬〜
♬〜
♬〜
新しい人 増えたんですね。(源内)おう。
(弥七)おう おう おう こりゃよここと接してねえから よくねえんだ。
ああ!これな 慎重に…。
ああ!これな 慎重に…。
はい!
(源内)弥七ってってな飲み込み早くて助かってんだ。
(源内)弥七ってってな飲み込み早くて助かってんだ。
(弥七)まぁ こんなもん 大したもんじゃねえ。
誰でも作れんでさ。ぬかしてんじゃねえよ!
誰でも作れんでさ。ぬかしてんじゃねえよ!
(弥七)ヘヘヘヘヘ!ほんと売れてんすね エレキテル。
エレキテ〜ル ウレテ〜ル。
エレキテ〜ル ウレテ〜ル。
ウレテ〜ル!ウレテ〜ル!
何すか? それ。ゲンナイ ツイテ〜ル。
オオバンコバン ワイテデ〜ル。
オオバンコバン ワイテデ〜ル。
テンカイチ オモイシ〜ル!
ああ…。
ああ…。
何だい ノリ悪いな。
皆が つきまくる世ってなねえもんすかね。
皆が つきまくる世ってなねえもんすかね。
どうも 誰かのつまずきの上にツキが成り立ってるってか…。
どうも 誰かのつまずきの上にツキが成り立ってるってか…。
俺も 鱗の旦那のツキを奪ってるし。
まぁ それが申し訳ねえってんなら➡
まぁ それが申し訳ねえってんなら➡
わお詫びに おめえさんが 世の人をつきまくらせりゃいいんじゃねえの?
わお詫びに おめえさんが 世の人をつきまくらせりゃいいんじゃねえの?
んなことできるわけねえじゃねえっすか!
いなりお稲荷さんでもあるまいし。
何 言ってんだい。 本ってなぁ➡
何 言ってんだい。 本ってなぁ➡
人を笑わせたり泣かせたりできるじゃねえか。
んな本に出会えたら 人は思うさ。「ああ 今日は ついてた」って。
んな本に出会えたら 人は思うさ。「ああ 今日は ついてた」って。
本屋ってなぁ 随分と人にツキを与えられる商いだと➡
おり俺ゃ 思うけどね。
おり俺ゃ 思うけどね。
確かに 本が運んでくる幸せにゃ俺も覚えがあります。
確かに 本が運んでくる幸せにゃ俺も覚えがあります。
♬〜
♬〜
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これは…。
お瀬以は 本が好きだったろう。それを思い出してな。
お瀬以は 本が好きだったろう。それを思い出してな。
ええ ええ!
まぁ! これは退屈する暇がなさそうにございます!
まぁ! これは退屈する暇がなさそうにございます!
旦那様がおられぬ時のことにございます。
旦那様がおられぬ時のことにございます。
…そうか。
では もっとそなたと おることとしよう。
では もっとそなたと おることとしよう。
フフ… まぁ。
それでは 本を読む暇ものうなりますねぇ。フフフ…。
それでは 本を読む暇ものうなりますねぇ。フフフ…。
アハハハハ!聞いてんのか!(大文字屋)何も知らねえもんな お前は。
アハハハハ!聞いてんのか!(大文字屋)何も知らねえもんな お前は。
随分 楽しそうだな お瀬以。
そなたは 吉原に戻りたいのか?
そなたは 吉原に戻りたいのか?
まさか!おなごそんな女子が どこにおりましょう!
では なぜ 吉原の者たちとおる時のように声が弾まぬ。
では なぜ 吉原の者たちとおる時のように声が弾まぬ。
なぜじゃ…。
なぜじゃ…。
わしは そなたの望むことはかな全て叶えておるではないか。
わしは そなたの望むことはかな全て叶えておるではないか。
…吉原の者と話す声が弾んでおるとすれば➡
…吉原の者と話す声が弾んでおるとすれば➡
親兄弟に似た親しみがあるからかと。
それは 旦那様をお慕いする気持ちとは別のものにございます。
それは 旦那様をお慕いする気持ちとは別のものにございます。
それは 旦那様をお慕いする気持ちとは別のものにございます。
所詮 わしは 客ということか?
所詮 わしは 客ということか?
どこまで行こうと 女郎と客…➡
どこまで行こうと 女郎と客…➡
そういうことだな。
旦那様 それは違います!
もう よい。うそ嘘ばかりの女郎声など聞きとうない!
もう よい。うそ嘘ばかりの女郎声など聞きとうない!
あっ 旦那様!
あっ…。うう…。
あっ…。うう…。
♬〜
♬〜
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(鳥山)お内儀様は当分 ここで過ごされるそうじゃ!
(鳥山)お内儀様は当分 ここで過ごされるそうじゃ!
旦那様! お待ちください! 話を…。(戸が閉まる音)
(鍵がかかる音)
(鍵がかかる音)
文の類いなどはございませぬ。
吉原から お持ちになられたのは➡
吉原から お持ちになられたのは➡
身の回りの物のほかは本の類いにございます。
(鳥山)本?
(鳥山)本?
古い赤本➡
ほかには「一目千本」なる吉原本➡
ほかには「一目千本」なる吉原本➡
ああ「細見嗚呼御江戸」が1冊➡
ご祝儀細見が1冊➡
ご祝儀細見が1冊➡
せいろうびじんあわせすがたかがみ「青楼美人合姿鏡」という…。
本屋をやっております蔦屋重三郎と申します。
本屋をやっております蔦屋重三郎と申します。
それらは蔦屋重三郎の関わったものであるか?
それらは蔦屋重三郎の関わったものであるか?
すさ(意次)思ったよりも凄まじいな。
すさ(意次)思ったよりも凄まじいな。
(松本)私も驚きました。➡
検校たちがこれほどに財を成しておるとは…。
まともなことをやっておってはこうは ならん。
まともなことをやっておってはこうは ならん。
無法の証しであろう。
ゆゆ格別由々しき取り立ては家督の乗っ取りにございましたな。
ゆゆ格別由々しき取り立ては家督の乗っ取りにございましたな。
家督の乗っ取りとは?
借金のかたに その家の嫡子を出家させ➡
借金のかたに その家の嫡子を出家させ➡
代わりに別人を送り込み跡を継がせるのです。
代わりに別人を送り込み跡を継がせるのです。
西の丸は どうなっておる。
こちらが 長谷川からの調べにございます。
こちらが 長谷川からの調べにございます。
⚟殿。 長谷川様が参られました。
つかまつ(平蔵)ご無礼仕ります。➡
つかまつ(平蔵)ご無礼仕ります。➡
急ぎ お耳に入れたいことがございまして。(意次)何じゃ?
西の丸小姓組の森殿がちくてん逐電されたやもしれませぬ。
なんと! あの森殿が…。「あの」とは?
なんと! あの森殿が…。「あの」とは?
古参の真面目で名高い小姓で西の丸様も お気に入りの…。
古参の真面目で名高い小姓で西の丸様も お気に入りの…。
(平蔵)ここ数日 ご登城されないので先ほど 屋敷を見に行ったところ➡
誰もおられず。
誰もおられず。
松本。 その森とやら捕らえてこられるか?
松本。 その森とやら捕らえてこられるか?
急ぎ 行方を捜しまする!
長谷川殿 手助け願えるか?喜んで!
長谷川殿 手助け願えるか?喜んで!
父上 成り行きは いかに?
使えるな。
使えるな。
いえもと(徳川家基)父上お召しにより参りましてございます。
いえはる(徳川家治)うむ。
いえはる(徳川家治)うむ。
(家基)…何故 主殿が?
(家基)…何故 主殿が?
(家治)実は 主殿が➡
そなたと余 2人に進言したき儀があるそうでな。 よいか?
そなたと余 2人に進言したき儀があるそうでな。 よいか?
何卒 西の丸様のお考えを承りたく。
何卒 西の丸様のお考えを承りたく。
承知した。
かたじけのうございます。
かたじけのうございます。
では まず この者の話をお聞きいただきたく。
では まず この者の話をお聞きいただきたく。
入れ。
(家治)面を上げよ。
森! いかがしたのじゃ そのなりは!
森! いかがしたのじゃ そのなりは!
(森 忠右衛門)座頭金に手を出し➡
かくなるところまで追い詰められてございます。
かくなるところまで追い詰められてございます。
座頭金… そなたがか!?
(森)事の発端は息子の御番入りの願い出にございました。
(森)事の発端は息子の御番入りの願い出にございました。
この20年 小姓のお役をつとめるうち息子は かように育ち➡
この20年 小姓のお役をつとめるうち息子は かように育ち➡
部屋住みのまま妻も子もいる仕儀となりました。
部屋住みのまま妻も子もいる仕儀となりました。
しかしながら 私は 番替えにもならず禄も 20年の間 変わらずで➡
しかしながら 私は 番替えにもならず禄も 20年の間 変わらずで➡
もう いかにしても一家を養い切れぬようになり➡
もう いかにしても一家を養い切れぬようになり➡
息子の御番入りを考えましてございます。➡
息子の御番入りを考えましてございます。➡
まいないしかし そのためには 賂が入り用。
その金を 座頭より借り入れたのが始まりにございます。
その金を 座頭より借り入れたのが始まりにございます。
その金を 座頭より借り入れたのが始まりにございます。
(森)大金でしたが 御番入りが決まればすぐに返せると見込んでおりました。➡
(森)大金でしたが 御番入りが決まればすぐに返せると見込んでおりました。➡
しかし 御番入りは叶わずたちまち 見込みは狂い…。➡
しかし 御番入りは叶わずたちまち 見込みは狂い…。➡
しかも 証文を よくよく見ると➡
支払いの期日はふちまい次の扶持米を頂く前なのでございます。➡
支払いの期日はふちまい次の扶持米を頂く前なのでございます。➡
当然 返済はできずその繰り返しで借金は膨れ上がり…。➡
当然 返済はできずその繰り返しで借金は膨れ上がり…。➡
けにんいとま家財は売り払い 家人には 暇を出し➡
けにんいとま家財は売り払い 家人には 暇を出し➡
倹約に倹約を重ねることでなんとか凌いでまいりましたが➡
倹約に倹約を重ねることでなんとか凌いでまいりましたが➡
もはや 食うものも食わずで…。➡
もはや 食うものも食わずで…。➡
私は 我を見失い➡
私は 我を見失い➡
あろうことか ご進物に手をつけました…。
あろうことか ご進物に手をつけました…。
もしや あの時の窃盗騒ぎは!
私が取り繕いましたがそもそも盗んだのは 私にございます!
私が取り繕いましたがそもそも盗んだのは 私にございます!
私が取り繕いましたがそもそも盗んだのは 私にございます!
(森)そして ついに…➡
(森)そして ついに…➡
ついには 家督を譲るよう➡
ついには 家督を譲るよう➡
迫られました。➡
かような不始末死んで詫びるしかないと…。
かような不始末死んで詫びるしかないと…。
(森 震太郎)おやめくだされ〜!
(森 震太郎)おやめくだされ〜!
離せ 震太郎〜!死んではいけません! 父上!
離せ 震太郎〜!死んではいけません! 父上!
死なせてくれ!いけません 父上!
死なせてくれ〜!
跡など継げずともよい!
跡など継げずともよい!
もう 家などよいではないですか!
(森)そうして 一家揃って逐電➡
(森)そうして 一家揃って逐電➡
出家した次第にございまする。
出家した次第にございまする。
(意次)聞くところによれば森は 遊興とは無縁。➡
日頃から 質素倹約を心がけつとめてきた者が➡
日頃から 質素倹約を心がけつとめてきた者が➡
ここまで追い詰められてきたのでございます。
ここまで追い詰められてきたのでございます。
たどこの先 同じ道を辿るやもしれぬ者が➡
たどこの先 同じ道を辿るやもしれぬ者が➡
西の丸だけで これだけおりまする。
西の丸だけで これだけおりまする。
この者らが皆 借金を背負っておるというのか!?
この者らが皆 借金を背負っておるというのか!?
恐れながら 将軍家は 己の旗本すら養えておらぬのでございます。
恐れながら 将軍家は 己の旗本すら養えておらぬのでございます。
恐れながら 将軍家は 己の旗本すら養えておらぬのでございます。
黙れ 主殿!
徳川家4百万石されど 米の値は下がるばかり。➡
徳川家4百万石されど 米の値は下がるばかり。➡
今のままのやり方では旗本八万騎を養うのは➡
土台 無理な話…。(武元)黙れ!
土台 無理な話…。(武元)黙れ!
上様方のお耳を煩わすような話ではなかろう!
いいえ!
いいえ!
是非 知っておいていただかねばならぬのです!
是非 知っておいていただかねばならぬのです!
上に立つお方だからこそまことの姿を ご理解していただかねば!
上に立つお方だからこそまことの姿を ご理解していただかねば!
この国の行き方を決めるのは➡
上様にございます。
上様にございます。
(意次)その上でひとつ お考えを承りたく。
(意次)その上でひとつ お考えを承りたく。
高利貸しを行う検校たちを➡
高利貸しを行う検校たちを➡
一斉に取り締まらせてはいただけませんでしょうか。➡
検校らの蓄財は凄まじいものがございます。
検校らの蓄財は凄まじいものがございます。
例えば 名護屋検校家財のほか 有り金2百両➡
例えば 名護屋検校家財のほか 有り金2百両➡
貸金 なんと10万3千両余り!
貸金 なんと10万3千両余り!
盲を厚く遇するは神君家康公のご意向!➡
盲を厚く遇するは神君家康公のご意向!➡
うぬは 何様のつもりじゃ!
私は ただ徳川の世を守りたいだけにござります!
私は ただ徳川の世を守りたいだけにござります!
神君家康公のお教えは従い➡
弱き盲は 保護いたしましょう。
弱き盲は 保護いたしましょう。
されど 不法かつ巧妙な手口で蓄財を成しえた検校たちは➡
されど 不法かつ巧妙な手口で蓄財を成しえた検校たちは➡
もはや 弱き者にあらず!
今や 真に徳川が守らなければならぬ弱き者は➡
今や 真に徳川が守らなければならぬ弱き者は➡
どこの どなたにございましょうや。
どこの どなたにございましょうや。
♬〜
♬〜
♬〜
余は➡
徳川家臣および 検校から金を借りておる民草を救うべきと考える。
徳川家臣および 検校から金を借りておる民草を救うべきと考える。
徳川家臣および 検校から金を借りておる民草を救うべきと考える。
そなたは どうじゃ。
か(爪を噛む音)
か(爪を噛む音)
ヘヘッ!
ヘヘッ!
おっ いらっしゃいませ。
おっ いらっしゃいませ。
旦那様 吉原は初めてで?
旦那様 吉原は初めてで?
これは そなたの物か?
これは そなたの物か?
へえ そうですが…。
主人から 話があるので屋敷まで来てほしいと。
主人から 話があるので屋敷まで来てほしいと。
え? あいつに何か!?
え? あいつに何か!?
来れば分かる。
来れば分かる。
(鍵が開く音)
(鍵が開く音)
(戸が開く音)
もうすぐ 蔦屋重三郎が来るぞ。➡
もうすぐ 蔦屋重三郎が来るぞ。➡
うれどうだ 嬉しいか?
うれどうだ 嬉しいか?
何をおっしゃいますか。
それより そのお腰の物は…。
それより そのお腰の物は…。
(鳥山)返事次第では斬ることになるかもしれぬからな。
(鳥山)返事次第では斬ることになるかもしれぬからな。
どうして そんな…。
不義密通の罪じゃ。
そんなもの…吉原中の誰に聞いたっていいですよ!
そんなもの…吉原中の誰に聞いたっていいですよ!
私たちの間には 何も…。
私たちの間には 何も…。
(鳥山)けれど 心だけはある。
いくら金を積まれようと 心は売らぬ。
いくら金を積まれようと 心は売らぬ。
そういうことであろう。
そういうことであろう。
お前は…➡
骨の髄まで 女郎だな。
骨の髄まで 女郎だな。
そう。
そう。
仰せのとおりでござりんす。
仰せのとおりでござりんす。
重三は わっちにとって光でありんした。➡
重三は わっちにとって光でありんした。➡
あの男がおるならば➡
あの男がおるならば➡
吉原に売られたことも悪いことばかりではない。➡
一つだけは とてもいいことがあった。➡
一つだけは とてもいいことがあった。➡
そう思わせてくれた男にございんした。
そう思わせてくれた男にございんした。
重三を斬ろうが わっちを斬ろうが➡
その過去を変えることはできんせん!
その過去を変えることはできんせん!
けんど…➡
けんど…➡
分かっておるのでござりんす。
分かっておるのでござりんす。
主さんこそ➡
主さんこそ➡
わっちを この世の誰より大事にしてくださるお方であることは…。
わっちを この世の誰より大事にしてくださるお方であることは…。
人の心を察し過ぎる 主さんを➡
人の心を察し過ぎる 主さんを➡
わっちの いちいちが傷つけているということも!
わっちの いちいちが傷つけているということも!
人というのは➡
人というのは➡
どうして 己の心ばかりは➡
だま騙せぬのでありんしょう。
だま騙せぬのでありんしょう。
いだ今や 抱いたとて詮ない➡
主さんを傷つけるばかりの この思い➡
主さんを傷つけるばかりの この思い➡
こんなものは消えてしまえと➡
こんなものは消えてしまえと➡
わっちとて➡
わっちとて➡
願っておるのでありんすよ…。
けんどまことこの世にないのは 四角の卵と女郎の実。
けんどまことこの世にないのは 四角の卵と女郎の実。
信じられぬというなら どうぞ…。
信じられぬというなら どうぞ…。
ほんにとわっちの心の臓を奪っていきなんし!
ほんにとわっちの心の臓を奪っていきなんし!
♬〜
♬〜
何事です!?
検校様!
中には入れぬ!検校様!
中には入れぬ!検校様!
離せ! 検校様!
そろそろ 店 持ったら?店 一緒にやんねえか?
おめえの本分は 茶屋。
エレキテルは?あ?わっちを恨んでる人が➡
エレキテルは?あ?わっちを恨んでる人が➡
大勢いることは 分かりんした。
瀬川!そもそも吉原者は 「四民の外」。
瀬川!そもそも吉原者は 「四民の外」。
てめえら 一体 どういうことなんだよ!すまねえ!
お上の金は お上の蔵へ。ならぬ!
お上の金は お上の蔵へ。ならぬ!
ほんに幸せな妻にございました!
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