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⟨富士山の麓 富士浅田市で→

ビジネスホテルに勤める
遠藤清美⟩

(村上) ありがとう｡
⟨彼女は→

同僚の宇宙人 高橋の能力で→

日々のささいな問題を
解決してもらう⟩

⟨その秘密を知るのは 幼なじみの
はっちと みなぷー⟩

⟨そして
支配人 奥田 同僚の由美→

さらに 由美の幼なじみ 瑞稀も
知ることとなった⟩

(岸本) 私 日本テレビで
番組制作を…｡

⟨そんな中 この男が
再びこの街に降り立つ⟩

(新座) ん～…｡

ちょっと出せないな｡

ですよね｡
(新座) うん｡

(新座) 面白いんだけど→

スーパーと検尿２つだけだと
ちょっと弱いかなぁ｡

実は 元々軸にしようと思ってた
ネタが別であって｡

そうなの？
>> はい｡

街録してたら この近辺で何か→

高速移動する眼鏡の男性を見た
っていう人が何人かいて｡

高速移動？
(岸本) はい｡

ちょっと
素材残ってるんで出しますね｡

(ﾓﾆﾀ)(岸本) どれくらい速かった？

(ﾓﾆﾀ)(りつ) 車くらい｡

(ﾓﾆﾀ)(岸本)
車くらい？ それは速いねぇ｡

(ﾓﾆﾀ) どんな男性ですか？

(ﾓﾆﾀ)(運転手)
確か眼鏡かけてた気がしますね｡

(ﾓﾆﾀ)(岸本) 眼鏡？

(ﾓﾆﾀ) それで 皆さん
口をそろえて言ってたのが→

眼鏡をかけてたってことで｡
(ﾓﾆﾀ)(由美) 小野寺君だ！

(岸本) 眼鏡かけてるんですか？
(ﾓﾆﾀ)
めっちゃかけてます｡

(ﾓﾆﾀ) めっちゃかけてます 見ます？
>> ちょっと待ってください｡

(ﾓﾆﾀ) これなんですけど… はい｡

(ﾓﾆﾀ)(岸本) あっ 眼鏡かけてますね｡

(ﾓﾆﾀ)(由美)
めっちゃかけてますよね？

(岸本) …っていう｡
(新座) へぇ｡

小野寺君 気になるねぇ｡
(岸本) ですよね｡

面白そうじゃん
何で やめちゃったの？

いや このインタビュー撮った後に
ホテル側から→

やっぱり 使わないでほしいって
連絡があって｡

あ～ そうなんだ｡

支配人的には
ＯＫだったんすけど→

オーナーからＮＧが出たらしくて｡

なるほど もったいないね｡
>> そうなんですよね…｡

だったらさ→

外でインタビューすれば
いいんじゃない？

えっ ホテルの外ですか？
>> うん｡

従業員は取材ＯＫなわけでしょ？
>> そ… そうですね｡

だったら
ホテルの近くで張っといて→

外でインタビューすればさ→

ホテルには
迷惑はかからないんじゃない？

え？ 追撮してきますか？

うん 何か面白そうだし
もうちょっと やってくれば？

分かりました はい｡

(松崎) 小野寺さん
今日いるといいですね｡

まぁ いたら話は早いよなぁ｡

今日って
富士山の日じゃなかったっけ？

(松崎) あぁ…｡

あっ そうっすね ２月23日｡

(松崎) 前も そうなりましたよね｡

なった｡

気付いてた？
>> はい｡

ツイてないっすね｡

富士浅田市は今日2月23日､

「富士山の日」にちなんで

富士山の名産品などが並ぶイベントを

富士浅田市民会館で開きます。
(清美) よし ご飯できたよ～｡

(ﾓﾆﾀ)(梅本)
これまで 古き良きまちとして→

親しまれてきた富士浅田ですが…｡

(清美) 今日は どこ行くの？

(若葉) 取りあえず お昼 食べて→

その後 洋服見に行く｡
(清美) ふ～ん｡

お父さん 買ってくれるって？
>> うん｡

(清美) よかったじゃん
お昼は どこ食べに行くの？

>> 多分 ジョナかな｡

(清美) そっか 夜は？

⟨私は様付け 娘は呼び捨ての
ジョナサン⟩

食べてくれば？
>> うん｡

お母さん どうすんの？
(清美) ん～…｡

若葉が食べてくるなら
みなぷーたち誘ってみようかな｡

>> うん そうしたら？
(清美) うん｡

⟨ところで 実はこの前→

鍵は静かにしめた方がよいと
教えたけど…⟩

じゃあ
あんまり遅くなんないようにね｡

>> は～い いってらっしゃい｡

(清美) ⟨果たして 覚えているか⟩

じゃあね～｡

⟨無音⟩

⟨さすが わが娘⟩

⟨っていうか しめてない？⟩

(清美) ⟨あっ しめてた⟩

⟨静か過ぎると
それはそれで不安になるので→

少しは音をさせた方が
よいということを→

この年で学んだ⟩

⟨今日は 比較的
暖かいそうなので 自転車⟩

うぅ…｡

⟨と思ったら 全然暖かくない⟩

⟨車にすればよかった⟩

(運転手) テレビの方ですよね？

あ～ この間の｡

ご無沙汰してます｡
ご無沙汰してます｡

今日も取材ですか？
>> そうなんですよ｡

この前の眼鏡の男性の件で｡

いや お客さん さっきツイてない
って言ってましたけど→

ツイてますよ｡
>> えっ？

あの後 また会ったんですよ｡

えっ 眼鏡の人にですか？
(運転手) ええ｡

やっぱり あの人
ちょっと変ですね｡

えっ 何かあったんですか？
(運転手) いや この間ね…｡

あっ すいません
またカメラ回してもいいですか？

(清美) おっ…｡

(岸本) スナック？
(運転手) ええ｡

そこで酔いつぶれた お客さんが→

100キロ以上ありそうな
巨漢で→

車に乗せるのも
一苦労だったんですよ｡

100キロは相当ですもんね｡

しかも
お店に女性しかいなかったから→

５人くらいで何とか乗せて
ホテルまで運んだんですよ｡

それでホテルに着いたら→

従業員の人が
迎えてくれたんですけど→

そこに前言った眼鏡の人がいて｡

レイクホテルですか？
(運転手) そうそう｡

でね その人が１人で巨漢を
あっという間に運んだんですよ｡

１人で？
(運転手) そうなんですよ｡

ちょうど私 もう１人の人から
お代を頂いてたから→

まぁ その瞬間は
見れなかったんですけどね｡

そうなんですね｡
>> でもね→

今回はドライブレコーダーに
まだ残ってるんですよ｡

えっ ホントですか？
(運転手) ええ｡

(ﾓﾆﾀ)(運転手) 3200円です｡

(ﾓﾆﾀ)(由美) じゃあ
5000円からお願いします｡

(ﾓﾆﾀ)(運転手)
じゃあ これ お釣りと領収書｡

(松崎) えっ？ この人って…｡

えっ もう１回 いいですか？
(運転手) ええ｡

ガンプラの人だ｡

え？

前に運転手さんが言ってた
眼鏡の人って この人ですか？

あっ そうです
この人に間違いないです｡

(えり) うちのホテルに
泊まりに来る人ってさ→

他で予約が取れなかった人が
多いのかな？

(清美) いや そんなことはないでしょ｡
(えり) そうかなぁ…｡

(清美) 私 自分が働いてるとか抜きにして
ここのホテル好きですよ｡

>> いや 私も好きだよ？
でも ここの良さってさ→

泊まってみたら意外とよかった
みたいな良さじゃん｡

(清美) そうなんですかね？

>> だって めちゃくちゃ
安いわけでもないしさ→

普通に考えたら
新しいホテルの方がよくない？

(清美) いや ここにしかない良さも
ありますよ｡

>> えっ 例えば何？

(清美) 例えば？
>> うん｡

(清美) 例えば…｡

何か… 味があるじゃないですか｡

>> いや 分かるんだけどさ→

ここにしかない良さで
１個目が味って だいぶ弱くない？

(清美) いや そんなことないですよ｡

>> じゃあ 他は？
(清美) 他？

>> うん｡
(清美) え～…｡

あっ 例えば→

大手のホテルのバスマットって→

厚手で
ふっかふかじゃないですか｡

>> そうだよ 水もしっかり吸うしさ→

それこそバスタオルくらい
ふかふかだよ｡

(清美) ですよね？
だから バスタオルと間違って→

体 拭いちゃうことありません？
>> ある 私 よくやっちゃう｡

(清美) ですよね？
逆に うちのバスマットって→

薄くて かったいじゃないですか｡
>> あ～ 水もあんまり吸わないしね｡

(清美) そう だから 絶対に間違うことは
ないじゃないですか｡

>> そうだね｡

(清美) それ｡

>> いや ここにしかない良さで
２個目がそれって→

もう負けじゃない？
(清美) え～ そんなことないですよ｡

(自動ドアが開く音)
(２人) いらっしゃいませ｡

(岸本) あの
先日はお世話になりました｡

(清美) お世話になりました｡

>> 今 支配人さんって
いらっしゃいますか？

(清美) あ… はい 少々お待ちください｡

>> 先日は ありがとうございました｡
(奥田) あぁ いえいえ…｡

(小声で)
あの人 テレビの人じゃない？

(清美) あっ そうです
あの ｢月曜から夜ふかし｣の｡

>> だよね？ 私 この前
イオンでインタビュー受けてさ｡

(清美) あっ そうなんですか？

>> 何か 個人的ニュース
聞かれたからさ→

いちやまに レジ打ちが
超速い人がいるって話をしたのね｡

(清美) 知ってる あのおばちゃんだ｡
>> そうそうそうそう｡

そしたら
あの人 結構 食い付いててさ｡

(清美) へぇ～｡

>> また そのこと聞きに来たのかな？

(清美) あ～ どうでしょうね｡

⟨多分 違う⟩

(岸本) ありがとうございました｡
(松崎) ありがとうございます｡

ありがとうございました｡
(２人) ありがとうございました｡

(自動ドアが開く音)

(清美) 何でした？
(奥田) いや 何か取材の件でさ｡

(清美) えっ 前回 断ったのに？

>> うん 何か→

｢ホテルの前なら
取材してもいいですか？｣って→

確認されて｡
(清美) えっ 何て言ったんですか？

>> いや 取りあえず
｢敷地内は厳しいです｣って→

断ったんだけどさ そしたら→

｢敷地の外ならいいですか？｣って
聞かれてさ｡

(清美) しぶとい｡
(奥田) うん…｡

まぁ
そこは止めようがないからさ→

｢本人がＯＫならいいですよ｣って
言ったんだけど｡

(えり)
それ多分 私のことですよね？

えっ？
>> いや この間→

たまたまイオンの前で
取材 受けたんですよ｡

あっ そうなんだ｡

何か いちやまのレジの話をしたら
結構 食い付いてて｡

いちやま？
(えり) はい｡

(清美) レジ打ちが速いおばちゃんが
いるんです｡

>> あっ そうなんだ｡

多分 その件で 私に話が
あったんじゃないですかね？

(清美) ⟨絶対に違う⟩

>> あっ でも 逆によかった｡
(清美) 何でですか？

>> いや この前
結構 化粧薄めだったからさ→

今日は ちゃんとテレビ用に
メイクして写れるじゃん｡

(清美) あ～…｡

⟨絶対に必要ない⟩

>> あ～ いえいえいえ…｡
(えり) すいません｡

(松崎)
16時まで結構ありますね｡

(岸本) うん｡

取りあえず イオンで
聞き込みしつつ時間つぶすか｡

そうですね｡

(清美) 小野寺君の件ですかね？

>> いや 何か高橋さんに
話を聞きたいって言ってて｡

(清美) えっ 高橋さんですか？
>> うん｡

誰も高橋さんのこと
言ってないよね？

(清美) うん 言ってないです｡

由美ちゃんも小野寺君のことしか
話してなかったですし｡

>> そうだよね｡
(清美) うん｡

何で高橋さんなんだろ？

>> ガンプラの話とか？

(清美) あ～ それなのかなぁ？

>> だといいけどね｡

(カーテンの開閉音)

(えり)
清美ちゃん 休憩入っちゃって｡

(清美) ⟨必要ない 絶対に⟩

(えり) お疲れさまです｡

(晋平) まぁ お母さんも
結構 仕事忙しいもんな｡

(若葉) うん あっ でも 最近は→

週末とか
よく貯金会 行ったりしてるよ｡

(晋平) あっ そうなんだ｡
(若葉) うん｡

まぁ その方が
こっちも安心なんだけどね｡

だって ずっと家と職場の往復だと
息 詰まりそうじゃん｡

(晋平) そうだよな｡

でも 友達と
また集まるようになってからは→

気持ち
明るくなったような気もするね｡

元々 明るいんだけど｡

(晋平) そっか いや よかった｡

(晋平) そういえば お母さん
何か言ってなかった？

(若葉) ん？ 何かって？

お父さんと会うこと｡
(若葉) ん～｡

普通に｢楽しんできてね｣って｡

フッ そっかそっか｡
(若葉) うん｡

今日も仕事終わったら
友達とご飯行くんじゃない？

(晋平) あっ そうなんだ｡
(若葉) うん｡

(晋平) じゃあ
晩ご飯も食べて帰るか｡

(若葉) そうだね｡

(葉月) 不思議な出来事？
(岸本) はい｡

不思議な現象を見たとか→

身の回りで 不思議な力を
持ってる人がいるとか→

どんな
ささいなことでもいいので｡

(葉月) あ～…｡

あっ えっと あの 私 小学校で
教諭をやってるんですけど｡

>> あっ 先生ですか？
(葉月) はい｡

あの 児童用のプリントを→

手の感覚だけでクラスの人数分
取ることができます｡

>> 手の感覚だけで？

(葉月) はい 32枚なんですけど→

数えなくても
ほぼ毎回 ピッタリ取れますね｡

>> ほぼ毎回？
(葉月) はい｡

10回やったら
７～８回はいけますね｡

>> へぇ～ すごいですね｡

(葉月) いえいえ｡

(男性)
この前 小学校のグラウンドに→

何か あの 変なマーク？
みたいなのが→

描かれてる事件が
あったんですけど…｡

マーク？
(男性) はい｡

で 俺 その学校の近くに
住んでるんですけど→

ちょうど落書きがされた日の夜→

その小学校の体育館の屋根に
人影が見えて｡

屋根？ 屋根の上ってことですか？

そう 屋根の上に
男の人が立ってて→

グラウンドに向かって
ボールか何かを投げてたんですよ｡

ちなみに その男性って
眼鏡をかけていませんでしたか？

(男性) いや そこまでは
ちょっと分かんないですけど｡

あっ そうですか｡
(男性) はい｡

(松崎) ごちそうさまです
あざっす｡

体育館の屋根って そんな簡単に
登れるもんですかね？

いや 普通は無理でしょ｡

ですよね ホントっすかね？

ん～ 今までだったら
信じてなかったけどさ→

さっきのドライブレコーダーの
映像とか見ると→

もう あり得る気がしてきたな｡

確かに｡

小学校の先生のネタ どうします？

なしでいいんじゃない？
>> ですよね｡

(自動ドアが開く音)

(清美) あ…｡

上村さま お待ちしておりました｡

このたびは
合格 おめでとうございます｡

>> ありがとうございます｡

その節は
本当にお世話になりました｡

(清美) いえいえ こちらこそ
またご利用いただき→

ありがとうございます｡

>> 今回はご家族旅行ですか？

そうなんですよ｡

春から こっちで部屋借りて
離れて暮らすんでね｡

その前に家族旅行でもと
思いまして｡

(清美) え～ そんな大事なご旅行に
このホテルを選んでくださって→

ありがとうございます｡

>> うちで よろしかったですか？
(清美) えりさん｡

>> もちろん 何より この子が
またここに来たいって言うんでね｡

え～ そうなんですか？
うれしいです｡

(清美) 本当にありがとうございます｡
(えり) ありがとうございます｡

(清美) では チェックインのお手続き
お願いいたします｡

(えり) こちら どうぞ
いらっしゃいませ｡

(清美) こちら カードキーでございます｡
(母) はい ありがとうございます｡

(２人) ごゆっくり
お過ごしくださいませ｡

(エレベーターの到着音)

(清美) ほら いるじゃないですか｡

>> いたねぇ｡
(清美) うん｡

>> 何か ああやって感謝されるとさ→

この仕事やって
よかったって思うよね｡

(清美) ホントそうですよねぇ｡

>> 普段 そんなこと
１ミリも思わないじゃん｡

(清美) そうですねぇ｡

えっ？ １ミリもですか？

>> あっ 思う？
(清美) 私は普通に思いますけど｡

>> えっ いつ？
(清美) いや→

いつって聞かれると
難しいですけど→

例えば お客さんが帰る時に→

｢ありがとうね｣とか
言ってくれたり→

また来てくれたりしたら
うれしいじゃないですか｡

>> まぁ それはそうだけどさ→

でもさ たまに変なクレーム
つけてくる人とかいるじゃん｡

(清美) まぁ たまにね｡

>> 言い方悪いけどさ こいつクソだな
って思う時あるじゃん｡

(清美) 言い方悪いですね｡
>> でも ぶっちゃけあるじゃん｡

(清美) いや さすがに｢クソだな｣までは
思わないですよ｡

>> ホントに？ １回もなかった？

(清美) えっ？

>> 〔何様だよ お前ら〕

(清美) ありました｡

>> でしょ？
(清美) いや でも その１回だけです｡

>> ホントに その１回だけ？
(清美) えっ？

>> 何年も勤めてて その１回だけ？

(清美) ｢クソだな｣ですか？
>> うん｡

(中本)
〔うちシングルマザーで…〕

(清美) その前もありましたけど｡
>> でしょ？

(清美) まぁ 年に１回くらいは
そういうことありますよね｡

>> ホントに年に１回だけ？

(清美) ３か月に１回くらいは
ありますけど…｡

>> でしょ？

(清美) え？ えりさんは どれくらいの
頻度であるんですか？

>> 私は年に１回ぐらいかな｡

(清美) えっ？
⟨はめられた⟩

(村上) ねぇ｡
(清美) はい｡

>> さっきの男の子って
前にも来てたよね？

(清美) そうなんです 前に１週間くらい
受験勉強で泊まりにいらしてて｡

合格されたんです｡
>> よかったね｡
(清美) はい｡

>> あの 村上さん 変なこと
お聞きしてもよろしいですか？

何？
>> 村上さんは このホテルの→

どこを気に入って こんなに
泊まってくださってるんですか？

あっ 僕？
>> はい いや→

あの もしかしたら ホントは
他に泊まりたい所があったけど→

部屋が取れなかったからなのかな
と思って｡

いやいや このホテルが好きだから
泊まってるよ｡

(清美) ですよね？ ほら｡

>> そうなんですね｡
(村上) いや 実は→

昔 ここに
泊まりに来たことがあってね｡

(清美) えっ そうなんですか？
(村上) うん｡

だから 思い出もあるのよ｡
(清美) え～ そうだったんですね｡

うれしいです｡

(えり) バスマットの硬さが
忘れられないとかですか？

どういうこと？

(由美) あっ もう３時か｡

(瑞稀) 何時までに
行かなきゃいけないんだっけ？

(由美) ん～ 50分ぐらい｡

(瑞稀) あ～ そっか
お茶するには微妙な時間だね｡

いや～ そうなんだよね｡

えっ みずぽん 今日 何時から？

(瑞稀) 私 今日 休みだから
ホテルまで乗せてくよ｡

(由美) えっ ホント？ 助かる｡

(岸本) すいませ～ん｡

日本テレビの｢月曜から夜ふかし｣
という番組なんですけど→

ちょっと お話よろしいですか？

(由美) あっ｡
>> あれ？

磯村さんですよね？
レイクホテルの｡

はい この間 取材受けた人｡

あ～ 言ってたやつ｡

ちょうどよかった
お会いしたかったんですよ｡

(由美) 何ですか？
>> いや この間の件で→

改めて
お話を聞かせていただきたくて｡

この間の件？

ちょっと
カメラ回してもいいですか？

あ～…｡
(岸本) 大丈夫ですか？

(由美) 大丈夫？ はい｡
(松崎) 回ってます｡

あの 10円玉を曲げた方が
いるっていう｡

あ～…｡

小野寺君ですか？
(岸本) あっ そうです そうです｡

でですね あの後 いろんな人に
お話を聞いたんですけど→

それって ひょっとして
小野寺さんじゃなくて→

別の方なんじゃないかと
思いまして｡

別の方？ えっ 誰ですか？

あの～ 高橋さんって方｡

あ～…｡

あ… いや｡

いや あれ違ったんですよね｡

えっ 違った？
(由美) はい｡

あの10円玉
何か手品のやつだったんですよ｡

(岸本) えっ そうなんですか？
>> はい｡

だから 小野寺君も高橋さんも→

別に そういう能力とか
特にないと思います｡

なるほど…｡

あっ いや ただですね→

ちょっと これを
見ていただきたいんですけど｡

(清美) あっ そういえば この間
中本さんに会ったんですよ｡

>> 中本さん？

あっ テレビ泥棒の？

(清美) まぁ だいぶ言い方は悪いですけど
そうです｡

>> どこで？
(清美) 友達がやってるスナックで｡

>> え… もう出てきたの？

(清美) いや 別に捕まってはないですよ｡

>> 逃亡中ってこと？

(清美) じゃなくて
別に被害届 出してないですから｡

>> そうなんだっけ？
えっ スナックで何してたの？

(清美) 何か普通に飲んで歌ってましたよ｡

>> へぇ～｡

(清美) ちなみに何歌ってたと思います？

>> え～？

さだまさしの｢償い｣？

(清美) あ～ 違います｡

>> テレサ･テンの｢つぐない｣？
(清美) 違います｡

>> じゃあ→

中島みゆきの｢後悔｣｡
(清美) 違います｡

>> ﾁｪｯｶｰｽﾞの｢素直にI’m Sorry｣｡
(清美) 違いますねぇ｡

>> え～
あの歌 何だったっけな？ あれ｡

♪～ ゴメンね 素直じゃなくて
(清美) あ～ ｢セーラームーン｣の歌？

>> そう｡
(清美) 違います｡

ってか ｢素直じゃなかった｣じゃ
済まされないし｡

>> 確かにねぇ｡

(岸本)
これって磯村さんですよね？

はい 私ですね｡
(岸本) ですよね？

で ちょっと
見ていただきたいのが→

これって高橋さんですよね？

(由美) あっ そうですね｡
(岸本) ですよね？

すいません…｡

回して｡
(松崎) はい｡

回りました｡

これを見る限り→

相当 力があるように
思えるんですけど｡

あ… いや あの時 お客さん
普通に意識あったんですよ｡

(岸本) えっ そうなんですか？
>> はい｡

自分でも
起き上がろうとしたから→

多分 そういうふうに
見えたんじゃないですかね？

(岸本) ホントですか？
はい｡

(瑞稀) あの～ 私
その人が飲んでたスナックで→

働いてるんですけど｡
(岸本) あっ そうなんですか？

その時 タクシー乗せるの
私 手伝ったんですけど→

普通に意識ありましたよ｡
(由美) そうだよね？

えっ？

あっ なるほど｡
(由美) はい｡

｢ランナウェイ｣｡
(清美) ラッツ＆スターの？

違います｡

>> ユニコーンの｢自転車泥棒｣｡
(清美) 違いま～す｡

>> え～？
もう分かんない 何だろう？

(清美) 降参？

>> もう降参 何？

(清美) 杏里の→

｢CAT’S EYE｣｡

>> ｢CAT’S EYE｣？
えぇ～ まだやる気じゃん｡

(清美) ね～ ビックリですよね｡

(由美) ってかさ さっきの
私のアドリブすごくない？

(瑞稀) 手品だったってやつ？
>> あ～ そうそうそう｡

あと 意識あったってやつとか｡
(瑞稀) 確かに｡

えっ でもさ
すぐに合わせた私もすごくない？

(由美) あ～ あれもよかった
完全に だましきったよね｡

(瑞稀) うん 信じてた｡
(由美) ねっ 信じてたよね｡

(岸本) 明らかに隠してたな｡

ですよね？ どう考えても
意識なかったですもんね｡

(岸本) うん…｡

もしかしたら このネタって
｢夜ふかし｣じゃないのかもなぁ｡

(松崎) どういうことっすか？

あのドライブレコーダーの
映像とか→

周りが やけにかばってる感じとか
見ると→

ちょっと
ただごとじゃない感じしない？

確かに あの映像が本物なら
そうかもですね｡

下手したら これだけで
特番組めるレベルだもんな｡

(岸本) ありがとうございました｡

(岸本) よし じゃあ待つか｡

(松崎) はい｡

っていうか これ
どっちから来ますかね？

(岸本) あっ そっか｡

じゃあ
俺 こっちで張っとくからさ→

あっち側から来たら
取りあえず 引き留めて連絡して｡

(松崎) 分かりました
じゃあ 連絡します｡

(由美) うわ 最悪｡
(瑞稀) 何？

私 今日 髪ボサボサで
インタビュー受けてた｡

(瑞稀) あ～ あそこ
風強かったもんねぇ｡

え～ あれが全国で放送されんの
キツいんだけど｡

いや 私もなんだよね｡
>> 何？

今日 部屋着みたいので
来ちゃってたからさ｡

(由美) あ～｡

マジで
カットにしてほしいんだけど｡

ホントだよ｡

それかモザイクとか
入れてくれないかな？

どこに？
>> 私の髪と みずぽんの服｡

いや 余計怪しいでしょ｡
>> 怪しいか｡

あっ 高橋さんだ｡
(瑞稀) ホントだ｡

ってか ヘルメット
エイリアンっぽいね｡

(由美) っぽい｡

あっ もう こんな時間だ｡
>> そろそろ行く？

うん そうだね｡

(岸本) あの…
あの すいません すいません｡

高橋さんですよね？

(高橋)
あっ ｢月曜から夜ふかし｣の｡

あっ そうです
先日はお世話になりました｡

(高橋) いや こちらこそ
どうしました？

ちょっとだけ
お話よろしいですか？

(高橋) 話ですか？
>> はい｡

高橋さん 捕まってる｡

(瑞稀) ね～｡
(由美) えっ マジでしつこいね｡

ってかさ うちらの部分
カットしてくださいって→

言いに行く？
>> いや それはそれで→

何か恥ずかしくない？
>> 何で？

(由美) 何か自意識過剰だと
思われそうじゃん｡

あ～ そうだねぇ…｡

(清美) じゃあ もし えりさんが
中本さんの立場だったら→

何歌います？
>> えっ？

テレビ盗んだとして？
(清美) はい｡

元同僚がいるお店で
他のお客さんから→

どうしても歌ってくれって
言われて歌うとしたら｡

>> え～ 何だろう？

あっ 松山千春の
｢大空と大地の中で｣？

(清美) え？ 何でですか？

>> いや 何か もう
スケールの大きさで→

テレビ盗んだことが
ちっぽけなことのように思わせる｡

(清美) あ～ なるほど｡

>> えっ 清美ちゃんは？
(清美) えっ？

私は もう 内容っていうより
英語の歌にします｡

>> 英語？
(清美) はい｡

英語なら 歌詞もあんまり
入ってこないじゃないですか｡

>> あ～ 国外逃亡ね それもありだね｡

(自動ドアが開く音)

(２人) おはようございます｡
(由美) おはようございます｡

(自動ドアが閉まる音)

(岸本) 今 遭遇した｡

話した｡

取りあえず タクシー呼んどいて｡

(松崎) どうでした？

(岸本) ん～…｡

いや ちょっと
いろいろ あり過ぎてさ…｡

(松崎) そうなんすか？
(岸本) うん…｡

これ 下手すると報道案件だよ｡

高橋さん さっきそこで
日テレの人に捕まってましたよね｡

あ… 見てた？
>> はい 何て言われたんですか？

いや 何か
ドライブレコーダー見せられてさ｡

あっ タクシーのやつですか？
>> うん｡

私も見せられました｡
>> あっ そうなの？

はい 私も今日
イオンで声かけられて→

で 高橋さんのこと
いろいろ聞かれたんですよ｡

何て？

いや 不思議な力を持ってんのって
小野寺君じゃなくて→

高橋さんなんじゃないですかって｡

何て答えたの？

何て答えたと思います？
>> んっ？

(由美) 私は 日テレの人に→

高橋さんのこと
バラしたでしょうか？

バラさなかったでしょうか？

この空気で それクイズにする？
>> どっちだと思います？

いや… そりゃ
バラさないでほしいけど→

当然 バラしてないでしょ？

(由美) なるほど｡

正解は…｡

(自動ドアが開く音)

いらっしゃいませ｡
いらっしゃいませ｡

チェックインでよろしいですか？
>> はい 宮本です｡

(由美) 宮本さま
少々お待ちください｡

(キーボードを打つ音)

こちら カードキーでございます｡

ごゆっくり
お過ごしくださいませ｡

宮本さん
また違う女の人 連れてましたね｡

えっ？
>> 私 見ただけでも４人目ですよ｡

すごくないですか？
>> そうなの？

私 この間 来た人が
本命だと思うんですよね｡

その人といる時だけ
何か ちょっとだけ雰囲気…｡

ちょっ ごめん… ごめんね
あの 今 それ どうでもいいわ｡

えっ？
(高橋) ほら あの さっきの答え｡

答え？
>> 俺のことバラしたのか→

バラしてないのか｡
>> あっ その話ですか？

(高橋) いや そうでしょ｡
>> バラすわけないじゃないですか｡

そうなの？
>> はい ﾊﾞｯﾁﾘごまかしときました｡

あっ そっか｡
>> はい｡

ありがとう｡
あっ はい｡

で どう思います？

あぁ 日テレの人？

宮本さんの本命｡
あっ そっち？

(美波) えっ また来てんの？
(清美) そう｡

しかも 高橋さんに話聞きたいって
言ってるらしくって｡

(美波) 何で？
(清美) それが分かんないんだよね｡

(葉月) ちなみに今日
私もインタビュー受けました｡

(清美) えっ？ ｢月曜から夜ふかし｣？

(葉月) はい 最近 身の回りで起こった
不思議なこと聞かれて｡

(美波) はっち 何言ったの？

(葉月) 私は 自分の特殊能力｡

(美波) 何？ 特殊能力って｡

(葉月) いや 私 自分のクラスの人数分の
プリントを→

手の感覚だけで
つかんで取れるんですよ｡

(清美) へぇ… 数えないで？

(葉月) はい
これ 結構すごくないっすか？

(美波) えっ ショボくない？
(葉月) えっ？

みなぷーさんの検尿カップと
そんな変わんないでしょ｡

(美波) 違うよ 全然
こっちは職人技だから｡

(清美) もう１回 来たってことはさ
みなぷーの検尿カップも→

ボツになったってことじゃないの｡
(葉月) あっ 確かに｡

(美波) いやいや あそこまでやって
ボツとかあり得ないから｡

(葉月) 私のプリントのやつが採用されて
検尿カップがボツだったら→

どうします？
(美波) そんなの もう日テレ行って→

検尿ぶちまけるよ｡
(清美) ハハハハ！

それなら一発でテレビに出れるね｡

(葉月) 夕方のニュース｡

(美波) ってか 高橋さんの方 気になるね｡

(清美) んっ？ あ～ そうなんだよね｡

(美波) でも 誰も高橋さんのこと
話してないんだよね？

(清美) 話してない｡
(美波) だったら 別のことなんじゃない？

(葉月) この間 ガンプラの話 してたって
言ってませんでした？

(清美) あ～ そう
写真見せながら熱弁してた｡

(葉月) だったら それじゃないですか？
(清美) だといいんだけどね｡

(美波) 待って ガンプラ使うなら
検尿カップでしょ｡

(葉月) いや ガンプラでしょ
いや プリントですよ｡

>> っていうか 高橋さんは
何て ごまかしたんですか？

あっ テレビの人？
>> はい｡

いや 俺 もう無視して
行こうとしたんだけどさ→

結構しつこくてねぇ｡

(ﾓﾆﾀ)(運転手)
じゃあ これ お釣りと領収書｡

(岸本)
これって高橋さんですよね？

すいません
ちょっと行かなきゃいけない…｡

(岸本) 高速移動したり→

コンビニ強盗を撃退したのも
高橋さんですよね？

ごめんなさい 仕事遅れちゃう…｡
(岸本) あっ じゃあ じゃあ→

明日の朝 お仕事終わりに
お話 聞かせてもらえないですか？

あの これ以上つきまとうの
やめてもらえませんか？

迷惑なんで｡
高橋さん！

決して悪いようにはしないんで！
高橋さん！

(クラクション)

(急ブレーキ音)

大丈夫ですか？

大丈夫です…｡

すいませんでした｡

(ドアが閉まる音)

♪～

見ての通りです｡

満足しましたか？

(高橋) この力がなかったら→

あなた今 死んでましたよね？

私は あなたの命を
救ったんですから→

あなたも私の生活の邪魔を
しないでください｡

♪～

ちなみに 私の力は
こんなもんじゃないですから｡

(岸本) え？

物に触れずに
動かすこともできますし→

自然を操ることだってできます｡

どういう意味か分かりますよね？

あなたが長生きをしたいのなら→

これ以上 詮索しないこと｡

そして 誰にも話さないこと｡

じゃないと あなたの身に
不幸が起こるかもしれませんよ｡

不幸？

事故なのか 災害なのか…｡

とにかく
すごくツイてないことが→

あなたの身に起こるでしょうね｡

今日のことは忘れてください｡

お互いのために｡

(由美の声) へぇ～
命の恩人じゃないですか｡

うん でも 正直 俺
一瞬ためらったんだよね｡

あっ そうなんですか？
(高橋) うん｡

いや ほら 俺の生活を
脅かそうとしてる相手だからさ｡

確かに｡
>> でも だからって→

見殺しにするわけにも
いかないじゃない｡

そうですよねぇ｡

まぁ でも そこまで脅せば
大丈夫じゃないですか？

だといいけど…｡

でも 最後のはウソですよね？

最後の？
>> いや 何か→

物を動かすとか自然を操るとか｡

あぁ…｡
>> それはウソじゃないですか｡

いや まぁ ウソっていうか
多少 大げさには言ったけど→

別に そこまでウソって感じでは
ないけどね｡

あっ そうなんですか？ じゃあ
ちょっと やってみせてください｡

ごめん ウソ…｡
>> 雪降らせてください｡

いや ウソです すいません
一切できません｡

一切できないんです｡
>> 雨だったら いけますか？

えっ マジですか？

前 トラックの人が言ってたのと
全く同じ状況｡

高速移動したんすか？

(岸本)
っていうか 思ってた以上でさ→

何なら 瞬間移動くらいの
スピードだった｡

(松崎)
えぇ？ そんなことあります？

いやいや マジなんだって
俺 まだ手 震えてるもん｡

(松崎) うん…｡

本当にいるんだ そんな人｡

まぁ さすがに物 動かせるとか
自然を操れるとかは→

ウソだと思うけど｡
(松崎) そうなんすか？

うん 何か→

今 思い付いて足した感あって
それはウソくさかったけど→

でも 高速で運ばれたのは
事実だからさ｡

ですよね…｡

どうするんすか？

まぁ 取りあえず
新座さんに話してみて→

判断してもらうよ｡

(新座) どういうこと？
(岸本) いや→

例の件が思ってたより
すごいことになってて｡

あの 都市伝説みたいな人がいる
ってネタ？

(岸本) はい｡

これ ちょっと 僕も
どう扱っていいか悩んでて｡

え？ 何かあった？

取りあえず タクシーの
ドライブレコーダーに→

すごい映像が残ってるんで
まず それを見せますね｡

すごい映像？(岸本) はい｡
えっ 何？

いや これ 下手すると 別で特番
組んだ方がいいんじゃないか→

…っていうくらいのやつで｡
(新座) え～ そんなに？

はい 何なら報道で…｡

あれ？

(新座) どうした？

すいません｡
>> えっ？ ちょっとすいません｡

もう１回 ちょっと差し直して…｡

よいしょ｡

(岸本) あれ？
(新座) 出ないの？

えっ 何でだろう？
いや ちょっとハードが…｡

いや 入ってたはずなんすけど…｡
>> 消えちゃってる？

(松崎:岸本) すいません｡

もう１回…｡
>> えっ でも ホントなんですよ｡

なぁ？
>> はい 間違いないです｡

まぁ 仕方ないよね｡

データが消えちゃうのも
実力のうちってことだよ｡

(ｽﾀｯﾌ) マジか…｡

♪～

今 俺のこと
ツイてないって思った？

はい つくづく｡

♪～

(高橋)
〔事故なのか 災害なのか…〕

〔とにかく
すごくツイてないことが→

あなたの身に起こるでしょうね〕

どうします？
(岸本) んっ？

もう１回 行きます？

いや…｡
えっ？

もう いいんじゃね？

(カメラのシャッター音)

(車の施錠音)
(清美) おはようございま～す｡

>> あっ 遠藤さん おはよう
これから出勤？

(清美) はい 写真ですか？

>> うん この辺りの景色を
収めておこうと思ってね｡

(清美) あ～ いいですね｡

>> ほら この辺りも再開発で
どんどん変わっていくだろうしさ｡

(清美) あ～ まぁ でも この辺は
ずっと変わらなそうですけどね｡

>> だといいけどね…｡
(清美) うん｡

>> あっ そうだ｡

僕 もうすぐ
ホテルを出ようと思っててさ｡

(清美) え？ あっ そうなんですか？

>> うん そろそろ
戻らなきゃいけなくてさ｡

(清美) あぁ…
えっ 何か寂しくなりますね｡

>> 寂しいね｡

ホテルも もうすぐ
なくなっちゃうでしょ？

(清美) えっ？

>> あっ まだ聞いてなかった？

(清美) あ… 聞いてないです えっ？

>> あっ ごめん ウソウソ 忘れて｡

(清美) えっ いやいや… なくなるって
どういうことですか？

>> いや ホント申し訳ない｡

聞かなかったことにして
もらえない？

(清美) え～…｡

分かりました｡

じゃあ
聞かなかったことにするんで→

その代わり ちゃんと
聞かせてもらえませんか？

>> いや…｡

あ～ でも
もう行かなきゃいけないでしょ？

(清美) え… えっ どうしよう｡

>> じゃあ 分かった
遠藤さん お昼休み何時？

(清美) 12時からです｡

>> じゃあ それくらいに この先の
コンビニの前にいるから→

そこで話そう｡

(清美) 分かりました｡

(清美) ありがとうございました｡

(自動ドアが開く音)
(２人) いってらっしゃいませ｡

(自動ドアが閉まる音)

いや 朝って
起きんのはつらいけど→

でも やっぱり 朝から働くって
気持ちいいよね｡

(清美) あ～ そうですね｡
>> ほら 夜勤ってさ…｡

(清美) ⟨勤務日以外でも お風呂に
入れるようになったことで→

高橋さんは夜勤以外のシフトにも
入るようになった⟩

⟨ただ 今は
そんなことはどうでもいい⟩

⟨このホテルが なくなるかも
しれないということで→

私は 頭がいっぱいだった⟩

>> 人って本来 このサイクルで
生活するべきなんだって→

改めて思うよね｡
(清美) あ～ そうですね｡

>> 今 お前 宇宙人なんだから→

生活サイクルとか関係ないだろ
って思った？

(清美) 思ってないですよ｡

>> ホント？
(清美) うん｡

>> 何か今日 テンション低くない？

(清美) いや いつも通りですけど｡

>> あっ そう｡
(清美) うん｡

>> まぁ 朝なんて
みんな そんなもんか｡

俺が この生活が新鮮で ちょっと
テンション高めってだけか｡

(清美) だと思います｡

>> まぁ でも 俺もね
眠いは眠いのよ｡

(清美) あっ そうなんですか？
>> うん｡

昨日の夜さ ガンプラ作りが→

全然終わんなくて｡
(清美) へぇ～｡

>> 切りのいいとこで
やめようと思ったんだけど→

切りのいいところが
見当たんなくてさ｡

(清美) うん…｡
>> 見る？

これなんだけどね
今作ってるやつで→

ガルバルディっていう
モビルスーツの旧キット…｡

(清美) ⟨若葉は今 中学２年生⟩

⟨この先 高校にも大学にも
通わせなきゃいけない⟩

⟨元夫から 毎月 養育費を
もらってはいるけど→

だからって
余裕があるわけではない⟩

⟨ましてや この年でゼロから
再就職先を見つけるのは→

簡単なことではない⟩

⟨取りあえず 早く村上さんに→

どういうことなのかを聞きたい⟩

⟨そして 約束の昼休み⟩

⟨気になるのは なぜ それを
村上さんが知っているのか⟩

⟨従業員の私ですら
知らなかったのに⟩

⟨もしかしたら 村上さんは→

うちのホテルの
偉い立場にいる人で→

普段は宿泊客を装って
ホテルを見守っているとか…⟩

⟨何か そういうの
ドラマで見た気がする⟩

⟨｢ＧＴＯ｣だ⟩

⟨｢ＧＴＯ｣の理事長が→

普段は趣味で 売店のおばちゃんを
やっていたみたいな⟩

⟨もし そうだとしたら→

今まで 村上さんに
親切にしてきた私は→

何かしらの形で
助けてもらえるかも⟩

(清美) すいません お待たせしました｡

(村上) あっ 大丈夫
僕も今 来たところ｡

じゃあ 下で話しましょうか｡

(清美) はい｡

(村上) どうぞ｡
(清美) あっ ありがとうございます｡

あの 村上さんって→

もしかして
うちのホテルの偉い方ですか？

>> えっ？
(清美) いや→

このホテルがなくなるって→

従業員の私でも知らないことを
ご存じなんで→

もしかしたら そうなのかなって｡

>> あ～ なるほど…｡

ごめん そうじゃないのよ｡

(清美) あ…｡

えっ じゃあ
何でご存じなんですか？

>> ん～…｡

まぁ→

遠藤さんには いろいろと
よくしてもらってるし→

最初から全部話すね｡

(清美) ありがとうございます｡

>> あの～…→

今から ちょっと信じられない
ような話をするけど→

取りあえず
最後まで聞いてもらえる？

(清美) あ… はい｡

えっ 信じられないような話？

>> うん｡

ウソみたいな話なんだけど→

紛れもない事実だから｡

(清美) はい｡

(清美) ⟨え？ この流れ見覚えがある⟩

⟨え？ もしかして…⟩

>> あの～→

何で僕が ホテルがなくなることを
知ってるかっていうと→

実は僕…｡

未来人なのね｡

(清美) え？