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〈さあ 今夜も始まりました→
金曜ナイトドラマ
『波よ聞いてくれ』〉
〈実の兄から6年もの間
監禁されていた事を告白したマキエ〉
〈自由の身になり
目標を見つけたと語るも→
内容までは明かさず〉
〈ミナレと中原の不在時には
何者かから謎の電話を受けるなど→
まだまだ秘密を抱えている様子〉
〈そんな中
入院していた店長 宝田と共に→
兄 亨が
VOYAGERに現れて…〉
(城華 亨)マキエ…。
(城華マキエ)兄さん…。
ああーーっ…!
〈さあ 今夜のミナレは
どう動く!?〉
〈以上 お相手は
RHYMESTER 宇多丸でした〉
〈『波よ聞いてくれ』 今夜も
じっくりウォッチしてください〉
ううーっ…!
(鼓田ミナレ)何やってんだよ!
あんた!
兄さん! やめて!
(宝田嘉樹)勘弁して!
私の店で殺人事件なんて!
いい加減にしろ!
(マキエ)ああっ!
ああっ…!
申し訳ありません!
申し訳ありません!
私 なんという事を…!
(マキエ)大丈夫ですか?
(中原忠也)なんとか…。
私 昔から妹の事で頭に血が上ると
我を忘れてしまいまして…。
兄さん! ただでさえ
お店にご迷惑をかけてるのに!
すまん!
ありがとうございます。
これで落ち着いて話せます。
(宝田)落ち着くんだ それ。
あの… それで
今日は どういうご用件で?
宝田様が退院されましたので
直接 お詫びに…。
それと 妹の今後の事で。
今後の事って?
マキエ そろそろ家に戻ってこい。
嫌です。
(亨)何?
また兄さんに
自由を奪われるなんて絶対に嫌。
ほら 窓という窓がふさがれて→
出入り口の外側から
かんぬきがかけられたような→
あんな家には
死んでも帰りたくありません。
あんな家には
死んでも帰りたくありません。
かんぬきって
江戸時代の牢獄かよ!
城華さん どうやって→
そんな家から
出てこられたんですか?
それは…。
(マキエの声)兄さんが隠してあった
電動ノコギリで…。
電ノコって…
何 そのリアル脱出ゲーム。
(宝田)いろいろと
激しいご兄妹ねえ…。
それもこれも
全部 妹のためです。
私には 亡くなった両親に代わって
妹を守り→
幸せにする義務があるんです。
幸せにする義務があるんです。
兄さんの考えてる私の幸せって→
安定した職業の男性と
お見合いさせて結婚とか→
そういう事でしょ!?
私には 自分の人生を切り開く力が
ないからって決めつけて…。
お前のためを思っての事だ!
(マキエ)兄さん! 私は もう→
兄さんが思ってるような
子供じゃないんだよ!?
それに 家を出て→
こちらの中原さんのお宅に
ご厄介になってるんだから!
なんだと!?
そういう事なの? 中原くん。
誤解っすよ! 誤解。
俺んち 今 姉と姪っ子がいて
一人住まいじゃないんですから。
ほら!
(太宰芽衣子)
「どうも〜 中原忠也の姉です」
す… すでに家族に紹介まで!?
じゃなくて!
わかった。 亨くんは
マキエさんが心配だし→
マキエさんは自立がしたい。
なら いい解決方法があったわ。
なんです? 解決方法って。
亨くんに
うちの店で働いてもらうの。
私も まだ こんなだし→
それなら 亨くんも
マキエさんのそばにいられるし。
よろしいんですか!?
(マキエ)嫌です! そんなの。
よろしいんですか!?
(マキエ)嫌です! そんなの。
ああ…。
というか 店長 この店に
スタッフ5人は多いっすよ?
えっ? 4人でしょ?
だって 鼓田さんはクビだし。
ちょっと待て コラッ! なんで
いきなり そういう話になった!?
いきなりじゃないでしょ!
あんた 私が入院中のやり取り
忘れたとは言わせないからね!
早く良くなってくださいね〜
店長。
わあーっ!
あんた 私が復帰したら
ソッコーでクビだからね!
ソッコーで!
それ 多分 昏睡状態で
夢見てたんですよ! 夢!
それ 多分 昏睡状態で
夢見てたんですよ! 夢!
私 新巻鮭とか全然知らないんで!
事故で昏睡状態の時に
あんな生臭い夢見てたまるか!
マキエ… マキエ!
一体 どこに行く気だ!?
今の私には人生の目標があるの。
絶対に 兄さんの言いなりには
ならないから。
城華さん!
お願いです!
妹を連れ戻してください。 妹ー!
黙れ! 監禁シスコン男!
こっちは 今 てめえのせいで→
生活のかかったバトルが
勃発してんだよ!
城華さん 待ちなって!
すみません。
お騒がせしてしまって。
いや そりゃ
別にいいんだけどさ→
お兄さんと
ちゃんと話したほうがよくない?
こんなふうに
逃げるんじゃなくて。
私 今日は行く所があるんです。
約束があって。
こんな時間から?
帰りは遅くなるかもしれません。
けど 心配しないでください。
では。
どうすっかな お兄さん。
(アナグマ治郎)じゃあ まあ
いつもどおりって事ね。
(西木いさむ)そうね。 後半に
トークをぶち込みたいので→
前半は なるべく抑えてください。
いつもどおり いつもどおり。
(治郎)じゃあ このオープニングの
卵 値上がりのニュース…。
失礼します。
アナグマさん 西木さん→
投稿者のジョーカーさんが
お見えになりました。
(アナグマ泰三)おっ! 来たか。
(西木)じゃあ お連れして。
あれ? 女の人でしたっけ?
ジョーカーって名前とか
ネタの内容的に→
絶対 男だと思った。
(西木)電話だと
清楚なお嬢さんって感じだった。
投稿ネームは
名字の読みを変えたんだとさ。
(スタッフ)どうぞ。
はい。 失礼します。
マジで…?
すっげえ美人じゃん。
あっ… はじめまして。
ジョーカー・スコンスキーこと
城華マキエと申します。
ジョーカー・スコンスキーこと
城華マキエと申します。
よろしくお願いします。
(南波瑞穂)フフッ…。
フフッ…!
みーずほ!
うわっ!
もう
びっくりさせないでくださいよ!
打ち合わせ呼ばれて来たら→
瑞穂 ニヤニヤしてるからさ…。
何 聴いてるの?
瑞穂 ニヤニヤしてるからさ…。
何 聴いてるの?
昨日 放送されてた
『アナグマ禁猟時間』です。
芸人のアナグマ泰治さんが
やってる番組で。
ああ〜! 聴いた事ないけど
そんな おもろいんだ?
3年も続いてる人気番組ですよ。
特に昨日のは神回だったって
富美さんが。
(箱坂富美)お疲れ お疲れ。
おつー!
聴いた? 『アナ禁』。
(瑞穂)はい!
すごいですね
今回のリスナーさん。
でしょ?
多分 あのジョーカーって人→
すぐスタジオ呼ばれると思う。
ちょちょ ちょちょ ちょちょ…。
リスナーがすごいって何?
アナグマの2人が
すごいんじゃなくて?
ああ… 『アナ禁』って
ちょっと作り方 違うんですよ。
ああ… 『アナ禁』って
ちょっと作り方 違うんですよ。
普通のラジオは
たくさんのリスナーからの投稿を→
繋いで作りますけど→
『アナグマ禁猟時間』は
一回の放送で→
たった一つの投稿だけを
採用するんです。
ほう…。
(瑞穂の声)ただし
採用される条件は→
1時間放送の全コーナーを
パッケージする事。
音楽 悩み相談 大喜利 コント。
どんなコーナーを盛り込むのも
自由で→
1万字を超えるメールを
送ってくるリスナーも→
珍しくないそうです。
そのメールを→
ディレクターと
アナグマさんたちが→
いろいろと脚色して→
ラジオ番組として
成立させるんですよ。
お前らが聴きたいラジオ
教えてくれ!
俺たちが それを形にしてやる!
(2人)アナグマ泰治の
『アナグマ禁猟時間』!
へえ〜!
まあ 素人にネタ作らせて
楽してるって意見も→
たまーにありますけどね。
でも これ→
芸人としての実力がないと
できない力技ですよ。
何より 放送作家を育成する
って意図があるわけで。
ふ〜ん。
で 今回のリスナー投稿者は
そんなに面白かったんだ?
ええ! ジョーカー・スコンスキー
ってリスナーなんですけど→
かなり攻めた内容でしたね。
へえ〜!
刑務所の受刑者が作った
家具だけで→
トータルコーディネートする
ってネタで。
(瑞穂)その一つ一つに→
メッセージが隠されてた
っていうミステリーと→
大どんでん返しの最後のオチが
もう 特に秀逸でしたよね!
どんなオチ?
それは 実際に聴いてみたほうが。
いいじゃん!
気になるから教えてよ!
あとは ほら
最初 メッセージ読み間違えて→
あとは ほら
最初 メッセージ読み間違えて→
実の兄に
アルゼンチン・バックブリーカー→
仕掛けようとするくだりね!
(瑞穂)そこ! 私
もう おかしくて おかしくて。
それ どういう流れで
そうなるの?
私 そろそろ行かないと。
お疲れさまです。
ミナレさん
私たちも打ち合わせです。
いや だから オチは!?
(麻藤兼嗣)はあ? 『アナ禁』と
同じ方式でやりたい?
ええ まあ。
なんか 瑞穂も富美ちゃんも
盛り上がってますし→
毎度毎度 ネタ考えるの
こっちも しんどいんで。
お前の場合 毎度毎度
行き当たりばったりで→
アクシデントに
巻き込まれてるだけだろ。
アクシデントに
巻き込まれてるだけだろ。
先週は 久連木の台本に
助けてもらって→
次はリスナー頼りかよ。
アクシデントも久連木さん頼ったのも
全部 あんたのせいでしょうが!
っていうか
今 ピンチなんですよ!
忘れかけてた バイトをクビになる
って話が再浮上してきて。
事故って入院してた店長が
復帰したか。
ええ。 入院中に→
とどめを刺しときゃよかったと
後悔してます。
まだ完全復帰じゃないんで
執行猶予中の身ですけど→
新しいバイト探しとかで
忙しいんですよ! 私は。
っつってもな お前→
メールだけで番組回すって
そんな簡単な事じゃねえぞ?
メールだけで番組回すって
そんな簡単な事じゃねえぞ?
この間の ヒグマと格闘しながらの
相談メールコーナーも→
あれが好評だったのも
台本ありきだ。
いや それは
メールの内容次第でしょ。
瑞穂 どう?
まあ 面白いというか→
変な相談メールなら
いくつも来てますけど。
「こんばんは。 専門学校に通ってる
ブサメンです」
「付き合ってる彼女から
すごくいいにおいが漂ってきて→
よく脇に蝶が寄ってきます」?
「寄ってくるだけじゃなくて
卵も びっしり産んでいきます」
「寄ってくるだけじゃなくて
卵も びっしり産んでいきます」
「ミナレさん 僕の彼女は
天女か何かなんでしょうか?」
いや 知らんわ!
なんなのよ! この
スットコドッコイな相談は。
でも こういう
ネタ投稿が集まるのって→
芸人さんの番組以外じゃ
まず ない事ですよ。
これって
ミナレさんの人徳だと思います。
嬉しくない!
芸人の番組枠と比べられる事も→
こんな訳わかんない
キテレツな人徳あんのも!
次回 お前が どうしても→
リスナーの相談メール中心でやりたい
っつうなら 俺は止めねえけど→
リスナーが
お前に期待してんのって→
そういう事じゃ
ねえんじゃねえか?
じゃあ 一体 何を期待されてる
っていうんですか? 私は。
そりゃ お前 王道と対極の
邪道で外道なラジオ番組だろ。
ハプニング アクシデント満載→
放送事故スレスレのやつだよ!
お前。
それ 麻藤さん個人の希望でしょ。
申し訳ないですけど 次は
いい意味でそれを裏切りますから。
王道のリスナー相談で
ビシッと結果出しますよ!
ビシッと!
城華さーん!
おっつー!
鼓田さん。
買い出し?
ええ。 パプリカが足りなくて。
買い出し?
ええ。 パプリカが足りなくて。
言ってくれたら
帰りしな買ってきたのに。
てか ごめんね。
最近 午後休み抜ける事 多くて。
いえ。
私のラジオなんか→
大した打ち合わせしないんだから
電話でいいのにさ。
ったく 昭和生まれのオッサンは
何かってえと→
顔見て話したがるから
参っちゃうよ まったく。
あの…。
んっ?
よかったら その自転車
乗ってみてもいいですか?
これ? いいよ。 はい。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
あっ!
ちょちょ ちょちょ ちょちょ…。
大丈夫!? 自転車 乗れないの?
運動神経が悪くて。
すみません。
ああ… ううん。
昔 練習してた時に
兄に止められた事があったので。
ああ…。
やっぱり 難しいですね。
鼓田さんみたいには…。
やっぱり 難しいですね。
鼓田さんみたいには…。
私みたいとは?
♬〜
お疲れ。
あっ お疲れさまです。 あの…。
治郎でいいよ。
治郎でいいよ。
はい どうぞ。
ありがとうございます。
でも 頑張ってるね。
カレー屋 終わって
局に来てネタ作りなんて。
今は 同僚のお宅に
居候させて頂いていて→
とても助かってます。
こんなプロでもない私に
こうして お部屋も貸して頂けて。
(治郎)礼ならディレクターの
西木さんに言ってよ。
ジョーカー・スコンスキーが
放送作家志望って知って→
一番喜んでるの あの人だし
本気で育てたいみたいだからさ。
私には 本当になれるかどうか
わからないですけど…。
(治郎)ちょっと見せて。
(マキエ)えっ?
あっ… はい。
♬〜
フフッ… 面白いわ。
俺 これでも芸人だから
ネタでお世辞は言わないし。
ありがとうございます。
でも…。
何?
西木さんが
おっしゃってたんですけど→
放送作家志望の投稿者は
たくさんいたとしても→
結局 家の事情でやめてしまう人が
多いみたいで。
私 家族に相談せずに
始めてしまったので。
なんか事情あるなら聞こうか?
軽く飲みながらでも。
いえ。 今日は
帰ろうと思っていたので。
(治郎)そっか。
(治郎)そっか。
なんか吐き出したい事あったら
言ってよ。
ありがとうございます。
お待たせしました。
Bセットでーす。
(久古 蘭)下剋上ね。
あなたが くすぶってる気持ち
よーくわかるわ。
はい?
お店のホームページで
城華さんの人気が急上昇中なのよ。
やっぱり この間
私が調合して与えてあげた→
媚薬スパイスの効果かしら?
媚薬スパイスの効果かしら?
あのですね 常連のお客様だから
目をつぶりましたけど→
普通 あんな事したら
出禁ですからね! 出禁!
だから お詫びに→
今のあなたに ぴったりの
カレー企画 持ってきたの。
「〜不運なあなたをうんと応援〜」
「黄金色の開運ウコンカレー」
って どう?
いや 昼時のカレー屋で→
そんなウンまみれの
カレーの話をされましても…。
大丈夫です。
♬〜
いつの間に!
いつの間に!
こっちはクビになりかけてる
っつうのに…!
いやあ なかなか筋がいいっすよ
城華さん。
あん?
えっ? いや 城華さんが
調理の補助もしたいって言うんで。
店長がお兄さんの事
雇うとか言い出しちゃったから→
それを止めるためってのも
あるかもしれないですけど。
なんか すでに この店に
私の居場所がないような気が…。
何 言ってんすか。
店長はクビとか言ってますけど
いざって時は 俺が…。
(マキエ)あの…
味見して頂いてもいいですか?
いや どうしたよ それ…。
(マキエ)中原さん そんなラジオ女→
いつクビになっても
構わないじゃありませんか。
はあ!?
中原さんの気持ちに
応える気もないくせに…。
(舌を鳴らす音)
(マキエ)ずうずうしい女。
あなたは
安い安いギャラをもらいながら→
深夜の低俗ラジオ番組で
ダミ声 張り上げてりゃいいのよ。
はい。 中原さん あ〜ん。
てめえ 言わせておけば…!
(マキエ)シーッ…。
もう 決着はついてるの。
私の新しい目標っていうのはね→
あなたから ボイジャーの
美人カリスマ店員の地位を→
奪う事だったのよ!
アハハハハ…! アハハハハッ…!
ああっ… うわあーっ!!
ミナレさんも どうすか?
なかなか いけてますよ。
あの… どうかされました?
あの… どうかされました?
えっ? 自分の中の心象風景に
追い詰められてただけ…。
うわ うまっ!
本当ですか? フフッ… よかった。
《上等だよ! もしクビになっても
私にはラジオが…→
冠番組の
『波よ聞いてくれ』がある!》
♬〜(音楽)
『鼓田ミナレの波よ聞いてくれ』〜。
『鼓田ミナレの波よ聞いてくれ』〜。
皆さん 起きててくれて
ありがとうございますぅ。
金曜の深夜 皆さんを
もんもんと とろけさせる→
MRSのウィスパーボイス…
鼓田ミナレですぅ。
本日は やや趣を変えまして→
ヒグマなど出るはずもない
スタジオから→
つややかに むしろ ねっとりと
お届けさせて頂きますぅ。
思いっきりコンセプト変えてきた
って感じね…。
昼で失った人気を 夜で取り戻す
とか言ってましたけど。
昼で失った人気を 夜で取り戻す
とか言ってましたけど。
あいつは
一体 何を目指してんだよ。
まったく もう…。
ミナレさん こんばんは。
結婚10年目にして
妻が不審な行動をしています。
夜な夜な こっそりと家を抜け出し
出かけていくのです。
まさか 浮気かと思い
ある晩 ついに妻の後をつけると→
妻は 近くの公園にいました。
そして なんと 一心不乱に→
インドの国技 カバディを
練習していたのです!
インドの国技 カバディを
練習していたのです!
妻は インド人と
不倫しているのでしょうか?
それとも なんらかの霊に
とりつかれているのでしょうか?
城華さん。
あっ… 中原さん。
来てくださったんですか?
いやあ そりゃ来るでしょ。
姉貴も心配してて
迎えに行けって言われちゃって。
すみません。 寄り道した揚げ句に
ご足労おかけして。
いや 別にいいんだけどさ。
いや 別にいいんだけどさ。
最近 城華さん
夜 出かける事 多いし…。
あっ お兄さんも→
俺んちから店に通うの とりあえず
許してくれてるんだから→
なんかあったら まずいし。
ありがとうございます。
中原さんのお宅に居座るのも
ご迷惑でしょうから→
私も 一日も早く出ていくべきだと
思っているんですけど…。
いや そんなの
気にしなくていいって。
もう 同じ職場の仲間なんだから。
もう 同じ職場の仲間なんだから。
えっ?
あっ いえ…。
♬〜
その… 夜 出かけてるのって→
この前 言ってた
新しい夢とか目標絡み?
あの…
いずれ ちゃんとお話しします。
あの…
いずれ ちゃんとお話しします。
ああ… そう。
まあ それなら それで…。
中原さん。
何?
私 今 すごく怖くて
ドキドキしてます。
兄に逆らって こんなに多くの事を
自分で決めるのが初めてで…。
兄に逆らって こんなに多くの事を
自分で決めるのが初めてで…。
本当に 私には→
自分の人生を切り開く力が
あるのかどうか わからなくて…。
間違ってるのかもしれない。
いろんな人に
迷惑をかけるかもしれない。
でも…→
中原さんには 私の行く末を
最後まで見ていてほしくて…。
中原さんにだけは…!
えっと…
事情は よくわかんないから→
なんとも言いようが
ないんだけど…。
ただ 俺も いずれは
ボイジャー出て→
自分の店を構えるつもりだからさ→
もし この先 城華さんが
自分の進む道を間違えまくって→
もし この先 城華さんが
自分の進む道を間違えまくって→
にっちもさっちも
いかなくなったら→
よければ 俺の店 手伝ってよ。
城華さん いてくれたら
俺も助かるし。
えっ? えっ!? えっ…?
ちょっ ちょっ…!
(泣き声)
(マキエ)本当に…→
(マキエ)本当に…→
あなたは いつもいつも→
優しさだけで
そんな事を言うから→
だから 私…。
あの… ごめん!
というか 今の会話の どの辺に
泣く要素が…?
「聴いたか?
この間の『波よ聞いてくれ』」
「ああ。 最高だったな」
「ああ。 最高だったな」
「ちなみに 俺たち亀の耳は→
目の後ろのほうに
直接 鼓膜がついてるぜ」
「これ 豆な」
「おう。 じゃあ 今度→
美人ラジオパーソナリティー
ミナレさんに→
亀特集やってもらおうぜ」
(瑞穂)ミナレさん 大丈夫ですか?
昨日も おとといも
それ やってましたけど…。
自分で自分にエール送んないと
仕事 行く気しないんだよね。
というか 何もしたくない。
この子たちに
竜宮城に連れてってもらいたい。
多分 3匹 力を合わせても
無理だと思いますけど…。
多分 3匹 力を合わせても
無理だと思いますけど…。
じゃあ 私も亀になる。
(瑞穂)
いや もはや意味不明ですって!
(瑞穂)ああ…。
(麻藤の声)
まだ落ち込んでんのかよ。
(瑞穂)ええ まあ…。
この間の放送の反応
いまだに引きずってるみたいです。
「さすがに狙い過ぎ」
「『波よ聞いてくれ』らしくない」
「リスナーの相談メールなら
茅代まどかの番組で十分」
「リスナーの相談メールなら
茅代まどかの番組で十分」
好き勝手 言われてるな 確かに。
面白かったって意見も
ちゃんとあるんですけどね。
(瑞穂)そうなんですよ。
リスナーさんの数が増えれば→
それだけ いろんな意見が出る
って事も伝えたんですけど…。
まあ あいつは 正攻法とか→
リスナーを気にして どうこう
っていうのは向いてねえんだよな。
まあ 腐ってるなら腐ってるで
しばらくほっとけ。
いや でも 次回放送のネタだって
考えなきゃいけませんし…。
だから ほっとけっつってんだ。
あいつは
ギリギリまで追い込んだほうが→
あいつは
ギリギリまで追い込んだほうが→
前に突き進むパワーが湧いてくる。
そういうタイプだろ。
(ため息)
(ドアの開く音)
女の人の情緒って どういう時に
不安定になるんすかね?
ああ?
あっ いや
ずっと相談したかったんですけど→
ミナレさん ここ何日か
元気なさそうだったんで…。
別に 今だって
元気は ないんだけどさ。
女の情緒って 城華さんの事?
女の情緒って 城華さんの事?
なんで わかったんすか?
そりゃ わかるでしょうよ!
あの子に 買い出しに
行ってもらった直後に→
そんな話 始められたらさ。
で なんかあったわけ?
ええ。 3日前の夜中に公園で…。
カバディしてた?
いや そうじゃなくて…。
えっ カバディ?
(ミナレの声)ふーん…。
頻繁な夜の外出に 突然の涙ねえ。
そうなんすよ。 いや なんか もう
わけわかんないですし→
かといって このまま放置するのも
心配ですし…。
あのね 中原くん まず
基本的な事を言っておくけど→
あのね 中原くん まず
基本的な事を言っておくけど→
女が情緒不安定になるのは
執着してる相手にだけだから。
はい?
どうでもいい男に対して
女は泣きも怒りもしないって事。
あんたと話してる時の
私の温度の低さ 見てたら→
わかるでしょうよ。
いや なんか→
今 ものすごく傷つく事を
言われたような気はしますけど…。
だから 結局 どういう事っすか?
だから… 城華さんは
あんたの事が好きだっつってんの。
普通 わかるでしょうが
それぐらい。
ないっすよ それは。
寝床を提供してる事への
感謝とかは あると思いますけど。
寝床を提供してる事への
感謝とかは あると思いますけど。
そもそも
俺がミナレさんに惚れてる事→
彼女も知ってるわけですし。
あんたね…!
まあ でも 夜の外出については
一回 問いただすべきっすかね。
なんか 変な事に巻き込まれてたら
まずいし…。
よし わかった。
何がっすか?
改めて あんたが
鈍感で無神経で心配性だって事!
大体ね こっちは
クビになる日が近づいてる上に→
この間のラジオがダダ滑りして
面白いネタ探しに飢えてるわけよ。
クビの件についてだったら
俺が なんとかしますし→
ラジオのネタだって
一緒に考えますよ。 例えば…。
カレーのスパイスの
意外な隠し味とか→
カレー屋の裏メニュー紹介とか?
カレー屋の裏メニュー紹介とか?
すげえ。 なんで わかったんすか?
やっぱ 俺ら 通じ合ってんすね!
あんたの 1ミリも面白くない
アイデアなんか→
すぐ読めんだよ!
私は 今 もっと過激で熱いネタを
求めてんの。
そんな私に 話 振ってきた以上
覚悟してもらうから。
覚悟… とは?
(泰三)へえ〜
投稿し始めたきっかけって→
働いてるカレー屋で
ラジオ流してたからなんだ。
ええ。 お店で働いてる方の
影響もあって→
ええ。 お店で働いてる方の
影響もあって→
なんというか
運命を感じたというか…。
(西木)
一緒に働いてる人の影響って→
その人がラジオ好きとか?
うーん
ラジオが好きかどうかは…。
ただ 一人は とても優しい方で→
もう一人は
私と正反対の 強い人なので。
えっ? それ もしかして
どっちかが彼氏とか?
(マキエ)いえ。
私 彼氏いた事ないですから…。
(マキエ)いえ。
私 彼氏いた事ないですから…。
(治郎)ふーん…
そうは見えないけどね。
ᗒ瑞穂! 瑞穂!
あっ… こっち こっち。 おっす。
あっ…!
ミナレさん!
中原さんも どうしたんですか?
その格好。
見てのとおり 変装よ。
私は 過激で熱いネタ集め。
中原くんは 保護者的な心配で
城華さんの事 尾行中なの。
中原くんは 保護者的な心配で
城華さんの事 尾行中なの。
いや 俺は反対なんすけどね
こんな事するの。
で カメラとレコーダーは?
あっ 一応 持ってきましたけど…。
ナイス〜。
肝心の城華さんは?
あそこの居酒屋に入ったんすよね。
個室で 入っても意味ないし
ここで 出てくるの張ってんすよ。
ミナレさんが
雰囲気 出したいからって→
こんなの買ってきて。
張り込みといえば
パンと牛乳でしょうが。
どうぞ。
いらない。
でも ミナレさん
やっぱり まずいですって。
職場の同僚のプライベート
つついて→
ラジオのネタにしようなんて。
ラジオのネタにしようなんて。
中原くん
私を誰だと思ってんの?
プライベートな愚痴を
公共の電波にのせられて→
ラジオ業界に
引きずり込まれた女よ。
常識とか 倫理観とか
知ったこっちゃねえし!
悪いのは 何もかも→
私を こんな女に変えた
麻藤さんだから。
ミナレさん
元々 そういう人だったような…。
おっ 出てきた! ターゲット確認。
(治郎)おいしかった?
(マキエ)はい おいしかったです。
ああ? 誰だ? あの男。
どっかで見た事あるんだけど…。
あの人 アナグマ治郎さんですよ!
アナグマ泰治の!
えっ!
ああ そういや
テレビで見た事ある芸人さんすね。
ああ そういや
テレビで見た事ある芸人さんすね。
ちょい ちょい!
これ 大スクープなんじゃねえの?
ほら 治郎って
確かさ ひと月ぐらい前にもさ→
グラドルだかモデルの子と
スクープされてたでしょ。
ええ まあ…。
(カメラのシャッター音)
(瑞穂)元々 女性関係が派手で
有名な人ですから。
あの2人って付き合ってる
って事なんすかね?
でも だったら やっぱり
ミナレさんが言ってた事→
間違いっすよ。
城華さんが 俺の事 好きとか…。
チッ… 嬉しそうな顔すんなよ!
だからといって→
私の気持ちが あんたに
傾くわけじゃないんだから。
私の気持ちが あんたに
傾くわけじゃないんだから。
あっ ほら 追わないと!
(瑞穂)ミナレさん! ミナレさん!
シーッ!
もしかして→
治郎さんのスキャンダルを
ラジオのネタにする気ですか?
いや さすがに それは…。
大丈夫よ!
「AナグマT治のG郎が
女の子をお持ち帰りしてた」って→
ちゃんと ぼやかすから。
いや ほぼ まんまなんですけど。
私の番組はルール無用!
正攻法が否定された以上→
暴露系ラジオパーソナリティーとしての道を
新たに切り開いてくれる!
♬〜
♬〜
♬〜
♬〜
何階だと思う? 俺の部屋。
(治郎)どうぞ。
(マキエ)お邪魔します…。
(治郎)入って 入って!
まあ 適当にくつろいでよ。
あっ なんか飲む?
(マキエ)お酒は もう…。
ああ そう。 じゃあ これは?
これ。
なかなか やる機会ないよ これ。
それより…。
それより…。
城華さん 案外せっかちだね。
ああ… さて どうするか。
「どうするか」って
もう やめときましょうよ。
中に入ったって
部屋番もわかんないんだし。
そりゃ もう 片っ端から
インターホン押してくしかないっしょ。
南波さん マジでミナレさんの事
止めてください!
ラジオを免罪符にして
暴走してるんすから!
私なんかに止められるわけ
ないじゃないですか!
じゃあ あの 麻藤さんに連絡して。
じゃあ あの 麻藤さんに連絡して。
あの人は止めません。 なんなら
火にガソリンかけるタイプです。
ミナレさん絡みだと
混ぜるな危険です!
101からでいいかな?
(ドアの開く音)
(操作音)
(ドアの開く音)
ちょっ ちょっ…!
(瑞穂)ちょっと…!
せっかく開いたのに
もったいねえな! クソ…。
あれ? 今の 大神みんとですよ!
この間 治郎さんと
スクープ写真 撮られてた子です。
えっ マジで!?
じゃあ これ 修羅場じゃん!
めちゃくちゃ嬉しそうっすよ
ミナレさん。
めちゃくちゃ嬉しそうっすよ
ミナレさん。
ᗒ(ドアの開く音)
(治郎)みんと! どうしたの?
(大神みんと)ねえ
なんで 女物の靴があるの?
(治郎)女物? どれ どれ どれ?
(みんと)だから何? どけて!
(みんと)ほら…
やっぱり 女 連れ込んでた。
いや 違う。 彼女は違うから。
誤解だから。
イッタ…!
(みんと)何が違うわけ?
別れ話して まだ2週間なのに!
いや だって
事務所の社長に怒られたから→
いや だって
事務所の社長に怒られたから→
別れようっつったの お前…。
アタッ!
(みんと)普通
もっと 未練 持つでしょ!?
こっちは また撮られるかもって→
ビクビクしながら
会いに来てあげたのに。
いや そう思うなら 来んなよ!
しかも アポなしで…。
アタッ! 痛え… 痛え…!
あの… 誤解なんです。 私は…。
はあ?
誤解なら さっさと帰りなよ。
いや 帰んないで。
今 二人っきりになったら
こいつ 何するか…。
(携帯電話の着信音)
(治郎)いやいや ごめん ごめん…。
一回 話し合おう。 話し合おう。
落ち着いて 落ち着いて…。
一回 話し合おう。 話し合おう。
落ち着いて 落ち着いて…。
(マキエ)すみません。
(治郎)悪いとこ出てる お前 ねっ。
はい 城華です。
「城華さん 大丈夫?」
えっ?
いや 俺ら 今→
アナグマ治郎さんの
マンションの前にいるんだけど…。
「そこに 女の人が
乗り込んでいったから…」
確かに 今 そういう状況で…。
(治郎)あーっ!
(みんと)もういいわ!
あんた殺して 私も死ぬから!
危ない 危ない 危ない…。
やめよう。 ねっ。
(治郎)マジ… あーっ! 危ない。
いや マジで危ない。 やめて。
大変です!
大変です!
(マキエ)
「今 女の人が包丁を持って…」
部屋番 教えて! すぐ行くから!
瑞穂 カメラとレコーダー準備。
戦場カメラマンより冷静!
さあ 行くぜ!
あっ! あっ! ああっ…!
話し合おう。 ねえ。
落ち着いて。
おお… おつ おつ おつ…。
(瑞穂)すみません。 お邪魔します。
おお〜!
期待どおりの すげえ修羅場!
えー… たった今
殺人事件の現場に到着しました!
えー… たった今
殺人事件の現場に到着しました!
(2人)はあ?
あっ… ミナレさん まだ
殺人事件の現場じゃないです。
えっと 殺人未遂事件の現場です。
ああ… ですです!
あっ いえ まだ脅迫の段階です。
まあまあ まあまあ…。
(みんと)
なんなのよ? あんたたち。
いきなり ぞろぞろと…。
城華さん この人たちは?
MRSの暴露系深夜ラジオ
『波よ聞いてくれ』の→
突撃パーソナリティー
鼓田ミナレです!
アナグマ治郎さん→
今 まさに刺されようとしている
心境を一つ!
た… 助けてくれ!
頂きました!
渾身の「助けてくれ」!
さあ ここで 今 まさに
刺そうとしている彼女は→
さあ ここで 今 まさに
刺そうとしている彼女は→
どうされますか!?
何 ふざけてんのよ あんた。
私 本気なんだから!
だったら さっさと
刺してください。 尺もあるんで。
はあ?
出てってよ!
さもないと あんたの事も…。
刺しますか 私の事を?
だったら どうぞ刺してください。
思いきってプスッと。
えっ?
ミナレさん!
あなたが治郎さんを刺しても
ラジオのネタにします。
私の事を刺しても
ラジオのネタにします。
来ないでよ!
来たら 死ぬから。
あなたが自分の事を刺しても→
もちろん 全部
ラジオのネタにしますよ 私は!
何よ…。
私… 治郎と写真撮られちゃって→
仕事だって
干されるかもしれないのに…。
あのね だからって→
痴話喧嘩に包丁を持ち出して
何になるんですか?
それで誰かにケガさせて
問題が解決するんですか?
あなたの人生が
切り開かれるんですか?
むしろ お先真っ暗ですよ。
いや あんたが
刺せって言ったんじゃ…。
いや あんたが
刺せって言ったんじゃ…。
だから 私は 芸人でもないし
この子みたいに→
グラドルだかモデルだかやって
キラキラしてる女でもないから→
生き残るためには
こうやって 体張って→
人生 切り開いていくしか
ないんですよ!
バイトもクビになりかけてる。
追い詰められた
新人ラジオパーソナリティー→
なめんなよ コラッ!!
(刺さる音)
ああっ…!
なんなの? もう…。
私は ただ 治郎と
仲直りしたかっただけなのに。
私は ただ 治郎と
仲直りしたかっただけなのに。
おい 大丈夫か?
えーっ!! 刺さないの〜!?
鬼ですか? あんたは。
あの… すみません。 私のせいで
こんな騒ぎになってしまって。
別に いいんすけど…。
城華さんが
誰とお付き合いしてるとか→
そういうの 俺らが
口出しするような事じゃない…。
付き合ってません! 違います!
私は ラジオの勉強のために…。
俺 古い資料集めるの
趣味なんだよ。
俺 古い資料集めるの
趣味なんだよ。
芸人目指したのも
ラジオが入り口だったし→
マニアの人から
昔の録音テープもらったりして…。
それを 城華さんが
興味あるっていうから…。
いや でも
多少 下心あったでしょ?
多少というか 9割ぐらい。
いやいや いやいや… ちょっとね。
でしょ?
ダメだよ 城華さん。
城華さんに
そんなつもりがないのに→
男の人の家に こんな時間に
上がり込んだりしちゃ。
すいません…。
まあ でも 確かに ラジオ好きなら
たまらないですよ この資料は。
私も興味ありますもん。
私も興味ありますもん。
私 なんだか焦ってて…。
投稿が採用されて→
もっと面白いものを書かなきゃ
早く一人前にならなきゃって。
(瑞穂)えっ?
まさか 『アナグマ禁猟時間』で
話題になってた→
ジョーカー・スコンスキーって
城華さんですか!?
あっ… はい。
えっ マジで!?
そんなすごい
ネタ作りの才能あるなら なんで→
『波よ聞いてくれ』じゃなくて
『アナ禁』に?
なんか
浮気された気分なんですけど!
なんか
浮気された気分なんですけど!
あっ いや… なんというか…。
あっ… 治郎さん すみません。
私 考えなしにお宅にお邪魔して
本当に申し訳ありませんでした。
でも 私 好きな人がいます。
ほら やっぱり。
城華さん 他に好きな人いるって。
お前 いい加減にしないと
マジでぶん殴るぞ この野郎!
なぜ?
大体→
なぜ?
大体→
人気芸人が痴話喧嘩で刺された
って現場を期待してたのに→
どうしてくれんのよ
私の次の放送ネタ!
じゃあ やっぱり
俺の とっておきの→
カレー面白エピソードを…。
だから それ→
つまんねえ
っつってるだろうがよ!
カレー…?
(師匠のせき払い)
♬〜
♬〜
さすがのお手前。
(師匠)わしも この年じゃ。
お前に渡せるスープも
これが最後。
お前に渡せるスープも
これが最後。
(師匠)厳しい修業から逃げ出した
わしの孫が戻る事は→
もう あるまい。
わしが受け継いだ店の名は
お前に譲るとしよう。
師匠… 私は そこまで→
人の心がわからぬ人間では
ございません。
師匠が 本当に
店の名を継いでほしいのは…。
お前は…!
お前は…!
お孫さんです。
今まで黙っていましたが→
数年前から 私の店で
調理担当として雇っておりました。
すまねえ。
俺は 今日 じいさんに
真実を伝えに来たんだ。
真実? 一体 なんの話だ?
それに そちらの2人は?
あっ… 彼の妻と愛人です。
いや 違うから!
じいさん 俺が
店長の店に潜り込んだのは→
じいさん 俺が
店長の店に潜り込んだのは→
あんたの味を盗むためだったんだ。
じいさんが代々受け継いできた
秘伝のスープを→
あの店に卸してるって聞きつけて。
でも そこで
何もかも知っちまった。
あの店では じいさんのスープは
一滴も使ってない。
いや 使えないというか
使う必要がないんだよ。
どういう事だ?
残念だけど 店長のカレーは→
残念だけど 店長のカレーは→
とっくに
師匠の味を超えちゃってんの。
というか おじいちゃん
ぶっちゃけ→
あんたが作ってるカレースープ
あんまりおいしくないから。
えっ!? マジで!?
わしのじいさんの代から
受け継いできたレシピなのに?
そりゃ ガキの頃から
自分とこのカレーだけを食わされて→
秘伝だ秘伝だって
教え込まれてたらね…。
俺は ずっと 実家のカレーという
檻の中に監禁されてたんだ。
それを 店長が解き放ってくれた。
私が望んでいたのは たった一つ。
あなたに 自分自身の
新しいカレーの世界を→
あなたに 自分自身の
新しいカレーの世界を→
切り開いてほしかったの。
店長…。
いやいや いやいやいや…。
ええっ? わしの立場は?
おじい様→
店長が あなたの事を思って
黙っていた事が→
もう一つあります。
ああ。
店長は じいさんの店の名前を
継ぐ気はなかったし→
俺にも継がせたくないと
思ってたんだ。
俺にも継がせたくないと
思ってたんだ。
(師匠)な… なぜだ?
おじいちゃんの店の名前は?
ハイヌウェレ。
おじい様のおじい様が 創業の時に
付けられた名前ですよね。
なんか 響きがそれっぽい
という理由だけで。
あんたさ 名前の由来
調べた事なかったの?
いや…。
ハイヌウェレっていうのはね…。
ハイヌウェレというのは?
尻から黄金をひねり出す→
尻から黄金をひねり出す→
インドネシアの
女神の名前なのよ!
よし…。
お疲れさん。
ああ… どんな感じでしたかね?
いいんじゃねえか?
しゃっ!
つうか この台本
どこまでガチなんだよ?
全部 創作ですよ。 あの店→
店長が北海道旅行した時に食べた
スープカレーに感動して→
始めたんですもん。
師匠とかいないし→
悪趣味な店のカレー屋も
架空ですって。
でも お前も
いい感じにノッてたじゃねえか。
でも お前も
いい感じにノッてたじゃねえか。
放送前日の店の休みの日に
収録に来るって姿勢→
そこも評価しておくよ。
まあ いろいろクリアして
すっきりした→
っていうのもありますし…。
あんたのクビは撤回。
えっ 本当に!?
仕方ないでしょ。
亨くんも さすがに→
本気で転職する気は
なかったみたいだし。
誰かさんは
切り札 出してきちゃうし。
切り札?
まあ 残るからには→
しっかり働いてちょうだいよ。
ウッス!
あと チャンスがあったら
ラジオで店の紹介よろしくね!
ウッス!
よっしゃ!
よっしゃ!
中原さんが 店長に
直談判してくれたみたいです。
鼓田さんをクビにするなら
自分も辞めるって。
えっ マジで!?
(マキエ)ええ。
惚れた弱みだって笑ってました。
《あいつ また余計な事を→
言うべきじゃない相手に
向かって…!》
(マキエ)それと これは私からです。
「知られざる
スープカレー屋伝説」?
「知られざる
スープカレー屋伝説」?
面白かったら採用してください。
この間のお詫び。
ああ… いえ 違いますね。
私 鼓田さんのおかげで…。
うん?
せっかく書いてもらった
台本ですしね…。
まあ 私的には 暴露系ラジオで
アナグマ治郎のスキャンダルネタ→
っていうのも
捨てがたかったんですけど。
まあ でも まさか お前の同僚が
放送作家志望とはな。
まあ でも まさか お前の同僚が
放送作家志望とはな。
しかも 『アナ禁』リスナーだろ?
強力なライバル 登場じゃねえか。
ほう… ライバルか。
まあ 気にする事でもねえさ。
お前の強みは→
ラジオの事なんて
なんにも知らねえ→
って事なんだから。
放送作家? ラジオの?
(マキエ)はい。
もう決めた事ですから。
私… 自分自身の力で
人生を切り開いていきます。
(女の子)
すご〜い! わあ すごい!
お兄ちゃん 私にもやらせて!
いいよ。
♬〜
困った事があったら
連絡してきなさい。
俺は お前の家族だから。
♬〜
ありがとう 兄さん。
♬〜
よかったじゃん
わかってもらえたみたいで。
よかったじゃん
わかってもらえたみたいで。
ありがとうございました
付き合って頂いて。
いや 店も休みだったし
このくらいは。
お店の同僚だから… ですよね
私の場合は。
えっ? まあ そうだけど。
そうだ。 その後 大丈夫なの?
この間
あんなドタバタやっちゃって→
放送作家目指すのに支障とか。
放送作家目指すのに支障とか。
治郎さんは
気にしないでくれって。
プライベートな事だし→
自分がバレたら
ディレクターに叱られるから→
忘れてほしいそうです。
そっか。 じゃあ ひと安心だ。
中原さん…。
私 負けませんから。
何が?
何が?
あっ… いえ。
♬〜
じゃあ お疲れ。
あっ 麻藤さん。
うん?
ああ… 前に話してた芸人さん…→
シセル光明でしたっけ?
おお。
シセル光明…→
シセル光明って芸人 わかるよな?
その芸人さんって
どんな人だったんですか?
どんな人って お前
めちゃくちゃ面白かったよ。
俺がテレビからラジオに移る
きっかけを作った人だ。
ああ〜 そうですか。
なんか思い出したか?
全く!
お疲れさまでした〜!
いや…。
お疲れさまでした!
はいはい… お疲れ〜。
はいはい… お疲れ〜。
(瑞穂の声)
あれ? ミナレさん これ…。
ああ?
(瑞穂)似てますよね
ミナレさんに。
ああ…
知る人ぞ知る芸人さんだよ。
ラジオとか舞台中心だったから
知名度低いし→
結構前に亡くなってるはずだけど。
シセル光明…。
シセル光明…。
(治郎)あの… それはそれとして
そろそろ帰ってもらえません?
何もらってるの? それ。
はあ…
なんだろうな このモヤモヤは。
Can't find what you're looking for?
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