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(茅代まどか)「『茅代まどかの
September Blue Moon』」
「そろそろ お別れの時間が
近づいて参りました」
「では ここで
次回のメールテーマを発表します」
「春は出会いの季節であると同時に
別れの季節ですよね」
「そこで
“こんな最悪の別れ方をした”→
“こんな ひどい振られ方をした”
というエピソードを募集します」
「タイトルは ずばり
“お前を許さない”」
殺してやる…。
(鼓田ミナレ)いやあ 26にもなって
男と別れるの きっついっすわ!
意味合い 変わっちゃうんですよ
意味合いが。
こういうの わかります?
えー… 麻藤さん!
〈大抵の悲劇からは
5日で立ち直る自信がある〉
〈ただし 大抵
その5日目が一番荒れる〉
光雄はね…
あっ 別れたカレですけど→
福岡の出身だったんすよ。
福岡って
かわいい子 多いじゃないですか。
福岡って
かわいい子 多いじゃないですか。
で 言いやがるわけですよ。
「俺の地元なら お前の点数
食べログで3.2」とか。
3.2 悪くないじゃないですか!
結構 いい店 多くないですか!?
3.2。
(ため息)
なんで いつも
毎回 こうなっちゃうのかなあ…。
〈この日も そうだった〉
〈40分前に知り合った
赤の他人のオジサマに→
失恋の愚痴を語りまくり…〉
私ね 思うわけですよ。
恋愛における地方性って
面倒くさいなって。
〈そこで記憶が途切れて
気づいたら 自宅のベッドにいた〉
〈これも いつもの事〉
♬〜
♬〜
こういうとこが
かわいげないんだな 私って。
♬〜
♬〜
(泣き声)
口紅…?
おはようございます〜。
(宝田嘉樹)鼓田さん!
今月中に3回遅刻したら
クビって言われて→
その2回目を
あっさり消費した気分は?
失恋中はノーカンって事で 一つ。
(宝田)なめてんの?
さっさと着替えて
お店情報 更新してちょうだい!
はいはい。
今日のパン ブリオッシュっすね。
プレチョンカと
ポンデケージョでしょ!
(キーボードを打つ音)
なんだよ 「幸せパン指数」って。
(舌打ち)
しゃらくせえ。
(中原忠也)仕入れから戻りました。
(中原忠也)仕入れから戻りました。
お疲れ〜。
すいません ミナレさん。
昨日 酒 付き合えなくて…。
大丈夫 大丈夫。
朝まで がっつり泣いて
涙も枯れたし すっきりよ。
つうか
結果的によかったですわ!
バーで イケオジと
お知り合いになっちゃったし。
えっ? …どんな男っすか?
マスコミ関係っつってたかな?
いい感じに うさんくさくてさ…。
あっ 確か 名刺 交換したわ。
ああ…。
へえ〜 ラジオ局の人なんすね。
本当だ。
へえ〜 ラジオ局の人なんすね。
本当だ。
あれ? MRSって…。
(まどか)「皆さん こんにちは」
「MRS円山ラジオ 12オクロック」
(まどか)『茅代まどかの
September Blue Moon』の→
お時間です。
いやあ やってしまいましたよ
皆さん。
運転歴8年目にして とうとう
ゴールド免許返上の痛恨のミスを。
(まどか)「さあ 気を取り直して
今日の1曲目 いってみましょう」
「ZARDで『負けないで』」
ご注文 決まりましたら
お声がけください。
ごゆっくり どうぞ。
(宝田)お願いします。
はい。
お待たせしました〜!
こちら
AセットとBセットになります。
おいしそう!
あざっす。
スープカレーって
北海道が有名ですよね。
本場でも こんなふうに
パンで食べるんですか?
いや あんまりないっすね。
私 釧路出身の道産子ですけど→
ライスとか玄米を出す店のほうが
多かったし。
まあ 店長のこだわりっつうか
戦略っすかね。
まあ 店長のこだわりっつうか
戦略っすかね。
アジアンなイメージなくしたほうが
客にウケるって計算 大当たりで→
そこそこ評判いいんすよ。
うっ…!
鼓田さん!
ここはいいから
奥で皿洗いしてて。
はい。 ごゆっくり〜。
アルバイトが適当なご説明をして
申し訳ありません。
当店のコンセプトは→
「パンとカレーの夢空間」で
ございまして…。
なーにが「夢空間」だか。
なーにが「夢空間」だか。
だったら
FMラジオ 流しっぱじゃなくて→
オサレなボサノバでも
かけろっての。
仕方ないっすよ
店長の趣味なんすから。
(まどか)「それでは 早速→
本日のメールテーマに
移りましょう」
「タイトルは “お前を許さない”」
「ひどい失恋をした方々から→
その恨みつらみが
たくさん届いています」
うわあ 今の私に超刺さる〜!
癒やされるわ〜 他人の不幸が
エグけりゃエグいほど。
全然 すっきりしてないじゃ
ないですか。
(まどか)「そして 今回→
なんと 20代の ある女性から
生の声が届いています」
「では 早速 聴いてみましょう」
(ミナレの声)「私ね 思うわけですよ」
「恋愛における地方性って
面倒くさいなって」
「その 福岡出身のカレ
マジ最悪でしたもん」
「九州男児で その上 ご丁寧な事に
長男ですよ 長男!」
「もう わがままで わがままで→
ちやほやされすぎの典型でしたよ
あれは」
「なんか 福岡って 男女比率で
女の人が かなり多いらしくて」
「つまり “自分が選ぶ側”っつう
自信からくる態度なんですよね→
あの
ナチュラルボーン・俺様っぷりは」
なんか この声
ミナレさんに似てますね。
(ミナレの声)「そしたら ある時
カレが こう言うわけですよ」
「“実家のおやじが大変だ。
すぐに帰らなきゃ”って」
「エッチしたあとに真顔で」
えっ? ちょっ… ミナレさん!?
鼓田さん!
(ミナレの声)「いきなり
そんなふうに切り出されたら→
プチパニックですよ こっちも」
プチパニックですよ こっちも」
「で 当然 詳しい事情 聞かせなよ
って流れになって…」
彼のお父さん 町工場の社長で
部下が金を持ち逃げしたから→
このままじゃ
不渡りが出るの出ないのって話で。
涙ながらに言うわけですよ。
「おやじに
恥をかかせるわけにはいかない」→
「これは長男の意地だ!」って。
(麻藤兼嗣)かっこいいね それは。
そう!
その時は マジで
そう思っちゃったんですよ。
光雄って 基本 ヘラヘラしてる
っていうか…。
さっき話した
わがままっていうのも→
亭主関白系じゃなくて→
こっちが
甘えさせちゃう系なんすよ。
「仕方ないなあ もう」って…。
母性本能っていうんですか?
それをくすぐられちゃうと
ダメだったんですよ!
なのに
急に シリアスな横顔 見せて→
お父さんの話とか
始めやがるから…。
ギャップにやられたか。
(ミナレの声)「その時は
感心しちゃったんですよね」
「“ああ これが
九州男児の男らしさか”って」
「それで 私も力になりたいとか
舞い上がっちゃって→
渡しちゃったんですよ
なけなしの貯金から50万ほど」
(麻藤の声)「50万は でかいなあ」
(ミナレの声)「でかいですよ!」
「26歳 一人暮らしの
フリーターにとっちゃ→
爪に火ともすような生活
送りながら→
いざって時のために貯めといた
お金だったんです」
で ここまで言えば
オチは読めたでしょうけど→
この話 大嘘なんですよ。
お父さんの話も
町工場の不渡りの話も 全部!
全部ですよ!?
死ねと! もう死ねと!
(ミナレの声)
「それっきり連絡もつかないし→
知り合いからは “前に
彼が他の女と歩いてるのを見た”→
“それも複数回
それぞれ 別の女と”とか→
“それも複数回
それぞれ 別の女と”とか→
今さら言われるしで
踏んだり蹴ったりというか→
泣きっ面に蜂というか
弱り目に祟り目というか…」
この名刺の人に
会わせてください!
お約束は おありでしょうか?
ないけど
会う資格は十分にあります!
確認致します。
ああ もう!
(警備員)ちょっと…!
離せよ!
急いでんだよ こっちは!
名刺あんだろうが! 名刺がよ!
(ミナレの声)「ぶっちゃけ
一番 腹が立つのは→
大金を取られた事じゃ
ないんですよ」
大金を取られた事じゃ
ないんですよ」
「あいつが 私に対して→
この女は この辺が潮時だなって
判断を下したって事実が→
何より頭にくるんですよ!」
「自分で言うのもなんですけど
私 結構 いい彼女だったのに!」
マジで九州男児は女の敵です 敵!
地球上の40億全ての女たちに
訴えますよ 私は。
福岡出身のイキり系の男には
気をつけろって!
…って 聞いてますか!? 麻藤さん。
ああ 聞いてますよ。
いやあ 面白いね お姉さんの話。
いやあ 面白いね お姉さんの話。
(ミナレの声)「ええ。 もう
面白がって頂いて結構ですよ」
おお! 来たねえ。
(南波瑞穂)えっ? 誰!?
(箱坂富美)本番中!
(まどか)何よ? あなた。
この放送 止めてください
今すぐに!
(久連木克三)
まさかのご本人登場かよ。
ちょっと… どうやったら
止まるんすか!? これ。
お姉さん 止めるからには
間 持たせてくれるんだよな?
はあ!?
ラジオには
3秒ルールってのがある。
無音が3秒続けば 放送事故。
8秒も続けば 俺の首が飛ぶ。
っていう事なんで よろしく。
はあ!? いや ちょっ…
「よろしく」って…。
茅代ちゃん
1分だけ代わってやって。
(まどか)えっ?
(瑞穂)麻藤さん 本気ですか!?
(富美)素人さんですよ?
これでクレームが来るようじゃ
ラジオもつまんねえよ。
なあ? 久連木。
あんたの番組だ。 好きにやんなよ。
よし! 決まりだ。
いいわ。 座って。
えっ? いや でも…!
お姉さん…
お姉さん 聞こえるか?
そこのキューランプが光ったら→
1秒以内にレバーを上げて
トークを始めろ。
それで
あんたの肉声が電波にのる。
(まどか)
カフの操作は 私がやります。
背中をたたいたら 話し始めて。
あっ はい…。
いいか? 姉さん。
この放送は 逃げた彼氏も聴いてる
可能性があるんだぞ。
ガツンと たたきつけてやれ!
あんたの言葉を。
〈この瞬間 理解した〉
〈私は あの麻藤ってオッサンに
はめられた〉
(背中をたたく音)
皆さん! たった今→
酒にのまれたバカが
長々と くだを巻いていましたが→
私は 九州男児 福岡の男性全てが
悪だ!→
などと言うつもりは
これっぽっちもございません。
などと言うつもりは
これっぽっちもございません。
私自身も 彼との付き合いで
間違いを犯していました。
彼の人間的にダメな部分を→
「九州男児だから」と
放置していた事です。
そうやって 彼の欠点から
目を背けてたほうが→
楽だったからです。
その結果→
彼は 犯罪まがいの事をして
私の前から消えてしまいました。
これは自業自得です。
身から出た錆です。
因果応報です!
なので 私は誓います!
今度 恋愛する時は
九州男児は男尊女卑だとか→
東京もんは冷たいだとか
B型は わがままだとか→
東京もんは冷たいだとか
B型は わがままだとか→
そんな考え方で人をくくったりは
絶対にしないと!
そして 最後に ひと言…。
光雄ーっ!
あんたは
地の果てまでも追い詰めて→
必ず殺す!
♬〜
はい お疲れさん。
(久連木)はい。
(まどか)お疲れさまでした。
お疲れちゃん。
いやあ 最高でしたよ お姉さん
昨日も今日も。
麻藤さん…→
私 この件
出るとこ出ますからね。
ああ…。
えーっと…。
「私 鼓田ミナレは→
麻藤氏との会話の内容を
何人に伝えようと→
麻藤氏との会話の内容を
何人に伝えようと→
一切文句を言いません」
あっ!
(泣き声)
口紅…?
この店 前に行ったけど
結構うまいんだよな。
まあ 脅かした詫びも兼ねて
また 近いうち 食いに行くよ。
♬〜
クビになってなければ…。
クビに決まってんでしょ!
えっ!?
度重なる遅刻
昼の書き入れ時に職場放棄!
世の中はチュッパチャプスか?
なめすぎだろ ペロペロと!
いやいや… 自分の身に置き換えて
考えてみてくださいよ 店長!
突然 ラジオから
自分の声が聞こえてきたら→
パニクりません?
泣き出すか 気絶するか→
職場放棄しても
おかしくない状況ですって!
その辺り カレーを煮込む要領で→
じっくりコトコト
考えて頂いてですね…。
うん。 クビ!
早っ! レトルトより即席っすよ!
早っ! レトルトより即席っすよ!
店長… ミナレさんの事
許してあげてください。
そりゃ ミナレさんは
いろいろ 問題 多いですし→
オープニングスタッフで
付き合い 長い分→
店長の事は
なめてると思いますけど…。
でも ミナレさんって
結局 こういう人じゃないですか。
悪気なんか
全然 これっぽっちもないんすよ。
中原くん…。
はい。
1ミクロンも
フォローになってないよ。
むしろ とどめを刺しにきてる。
いえ そんなつもりは…。
でも ほら ミナレさんは明るいし→
客ウケは
すげえいいじゃないですか。
客ウケは
すげえいいじゃないですか。
それは ぶっちゃけトーク
大好き人間だからでしょ。
この子が お客様に
戦略だとか 計算だとか言う度に→
私の求める
「パンとカレーの夢空間」が→
ぶち壊されるの!
私的には→
店長の そのイミフなコンセプトと
バランス取ってたんです!
いわゆる
マリアージュってやつですよ。
大きなお世話よ! とにかく
バイトを募集して 半月以内に→
中原くんみたいに
真面目で すれてない男の子を→
新しく雇うから→
その間 しっかり働きつつ
必死に転職先を探しなさい!
クビが確定した人間に
しっかり働けと?
彼氏に
50万 だまし取られたんでしょ?
日割りのバイト代だって
バカにならないと思うんだけど?
♬〜「はぁ?
うっせぇうっせぇうっせぇわ」
♬〜「あなたが思うより健康です」
♬〜「一切合切凡庸な
あなたじゃ分からないかもね」
♬〜「残酷な天使のテーゼ」
♬〜「残酷な天使のテーゼ」
♬〜「窓辺からやがて飛び立つ」
♬〜「ほとばしる熱いパトスで
思い出を裏切るなら」
どうせ
私は不真面目で すれてんよ!
なーにが「夢空間」だ。
あのメルヘン野郎ーっ!
はあ…。
飲みすぎっすよ ミナレさん。
2日連続でしょ?
飲まずにやってられっかよ!
ほら まだまだいくぞ 中原!
まあ 付き合いますけど…。
まあ 付き合いますけど…。
つうか 宝田店長→
ミナレさんに 急に
当たり きつくなりましたよね。
去年 俺が来た時は
そんなでもなかったのに。
固定客がついて 店も安定したし→
女のバイトが
邪魔になってきたんでしょ。
店長 男の人が好きだから。
そりゃ まあ 日々の言動 見てれば
わかりますけど。
店の入り口んとこ→
客と記念撮影した写真
貼ってあんじゃん?
あれ
女とか タイプじゃない客の時と→
イケメン細マッチョの時で
ノリが全然違うしさ。
確かに。
(中原の声)俺も 調理場 任されて
レシピ教えてもらった時も→
(中原の声)俺も 調理場 任されて
レシピ教えてもらった時も→
妙に手取り足取りでしたし。
(宝田)うーん! いい味 出てるよ。
ああ… ありがとうございます。
(宝田)いい味 出てる どんどんと。
ねえ〜!
ハハッ…!
で… でも 俺 別に
そういうの 偏見とかないですし→
宝田店長が作るカレーは
純粋に すげえって思ってます…。
わかってないな 中原くん。
店長が私を辞めさせる理由は
ずばり→
あんたを 本気で
落としにかかってるって事よ。
あんたを 本気で
落としにかかってるって事よ。
えっ? いやいや
でも 俺 そういうの…。
関係ないの!
新しく男のバイト雇ったら
店長とあんたと3人で→
本当の意味での「夢空間」が
完成すんのよ!
アハハッ! アハハハハッ…!
うっ…。
うえっ… 飲みすぎた…。
だから 言ったじゃないですか。
気持ち悪い…。
はい お水です。
ああ…。
ああ〜!
(ため息)
仕事 どうしよう。
来月 アパートの更新だし…。
大体 話 違くない?
男運が尽きた分
仕事運は回ってくんのが→
人生の法則ってやつなんじゃ
ないの?
そんなの 誰が言ってたんですか?
よく見てる占いサイト。
っていうか
男に金だまし取られた揚げ句→
逃げられて
それをバーで愚痴ったら→
勝手にラジオで流されて
その上 仕事もクビって!
宝くじ当たるか
油田掘り当てるかくらいしないと→
釣り合い取れないっての!
ああっ クソッ!
新しいバイト先なら
一緒に探しますし→
なんなら 俺が
宝田店長の事 説得しますよ。
ミナレさんの事 クビにするなら
俺も辞めるって。
で それでもダメだったら
その時は…。
その時は?
うち 来ます?
ぶはっ…!
ど… どうしたんすか?
いや 今 あんたの家で暮らしたら
どうなるか→
高速でシミュレートしてみたんだけど…。
その結果は?
(ミナレの声)あんた 托鉢僧になって
街角に立ってたわ。
何かを悟った表情で…。
ミナレさん 俺 その…
VOYAGERに入った時から→
ミナレさんの事が…。
中原くん!
私が男と別れて
自分のターンが回ってきたと思う→
私が男と別れて
自分のターンが回ってきたと思う→
あんたの気持ちは よーくわかる。
でもね
私とあんたを結び付けたのは→
あの店のスープカレーでしょ?
だから…。
だから?
あんたとは
サラッサラな関係でいたいの。
スープカレーのように
サラッサラの。
いや 人の真剣な気持ちを
そんなベタな比喩で…。
べ べ… 別に
うちに来たからって→
恋人っぽい行為は一切なしで
構いませんし。
下心半分 優しさ半分…。
ハハッ!
中原くん。 私が
本当に本当に本っ当に困ったら→
あんたの その半分の優しさを
思い出すから。
じゃあ 私は これで。
あっ 送っていきますよ。
大丈夫!
記憶は失っても
自宅には ちゃ〜んと帰り着く→
かわいげのない女よ 私は。
俺は振られたのか?
いや それとも→
本当にミナレさんが困った時
待ち?
♬〜
《私 どうなるんだろう?
これから》
《50万…》
《光雄 マジで死ね!》
(足音)
光雄…?
(沖 進次)違いますけど…。
(沖)あっ ちょっと… うっ!
(沖)ああっ イッタ…!
警察ですか!?
すぐに来てください!
変質者が家に…!
(ドアの開く音)
うわっ!
誰か来て! 火事よ! 助けて!
うっ…! 誰かーっ!
(警察官)えっと
つまり 状況を整理しますと…。
上の階の住人である
こちらの女性が→
酔っ払って
部屋を間違えましてね。
酔っ払って
部屋を間違えましてね。
(沖)ちょっと!
起きて… 起きてください!
(沖の声)いっつも
玄関で そのまま寝てしまって→
声をかけても 揺すっても
起きないものですから…。
(沖)起きてください!
(沖の声)放置するわけにも
いかないので…。
ううっ…。
(沖の声)部屋に運びまして…。
(ドアの開閉音)
玄関の靴も あなたが!?
ええ まあ…。
外に放り出すと
何度でも戻ってくるし→
鍵をかけると 泣きわめいて
ドアをたたき続けるし…。
今回は 2日連続でやられた上に→
こんな騒ぎになるとは
思いませんでしたけど。
そんな…!
酔って 記憶を失っても
靴は玄関にキチンとそろえちゃう→
かわいげはないけど なんやかんや
ギリギリのところで→
ちゃんとした女だって
自分の事 信じてたのに!
いや そこに
ショックを受けられても…。
(警察官)
まあ 事件性はないようですが→
気をつけなきゃダメですよ。
気をつけなきゃダメですよ。
こちらが紳士的な方だから
よかったようなものの…。
そりゃあ もう
こんなご迷惑をかけた以上→
少しぐらい触られてようと
もまれてようと→
絶対に訴えたりしませんから!
(沖)安心してください。
運ぶ時以外は
一切 接触していませんから。
というか 僕 嫌いなんですよ。
酒にのまれる 破滅型の女性。
♬〜
うん。
やっぱり
初回のカレー屋の姉ちゃんが→
一番ウケてるな。
(瑞穂)私も
聴いててワクワクしました。
「地の果てまでも追い詰めて
殺す!」って。
私も
いつか やってみたいですもん。
(富美)「言ってみたいです」だよね
瑞穂ちゃん…。
久連木は どうよ?
構成作家としての感想は。
う〜ん レコの部分は→
口達者な酔っ払いって感じで
まあまあだったが→
ブースに来てからの展開は
正直 面白くねえ。
どうしてですか?
台本もないアドリブで→
素人に あんだけ話されちゃ
作家としての立つ瀬がねえだろ。
(まどか)つまり 大絶賛って事ね。
おっと 茅代ちゃんとしては
穏やかじゃねえか。
当たり前でしょ。
麻藤さん 彼女をバズらせたくて
いろいろやってるみたいだし。
鋭いね。
月刊『LAMED』の編集者?
(久古 蘭)そう。 この店には
何度か来てたんだけど→
今度 ぜひ
あなたに取材させてほしいの。
今度 ぜひ
あなたに取材させてほしいの。
いや 取材って言われても
私 ただのバイト店員ですし。
聴いたわよ この間のラジオ。
ほら…
動画も話題になってるし。
「ああ もう!」
(警備員)「ちょっと…!」
「離せよ! 名刺あんだろうが!
名刺がよ!」
いやあ よく似た他人ですね!
ええ…。
とぼけないで。
こっちは あなたありきで
企画を考えてるのよ。
「元カレとヨリを戻す
カレーレシピ」と→
「元カレをあの世に送る
必殺激辛カレーレシピ」→
どっちがいい?
どっちも嫌です。
えっ?
冗談じゃないっての!
あの日以来 何人も何人も。
うちのホームページにもバンバン
コメント来てましたもんね。
一体 誰が あんな事を?
あのラジオ局の
オッサンの仕業に決まってる!
本っ当 勘弁してよ…。
こっちは ただでさえ
ご近所でも肩身狭い状況なのに→
この上 身バレとかさあ。
じゃあ やっぱり→
うちに引っ越してくるのが
一番いいんじゃないですか?
(ドアベル)
らっしゃいませー。
おう。 約束どおり食いに来たぞ。
あいにく 今 満席なんで。
いや 空いてんだろ どう見ても。
閉店時間間際なんっすよ
ラストオーダーも もう過ぎてて。
イッタ…!
勝手に
営業時間 変更すんじゃない!
いらっしゃいませ〜。
こちらのお席へ どうぞ。
ハイボール お代わり
お持ちしやっした。
おう。 おお… で 実際どうよ?
周りの反響。
ええ もう おかげさまで
世間様のさらし者になった揚げ句→
新しいバイトが見つかったら→
この店もクビになる事が
無事 決定しました!
クビ!?
ラジオに出演しただけでですか?
えっ? いや まあ 正確には
9割は 私自身の責任で→
ラジオ出演は 最後のひと押しに
なったってだけなんですけど。
全然 関係ねえじゃねえかよ。
あら 最後のひと押し分の責任は
感じてあげないと。
そう思うなら 少しでも
売り上げに貢献してください。
ごゆっくりどうぞー。
(まどか)いっそ もう
うちに来ればいいんじゃない?
はい?
引っ越してこいとか 一緒に
暮らそうって意味じゃないわよ。
私たちと一緒に ラジオの仕事
してみないかって意味。
スカウトって事だ。
スカウト。
スカウト!? 私を?
ちょ ちょ…→
ミナレさん 真に受けちゃ
ダメっすよ こんな話。
あら… 新しい彼氏?
そうです!
違います。 ただの同僚で→
スープカレーみたいに
サラッサラの関係です。
と と とにかく おかしいっすよ。
きっと 素人をさらして→
笑い者にする番組企画とかでしょ。
だまされちゃいけませんって!
おい だますとか
お前 人聞き悪いなあ。
あんたが言うな! 飲み屋の愚痴を
勝手にラジオで流したくせに。
でも 本当に
ドッキリ企画とかじゃないですよ。
この間の生出演 リスナーからの
反応も良かったんですから。
おたくのトークがスムーズすぎて→
それこそ 仕込みを疑う声も
あったくらいだしな。
いや まさかあ。
いや 本当 本当。
飲み屋での喋りと
乱入してからの喋り 約26分だ。
お姉さん
一度も噛んでねえんだよ。
あんなの 普通の素人なら→
台本渡して リハさせたって
あり得ねえ事だ。
台本渡して リハさせたって
あり得ねえ事だ。
つまり 私には→
ラジオ芸人としての天賦の才能が
あったと?
いや そこまでは言ってない…
そこまでは言ってない。
あとな 芸人じゃなくて
ラジオパーソナリティーだ。
(宝田)ちょっと…!
2人して いつまで→
お客様のお食事の
お邪魔しちゃってるわけ。
宝田店長〜。
あん?
おかげさまで→
転職先と 新しい人生の目標が
決まりました。
私は これからラジオ業界で
サクセスの階段 上ってくんで→
新しいバイトが見つかるまでとは
言わず…。
新しいバイトが見つかるまでとは
言わず…。
(まどか)言っとくけど
ラジオのギャラって安いわよ。
最初は 私の番組のアシスタントから
スタートだろうし。
「新しいバイトが見つかるまでとは
言わず」?
見つかっても
しばらくは雇って頂ければと→
心から切にお願い申し上げる
次第でございます。 はい〜。
♬〜
あざっしたー。
(久連木・まどか)ごちそうさま。
(久連木)サンキュー。
(まどか)ありがとう。
(瑞穂)はい。
その気になったら連絡くれよ。
受け入れる準備 整えとくから。
こっちは 生活の問題があるんで→
その気になるかどうかなんて
わかんないっすよ。
大体 なんで 私なんですか?
あっ?
喋りの達者な素人なんて 他に
いくらでもいるじゃないですか。
なんで ただのカレー屋の店員を→
ラジオの世界に
引き込もうとするんですか?
それは…→
お前なら 数字が取れるって
確信してるからだ。
麻藤さん…。
麻藤さん…。
ミナレ。
…っていうのは まあ
誰にでも言う口説き文句でな。
はっ?
アハハハッ… まあ あれだ→
プロダクションに ねじ込まれる
アイドルや何やらの→
企画 考えるのに
もう飽き飽きしててよ。
一から 話し手を
育ててみたくなったんだわ→
ダメ元で 実験的に。
私はモルモットか!
ミナレ。
とろうぜ! 世界を。
スケール でかすぎでしょ!
地方ラジオ局のくせに!
スケール でかすぎでしょ!
地方ラジオ局のくせに!
アハハハッ…。 おう 行こう。
俺は反対っすからね ミナレさん。
ラジオとか芸能界とか
虚業っすからね 虚業。
わかってるよ!
私 別に 売名欲とかないし→
カレー屋のカリスマ店員で
十分だし…→
まあ もう クビになるんですけど。
♬〜
(携帯電話の振動音)
《光雄…》
(須賀光雄)ミナちゃ〜ん。
あっ… 今日 口紅 赤いねえ。
あんまり似合わないよ それ。
アハハハッ…。
あんまり似合わないよ それ。
アハハハッ…。
えっ どうしたの?
なんか 怒ってる?
「どうしたの」じゃねえよ!
お前 どの面下げて
私に連絡してきた?
どういうつもりで
そのテンションで会話してるわけ?
あっ そうか そうか…
そうだよね。
まず 誤解 解かないとだよね。
誤解?
これ 借りてたお金。
まだ 25万しかないんだ。
ごめんね。
でも 近いうちに
必ず 残り半分 返すから。
でも 近いうちに
必ず 残り半分 返すから。
いや そ そ そういう問題じゃ…
ええっ!?
立ち話もなんだし
その辺でお茶しながら話さない?
はっ?
ねっ 行こう!
ちょっと いや… えっ?
行こう。 どこ行く? お店 決めて。
へえ〜。 じゃあ
知り合いが見たっていう→
あんたと一緒にいた複数の女
っていうのは→
1 地元から遊びに来てた友達
2 前のバイト先の同僚→
3 ストーカー女だったってわけ?
そう そう。
で その最後の子が厄介でさ。
友達と飲んでる時
隣に座ってたんだけど→
いろいろ話してるうちに
気に入られちゃってさ→
いつの間にか 俺の事を
彼氏認定しちゃったみたいで…。
で 結局 その子と
いい感じの関係に?
(光雄)…なわけないじゃん!
ミナちゃんがいるんだよ。
それに しばらくの間
連絡しなかったのも→
ミナちゃんに
危害が加わるかもしれないって→
心配だったからだし。
いや… 今さら そんな
調子いい説明されたって…。
いや… 今さら そんな
調子いい説明されたって…。
信じてよ。
俺には→
ミナちゃん以上の女の子なんか
いないんだからさ。
ねっ?
ただいま〜。
どうぞ。
(施錠音)
はい。 …よいしょ。
座っててよ コーヒーいれるから。
うん。
(足音)
えっ いや ちょっと…。
いいじゃん。 お湯が沸くまでの間。
いや… 私 まだ あんたの事
許したわけじゃないんだけど?
そうなの?
だって 今日
あのあと 居酒屋 行って→
カラオケ行って こうやって
家にまで来てくれたじゃん。
カラオケ行って こうやって
家にまで来てくれたじゃん。
えっ 来たけど…。
楽しくなかった? 今日。
楽しかったけど…。
フフッ… よかった。
俺も楽しかった。
やっぱり ミナちゃん→
濃い口紅は似合わないなあ。
薄いほうが好きだよ 俺は。
いや もう… しょうがないなあ。
♬〜
♬〜
どうしたの?
本当は 私の50万
どうやって溶かしたの?
…えっ?
親の工場が不渡りだったって
嘘だったんでしょ?
あっ… 友達の連帯保証人で…。
本当は?
競馬で ちょっと…。
じゃあ さっきの25万は
どうやって用意したの?
地元の男友達に借りて…。
それ 結局 借金だろ。
あんたさ もっと
身の丈に合った生活しなよ。
自炊したりとかさ。
だって 俺 九州男児だから
料理 興味ねえもん。
そりゃそうよねえ…→
作ってくれる女がいれば 余計に!
ちょっと いや…。
ちょっと ちょっと…。
これ なんだか わかる?
うちの店にも置いてある→
料理レシピ満載のフリーペーパー。
あっ…。
料理レシピ満載のフリーペーパー。
あっ…。
ほら ここんとこに
ピーマンの種と→
ソースの跳ねが付いてる。
青椒肉絲
大好物だもんねえ。
って事は 誰かが この部屋に来て
作ってくれたって事でしょ?
25万の出どころも
男友達じゃなくて その女?
お前が困ってるって聞いて
ホイホイ50万 渡しちゃった→
少し前の私みたいに?
ミナちゃん!
あんたが消えたあと
いろいろあってね…→
あんたが消えたあと
いろいろあってね…→
私 わかっちゃったの。
私って つくづく
クズ野郎を好きになっちゃう→
破滅型のダメ人間なんだなーって。
光雄 あんたさ…。
(荒い息遣い)
もう死んだほうがいいよ。
(荒い息遣い)
はあ…。
やっちゃった…。
ついに殺してやったよ…
光雄の野郎。
はあ…。
♬〜
オシャレしてると
すぐ気づいてくれる奴だったな→
オシャレしてると
すぐ気づいてくれる奴だったな→
「そのピアス かわいいね」とか
「髪色 変えたね」とかね。
ちょっとした事で
女を喜ばせるのがうまいの→
クズのくせしてさ。
光雄 死んじゃったよ…。
包丁が こんな簡単に刺さるなんて
知らなかった。
これ 早く片付けないと。
これ 早く片付けないと。
手伝ってくれるんでしょ?
うーん…。
行くぞ。
♬〜
♬〜
はあ…。
こんなもんでいいだろう。
はあ… これで
光雄とも お別れか。
あっけない。
ちょっと… 死体は!?
はっ? いや 俺 触ってねえぞ。
はっ?
なんで? どこ いったの!?
(光雄)ここだよ ミナちゃん。
(悲鳴)
み… 光雄! なんで生きてるの?
♬〜
いや 誰?
(光雄)先生だよ ミナちゃん。
はあ?
(光雄)
俺たちが犯した罪を浄化して→
来世に導いてくれるんだよ。
いや 来世って…。
(先生)さあ そなたたちの罪を
裁いてあげましょう。
カルマを浄化して
魂を新たな肉体へと導くのです。
浄化か…
そりゃ願ったり叶ったりだ。
いや 誰?
今まで続けてきた
死体の始末屋の仕事に→
うんざりしてたんでね。
(先生)始末屋マット。
そなたは 1年後 スウェーデンの→
ごく平凡な郵便配達夫婦の長男に
生まれ変わりなさい。
ごく平凡な郵便配達夫婦の長男に
生まれ変わりなさい。
(振り下ろす音)
ええっ!? 消えた!
(先生)さあ 次は
光雄 あなたです。
っていうか 罪っていうか
なんていうか…→
女の子を怒らせちゃうんですよね。
浮気とかもしちゃうし→
楽して お金欲しいから
嘘もついちゃうし。
楽して お金欲しいから
嘘もついちゃうし。
まあ 自業自得なんですけどね。
当たり前だろ!
(光雄)生まれ変われるなら
一人の女の子を→
もうちょっと大切にできたらなー
とは思いますけどね。
(先生)光雄。
(光雄)はい。
そなたは 1年後→
スウェーデンの農家の次男に
生まれ変わりなさい。
はい!
(振り下ろす音)
先生! なんで さっきから
スウェーデン縛りなんすか!?
福祉がしっかりしているからです。
えっ 何? そのリアルな心遣い。
うわっ! うわ…。
(先生)さて 女よ。
次は そなたが浄化される番です。
誰が いつ
浄化してほしいなんて言った?
何?
私は 今日 男を殺した。
たかが50万のいざこざで…。
でも それだけじゃない→
やらかしてる事なんて
山ほどある!
(ミナレの声)飲み屋で 初対面の
オッサンに愚痴っちゃった事も。
職場の同僚の自分への好意に→
どうしても
応える気になれない事も。
酔った揚げ句 赤の他人の家に
入り込んで迷惑かけた事も。
何より 自分を裏切ったダメ男と
一日 デートして→
もしかしたら やり直しても
いいんじゃないかって→
一瞬でも ときめいちゃった
自分自身の心も!
毎日毎日 罪悪感と後悔まみれ!
だけど 私は 後悔した事を
後悔してるわけじゃない。
だけど 私は 後悔した事を
後悔してるわけじゃない。
過去をやり直したいわけでも
消し去りたいわけでもないし→
浄化したいわけでもない!
私は ただ 挽回したいの!
女よ。 そなたは
スウェーデンの…。
人の話を聞けーっ!
私は これからも
罪と後悔を背負って生きていく。
スウェーデンには行かないし→
浄化なんかしたら
お前を許さない!
私は死ぬまで! 彷徨える日本人
鼓田ミナレだー!!
私は死ぬまで! 彷徨える日本人
鼓田ミナレだー!!
(拍手)
鼓田ミナレ 冠番組 第1回放送
お疲れさん。
実感 湧かないんすけど。
ああ それと
なんすか? このタイトル。
『波よ聞いてくれ』って
どういう意味?
いや 意味とか聞かれてもさあ…。
何もかもノリかよ オッサン。
アハハハッ!
案外 聴いてんだな
地方局の深夜ラジオでも。
(携帯電話の振動音)
(舌打ち)
(携帯電話の振動音)
もしもし?
(光雄)「あっ ミナちゃん?」
何?
(光雄)「昨日のラジオ
あれ ミナちゃんだよね?」
「俺 おかげで助かったんだ」
はあ?
「俺 殺されかけた→
ストーカーっていうか
だましてた女に」
「家の前で バットで頭殴られてさ
それで…」
これで お別れだね みっちゃん。
(荒い息遣い)
最後に あれ聴こうか→
夜 ベッドにいる時
2人でよく聴いてた→
『サウンドハイタイド』。
せめて 素敵な音楽 聴きながら
逝かせてあげる。
♬〜
「やっちゃった…」
「ついに殺してやったよ…
光雄の野郎」
えっ?
「オシャレしてると
すぐ気づいてくれる奴だったな」
「“そのピアス かわいいね”とか
“髪色 変えたね”とかね」
「ちょっとした事で
女を喜ばせるのがうまいの→
クズのくせしてさ」
んん! んん…!
「光雄 死んじゃったよ…」
「包丁がこんな簡単に刺さるなんて
知らなかった」
「包丁がこんな簡単に刺さるなんて
知らなかった」
「これ 早く片付けないと」
(光雄の声)
「ミナちゃんのラジオ聴いて→
怖くなったんだと思う」
「俺 福岡 帰るよ」
「ミナちゃん 今まで 本当に…」
光雄。
私の中で あんたの埋葬は
もう終わったの。
じゃあね。
(電話を切る音)
じゃあね。
(電話を切る音)
♬〜
おいっすー。
ああ ミナレさん 大変っすよ!
ああ〜 はいはい。 ラジオの事なら
あとで ゆっくり説明すっから。
いや そっちじゃなくて 今 さっき
宝田店長が事故に遭って→
病院に運ばれたって電話が…。
はあ!?
♬〜
♬〜
♬〜
どう? ゲリラ生放送の評判は。
うーん まあまあかな…。
ああ 昨日は
特別出演ありがとね 茅代ちゃん。
光雄。
(光雄)はい。
そなたは 1年後→
スウェーデンの農家の次男に
生まれ変わりなさい。
先生! なんで さっきから
スウェーデン縛りなんすか!?
福祉がしっかりしているからです。
深夜とはいえ まさか
冠を持たせるとは思わなかった。
あら? もしかして ご機嫌斜め?
麻藤さん ひょっとして あの子→
『ジューンブライドラジオ』に
出すつもり?
ハハハッ…
まだ 素人に毛が生えた新人だよ。
どうだか。
♬〜
さて…→
こっから どんだけ化けるか…?
フフッ。
(チェーンソーの音)
(金属音)
(チェーンソーの音)
(金属音)
(チェーンソーの音)
(金属音)
(金属音)
♬〜
ボイジャー。
ご注文 確認致します。
Aセット2つ Bセット1つで→
間違いないですか?
ありがとうございます。
すいません。 お水ください。
ああ すぐに持っていきます。
A2 B1。
すいません。 3番4番テーブル→
もうすぐ上がるんで。
遅すぎ!
っていうか この店
絶対 2人じゃ回らないって!
仕方ないっすよ。 店長に
任されちゃったんですから。
でも ミナレさん。
何?
俺たち まるで…→
夫婦でやってる定食屋みたい
っすね!
「ね!」じゃねえよ!
早くカレー作れっての!
お待たせしました! こちら
AセットとBセットになります。
ごゆっくりどうぞ〜。
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