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夫が交通事故で亡くなって5年、その時のショックはとても忘れることはできません。

でも、まだ学生だった息子のたかしも無事に卒業して就職も決まり、
生活の方も少しずつ落ち着きを取り戻してきました。

もちろんあの人のことを忘れたわけではないのですが、いつまでも悲しみを引きずってはいら
れません。

そんな頃でした。

私があの人に出会ったのは。

はじめはちょっとしたお付き合い程度だったのですが、次第に親密になり、
今では真剣に将来のことまで話し合う関係になったのです。

どうぞ。

ありがとう。

今日はゆっくりしていけるんでしょう?

最近、気分が充実しているというか、不思議と仕事にも力が入っています。

それが会社に認められたのですが、来月から部長に出席しそうです。

すごい良かったじゃない。

何かお祝いしないとね。

いやいや、これもふみさんのおかげで。

またそんな上手なことばかり言って。

いやいや、仕事しながらふみさんの顔が浮かぶので、そろそろ自然と仕事に力が入って
います。

ありがとう。

なんか嬉しいかも。

いやいや、俺は真面目だよ。

ふみさんさえよければ、結婚したっていいと思ってるから。

俺は真面目だよ、ふみさん。

ちょっと待って、それはまだごめんなさい。

俺はふみさんと言ったら上手くやってくれるよ。

確かに私も野中さんのことは好きよ。

一緒に。 いいじゃないか。

一緒にいて楽しいと思うし、すごくいい人だと思うけど、まだそこまでは。

いいじゃないか。

ごめんなさい。

そこまでは。

ダメよ。

いいじゃないか、ふみさん。

だって私まだ息子もいるし、だって旦那だって、まだ亡くなって5年しか経ってないし。

もう5年も我慢したんですよ。 いいじゃないか。

そうなんだけど、でもなんかね、まだちょっと気持ちの整理がついてないというか。

何を言ってるんだよ。

息子もたかし君だって、もう就職するんだろう。

そうなんだけどね、でもなんとなく旦那に悪いような気もしたりして。

いつまで旦那のことをずっと引きずっていることはないよ。

そうなんだけどね。

いいじゃないか。

なんでもない。

ああ、

私 も愛してる。

でもなんか。

ただいま。

ああ、気持ちいい。

うん。

たかし君のことが引っかかってるんじゃないか。

うーん、そうね。

しかし彼ももう大人なんだし。

でも 彼の人生が、文さんは文さんの人生があるんだから。

もういいんじゃないか。

私もね、いつかはね、野村さんと一緒になりたいなって本気で思ってる。

だけどね、もうちょっとだけ時間が欲しいの。

もうちょっとだけ待ってちょうだい。

母さんはあの男と一緒になるんだろうか。

俺はどうしたらいいんだ。

あの男と一緒になることで母さんが幸せになるなら。

だけど。

やあ、たかし君じゃないか。

こんにちは。

今週また君のお母さんとお越しをしてたんだよ。

今度君とお話をしたいんだ。

ちょっと時間作ってくれないか。

話なんか聞きたくないよ。

気持ちよかった。

たかし。

お風呂上がったから、あなたも入りなさい。

あ、わかった。

あれ、タオルに。

5年か。

なんか寂しいな。

これ残したい。

たかしの顔がまだまだ

こんな に張りもあるのにな。

母さん。

母さんはなんだって、あんな男と。

そういえば、前にも母さんは。

母さんはきっとストレスがたまっていたんだと思う。

だとしたら、でもどうしたらいいんだ。

ごめんね。

今すぐ夕飯作るから、ちょっと待っててね。

ねえ、たかし。

お母さんね、聞いてほしいこともあるんだけど。

そんな話聞きたくないよ。 ねえ、たかし、何かあったの?

別に。 どうしたの?

どうしたの?

ほ ら、 料理してるときにそんなに近くに来たら邪魔だよ。

ほら、危ない。

火使ってるんだから。 どうしたの?

ほら、本当に危ないよ。

テーブルのところに座っておきなさい。

もうすぐできるから。 お母さん。 どう したの?

お母さん。 どうしたの?

どうしたの?

何かあったの?

どうしたの?

何かあったの?

お母さん、他のとこに渡してくれないよ。

他のとこなんて行かないよ。

大丈夫だよ。

ほら、ほら、ほら。

危ない包丁もあるし。 ほら、ほら。 どうしたの?

赤ちゃんみたいになっちゃって。

大丈夫。

よしよし、もう大丈夫だから安心して。 ほら、ほら。 どうしたの?

はい、よしよし。 どうしたの?

行かないで。

どこにも行かないよ。

ここにいるし。

ほら、ほら。

ダメだって。

お洋服伸びちゃうでしょ。

お洋服伸びちゃうって。

服のところに渡すぐらい。

ほら、ほら。

やめて。

やめて。

たかし、やめなさい。

ほら。

離して。

ほら、もうやめて。

お願い。

離して。

ほら。

チューしてよ。

ダメ。 ほら、やめて。 どうしたの?

どこ触ってるの?

触

ってる でしょ。

ちょっと。

手をどけてよ。

あなたの手をどけなさい。

いや、やめて。

ほら。

やだ。

やだ。

やだ、やめてって。

ほら。

やめて。

お願い。 たかし、お願い。

やめて。

お願い。

やめてちょうだい。

いやだ。

お願い。

やめて。

ほら、お母さん。

他の男に捉えてない。

や

めて。

や めて。

寒くなったか。

寒

く なったか。 寒 く な った

か。

気 持ちいい。

気持ちいい。

うん。

うん。

ああ。

やっちまったよ。

父さん。

父さん、俺、どうしたらいいんだ。

ねぇ、たかし。

お母さん、びっくりしちゃった。

たかしもずいぶん、立派な大人になったんだなと思って。

びっくりしちゃった。

たかしもさ、なんかお母さんの知らない間にさ、ずいぶん大人になったんだなと思って。

どうしたの。

今日

は 何もできなかったから。

母さん。

心配しなくてもいいよ。

お母さんに任せて。

母

さん。

何?

心 配しなくていいから、何にも。 いいの?

さっきお母さん、何にもできなかったからさ。

気持ちいいよ。

いくよ。

いくよ。

いや、そっちから呼び出してくるなんて意外だった。

でもいいっすか。

君と話がしたかった。

俺もだよ、話があるんだ。

なんだよ、そうじゃなくて。

もう二度と、母さんには会わないでくれ。

あんたにどう言われると、俺は認めない。

母さんは、俺と一緒に暮らすんだ。

おい、どういうことなんだよ。

母さんには、俺がきっちり話をつける。

だから、二度と会わないでくれ。 母さん。 どうしたの?

母さん、今ずっと悩んでたけど、俺決めたよ。

何を?

俺、母さんとずっと一緒にいる。

今でもずっと一緒にいるじゃん。

そうじゃない。

他の誰にも私じゃない。

母さんは、俺だけのもの。

俺と、父さんだけのもの。

大好きだよ。

母さんも大好きよ。 気持ちいい?

うん、気持ちいい。

暑くなってきた。 暑いよ。 母さん、寝ていい?

うん。

寝ていいよ。

母さん、

すごい 泣いてる。

嫌だ...

すごい濡れてるよ...

母さん、おいしい?

そう?

おいしい?

母さん、俺だけのもんだからね。

あたかし、ダメ。

あたかし、お母さん、行っちゃう。

母さん、全部俺のもんだからね。

お母さん、 ご めんね。 気持ちいい?

気持ちいい。

寝

て る。

寝て

る。 寝 てる。 気持ちいい?

寝てる。

ダメ。

あたかし、またお母さん。

母さん、もう寝るよ。

寝てる。 気 持 ちいい?

母さん、もう気持ちいい。 あ た かし、気持ちいい?

気持ちいい。

本当?

気持ちいい?

気持ちいい?

寝 て る?

寝てる。 あ た かし、もう気持ちいい?

気持ちいい。

寝てる。

寝てる。

気持ちいい。 寝てる。 気持ちいい?

気持ちいい。 もう気持ちいい?

気持ちいい。 もう気持ちいい?

あ

た かし。

これからもずっと一緒だよ。

ずっと一緒だね。