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作り手の都合で人物を動かしてはいけませんよ。

これ、怒った彼女がここで彼に会いに行ったりしますか?

意外性があっていいかなと思って。

そうですか。

私には2人を合わせて次のシーンに繋げたいだけに見えましたけどね。

大胆な展開と手抜きは全く別ですよ。

考えます。

はい、そしたら次。

河合さん。

はい。

夫婦の再生ストーリーとしてはうまく書けてますね。

文章もとても上手。

ただ、どうしてでしょう。

人物が変化しないんですよね。

主人公は妻に浮気されたんですよね。

はい。

裏切られた相手を同じように愛し続けられるものでしょうか?

変ですか?

あなたはそうは思わない。 はい。 皆さんはどうですか?

絶対に無理ですね。

好きなら余計に許せないはずです。

復讐する方が自然じゃないですか。

いや、相手の全てを受け入れるのが愛だと思う。

一途なこのキャラクター、俺は嫌いじゃないです。

そんなの、すごい存在にされるだけでしょ。

でも、そりゃそうかもしれないですよ。
俺はむしろ妻に同情するけどね。

おお。

はい。

過剰な愛って、ただの暴力だから。 浮気された方が悪いっていうの!

?

相手の気持ちを考えない愛は、ただのエゴだってこと。

貰うだけ貰って、裏切るのはエゴじゃないの?

重いんだって。

受け取る側が病むよ。

やったら一緒に壊れたらいい。

じゃあ、いっそそういう話にすれば、2人で愛のために狂っていく、
みたいだ。

相手を壊すほどの愛って。

映画的だなぁ。

いやー、みんな素晴らしいですね。

いろいろ想像力豊かにいろいろ発想してください。

そうするとやっぱり本は紡がれていきますからね。

でもね、やっぱり変化が欲しいので、河合さん、ちょっとそこ考えてください。

はい。

それでは次は、あ、高畑さん。

はい。

はい、高畑さん。

刑事退社クラブ。

まずこのタイトルの意味を教えてもらえますかね。

うーん、やっぱりチャンスをいただけないでしょうか。

聖書係でも何でもやります。

プロの現場で書いてみたいんです。

私、弟子はとってないんですよ。

お役に立てるよう頑張りますから。

お願いします。

先生、この話はどうですか。
前に教えてもらった店、行こうと思ってるんです。

すみません、締め切りがあるんで。

そうですか。

河合さんも行きます。

うん。

うん。

ママによろしく。

伝えておきます。

はい。

へー、こんなとこにあるんだ。

これじゃ。

仲良し。

仲良し、ちょっと。

あら、この間の。

4人なんですよ。 え、大丈夫、大丈夫。

すみません、一つ連れてください。

マルちゃん、マルちゃん、そこ座って。

じゃあ、津川さん、奥の方もいい?

いいよ、大丈夫です。 どうぞ、どうぞ。

すみません。 は ーい。

すみません。

ありがとうございます。 お、千成与学校のお仲間?

はい。 椿さんのところの生徒さん?

そうよ。 椿さん、お体の調子はどうなの?

元気そうですよ。

お酒は飲んでないみたいですけど。

あんな朝まで飲んでた人がね。

ママによろしくって言ってました。

そう?

もう、私、椿さん大好きだったのよ。 大好き?

そう。

ただいま。

あ、直美ちゃん、こっちこっち。

こちらね、千成与学校の生徒さん。

仲良くなっといた方がいいわよ。

初めまして、直美です。

初めまして。 女優さんなの。 え、本当?

通りで綺麗だと思った。

いいでしょう。

この間、劇団の人と来た時にスカウトしたの。
舞台やってるんですか?

はい。

今フリーですけど。

はあ。

落ちちゃうでしょ。

ママもフリーなの。

うんて。

脚本家ってどうやってなるんですか?

師匠に就くとこかな。

あとはコンクール。

俺は自分で映画撮って、海外の映画祭に出していくつもり。

へえ、すごい。 熊谷君って、監督志望だったの?

まあ。

なら早く本書いてきてください。

そうそう。

読んだことないし。 うるせえな。
お前だって女が書けないって言われてるだろ。

実は童貞だったりして。

は?

そんなわけないっすよ。 じゃあ彼女は?

いや、今はいないっすけど。

ふーん。

大学の女の子、紹介しちゃうか。
今回提出したプロットって、自分の話ですか?

ああ。

まあ、実際離婚してるけどね。 原因は奥さんの?

まあ。 お子さんは?

いるよ。

娘が一人。

今14歳。 先生、お代わりどうします?

え?

いいよ、最高。

え?

先生じゃないから。 あ、そうなんですか?

いいの、いいの。

実際年食ってるし。

うん。 じゃあ、お仕事されながら?

バイトだけどね。

若い頃から書いてるけど、まだデビューできないんだ。

いやいや、続けてるのがすごいっすよ。

うん。

役者も途中で辞める人が多いんです。

続けられるって、かっこいい。

死が埋め付いてるだけですよ。

好きなのは。

ん?

お邪魔しまーす。

お邪魔しまーす。

よ い しょ。 ここ、家賃いくら?

ねえ、学生だよね。

ああ、うちの親、医者だから。

そうなんだ。

うん。 神戸で内科クリニックやってる。

マジか。

え、てか、継がなくていいんすか?

別に。

医者だけが人生じゃないって考えの人だから。

逃げばいいのに、将来安泰じゃないですか。

いいんだよ。

めっちゃ愛されてるからさ。

でも さ、好きなことやれって言われんのよ。

ふーん。

広っ。

医者か。

ほんっと許せない。

結婚の約束してたのに、他の女と付き合ってたんだよ。

絶対地獄に突き落としてやる。 どうやって?

シナリオで。

あいつの嫌がる。 あらゆることをやり尽くして復讐すんの。

暗っ。

は?

まあ、でも、書くことで自分の心が浄化されることってあるからね。

ですよね。

てかさ、復讐なんてやめてもっと人生楽しめよ。

薬?

ちょっと、違法じゃないでしょうね。 違う違う。

ただの睡眠薬。

今流行ってんの。 眠くならないんですか?

寝ようとしなきゃな。 やってみる?

うん。

すげーよ。

何でもできる気になる。

こんなのやるわけないでしょ。 何事も経験よ。

脚本家になりたいならさ。

ふーん。

俺、やってみようかな。

おお、さすが。

ちょっと、止めてくださいよ。

え?

河合さんもやります?

いや、僕はいいよ。

なんか怖いし。

そうよ。

濱田君ダメ。

だって俺、みんなみたいに面白い経験ないし。

やった、お前。 だから違います。 終わりました?

はい。

あとちょっとで。

はい。

それくらいで十分なんで、こっちもお願いします。

はい。

おい。

はい、すいません。

ごめん、遅くなって。

ううん。

全然。

あ、すいません。

ホットコーヒー。

かしこまり失礼します。 ふーん。 元気だった?

先月あったばかりじゃない?

いや、そうだけどさ。 うん。 美羽は?

うん。

メッセージ送っても、帰ってこないんだ。

既読にはなるんだけど。

あの子も部活やら試験で忙しいのよ。

失礼いたしました。

ホットコーヒーです。 はい。

おい。

ああ、いいよいいよ。

最近ね、ブラックが好きなの。

ああ。

おいしい。

そんなことより、服くらいちゃんとしたな。

ヨレヨレじゃない。 なあ、なに?

いや、これ、君が誕生日にくれたやつ。 そうだっけ?

捨てちゃいなよ。

小切れにしてないとモテないよ。 しー。 学校どう?

頑張ってる?

うん。 まあ、若い子とも仲良くなったんだ。

この間、みんなで飲んでてさ、終電なくしちゃってさ。

ああ、ああ、ごめん。 これ、今月分。 どうしたの?

いい。

バイトじゃ大変でしょ。

いや、たくあいあるから。

約束したでしょ。

会社辞めても、ちゃんとするって。

私、再婚しようと思ってるの。

ミウも懐いてくれてるし、これから大変な時期だから、はっきりさしといた方がいいと思
って。

だから、受け取れない。

じゃあ。

待ってよ。

それとこれとは、話が別だから。

じゃあ、今度から振り込みにして。

もう会わない方がいいと思うから。

シナリオ、頑張ってね。

しんたくさん飲んじゃうけど。 はい。

あ、かわいさ。

こんばんは。 今日、お一人ですか?

ダークさん。 あ、水割りでいい?

うん。

来てくれたんですね。

嬉しいです。

帰り気をつけてね。

じゃあ、なおりちゃん、また。 はーい。

ありがとうございました。 ありがとうございました。

ママが休みだと、お客さん少ないんですよ。

みんなママに会いに来るんですよね。

あ、かわいさもママに会いたかった?

そういうわけじゃないよ。

うん。 よかった。

かわいさんって、名前なんて言うんですか?

え?

下の名前。

ジョージ。

かわいジョージ。

ジョージさんか。

うん。

ジョージさんは、どういう話を書いているんですか?

浮気した妻を待ち続ける男の話。

いい男。 いい男。

え?

そう?

うん。

初めて言われた。

だって、うちの父なんて、すぐ出てっちゃいましたよ。

母に浮気されて。

うちの母は浮気症なんです。

さ、今日はお店閉めちゃおうかな。

お客さん来ないし。

ごめん。 帰るよ。

ああ、いいのいいの。

寝てください。

え?

私も飲みたくなっちゃった。

あ、先にここまでのお会計しちゃってもいいですか?

うん。

こちらです。

はい。

ありがとうございます。

ジョージさん、料理するんですか?

ああ。

週末ぐらいはね。

えらいな。

私は料理苦手。

はい。

さあ、お前の方かな。

お父さんとは。

全然。

会いたいんじゃないかな。

まさか。

いや、会いたいはずだよ。

はあ。

じゃあ、なんで連絡よこさないんですか?

中学のとき離婚してから、一度もなかった。 そんなわけない!

何なの?

さっきから。 あなたに何が分かるの?

僕は会いたいよ。

え?

さっきの話。

自分のことなんだ。

離婚してから。

だから、娘とほとんど会えてない。

なんだ。 ジョージさんもパパと一緒か。
ね、うちで飲み直しません?

やめとくよ。

今日は、ありがとね。

お疲れ様です。

お疲れ様です。

ありがとうございました。 お疲れ様です。

河合さん。 ちょっといいですか?

はい。

どうぞ、座ってください。 谷崎、ご存知ですか?

谷崎純一郎。 読んでますか?

もちろん。

大好きです。

知人の愛。

映画化するそうです。

先日、脚本頼まれましてね。

いいですね。

ただ、今、別の作品抱えてましてね。 河合さん、やってみますか?

え?

あなたに合ってる気がしたんでね。

もちろん僕もフォローしますが。 やります。 やらせてください!

乾杯!

いただきます。 あー。 あれ、今日河合さんも?

先生に呼ばれたって。 うん。

ねえねえ、河合さんってどんな人?

どんなって?

ほら、一人だけ年上でしょ?

まあ、相当変わってるよな。

うん。

はい、お待たせしました。

ありがとうございました。

そういえば、あれっすよね。

お父さん、舞台の演出家だったよ。 え、
おじさんだって聞いたけどね。 え、そんなの?

有名な人らしいよ。

へー。

じゃあ、実はすごい才能あったりして。 だったら、
とっくにデビューしてるだろ。 いや、でも、昔書いた本、賞取ってますよ。

え、すごい。

そう?

何?

いや、その時、審査員の先生に気に入られて弟子になったらしいんですけど、
破門されたらしいです。

破門?

いや、その理由ってのが、先生が留守の間に庭の掃除してて、間違って先生が大事に育てたハ
ーブ、全部むしっちゃったんだって。

なんかわかるわ。

悪気なさそう。

河合さんらしいよな。 まあ。

半端な愛情ならいらない。 あなたにその覚悟はあるの?

あなたにその覚悟はあるの?

よし。

あれ?

え?

なんで?

これ。

もしかしたら会えるかなって思って。

ほら、最近お店来なくなっちゃったでしょ?

あ、ごめん。

ちょっと、いとがしくなっちゃって。 本当に?

よかった。

嫌われたかと思った。 何作るんですか?

カレー。 お、いいですね。 食べる?

うん。 食べる。

へえ。 へえ。

なんか懐かしい。

古いでしょ。

うん。

でもこういう方がシナリオに集中できるんだ。

確かに。

なんか手伝いましょうか。

いいよ。

座ってて。

ん?

お待たせ。

ちょ、ちょ、だめだよ。

あ。 ジョージさんが書いたんですか?

うん。

うん。

いただきます。

いただきます。

うん。 美味しい。

食べてくれる人がいると、張り合いがあるなと思って。

なんか知人の愛って聞いたことある。

あの、谷崎純一郎。

椿先生が声かけてくれて、今、書いてんだ。

え?

映画になるの?

うまくいけば。

え?

すごい。

でも、他の人に言わないで。

情報を漏れたらまずいんだ。

ふーん。

ごちそうさま。 おかわり、いる?

え?

いいんですか?

たくさん作ったから。 ねえ、私のために生きてみる?

半端ない情ならいらない。 あなたにその覚悟はある?

なんだよ。

セリフ覚えちゃった。

ほら。

え?

続き。

もう一度。

半端ない情ならいらない。 あなたにその覚悟はある?

俺は、お前のためなら何でもしてあげるつもりだよ。

なら、その証拠を見せて。

どれず買ってよ。 愛しているならできるでしょ?

今、この金を使ったら、明日からどう生きていくんだよ。

どうにかなるわ。

どうにもなりゃしないよ。

あっ、そう。

もういいわ。 私出てくから。

待ってくれ。

馬になれ。

はい。

走る。

このまま。

もっと。 早く。

1...2...1...2...

ほら。

もっと。

1...2...

もっと。 をもっと。

エンディング さ すがだね。

楽しい。

う うううううう。

そうですね。

勢いはありますよね。

ただ、男性ばかり責めるのは頂けませんね。

押しつけがましいっていうか、この主人公を僕は愛せないですね。

男が冷めてるのを分かってて尽くす感じが痛いよな。

そういう自分に酔ってんでしょ。

はい?

あの、私はこの主人公の気持ち分かります。

島村さんはまだこの彼のことが好きなんじゃないですか?

そんなこと...

自分を客観的に見れないと、
いつまでもいいものは書けませんよ。 はい、そして続いて.

..あ、井上さん。

これから行きますけど、どうですか?

ごめん、用事あって。

かわいさ、最近付き合い悪いなぁ。

実はさ、椿先生にお願いして、本を書かせてもらってんだ。

え?

マジっすか!?

そんな、何なんすか?

お前もお願いしていいだろ。

おう。

いや、でもなぁ。

あ、でも、まだどうなるか分かんないから、ここだけの話、しといて。

じゃ。

でもさぁ、かわいさん勇気あるよなぁ。

だったらビビっちゃうなぁ。

いい歳だしなぁ。

先輩詰まってんだよ。

何なん書いてんのかなぁ。 今日、直美ちゃんは?

あ、おやすみ。

失礼しちゃう。

こんな美人捕まえてなぁ。 もう、一杯いただいちゃおうかしら。

もう、これだもん。 ねぇ、今日のひどくない?

あぁ、あれはちょっとねぇ。

全然分かってない。

椿先生までさぁ。

あ、ごめん。

俺行かなきゃ。

はぁ?

サークルの奴らが近くで飲んでるらしくて、次の撮影の相談があるって。

ちょっと、この人置いておかないでください。 本当に帰るんすか?

またね。 はい。

分かりやすいわねぇ。

ほんと、男ってやつ。

あら?

今日は荒れてるわねぇ。

聞いてくださいよ。

今日、プロットでめちゃくちゃ言われちゃって。

まぁ、ほんとありえない。

おかえり。

はぁ、いや。

バイバーイ。

あぁ、今日絶対めんどくさい奴だ。

うるさい。

嫌なら、あんたも帰ればいいでしょ。

帰りませーん。

はぁー。

は

ぁ ー。

何?

何?

あ、背中だって?

えぇ?

仕方ないなぁ。

はい。

いいじゃん。

うん。

よいしょ。

ねぇ、あのね、私、すっごくいいこと思いついたの。 うん?

私、ジョージさんの映画に出る。

えぇ?

ジョージさんの脚本を、私が演じるの。 うん。 素敵じゃない?

いいね、それ。 でしょ?

あ、オーディションするよね?

私、絶対に受けるから。

よし。

じゃあ、僕もいい本書いて、推薦できるぐらいになんなきゃね。

うん。

よろしくね。

おう。

はい、手を挙げて。

はい、こっち。

はい。

今日さぁ。 うん。

みんなに、本のことを話したいんだ。

うん?

そうなんだ。 正直、ホッとした。 なんで?

なんか、後ろめたかったから。

えぇ?

抜けがけしてるみたいでさ。 ねぇ、気にしすぎ。

そうかなぁ。

うん。

あ、私たちは付き合ってること、
もう言わなきゃね。 いや、いいんじゃない?

それは。

え?

知られるのが嫌?

そうじゃないけど。

あ、今度みんなでパーティーしようよ。 パーティー?

うん。 そこで発表するの。 アナも?

いや、嫌じゃないけど、本やらないと。

え?

それまでに完成させればよくない?

うーん。 でしょ?

で、頑張って。 分かったよ。 やった!

いい無理。

ほら、もう終電だよ。

起きてよ。

これはダメだね。

あ、ヘラ、お水。

真由子さんは悪くない。

え?

元彼はつるいです。

上着するぐらいなら、はっきり別れたらいい。

自分が悪者になりたくなかったから、
言い出せなかっただけだ。 これじゃダメですか?

もう、酔いすぎだって。

帰ります。

え?

終電は?

歩いて帰るんだよ。 ちょ、ちょっと。 待って!

このままでいいんですか?

そうやってずっと引きずって生きていくんですか?

声、大事ですよ。 何してんの?

どういう声出してんの?

涙、涙、涙。

もう、もう、変わった。

ほい、もう行けるよ。

はーい。

疲れましたね。 痛いもん。

すいません、ありがとうございます。

うわ、めっちゃいい匂い。

食べる前に、私から発表があります。

え?

実は、私とジョージさん付き合ってます。

マジ?

え、本当に?

本当に。

え、いつの間にそんなことになったんですか?

どっちからですか?

え?

私から。

え?

なんだよ、俺狙ってたのに。

残念でした。

え、全然気づかなかった。

あっ、ちなみにもう一緒に住んでるんです。 ええええ?

どっちの家ですか?

え?

ジョージさんって。

いやいやいや、まだ半同棲みたいな感じだからよ。

マジでうらやましいよ。

嘘?

めったに?

みんなで記念に写真撮りますか?

いいよ、やりますよ。 ジョージさんと、
ジョージさんと。 いいからいいから。

ハーフマークで、ここ。

こっちで。 お refers shops.

撮りますよ。 あっ、じゃあお二人真ん中の辺に by?

いいのよ、横に... やめろよと。 3、2、1.

..

こんな風にしてられるのも、今のうちかもね。

学校終わったらなかなか会えなくなるだろうし。

そうだね。 みんなは今後どうするの?

俺は研修科も行く。

まだまだ勉強したいから。 真由子さんは?

私はわからない。

とりあえず今は書き上げることだけ考える。

河合さんはデビューしてドッカーンですよね。

だといいけどね。

本当、頑張ってくださいね。

悔しいけど、自分でチャンス掴んですげえなって思いました。

ありがとう。

捨てられないようにな。

ジョージさんはそんな人じゃありません。

よし、今日はパッと行きますか。 お酒足りてる?

行くか。 濱田、車出して。 みんな行く?

ナミちゃんも?

私も行く。

荷物バーンしてます。 どうですか、本の調子は?

昨日、書庫を提出した。

おお、早いですね。

もうドッキドキだよ。

大丈夫ですよ、河合さんなら。 島村さんはどうなの?

ああ、大幅に直そうと思ってるんですよね。

ええ。

恨み、つらみだけじゃつまんないかなって。 何かあった?

まあ、はい。

ちょっとちょっと、どうなってんのよ。

何よ。

何であえて河合さん、役もらおうとか思ってる?

違うよ。 じゃあ、どこが良かったの?

嘘がないとこかな。

ん?

ほら、うちに来るお客さんって、自分を大きく見せたがる人が多いでしょ。

でも、ジョージさんは違ったから。

きっついな。

でも、強がってる人も好きよ。

可愛くて。 ねえ、これとかどう?

おお。

いいね。 いいね。 河合さん、明日も入れます?

ああ、すみません。 用事あって。 これですか?

はい。

見に行くんで、頑張ってくださいね。

はい。

よし。

前半のダンスパーティーまで良かったんだけど、後半ちょっとね。

そうですね。

序盤は力入ってて乗れたんですけど。 椿さん、どうでした?

その通りですね。

キャンメンでジム詰め上げてるのに。

後半、それが生きてこないんですよ。

時間切れで、かき飛ばしちゃった感じかな。

いいえ、そ、そんなん。

どうぞ。

まだ打ち合わせ中。

いや、思ってたよりかかってんだ。 え、予約何時だっけ?

ちょっと待ってて。

あっ、ごめん。 もう、ちょっと戻んないと。

このままじゃ厳しいね。 彼、本当に大丈夫かね?

ダメだったら椿さん、書いていただけるんですよね。

ええ。

でも、これからじゃないですかね。

まあ、育てると思って。

もう少し待ってください。

今日、ごめんね。

ちょっと、まずいことになってさ。

構成から立て直さないと。 ねえ、どういうつもり?

私がどんな気持ちで待ってたと思ってるの?

だから、ごめんって。

仕方ないでしょ。

やり直しになったんだから。

でも、提出したら、ゆっくりできるって、そう言ってたじゃない。

せっかくお店探して。

予約取るの大変だったんだから。

だったら、友達と行けばよかったじゃん。

ああ!

だったら、一人でやってれば?

待ってよ。

ごめん。

本当に悪かった。

今度、必ず埋め合わせするから。

いつ?

つまんない。

待って。

これ終わったら、今度は必ず。

ね?

約束する。

そっか。 お腹減ったよね。 何か食べた?

食べてない。 何でも作るよ。 何がいい?

ああ。

冷凍の肉あるから、コンソメスープ作って。

嫌だ。

コーンスープがいい。

オッケー。

あ、シナリオの評判、どうでした?

全然ダメ。

うまかったよ。

もうほっとくのと書き直し。

やっぱりプロは厳しいんですね。

え?

ここにいていいんですか?

いや、構成立て直したから、椿先生に見てもらおうと思って。

ああ。

そっか。 舞子さん、ちょっといいですか?

うん。 どうしたの?

何?

実は、親父倒れちゃって。

え?

脳梗塞。

でも、もう普通に喋れるようにはなりました。

よかった。

ただ、ちょっと足に障害が残るらしいんですよね。

そう。

それで、これ、実家帰ろうと思ってます。

え?

うち農業やってるんですよ、旅館の。

さすがにもう農作業は無理だから。

それに、母親が弱気になっちゃってね。 継ぐってこと?

そ、そうですね。 シナリオは?

辞めるの?

俺、戻ってきますよ。

一通り仕事覚えて、軌道に乗せたら。

うん。

そうだね。

戻っておいでよ。

そうだ。 これ。

それ、読みたいって言ってましたよね。

うん。

よかったらもらってください。

帰ってくるんでしょ。

濱田君が持ってた方がいい。

なら、預かっててもらえますか。

分かった。

本当は嫉妬してたんですよね。

え?

舞子さんが書くのって、なんかこう、むき出しのパワーみたいなのあるじゃないですか。

俺もこんな風に書けたらなーって思ってた。

ありがとう。

勢いであんな風になったけど、俺、舞子さんのことずっと好きでした。

いなくなるのに何言ってんだ俺。

帰ってきたらまた会おうね。

はい。

舞子さん、シナリオ、続けてくださいね。

え?

え?

あら、久しぶり。

あ、今日、バイトも経ったかなと思って。 奈美ちゃん?

お休みなのよ。 奈美ちゃんがどうしたの?

あ、奈美ちゃんの。

え?

嘘?

彼女、元気にしてますか?

うん、まあ。

今日会えると思ったのに、残念だねって話してたんですよ。

どうぞどうぞどうぞ。

いや、自分は。

いいじゃないですか。 少しだけ。

前にいた劇団の先輩。

ああ。

ママ、おかわり。

はいはい。

ごめんね。 え、それでそれで、いつから?

2ヶ月ぐらい前です。 どこが良かったんですか?

明るくて、まっすぐなところ。

ちょっと。

え?

まあ、2ヶ月なら仕方ないか。

え?

聞きたい。

奈美ちゃんって、結構激しかったんですよ。 男関係が。

モテたんですよね。

劇団の男たちにチヤホヤされて、
何人かと付き合ってました。 何人か?

ほとんどか。

言わせないでよ。

まあ、同時進行だったしね。

それで揉めて、劇団が解散寸前まで追い込まれて、
さすがに言いづらくなったみたいで辞めた んですよね。 そうね。

うまいんですよ。

男に取り入る。

ほんと。

男って何でああいうのに騙されんだろう。
ねえ。 嫉妬してんですか?

え?

劇団に好きな男でもいました?

そいつがナオミに夢中になって、悔しかったんですか?

は?

そんなわけないでしょ。

あの子のおかげで、劇団なくなるところだったんですけど。

劇団のことは知りません。

ただ統計によると、女性が女性の悪口を言う8割は嫉妬らしいです。

だから賢い女性は、人前でそういう話はしません。 どういう意味?

ちょ、ちょ、ちょっと、どうしたのよ。

そんなにナオミのこと気になります?

彼女からあなたたちの話なんか聞いたことないですけどね。

はい。

お騒がせしてすみませんでした。

は?

何アウツ?

え?

キモいんですけど。

は?

分かんないんだけど。 どこ行ってたの?

君を探しに行ってたんだよ。 何見に行ってた?

一人でつまんなかったの?

そっか。

私も一緒に学校通おうかの。

うん。

うん。

ほら、こんなとこで寝ると風邪ひくよ。

着替えさせて。

甘えん坊だな。

うん。

今日はここで寝る。 だめ。

ちゃんとベッドで寝なさい。

ちぇ?

これ何?

え?

この薬。

ああ、風邪薬。

ちょっとだるくべ。

え?

もう、熱はないな。

暖かくして、早く寝よ。

ありがとう。

もっと人生楽しめよ。 ちょっといい?

これ、熊谷くんのだよね?

俺のと同じみたいですね。

ナオミが持ってたんだ。

こんなの、病院行けば誰でも手に入りますよ。

おかしなことやめてくれ。

ナオミに変なこと教えるな。

知らないっすよ。 ふとつきだな!

河合さん?

あげました。

あげましたよ。 一緒に使ったのか?

違います。 ナオミが部屋に行ったのか。 そうなんだろ!

河合さん!

ちょっと、言え!

言えよ!

もう、そうだよ。

ナオミとやったよ。 君が誘ったとか?

本人に聞けば。 ナオミはここに何度来た?

いつからだったんだ?

河合さんが悪いじゃないですか。

あ?

ずっとほっといたでしょ。

ナオミから連絡があったんですよ。

一緒に飲もうって。

あいつ結構酔って、家に来たいって言うから。

嘘だ。

あいつは、河合さんが思ってるような女じゃないですよ。

その場しのぎで男と寝るだけ。

誰でもよかったんだ。 ふざけるな!

わかるんです。

俺も似たようなとこあるから。

何?

何に対しても本気になれない。

だから今が楽しけりゃいいんです。 ナオミは違うよ。 全然違う!

君はただ逃げてるだけじゃないか。

は?

見てればわかるよ。

冷静なふりして、失敗することから逃げてるだけだろ!

意味わかんねえ。 じゃあなんで本書いてこない?

そんなに否定されんのか怖いの。

言っとくけど、俺だけじゃないですよ。

他の客ともに出るから。 誰だよ。 どこのどいつだよ!

お騒がせしてます。

何?

そんな深刻な顔しないでよ、もう。

で?

全部話したよ。 そう。 本当なのか?

え?

だってつまんないんだもん、ジョージさん。

全然遊んでくれないし。 やめろ。 もう別れたい?

ん?

やめろって。 やめろって!

ほっといてよ。 ジョージさん、私が大事?

うん。 うん。

なら証明してよ。

本当にそう思ってんなら証拠見せて。 どうしたらいい?

自分で考えたら。

ちょっと勘弁してよ。

何してんだよ。

もうどうかしてるよ。

せめて自分の家でやってくれよ。

もういい。

頼むよ。

ここ、パパ、父親が契約してるんだよ。

ちょ、ちょ、ちょ、ここに出さないで。

いいから。

いいから、全部出して。

ごめんね。 うん。 息してる?

してるよ。 うん。

この人すごいよな。

さあ、なんでここまでできるんだよ。

うん。

俺、この人の言う通り逃げてたんだ。

大学入らなかったの。

遊んでたからって言ったけど。

本当は浪人してたんだ。

うち、医者の家系で。

俺も医者になるつもりで必死に勉強したけど、何回も受験に失敗してさ、
五郎だよ。

父親に言われたんだ。

医者だけが人生じゃないからなって。

それでこっちの大学入った。

好きな映画で見返してやろうって。

でも、また失敗したらって思うと。

熊谷君。 君は本当に映画が撮りたいの?

本当は何したい?

俺は、俺は、医者になりたいっす。

はい。

しばらくお休みをいただけたら。

はい。 すいません。

本当、急ですいません。

はい、失礼します。 これいいんじゃない?

え?

いいじゃん。 ねえ、ジョージさん、これどう?

自陣の愛の遺書にいいかなと思って。

下品になりすぎてもいけないと思うんだよね。

うん。

大変そうね。

やればやるほど分かんない。

どんどん悪くなってる気がする。 ねえ、ちょっと休憩したら?

最近ご飯はあんまり食べてないでしょ?

締め切り来週なんだよ。

ナオミ。

ナオミ。

ああ。

はい。 また男の人と会ってると思った?

私がいると脚本の邪魔しちゃうかなと思って出かけたんだけど。

分かってる。

だけど、君が居なきゃ居ないで気になって仕方ないんだよ。

もう、困った人、心配いらないのに。

ジョージさんに愛されてるって分かったし。

私ね、また演技のレッスンに通おうと思ってる。

もっと力つけていい女優になる。

ジョージさんに恥かかせられないしね。

まだ紹介できるかどうか分かんないよ。

いいよ、それでも。

どこまでできるかやってみる。

私も頑張らなきゃ。

心の波風さばき いざないよ 悲しみ、刺激、時も 悲しみ、嘆きの嵐 胸に潰された日々も
ドラマをどう構築するか、主人公の欲しいものを設定する、何に葛藤しているかですよね。

だいぶ少なくなりましたね。

毎年のことですけど。

みなさんは頑張ってくださいよ。

さあ、クライマックスを作る。

これ、主人公のボロボロになるような設定が欲しいですね。

簡単に手に入ってしまっては面白くないんで、障害を乗り越えていかなくちゃいけない。
その障害をどういう風に作っていくか、 これが一つキーになりますよ。 どうしたの?

ダメだ。

間に合わない。 締め切り伸ばしてもらえないの?

伸ばしてもらったって仕方ないよ。

かける気がしないんだ。

明日、椿先生のところに。 謝りに行ってくるよ。

ねぇ、ジョージさん。 もう気の夢中じゃないの?

ほら、もっと楽しみなよ。

君に何が分かるんだ。

やっぱり僕は、脚本家になんかなれなかったんだ。

昔、コンクールで賞もらってた。

これで自分も脚本家になれるなんて、まあよかったよ。

仕事も辞めて、家族にも挨拶かされ、昔の仲間は見切りつけてどんどん辞めていくのに、
自分にはこれしかないって思い込んでさ、夢は見ていたんだよ。

コンクールにもたくさん出して、
売り込みも散々やった。 だけど、何も引っかからない。

才能なんてないって気づいていたけど、続けてればいつか報われるんじゃないかって、
自分の都合のいいように考えてさ。

歳ばかりどんどん食って、
今さら人生やり直しなんかできない。 どん詰まりだよ!

なのに、初めてチャンスもらって、ようやく抜け出せると思ったのに、
なぜかけない。

今やらなきゃいけないのに、結果出さなきゃいけないのに、僕は何もできないんだ。

ようやく辞められる。

やっと自由になれるよ。

血ばかり出さないのに、 いなくなったのに、

何 でもかっこいいけど。 ああ、俺たちは、
本当に無いんだよ。 あれ、 何 か 封 ぜ mun …

お 待ちしております。 ど ちらさん?

この店の方ですか?

この店なら、もうとっくに閉店してるよ。 この人、知ってますか?

ああ、えっと、名前なんつったっけ?

ナオミです!

そうだ、ナオミちゃんだ。

きれいな子だったね。

ここが実家だと聞いて、探してるんです。

確かにここがこの子の実家だけどね。

もう今は誰もいないよ。

この子の母親、借金抱えて、10年前に男と出てっちゃったからね。

弟が一人いてね。

しばらくの間は、ナオミちゃんが働いて養ってたみたいだけど。

ブレちゃってね。 そうね。

今は刑務所だって噂。

本当、ここもどうにかしてほしいよ。

あり放題でしょ。

借り手がつかなくて、ずっとこの孫なの。

ナオミちゃんに会ったら、よろしく伝えといて。

この世の波

い ざない 刺激時も 悲しみ 嘆きの嵐

闇 下り雪は消ゆ 祈り称え 歌は 恵み深き つ

ま きですね。 申し訳ありません!

申し訳ありません!

聞きましたよ。

締め切りすっぽかして、電話にも出ないそうじゃないですか。

あなたはここで何をやってるんですか。

本はもう諦めたんですか。

書けなくて。

それで逃げ回ってるんですか。

ナオミがいなくなっちゃったんですよ。
いや、 あなたは何を言ってるんですか。

あなたのシナリオに対する思いは、その程度だったんですか。

やったんです。

一生懸命やったんです。

だけど、僕には才能がないんですよ。

わかってますよ、そんなこと。 あ なたは。

脚本家なんてのはね、地味な仕事なんですよ。

どれだけ努力したって、日陰の存在ですよ。

それでもいい作品を作りたいから、毎日コツコツ勉強して、書き続けるんです。

今活躍してる人たちだって、みんなそうです。

私は、あなたはそれができる人だと思ってました。

あなたには、失望しました。

庄司君、椿さんはね、あなたのことが心配で、今日お店に来てくれたのよ。

男と女のことは、いろいろあるけど、 あなたは何か勘違いしてると思う。

ナオミは本当はいないの。

あなたが作り出した幻想ね。

あなたは、本当のナオミが見えていなかったの。

ナオミは、どうして聞いたんですか?

きっと、あなたのためね。

自分がいると、ダメになってしまうって思ったのよ。

3日あげます。

今あなたがやるべきことは、本を完成させることだけです。

フォーク、フォーク、フォーク、フォーク…。

ナオミが帰ってくる、ナオミが帰ってくる。
どうやって帰ってくるんだ?

こんばんは。

何、馬鹿みたいな顔して。

ナオミ。 ナオミ。

ああ、やっぱ落ち着く。 今までどこにいた?

まあ、いろいろと。

探したんだ。

私がいなくなって、そんなに困ったの?

私の恐ろしさがわかったでしょ。

頼む。

もう二度と僕から離れないでくれ。

これから何でも言うことを聞くか?

うん、聞こう。

じゃあ、馬になる。

ほら行け。 もう泣き言は言わないか?

言わない。 私のために生きるか?

生きる。 ずっと私が好きか?

大好きだ。

あはは。

じゃあ、馬じゃなく人間に扱いしてあげる。

ほら、走って。

あはは、はっはっは。

ほら、ほら、もっと行けるよ、もっと。

おら、行け行け。 まだまだ行くよー。

最初の文を読み上

げ ます。