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ええ、そうなんですの。今年こそは合格してもらわないと私の責任になってしまいます。ものを全力で応援するつもりでおりますの。ええ、はい。合格したらぜひお食事をご一緒に旦那様と一緒に4人で。どこかはい。

きっと息子も喜びますわ。はい。裁判官の心得など、旦那様に教えていただけたら嬉しいですわ。はいはい。それではまたごめんくださいませ。

今日、息子の慎吾さんが三年ぶりに家に戻ってきます。慎吾さんは亡くなった夫の最初の奥さんとの間にできた子供。三年前、夫が急死してからは家に寄り付かなくなりました。

実は慎吾さんは司法試験の受験で心身が不安定になり、しばらくは行方が知れませんでしたが、急に連絡があり、久しぶりに帰宅でした。

一人じゃろくなお料理も作れないから、合格できないんじゃないかなって心配してたのよ。今日からはたっぷりをつけてね。うん、今年はきっと合格できるわねえ。この紙はまずいんじゃないの？

そんな髪型の裁判官っているのかしらねえ。もう頭がいいんだから、もっとハキハキしゃべるようにしたらねえ。無口な裁判官っているのかしら？しんごさん。

私がこの家に来たとき、慎吾さんはまだ中学生でした。正直、どう接したらいいのか遠慮がありました。その距離がいまだに縮まらないでいるのです。

しんごさん、しんごさんいないの？あ、洗濯物。

何見てんだよ。しんごさん。この本どうしたの？どこで買ったの？しんごさん聞きなさい。男なんだもん、こういう本を読むのは。

当たり前よ、お母さん。理解しているつもりでもね。今、試験前の大事な時でしょう。意思を強く持って我慢。我慢できないの？ああ、できないえ、できないね。何するの？

絶対に超えてはいけない一線を越えてしまった息子と私。

司法試験に影響するのではないかと、私は気が気ではありませんでした。そして、ますます息子の言いなりになっていったのです。

今日は逆らうのよ。ご飯ちゃんと食べてくださいね。四つん這いだよ。早くやれ。膝つくんじゃない。

ほら、後ろからだ。早くしろ。

一本加えて一周しろ。早く。

これで何するかわかってるの？

見てたんだろう。SMのほう。あれと同じようにしてやるよ。

いいもんつけてやるよ。ああ、しんこさんやめて。そんなのやめて。いやいやいや。

どうした腹減ってきたの？ほら食えよ。腹減ってんだろう。

全部食え。うまいか、うまいか、コーラも飲むか。うん。

こっち開けろ。こっち開けろ。

ああ、すごい不便で。それからは慎吾さん。落ち着いて勉強していることが多くなりました。

ただ、勉強に疲れると当たり前のように私の体を求めてくるので、そのたびに私は応じていたのです。

でも努力したのに、慎吾さんは司法試験に落ちてしまったのです。慎吾さんはまた部屋に籠って私と口をきかなくなってしまいました。そんなある日。