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Original subtitles

(地鳴りのような音)

(人々の悲鳴)

(人々の悲鳴)

(人々の悲鳴)

(自衛隊員の声)

(自衛隊員)早く! 急いで 急いで 走って!

(自衛隊員)足元気を付けて! 止まらない 止まらないで!

(自衛隊員) 上階 確認してまいります

(自衛隊員) 早く 続いてください! 急いで!

逃げて 早く! 下の階へ逃げてください!

急いでください!

(地鳴りのような音)

(スピーカーから流れるピアノの演奏)

♪ 朝日がのぼってきたら 旅立ちの時さ

♪ みんなで行こうよ 目指すはあの島

(牧まき 雄一郎ゆういちろう)フウ…

♪ 今、ぼくらは

♪ 今、今、今

(末永明穂すえながあきほ)おはよう 牧君

(牧)おはようございます

(末永)ああ 食べる?

(牧)いや まだ大丈夫です

(松岡まつおか 徹とおる) 牧君 おはようございます

(牧)おはようございます

(瀬戸一花せといちか)ああ めんどくさ

(末永)また言ってる

(牧)どうしたの?

(瀬戸)次の火曜 美和みわさん誕生日なんです

(牧)へえ…

(瀬戸)で 多分 嫌なんですよ 美和さん―

50になるの

(牧)嫌なんだ

(瀬戸) だから お祝いとかすると―

まあ 怒るまではいかないけど ちょっと…

(牧)じゃあ そっとしておいたほうが いいね

(瀬戸)そう でも 何もしないとしないで―

たぶん 不機嫌になるんですよ

(牧)じゃあ… まあ“おめでとう”くらいは

(瀬戸)それだけだとねえ…

多分 怒るっていうか なんていうか

(末永)すごかったんですって 昔 お誕生会 盛大で

(瀬戸)ヤバかったですよ

俳優だの モデルだの アーティストだの―

んで よく分かんないオジサマとか うじゃうじゃ

(牧)あ~ なんか 芸能人って感じしますね

(瀬戸)寂しがり屋で かまってちゃんなんです―

ああ見えて

(功刀啓介くぬぎけいすけ)おはようございま~す (一同)おはようございます

(牧)おはようございます

あれ? 去年って なんかしましたっけ?

(瀬戸) いや それが完全に忘れてて―

1週間 口 利いてくれなかったんです

(牧)あ~ なんかあった 謎にめっちゃ不機嫌な時期あった

そういうことだったんだ

(鶴見つるみ 晃あきら) 牧様 おはようございます

(牧)おはようございます

(瀬戸)ねえ 鶴見さん どうすればいい?

(鶴見)そうですね

やはり ご本人の希望を聞くのが よろしいんじゃないかと

(瀬戸)それだと違うんですよね…

(山本宗介やまもとそうすけ)おはようございます (末永)おはようございます

(牧)おはようございます

(末永) でも 何かお祝いはしたいですよね

だって もう何回も来ないでしょ?

お誕生日なんて きっと

(瀬戸)確かに 最後かもしれない

(牧)でも お祝いって 何するんですか?

(末永)ごちそうとか?

(牧)えっ 缶詰とレトルトだけで ごちそうって出来ます?

(功刀)ん? 僕 結構好きだよ

なんの話?

(末永)もうすぐ お誕生日なんですって 美和さん

(功刀)えっ そうなんですか?

(末永)おはよう 宮田さん (宮田朝日みやたあさひ)おはよう

(功刀)おはよう (牧)おはようございます

(功刀)なんか計画してるの?

(瀬戸)いや 何も

(牧)なんか 祝われると 嫌がるんですって

(功刀)そういうタイプだもんね 面倒くさいよね

(牧)面倒くさいって 言っちゃダメですよ

(功刀)いや 絶対 盛大にやったほうがいいですよね

(瀬戸)そうですかね (末永)そうなんだけど

(功刀)何やったら…

(瀬戸がテーブルをたたく音)

(鶴見)大西おおにし様 おはようございます

(大西美和子みわこ) おはようございま~す

(瀬戸)美和さん おはようございます

(功刀)美和さん おはようございます (牧)おはようございます

(末永)何か持って来ましょうか? 美和さん

(大西)いや 大丈夫です 自分で あとでやりますから

(鶴見)あっ いや… 何も…

(功刀) あっ 宮田さん どうしたの?

(功刀)あっ!

(瀬戸)ウソ… (功刀)え~ マジか…

(大西) あの銃 まだ使えたんだ

(瀬戸)えっ そこですか?

(松岡)ああ~!

(大西)松岡さん うるさい

(松岡の叫び声) (功刀)うわっ!

(大西)松岡さん うるさい!

(功刀)松岡さん いいから手伝って

(牧)平山ひらやまさん…

(鶴見)ひとまず 運びましょう

(牧)はい

(鶴見)このまま運びましょう

すみません

山本さん お願いします

(山本)はい

(地鳴りのような音)

(功刀)まさか 自分が 最初に使うなんてね 平山さん

(瀬戸)すご~い

(瀬戸)あっ! 全然ちが~う

で 何かありました?

(牧)いや 特に何も

(鶴見)遺書のようなものは ありませんでした

(功刀)美和さん よく乗れますね それ

(鶴見)それで 末永様は?

(瀬戸)部屋で休んでます

(鶴見)そうですか ご苦労さまでした

(大西)鶴見さん 大丈夫ですか

(鶴見) はい ありがとうございます

(大西)でも 平山さん―

あのままってわけには いかないですよね

(鶴見)ええ そうなんですが…

(功刀)ホテルに火葬場なんて ないですもんね

(鶴見)はい

(大西)埋めるしか ないんじゃないですか

土葬?

(鶴見)でも 外で穴を掘る作業は さすがに危険かと…

(瀬戸)屋上に置くとか?

(大西) バカ 呼び寄せちゃうじゃない

(瀬戸)え~ 屋上ですよ? 登ってきます?

(牧)羽化して 飛んでくるかも

(瀬戸)ええ…

あっ でも ちょっと見てみたいかも 羽化したら

(功刀)確かに

ちょっと見てみたいね 飛ぶとこ

バサ~! バサバサバサッ!

あっ! ねえ ここ ちょっと トイレすごいよ 来て

(大西たち)えっ!

(瀬戸)わ~! すご~い!

(大西)おお! すご~い!

(地鳴りのような音)

(大西) あっ すごい いいにおいする

いいにおい

慣れちゃったからな

(山本)館内 残っている方は―

大至急 エントランスまで 集まってください!

これが最後通告となります!

館内に残っている方―

大至急 エントランスに 集まってください!

こちら 陸上自衛隊です!

これが最後通告となります!

こちら 陸上自衛隊です

(荒い息)

(せきこみ)

(濱田)皆さんが最後です!

落ち着いてください!

これから 自衛隊のヘリに 乗り込んでいただきます!

確実に 全員乗り込んでいただけるよう―

荷物は置いていってください!

(鈴木)これで全員ですか?

(濱田)山本が最後通告に行ってる ここ頼む

(自衛隊員)出発準備完了 (鈴木)了解

(鈴木)では移動します!

指示に従って動いてください!

くれぐれも 勝手な行動は控えて

座っている人 立てますか ゆっくり ゆっくりでいいですよ

はい では こちら 我々について来てください!

(男性)押さないで!

(鈴木)押さないで! こちらです

(宿泊客たちの悲鳴)

(ヘリコプターの飛行音)

(地鳴りのような音)

(末永)ねえ やめよう やめよう

いやいや やめましょうよ

(功刀)大丈夫ですよ

(末永)いやいや やめましょうよ

(功刀) そんな… 人を泥棒みたいに

だって…

ちょっと…

ああ どうも

もう行っちゃったみたいですね 自衛隊

ほら だから 大丈夫ですよ 末永さん

でも そんな 人様のものを…

戻って来るかもしれないし

あっ 僕 功刀っていいます

末永です

あなたは?

牧です

(地鳴りのような音)

うわ… また

牧さん あれ 見ました?

あ… あれ?

大きかったな

なんか 王蟲おうむみたいな 『風の谷のナウシカ』の

何匹もいましたね

あ~ “何頭”か

なんか 夢でも見てるみたいで…

(功刀) 牧さんも逃げそびれましたか

逃げなかったのか

まあ 他にもいるかもしれませんね 残った人たち

よいしょ

(末永)だから… ちょっと

(末永)あ… 女の人ですね

(功刀)やめときましょう (末永)えっ?

(功刀)じゃ 末永さんどうぞ

(末永)いいですよ (功刀)どうぞ

(末永)いえ 大丈夫…

(チャイム)

(アナウンス:鶴見) 館内にいらっしゃる方々は 2階食堂までお越しください

朝食のご用意がございます

繰り返します

館内に残られている方々は 2階食堂までお越しください

(チャイム)

(ドアが開く音)

(男性の悲鳴)

(男性)あ~! 誰か~!

おい~!

(叫び声)

(男性)あああ~! (牧)えっ はあ?

(松岡の泣き声)

(松岡)よかった よかった… ありがとう

(牧)ちょっと ほどきますね

(松岡)ああ 怖い! 怖い 怖い 怖い!

(三好善司みよしぜんじ)ハア…

圏外?

(三好)ダメですか?

(瀬戸)はい もう ずっと…

あっ

(鶴見)おはようございます

当館の支配人の鶴見でございます

恐れ入りますが お名前と お部屋の番号をお願いできますか

牧です 404です

(鶴見)はい

504号室の松岡です

はい

とりあえず 今日のところは こちらを

ありがとうございます

(松岡)失礼します

(地鳴りのような音)

これで全員ですか?

はい 恐らく

少し状況を 整理しましょうか 山本さん

(山本)はい

3月2じゅ… あ…

自分は山本宗介二等陸士です

3月22日 早朝 未確認の巨大生物が出現

同日0600マルロクマルマル 自衛隊は救助作戦を開始

2100ニヒトマルマル 作戦を終了

現在 このホテルは 包囲されている状態です

直近の報告によると この現象は 各地で―

同時多発的に起きている とのことです

当館は大規模災害を想定した―

自家発電 自家水道システムを 備えておりますので―

当面のご心配は ご無用かと思います

(三好)食糧は?

(鶴見)それも災害を想定した 備蓄がございますので

(三好)どのくらい?

(鶴見)そうですね―

このぐらいの人数ですと 1年以上は持つかと…

(瀬戸)あっ そんなに

(鶴見)はい ただ それまでに また あの…

救助が来るかと思われますのでね?

皆さんも いつでも出られるように しておいてください

(松岡)あの 皆さんはもう 自己紹介とかされましたよね?

あっ いや そのようなことは まだ…

(松岡)ああ じゃ

え~ 松岡徹 43歳です

仕事はメーカーの開発部におります

妻と息子が1人おりまして…

(地鳴りのような音) (松岡)ハア ハア…

(地鳴りのような音)

(松岡)ハハハ…

ああ…

あっ 趣味は登山です

あとは スポーツ全般ですかね

観みるのも やるのも好きです

よろしくお願いいたします

(功刀)あっ じゃあ

功刀啓介です 39歳です

区役所勤めでした

え~… あっ で こちらが末永さんです

(末永)末永明穂です

(松岡)お二人は ご夫婦ですか?

(功刀)あっ いや 全然 そんなんではなくて

ねえ

(松岡)お知り合い?

ええ まあ 僕ら何人かで来てまして―

あの…

みんなで一緒に死にましょう みたいな感じで

功刀さん

それで知り合いました

知り合ったのはネットなんですけど あと こちらの宮田さんも

他にも何人かいたんですけど 避難されたみたいですね

はい 以上です

(功刀の拍手)

じゃあ…

(椅子が動く音)

(瀬戸) 美和さん どうしたんですか?

614号室の大西様ですね

支配人の鶴見でございます

あの~ あの… 頭痛薬かなんかあります?

なんでもいいんですけど―

できたら まあ ロキソニン

はい かしこまりました

すぐにお持ちします

(瀬戸)美和さんの分も もらっておいたんで ご飯

(三好)三好です

出張で来てました

あっ こっちは部下の柳です

(松岡)じゃあ 次は…

(末永)あっ あの… (瀬戸)はい?

(末永)えっと… 桜井さくらい美和さんですよね?

ああ! 美和さん

あの… 握手 いいですか?

私 ずっとファンで…

撮影か何かですか?

(瀬戸)はい まあ なくなりましたけど

(瀬戸)マネージャーの瀬戸です (末永)ああ どうも

(功刀)僕も いいですか?

お願いします

(功刀)芸能人の方… 女優さん? (末永)女優さん 女優さん!

(功刀)えっ すごい! え~!

ありがとうございます

(末永)えっ…

ドラマとか 映画とかですか?

(功刀)主役ですか? (末永)当たり前じゃないですか

(瀬戸)ちょっと内容は…

(末永)あっ そうですよね

(功刀)そういうの 言っちゃダメなんですよね

(末永)そうか そうですよね

(松岡)息子と 山に登るはずだったんです

山って言っても そんな過酷なものじゃないですよ

まだ 5歳なんでね

夢だったんですよね 自分の息子と山に登るの

そろそろかなと思って

家内と家族三人で

牧さん ご結婚は?

(牧)いえ…

あの ご家族って…

無事に 避難したんじゃないですかね

(牧)えっ… じゃあ あれって誰に…

しかし 驚いたな

まだ何人か残ってたなんて

みんな 逃げそびれたんですかね

かわいそうに

まあ そのおかげで 私は助かったんですけどね

あのまま 死んでしまうんじゃないかと思ったよ

ああ 改めて 本当にありがとうございました

(牧)あ… はい

はい じゃあ 次はあなたの番

(牧)番? (松岡)自己紹介です

ああ… 牧です

(松岡)うん

牧さん 歳は?

33です

(松岡)うん お仕事は?

あ~ ちょっと まあ…

(地鳴りのような音)

(牧)ものを書いたり (松岡)ハア… ハア…

(松岡)フウ…

ハハ… えっ なんですか?

いや あの… ものを書いたり

(松岡)もの書き?

う~ん 雑誌かなんか?

ああ webとか?

まあ webとか

いや あの 小説…

(松岡) えっ 作家ってことですか?

はい

(松岡)あの もう一度 お名前って

牧…

牧 雄一郎です

(松岡)牧 雄一郎

牧 牧…

あっ! えっ 雄一郎の“雄”って あの雄おすの?

ああ はい そうです

(松岡)知ってる!

知ってますよ!

え~ ホントに?

あ! これ だからか!

ああ… えっ そうな…

これ皆さんに言っていいですか? いいですよね?

え~ 作家さんだ

うわ~ すごい人に助けられたな 私は

ハハッ

(牧)あ… (松岡)アハハハッ

(松岡)え~!

(瀬戸)なんか 昔からありましたよね ああいうの

自殺サークルっていうんですか

いや~ あるんだ ホントに

(水が流れる音)

(瀬戸)食糧 当分大丈夫って 言ってましたけど―

サプリとかあるかな

持ってくればよかった ビタミンとか不足しそう

あっ ナプキンって…

あるか

ありますよね

誰か置いてってるかもしれないし

(大西)寝るんだったら 自分の部屋で寝て

怖いんですもん いいじゃないですか

ベッドあるし

(地鳴りのような音)

(瀬戸)美和さん ベッド換わりません?

ここ 禁煙じゃないんですか?

美和さん これ 本に書いたら売れますよ

自伝も兼ねて

ついでに いろんなこと 暴露しちゃいましょうよ

実名出しまくって

(大西)一花さ

(瀬戸)はい

(大西)なんで逃げなかったの?

(瀬戸)なんででしょうねえ

(ドアが閉まる音)

(三好)紀子のりこ

(ドアが閉まる音)

(地鳴りのような音)

(山本)0101マルヒトマルヒト こちら02マルニ 感明 送れ

こちら第1師団 第34普通科連隊 山本宗介二等陸士

2024年3月28日 木曜日 7日目 生存者10名

建物周辺に未確認巨大生物 数は不明

引き続き 航空救難団の出動を請う

こちら第1師団 第34普通科連隊 山本宗介二等陸士

2024年3月28日 木曜日 7日目 生存者10名

建物周辺に未確認巨大生物 数は不明

引き続き 航空救難団の出動を請う

終わり

(鶴見)お肉は冷凍にするとして

私 料理は不得手でしてね

全然ダメ というわけではないのですが

とても お客様に お出しするようなレベルでは…

なので 助かります ありがとうございます

え~と 次は…

末永様?

(末永)あっ

(末永)すいません (鶴見)いえ

今日のところは 私が はい

(功刀)ちょっと待ってください 当てます 当てます

えっと え~

(地鳴りのような音)

(功刀) なんか 頻度減りましたね

あっ それで なんでしたっけ?

(松岡)フフッ

あ… あ…

“或ある夜の鳩はと”?

鳥?

電車

(松岡)ハハハッ (功刀)そう それ!

『或る夜の電車』 それは僕 読みましたよ

ありがとうございます

あれ 最後 びっくりしました

よく あんなの思いつきますよね 作家って

すごいなって思いました

あっ フフフッ

すいません なんか偉そうで

いえ ありがとうございます

桜井美和さんがいて 牧 雄一郎もいるなんて

こんなこと あるんですねえ

映画になったのありましたよね 何でしたっけ

(牧)ああ…

(松岡)宮田さん

ここで一緒にどうですか?

些細なことですけど

食事で顔を合わせるというのが 大事だと思うんですよ

あなた いつも部屋戻っちゃうから

(宮田)大丈夫です

食事のときくらいしか 顔を合わせられないじゃないですか

(宮田)んっ…

(平手打ちする音)

(宮田)す… すいません

(嘔吐する音) (松岡)ああ…

どなたか おしぼりか何か…

(鶴見)はい はい

(宮田のせきこみ)

(末永)大丈夫? 宮田さん

(松岡)大丈夫ですか? さあ ほら 立って

なんだ その目は

何か言いたいなら はっきり言いなさい!

(食器が落ちる音)

(皿が落ちる音)

(牧)あ…すいません

(鶴見)あの… 大丈夫ですから 私が

(牧)あの…すいません ちょっと 提案っていうか…

(地鳴りのような音)

(徐々に音が収まる)

(牧)えっと まず 暴力はなし

あの 手を上げたりとか 言葉も

あと 盗んだりとかもなしで

あとは 必要以上に 干渉するのは やめましょう

お互い

とはいえ 必要に応じて助け合う

この3つ? 3つか

非暴力

不干渉

え~ 相互扶助 以上です

この3つだけ 守りませんか っていう…

(功刀の拍手)

なんですか それは

(牧)はい?

牧君 こういうときだからですよ

こういうときだから―

そんなよく分からない ルールみたいなものに―

頼ってちゃダメでしょう

ねえ 牧君

(牧)いや… ちょっ はい…

(松岡)想像してみてください

想像力が あなたの武器でしょう

この状況で 男である我々が―

父親代わりに ならなくてはいけないんですよ

違いますか?

家族みたいなもんでしょう 我々は

(牧)それは どうでしょう ハハ…

(松岡)何か おかしいですか?

(牧)あ~ いや…

(殴る音) (牧)いった…

(倒れる音) (牧)痛っ…

さあ 来い!

松岡さん ちょっと落ち着きましょう

邪魔をしないでください

おい!

みんなでご飯だ

(大西の笑い声)

ちょっと… あんた 頭おかしいんじゃないの?

三流女優は黙っていてください

(瀬戸)三流女優? (大西)一花!

(大西の笑い声)

(大西の笑い声)

(トレーが落ちる音)

(松岡)助けなんて 全然来ないじゃないですか

(トレーが落ちる音)

(功刀)ああ… ええっ!

いつまで こんなことを続けるんですか

(功刀)松岡さん!

あ…

(松岡) どうせここで野垂れ死ぬんだ

(功刀)松岡さん

(リンゴをかじる音)

(投げつける音)

だから せめて 家族になろうって言ってるのに!

松岡様 一旦 落ち着いて!

落ち着いてください!

(三好)何やってんだ おい!

(鶴見)やめてください! やめてください!

ああ! ああ~!

(三好)何やってんだ あいつ

(銃声)

(一同)わっ!

(平山 健けん) あ~あ 穴空けちゃって

どうすんだ 自衛隊

民間の建物壊しちゃって

ハハッ… なあ 小僧

少々 お客様同士に トラブルが生じまして

(平山)それをどうにかするのが お前の仕事だろ 違うか?

(鶴見)申し訳ございません

おう ほらほらほら おい

大丈夫 大丈夫 大丈夫

(一同)わっ!

(平山)バーン!

(三好)なんだ あのじいさん

当ホテル会長 平山でございます

え~ ちょっと 皆さん いいですか?

(鶴見)あっ はい

失礼します すいません

すいません

(銃声) (鶴見)おおっ!

(平山)来い って言ってんだ

(平山) え~っと さっき… ああ お前か

お前の言った3つ ありゃ いい

ごちゃごちゃルール作るより よっぽどいいや

三原則

私から あと一つ よろしいか?

(平山)死にたいヤツは これで勝手に死ぬこと

もちろん このホテルから 出て行くのは 自由だ

とにかく 死にたいヤツの邪魔はしないこと

以上

(平山)ああ あと お前―

食べ物を粗末にするな

いいな?

(松岡)はい

(地鳴りのような音)

(リンゴをかじる音)

(山本)0101マルヒトマルヒト こちら02マルニ 感明 送れ

2024年4月4日 木曜日 14日目 生存者11名

現在 異常なし 未確認巨大生物 いまだ活動中

引き続き 航空救難団の出動を請う

終わり

(地鳴りのような音)

(功刀)なくなったっていうのは どういうことですか?

先ほど さすがに ゴミが たまりましたので―

様子を伺うついでに 山本さんとゴミを捨てに出ました

(三好)アレは?

はっきりと 遠くでしたが見えました

数は分かりません

(末永)それで ゴミが?

何も なくなっていたんです

この状況下で 業者の方が 回収に来られたとは思えません

食べた

(功刀)食べた?

食べた

気前の良い人は自分も太り―

他を潤す人は自分も潤う

鶴見 食いものもらうぞ

(鶴見)どうぞ

(功刀)今日持って行ったやつも なくなってたら…

(鶴見)その可能性はあります

(三好)ちょ… ちょっと待って

じゃあ あいつら…

離れないじゃないですか

それ餌付けですよ やめましょうよ ゴミ捨てるの

(平山)はい

でも まあ たかが人間 数名のゴミですから…

とはいえ 外に出さないわけにはいかないので

様子を見て また できるだけ遠くの方に

(地鳴りのような音)

(三好)ああ 山本さん なんか連絡つきました?

いえ 通信は続けていますが 応答は…

(鶴見) この階段の先に扉がございます

その先は地下通路になっており

高速道路の 地下トンネルに通じております

非常時以外に 使用されることはありませんし―

今まで ほぼ使用されたことはありません

今 このような状況下で 山本さんのご判断を仰ぎたいのです

(荒い息)

(自衛隊員)山本君

飲んでないよね?

(自衛隊員)飲めよ 飲もうよ! (自衛隊員)飲めよ!

(自衛隊員)お~い!

(自衛隊員)おい どうした (自衛隊員)ヘイヘイヘイ!

(殴る音)

(自衛隊員)どうした~? (自衛隊員)おい!

(殴る音) (自衛隊員)お~い!

(自衛隊員たちの笑い声)

(殴る音)

(自衛隊員) こんなもんか お前

ヘイヘイヘイ 山本

どうした 山本 立て 立て 立て!

(蹴る音)

(はやし立てる声)

(蹴る音)

(倒れる音) (山本)うっ…

(山本の荒い息)

(うめき声)

(鶴見)山本さん?

大丈夫ですか?

(山本)あの通路は… 危険です

詳しくは調べてはいませんが 恐らくガスです

有毒の可能性があります

とにかく… 危険です

(鶴見)あっ…

(三好)大丈夫 きっと前みたいに戻れる

(柳 紀子)前? (三好)ああ

(三好) 元どおり また二人でいられる

(柳の荒い息)

(柳)ああ ああ… ああ!

(柳)ああ! (三好)紀子 おい!

(三好) 分かった また今度にしような

もう一回ちゃんと計画立てて な?

だから ほら…

開けろよ! おい!

おい みんな死んだんだよ!

俺の子供も! 奥さんも!

なあ もう お前しかいないんだよ!

紀ちゃん! お前 一緒に死んでくれる…

(地鳴りのような音)

(柳の荒い息)

あっ…

(あえぎ声)

(瀬戸)おかしいですね

金曜日の夜 あなたは 一人で 夕食を済ませたとおっしゃった

しかし あなたと杉本すぎもとさんが

2人でホテルの中に 入っていくのを見たと

こうおっしゃる方がいらしたんです

刑事さん

私 もう これ以上 あなたに お話しすることはありませんわ

ええ 分かってます

しかし 証言されている方が いる以上は…

それは どなた?

亡くなった 由美子ゆみこさんです

(大西)私 これ もう飽きたわ

(瀬戸)ええ

(末永)すごい!

(瀬戸)動いてやってみましょうか (大西)冗談でしょ

(瀬戸)そういや あの人 いなくなっちゃいましたね

(大西)誰?

(瀬戸)柳さんの上司の

(末永)三好さん (瀬戸)そう

出てっちゃったんですかね

(松岡)先日は 大変申し訳ありませんでした!

(大西)え… 何ですか?

(松岡) 失礼なことを申し上げまして 大変失礼いたしました!

(大西)はい

分かりました もう大丈夫です

(瀬戸)あっ

松岡さん ちょっと ここ読んでみてもらえます?

(大西)一花 (瀬戸)ちょっとだけ

(瀬戸)こちらに

(松岡)ええ…

(松岡)ここ ですか (瀬戸)はい

松岡さんは刑事さんです

(松岡)ええ?

(瀬戸)どうぞ

(松岡)おかしいですね

金曜日の夜 あなたは 一人で 夕食を済ませたとおっしゃった

しかし あなたと杉本さんが 二人でホテルの中に…

(功刀)こんちは~

(松岡)入っていくのを見たと こうおっしゃる方がいらしたんです

(大西)刑事さん

私 もう何も あなたに お話しすること ありませんわ

(末永)功刀さん それって…

(末永と功刀の笑い声)

(瀬戸)えっ え~?

(功刀)フフフッ

(末永と瀬戸の笑い声)

(3人の笑い声)

(功刀)きれい?

(瀬戸)きれい

(功刀)多分 こういうのですよね こういうのが嫌だったんでしょうね

妻は 娘も…

(リンゴをかじる音) (功刀)フフフッ

(泣き声)

(末永) いいじゃないですか ねえ?

(功刀の泣き声)

(末永)功刀さん

大丈夫 大丈夫

(大西)功刀さん

(末永)いやあ 泣かないで きれいですよ とっても

(3人)うん

(鶴見)あっ

会長の私物です

ここに図書コーナーを 作ろうかと思いまして

バカどもには本でも読ませておけ ということでして

(鶴見)あっ 牧様は―

何か新しいお作品を 書かれないのですか?

(牧)え…

当分 時間もあることですし

いや… あの その… 分かりませんが

(牧)すいません (鶴見)はい

(牧)あ…

(牧)すみません これ お借りしてもいいですか?

(鶴見)ええ どうぞ

おおっ

(牧)ごめんなさい (鶴見)いえいえ

(地鳴りのような音)

(ドアが閉まる音)

全部 あなたの憶測じゃないですか

確かに杉本部長のことは 好きじゃありませんでした でもね―

だからって殺したりはしませんよ

普通そうでしょう

確かに 私が杉本部長を殺すことが 可能な状況であったことは認めます

でも それだけでは 私が 犯人である証拠にはなりませんよね

ご宿泊中の皆様に―

ご案内申し上げます

(鶴見) 先日のゴミに関する事情により―

この場所を我々は 離れることが困難となりました

よって 皆様には もうしばらくここでの生活に―

ご辛抱いただくこととなりますが―

よろしくお願い申し上げます

それにつきまして 連絡事項が いくつかございますので―

どうぞお聞きください

避難されたお客様が残された お荷物に関しまして―

本来は 保管しておくべきものですが―

この有事の中 必要な物のみ お借りすることにいたしましょう

食事に関しましては―

引き続き 配給制を取らせていただきます

末永様のご協力のもと―

皆様に公平に行き渡るように 私 努めてまいりますが―

もし 何か お気付きの点がございましたら―

どうぞ 私までお申し出ください

また 共有部分の 清掃に関しましてですが―

ゴミ出しと同様―

大変恐縮ながら 当番制をとらせていただきます

食堂に 当番表を貼らせていただきました

はい 各自 ご確認のほど お願いいたします

(荒い息)

(鶴見)また お部屋の移動は ご自由にしていただいて構いません

その際はお手数ですが―

私までご報告くださいますように よろしくお願いいたします

(鶴見)最後に 牧様より ご提案いただいた3つ―

非暴力 不干渉 相互扶助を―

改めて我々のルールとして定め―

引き続き 皆様には当ホテルにて―

快適におくつろぎいただければと 思っております

どうぞご協力のほど お願いいたします

ご清聴 ありがとうございました

(スピーカーから流れるピアノの演奏)

♪ 朝日がのぼってきたら 旅立ちの時さ

♪ みんなで行こうよ 目指すはあの島

末永さん 末永さん

なんか ケーキとかって作れません? 美和さんの

ええ でも お祝いされるの 嫌がるんじゃなかったっけ?

(牧)おはようございます (功刀)おはようございま~す

(末永)おはようございます

牧君 おはようございます

(牧)おはようございます (功刀)おはようございま~す

(瀬戸)やっぱり何かしないと 不機嫌になっちゃいそうで

(末永)う~ん…

(末永)あっ じゃあ なんか―

サプライズとか どうかしら? 美和さん

(瀬戸)いや サプライズはちょっと 怖いかな~

(功刀) そっか 牧君でも分かんないか

(牧)分かんないですよ

(瀬戸)何ですか?

(功刀)平山さんの死んだ理由

(瀬戸) えっ! 分かったんですか?

(牧)だ~か~ら…

(功刀) いや 分からないよねって話

お医者さんとか いたらな 解剖とかできるのに

(瀬戸)え~ 解剖…

(牧)でも 解剖で 動機は分からないですよね

(功刀)なんか ストレスで 脳みそ縮むとか言わない?

(末永)えっ ホントですか?

(牧) でも 自殺か他殺かっていうのは…

分かるかも…

(功刀)他殺? (牧)いや 例えば ですよ

(牧)まあ 例えばです

(山本)そもそも どうして誰も死ななかったんだろう

(柳)どうして って?

(山本)いや これまで

だって あのとき 避難した人達って―

どうにか 生き延びようとした人達ですよね

(柳)うん…

(山本)ここに残った人たちは 言っちゃえば―

もう死んだっていいやって 思ったってことじゃないですか

(柳)私 違うけど

(山本) なのに 今も生きてる ここで

死にたかったら出て行けばいいのに

あっ すみません ちょっと そこ 暗いです…

(柳) 生き延びようともしてないし―

死にたいとも 思ってないんじゃない?

(山本)死のうとして残った

生き延びようとしてここを出た

死のうとしてここを出た

生きようとして残った

ん? どっちだ…

なんか よく分かんなくなってきましたね

あれ 間違えたか

あれ?

いいのか…

(宮田)塀へいの上―

高いとこを―

そこを こうやって歩く感じ

こっち側に 落ちるかもしれないし―

こっち側に 落ちちゃうかもしれない

そんな塀の上で 踊ってるって想像すると―

なんだか正気でいられる気がします

(大西)ほう

ハハ… よく分かんないけど

(地鳴りのような音)

あと ちょっと楽しい

私 ずっと入りたいカンパニーが あったんです

海外に

でも ケガでダメになっちゃって

あと ずっと食べ吐きの癖もあって―

毎日毎日 食べて吐いてました

まあ いつの間にかなくなりました

大西さんは…

(大西)ん?

なんで あのとき 逃げなかったんですか?

あなた アレ 見た?

まあ ちらっと

あのとき―

窓から見たんだけど…

こ~んな大っきなのが 何匹も何匹も

あれ見て

ああ もういいじゃんって

なんか うれしくなっちゃって

ああ はい じゃ もう ここで終わりって―

感じ?

変?

瀬戸さんも?

(大西) あの子はよく分かんないけど

ってか あなた よく ここで踊れるわね

ここ?

放火犯って 現場に戻るっていうじゃない

私が殺したってこと?

そっ

(2人)フフフフッ…

(大西)フフフッ

(功刀)一発? (山本)恐らく

だから 相当至近距離じゃないと まず無理ですよ

(功刀)そうなんだ

(山本)こんな感じですね

(功刀) ここ もうちょっと かわいくして

(山本)ああ… はい 分かりました

(功刀) えっ 訓練とかしたら いける?

(山本)まあ そうですね

ちゃんと訓練すれば 距離あっても 多少は

(功刀)ふーん

えっ 日本の自衛隊も 射撃訓練とかするの? するよね?

はい しますよ

山本君もやった?

はい やりました

やれんじゃん

(山本)え? (功刀)バーンって

(山本)いやいやいや… (功刀)バーンって

(山本)やめてくださいって (功刀)グサーって

銃 関係ないじゃないですか

グサーって

山本君てさ アリバイある? ないよね?

(山本)え?

(大西) 呼び出して バーンって?

(瀬戸)そう バーンじゃないかもですけど

(大西)あれは バーンでしょ

まあ 方法はともかく―

動機は なんなんだろうな?

(瀬戸)え~

金銭トラブルとか?

(大西)えっ そりゃないでしょ この状況で

(末永)でも 人を殺す動機って どんなものがあるんですかね

(大西・瀬戸)う~ん…

(瀬戸) 末永さんって なんでしたっけ

自殺サークル? みたいなので来たんですよね?

(大西)一花

(末永)ええ

(瀬戸) その… なんでですか?

(大西)あんたにはさ デリカシーってものがないわけ?

(瀬戸) だって 動機って言うから

だからって よく そんな ズケズケ聞けるわね ねえ?

いいんですよ 別に

ああ もう すっかり 忘れちゃってました

早い話が 介護にちょっと疲れちゃって

ご自宅で?

夫の両親 二人とも

(大西)あ~

一人は 先に亡くなったんですけどね

これが本当に大変で

夫は全く我関せず

何かあると “他の家はちゃんとやってるぞ”って

フフフ…

もう すごかったんだから

夜中に排泄物が 床とか壁とか―

なんて言うのかしら こう 塗りたくられてて…

排泄物って…

え~ きっつ…

ボケちゃってね

もう臭いで起きちゃうんだから

それで―

ある日 気付いたら私―

包丁持って 立ってたんです

え… 包丁?

包丁

こうやって持って

夜に

二人が寝てる隣で

もう 私 びっくりしちゃって

ああ このままじゃ 人殺しになっちゃうって思って

それでかしらね

あっ! 人殺す動機ってこういうことかしら

(大西)おお…

そうっすね

(キーボードの打鍵音)

(牧)よし

ハア…

はい 確かに

お疲れさまでした

また印刷して 図書コーナーに 置かせていただきますね

(牧)はい お願いします

ご苦労さまでした

どうぞゆっくりと お休みください

ありがとうございます

おやすみなさい

(鶴見)おやすみなさい

(松岡)牧君

新作ですか?

あ… はい

いいですね

読むのが楽しみです

どうも

そういえばね 牧君の作った 3つのルール あるでしょう?

ああ はい

非暴力 不干渉 相互扶助

なんだかね 外のアレも―

それを守ってるように 思えるんですよ

(牧)ああ はあ…

それでね 私 考えたんです

ひょっとしたら アレも 牧君が作ったんじゃないかって

はっ… はい?

牧君でしょう アレを連れてきたのは

どうですかね 新しい小説のネタとして

ああ… はい あ… ありがとうございます

じゃ

牧君も 私のことを疑ってますか?

(牧)疑う?

(松岡) 平山さんを殺したのは私だって

(牧)いや そんなことないです

(松岡)そうですか

おやすみなさい

(松岡)あっ 牧君 (牧)はい

(松岡)もう1年以上前ですかね―

手をあげてしまい 申し訳ありませんでした

こちら山本二等陸士

2026年9月28日 月曜日

天候は 恐らく良好

特に異常なし

本日の任務 大西さんの誕生日会の準備

(極秘) 以上 終わり

おはようございます

(柳) 山本君ってさ いくつだっけ?

(山本)25です

(柳)大西さん 次 50だって

明日 死ぬとしたらさ

(山本)はい?

(柳)明日 死ぬとしたら なんか思い残したことってある?

私さ 結構 貯金あるんだよ

ずっと地味に働いて 貯金してきたから

(山本)偉いですね

(柳)なかったことに なっちゃうのかな

(山本)大丈夫です

大丈夫です

僕が… 守るんで

(地鳴りのような音)

フフフッ

(大西)はい 分かりました

(功刀たち)おお…

(末永)簡単ですけど ケーキも用意しようと思って

(大西)急に呼び出されたから 何事かと思いました

(瀬戸)すいません ホント…

なんで謝んのよ

ありがとう

皆様 ちょっと このお話の流れで 大変恐縮なのですが―

会長の遺体を そろそろ なんとかしないといけません

(末永)ああ そうですよね

いつまでもあのままじゃ かわいそう

でも いいのかしら

ねえ 貴重な証拠が

証拠 ですか?

あっ いや…

皆様 なんだか おかしな詮索を されてらっしゃるようですね

(牧) でも どうするんですか? 結局

ああ やっぱり 埋葬するしかないかと

でも 危険ですから 少しずつ

(功刀) えっ 切り分けるってこと?

(功刀たち)ええ… (鶴見)いやいやいや!

少しずつ穴を掘るということです

そりゃ そうでしょ

功刀さんって 時々 怖いこと言いますよね

いや すみません

それと もう一つ

牧様の新作が完成いたしました

(拍手) (功刀)おお!

(功刀)え~ タイトルは?

ハハハッ また番号か

(牧)普段は編集者の方と 相談して決めてたので

(功刀)なんか ペース早いね 最近

(牧)まあ 短いやつなんで

(大西) 短くて読みやすかったわよ

(牧)え?

美和さん もう読んだんですか?

(大西)うん

どうでした?

(大西) 面白かったわよ さすが~

(功刀)へえ 楽しみだな

さすが牧君 牧先生!

いやいや…

(牧)ありがとうございます (大西)いえいえいえ

(牧)へえ~

よいしょ

(ぶつかる音) (瀬戸)痛っ…

(地鳴りのような音)

(瀬戸)牧…

ん?

(功刀)牧君 牧君

牧君 こっちこっち! 早く!

(功刀)こっち!こっち!

(牧)えっ どうしたんですか!

(鶴見)松岡様 一度 それ 下ろしましょうね

俺が 平山さんを殺した…

(牧たち)えっ!

って言ったら満足か?

(牧たち)ああ…

それでお前らの気が済むのか!

(功刀) 気が済むとか済まないとか…

誰も そんなこと 言ってないじゃないですか

(松岡)私には分かってましたよ

あなた方が考えていることぐらい

だからね その前に自分でやるんです

(功刀)どういう理屈なんですか

(大西)何? 何があったの?

大西さん! お誕生日おめでとうございます!

(大西)はい…

(松岡)でもごめんなさい あなたのお誕生日に 私は死にます

(大西)全然分かんないんだけど

(牧)平山さんが 他殺かもって話してたから

(大西)えっ 松岡がやったの?

えっ! 違う! 違う 違う 違う 違う!

俺じゃない! 俺じゃないのに

お前ら そろいもそろって 楽しそうにペラ…

ペラ… ペラペラ ペラペラ!

人が死んでるんだぞ!

(大西) 久々に見たわね このモード

(功刀) ねえ… どうすればいいんでしたっけ こういうとき

(末永) 松岡さん 私たち 悪かったわ

ごめんなさい ねっ?

だから それ 一旦下ろしましょう? ね?

(大西) え~ 私たち なんかやった?

ハッ!

(牧たち)あ~!

あ~ あ~ あ~…

(瀬戸)いた!

自殺! 自殺!

ハア ハア…

もう 捜したんですよ

何やってんすか みんなして

(大西)何? 何があったの?

(瀬戸)自殺でした 平山さん

えっ! 何 何 何? 怖い 怖い 怖い!

(功刀) 自殺って なんで分かったの?

(瀬戸)あっ

遺書みたいなのが 本に挟まってたんです

(牧)“喰くわせろ”

(鶴見)ああ

ああ 松岡様…

(地鳴りのような音)

(末永)あっ お誕生日会…

(瀬戸)ああ

(大西)あ…

いや さすがに 今は ちょっと…

(瀬戸)ですよね…

(瀬戸) アレ 平山さん 食べますかね

“意味なぞ無い”って 意味分かんない

(鶴見)変わったお方でしたから 昔から

(大西)三文女優って はっきり言われたわ 私

(瀬戸)私も 落ちぶれた三文女優のコバンザメって

(鶴見)皆様 ご苦労さまでした

さあ どうぞ

(功刀)いただきます

(末永)ありがとうございます

(功刀) 僕も言われたなあ いろいろ

(鶴見)ごめんなさい

(地鳴りのような音)

(牧)もしかして…

残っている人間って 僕らだけですかね?

(功刀)かもね もう世界は アレが支配してるんだよ きっと

(牧)じゃあ アレと 人類の狭間にいるんですね 僕ら

(鶴見)狭間…

新世界と旧世界 その境界線が我々ということですか

なるほど

(功刀) だとしたら 皮肉なもんだなあ

僕が最後の生き残りって

ねえ 末永さん

(末永)本当…

(功刀)死にに来たってヤツが こんなに穏やかに生活して

ねえ 宮田さんも

(山本)穏やか ですか?

えっ これ 穏やかなんですかね?

松岡さん 死のうとしてたし

穏やかな生活だとしたら 死のうとする人なんて…

ていうか 平山さん 死んでるし

あ… すみません

(功刀)平山さん こういう状況 予想してたのかな

(末永)こういう状況って?

(功刀)いや ほら 自殺だ他殺だとか 面白がって

(鶴見)ありえます

人を試すのが お好きなお方でしたから

(功刀) とんでもない じいさんだなあ

(大西)でも 結構 楽しんでたんじゃない?

(瀬戸)確かに ちょっとワクワクしちゃってたかも

(末永) そうですよね 反省しましょう

(大西) でも みんなもそうでしょう ねえ?

(宮田)あっ

いや 私は別に

まあ でも 退屈だったんじゃないですか

(功刀)退屈か 確かに

毎日ホテルの中にいて おかしいですよね 僕ら

おかしくないですか?

あれ 僕だけ?

(宮田)おかしいですよ

おかしいのが普通になったんです

(大西)山本君さ (山本)はい

(大西)救助ってもう 来ないよね

(山本)救助要請は 続けていますけど

(瀬戸) それ 届いてない感じですよね

(山本)それは… 分かりません

(瀬戸)誰も来ないもん

(大西)ん? 来てほしい?

(瀬戸)あ… いや…

まあ…

う~ん

(山本)え? (功刀)割と まあ ねえ…

(山本)えっ?

それじゃ 僕は毎日なんのために…

(大西) だから 届いてないんでしょ?

(柳)送らないと 届かないと思いますけど

(瀬戸)なんか 宝くじみたい 買わなきゃ当たらない

(柳)は?

(瀬戸)あ いや…

届いているかは 分かんないですけど

いや… だからって…

えっ?

(功刀)あっ いや 来てくれるぶんにはね 全然

分かりました

もう通信は やめます

(功刀)いやいやいや

それは もう ぜひ続けてもらって ねえ

(瀬戸)私が変なこと言ったからだ ごめんなさい

(大西)そういえばさ―

平山さんの遺書って どこにあったの?

(瀬戸)本です

本の表紙に挟まってて

(大西)なんの?

(瀬戸)小説

(大西)だから それが何かって聞いてんの

(瀬戸)枕の中に…

(功刀) おお! 牧君のじゃないですか

平山さん持ってたんだ

(瀬戸)ああ でも…

(大西)誰?

(瀬戸)はい…

(大西)あなた 名前は?

(牧)牧です (大西)下

(牧)雄一郎

(功刀)えっと これは 同姓同名ってこと?

(大西)あなた 誰?

(功刀)あ~ なるほど いや 気付かなかった

ほら 小説家の顔って 意外と知らないもんだから

へ~ すごい偶然 面白いですね

(瀬戸)怖いです

いや でも ほら―

牧君 ちゃんと書いてましたよね 小説

皆さんも読みましたよね?

いや 怖いですよ えっ 怖くないですか?

別人っていうか なりすまし?

読んだとき ちょっとおかしいなと思ったのよね

素人っぽくて

ここだったら バレないと思ったんじゃない?

ネットないし

(功刀)そんな言い方しなくても…

美和さん 面白いって言ったじゃないですか

(宮田) ウソついてたんですよね?

(功刀) いや そこはもう いいじゃない

(功刀)誰だってそういう… (瀬戸)よくないです

それで 三原則? とか言われても

いや 怖いです

(功刀)えっ?

そんな問題あるかな? これって

牧君の あの3つのおかげで―

ほら 問題なく 生活できてたじゃないですか

問題はあったでしょう

(功刀)だからそれは! (瀬戸)大きい声出さないでください

(功刀)あ… ごめんなさい

あの3つを 守らなかったからでしょう?

みんなが人を疑って

もう過干渉ですよ~

暴力って言っても いいんじゃないですか? これ

(末永)そうだ あの ケーキだけでも 食べませんか?

(大西)今じゃないって 末永さん!

(松岡)私は 牧君の新作 読みました

とても すばらしかった

でも 彼は 私たちにウソをついていた

謝ってください

皆に謝ってください

君の小説をすばらしいと思った 私の感性に謝ってください

(大西)えっ 末永 末永さん…

それはどういう顔なのよ?

(功刀)牧君?

(牧)建設現場とかで―

あ… 荷揚げっていうんですけど ハハハハ…

鉄てっこ… 鉄骨とか 石膏ボードとか運ぶんです

もちろんバイトで

俺 大学… 大学も辞めちゃったから

それで 小説も書いてました

なんかに なりたくて

ハハハハッ

なんにもなれなくて ハハハハ…

ここに来ても 結局何も書けなかった

でも 帰る日の朝 アレが来ました

(大西)それで―

どうして ここに来るのよ

(功刀)よく言いますよね

こういう所で缶詰になるって 作家が

(大西)作家が ね

(功刀)じゃあ 結果的に ここで小説家になったってわけだ

ねえ そうでしょう?

(大西) それはさ 小説家志望ってことよね

ね?

あなたさ いくつよ?

(末永のせきこみ)

(松岡)そうか…

平山さんは牧君のウソを知っていた

それに気付いた牧君が 平山さんを殺した

そうは考えられませんか?

(瀬戸) それは私も一瞬考えましたけど

(大西)フフッ さすがに それじゃ殺さないでしょ

(瀬戸)はい

(テーブルをたたく音) (松岡)じゃあ!

どうして?

どうして なんの動機もない私が―

私だけが 犯人扱い されなきゃいけないんですか?

あなた方も 全員 私に謝っていただきたい

(瀬戸)誰も そんなこと 言ってないじゃないですか

(功刀)しつこいなあ!

(松岡) えっ しつこいってなんですか?

(大西) はいはい もうこの話は終わり

(テーブルをたたく音) (松岡)終わらない!

(功刀)大丈夫ですか? (末永)はい すいませんでした

(松岡)暴力ですよ これは

彼の言ったルール? 全然 守られてないじゃないですか

そんなものに頼るから… だから言ってたんですよ

(テーブルをたたく音) (松岡)しっかりと

(テーブルをたたく音) (松岡)家族になって

(テーブルをたたく音) (松岡)分かり合おうって!

この国はね 昔からそうやって 家族が助け合ってきたんです

(末永)だったら私 その国 嫌いです

(功刀)僕も

僕も逃げてきちゃったから 家族から

(松岡)あなたはそうでしょうね そんな格好してれば

男のくせに 情けない

(宮田)家族だったら それで 分かり合えると思うんですか?

ええ 思いますよ

(宮田)あなたはそれで 分かり合えてたんですか?

当たり前でしょう

(大西)じゃ なんで ここに残ったんですか?

(瀬戸)確かに

あのとき 逃げなかったんですよね?

あなたこそ どうしてですか?

ありましたね? 桜井美和の自殺未遂騒動

(松岡)あれで仕事 なくなりましたか? (大西)一花!

(大西)いいから! 一花!

(地鳴りのような音)

死にぞこないの集まりですね

松岡さんは…

奥さんと子供に 両手足を縛られてました

クローゼットの中で

こうやって

それで 逃げられなかったんです

(松岡)フフフフッ くだらない

(牧)それを 俺が見つけました

(功刀)だから 家族ってのに こだわるんですね 松岡さんは

(地鳴りのような音)

そうですね

きっと私が間違っていたんでしょう

あのとき 私は家族に殺されたんだから

やっと皆さんと 心で会話をできた気がします

さようなら

(鶴見)松岡様?

(大西)鶴見さん…

(牧)松岡さん

前に言いましたよね アレは俺が連れて来たんだって

そうですよ アレ 俺が呼んだんです

今のこの状況 この世界は俺が作ったんです

帰るまでに何か書けなかったら もういいやって思ってました

なんにもなれないんだったら もういいやって

だから 俺 あの日の朝に呼んだんですよ

“集まれー!”って

たまたま同じ名前の小説家がいて

たまたま それを信じてくれる人がいて

俺… 俺 幸せでした

皆さん すいませんでした

ここでなら みんな生きてられますよ

アレが来なかったら 死んでた人だっている

功刀さんだって 末永さんだって

宮田さんだってそうだ

皆さん 感謝してください

俺だって… 俺だって なりたいものになれました

違うな…

何かにならなくていいんだって

ねえ 松岡さん あなたはどうですか?

ここでならもう 家族 家族―

家族 家族 家族 家族 家族 家族―

家族 家族 家族 家族!

もう言わなくても いいんですよ

殺されたってことで いいじゃないすか

ここは 誰も あなたのこと 殺さないんだから

もういい もういい…

もう いいんだよ 家族なんてやらなくて

生きてられるでしょ

アレがいれば

(地鳴りのような音)

俺…

多分 また小説書くと思います

(大西)いいんじゃない?

好きにすれば

あと 山本さん ごめんなさい

俺は やっぱり ここから出たいとは思わないです

(大西)まあ とっくの前から そう思ってたんだけどね 私も

もう認めるわ ねっ

私は 違います

そう

来るといいね 救助

(功刀)誰も死なないし 殺さない

あ… 平山さん死んだけど

(末永) 元に戻るより いいですよね

(功刀) 元ってアレが来る前ですか?

(末永)私たちがホテルに来る前

ねえ 宮田さん

(功刀)あっ ちなみに鶴見さん 食糧ってまだ…

(鶴見)ああ まあ あと半年ほどは

(功刀)半年か

じゃ 半年後に人類滅亡か!

(一同)ハハッ

(功刀)そのとき みんなで外 出てみましょうか

(瀬戸)え~ 嫌です~

(大西)末永さん―

ケーキ ごめんなさい

(末永)いえ 私こそ ごめんなさい

フフフッ

(牧)明日の朝 みんなで朝食とか どうですか?

(大西)ん?

松岡さんみたいなこと 言い出したけど

(牧)いや 美和さんの お誕生日会できなかったし

あと 平山さんの弔い みたいな…

(末永) ああ いいんじゃないですか ねえ

(瀬戸)弔いと誕生日会 兼ねるってヤバいですね

(大西)ヤバいです (瀬戸)フフフッ

(手をたたく音) (鶴見)じゃ そうしましょう

明日の朝9時で いかがでしょうか?

(大西)早… (功刀)じゃ 9時半は…

じゃ… 10時でお願いしま~す

(末永)フフフッ

そうですね 準備も いろいろあるし

(功刀)僕 手伝いますよ (瀬戸)私も

(末永)お願いします

(大西)鶴見さん あの曲 いつも何時に流れてるんでしたっけ?

(鶴見)曲… (大西)はい

(鶴見) ああ あれは毎朝9時に

(瀬戸) あれ いいですよね 覚えちゃった

ちゃんちゃん ちゃんちゃ~ん♪

ちゃんちゃん ちゃんちゃ~ん ちゃ ちゃちゃちゃちゃ♪

(瀬戸・功刀) ちゃんちゃん ちゃんちゃ~ん ちゃ ちゃちゃちゃちゃ♪

(瀬戸・末永) ちゃんちゃん ちゃんちゃ~ん ちゃ ちゃちゃちゃちゃ♪

(一同) ♪ 朝日がのぼってきたら 旅立ちの時さ

♪ みんなで行こうよ 目指すはあの島

ちゃんちゃん ちゃんちゃ~ん ちゃ ちゃちゃちゃちゃ♪

ちゃんちゃん ちゃんちゃ~ん ちゃ ちゃちゃちゃちゃ♪

♪ 今、ぼくらは今、今、

♪ 今心ひとつ

♪ 今、僕らは

♪ 風、風、風

♪ たわむれる

♪ 今日からは自然と

♪ いつも一緒

♪ 都会をぬけだそう

ちゃちゃちゃちゃ ちゃちゃちゃ♪

♪ さあ出かけよう 新しい世界へ

♪ さあ飛びだそう 新しい世界へ

ちゃんちゃん ちゃんちゃ~ん ちゃ ちゃちゃちゃちゃ♪

ちゃんちゃん ちゃんちゃ~ん ちゃ ちゃちゃちゃちゃ♪

(一同)アハハハッ!

ちゃんちゃん ちゃんちゃ~ん ちゃ ちゃちゃちゃちゃ♪

♪ 海が僕らを呼ぶよ 夢をつかむのさ

♪ みんなでつくるんだ 新しい国を

(宿泊客たちの悲鳴)

(一同) ちゃんちゃん ちゃんちゃ~ん ちゃ ちゃちゃちゃちゃ♪

♪ 今、ぼくらは今、

♪ 今、今

♪ 心ひとつ

♪ 今、ぼくらは

♪ 風、風、風

♪ たわむれる

♪ 今日からは自然と

♪ いつも一緒

♪ 都会をぬけだそう

(瀬戸) ちゃちゃちゃちゃ ちゃちゃちゃ♪

(一同) ♪ さあ出かけよう

♪ 新しい世界へ

♪ さあ飛びだそう

♪ 新しい世界へ

♪ さあ出かけよう 新しい世界へ

♪ さあ飛びだそう 新しい世界へ

♪ さあ出かけよう 新しい世界へ

♪ さあ飛びだそう

♪ 新しい世界へ

(大西)あっ 来た!

(瀬戸)遅いよ~

(牧)おはようございます

すみません

(大西)言い出しっぺ 誰だ

(牧)アハハッ とても似合ってますね

(末永)ねっ おいしそうね

(牧)うわ~ おいしそう

(大西)すごい (牧)ありがとうございます

(牧)うわ~ (大西)ごちそう

(牧) 僕 シチュー大好物なんですよ

(末永)ごちそうな感じに 見えてるかな? 大丈夫?

(大西)見えてるよ すご~い

(牧)並べますね (瀬戸)ありがとう

(大西)こんなんあったんだ

よし!

ありがとうございました

これ 会長が 大事にされていたワインなんですが…

飲んじゃいましょう

(一同)フフフッ (鶴見)瀬戸様 お願いいたします

(瀬戸)はい

え~

美和さん 50歳のお誕生日 おめでとうございます

乾杯 あっ 献杯?

乾杯か

乾杯!

(一同)乾杯!

(一同:口々に) おめでとうございます

(大西)うん

なんか変な感じ あっ おいしい!

(瀬戸)歌でも歌いますか?

(大西)結構です お気持ちだけで十分です

(末永)じゃ 食べましょうか

(功刀)いただきます (一同)いただきまーす

(牧)取り分けますよ (瀬戸)これ 取りましょうか

(松岡)いいですか (瀬戸)シチュー

(松岡)ああ シチュー

(大西)それ なんですか?

(松岡)いいですね みんなでご飯

(功刀)なんか 抱負みたいなの 聞きたいですね

(大西)抱負?

(功刀)ほら なんか 50歳の目標みたいな

(大西)ないない ないない ない! 今更 そんなの

(功刀)じゃあ 50歳の意気込み お願いします

(大西)意気込み? ドン!

(功刀) はい ありがとうございま~す

じゃあ 宮田さん 意気込み お願いします

(宮田)ないです~

(功刀)じゃあ 山本君 意気込み お願いします

(山本)いや ないです…

(功刀)はいはい じゃあ 柳さん 意気込み お願いします

(柳)ないです

(大西) じゃあ 功刀さん どうですか?

(功刀) もっときれいになりた~い!

(大西)私も!

(軍人)Jesus Christ!

(自衛隊員)1010ヒトマルヒトマル こちら12ヒトニ

建物内部に生存者発見

数 10名

繰り返す 建物内部に生存者発見

数10名 避難経路の確保を求む 送れ

(無線:隊員)こちら10(ヒトマル) 了解

(拝島)日本国陸上自衛隊 一等陸曹 拝島はいじまです

皆さん これで全員でしょうか

建物に残られている方は 他にいませんか?

他に残られている方はいませんか!

これより 我々の指示に従ってください

もう大丈夫です

安心して 我々の指示に従って 避難してください

さあ 皆さん 早く! もう大丈夫ですから

(牧)フフフフッ

(牧たちの笑い声)

(牧たちの笑い声)

ふざけるな!

時間がないんだ!

我々について来てください

勝手な行動は慎むように

(自衛隊員)さあ こちらです

(地鳴りのような音)

(銃声)

(倒れる音)

(山本)あああ…

ああああ…

ああああ… ああああ…

(空撃ちする音)

(空撃ちする音)

(空撃ちする音)

(空撃ちする音)

(自衛隊員) 速やかに避難してください

(自衛隊員) 我々の指示に従ってください

(避難をうながす声)

(自衛隊員)ヘリが着陸しております こちらへどうぞ

(自衛隊員)ご移動ください! ご移動ください!

速やかにご移動ください

(功刀)だから! (自衛隊員)何をしているんだ!

(争う声)

(自衛隊員)押さえろ!

(牧の叫び声)

(牧たちの叫び声)

(地鳴りのような音)

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