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♪~
~♪
(ナレーター)アベ紡は アベ紡績 アベ紡商事などを主体とする
総合企業グループである
(男)あんたんとこの社長がな わしのかかあと寝さらしたんじゃ
あんたら下っ端じゃ 話にならへんのや
社長出せ 社長
(秘書)君は だ… 誰だ?
(男) 黙って スケベ社長 出さんけ!
なんなら出るとこへ出て 話してもええど コラ!
(阿部(あべ)直行) いや 組合の幹部連中と メシを食ったあとで―
連れていかれたんだ
ユカという女だったが 向こうから誘われたもんでな つい
まさか やくざのヒモが付いてるとは―
夢にも思わなかったよ
まったく面目ない
(島原善兵衛(しまばらぜんべえ)) 出来たことは致し方ありますまい
すぐ手を打ちましょう
手切れ金を渡すのかね
そのことでございますが 昨日は300万でしたが―
今日は500万に つり上げてきておりまして
それが ああいう連中のやり方です
500万支払ったところで それで収まるもんではありません
後腐れないように 解決しなければなりますまい
どうするのかね?
(ナレーター) 中島(なかじま)組の本部事務所は
大阪 中之島(なかのしま)に近いビル街の谷間に ひっそりと立っている
(片岡誠治(かたおかせいじ)) 島原はん 親分でおます
親分 こちらが島原はんだす
アベ紡では 先代はんからの大番頭はんで
(佐倉一誠(さくらいっせい))佐倉です
いや 片岡が 常々お世話になってるそうで
(片岡)さっ どうぞ (島原)あっ はっ
島原善兵衛でございます
このたびは誠に ご面倒なお願いをいたしまして
先方は 内田(うちだ)とか 名乗ってるそうですが
ほかに何か分かったことは?
(島原)ああ それが 用心深くて一切 口にいたしません
ゆうべも社長の家(うち)へ じかに電話してまいりまして―
もう困っております
とりあえず 500万 持参してまいりました
いかようにも お使いくださいませ
カネは一銭も要りませんわ
はっ?
もっとも 使った費用は もらいまっせ
はっ それは もちろんでございます
では失礼ながら この500万は そちら様への謝礼分として
謝礼も要りませんわ
島原さん このカネは わしらが受け取ると―
あんたたちにすれば―
あっち行くカネが こっち来たにすぎんことになります
それじゃ 中島組が 安うなりますからな
(松枝四郎(まつえだしろう)) 内田は共和会の幹部で―
会長の文源昌(ぶんげんしょう)にも かわいがられてるそうです
ヤサは椎寺町(しいでらまち)の女のアパートです
(片岡)うーん 愚連隊か?
(宗方敏之(むなかたとしゆき)) “愚連隊”と言うとれまへんな 500人からおりまんねん
(木村利夫(きむらとしお)) ちょっとした暴力団でんな
(宗方)こっちの枝葉とも いざこざ起こしてますし
(辰巳(たつみ)キヨ)何にもないけど どうぞ あがっておくれやす
(片岡)ああ これはおおきに
(木村)頂戴しま
(片岡)あっ 姐(ねえ)さん これ あの角の「更科」でっしゃろ
あすこの けつね うまいねん わし大好物だんねん へえ
なんや 頭(かしら)は素うどんでっか?
(キヨ)この人“血圧が高い” 言われてるもんやさかい
へえ 頭 そんで 医者に行きはりましたんか?
無理に連れていったんやわ
あんまりホルモン焼きばっかし 食べるさかい
頭 ホルモンも ほどほどにしとかんと
あれ 何とか言うたな えっ そや
コロステロールっちゅう毒が たまるそうだっせ
ハッハッハッハッ
頭
さっきの内田の件でっけど
(辰巳周平(しゅうへい))迫田(さこだ) お前やれ
(迫田常吉(つねきち))はい
きっちり ケジメ取れよ
(宮園健(みやぞのけん))ひい えい!
やった! くうっ こいつは大物(おおもん)やで!
(竹田芳夫(たけだよしお)) どこにいんねん お前は
(張田軍大(はりたぐんだい))健
こちらは黒江(くろえ)の兄貴や
(宮園)おっす
宮園健 言いまんねや
正月に年少出たばかしで コックの見習いやらしてまんねん
(黒江準(じゅん))何やったんや?
傷害と恐喝で2年 打たれました
お前 バッジ欲しがっとるそうやの
はい!
…たらぁ こいつら捜せや 共和会の会長と幹部や
兄貴 出入りでっか?
そうや
このガキら 中島組にたてつく バカタレどもや
一発かましたれ えっ?
(宮園)はい
(張田)この内田っちゅうのは 大抵ミナミで飲んどるさかいな
(張田)まっ しっかりやれや (宮園)はい
ほかのやつらも みんな競争やで
(宮園)はい! (張田)おう
(宮園) あの 兄貴 こいつも連れてったら あきまへんやろか ああ!
竹田芳夫いいまんねん 国で… 淡路島でっけど
弟みたいにしてきたやつで
俺を頼って 昨日 出てきたんです
おふくろさんにも頼まれてるし ほっとけまへんねん
芳夫! 挨拶せんかい
(黒江)まあ ええやろ
ええか いっちょまえの極道はの―
パクられても ひと言も うたわんもんや
よう覚えとけ
(北村(きたむら)ユカ)なあ あんた (内田頼三)何や
うち ダイヤの付いた時計 欲しいわあ
(小西(こにし)市郎)姐さん (ユカ)うん?
(小西) ダイヤの付いた時計でも車でも 欲しいもんは何でも―
買(こ)うてもらいなはれ
姐さんのおかげで アベ紡っちゅう―
銭のなる木ができたんや おまへんか ハハハッ
(ユカ)買(こ)うて
内田のガキ 見つけました 会長の文も一緒ですねん
はい 5~6人ですわ
(芳夫)出てきたよ
(女たち)またね ありがとうございました
あかん 去(い)によりました
(黒江) アホ! はよ追わんかい
はい
芳夫 来い 来い言うたら
あっ 芳夫 タクシー止めんかい
(芳夫) そんなもん おれへんやんか
(宮園)クッソ
あっ
なんじゃ われ!
俺は迫田組のもんや 内田 おんどれに用や
ああっ ぐああっ!
があっ! ハア ハア…
うわああっ!
どあっ
ハア ハア…
(銃声) (宮園)あああっ
(宮園)うあああっ!
(内田)出せ!
(宮園のうめき声)
(男性)救急車 呼んだれよ
(女性)かわいそうに
(男性)子どもやんか おい
(芳夫)兄貴
(パトカーのサイレン)
(芳夫)あっ ああ… 放してくれ 兄貴
放してくれ 頼むわ 兄貴
ああっ
(女性)キャアッ (男性)ああっ
(迫田組組員)われ! (内田)何じゃ おんどれ
(迫田組組員)何や オラッ!
(内田) 何やっとんじゃ コラ!
誰にやっとんじゃ コラ!
(迫田組組員) 会長のやつは どこや
(内田)知るけ ボケ!
放せ!
(殴る音) (内田)うああっ!
(ユカ)あっ イヤ イヤ
(辰巳組組員)んっ!
(松枝) 阿部社長からの手切れ金だ 受け取り 判押せ
あ… あんた 誰やの?
(辰巳組組員) 誰でもええから 押さえつけい!
(ユカ)あっ こんなことして うちの人に言いつけてやるから
(辰巳組組員)ああ ああ 言いつけ 言いつけ ハハハッ
(ユカ)イヤッ (辰巳組組員)うんっ!
(ユカ)ああっ
チクショウ!
(文源昌)くっ!
ああ?
(小西)ああ…
迫田はん こら いったい どういうこっちゃ おお
わしが あんたに 何をしたいうんじゃ 言うてみい
(迫田) このクソガキどもがな―
わしんとこの若いもん バラしやがったんじゃ
(文)内田 ホンマか?
会長 しょうがなかったんや
わしら何にもしとらへん! 向こうから仕掛けてきよった
(銃声)
(銃声)
(文)フン!
(銃声) (文)うっ! ううっ…
(ギターの演奏)
(戸が開く音)
(芳夫)頼む 追われてて
(杉田(すぎた)かおり)飲む?
島原さん これが あんたの言う 後腐れのない解決かね?
全く余計なことしてくれたよ
警察はきっと 中島組に 捜査の手を伸ばしてくるだろう
万一 あんたや私の名前が出たら どうするつもりかね
その点は心配ご無用です
あの連中は決して私(わたくし)どもの名前は 表へは出しません
(阿部) そんなことが信用できるか 相手は やくざなんだよ
やくざだから信用できるんです
それが あの者たちが 生きていくための―
手形でございますから
…ということはだ 中島組が振り出した手形を―
私たちは莫大(ばくだい)なカネを使って 落とさなきゃならんてことだな
そうか 私にも ようやく分かってきたよ
連中は この仕事の値段を つり上げるために―
わざと こんなことをしたんだな
お察しのとおりです
あんた ようも そんな 涼しい顔がしておれるな
いったいどのぐらい ふんだくられるか―
分かってんのかね?
1億ぐらいは 出さねばなりますまい
1億?
社長 私(わたくし)は今度の件で―
中島組の行動力と申しますか その怖さを再認識いたしました
今後 大いに利用するだけの 値打ちがあると思いますが
(阿部)いや しかし それは あんた あまりにも危険だよ
中島組は そこらの総会屋とは わけが違うんだから
(島原) 社長 我が社の前途には―
旧財閥系商社という大敵が 立ちはだかっております
尋常一様の手段では 我が社の発展は望めません
まあ 中島組とのつきあいは 私(わたくし)にお任せください
女に渡した手切れ金の 受け取りです お改めください
(島原)あっ これはどうも
(佐倉)じゃ
(島原)あっ
(佐倉)おい 行こか
(島原)佐倉さん ちょっと これをご覧ください
私(わたくし)どもと何らかの 取り引き関係のある会社から―
優良なものを100社選びました
はっ
内70社は 大証の1部ないし 2部に上場されております
佐倉さん この100社で―
中島組との親睦会のようなものを 作ってはどうかと思うんですが
いかがでしょうかね
1社の会費をですな 月額10万として年に120万
100社合わせますと 1億2000万ということになります
まあ細かい段取りは 当方に任していただくとして―
そちら様は―
私(わたくし)どもの会費を振り込む窓口さえ 作っていただければ結構です
佐倉さん まあ言うなれば 芸能人に よくありますような―
ファンの集まりのような もんですから―
気楽にお考えください
(ナレーター) やくざの巨大組織は
いわばピラミッド型の 寄り合い所帯であるから―
組織の統制維持が 極めて困難である
中島組の場合―
15人の最高幹部よりなる幹部会が 組織の運営に当たっているが―
それを統括する若衆頭(がしら)の 責任と権限は絶対である
(片岡)えー 今度 本部に―
新しゅう こういうものを 設置することにしましたんや
皆はん 心得といてください
(幹部)“浪速(なにわ)政治経済研究所” 何でんねん? こら
ハハッ まあ…
これからは わしらも―
“経済界に 進出せないかん”っちゅう―
頭(かしら)のご意向でしてな この松枝を親分のお供につけて―
この研究所の責任者っちゅうことに しますさかいに―
まっ ひとつ よろしゅう頼んますわ
(白川義雄(しらかわよしお)) へえ えらい抜擢やな おい
まっ しっかりやれや
(松枝)よろしくお願いします
(梅原権之助(うめはらごんのすけ))松枝やったら 大学も出てるこっちゃし 適任やろ
(兼田(かねだ)三次) 頭 親分のお供っちゅうたら―
秘書とボディーガードを兼ねた 大事な仕事だっせ
わしゃ何も 松枝がどうのこうの っちゅうわけやないけど―
一応 幹部会通してもらわんと 困りまんな
(片岡)ハハハッ 兼田はん
そがい固いこと言わいでも こら 親分じきじきのお声掛かり…
(兼田)いや!
わしゃ この際 頭に ひと言 言いたいんや
今度のアベ紡の件は いったい どないなってまんねん
わいらホンマに 聾桟敷(つんぼさじき)やおまへんか
(白川) そうや 何ぞ事があるたんびに わしらかてな―
命を投げ出す覚悟は してますさかいね
お前ら 頭に注文つける気か
注文やないわい これは意見じゃ われは黙っとれ
ゴタゴタぬかす前に たまには おんどれの血ぃ流してみんかい
なにぃ!
やめんかい
内輪もめする元気があんのやったら 腹へためとけ
この数年のあいだ 広島 九州 山陰と―
まあ 次から次へのマチガイで―
本部の所帯も 術(ずつ)なかったんやけど―
やっと目鼻がついた
日本は広いぞ
戦争は これからやないけ
(ナレーター) 佐倉は 中島組組長としての日常と 家庭生活を完全に切り離していた
登志子(としこ)どうした? 元気がないな
(佐倉登志子)別に何でも
(佐倉真樹子(まきこ))姉ちゃん
一宮(いちのみや)さんと ウマいこといってへんのや
お父ちゃんの名前 聞いてな 向こうの両親がビビってはんのやて
(佐倉雪江(ゆきえ))真樹子 やめなさい
そやけど 隠してたかて しょうがないやないの
ホントのことやもん
(佐倉) 一宮さんの気持ちは どうなんだ?
“気にするな”って 言ってくれてます
けど お父さん ホントは 私に悪い所があるんだと思うの
一宮さんは一人息子よって 特に ご両親がうるさいのよ
(雪江)私が一度 親御さんに会うてみようかねえ
ええんよ 一宮さんに任せてあるから
ああ 辛気くさ!
うちやったら お父ちゃんの 悪口言うやつがおったら―
彼氏の親でも何でも ガツンといてもうたるけどな
(雪江) なんて口をきくの この子は
そやかて しゃくに障るいうたらないわ
新聞でも警察でも お父ちゃんばっかし悪者(わるもん)扱いして
(雪江)やめなさい
お父ちゃん 車 貸してな
ハイヤー 呼びなさい
いいわ 使いなさい
メルシー パパ
もう あの子いうたら 夜遊びばっかりして
あなたが甘やかすからですよ
誰か 梅田(うめだ)まで送ってんか?
(中島組組員)へい!
あんたに頼むわ
(車のドアの開閉音)
行ってこい
ただし親分の嬢(とう)さんだってこと 忘れんなよ
(日暮美智夫(ひぐれみちお))へい
(真樹子) あんた 日暮はん言うんやろ? 名は?
(日暮)美智夫だす
日暮美智夫か ロマンチックな名やなあ
美智夫 ドライブしよ 波止場へやってえな
(真樹子と日暮の荒い息)
(日暮)はっ!
(真樹子) うちら 子どもやないし
フン! ど好かんやつ
なあ 美智夫 どっかホテル行こう なっ
なあ
うち もう我慢でけへんのや なっ
嬢(とう)はん もう堪忍や
(院内放送) 一宮先生 一宮先生 ご面会です
医局事務所までお越しください
(一宮恭夫)どの人です? (看護師)あちらです
どうも
一宮ですが
あっ 佐倉です
突然で申し訳ありませんな
あっ いえ とんでもない どうも はじめまして
いや わしのほうこそ 登志子が いろいろお世話になりながら―
ご挨拶が遅れてしまいました
(一宮)とんでもない
一宮さん お差し支えなかったら どこぞで食事でも
(一宮)ありがとうございます
しかし1時からオペで 外出するほどの余裕はありません
いかがですか よろしかったら 職員の食堂でご一緒に
ハハハッ ごちそうはありませんがね
(一宮)空いてますか?
さっ どうぞ ランチでいいですね
(佐倉)はい
登志子は ひところ ここの薬局に勤めとった
そのころ知りあってな
感じのいい方ですね
医者にしておくのは もったいないですよ
(一宮)あっ どうも ハハハ
さっ どうぞ
これは うまそうだ
うん なかなか うまい
どうも 外交辞令のようですね
いや わしは口先だけの 弁チャラ言わんですよ
一宮さん
わしが今日 ここへ来たのは 登志子のことなんです
わしのことで ご両親が 反対されてるそうですね
そういう結婚しても―
登志子は幸せにはなれないだろうと 思いますんでね
お言葉ですが―
結婚は 私と登志子さんの 問題ですから
わしは登志子の父親です
登志子は わしにとって かけがえのない娘なんですよ
佐倉さん 私は自分の妻は 登志子さんしかないと―
心に決めております
私たちが幸せな家庭を 作りさえすれば―
親たちも きっと喜んでくれると思います
私も男の端くれですから―
佐倉さんや登志子さんを 裏切るようなマネは絶対しませんよ
どうか私を信じてください
(島原)あっ 社長 突然お伺いしまして
娘の登志子でございます
(登志子) はじめまして 登志子と申します どうかよろしくお願いいたします
あっ 阿部です ささっ どうぞどうぞ
あっ これ 家内の美津(みつ)です
(阿部美津) ホントにおキレイな方ねえ
実はですな 娘は近々―
一宮さんと申します青年医師と 祝言をすることになっておりまして
社長ご夫妻に ぜひご媒酌の労を お願いしたいと―
参上した次第でございます
ああ それは あんたの娘さんのことだから―
喜んで引き受けさせてもらうが
あっ 美津 お嬢さんを庭でも 案内して差し上げたらどうかな?
はい それじゃあ 登志子さん
何か わけがありそうだね
(島原)実はですね 社長
あの子は佐倉の娘なんです
佐倉!
(島原) ええ“仮親になってくれ”って 頼まれましてね 佐倉に
ああ なんでも先方の親御さんが “やくざの娘じゃあ”って―
難色示したらしいんです
そりゃ そうだろ
普通の親だったら誰だって 二の足踏むだろ
(島原)佐倉はね
“自分では結婚式には出なくても いい”って言ってるんです
まっ 我が子のことになると 世間一般の親より―
臆病になるんですな
(阿部) しかし そりゃ勝手だよ
場合によっては 人殺しまでするってのに―
自分の娘だけは 玉のこしに乗せたいっていうのかね
しかしですな 社長
あの登志子さん 戦争の焼け跡で―
佐倉夫妻が拾った みなしごだそうです
あの娘が
(島原)もう一人 末の娘さんがおりますが―
この人も 名も知れぬ旅人が 連れてきた子どもらしいですな
旅人というと 芝居にある やくざのあれかね
2人とも気の毒な生い立ちの娘です
辰巳が言うには 佐倉夫妻が 自分の子どもを作らないのは―
あの2人の娘たちの ためじゃないかと
美智夫 もう別れるなんて言わへんな
嬢(とう)はん 俺 どないしていいか 分からしまへん
嬢はん
なんでやの うちは ただの女やん
お父ちゃんなんか 何の関係もないんや
うちは ただの女や
嬢はん わいと… わいと死んどくんなはれ
死ぬ 死ぬわ
うち あんたとなら 死んでもええわ
(かおり) ♪ 雨の降る夜は
♪ 心もぬれる
♪ まして一人じゃ
♪ なお淋(さみ)し
♪ 憎い仕打ちと
♪ うらんでみても
♪ 戻っちゃこない
♪ あの人は
無理しちゃダメ 熱が出るわよ
(芳夫) …んなもん かまへん出ても
お前 ウマいな しかし
初めての男 彫り物師だったんだ
(芳夫)ふん そいつの子どもか背中の戒名
(かおり) ううん 誰の子か分かんない
2人 下ろしたから 2人分
俺も彫ろかな戒名
誰の?
兄貴のや
アホが 意気がりよってからに
♪ こんにちは 赤ちゃん 私もバカよ
(片岡) あっ どうぞこれを
アベ紡の島原常務と―
大垣(おおがき)研紙の森本(もりもと)社長の 委任状でおますわ
昨年の秋頃から こちらの 大垣研紙さんの経営状態が―
破産同様になりまして
…で 私(わたくし)どもが―
あの… 吸収合併を条件に 再建に着手いたしました
(森本) 3年前に 資金繰りに困って 岐阜の三浦(みうら)商事から1000万円
月1割の利息で借りたんですが―
次の年に どうしても 資金のめどがつかず―
返済を2年先に延ばして 手形を書くことで話をつけたんです
ところが 法定額の4倍にあたる 3億円の手形を要求されましてね
ほいで 手形の返済期限は?
この11月の30日で 名古屋銀行の手形です
もし手形を落とせない場合には―
おそらく大垣の工場の引き渡しを 要求してくると思いますが
当方といたしましては 手形買い取りの資金として…
辰巳さん
1億円 用意しておりますが
(三浦克之助(かつのすけ))…で いくらで引き取ってくれるんですな
ええ うん… なんでんな うん
1000万で どないでっしゃろな
(三浦)1000万?
ええ
(三浦)ハッハッハッハッ
冗談困りますな 3億の手形ですよ ありゃ
あー けどでんな
これ不渡りになったら 紙くず同然でおまっせ
んで この交渉が ウマいこといかなんだら―
アベ紡は“大垣研紙の再建から 手ぇ引く”言うとりま
(三浦) そんときは そんときだわ 帰ってくれ
(片岡)ああ 三浦はん その 何や その…
損して得取れっちゅうことも おまんがな
ここはお互いに その 折れおうてでんな
ええかげんにせんかい!
よう こっちは元金だけで 1000万出しとるんだ
言うとくがのう―
中島の後光がさすのも 大阪から西向いてのことなんだ
ケガせんうちに帰れ帰れ
うーん… 元金だけでも 取っといたほうが―
あんたのためや思いまっけどな
しつこいぞ!
ああ ビックリした
さよか ほんなら わしは…
何でんな どうなっても知りまへんで
登志子 キレイだぞ
お父さん
お母さん
長いこと ホントに…
ありがとうございました
めでたい式じゃないか 泣かないでほしいな
ホンマや 姉ちゃん せっかくの化粧 ワヤやわ
(登志子)ありがとう
(合力A)どうぞ どうぞ
(合力B) はい こちらもどうぞ
(合力A) 急いでください
(合力B)お客さん 早くしてくださいよ
(合力A)どうぞ
(合力B) はい どうぞ
(野溝武司(のみぞたけし))50や
(合力A)お客さん そんなものばっかりじゃ困りますよ
いっぺん前の溝 埋めていただけませんか?
(野溝)おお ほうか
それやったら この代紋 カタに置こうやないかい
(植木隆太郎(うえきりゅうたろう))お客さん 冗談もほどほどにしなよ
カネがないんなら 借用書 書いてもらおうか?
(野溝)われ 誰や
俺か? 三浦の舎弟分で 植木隆太郎ってもんだ
(野溝)ほう われ 舎弟かい
三浦の舎弟が中島の代紋に 冗談やぬかすんか
コラ! 言いがかりつける気か
(野溝)黙って カス
中島だか何だか知らねえが こっちは岐阜の三浦だ
ナメたマネしやがったら ただじゃおかねえぞ!
田舎やくざが
(合力A)でえっ! オラッ!
(銃声) (合力A)ああっ!
(植木)追え! 捕まえろ!
(銃声)
(佐倉)いやあ これは小野(おの)先生 わざわざ
(小野伴水(ばんすい)) いやあ 佐倉さん おめでとう
大変立派な花婿さんだそうで よかったですな ハハハハッ
(檜本武男(ならもとたけお))佐倉さん ご苦労が報われましたな
政民党の小野副総裁 違(ちゃ)いまっか?
ああ そのようですな
隣は確か 運輸次官の檜本はんでんな
みんな 佐倉はんのご関係でっか?
え… ええ まあ
(佐倉)大山(おおやま)先生 いやあ わざわざ―
お越し願えるとは 思いませんでした
(大山喜久夫(きくお)) いやあ 招待状に あんたの名前がないんで―
気にも留めなかったんだがな 事情を聞いてな 飛んできた
おめでとう
(佐倉)ありがとう
奥さんも立派じゃ 苦労して育てた娘さんを―
陰に回ってまでな なかなかできんことじゃ
わしゃ 感激しとるんです
(雪江)恐れ入ります
(かおり) 助けて! 助けて… ああっ!
(野溝)引き揚げろ!
(かおり)ああっ
(野溝)お前ら 去(い)なな この女 ぶち殺すぞ!
(パトカーのサイレン)
(芳夫)クソーッ!
(銃声) (芳夫)オラッ
(刺す音) (野溝)うあああっ!
(銃声)
(刺す音)
(三浦組組員)だあっ!
(刺す音) (野溝)うあああっ!
(刺す音)
(会場に流れる“結婚行進曲”)
ああ 辰巳や
宮之浦(みやのうら)んとこの若いもんが 三浦組のガキにバラされましてん
つい さっきだす
本部のほうにも 岐阜のサツから照会おました
どないでっしゃろ 予定より ちょっと早(はよ)うおまっけど―
戦闘開始でいきまっせ
よっしゃ やれ
(小野)では 乾杯の音頭を とらせていただきます
乾杯
(一同)乾杯
(拍手)
(迫田)オウ! 若いもん 集めい
(迫田組組員)へい!
(拍手)
ああ そうでっか? 分かりました
500万もあったら 間に合いまっしゃろ
へい じきに 迫田んとこへ届けますわ
いよいよ 中島も 東向いて出発やな
嬢(とう)はんたち 新婚旅行 ハワイ行きはりまんねんてな
(辰巳)ああ
(辰巳組組員)姐(ねえ)さん
姫路の今川(いまがわ)はんの香典 何ぼほど包みましょ?
(キヨ)10万でええやろ なあ あんた
(辰巳)ああ
(キヨ) ハワイって ええやろなあ 常夏の国 情熱の島
新婚旅行にピッタリや
姐さん どこ行きはりました?
(キヨ) 新婚旅行なんかするかいな 結婚式もなしや
さよか
ただ くっついたいうだけやわ
着るもんかて ろくすっぽ なかったんやもん
キヨ どや 散歩でもしよか
散歩?
(辰巳) どこぞホテルのレストランで メシでも食うて―
活動でも見に行こうか
わてと?
(辰巳)せやないかい
フフッ また てんご言(ゆ)うて
あんた 今夜はどうかしてはんのと 違(ちゃ)いまっか?
姐さん そんなこと言わんと―
たまには おやっさんと デートしなはれ
あとは わしが やっとくがさかい
アホらしい からかわんといて
こんな赤字だらけで デートする気ぃなんかなるかいな
プロ野球かて もう終わりやろ?
競輪のほうで穴はなんとか 埋めるようにしますわ
(キヨ)頼むわな (辰巳組組員)はい
おい
ホルモンは あきまへんで
分かってるっちゅうねん
(辰巳組組員) あっ 兄貴 珍しなあ
(辰巳)何や
申し訳ありやせん こんな時間に
(辰巳)どないしたんや
へい
実はキタの嬢(とう)さんと 日暮のやつが―
村田(むらた)が 三ノ宮(さんのみや)のホテルから 2人が出てくるのを見たそうです
(辰巳)おのれ 何さらしてけつこうたんじゃ
申し訳ありません どんな処分でも覚悟しておりやす
(辰巳)アホんだら!
チンピラやあるまいし それぐらいのケジメ おのれでつけ
(日暮)あっ 兄貴
出来ちまったことは しょうがない 話し合おうじゃないか
兄貴 ウソ言いまへん
わいは なんも そんな気ぃなかったんです
ホンマでんねん 嬢(とう)はんに 無理やり引っ張っていかれて
(日暮)兄貴! 兄貴! 兄貴も知ってはりまっしゃろ?
あの女 ホンマもんの淫乱や
“相手せなんだら死ぬ”言われて どないしようもなかったんです
兄貴! もう二度と会わしまへん
頼んます 堪忍しておくんなはれ 兄貴
こらえておくんなはれ 兄貴 兄貴!
(銃声) (日暮)うわっ!
あっ! はっ!
うわっ
うわあっ
(銃声) (日暮)うあっ ああっ
あっ ああ…
(銃声) (日暮)うあっ
(玄関チャイム) (政江(まさえ))誰?
(ノックの音)
(男)いやあ ちょっと 商売のことで来ましてん
(政江)誰なの?
三浦はん おられますか?
開けるな!
(三浦)出てけ! 撃つぞ
オッサン あんな挨拶ないで ああ?
わざわざ来たんやないけ
(片岡)ハッハッハッ 三浦はん せんだってはどうも
また寄せてもらいましてん
あの 手形のこっちゃけど
今度 あんた…
(三浦)ハア…
1000万にプラス 若いもんの命だっせ えっ
手形 出してもらいまひょか?
ハア…
お前ら手形取ったら 今度は わしを殺す気やろ
お前らの やり口は よう分かっとるんだ
手形 渡さん 絶対 渡さんぞ!
(頬をたたく音) (政江)あっ ああっ!
(政江)ああっ
あっ ああっ あんた!
ふっ ああっ!
いいっ! この ああっ クソッ!
ああっ! ひっ!
あああっ…
(唾をかける音) (政江)ああっ
ああああっ!
おい やめさしてくれ 頼む
三浦はん この男が迫田常吉や
ホンマに 弾 ぶっ放しよんで
手形 銀行の貸金庫だ 名古屋銀行の長良(ながら)支店にある
ホンマやろな オッサン!
ホントだ
(女性行員)山下様
(男性行員) どうもありがとうございました
あっ いらっしゃいまし
(女性行員) どうもありがとうございました
おい おい!
頼む 非常口から出してくれ 悪いやつに追われてるんだわ
(警備員)どうしたんすか?
早くしてくれよ 命狙われてるんだわ
(警備員) 警察 連絡しましょうか?
(三浦)頼む
(木崎(きざき)徳衛)そうきゃ ようやった 上出来じゃ
いや 西はヤバい 東に行くんじゃ
わしもな 錦城(きんじょう)会の増井(ますい)さんと 熱海(あたみ)で会うことになっちょるしよ
ああ 政江か ああ 熱海の東光園(とうこうえん)じゃ
いかん いかん
いや そこにおったら 何をされるか分からんでの おお
(増井常夫(つねお))三浦さん 理事長が褒めておられたですよ
あんた“いい度胸だ”って おっしゃってね
何しろ相手が相手じゃから よう さばいたもんだぎゃ
フフフフフッ
わしゃあ いつも海千山千の連中を 相手にしとるからね
中島組ぐらい目じゃないですわ
ハハハハッ
(前川(まえかわ)) 辰巳は 今後どう出ますかね?
手形を不渡りにすると アベ紡への対面上―
格好がつかんでしょう
辰巳はね―
3億の代わりに 自分の首渡すんじゃないか
(三浦と木崎の笑い声)
(木崎)じゃあ兄弟 わしは あした一番で帰るから―
あんた ここに 当分おったらええじゃ
念のために こいつら 残しとくから 安心しや
(三浦)いや すまんなあ 何から何まで
(三浦)じゃあ これで (木崎)おやすみ
(三浦)おやすみ
(三浦)政江
すまなかったな 遅くなって
なんだ しょうがない 寝てしまったんか
フウ…
おい コラッ
起きんかい
お父ちゃんが帰ってきたんだわ
まあちゃん
政江
ああああっ!
ああっ!
ああああっ!
あっ! うわっ うわっ
誰じゃ!
おおおおっ!
(木崎)どうしたんな兄弟!
うわあああ…
(木崎)うわっ!
(三浦)あああ…
あっ あっ うわあっ
(ナレーター) この猟奇的な事件は 大きな話題となり
警察は 恨みと変質者の線で 捜査を進めたが―
決め手となる容疑者は 浮かばなかった
年が明けて 三浦組の跡目は 植木隆太郎が継ぎ―
それまで金庫に眠っていた 3億円の手形は―
1000万の現金と引き換えに 中島組の片岡に引き渡された
(汽笛)
(ナレーター) この年 中島組は
近畿一沿から東に向かって すさまじい勢いで勢力を拡張した
(銃声) (男性)うわあっ
(ナレーター) 中島組の斬り込み隊として 常に その先鋒(せんぽう)に立ったのは
迫田と その一派であったが…
中部地方から関東にかけては 錦城会系の抵抗が極めて強く
そのため 中島組の勢力圏は―
日本海に沿って 細長く延びた形となり
結果的に錦城会と東日本を 縦に二分して対立することになった
(合力)さあ 入りました
さあ アトサキどっちも はい どっちもどっちも
(男)サキ
(合力)アトないか アトないか
アトへ1枚
(小野の支持者) 越後高田(えちごたかだ)の皆さん
衆議院議員候補 小野伴水が ご挨拶に参りました
政民党副総裁 小野伴水でございます
ご声援ありがとうございます
小野伴水でございます ご声援ありがとうございます
オウ 足りねえよ
晩に持ってくやないかい
(選挙カーからの声) 大衆のための政治
大衆のための 世界づくりを目指す―
日本協同党 衆議院議員候補…
(佐倉) さ少ですが 陣中お見舞いです お納めください
こりゃあ こりゃあ いつも 気を使ってもらって すまんですな
先生 情勢はどうなんですか?
そうだねえ
革新側が口ほどのこともないので 楽観しとるんだが
来年は安保改正の年でもあるし―
ぜひ 絶対多数を取っておく 必要があるんだよ
どうか今度こそ 総理大臣のイスをつかんでください
アッハッハッハッハッ…
だが総理総裁のイスというのは よほど座り心地がいいのか―
なかなか明け渡してくれんのでな アハハハハ
それより佐倉さん あんたこそ そろそろ―
日本任侠道の頂点を 極めてもらいたいと―
わしゃ 切望しとるんだ
そのためには ここらで戦術転換をして―
切った張ったから政治のほうに 目を向けるべきじゃないのかね
例えば この次の参院選に 立候補するとか
わしがですか?
そうだよ あんたなら 全国区にでも出りゃ 当選確実だ
そうは思わんかね 辰巳君
いえ…
私は そういうむきのことは ホンマに苦手だして
君が その調子じゃ困るなあ
君たちも もう少し―
時局というものを 認識せんけりゃいけんなあ
実は 警察庁のほうでも―
中島組の動きには だいぶん 神経をとがらしておってな
わしの力でも 抑えきれるかどうか―
分からんというところまで 来とるんだよ
(小野の支持者) 小野先生も佐倉親分も―
我が県のご出身であられまして
お二方とも―
今や日本の運命を 双肩に担って活躍されている―
大人物 大英雄であります
それは あたかも幕末における―
勝海舟(かつかいしゅう)先生と―
国定忠治(くにさだちゅうじ)の関係を 思わせるがごとくでありまして
(野崎藤男(のざきふじお))忠治じゃねえ 清水の次郎長だ
共に貧窮の中から身を起こされ…
頭(かしら) おながに ひとつ
ありがとうございます
ああ… こんな片田舎に 親分から頭まで来ていただいて―
野崎藤男 一生一代の光栄です
まあ 頼んますわ この北陸では あんたが中島の要や
へい そらあ もう 命に代えましても ハハハ
ご返杯
(辰巳組組員)なんだ お前か
かかあにちょっと用事があるんじゃ 通したってくれよ
おめえの嫁さんは 今 仕事中なんだよ
仕事中って お前
かかあに銭もろて お前らに返したらなあかんやろが
(辰巳組組員) ああ あれなら もうないことに してやるよ さあ帰れ帰れ
(芳夫)アホか!
(組員たち)オラァ!
(芳夫)コラ! お前ら かかあ 誰に抱かしたんじゃ
(辰巳組組員) この野郎! オラ 立て
俺ぁ かかあ 淫売にした 覚えないぞ オラ!
よし じゃあ教えてやるよ お前の女房の相手はな―
中島組の辰巳周平さんだ
それでも お前 女房 連れ戻しに行くかい
帰れ帰れい
(佐倉) うーん… これ見てくれんか
(一宮)何すか?
おお 設計図ですね
一宮病院?
フフフ… 君も そろそろ 開業してはどうかと思ってね
まだ ざっとした青写真だが
土地は事務所の近くにあるんだ
驚きましたよ
病院の件 あんまり突然なもんでね
あれには わけがあるんです
親分は あなたが大学で 微妙な立場にあるということを―
耳にされましてね
本来なら この春 助教授に なられるはずだったんでしょ?
登志子が言ったんですか?
いえ 違います
親分は最初から あなたのことを 気にかけておられました
そうでしたか
(松枝) 大学の件 どうなんですか?
(一宮) 確かに登志子と結婚してから―
先輩の助教授や教授たちの 私を見る目は変わりましたよ
教授会で“私を辞めさせないと やくざ者の患者が増えて―”
“大学の権威に関わる”と発言した 教授がいたそうです
ひどいもんですな
平生は物分かりの いい人なんですがね
いったん大学という組織に入ると たちまち鬼になって―
“邪魔者は消せ”の スタイルになるんですな
一般の会社でも そうでしょう
家庭では お人好しのパパが 会社のためとなると―
犯罪同然の行為を平気でやって 他を押しのけようとする
明らかに暴力ですよ
人間ってのは 組織の中に組み込まれると―
怖いほど凶暴になれるもんですね
(村田)コラ!
真樹ちゃんじゃないですか? 長いこと家(うち)へ帰らんらしいわ
村田!
(店内に流れるダンス曲)
(一宮) マリファナですよ 大麻の一種で ベトナムから入ってくるんです
(松枝)嬢(とう)さん 帰りましょ
(一宮)真樹ちゃん 母さんたちが心配してるよ
(真樹子)いや
嬢さん
(男A)おい コラ われ 俺のスケ どないする気や
お前には関係ないんだ 引っ込んでろ
(男A)何やと オラァ!
(殴る音) (男A)あっ ああっ!
(男B)やるかい!
うああっ
(殴る音) (男C)うああっ
(男B)オラッ
(店員)うわっ ああっ!
あんた お母ちゃんに電話したんやろ
すぐに お帰りになるそうです
(真樹子) 待って! うち あんたに 聞きたいことがあるんや
(松枝)何ですか?
あんた 美智夫 殺したんやろ
何を言いだすんですか
この前は“国に帰った” 言うてたけど
ホンマはお父ちゃんに言われて 殺したんやろ
嬢(とう)さん バカなこと 言うもんじゃありませんよ
松枝はん うちを抱いて
抱いてくれへんかったら 美智夫を殺したこと警察に言うし
(松枝)いいですよ 警察にでも何でも言いなさい
だが少しは ご両親のことを考えて まともになったら どうですか
うちは まともや
あんたが好きやから “抱いて”言うてるんや
なんで それがあかんのん
嬢さん
あんた どうかしてるよ
(片岡)錦城会の親 岩見(いわみ)や
(会場に流れる長唄)
じゃ
あっ 佐倉さん 遠路はるばる よくおいでくださいました
(佐倉)いや おめでとうございます
あっ ありがとうございます
念願の中央進出が果たせて―
やっと これで 一流企業の仲間入りができました
まっ どうぞごゆっくり
(梅原)なんや えらい態度 大きいやないかい
例の女子(おなご)の一件 ここでバラしたったら―
どないな顔するやろな
(拍手)
(大山)いやあ 佐倉さん
これは 大山さん その節はどうも
いやいやいや あんたもアベ紡同様 ますます昇龍の勢いで―
ご同慶の至りだ
佐倉さん 錦城会の 岩見栄三(えいぞう)君を紹介しよう
岩見君 中島組の佐倉さんだ
(岩見栄三)岩見です よろしく
(佐倉)はじめまして
先代から いろいろと おうわさを聞いておりまして―
ぜひ一度お目にかかりたいものと 念願しておりました
今度とも なにぶん よろしくお願いいたします
こちらこそ
佐倉さん パーティーが終わったら ちょっとつきあってもらいたいんだ
かまわんな
(佐倉)はあ
岩見君
ええのんか? 頭(かしら)
(司会者) ええ それではここで ご来賓の ご祝辞を賜りたいと存じます
まず最初に 大山喜久夫先生 お願いします
(拍手)
佐倉さん 私はね 今度 あんたと岩見君の力を借りて―
日本同志会というものを 作ろうと思っとる
来年の安保改正を機会に 左翼の連中は一気に日本を―
社会主義体制に持ち込もうと 相当 猛烈に画策しとる
日本の将来を心配する我々として 任侠団体と愛国団体を―
打って一丸とした 日本同志会を作って―
これでもって 保守党の尻をたたいて―
日本を赤化思想から 防衛せにゃならん そう思っとる
あんたは もう 気づいとるだろうが―
今度の 官僚派の内藤(ないとう)が 総理になってから―
党人派の小野や田川(たがわ)と あんた方 やくざとの関係が―
しばしば新聞に出るようになった
これはだ 官僚派が 党人派のイメージダウンを狙い―
世論に便乗して 徹底的な やくざ狩りを始める前兆でもある
もちろん これの第一の狙いは 中島組であることは言うまでもない
それでだ
今のうちに 政治団体に衣替えをしておけば―
司直の無用な攻撃は 受けんで済むというわけだ
もちろん あんた わしに協力してくれるな
いやあ せっかくのお誘いですが―
わしは遊んでメシを食ってる 人間でして
(大山) 待て そう難しく考えるな
国難を前に ひと肌脱ごうという その任侠精神だけで十分だ
お言葉ですが 今のわしは―
1万人の組員に―
メシを食わせるだけが 目いっぱいでして
今のことは なかったことにしていただいて
(辰巳のせき)
大体 きょうびのやくざはな―
政治や何やかんやと すぐに格好つけやがって―
おかしいで
せやけど さすが親分や よう言うてくれはった
嬢(とう)さんの結婚のときには 親分
もう極道に見切りつけはった思うて 気に病んだけどな
(辰巳)なあ 梅さんよ 外へ出て一杯飲もうか
おう そやな 今夜は眠れそうにないしな
(辰巳)おう
(電話のベル) (辰巳)何や
はいはい 辰巳や
ああ 最前はどうも ええ
え?
ああ 梅原 一緒でっけど かましまへんのか?
ああ そうでっか へえへえ それやったら じきに ええ
何や
赤坂から お座敷かかったがな ゆばはみや
実は田口先生が“あんたの力を 借りたい”とおっしゃるんで―
ご足労いただいたわけです
(田口彰治)辰巳君 とてつもねえ大仕事じゃから―
よく肝を据えて聞くんじゃ さあ
これを見とくれ
今度 この横浜の杉田(すぎた)地区に サンゼン石油が―
石油化学コンビナートを 建設しようとしとるんじゃ
280万平方メートルにのぼる 土地の買収と埋め立て
それに 1300所帯の 漁民への漁業補償の交渉を―
アベ紡開発とアベ紡土地が 一手に引き受けようとしとるんじゃ
アベ紡がサンゼンの 仕事しまんのんか
そこが財界の 摩訶不思議なところでのう
同じ財界というても サンゼンは スミイやマルイと張り合っとる
この際 アベ紡 抱き込んで 一挙に優位に立とうとしとるんじゃ
わしゃ 前々から この情報をキャッチしとって―
内々に調査を進めとったんじゃ
この書類の中に 驚くべき 不正と陰謀が隠されとる
これを君と岩見君に 渡そうと思っとるんじゃ
つまり“アベ紡を裏切れ” っちゅうはりまんねんな
君 アベ紡だって岩見君に―
“顧問になれ”と 言うてきておるんじゃ
それは儀礼的なもんでおまっしゃろ
バカモン 何 のんきなこと言っとるんじゃ
アベ紡はのう―
“中島組と手を切ってもええ”と 言っとるんじゃ
まさか
財界という所は クソ溜(だ)めみたいな所じゃ
お話は よう分かりました
まあ わしら 岩見はんの 腹ん中 聞きとうおまんな
仕事は仕事ですよ
せっかくやけど お受けすることはできまへんな
どうしてですか?
こっちゃとしては―
アベ紡を裏切るつもりは 全然あらしまへんさかいねえ
どうも佐倉さんといい あんたといい―
西の方は 融通が利かんようですなあ
(辰巳)ハッハッハッハッ 不細工にできてまんねや
こいつは親分譲りで 中島の人間は みんな そうだっせ
そういうご趣旨でしたら あきらめましょう
しかしですな
今後 アベ紡の件で関東の面倒は 錦城会が見ますから―
心得といてください
わしら関西やろうが関東やろうが アベ紡の守りはしていきまっせ
アベ紡も そのつもりでおりまんがな
いや それは違う
アベ紡から正式に 私(わたくし)どもに依頼があったんです
へえ そんなこと ちょっとも聞いとらんなあ
それじゃ 今 ここで聞いといてください
さよか ほたら今の言葉 きっちり聞いときまっさ
えらい ご馳走になりました おおきに
去(い)のか ごめんやす
なんというやつじゃ
岩見君 あの男は油断ならんど
辰巳は戦後の焼け跡時代から―
佐倉を“日本一の親分にする”と 豪語しとったそうですよ
そんなら なぜ今のうちに 始末しておかんのじゃ
そんなことをしたら 関東の名折れです
なに 上方の贅六(ぜいろく)どもに 一歩たりとも―
関東の土を踏ませやしません
(ナレーター) やくざ者の社会では
12月13日に行われる 事始めの儀式に―
全幹部が顔をそろえ―
1年間のケジメをつける しきたりがある
この年 中島組の構成人員は―
若衆頭 辰巳周平以下 幹部50名
組員の総数 1万2000を数えた
親分 おめでとうございます
(一同)おめでとうございます
(佐倉)おめでとう
ああ 旧年中は よくやってくれた
新しい年も頑張ってくれ
(幹部たち)へい
サンゼン石油の和知(わち)社長です
(和知) 和知です どうかよろしく
辰巳だす
あの 片岡誠治と申します
アベ紡はんとは ずーっと おつきあいいただいとりやす
今後とも お見知りおきを
辰巳さん 実は私(わたくし)どもと サンゼン石油さんとが―
ある人物に ゆすられておりましてね
まさに石油コンビナートこそは 公害の元凶である
ええか 社長 わしは決して 5億のカネを取っても―
私(わたくし)しようとしとるもんではない
公害に苦しむ国民の福祉に 役立たせようとしとるんだ
(和知) しかし 公害問題については…
ああ 近頃では各企業とも 十分な対策を講じておりますし
地元住民に対する補償も…
黙れ黙れ黙れ!
そんな目先のごまかしに 貧乏ったれどもは だませても―
わしは だまされんぞ
ええか おめえが どうしても カネを出さんと言うんなら―
この3年間にアベ紡の悪党どもが 石油コンビナート建設のために―
なあしたことを なしてきたか
わしゃ国会で 白日の下にさらしてやる
これ見れ
建設の認可 用地買収 埋め立て 地元住民への補償
これらのために悪徳政治家や役人に バラめえたカネが何十億に上るか
わしゃ隅から隅まで 全部これをつかんどるのだ
(畠山(はたけやま))どうも遅くなりまして 田口先生 お迎えに上がりました
(田口)君は大阪市のもんか?
(畑山)はっ 総務課長の畑山と申します
課長だと! 無礼もん!
局長に“来い”と言え 局長に
(畑山)ああ… 局長も部長も あいにく出張しておりまして
なにっ 出張中だと!
お前らは国外事業を 何だと思っとる!
まったく近頃の地方自治体は たるんどるよ 痛(いて)っ
(畑山)申し訳ございません!
それで わしを どこへ案内してくれるんだ
(畑山)はっ ええ まず―
「鶴屋(つるや)」で お食事をしていただきまして
それからキタのほうに ご案内させていただきたいと
芸者か? 場か?
はっ それは先生の お好みに合わせまして
ほうか
わしゃ こないだ 福永(ふくなが)先生のお供をしてな
(畑山)ははっ (田口)韓国へ行ったんだ
キーファンは要らんよ
はいはい 承知いたしました
では玄関で お待ちしております はい
(電話のベル)
(秘書) はい 国会議員の田口ですが 少々お待ちを
先生 アベ紡の秘書と 申しておりますが
用件は?
いえ 先生に直接 お話ししたいと申しております
若い女の方ですが
(田口)女? (秘書)はい
なんじゃ今頃 日延べは聞かんぞ
おめえんとこのバカ社長が 何と言おうと―
わしは明日 カネ取りに行くからな
(小山京子(こやまきょうこ)) ああ そうじゃないんです 常務の言いつけで
先生を夜の大阪へご案内するように 言われてきたんです
(田口の鼻を鳴らす音)
(京子) 今 玄関にいるんですけど
うん… 君 1人か?
(京子)はい
(京子) 田口先生でいらっしゃいますか?
(田口) うん わしゃ 田口じゃが
小山京子と申します お供いたしますわ
(田口)うん
(京子)どうぞ
(畑山)先生 お車の用意ができました
バカモン 木っ端役人に用はねえ 帰(けえ)れ帰れ!
(畑山) ああ いやあ あの…
貴様ら何者だ わしはな 国会議員の田口だぞ!
田口先生
これに署名していただきましょう
(田口)何!
読んで差し上げろ
(辰巳組組員)へい
ええ“私儀(しぎ) このたび 深く感ずるところありまして―”
“今までの所業を反省し―”
“二度と人様に金品を 強要しないことを誓います”
“アベ紡株式会社殿 サンゼン石油株式会社殿”
“浪速政治経済研究所殿”
そうか 分かった
おめえらはアベ紡の用心棒だな!
ナメんなチンピラ!
わしは そんな脅しには屈服せんぞ!
(辰巳組組員)さあさあ (田口)何すんだよ!
(辰巳組組員)さあ オラ オラ
(辰巳組組員)よし!
うううっ! ああっ ああっ
(田口) 何をする わしを誰と思う 国会議員だぞ
やめてくれ 危ない!
(うめき声)
(田口)やめろ… うああっ
(辰巳組組員たちの笑い声)
(田口)痛い痛い 痛い!
(田口)痛たっ ああっ (辰巳組組員)おお おお
(田口)やめてくれ あたたっ 助けてくれ
ああ あららら ちょっと ちょっと
(辰巳組組員)オラッ
ああああっ! うう…
(松枝)先生 お願いします
(田口の荒い鼻息)
(辰巳組組員)さあ!
いや!
わしゃ押さんぞ わしゃ負けんぞ
暴力には屈服せんからな!
(辰巳組組員)なにを! (田口)ぐあっ
(辰巳組組員) もっかい したろか
おい!
ああ! やめてくれ やめてくれ おっ お願い
あああっ やめてくれ やめてくれ
おう!
(田口)ああ ハア ハア…
(松枝)ハハハハッ
辰巳 貴様だったのか!
(辰巳組組員)この
貴様 よくも 代議士たる俺を侮辱したな
問題にしてやる これは明らかに 国会に対する暴力団の挑戦だ
日本国政府と中島組との戦争だ!
アホんだら! お前みたいなやつに―
“日本 日本”言われたら 日本は泣くわい
なんだと! 許さんぞ 絶対に許さんぞ
貴様なんぞはな 国会で告発してやるぞ
ああ やりたかったら 何でもやらんかい
その代わりな その日から 1万人の中島の組員が―
お前の首 狙うぞ それだけは覚悟しとけよ
おう
(辰巳)おはようございます
(佐倉)横浜の埋め立てが 始まったそうだの
へい
土砂の運搬ほうを 中島にもらいましてん
まあ 向こう3年間の 大工事ですさかい―
それぞれの組 順番に 回してやろうと思うてまんねん
(佐倉)錦城会の動きはどうだい
ああ
みんな全然 気にしてえしまへん
親分が大山に言わはったこと聞いて 集まっとるんですわ
(佐倉)ハッ ハハハ…
(爆発音)
(男たちの騒ぐ声)
(男たち)おおっ!
(男A)危ない 逃げろ逃げろ
(男B)ああっ!
(男Cの悲鳴)
(かおり) ♪ 長い髪の女は たばこをくわえ
♪ 青い煙 悪魔のように 吐いていた
♪ 古いドアが開くたび
♪ 潤んだ瞳で
♪ グラス片手にしいて
♪ つぶやいた
(後藤(ごとう))ああ あのう お前ら 今夜10時ごろ どこにいた?
ここにいましたよ ずっと
(芳夫)あんなぁ オッサン
わしら もうヤクなら 縁切ったんよ なんや
(後藤)いろよ オラ
(芳夫)何やな
(店員)どうしたんですか? 何かあったんですか?
(後藤)ええ? チンピラが兼田運送 襲ったんだ
(男)よう! そんなの俺たちと 関係ねえだろうによ なあ
よし とにかく 署まで来てもらおうか オウ
(外国人客)おまわりさん…
(外国人客の英語)
(外国人客)どうした?
(芳夫) かおり どないしたんじゃ お前
(かおり)あんた 痛い!
(店員) こりゃ ヤベえな 産まれるぞ
(芳夫)産まれるの?
(男)大丈夫か おい (芳夫)産まれんのやて
(男)おい! パトカーあるじゃんかよ ねえ?
(男)旦那! (後藤)ええ?
パトカー貸してくれよ
バカ! 困るよ そらあ
(芳夫)貸してくれよ
“困るよ”ってことは ねえだろによ お前
ガキが死んだら どうすんだよ
旦那!“鬼刑事”って 新聞社にタレこんじゃうぞ!
(後藤)よし 分かった おい 運んだれよ
(芳夫)おい そっと 運んでくれよ そっと
どいてくれ どいてくれ おい!
わしの子どもが産まれる そこ どけてくれ
わいの子どもが産まれるんや ちょっと ちょっと
はよ そっと運べ そっと!
(男)気をつけてくれよ おい
(芳夫)かおり 大丈夫か おい しっかりせえ
ちょっと どいてくれよ はよ どいてくれよ
(男)よし! 出発しろ
(サイレン)
(後藤)おい お前ら あんまり面倒 起こさんでくれよ
それでなくても今年は 学生どもが騒いで―
手が回らんのだから …ったくもう
何だんねん こら
実はですな 辰巳さん 横浜の工事現場の件ですが―
土砂運搬の契約を白紙に戻して いただきたいと思いまして
(片岡) そりゃ どういう意味でんねん 理由を言うておくんなはれ
“理由”と言われても困るんですが
東のことは やはり 東と話し合いを持ちませんと―
先日のような もめ事が起こりますんで
何分にも私(わたくし)ども事業の当事者の 立場をご理解願いまして
(片岡)島原はん 錦城会から圧力かかったんやろ
あんたら 中島から錦城会に 乗り換える腹と違(ちゃ)うか?
とんでもございません
あくまでも私(わたくし)どもの自主的な判断で 申し上げてるんでございます
何とぞ こちら様とは 従来どおりのおつきあいを―
よろしくお願いいたします
辰巳さん どうかご了解ください
了解できまへんなあ
あんた方 堅気さんと違(ちご)うて わしらの社会では―
ここで手ぇ引いたらヘタ売って しまうことになりまんねん
つまり 中島組は あしたから メシの食い上げですわ
まっ どうぞ 引き取っておくんなはれ どうぞ
(迫田組組員)兄貴
(宗方)おう
(ナレーター) この夜 中島組系組員約200名が 横須賀に向かって出発した
それはまるで 事件の勃発を 待ち受けていたように―
電光石火の速さであった
(迫田組組員) おい 何や こんな朝はよから
(警官) これは何ですか? これは
(運転手) リンゴ リンゴですよ
(迫田組組員) ええかげんにしいや
何やねん わしら これから出稼ぎに行くんや
生活かかっとるんやぞ コラ
(迫田組組員) わいら大人の集団就職でんがな ご苦労はんでんなホンマに
(捜査員A) 重たいから気ぃつけよ これで全部か?
(捜査員B)はい
(岩見) 中島組が本腰を入れてきました
迫田の舎弟の宗方が―
200人 引き連れて横須賀へ 乗り込んだそうです
これは辰巳の宣戦布告です
私も腹くくりますよ
いかん! いかんぞ 岩見 この非常なときに
バカな争いは日本を滅ぼす元だ
岩見 いかん
お互いが話し合えば 分かることじゃないか
先生の大きな腹の分かるような 贅六(ぜいろく)どもじゃねえですよ
佐倉一誠が先生の前に手ぇつくまで 徹底的にやりますよ
(一宮)異常ありませんよ まずは極めて健康ってとこです
(佐倉)うーん フフフ (雪江)よかったわ
ハア…
辰巳は その後どうなんだ?
診察に見えないもんで 気にしてるんですがね
何しろ心臓病ってのは 爆弾抱えてるようなもんですから
すいません 姐(あね)さん
キタの警察から電話で 嬢(とう)さんが留置場に
えっ!
(刑事)何しろ ゆんべは もう泥酔と同じ状態でしてな
“自分は中島組組長の娘や”と―
大声でわめいたり 暴れたりでしてな
ホントに ご迷惑おかけしまして
(雪江)真樹子!
(刑事)ええな マリファナかて立派な麻薬なんや
体 ワヤにしてしまうやないか ああ?
それに今度 捕まったら 刑務所 行くことになるんやで
(雪江) 真樹子 刑事さんに謝んなさい
何やの お父ちゃんも よう捕まえんくせに
(雪江)真樹子!
(松枝)嬢(とう)さん! (真樹子)放して!
真樹子 いいかげんになさい!
お母ちゃん うちはもう 家になんか帰らへんで
どうせ うちは 流れもんの子やさかいな
(雪江)はっ!
(記者A)あっ 佐倉さん
(記者たちの騒ぐ声)
(警官)お願いします やめてください
(記者B)ちょっと邪魔しないで
(記者B)痛っ 何すんじゃ おう! 放せ!
(記者B)あっ! おい (刑事)コラ!
(記者B)どうすんだよ! (刑事)やめんか!
(松枝) こいつらが悪いじゃないか!
勝手に写真撮る権利は ないはずだぞ
(雪江)真樹子!
ええ 脱税の容疑だす ええ
例の浪速政治経済研究所の 手入れだすわ ええ
ああ どうせ サツの 嫌がらせでっしゃろ ええ
よっしゃ分かった とにかく手ぇ打っとこ
じきに梅さんと 東京行ってくれ おう
(片岡)あっ 頭(かしら)
ついさっき 小野先生が 脳いっ血で倒れはったそうだす
へい 重体やいうこってす
(ナレーター)小野伴水 重体の報に接した佐倉は
急きょ 一宮病院の 4階特別室に入院した
病状は高血圧症のため 絶対安静と発表され―
辰巳が組長代行となった
(辰巳)不自由かけまっけど 当分はここで
(佐倉)ああ
横須賀の動きは どうなんだい
ええ だいぶ落ち着いた様子だす
(佐倉)辰巳よ 東京 甘く見ちゃいかんぞ
(辰巳)そんなもん どうっちゅうことあらしまへん
まあ見てておくれやす
じきに横須賀 潰してみせますさかい
(佐倉)いや お前の力でも できん問題が必ず来る
今の警察の動きが その前兆だ
中島が大きなったっちゅう証拠だす
そらあ 多少 風当たりの強いのは 覚悟の上だんがな ハッハッハッ
無理すんなよ
…で 小野先生が万一の場合は わしが行くからな
(辰巳)そらあ あきまへん
そいつは わしに任せといておくんなはれ
今 親分に東 指して 行ってもらうわけにいかしまへん
フフフッ 何を言っとる
ああ…
わしが死んでも 辰巳よ
ちゃんと お前がおる
親分 大山さんのこと 言っておられるんでしょうか?
大山かて誰かて ただの人間や 人間なら怖いもんあるかい
とにかく 当分のあいだ 情勢見たらいかがですか?
アホなこと言わんとけ
やくざのケンカに 休憩があんのんか
お前 親分のそば離れるな ええな
(松枝)はい
(女)いってらっしゃい
フウ…
(銃声)
(銃声) (宗方)ああっ
ううっ おお…
(銃声)
(銃声)
(迫田)うううっ うううっ!
(捜査係長) とにかく このままでは 第2 第3の事件が発生して―
取り返しのつかんことになる
工事の当事者は しかたがないとして―
あとから来た組関係の者は 全員 引き揚げさせてほしいんだ
せやけどな 係長はん
せんだっての兼田組の事件かて まだ あのままだっせえ
なんや あんたらのやり方 見てると―
警察は関東の極道ばっかり 肩持ってるように見えまんなあ
(係長) バカなことを言っちゃいかん
お前らが侵略してきたからこそ こんな騒ぎになったんじゃないか!
いいか 今夜12時までに 全員を引き連れて大阪へ帰るんだ
これは命令だぞ
(パトカーのサイレン)
サツが“12時までに 引き揚げなんだら―”
“全員検挙する” 言うとりまんねん
ペッ
ケッタクソ悪いさかい もう…
機動隊突破してでんな あれは何人残るか分からへんけど
東京の錦城会本部に カチコミかけたろか思ってまんねん
カチコミは何時(なんどき)でもできる
とにかく 仏 連れて いっぺん戻ってこい
わいは あさって 東京行かなあかんのや
小野先生 死なはってな
頭(かしら) そらあ ムチャだっせ
葬礼なんか あんた行かんでも―
舎弟頭(がしら)か誰か やっといたら よろしゅうおまんがな
そうはいくかいや わしが行けへんたら―
親分が行く言うて 聞かはらへんやないかい
今 東京指して親分やれんのか?
分かりました
ほな 宗方は 宮之浦に守りさして―
わし こっちへ残りますわ
いや 東京で頭を一人に させるわけにはいきまへん
(赤ん坊の泣き声) (かおり)何すんのよ!
(芳夫)ほかせ! (かおり)やめて
(赤ん坊の泣き声)
アホ!
わいはな わいは確かに “子ども欲しい”言うた
何じゃ それ お前 クロンボの子やないけ
そんなもん絶対 誰が取る 誰が俺の子どもにするか バカ!
なあ かおり なあ
親分や兄貴に 祝いまでもろうてんのに―
何 考えとるんじゃ お前は!
お前な 俺と一緒におりたかったら お前 この子 殺せよ
お前が殺すんじゃ!
アホ! 何 考えてんねや お前は
(店員) いいじゃない クロでもブチでも 赤ん坊には変わりないんだから
やかましいわい!
(黒人男性) ヘイ! イッツ オーライト
(芳夫)何じゃ お前は
(店員)それに あんた
かおりに捨てられたら おまんまの食い上げだよ
プッ! プエッ
(運転手) あんた どこまで行くんかね?
どこでもいいのよ
俺 北海道まで行くけど ついてくるかい?
行くわ
(運転手)ヘヘッ フフフフッ
(芳夫)何ですか? 兄貴
あしたよ 辰巳が東京へ来るんだ
中島組の辰巳でっか?
ああ そうだ
東京や浜の連中が いきりたってよ こっちも黙ってる手はねえ
(男)顔は分かってるな
(殺し屋)新聞で何度も見てる
(読経)
(迫田)頭(かしら)!
(銃声)
あの車じゃ! 追えや
(迫田組組員)コラ 待たんかい!
(迫田)頭! 大丈夫でっか?
(辰巳)別状(べっちょ)ない
(迫田組組員たち) おい 張田 しっかりせい
(迫田組組員A)よし (迫田組組員B)どけどけ
(芳夫)辰巳!
(銃声)
バカタレ!
(迫田)頭!
(銃声)
(迫田)おんどれゃあ!
(銃声)
この クソガキゃあ!
(迫田組組員)頭! (迫田)おい!
周りに気をつけい!
おい 車 どないした!
(迫田組組員)早く
(迫田組組員)おやじ!
(迫田) おい 医者や 医者 行け
(迫田)おい! 頼むで (迫田組組員)分かりました
このたびの 一連の事件については―
錦城会としては 預かり知らんことです
天下分け目だとか 覇権争いだとか―
そういうことは あんたら ジャーナリストの発想であって―
私たちには そういう古くさい 英雄思考は毛頭ありませんな
逮捕された殺し屋は 錦城会の幹部から―
カネを受け取ったと 自供したそうですが
デタラメです そういうことは全くありません
今後 中島組とは どんな姿勢で 対処していかれますか?
平和協定のようなものを結んで お互いの縄張りを決めるとか
私としては 大山先生を介して―
何度もそういう申し出を しとるんですが
どうも先方は タカ派が強力でしてね
おお 岩見
ようも頭(かしら)に チャカ向けてくれたな
外すなよ 的を外すなよ
(銃声)
(岩見の舎弟)この!
(迫田)クソッタレ! 放さんかい コラ!
(銃声)
(女性)あっ!
(迫田)コラ! 放さんかい
(銃声)
(迫田)うおおっ!
気違いめが
具合はどうだ?
(辰巳)ええ もう 大したことあらしまへん
傷のことを言ってるんじゃない 心臓のことを言ってるんだ
(辰巳) それやったら どうっちゅうこと おまへんわ へへッ
昔からの持病ですさかい へッへッへッ
迫田の件だが…
破門するぞ
破門?
うん
親分 それはちょっと キツすぎんのと違(ちゃ)いまっか?
迫田の立場や功績を考えても 今ここで破門にしたら―
みんな やる気 のうなってしまいまっせ
結果は どうあれ―
迫田は中島のために 体張ったんですさかいなあ
辰巳 わしが中島の 名跡を継いでから25年
今日(こんにち)の中島があるのは―
お前の働きのおかげだと言っても 過言ではない
だが 中島は今 大きな曲がり角に さしかかってるんだ
今の時代に1万5000の組員を 引き連れていくには―
迫田のような人間は 中島のためにならん
世間にも それを はっきりさせなきゃならんのだ
すぐ迫田の破門状を回せ!
(辰巳) 親分! そらあ 違うで
(佐倉)なにっ!
(阿部) 私(わたくし)は全く感知いたしておりません
まっ そういうことは一切 島原常務に任せてありますので
ただ1度か2度 島原が―
“暴力団に脅かされて 困っている”という話は―
耳にしたことがございます
中島組の片岡さんとは総会関係の おつきあいがございまして
それがご縁で佐倉さんや辰巳さんに お目にかかったことがございます
当方といたしましては―
単なるご挨拶のつもりで おりましたんですが
その…
そのうちに巧妙に 顧問料のようなものを取られまして
他社にも紹介したりいたしました
結果的には暴力団の資金集めの 片棒を担いでいたわけで―
深く反省しております
(迫田) 破門のことやったら もう知ってま
刑事はんから こんなもんもらいましたわ
迫田
頭(かしら)の気持ちは よう分かってま
わいがやったことで 破門するような組―
未練おまへんで
人間 偉(えろ)うなると―
内面よりも外面 大事にするもんでんな
頭 かかあやガキのこと…
よろしゅう頼んますわ
(福島(ふくしま))メンツにかけても 辰巳に解散声明を出させるんだ
辰巳が解散すれば 中島組は ぶっ潰れる
そのためには一日も早く 佐倉の切符を取るんだ
佐倉の逮捕状を突きつければ 辰巳は必ず落ちる
東京で鉛食らってから 辰巳の病状は悪化しとるらしい
いかな辰巳でも きっと弱気になっとる
我々の首にかけても やつらを追い込むのだ
(川端(かわばた))お前が アベ紡の重役を脅したんやろ
ええ?
この領収書で何億っちゅうカネ パクったそうやないか
誰の命令だ?
辰巳か? 佐倉か?
舌ないんか このガキゃ! オラ
これ! この… ううっ! コラッ
クッ! オラ どうだ コラ
(刑事) おい まあ茶でも飲めよ 舌がよう回るようになるぞ
このガキゃ オラッ!
オラッ!
(松枝)ううっ
(川端)オラッ!
(矢野(やの)) 浪速政治経済研究所に 振り込まれたカネは―
4年間で ざっと5億や 所長は松枝四郎になっとるが―
事実上は お前が 取りしきっとったんやろ?
ええっ!
そのカネ どこへ隠したんや
知りまへんがな そんなもん
な… なに えっ? 浪速政治?
へえ 何でんねん そりゃ
(刑事)片岡 サツをナメたらあかんど!
(片岡)あ痛っ! あ痛あ 暴力はあかんがな 暴力は
奥さん
あんたが ひと言“片岡から カネを受け取った”と言えば―
それで ご主人の捜査は 打ち切りなんだよ えっ?
うん そら まあ 脱税の罪にはなるが―
そんなものは せいぜい罰金で済む
けど あんまり強情張ってると―
恐喝やとか殺人教唆の罪で 追及することになるよ
(川端のせき)
奥さん あんたには確か 真樹子っていう娘さんがいるねえ
いや 兵庫から連絡がありましてね
ヘロインの不法所持で 逮捕されてるらしいんですわ
まっ まともにいくと 4~5年は食らうでしょう
だが 私の口ひとつで どうにでもなるんですがねえ
私は何も知りません
だから ほんの10分ほどでええんですよ
事情聴取をするだけですから
ダメですね 絶対安静ですから 許可できません
(川端) いいかげんなこと言うなよ
こっちは仮病だってことは 分かってるんだよ どいてくれ
ダメだよ あんた
おい!
公務執行妨害だぞ
何が“公務執行妨害”だ ここは私の病院だからね
あんたらこそ不法侵入で訴えるぞ
(川端)なにっ!
先生 あんた 暴力団顔負けだね
(辰巳組組員)何だ おい!
何でんねん
(矢野)辰巳周平はおるか
俺が辰巳やけど
辰巳周平
保険金詐欺の容疑で逮捕する
“詐欺”?
(福島)辰巳
はっきり言うて 保険詐欺など問題ではない
わしらの目的は辰巳組の解散だ
お前も もう十分に 男を売ったんだから―
この辺で引退して 花道を飾ったらどや
よし
それじゃ ひとつ お前と取り引きをしよう
現在 わしら4課は2課と協力して 佐倉の脱税容疑の証拠固めをしとる
お前さえ解散声明を出せば 見逃してやってもいいぞ
いいか 脱税といっても ただの脱税とは わけが違うぞ
恐喝 殺人教唆 楽に10年は食らいこむぞ
佐倉もお前も絶対に再起不能だ
よーく考えたほうがいいぞ
よーくな
迫田が自殺したぞ お前宛ての遺言状だ
読んでみろ
迫田も かわいそうなやっちゃ
一将功成って万骨枯るというが―
佐倉は たとえお前でも―
役に立たんと分かれば あっさりと見捨てるに決まってる
どうだ 辰巳
お前もいいかげん やくざのアホらしさに―
目覚めてもええのとちゃうか?
(せき込み)
(片岡)“私儀(わたくしぎ) 片岡組組長 片岡誠治は―”
“今日(こんにち)まで 善良なる 一般社会の人々に対して…”
(ナレーター)迫田の死は 中島組関係者に強い衝撃を与え
片岡組をはじめとして 梅原 兼田など―
有力な佐倉の舎弟分 若衆たちが―
次々と解散声明を発表した
辰巳
お前の病状も だいぶ悪いようなので―
特別に今日 釈放することにした
それから 片岡や兼田の供述も そろったので―
いよいよ佐倉の切符を 請求することにした
これだ
(せき込み)
親分
わしは身を引かさして もらいたいと思います
わしは こんな体やし もう親分のお役には立てしまへん
そ… それに この際 辰巳の名を中島から消したら―
世間の目ぇも―
なんぼか変わってくるのと 違いまっしゃろか
(佐倉)解散すると言うのか
へえ
うっ!
辰巳!
お前は迫田なんかと違って わしの分身とも言うべき存在なんだ
お前が解散すれば―
わし自身 警察や社会に 敗北を認めたことになるんだ
いやいや わしは負けんぞ 絶対に
だから お前は息の続くかぎり わしに ついてくるんだ
親分
いやあ もう もう何も言うな
はよ休んで 体をいたわれ うん?
ハア…
(佐倉)バカ野郎! 辰巳をこんな体にしよって
早(はよ)う治してやらんか
(一宮)はい
(一宮) 3階に部屋が用意してありますから ひとまず そこへ
キヨ 家(うち) 去(い)のう
うっ
(谷本(たにもと))おやっさん! (キヨ)あんた あんた
大事はない 自分で歩けるがな
(辰巳)ううっ… (谷本)おやじさん!
あんた!
(佐倉) 辰巳は心も体も弱っとる
目を離すな
(荒い息)
(キヨ)先生! なんとか ならへんのですか?
(一宮) モルヒネを少量 打ちましょう
(キヨ)早く
(辰巳)谷本 おい!
4課の課長に電話せえ
あしたの朝 解散声明 出すさかいに来てくれっちゅうて
はよせんかい
(ドアの開閉音)
おやっさん とにかく 解散だけは やめてください
辰巳周平の名前が ゴミ同然になっちまいやすよ
キヨ 何ぞ書くもん 紙 持ってこい 鉛筆もな
(一宮)ダメですよ
さっ しばらく休んでください
(辰巳)ハアアッ…
おい!
辰巳が解散声明 出すぞ 今 電話があった
(川端)そうですか
(刑事たちの喜ぶ声)
お前には いろいろ面倒かけたなあ
何 言うてはるの うちは うれしゅうてな
あんた ホンマに よう決心してくれはったな
うちはな 正直なとこ 腹が立ってたんやわ
あんたが自分のことも忘れて あないに一生懸命やってきたのに
今になったら みんな 勝手なことばっかり言うて
親分かて どこまであんたの苦労 分かってくれてはるのんか
せやけど もう済んだことや
何もかも忘れて 2人で のんびり暮らしまひょ
なっ
ああ…
キヨ
鉛筆 持ってこい 紙と
(キヨ)あんた
はよ持ってこい
ああ…
んっ
解散やな…
かい…
んんっ!
あんた! あんた!
ねえ ああ…
あんた
(辰巳)ああ… キヨ 手ぇ貸せ 手ぇ貸せ
俺 これ書かんことには―
死んでも 死にきれへんやないかい
何 言うてはるの やめて お願いや! ねっ
手伝わんかい 背中 手伝わんかい キヨ
やめて!
お前 俺と一緒になって 何年なるんや
(キヨ)やめて! (辰巳)キヨ!
(キヨ)あっ!
宣… 誓…
ううっ み…
ううっ 私…
グフッ
辰巳…
周平… は…
あんた!
キヨ 字が分からへん 字が分からへん
“このたび”が “このたび”が 字が分からへん
うああ… 字が
ああっ このたび…
先生!
先生! 先生!
ああっ! うっ…
書かな…
うっ… 解散…
先生 頼みます
うつ伏せにして!
おやっさん ベッドへ
(辰巳)いい やめい
おやっさん! さっ
じゃかあしいがな フッ…
手を出して
(辰巳)ハッ ハッ
あんた?
(キヨ)あんた あんた!
頭(かしら)が 今 亡くなられました
うん…
つらかったやろ
もう誰も あんたを 苦しめるわけにはいかへんわ
府警本部の福島です 辰巳に会いたいんですが
辰巳はんはな 亡くなられました
なにっ?
あんた また いいかげんなこと 言ったんだろ?
辰巳の部屋はどこなんだ? 言わんか
(一宮)3階ですわ
課長!
(辰巳組組員) オラ 待て! おい!
(記者A) あっ いつ亡くなったんですか?
今朝の4時です
(記者B)死んだ原因は?
一宮先生に聞いてください
解散声明文はあるんですか?
そんな物はありません
死因は何だったんだ?
死因は何だ!
お父さん
私は佐倉ファミリーの 一員ですよ
(佐倉)よくやってくれた
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