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<明治の開拓時代→
北海道にアイヌが隠した ばく大な金塊のうわさがあった>
(爆発音) (兵士)ウワッ
(杉元)俺は… 不死身の杉元だ!
<日露戦争の死闘を生き延びた 杉元佐一は北海道へ向かう>
寅次との約束を果たしたい
<杉元はアイヌの少女 アシリパと 脱獄囚の白石と共に→
刺青を集め始める>
(アシリパ)私たちで金塊を見つけるぞ ああ
(キロランケ)網走監獄で起きたこと 俺は知っている
のっぺら坊は… アシリパの父親だ
私は のっぺら坊に会いに行く
のっぺら坊がアチャなのか この目で確かめる
<脱獄囚の一人→
土方歳三を リーダーとする土方一派>
<鶴見中尉率いる第七師団>
<この2つの勢力も金塊を狙い 刺青を追って動きだす>
<杉元たちの持つ刺青は…>
(若山)姫~!
<新たに若山の刺青を手に入れ6>
<土方一派が6>
<鶴見率いる第七師団が1>
<残るは13>
<これは アイヌが隠した ばく大な埋蔵金を巡り→
24枚の刺青を奪い合う 過酷な冒険の物語である>
・~
(家永)熱っ
(牛山)フー フー フー
こっちにある刺青の暗号は→
俺と家永 土方歳三
油紙に写した白石と辺見の 暗号の複製が2人分
それと 尾形百之助が→
やくざの日泥一家から 奪って手に入れた1枚
合計6人分
(永倉)あとは 白石たちが→
日高へ向かったという中年男の 刺青を手に入れられたかどうか
(牛山)不死身の杉元がいる あいつは 必ずやるさ
(夏太郎)あの…
これって 全部で何枚あるんですか?
(土方)全部で24枚だ
(尾形) 変人とジジイとチンピラ集めて→
蝦夷共和国の夢をもう一度か
政府相手に戦い続けられる 見通しはあるのかい?
のっぺら坊は アイヌなんだろう?
情報将校だった鶴見中尉は しっかり情報をつかんでいる
のっぺら坊が殺したアイヌたち 7人分の遺留品に→
共通点があったそうだ
小刀や たばこ入れ それら全てに→
よく見ると 新しい傷がつけてあった
(尾形)アイヌの葬式では→
死んだ人間が あの世でも使えるよう→
副葬品に傷をつけたりして→
この世での役目を 終わらせるそうじゃないか
死体を残虐に ばらばらにしておきながら→
丁寧に全員の所持品に 傷をつける行為は→
ざんげのようなものを感じる
(尾形)殺された7人は 各地の村の代表者で→
和人と戦う武器を買うため 金塊に手を付けた
のっぺら坊の目的が アイヌによる北海道独立ならば→
どうして仲間割れした?
なぜ殺したんだ?
恐らく のっぺら坊は→
アイヌに成り済ました 極東ロシアのパルチザンだ
(牛山)何だ? それは
(土方)パルチザンとは→
内戦や革命で軍事活動をする 民兵組織よ
ロシアの極東にも→
アムール川周辺の少数民族から 寄せ集まった→
多数の遊撃隊が存在している
ロシアといっても 一枚岩ではない
ロシア人が支配する帝政ロシア
レーニン率いるユダヤ系の共産党
そして 極東に住む少数民族などで構成されたパルチザン
ロシアの国内は これらの勢力が 三つどもえになって→
殺し合っている
(尾形)つまり のっぺら坊は→
極東ロシアの 独立戦争で使うため→
アイヌの金塊を樺太経由で 持ち出そうとして失敗したのが→
今回の発端なわけか
ということは 監獄の外にいるという→
のっぺら坊の仲間も…
アイヌに成り済ました パルチザンの可能性が高い
(ダン)名高い猟師から 譲ってもらった弓だ
これは 君に贈ろう
(ダン)代わりにと言っては何だが→
あの不思議な模様の刺青…
剥いで持っていく理由を 聞かせてくれないか?
知らないほうがいい 刺青に関われば命を失うぞ
面白い物を見せよう
本? それが どうかしたのか?
この本は 夕張にいる男が 作った物らしい
巡り巡って 私の所にやって来た
盗んだ男が言うには→
その家には やくざの くりからモンモンではない→
奇妙な刺青の皮があったらしいと
(白石) ウエッ ちょっと待て これ…
(キロランケ)人間の皮か?
夕張か
<夕張 前人未到の 広大な密林だった この地に→
明治21年 石炭の大鉱脈が発見されると→
明治後期には 2万人を超える町に急成長した>
・~
(鶴見)月島軍曹 あの墓から目を離すな
昨日の炭鉱事故で 土葬されたばかりの墓だ
(月島)はい (鶴見)度々 この墓場では→
盗掘が起こっているらしい
盗まれているのは 死んだばかりの人間の体だ
(鶴見)どうした? 二階堂
(浩平)洋平の耳 やっぱり 鶴見中尉殿の耳に そっくりです
鶴見中尉殿の左耳 頂けませんか?
片っぽじゃ かわいそうです
分かった分かった 私が死んだら くれてやる
ハッ…
本当ですか 鶴見中尉殿
(物音)
殺すなよ
・~
・~
・~
(ノック)
(江渡貝の母親) 《あら 誰か来たみたいよ》
(江渡貝) いいよ 座ってて 僕が出る
こんな朝早くに何だろう?
はい 何か御用ですか?
おはようございます
ここで剥製を扱ってると聞いて やって来たのですが
江渡貝弥作さん?
ええ… そうです
あっ 中へ どうぞ
・~
・~
ほう~
うわさどおり すばらしい 出来栄えで目移りしますな
シロクマまで
皮だけ輸入して こっちで作った 芯にかぶせたんです
失礼ですが ここで商売をやるほど夕張に剥製の需要が?
いえ 主に海外からの注文が多いです
あっちの金持ちは 日本にしかいない動物の剥製も→
欲しがるんです
自分は もともと奈良の生まれですが→
剥製作りに高温多湿は大敵です
良い剥製を追い求めた結果→
気温が低く乾燥している北海道へ 引っ越してきました
夕張へは お一人で?
いえ 母がいます
なるほど
仕事に対する 飽くなきこだわり 職人の鑑ですな
いえいえ ありがとうござ…
江渡貝君 君の落とした手袋を届けに来たよ
な… 何の話ですか?
(江渡貝の母親) 《あら 何の音かしら?》
(男性)《様子が おかしいね》
《見に行ったほうが よくないかい?》
(江渡貝の母親)《大げさね》
《弥作さん! 大丈夫よね?》
何でもないよ 剥製を落としただけだ
そんな手袋 知りませんよ 僕のじゃありません
(鶴見)昨日の夜 我々を まいたつもりでいたんだろう?
逃したフリをして ここまで つけてきたんだよ
江渡貝君
持ってますかね? あの剥製屋
(月島)炭鉱事故で死んだ 妙な刺青の炭鉱夫が→
あの墓地に埋葬された
俺と前山で その墓を掘り起こしたが→
もぬけの殻だった
つまり 暗号の刺青を持つ囚人の死体は→
あの墓泥棒が 持っていったに違いない
(鶴見)崩落や粉じん爆発 炭鉱では常に事故が付きまとう
流れ者の多い炭鉱夫が 頻繁に亡くなり→
夕張は新鮮な人間の死体が 手に入りやすい
何を言っているのか さっぱり分からない
もう 出ていってください
墓から夜な夜な死体を えっちらおっちら掘り起こし→
皮を剥いで 江渡貝君が この手袋を作ったんだね
すばらしい!
私の分も 作っていただけないだろうか
はい? 僕を捕まえに来たのでは?
墓荒らしを捕まえるのは 私の仕事じゃない
フッ… いや 失礼しました
その手袋は 人間の皮じゃありません
素材は豚の皮ですよ
豚の皮は 人間の皮に よく似てるんです
豚?
悪趣味ですが しゃれのつもりで作った物です
実を言いますと 墓場に行ったのは→
動物の内臓や骨を こっそり捨てるためだったのです
僕は てっきり それがバレて あなたが捕まえに来たのかと
(前山)殺して 家捜しすればよくないですか?
(月島)殺すつもりなら 玄関 開けた時点で殺してるさ
鶴見中尉には 何か考えがあるのだろう
ところで…
二階堂 どこ行った? (前山)あっ…
(鶴見)私は この手袋が 気に入っただけだよ
私のも作ってくれないかな
柔らかく しなやかな肌触り
ミリ単位の こまやかな縫製技術
こんな見事な革手袋は お目にかかったことはない
そこまで 気に入ってくださってるなら→
差し上げましょう
同じ物がありますので 持ってきます
(江渡貝の母親) 《弥作さんのあんなに明るい声は 久しぶりだわ》
僕の仕事をあんなに 理解してくれる人は初めてだ
とても うれしいよ
皆さん こんにちは
これも豚の皮で作ったのかね? 江渡貝君
(男性)《見られたぞ 殺せ》
(男性)《殺せ 殺せ》
(男性) 《皮を剥いで剥製にしちまえ》
(江渡貝の母親) 《信用しちゃ駄目よ 弥作さん》
《この人は悪い男よ》
でも 母さん この人は…
江渡貝君にだけ 母君の声が聞こえているのかな?
(江渡貝の母親)《殺せ》
《誰とも関わるなと いつも言ってるのに》
《見られたからには 生きて返すな》
母さんは そうやって 僕から全てを奪って→
遠ざけてきたじゃないか! 僕の味方だった父さんまで殺して
剥製相手にお話しするような 生活は健全ではないな
(江渡貝の母親) 《黙れ ズルムケおでこ!》
《お父さんは 他の男と同じ悪い男》
《あなたを愛する人間は 私以外 いない》
(江渡貝) ウーッ もう やめてくれ~!
(鶴見)江渡貝君…
え~どが~いく~ん!
はあ…
君は天才だ
人間の皮… ですね?
似合うかね?
自分で死体から剥がして 作ったんだよ
ご自分で? すごい…
とても お似合いです (鶴見)でしょ
(江渡貝の母親)《こんな男に 心を許しちゃ駄目よ!》
母さんは黙ってて!
工房で話そうか
なめしの工程で剪が 少し甘かったのかもしれませんね
(鶴見)剪?
皮に残っている肉片や脂を そぎ落とす作業のことです
これが甘いと皮が長もちしません
夏になり気温が高くなると 皮が腐る可能性があります
あっ お肌が少し荒れてますね
なめし材はミョウバンを使いましたか?(鶴見)うむ
ミョウバンなめしは猟師が多く使う お手軽な なめし方ですけどね
お肌が敏感な人は ミョウバンが合わないんです
お勧めは やっぱりタンニンなめしですね
キブシの実から取れる タンニンを使うんです
植物性ですので素肌に触れても 荒れることはありません
最初は硬い仕上がりですが→
使い込めば柔らかくなって 体になじんできます
ただし 水にぬれたときは 気を付けてください
あるものに触れると 変色してしまうんです
(鶴見)江渡貝君 他にも君の作品があるなら→
見せてくれないかな?
(鶴見)出ておいで
え~どが~いく~ん
(江渡貝)どうですか? 鶴見さん
とてもすてきだよ 江渡貝君!
歩いてごらんよ
♪~
(鶴見)いいね~
ここで回ってみせて
いいね~! ちっちゃい尻尾も かわいいね!
いいね いいね 動いてるよ 尻尾が!
♪~
・♪~
♪~
(鶴見)いいね~!
おお…
♪~
おお~!
いいね~
時代の最先端だよ 江渡貝君!
他のも見てください!
うむ
フフッ 楽しい~!
何を見せられているんだ?
(浩平)う~ん… 違うな
やっぱり 鶴見中尉のがいい
あっ! あっ…
洋平の耳が…
・~
(浩平)あれ?
(浩平)あれ?
母さん!?
(江渡貝の母親)《イヤー!》
あっ… 耳 あった
母さんに なんてことを!
(浩平)もしもし はい (江渡貝)鶴見さん?
(浩平)もしも~し!
しっかりと握りなさい
(江渡貝の母親) 母親に銃を向けるなんて→
なんて ひどい息子なの?
君が 母君を撃つんだ
やめて~!
(鶴見)巣立たなきゃいけない
巣がゆがんでいるから 君は ゆがんで大きくなった
撃たないで!
決めるんだ 江渡貝君の意思で
(銃声)
ハァ ハァ ハァ…
(江渡貝)声がやみました
ありがとうございます
巣立ち おめでとう
(鶴見)さあ 踊ろう!
この衣装を着て
♪(ワルツ)
♪~
(鶴見) <江渡貝君が落とした革手袋…>
<それを見て ひらめいたんだ>
<この天才職人に 是非 協力してもらおうと>
(江渡貝)<僕が何かのお役に 立てるのでしょうか>
(鶴見)<今 江渡貝君と私が 着ている刺青人皮は→
暗号になっている>
でたらめの暗号が彫られた 偽の刺青人皮を作りたい
偽物を?
♪(タンゴ)
(鶴見)<我々にしか判別できない 精巧な偽物を複数枚 作る>
<君にしかできない仕事だよ>
<君のすばらしい作品で→
この刺青人皮争奪戦に 大混乱を巻き起こすのだ>
♪~
(薬売り)ああ?
日高のヒグマの熊の胆ね…
一匁 これくらいで… こんなもんかな?
あのね 嬢ちゃん
こういう物は 顔なじみの 猟師からしか買わねえよ
買い取ってもらえるだけでも 感謝しろよ
何だ? ん?
薬売りのあんちゃんよ 足元見てんじゃねえぞ コラ
えっ?
なめてんのかよ?
と… とんでもない
ヒヒヒヒ… すいやせんねえ
こいつら 戦争帰りなもんでね→
手加減ってもんが できませんで~
もう あの… 猛獣ですわ
うるせえ すっ込んでろ! あ~あ~あ~ ああ…
(自転車のベル) (男性)おっ 危ねえな おい!
さっさと計算し直せよ
はい
こ… これで いかがでしょうか?
熊の胆 買い取ってもらえてよかったね~
(3人の笑い声)
おかげで 今日は白米が食べられる
こっちも出来たぜ! カワヤツメのかば焼きでえい
ウクリペに そんな食べ方があったとはな
ウクリペ?
アイヌは カワヤツメのことを ウクリペと呼ぶ
アイヌと和人の食文化の融合→
ウクリペのうな重だ!
いただきます ウイー
(一同)う~ん!
軟骨が こりこりしてる ヒンナだぜ
見た目はウナギに似てるけど→
ヤツメは 骨が全部 軟骨なんだよな
(キロランケ/アシリパ)うん
アイヌの伝説に こういう話がある
神様が取った熊を解体して→
石狩川を舟で運んでいたら 転覆してしまい→
流されたヒグマの腸が ウクリペになった
だから ヤツメウナギには 骨がないんだって
白石の体の関節が ぐにゃぐにゃなのは→
ヒグマのチンポが 白石になったからかもな
やだあ アシリパさん
フフッ
あしたから いよいよ刺青探しだな
さて あの本を作った人間を どうやって捜すか
人間の皮で遊んでる 変態野郎だからな
うわさを たどっていけば 見つけられるだろう
・(江渡貝)前山さんですか?
勝手に いろいろ触らないでください!
風呂に行ってくる 頼んだぞ
(前山)はい
(子供たち) ♪ゆうばり 苦うばり 坂ばかり
♪ドカンとくれば 死ぬばかり
♪ゆうばり 苦うばり 坂ばかり
(少年)煙突の煙が二股になってる
炭鉱で誰かが死ぬよ
(少年の母親)やめなさいよ
しまった 財布忘れた
あの兵士 鶴見中尉のとこにいたやつだ
やつらも うわさを聞いて 来てたのか
後 つけてみるか
キロランケとアシリパちゃんも 呼んでくる?
あっちで聞き込みしてるけど いや見失う 行くぞ
(子供たち) ♪ドカンとくれば 死ぬばかり
♪ゆうばり 苦うばり…
あっ 月島軍曹の
どうしよう…
出来た! 完璧な偽物の刺青人皮だ
ひとまず6枚分 これなら鶴見さんも喜んでくれる
よしよし なでなでしてくれる
・(物音)
ハァ… 月島さんですか?
小樽にいる 鶴見中尉に連絡してください
ついに完璧な偽物が出来…
前山さん?
・~
何だ あの人 こっちに来る
刺青人皮を奪いに来たのか?
・~
・~
鶴見さん…
逃げないと!
でも 出入り口は玄関しか… どうしよう
(江渡貝)ハッ… ハッ!
長風呂の月島がいない間に→
何をたくらんでいるのか 剥製屋に吐かせるか
(尾形)フン… いい趣味してるじゃねえか
・~
・~
なるほど 偽物を作っていたのか
やっかいだな
これでは鶴見中尉に有利すぎる
・(物音)
・(足音) (尾形)チッ… 逃げたか
(ざわめき)
完成した偽物の刺青6枚と 本物の2枚→
奪われるわけにはいかない
鶴見さんに必ず渡さないと
鶴見さ~ん!
(銃声)
よくも前山を…
よくも戦友を殺せたものだな 尾形よ!
(尾形)戦友ではない お前たちは反乱分子だ
中央の飼い猫め 分かっているぞ 貴様の魂胆は
ご主人様に反乱分子を差し出し→
出世という名のご褒美が 欲しいのだ
第七師団長であった父君を 超えたいがために→
仲間を売るのだろう!
(銃声)
江渡貝 生きてるか!
月島より先に 剥製を取っ捕まえないと
おい さっき出てったやつは いいのか?
今は この家が気になる
また やっかいな野郎が 来やがったな
第七師団 こいつも鶴見中尉の部下だ
どうなってんだ…
仲間割れか?
怪しいぜ
例の本があったのは ここかもな
えっ 何だ こりゃ
シー…
お前が白石由竹だな?
土方歳三から聞いてるぜ
杉元と一緒に 今 出ていったやつを追え
白石 気を付けろ
まだ家の中に 誰か いるかもしれない
杉元!
見ろよ これ ヘヘヘッ
鶴見中尉は 恐らく ここで 刺青人皮の偽物を作ってたんだ
さっき 出ていったやつが 奪っていったに違いねえ
今すぐ追ったほうがいいぜ っしゃ
おい
ハァ ハァ… 鶴見さん…
鶴見さん 鶴見さん 鶴見さん
(女性)ワッ! (江渡貝)鶴見さん 鶴見さん
(女性)えっ! (江渡貝)鶴見さん ハァ ハァ…
鶴見さん 鶴見さん
鶴見さ~ん!
シロクマは見た?
おい お嬢ちゃん 走ってく兵士を見なかったか?
(少女)あっち おお サンキュー
鶴見さん 鶴見さん 鶴見さん…
あっ!
鶴見中尉という死に神に 関わったのが運の尽きだ
乗れ 江渡貝!
(炭鉱夫)トロッコ泥棒!
おっ おっ いたいた いたいた!
俺たちもトロッコで追いかけるぞ おう!
(炭鉱夫たちの騒ぎ声)
(江渡貝)月島さん このまま 坑道に入って逃げましょう
坑道は入り組んでいて 出入り口も いくつかあるんです
上にある2枚が本物で→
下に僕が作った偽物の刺青人皮が 入ってます
鶴見さんに必ず届けて よしよし ぺろぺろしてもらうんだ
鶴見さ~ん!
(銃声)
不死身の杉元?
やつも 刺青人皮のうわさを 嗅ぎつけてきやがったのか
(銃声)
やつらを逃したら まずいぞ
偽物の刺青人皮が ばらまかれたら大変なことになる
(銃声)
ほらほら 頑張れ 取り逃がすと やっかいだぞ
(炭鉱夫)ガスだ! ガスが出たぞ 逃げろ!
(爆発音)
(町人)またガスケだ
今のは 久々に でかかったな 山が揺れたぞ
(町人)大非常だ
白石 起きろ
ウッ… 起きろ!
役立たず
(崩落音)
(せきこみ)
ガス?
俺は不死身の杉元だ!
(月島)ン… ンンッ
(せき)
江渡貝… どこだ 江渡貝! 生きてるか?
(江渡貝)月島さん ここです
今 出してやるぞ
月島さん 逃げてください
僕は足が岩に潰されて
ウッ… ンッ!
これを鶴見さんに
僕を 初めて肯定してくれた鶴見さんに
最後に 伝えてほしいことがあります
<炭鉱火災の消火方法は 坑道の密閉である>
<炭鉱内に逃げ遅れた者が いようがいまいが→
坑口を塞ぎ 通気を遮断する>
(炭鉱夫)ゴホッ… 中には まだ生きてるやつがいるのに!
(炭鉱夫)消火のためだ しかたねえ
・~
・~
・~
(炭鉱夫)おい! こっちに通風口がある ついてこい
・~
・~
ンッ!
ンッ ンッ
白石… 白石!
息を吸え お前に死んでもらっちゃ困る
(せきこみ)
ハァ ハァ ハァ…
・~
・~
・~
(牛山)フン!
うん?
はんぺん… フン
まさか死ぬんじゃねえだろうな 不死身の杉元
あんたも やっぱり生きてたか
(炭鉱夫)手 貸してくれ! (炭鉱夫)おい 誰か出てくるぞ
(炭鉱夫)すげえ あの旦那 2人も助け出したぞ
・~
よう 嬢ちゃん また会ったな
チンポ先生…
はんぺん まだ持ってる
何で あんたが こんなとこに?
連れと夕張に来ていたが ふらっと いなくなってな
捜していたら お前らがトロッコに乗ってるのが見えたんだ
連れ?
しょうがねえ そいつら連れてこい
確か お前 鶴見中尉んとこの…
何で 牛山と?
ここにある死体は6人
偽物は 恐らく この6体の剥製を 利用して作られた
なんてこった 気色悪い
(尾形)剥製屋の坊やが 死んだことは確認した
だが 一緒にいた月島軍曹は 屈強な兵士だ
坑道から 月島の死体が出なければ→
偽物が出回ってしまうことを 想定しなければなるまい
偽物か本物か
この忘れ物が どちらなのか→
判別する方法を探さねばな
・~
(月島) 手前にあるのが偽物の5枚で→
奥にあるのが江渡貝に貸していた 本物の2枚です
芸術家の本懐は 作品を世に残すことだ
それが この世に大きな影響を 与えるものであれば この上ない
見事だ 江渡貝君
江渡貝は最後に 鶴見中尉に 伝えてほしいことがあると
何だ?
(江渡貝)最後に 伝えてほしいことがあります
鉄です 鶴見さんに鉄と伝えてください
鉄?
あの人なら それだけで分かるはずです
鉄?
江渡貝君は タンニンなめしに こだわっていた
私だけに話してくれた 彼のこだわり…
(江渡貝) ただし 水にぬれたときは 気を付けてください
あるものに触れると 変色してしまうんです
・~
水に にじみ出たタンニンが 鉄に反応するのか
江渡貝君が最後に伝えたのは 偽物の見分け方
彼の命と引き換えに手に入れた 偽物の刺青人皮5枚
決して無駄には使うまい
ご苦労だった
ゆっくり休め 月島
(月島)はい
・~
(雷鳴)
(ドアの開閉音)
(土方)偽物作りにつながる証拠を 消しに来たか
(浩平)杉元佐一~!
一度 寝返ったやつは 何度でも寝返るぜ
(インカラマッ)このままでは 命に関わることが起こるでしょう
(家永)思い当たる人物がいます
(鶴見)私には お前が必要だ
(谷垣)探していた俺の役目… 今が恩を返すときだ
俺は あの子が真実に たどりつくのを見届けてあげたい
・~
・~
・~
・~
・~
・~
Can't find what you're looking for?
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