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Original subtitles

<明治の開拓時代→

北海道にアイヌが隠した ばく大な金塊のうわさがあった>

(爆発音) (兵士)ウワッ

(杉元)俺は… 不死身の杉元だ!

<日露戦争の死闘を生き延びた 杉元佐一は北海道へ向かう>

とにかく 金が必要なんだ

<杉元は網走監獄を脱獄した 囚人の刺青を集めれば→

金塊の在りかが分かると知り→

アイヌの少女 アシリパと 脱獄囚の白石と共に→

刺青を集め始める>

寅次との約束を果たしたい

(アシリパ) なぜ アチャが殺されなければ ならなかったのか→

真相を突き止める

私たちで金塊を見つけるぞ ああ

<だが 刺青を集めているのは 杉元たちだけではなかった>

<脱獄囚の一人で元新撰組→

土方歳三を リーダーとする土方一派>

<新たな軍事政権をもくろむ 鶴見率いる第七師団>

<この2つの勢力も金塊を狙い 刺青を追って動きだす>

(白石)刺青は 全部で24人分あると聞いてる

<杉元たちが持っている刺青は→

新たに手に入れた 二瓶のものを加え4>

<土方一派が2>

<鶴見率いる第七師団が1>

<残るは17>

<これは アイヌが隠した ばく大な埋蔵金を巡り→

24枚の刺青を奪い合う 過酷な冒険の物語である>

・~

ほら リュウ ほら ほらほら

いいか? いいか リュウ

片っぽ靴下ちゃん ほらほら リュウ

このにおいだぞ おう そうそう そうそう…

よ~し 行くぞ

おっ? ヘヘッ

おっ おお… おっ こっちか

あっ おい ヘヘッ

まさか この靴下が 2万貫の金塊に化けるとは→

お釈迦様でも気付くめえ

おっ よいしょ

おお?

ハハハハ おお おお…

オオッ リュウ! かわい子ちゃんが… あっ

ハァ…

やっぱ 熊しか探してこなかった 猟犬には無理か?

オッ! おい おい…

ウワッ!

おっ どうした? おお おお…

(牛山)フン! フン!

フン!

フン!

よくやったぞ リュウ

(鳴き声)

杉元 見ろ マカヨだ

おお~

テレケイペもいるぞ ああ カエルか

もうすぐ春が来る

あれは春の風物詩じゃねえよな

(永倉)積丹の海岸で また死体が見つかった

殺されたのは やはり ニシン漁の出稼ぎ労働者だ

例の男の仕業だろう

辺見和雄か

日本各地を放浪しながら 100人以上を殺してきた殺人鬼だ

二瓶鉄造みたいなやつも やっかいだが→

辺見和雄は もはや行動が読めん

(リュウの鳴き声) アッ!

シーッ シーッ

(牛山)フン!

ウワッ! オーッ オーッ!

おい ちょっ… オッ オッ!

おお… おい…

フン! ウワーッ

ハッ! おお…

ハアッ! ウワッ… 痛ててて…

(関節を外す音)

フン! 痛っ… えっ?

ウオッ!

凶器は ひきょうだぜ 白石

ウッ… ウワッ

(土方)殺すな 牛山

(土方)よく ここが分かったな

白石 他に仲間はいるのか?

ハッ…

ああ 不死身の杉元という男がいる

不死身の杉元…

面白そうな異名だ

俺に何かあれば すぐに飛んでくるぜ

それで お前たちは 何枚 刺青を持っている?

俺が背負ってる1枚だけだ

小樽の漁港へ行け

漁港?

(土方)ニシン漁の 出稼ぎ労働者に紛れて→

辺見和雄がいるはずだ

俺たちに辺見の皮の お使いをさせようってか?

とりあえず 殺さねえって話だ

お前の刺青は写させてもらうがな

選択の余地はあるまい

お前は このまま 仲間と刺青を追いながら…

我々の密偵になれ

はい

(漁師たち)♪ヤーレン ソーランソーラン…

<当時 春先の小樽には→

大量のニシンが 産卵のために押し寄せた>

(漁師たち)♪ニシン来たとて カモメがさわぐ

♪銀のうろこで海光る

♪チョイヤンサ エンエンヤー アンサーノ ドッコイショ

♪アー ドッコイショ ドッコイショ

(労働者) おととい来た あのモッコ背負い→

誰とも しゃべらねえしよ 不気味な野郎なんだよ

それにな ちらっと見えたんだよ やつの胸元に

ありゃ モンモンだぜ

(辺見)ニシン漁で 日銭稼ぎに来る人なんて→

いろ~んなこと抱えてる人が ほとんどなんですから

あんまり うわさしちゃ かわいそうですよ

うん そうか?

ヤン衆といってな→

東北地方から季節労働者が ニシン漁のために雇われて→

日本海沿岸に集まるんだ

脱獄した囚人が潜伏するには もってこいなんだが→

最近 あちこちの漁場で ヤン衆が殺されてる

・~

(労働者)おい おい おい!

あんた こっち来て 一緒に飲まねえか?

(労働者)ここ 空いてっぞ

犯人は 辺見和雄という男で間違いない

(労働者)何だ つきあい悪いな

あいつは気持ち悪いんだよ 絶対 なっ?

間違いないと なぜ分かる?

死体の背中には 文字が刻まれていたのさ

杉元…

その文字って…

「眼」じゃないか?

今日 俺たちも山の中で見たんだ

それは辺見和雄の仕業だ

5枚目の刺青か

やつは小樽にいる

(労働者)ハァー

(辺見) うう~ 寒い寒い 寒い寒い寒い!

ハハッ まだまだ夜は冷えますね

いつも 一人ですよね

よかったら 僕らと一緒に飲みませんか?

(労働者)ほっといてくれ

(刺す音) (労働者)ウッ…

(刺す音) (労働者)アアッ

(辺見)ンッ ンッ…

(刺す音)

ウッ… ハァ ハァ…

何だ ただのやくざか

あなたは 僕が待ってた人じゃ なかったようです

(刺す音) (労働者)アアーッ!

クッ… アーッ

アッ…

・~

(文字を刻む音)

・~

(3人)海だ~!

(鳴き声)

辺見和雄は どんなやつなんだ?

ああ ごく普通の男だったよ

(辺見)シスター宮沢に 会いたい一心で…

白石さん いちずなんですね

礼儀正しくて 人当たりが良くて→

すぐに打ち解けたよ

だから→

看守から こっそり やつの正体を聞いたときは→

震えたね

あいつが100人以上を殺してる 殺人鬼だなんて

どうして そんなに殺したのかって一度 聞いたことがあんだよ

そしたら そんとき→

やつは きっかけみたいなものを 話してくれたんだ

きっかけ? ああ

やつが育った家の裏山には 竹林があってよ→

そこに大きなイノシシが 住み着いてたらしいんだが…

(辺見) そのイノシシが僕の弟を…

食っちゃったんです

ええ?

僕は 弟が泣き叫び 必死に抵抗しているのを→

ただ隠れて見てるだけでした

なすすべなく むごたらしく殺される

どれだけ痛くて怖かったか

絶望して 光を失っていく弟の目

あの目を思い出すと…

はあ~

ハッ! ああ…

誰でもいいから→

ぶっ殺したくなるんです

それで 眼という文字を?

さあな 辺見の頭の中なんて 理解したくもねえや

うう~ ちょっと便所 行ってくるわ

まあ 極悪人のほうが→

こっちとしても 気兼ねなく 皮をひんむける

杉元 無意味な人殺しは禁止だぞ

分かってるよ アシリパさん

辺見が 素直に 刺青を書き写させてくれる→

物分かりのいいやつだと いいけどな

白石のやつ どこまで行ってんだよ

あの様子はオソマだな

(漁師)誰か落ちたぞ! (漁師)大丈夫か!

どうした? (漁師)鯨が舟にぶつかった

鯨? (漁師)早く助けねえと

(漁師) 周りの舟じゃ間に合わねえよ!

助けに行く どうやって?

この時期の海でも 冷たくて動けなくなるぞ

あの小舟を使う 早く戻って温めれば死なずに済む

・~

やだ やだやだ!

きっと鯨は レプンカムイに 追いかけられたんだ

この時期は ニシンを食べに鯨が集まって→

鯨を食べに レプンカムイがやって来る

ウッ… こんな死に方 絶対…

つかまれ! 嫌だ~!

ウッ… 嫌だ 嫌だ~!

暴れるな!

アアッ アアッ

おい 大丈夫か? しっかりしろ!

こんな つまらない死に方…

嫌だ!

(辺見)ああ~ 暖かい

命拾いしました

上着を脱いで背中に火を当てろ

上着があると熱が伝わらない

言うとおりにしたほうがいいぞ

セトゥル セセッカといって→

背中をあぶると 体が温まるといわれている

肌着も脱いじまえよ

あの 何というか…

見られてる前で脱ぐのは 恥ずかしいです

へっ? 恥ずかしい…

毛布 使う?

(辺見)えっ! 優しいんですね

僕と同じにおいがする

それ ずっと洗ってなかったから 臭いだろ?

(辺見が嗅ぐ音)

人殺しのにおいだ

ん? 何のにおい?

・~

これは運命です!

僕は あなたを ず~っと待ってたのかもしれない

そんな大げさな たまたま通りがかっただけだよ

あなたのような兵隊さんが 何しに ここへ?

人捜しさ 変な刺青の男 見なかったか?

やくざのモンモンじゃない 漢字と線が交ざったような…

やっぱり… 運命だ~!

大丈夫か?

あ… あの おかげさまで すっかり あったまったんで→

番屋で着替えてきます

あの人のこと もっと知りたい

ああ あああ…

すご~く すてきな人

あの人なら 僕を 残酷に殺してくれるだろうか~

いや 違う… 違う違う!

僕は あくまで 必死に あらがわなきゃいけない

あのときの弟みたいに 必死にあらがって…

僕は殺されたいんだあ~

(労働者のせきこみ)

(労働者)あんた それ 随分 珍しい刺青 彫ってんだべな

(辺見) 昼間っから どうして ここに?

風邪 ひどくなっちまってな

やっぱり僕は あの人を殺そうと思う うん

だって あの人が僕の望む人なら→

僕なんかに殺されたりしないから

あんた… ハハ 何言ってんだ?

さっぱり分からねえ ヘヘヘ…

(ノック) ちょっと

(辺見)あ… 何でしょう?

ここって 宿代出せば俺たちでも泊まれる?

ああ 聞いてみますね

聞いてくれるって そうか

ンッ!

(辺見)親方が言うには→

ここで働けば 泊めてもらえるみたいですよ

モッコ背負いなんて どうですか?

ああ… はい

(辺見)ニシン場での仕事は 完全歩合制なんで→

モッコ背負いも 一往復いくらかで→

日当が決まります

おお… おっ

(アシリパ/杉元)重いな

(辺見) こちらを干して加工すると→

身欠きニシンと 呼ばれる物になります

日持ちしないニシンを→

内地へ流通するための 保存法ですね

ニシンの油を搾った粕で出来た 粕玉は→

乾燥させるために 細かく粉砕する必要があります

粕玉を切断するのに→

この玉切り包丁を使います

大きい包丁でしょう?

是非 お試しあれです

ああ…

これを切ればいいの?

(辺見)アハハハハッ

とっても お似合いです! フフフ

(切る音)

(辺見)はあ~

ああ…

はあ…

杉元 やっぱり白石と合流して→

もっと西の漁場へ移動しよう

ここには いないかもしれない そうだな

えっ? あ… あの あの!

食事だけでも どうですか? ええ…

命を救っていただいたお礼に 温かい白米でも

白米!?

(辺見)こちら 身欠きニシンに キャベツ 大根 ニンジンを→

米こうじで発酵させた ニシン漬けです

いただきます

・~

うん

やっぱりニシンは うまい

程よい酸味と こうじ漬け野菜の甘みが→

白米に合うな

こいつはヒンナだぜ

ヒンナ ヒンナ

どうした? アシリパさん

オソマ 行ってくる

んま~ 食事中に はしたない

うん

ところで 旅順には 出征なされたんですか?

ああ

どうでした?

どうって?

ああ 僕は事情があって 出征できなかったんで→

興味があるんです

人は殺しましたか?

そりゃ戦争だからな

何人殺したか覚えてますか?

顔だって忘れねえよ 近くで殺したやつはな

(辺見)ああ…

(辺見)忘れられないのは 罪悪感なんでしょうか?

せめて忘れないでいてやることが 俺の償いさ

俺には俺の 殺さなきゃいけない道理があった

必要ならば鬼になる覚悟だ

そのかわり 俺がくたばるときは→

安らかに死なせてもらおう なんてつもりは毛頭ない

はあ…

あっ…

しまった

どうした?

何だ これは…

杉元! 辺見というやつが 近くにいるかもしれないぞ…

何だよ 急に

邪魔の入らない所へ

いえいえ! 見せたいものがありまして

こっちが 粕だたき

こっちが こまざらい

どちらもニシン粕を細かく砕いて 乾燥させるための道具です

どちらが お好みですか?

ああ やっぱり この玉切り包丁?

いや だからさ 俺らはもう行くよ

ニシン漬け ごちそうさま

ええ~

(辺見)あれは第七師団?

見つかると まずいんですか?

ああ 見つかったら ただじゃ済まされねえ

僕のまいた餌に第七師団まで…

ああ ああ… あそこに かくまってもらいましょう

親方の豪邸です 早く早く

♪(ピアノソナタ第14番『月光』の演奏)

♪~

<明治末期 ニシン場の漁獲高は→

春の たった3か月間で→

現在の価格にして 25億円以上ともいわれる>

♪~

(拍手)

(親方)ハハハハハ… お上手ですな 鶴見さん

この家には弾ける人間がおらん

この洋琴も喜ぶ

(鶴見)私の家も 多少 裕福な時期がありましてね

栄枯盛衰は世の習い

豊漁凶漁 自然を相手にする商売は不安定でしょう

事実 東北から 年々 ニシンは不漁が続いている

俺はニシンのことしか知らん

ニシン漁が滅びれば→

俺も このニシン御殿と共に 朽ち果てるまでさ

ニシンの心は我々には読めないが 人の心は操れる

戦争なんて 意図的に起こすことができるものなんですよ

是非 我々の兵器工場建設に 投資してください

武器は好きだ

見てくれ!

軍から横流ししてもらった マキシム機関銃だ

ほう いいですな

勝手に入っていいのか?

緊急避難です

上へ行きましょう さあさあ

二人きりになれる場所へ

(篠森)おい 今の軍帽…

(園部)不死身の杉元じゃないか?

ああ 親方のお客様ですね?

探しましたよ

すぐ お茶を出しますんで どうぞ おくつろぎくださいませ

今 下りていったのは杉元だな?

あ~ 違いますよ

彼は ず~っと ここで働いてる漁師で…

どけ

ウッ… (篠森)ウッ!

(篠森)ンン… ングッ

ああ… きれい

(銃声)

(辺見)ウッ ウウ

・(物音)

ああ いってえ… どうした?

いいもの見れた~

撃たれたのか?

アア こ… 怖かったあ

すぐ手当てしよう

大丈夫か?

(辺見)アア…

しっかりしろ

不死身の杉元

鶴見中尉…

(機銃音)

(親方)泥棒カモメが 御殿まで入ってきたか

試し撃ちに ちょうどいいわ!

ハハハハ… ハーッハッハ!

ウオー! 俺は不死身だ~!

(辺見)《ホントにきれい》

弟の死にあらがう姿に 魅せられて→

同じものを何度も見たくて 僕は何人も殺してきました

(辺見)決して諦めない 命のきらめきを見てると…

弟を思い出すんです

僕は弟のようになりたかった

(機銃音) (親方)ガハハハハ… アアッ

殺すな やつは使える

辺見和雄は捕まえろ 殺してかまわん!

白石! 第七師団に見つかった!

えっ えっ? ん?

ちょっ 待て待て… おお そいつが辺見和雄だ!

おっ?

フッ…

ンッ!

ンッ…

アシリパさん

白石 逃げる準備を! はい!

(辺見)全力で あらがった末に→

絶望の泥の中で 弟みたいに殺されたい

ウワーッ ンッ!

ウオッ! あっ 久しぶり アアッ

ヤアーッ!

(辺見)アアッ ウッ!

アアッ アッ…

(辺見)アーッ! ンッ!

(辺見)ンンッ

ウッ ウッ ウッ…

「不死身の杉元」 さっき そう呼ばれてましたね

分かる気がします

あなたも きらめいて 死にたいからこそ戦うんだ!

僕も あなたのように なりたいんです

だから 殺してください!

全力で あらがいます

俺は絶対に まだ死ねない

(辺見)それですよ!

その思いが強いほど 強く激しく きらめくんです!

なら とことん 一緒に きらめこうか

なんて すてきな人

(銃声)

ンッ! あん…

ウラッ!

・~

ンッ!

(辺見)グッ…

(かみつく音) いってえ!

離せ! 離せ!

ウアッ ウッ ウウ…

杉元さん 僕のこと…

忘れないでいてくれますか?

ウッ… アア…

引っぺがしたお前の刺青を 広げる度に思い出すよ

アアッ アッ…

生きてて… よかった

ウッ… アッ…

(銃声)

ヤバい 逃げるぞ

(辺見)ああ 温かい

・~

弟みたいに殺されたいんです

はあ…

はあ~

おい バカ野郎! それどころじゃねえだろ

グッ! ああ ああ…

杉元さん 杉元さん…

杉元さ~ん!

す~ぎ~も~と~さ~ん!

ウッ!

あっ… おい 辺見!

ンッ!

・~

ウワッ… あっ!

ええ~っ!

(辺見)あわわわ…

何だ これ~

ウッ… ウウ…

(辺見)こ~んな死に方…

最高だ~!

・~

ンッ ハァ ハァ…

ハァハァ ハァハァ…

杉元 乗れ!

早く… 早くしろ!

このまま 第七師団をまくぞ!

(鶴見)もういい 追いつけん

(月島)一緒にいたのは 恐らく 白石由竹です

ああ それにアイヌもだ

辺見和雄を連れていきました よろしいのですか?

かまわん

ニシンに群がる鯨たち

その鯨を待ち構え まんまと ありつくシャチたち

その頂点に立つシャチを 食いたければ→

シャチになって戦うか

あるいは 殺し合って→

底に沈んできたシャチの 死骸を食う→

気色の悪い生き物になるか

愉快な仲間たちがおるじゃないか 白石

フゥ…

大丈夫か?

ハァ… ここまで来りゃ大丈夫だろう

それに高級食材を手に入れたぜ!

ハハハハハッ

昆布にニシンの卵が びっしり付いてらあ

子持ち昆布だ

おう アシリパちゃん 食べてみるかい?

要らない 白米食べたし

ええっ 何だよ それ ズルいぞ

袖に付いてる乾いたお米 食べるか?

えっ? あっ あっ…

なあ 杉元 飯にしようぜ

俺は腹ぺこだよ

5枚目の刺青を頂いたらな

お前のきらめき 忘れないぜ

あいつが いちばん おっかねえや

(切る音)

(親方)ああ そこだそこだ ああ そこだ

アア 痛たたた…

こいつが飛んできたんですよ

私が見ていたので 間違いありません

どこから飛んでくるというのだ

人生 何が起こるか分かりませんな

是非 我々に投資を 小口でもかまいません

その前に家の建て直しだ

死人が出ては 女房も娘も 気味悪がって住めんだろ

ンン…

(月島)鶴見中尉殿

尾形百之助上等兵が 病院から消えました

それと 二階堂浩平一等卒の姿が 数日前から見えません

ネズミどもが動きだしたか

(少年)シタッは 火のたきつけになるから→

町へ たくさん 持っていけば売れるんだ

(谷垣)ハァ…

(少年)谷垣ニシパ 足は大丈夫か?無理するなよ

大丈夫だ 無駄飯ばかり食ってられん

よし

(浩平)間違いありません

アイヌの子を連れていますが 谷垣です

・~

何とか まあ 寝床にたどりつけて 運が良かったな

ああ 海岸で野宿なんて 凍死すっだろ

酒も手に入ったし 極楽だぜ

(老人) あんたら ヤン衆には見えないね

えっ? まあ…

(老人)あっ めんこい子じゃなあ

わしの孫と年も同じぐらいじゃ

眠いと機嫌が悪いですよ

ああ きれいな瞳の色じゃ

よく見ると 青の中に緑が散っておる

ロシア人の血が 混じっておるのかな

えっ! どうした?

えっ? いや… いや

同じ目をした知り合いがいる

この子の名前は?

アシリパ

和名は?

和名?

戸籍の上での名前があるはずだ

さあ 聞いたことないな

そうか

その顔の傷 梅戸にも 同じような傷があった

梅戸? あんたの友達かい?

だが その内に秘めた凶暴さは…

鍬次郎かな

・~

じゃあ 失礼するよ

アシリパちゃん…

元気でな

(土方)ウッ アア…

変なじいさんだったな

ああ ボケてんじゃねえか ありゃ ヘヘヘ…

アシリパさん こんなとこで寝たら風邪ひくよ

うるさい

・~

ハハッ

(キロランケ)俺は第七師団だ

造反者は 他に誰がいる!

(キロランケ)こんなまねができるのは 彼しかいない

(尾形)谷垣狩りだぜ (谷垣)もはや やつらは→

第七師団でも何でもない 単なる俺の敵だ

(キロランケ)網走監獄で起きたこと 俺は知っている

つくづく惜しい男だ

(土方)捜している娘がいる

のっぺら坊は何者なんだ?

まさか…

・~

・~

・~

・~

・~

・~

・~

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