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Zulu
♬〜
〈この日本のどこかに
ヤンキーが異常発生する地域が存在する〉
〈この日本のどこかに
ヤンキーが異常発生する地域が存在する〉
〈その名も 危多漢闘〉
(ヤンキーたちの怒号)
♬〜
〈血で血を洗うヤンキーの巣窟〉
〈血で血を洗うヤンキーの巣窟〉
〈そこに 一人の男がいた〉
うわっ…!
♬〜
(伊集院 翔)こいや。
待て!
逃げんじゃねえぞ!
♬〜
うわっ! 待て…!
〈彼の名は 伊集院翔〉
〈危多漢闘最強のチーム
グランドクロスの頂点に立つ→
伝説の頭〉
うわっ…!
おい! いけ!
大丈夫かー?
お前 ぶっ殺すぞ! おい 待て! オラ!
(藤谷 彩)
てめえら! 全員 ぶっ潰してやんよ!
(観客の歓声)
〈一方 同じ危多漢闘で
じわじわと人気を上げるアイドルユニット→
〈一方 同じ危多漢闘で
じわじわと人気を上げるアイドルユニット→
古くさい街角のスケ番ズ
通称 街スケ〉
♬〜
♬〜「惚れたら惚れた夜露○苦」
♬〜「わかりやすくかかってこい」
♬〜「一生守ってやるとか」
♬〜「ふざけたセリフを言ってみろ」
〈その中で 一番人気を誇るエース
藤谷彩〉
〈その中で 一番人気を誇るエース
藤谷彩〉
触んじゃねえよ! このシャバ僧が!
調子のんなよ てめえ!
(観客の歓声)
(殴る音)
うっ…!
ふう…。 フッ…。
〈これは 伝説の頭とアイドル→
2人の数奇な運命の物語〉
2人の数奇な運命の物語〉
〈…ではない〉
〈この物語の主人公は…〉
(鮫洲深雄)おい!
(殴る音)
(鮫洲)オラッ!
オラァ!
(山田達人)あっ…。
〈山田達人 17歳〉
〈古くさい街角のスケ番ズ 舎弟番号312〉
〈見てのとおり ただ今 お取り込み中〉
(鮫洲)いい身分だなあ 山田よ。
学校には来ねえくせに
昼間っからオタク活動か? コラ!
学校には来ねえくせに
昼間っからオタク活動か? コラ!
(蹴る音)
あっ!
〈そう… 僕は もう 1年近く不登校だ〉
〈中学の頃からいじめられ→
高校でも
不良グループに目をつけられて…〉
〈まさに 最低最悪な人生を爆進中〉
〈おまけに
両親は 僕に全く興味がなく→
それぞれ 海外に単身赴任中〉
それぞれ 海外に単身赴任中〉
(鮫洲)よいしょー!
ああっ…!
〈おかげで 孤独すぎてメンタルも崩壊中〉
〈そんな僕の心の支えは…〉
ああ…。
〈街スケ〉
(鮫洲の声)何 ニヤついてんだよ!
オラ!
あっ… はあ…。
(鮫洲)覚えとけ。
この世に 男は2種類しかいねえんだ。
人の上に立つ男と→
人の下で這いつくばる男。
ああ…! うっ…。
(鮫洲)お前は こうやって→
人の足の下で踏みにじられるために
生まれてきたんだよ!
ハハハハ…!
バカ野郎! この野郎!
この野郎…。 おい 行くぞ。
この野郎…。 おい 行くぞ。
ああっ… はあ はあ…。
だて眼鏡をかけることで
顔面への攻撃は最小限。
無抵抗に財布を渡すことで
金銭的被害は 見せ金 数千円だけ。
ライブチケットも死守。
つまり 実質 僕の勝ち!
つまり 実質 僕の勝ち!
はあ はあ…。
あっ! はあ…。
結局 ヤンキーなんて脳筋なんだよな。
何が「人の上に立つ男」だよ。
バカじゃねえの?
お前らなんて 社会に出たら→
落ちこぼれの底辺確定だっての。 バカ!
バーカ! バカ! バカ!
バカ! バカ! バカ! バカ! バーカ!
バーカ! バカ! バカ!
バカ! バカ! バカ! バカ! バーカ!
バカ!
はあ…。
それ このままだと 僕もじゃん…。
あっ!
お前ら 走れ!
(観客の歓声)
跳べ!
(観客の歓声)
ドブ野郎が!
(観客の歓声)
ドブ野郎が!
(観客の歓声)
ああああぁぁぁ…!!
〈正直 ぼんやりとした不安は
ずっと感じていた〉
〈このままじゃ
絶対 ろくな人生 歩めないって〉
〈あいつが言ってたとおり→
僕は 一生
人に踏みつけられて生きていくのかな…〉
そうだ… そうだよ。
〈この瞬間 ひらめいたんだ〉
〈ぼんやりとした不安も→
〈ぼんやりとした不安も→
人に踏みにじられる生き方も
解決する方法〉
9月6日→
彩姐の誕生日に…。
全て 終わらせる。
〈そう…〉
〈僕は 彼女の誕生日の生誕ライブを
見届けたあとに死のう〉
〈ものすごく前向きに→
この惨めでつまんない人生を
終わらせるんだ〉
この惨めでつまんない人生を
終わらせるんだ〉
♬〜
お兄ちゃん。 これ 忘れてるよ!
あっ!
(バイクの走行音)
彩姐…!
(バイクの走行音)
(急ブレーキ音)
大丈夫!?
(衝撃音)
よかった 無事で…。
お兄ちゃん あれ…。
お兄ちゃん あれ…。
ええーーーーっ!?
この人 頭から血が出てる。
ち ち… 血!?
死んでる? 嘘でしょ!? これ 僕のせい?
いやいや いやいや… えっ?
警察? け… 警察に捕まっちゃう?
警察? け… 警察に捕まっちゃう?
ニュースになって ネットでたたかれて→
最終的には 死刑…!?
せっかく死ぬって決めたのに!
バカ! 落ち着け! とりあえず救急車!
はい。 はい…。
ああ…。
どこにも連絡すんな…。
いやいや… でも…。
痛え…。
いいから 病院 連れていけよ。
ええ…?
(大門伝助)翔さん!
大丈夫っすか…?
大丈夫じゃねえわ。
しばらく動けねえよ。
マジっすか…。
マジっすか…。
はあ… やべえっすよ…。
これが
他のチームに知られちまったら…。
(2人のため息)
あの…。
ああ? 誰だ? てめえ。
あっ… 通りすがりの 赤の他人です。
はあ?
山田達人くんだと。
つか そいつが飛び出してきたから
コケちまってさ。
つか そいつが飛び出してきたから
コケちまってさ。
てめえ コラ!
おい!
ああ…。
この方が誰か わかってんのかよ?
グランドクロスの伝説の頭
伊集院翔さんだぞ てめえ!
伝説? あの人が?
(大門)この世に未練はねえよな? ああ!?
ありまくりです! 勘弁してください!
治療費とか そういうのも無理ですから。
親が今 2人とも海外にいて
今 1人だし…。
(大門)だったら!
てめえの命で償うしかねえよな?
(大門)だったら!
てめえの命で償うしかねえよな?
あっ あっ あっ… あっ あっ…!
ううっ…!
やめとけ 大門。
そいつには 折り入って相談があっからよ。
で 早速だけど→
その眼鏡 取れよ。
えっ?
バイクでコケる瞬間→
なんでか
お前の顔 じっくり見えたんだわ。
妙に ゆっくり はっきりとさ。
妙に ゆっくり はっきりとさ。
いや 意味わかんないんですけど…。
グチャグチャ言ってねえで
さっさと眼鏡取れや コラ!
ああ…。
ああ?
翔さん こいつ…。
お前もわかった?
来いよ。
ああ… あっ!
うーん…。
いや… そっくりっつうか まんまっすよ!
だろ?
んじゃ 大門
お前 すぐ ブリーチ買ってこい。
ブリーチって… えっ? まさか…。
おう。
俺の代わり やってくれ。
はあ!?
(大門)いくらなんでも むちゃっすよ それは。
顔が同じだからって
こんな うすら弱そうな野郎に→
翔さんの代わり
務まるわけないじゃないっすか!
そうです! うすら弱そうじゃなくて
ガチで弱いんです 僕。
いじめられっ子だし
今も ずっと不登校だし…。
おお… 一人暮らしで
学校にも行ってねえんだ。
じゃあ ますます好都合じゃん。
よろしくな 達人。
いや 無理無理 無理無理…。
大丈夫だって。
無理無理 無理無理…。
そう言わず 気楽にさ…。
いや もう 無理無理 無理無理…!
てめえ 殺すぞ。
完璧だな… 見た目だけはよ。
あっ…!
《無理だって あんなに言ったのに…!》
この界隈じゃ
翔さんは 顔も名前も売れてっから→
歩くだけで 挨拶やら「舎弟にしてくれ」やら
いろいろ寄ってくる。
適当に「おう」とか「よろしくな」とか
言っときゃいいからよ。
はあ…。
「はあ」じゃねえよ。
「おう」だよ 「おう」!
おう…。
もし バレたら 速攻でぶち殺す。
返事は?
よろしくな…。
《全然よろしくないです…》
翔さん! お疲れっす!
お疲れっす!
おう…。
♬〜
えっ?
えっ?
《何? まさか バレた?
死ぬ? 殺される?》
ご挨拶遅れました!
ブラッディ・ナックルの松田っす!
よろしくお願いします!
おう…。
《声でっか! 顔こっわ!》
三代目キラーGの跡目継いだ
竹本っすぁ!
お会いできて 超光栄っすぁ!
おう…。
《「すぁ」って何? 君 どこの人?》
(梅屋敷)翔すぁーん!
《君に至っては何星人!?》
よろしくな…。
うおおぉぉぉ!
翔さんが… 翔さんが俺なんかに
「よろしく」って…。
俺 俺… 俺は…。
ただの挨拶です。 翔さん 行きますよ。
おう…。
《ずっと暮らしてきた町なのに…》
《ずっと暮らしてきた町なのに…》
《いじめられっ子からヤンキーになっただけで
何? この異世界》
あの… 翔さん!
《また来た…》
ヘヘッ… っす。
(達人の声)鮫洲!?
えっ?
翔さん 俺のこと 知ってくれてんすか?
感激っす!
俺 ずっと 翔さんに憧れてて!
《何? こいつ…
僕のこと 気づかないわけ?》
《いつも偉そうなくせに
ヘコヘコしやがって…》
《あっ 仕返しにカツアゲしちゃおっかな?
それから裸踊りさせて…》
《あっ 仕返しにカツアゲしちゃおっかな?
それから裸踊りさせて…》
(鮫洲)マジでしびれました!
俺 翔さんの舎弟になれるんだったら
マジ なんだってしますんで!
なんだってする?
(鮫洲)はい!
じゃあ…。
翔さんは忙しいんだ。
また今度な。
《読まれてる!》
《「立場を利用して余計なことしやがったら
タダじゃおかねえ」って顔に書いてある!》
《「立場を利用して余計なことしやがったら
タダじゃおかねえ」って顔に書いてある!》
(大門)ここが俺らの溜まり場だ。
(大門)まだ 誰も来てねえな。
あの グランドクロスの他の人たちにも
このことは…。
翔さんに口止めされてっからよ。
(ため息)
あっ…。
送っといたメンバーの名前と顔
頭に入ってんな?
はい。
あっ でも 念のため もう一回…。
(小川銀一)失礼します。
(小川)グランドクロスの翔さんに
ご挨拶を。
(大門)見ねえ顔だな。
(小川)ええ まあ…。
翔さんがバイクで事故ったって噂 聞いて
いても立ってもいられなくて。
翔さんがバイクで事故ったって噂 聞いて
いても立ってもいられなくて。
じゃあ お近づきの印に…。
翔! 死ね!
(蹴る音)
(小川)うっ…!
てめえら!
翔さんのタマ 狙ってきやがったな!?
(黒田剛志)うちに殴り込みとは
いい度胸じゃねえか。
(桜井亮太)うああああぁぁぁ!!
♬〜
(塚尾貞治)オラァ! オラッ!
(亀井礼音)オラァ!
(小見田信造)オラッ!
この野郎…!
(小見田)オラッ!
オラッ! オラッ!
(黒田)効かねえよ!
オラァ!
うわあ…!
(大門)オラァッ!
♬〜
翔さんが事故って怪我でもしたとか
期待してたんか? コラァ!
(丸川 敦)おい!
悪いけど 翔さんはピンピンしてんだよ!
このタコが!
こいよ! タイマン張れや! 翔!
こいよ! タイマン張れや! 翔!
たいまん…?
(つばをのみ込む音)
♬〜
てめえ…!
三下が翔さんに挑もうなんて
100年早えんだよ。
(黒田)翔さん こいつら どうします?
(黒田)翔さん こいつら どうします?
海に沈めるか 山に埋めるか。
えっ…?
バカか! その辺に捨ててこい。
(塚尾)でも こいつら
翔さんに牙むいてきやがったからよ。
(亀井)
タダで帰すわけにはいかねえよな? なあ?
(小見田)
翔さん! けじめのつけ方 お願いします。
♬〜
みんな…。
みんな…。
落ち着こう。
♬〜
暴力反対ぃ!
(鼓動)
(一同の笑い声)
(桜井)えっ? 翔さん…。
いやいや 暴力反対って…。
(丸川)ギャグセン 高〜!
おう… よろしく…。
《し… 心臓に悪すぎる…》
(大門)初日は なんとか乗り切ったな。
こんなの続けてたら
身が持ちませんって…。
いつバレるかヒヤヒヤだし
いきなり襲われちゃうし…。
いつバレるかヒヤヒヤだし
いきなり襲われちゃうし…。
泣き言 吐いてんじゃねえよ!
はあ…
まだ 要注意人物 残ってるしよ…。
要注意人物?
一人は 紅子さん。
(達人の声)翔さんのおばあさんですよね。
確か 元レディースで
スナック喫茶を経営してるっていう…。
(大門の声)そう。
入院やらの手続きで
さすがに秘密にしておけねえから→
翔さんが 話 通したんだが→
「早く そっくりさんに会いたーい!」って
はしゃぎまくってるらしい…。
「早く そっくりさんに会いたーい!」って
はしゃぎまくってるらしい…。
なぜ はしゃぐ?
あと もう一人は
翔さんの彼女の直子さん。
紅子さんが立ち上げたレディース
紅の現総長。
総長!?
(大門の声)美人な上に
男もたたきのめすぐらい強くてよ…。
(綾小路直子)てめえ 二股かけて
うちの後輩 泣かせたらしいな?
死んどけ コラァ!!
(大門の声)
筋の通らねえことが大っ嫌いだから→
お前が偽者だって知ったら
確実に殺されるな。
お前が偽者だって知ったら
確実に殺されるな。
だったら
彼女さんにも話しちゃったほうが…。
翔さんが秘密にしとけっつうんだから
仕方ねえべ!
おう お前の部屋 ちょっと見せろや。
いやいや… なんでですか?
お前…。
ああっ…。
古くさい街角のスケ番ズのオタクだろ?
翔さんに化けてる間は オタク活動自粛だ。
人質のために アイドルグッズ全部
没収させてもらうからよ。
いや ちょちょ ちょちょ… ちょっと!
勘弁してください!
いや ちょちょ ちょちょ… ちょっと!
勘弁してください!
すげえな しかし…。
グッズは全部
保存用 観賞用 ライブ持参用→
それに… 持ち歩き用。
で 僕の場合は
いざという時用も買ってます。
これぐらいしないと
真の推し活とは言えませんからね。
おう…。
街スケって 今 上り調子なんですよ。
ネット番組とかの露出も
増え始めてるし…。
ネット番組とかの露出も
増え始めてるし…。
公式で 僕らファンのことを
「舎弟」って呼ぶんですけど→
ここが 僕ら舎弟の正念場なんです!
ですから…。
没収は 断固拒否します!!
わかった わかった!
ただし 翔さんに化けてる時は
オタク感 出すなよな。
もし バレたら マジ許さねえぞ。
はい…。
んっ?
んっ?
えっ? えっ? えっ? えっ?
あれ? 街スケ 興味あるんですか?
はあ? んなわけねえだろ お前…。
危ねっ…!
また明日な!
あっ…。
(大門)キョーコ先輩…。
舎弟として 俺は まだまだ未熟もんだ。
舎弟として 俺は まだまだ未熟もんだ。
うーん…。
(ため息)
何やってんだ 僕は…。
《僕が伝説の頭に成りすますなんて
バカみたいだ》
《僕が伝説の頭に成りすますなんて
バカみたいだ》
《僕は ヤンキーなんか大っ嫌いだし→
ヤンキーに踏みにじられてる自分のことは
もっと大嫌いなのに…》
《そうだよ
僕が翔さんの代わりを引き受けたのだって→
9月には死ぬって決めてるからだ》
(ため息)
♬〜
♬〜
「アテンド詐欺」?
(小川)街スケの子と会えるんだよ。
だって 相手は現役のアイドルでしょ?
お前ら
グランドクロスの翔さんって知ってる?
まあ この町にいれば 名前くらいは…。
実はな この話→
その翔さんがアテンダーやってんだわ。
じゃ… じゃあ 行く?
じゃ… じゃあ 行く?
さすが翔さんって感じ。
ᗒいらっしゃ〜い。
私 マチダスケコ。
(一同)略して マチスケ。
(2人)はあ?
帰ろう… 帰ろう。
うち 入場料で
お一人5万円ってルールだから。
そこんとこ…。
(一同)よろしこ〜!
よろしこ〜。
よろしこ〜。
(辻沢京子)…と こういう被害が出てまして→
こちらとしては 非常に迷惑してるんです。
(京子)あの…。
あっ… えっ? ああ えっと…。
ちょっと ちょっと 翔さん。
ん?
相手がアイドルだからって
緊張しすぎですよ。
いや… えー…。
確かに 実物は超かわいいっすけど。
(丸川)何言ってんだ お前は。
どうも。 いや そんなことより…。
つまり 街スケの名前を利用した
詐欺が起きてて→
つまり 街スケの名前を利用した
詐欺が起きてて→
それをやってる奴らが
翔さんの名前を騙ってると?
まあ そちらが騙りかどうかは
私には判断つきかねますが…。
いや キョーコ先輩… あっ…。
(黒田)えっ?
(大門)ああ?
(桜井)先輩?
…じゃなくて!
そりゃ 誤解っすよ。
翔さんも グランドクロスも
んな こすい真似 絶対しねえんで。
(伊集院紅子)じゃあ 翔の偽者がいるわけだ。
(紅子)あっちにも こっちにも
偽者が湧いて 大変じゃんねえ。
あっちにも こっちにも?
ちょっ… 紅子さん。
あっちにも こっちにも?
ちょっ… 紅子さん。
まあまあ せっかく来てくれたんだから
うちの特別料理でも食べていきなよ。
おお…!
(紅子)可奈子〜!
(霞 可奈子)はい。
これ 全部 先輩リクエストっす。
さすが 元見習いコック。
でも 先輩じゃなく ママね。
さーせん!
(紅子)ほら 食いな!
大豆ミートで作った
なんちゃって唐揚げに→
豚肉じゃなくて お麩の偽角煮。
豚肉じゃなくて お麩の偽角煮。
デザートは
キュウリにハチミツかけた 嘘メロン。
いわゆる もどき料理で〜す!
もどき料理って…。
うまそうっちゃ うまそうっすけど
でも なんで?
なんでだっけ?
わかる? 翔。
《悪ノリしてる この人!》
あの… もし 誤解だとおっしゃるなら→
この件について
そちらで対処していただけませんか?
はあ…?
街スケのスケ番キャラは
あくまでコンセプトなんです。
街スケのスケ番キャラは
あくまでコンセプトなんです。
ドタマかち割んぞ コラァ!
(外町小百合)吐いたつば のまんとけよ!
(難波史帆)耳の穴から 指 突っ込んで
奥歯ガタガタ言わせたろか!
このシャバ僧が!
ᗕはい カット! オッケー!
(京子の声)普通の女の子が→
昔懐かしいスケ番を演じてることが
売りですから。
メンバー兼マネジャーの私としては→
たちの悪いヤンキーのせいで
街スケのイメージが悪くなると困るんです。
(丸川)えっ? おい…。
(丸川)えっ? おい…。
翔さん…。
鮫洲!?
(一同)おお…。
(丸川)どうした どうした どうした?
金山にやられました。
(鮫洲)はあ?
翔さんがアテンドして 女紹介?
ふざけんじゃねえよ! てめえ この野郎!
翔さんが
そんな こすいシノギ するわけねえだろ!
お前 翔の舎弟かよ?
ああ そうだよ! だったら なんだよ?
(金山大房)じゃあ ここで死んどけや。
うおっ…!
ううっ…! があっ…!
(鮫洲)ああっ…!
(殴る音)
(金山)もうちょっと
評判落とすつもりだったけど 面倒くせえ。
近いうちに
金山様が てめえをぶっ殺すって→
翔に伝えとけや コラァ!
(鮫洲)あいつ 翔さんのこと 狙ってます…。
金山だあ?
ええ。 鑑別所入ったって噂でしたけど
戻ってきたんすよ。
あの野郎 翔さんの名前 騙って
悪さしやがってよ!
金山って
そんなにやばい奴なんですか?
(大門)傘下に入ってた族の 元総長でな。
(大門)傘下に入ってた族の 元総長でな。
翔さんの名前 バックに使って
卑劣な悪さばっかしやがるから→
「極悪卑怯王」と呼ばれてた クソ野郎だよ。
何? そのクソな異名。
まあ 結局 ボコって破門にしたんだけどな…。
二度と グランドクロス名乗るんじゃねえぞ。
(金山)気に食わねえんだよ!
(金山)気に食わねえんだよ!
力で てっぺん取りゃあ
金も女も好き放題なのに→
お行儀のいい てめえがよお!
ああーっ!
うっ…!
(荒い息遣い)
うわあーーっ!
(ナイフの落ちる音)
金山…。
あっ…!
金山…。
あっ…!
男のタイマンは→
ステゴロじゃなきゃ 男が下がるぜ。
あっ…!
認めねえ…! 俺は認めねえぞ 伊集院翔!
いつか必ず
てめえの居場所を奪い取ってやっかんな!
ううっ… うわああーーーっ!!
ううっ… うわああーーーっ!!
この間 溜まり場で襲ってきた連中いただろ?
(大門の声)あれも 金山に
無理やり やらされてたらしくてよ。
相変わらず やり方が汚えな 金山の野郎は。
…で 僕は どうすれば?
とにかく 会わねえようにしろ。
会ったら終わりだ。
ええっ…。
でも 野郎は
翔さんを名指しで狙ってんすよ。
俺や他のメンバーで
シメることもできますけど それじゃあ…。
俺や他のメンバーで
シメることもできますけど それじゃあ…。
だから…→
会っちまったら タイマンだろ。
腹くくっとけ 達人。
いやいやいや 無理でしょ。
逃げますよ 普通に。
そりゃあ駄目だ。
グランドクロスの看板に泥塗っちまう。
いや 負けて死んだら同じじゃないですか。
心配するな。
喧嘩の極意ってやつを教えるから。
なんですか? それ。
気合。
気合。
はあ?
相手が殴ってきたら 気合でよけろ。
殴られたら 気合で耐えろ。
そんで 気合で反撃すりゃ 勝てるからよ。
ふざけないでください!
大体 僕には 気合なんかありませんって!
んなことねえって。
お前 バイク事故の時→
ガキ助けるために飛び出してきたじゃねえか。
あれが気合だよ。
それ 誤解ですって!
僕が飛び出したのは
彩姐のグッズを守るためで…。
僕が飛び出したのは
彩姐のグッズを守るためで…。
えっ?
僕は街スケのファンで だから…。
まあまあ まあまあ…
それでもいいんじゃね?
気合には違いねえんだから。 なあ?
まあ… はい。
いいの? 本当に それでいいの?
お前 しばらく 翔さんの家で寝起きしろ。
金山が お前の家 突き止めたりしたら
偽者だってバレちまうからよ。
そんな…。
何が 会っちまったらタイマンだよ。
むちゃ言うなって…。
何 ビクついてんの。
あっ いや…。
いざっていう時は逃げちゃいな。
あんたの気合は→
あんたが
本当に逃げちゃいけない時のために→
とっときなよ。
はあ…。
はあ…。
(ドアの開く音)
(紅子)あら! 直子ちゃん 久しぶり!
《この人が 翔さんの彼女…》
翔 てめえ しばらく会えないとか
連絡よこしたっきり→
のんびりお茶とか なめてんの?
まさか 他に女でもできたのかよ。 ああ!?
いや… そういう…。
何 ボソボソ言ってんだよ コラァ!
いや… そういう…。
何 ボソボソ言ってんだよ コラァ!
紅子さん ちょっと こいつとナシつけるんで
奥 借りていいっすか?
(紅子)いいよ〜。 ごゆっくり!
おい! さっさと来いよ 翔!
♬〜
バカ… 翔。
バカ… 翔。
ひどいじゃんか。
会えなくて 寂しかったんだからね 私。
《この人 デレる人だ…》
♬〜
ねえ ごめんなさいの代わりに
頭ポンポンして。
ああ…。
ヘヘヘヘ…。
《超かわいい!
ギャップも含めて かわよすぎる!》
ねえ 翔。
ああ?
今日は いいよね?
特別だし。
《どうしよう どうしよう どうしよう》
《やっちゃおうかな
人生初キス やっちゃおうかな》
《いや でも 僕には彩ちゃんが…》
《でも… でも 今の僕は伊集院翔だから
本気のキスじゃないし→
山田達人的には 彩ちゃん一筋なんだから→
今回だけはいいよね? いいよね…》
《彩ちゃん ごめん!》
(携帯電話の振動音)
《えっ? えっ? どういうこと?
なんで翔さん?》
《どっかから見てる? 嘘 嘘 嘘 嘘…
やばい やばい やばい やばい やばい!》
《どっかから見てる? 嘘 嘘 嘘 嘘…
やばい やばい やばい やばい やばい!》
ちょっと!
すいません! 僕 何もしてません!
本当です。 ごめんなさい!
「おい なんだよ いきなり。 今 一人か?」
はい。 お宅に 今は一人ですけど。
「じゃあ 今すぐ そこから離れろ」
金山が そっちに向かってる。
か… 金山が?
3丁目の辺りまで逃げて 身を隠せ。
もし ばったり金山に会っちまった時のために
アドバイスもしとく。
もし タイマンになったら…。
もし タイマンになったら…。
なったら?
時間が来るまで耐えろ。
どっかのタイミングで
必ずチャンスが来るから。
その時が来たら
金山の腹を狙え。
腹だぞ 腹。
腹…?
健闘を祈る。
ああ〜 もう…。
やばい… やばい やばい やばい
やばい やばい やばい!
やばい… やばい やばい やばい
やばい やばい やばい!
やばい やばい やばい やばい やばい!
ᗒうわああーーーっ!
わあっ!
えっ…。
よう! やっと会えたな 翔!
えっ まさか 金山? なんで なんで…?
ここにいりゃ お前が来るって聞いて
待ってたら マジだったとはな。
場所 変えんぞ。
てめえはタイマンで
公開処刑にしてやっからよ。
てめえはタイマンで
公開処刑にしてやっからよ。
やばっ…。
《無理… 絶対無理… 逃げなきゃ…》
《相手1人だし
あそこ曲がったら突き飛ばして→
とにかく全力で逃げれば…》
《えっ? えっ? えっ?》
♬〜
♬〜
(金山)バーカ!
タイマンなんざ するわけねえだろ。
ここが てめえの死に場所だ→
伊集院翔!
《マジで卑怯だよ! 本当に この人…》
《卑怯王だよ!》
(小川)オラッ!
立て オラ!
(小川)おい しっかり押さえとけ!
相手はグランドクロスの翔だ!
ここでやんなきゃ 俺らに明日はねえぞ!
ここでやんなきゃ 俺らに明日はねえぞ!
(一同)うおーっ!
(ヤンキーたちの怒号)
(金山)おうおう こいつらも必死だよな!
まあ ここで逃げたら→
あとで 俺にやられっから 仕方ねえよな!
ハハハ…!
(ヤンキーたちの怒号)
ああっ…!
なんでだよ? ああ?
なんで 手ぇ出してこねえんだよ あんた!
なんで 手ぇ出してこねえんだよ あんた!
♬〜
まさか…。
俺らが金山に脅されてるって知って?
おい! 何 手ぇ止めてんだ? てめえ。
この間 グランドクロスにやられた恨み
あんだろうが。
いや… でも…。
使えねえな。 まあ いいや。
こんだけボロボロになりゃ 勝負は決まり。
あとは 俺が とどめ刺してやっからよ。
(殴る音)
ああっ…!
男の喧嘩はステゴロだとか
ほざいてたよな?
男の喧嘩はステゴロだとか
ほざいてたよな?
お望みどおり
素手でグッチャグチャにしてやるよ!
(蹴る音)
大門!
翔さんが 例の金山と かち合ったって…。
ああ。 今 そこでタイマンやってるはずだ。
行くぞ。
(黒田)翔さん!
これはタイマンだよ! なあ?
これはタイマンだよ! なあ?
ᗕ(ヤンキーたち)はい!
(丸川)おい なんで あんな一方的に…?
フラフラで手も足も出ねえのか? 翔!
おい… これって…。
なんで あんなボコボコになってんすか?
てめえら どういうことだよ? こりゃあ。
《駄目だ もう…》
《本当の僕は
不登校で ヤンキーに踏みにじられて…》
《弱くて ダサくて つまんない人生を
さっさと終わらせようとしか思えない→
卑怯で駄目な奴で…》
《ああ ほら もう 走馬灯 見えてきた…
彩姐…》
ううっ…!
《いや 消えて! あんた いらないから》
てめえ 殺すぞ。
《いや だから いらないって!
彩姐 出せよ 彩姐を!》
《いや だから いらないって!
彩姐 出せよ 彩姐を!》
オラッ!
(車のブレーキ音)
♬〜
《彩姐…》
《これ 走馬灯じゃない!》
翔 てめえの伝説も命も→
翔 てめえの伝説も命も→
今日 ここで終わりだ。
(うめき声)
あっ 確か この間 会いに行った…。
行こう。
(金山)何やってんだ てめえ コラ!
逃げらんねえぞ!
《嫌だ… まだ死ねない…》
《僕は 彩姐の生誕祭までは→
絶対に生き残らなきゃいけないんだ!》
絶対に生き残らなきゃいけないんだ!》
いつまでも粘ってんじゃねえ!
さっさとくたばれや 翔!
あっ…。
(腹を下す音)
(腹を下す音)
な… なんだ…?
翔さん!
(翔の声)必ずチャンスが来るから→
その時が来たら 金山の腹を狙え。
その時が来たら 金山の腹を狙え。
腹だぞ 腹。
うわああーーーっ!!
あっ…!
(荒い息遣い)
(荒い息遣い)
なんでだ…?
なんで 俺は てめえに勝てねえんだ…?
(荒い息遣い)
卑怯だからに決まってるでしょうが!
あんた 卑怯だよ!
卑怯だからに決まってるでしょうが!
あんた 卑怯だよ!
なんなんだよ 極悪卑怯王って!
王って何? バカなの?
ヤンキーな上に 卑怯でバカなの?
だから駄目なんだよ! すっごく駄目!
逃げてんだよ!
ダセえ生き方してんだよ あんたは!
ああーーっ!
(金山)あっ…。
(金山)あっ…。
(腹を下す音)
ううっ… なんなんだよ クソーッ!
ううっ… ああっ…!
なんか… なんか 翔さんの啖呵 ちょっと…。
バカ野郎!
翔さんはな 極悪卑怯王と呼ばれた
金山の心を打ち砕いたのよ。
そのために あえて攻撃を受け続けて→
ワンパンで返り討ちにしたんだよ!
ワンパンで返り討ちにしたんだよ!
(塚尾・亀井)なるほど!
(丸川)さすが翔さんだ!
(桜井)いや 貫禄っすわ!
金山のパンチ あんな食らったのに
一発でひっくり返しちまった!
(小川)やっぱ 本物だよ! 伝説の頭 翔!
(一同)翔さん 翔さん 翔さん 翔さん
翔さん 翔さん 翔さん 翔さん…!
♬〜
頑張ってるね たっちゃん。
頑張ってるね たっちゃん。
(歓声)
下剤?
大門に頼んでな。
苦労したんだぜ。
(大門の声)昨日から ずっと金山を張ってよ。
はい 行ってこい 行ってこい。
お兄ちゃん はい これ。
はあ?
お兄ちゃん はい これ。
はあ?
舎弟の人が渡してきてくれって。
(大門の声)で 効き目が出そうな頃合い
見計らって→
わざわざ お前のいるとこまで
誘導したんだからよ。
(金山)ここにいりゃ お前が来るって聞いて
待ってたら マジだったとはな。
そんなことするくらいなら→
大門さんが喧嘩して
ケリつければよかったじゃないですか。
バカか!
金山は翔さんのこと狙ってたんだよ。
(大門)翔さんが返り討ちにしねえと
かっこつかねえだろ。
だって 結局タイマンですらなかったし…。
だって 結局タイマンですらなかったし…。
大体 僕が逃げたり 偽者だってバラしたら→
そっちのほうが かっこつかなかったのに。
でも 逃げもバラしもしなかったじゃねえか。
気合入ってんじゃねえか 達人。
それは… あの人のおかげで…。
いやあ〜! 怖かった!
痛かったよ 彩姐〜!
痛かったよ 彩姐〜!
でも 僕 勝ったよ。
彩姐が見ててくれたから…。
ねえ 僕 頑張ったよね? ねえ?
アイタタタタ…。
大丈夫ですか?
伊集院さん 聞こえますか? 伊集院さん!
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