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Original subtitles

>> ♪~ (店内のBGM)

♪~

(涼) 今 何てった?

(せき払い)

(青木) 僕と結婚してください。

♪~

♪~

(涼) よろしくお願いします。

(拍手)

(塩塚) はいはいはいはいはい!

それじゃあ 雰囲気 出ないだろ。

段取り見てた?

(塩塚) スタンドインだからって 手 抜かないで。

(涼) はい。 >> ちゃんと芝居 再現するように。

(涼) すいません。 >> じゃあ お呼びして。

(涼) はい 失礼しました!

では次 テストいきます! (青木) テストいきま~す!

(涼) 美晴さん 貴博さん お願いします。 >> お願いします。

(涼) 監督 ここ カット2・4・6と 8までいこうと思ってます。

>> 了解。

(涼) では よろしいかな? (青木) ケーキ お願いします。

(涼) 青木 大丈夫? (青木) すいません お願いします。

(涼) 青木? (青木) はい OKで~す!

すいません。 (涼) いくよ。 >> はい。

(涼) では いきます テスト! (青木) テスト~!

(涼) よ~い はい! (カチンコ)

今 何て言った?

僕と結婚してください。

よろしくお願いします。

(塩塚) はい カット! (涼) カット!

では次 直して本番いきます!

♪~

(涼) 結婚しろ 痩せろ→

毛を抜け 毛を生やせってか。

(衿) そんなふうに見える? 面白いね お姉ちゃんは。

(涼) 面白いんじゃなくて 何で こういう広告にあらがうべきか→

衿は考えたことある?

>> う~ん… ないかも。

(涼) こういう文言に囲まれて 生活すると→

知らないうちに 「こうじゃなきゃ ダメだ」みたいな価値観が→

刷り込まれていくわけ。

痩せなきゃダメ 脱毛しなきゃダメ→

でも 生えるとこは生えなきゃダメ。

ほら。

運命の人に出会わなきゃダメ。 >> なるほど。

(涼) で こういう価値観が 刷り込まれると→

どうなるか。 >> どうなるの?

(涼) そこから外れた自分に 劣等感を感じる。

それは だんだん心の中に→

たまってって たまってって たまってって→

己を縛る かせになる。

そうやって 生きづらい社会がつくられてく。

>> お姉ちゃんは ホント…。

(涼:衿) 口から生まれた町田 涼。

(涼) フフフ…。

>> まぁ そういうひねくれたところが 脚本家に向いてるのかも。

(涼) 10年後には 世界も変わってんのかなぁ。

>> その頃には お姉ちゃん 朝ドラの脚本 書いてたりして。

売れっ子脚本家。

(涼) 主演は衿だね。

>> ハハハ…。 (涼) ハハハ…。

📱(振動音)

(恵の声) 「何時に帰る?」。

(芽) ヤバい 始まる。 (恵) え? あっ ヤバっ。

いいよ それ つけとくだけで 後でやるから。

(芽) 分かった よいしょ。

(モニタ)♪~

(芽) CM CM…。 (恵) 間に合った。

(モニタ) まさか 美晴 迷ってるの? >> せっかくの海外赴任。

(モニタ) うん。

(モニタ) 本気なんだ? 貴博さんのこと。

(芽) う~ん… 美晴 そこ悩むんかぁ。

お姉ちゃんだったらさ 出世と結婚 どっち選ぶ?

(恵) 私は… 結婚かなぁ。

仕事でバリバリって 何か想像つかないし→

何だかんだ自分の家庭 欲しいし。

(芽) 私はね ファッションデザイナー として成功して→

金持ちとも結婚して→

全部 手に入れる 目指せ令和のパワーカッポー。

(恵) でも 実際 どっちもって しんどくない?

(芽) お金がないより しんどいことないでしょ。

(戸の開閉音) (恵) まぁね~ あっ 涼 帰ってきた。

(涼) はぁ… 間に合った!

間に合ってないけど。

自分たちが作ってるドラマの 放送時間まで働かせる現場って→

どうよ? (恵) お疲れさま。

(芽) それ 差し入れ? (涼) 食べていいよ。

(芽) 何これ。

(涼) 撮影で使ったやつ。 (芽) ふ~ん。

分かった! ドラマで誰か結婚するんだ。

美晴? 香菜子?

(涼) いいから お皿。 (芽) は~い。

(恵) あっ! 縁起悪!

(涼) 詐欺師が美晴に渡すケーキだから 大丈夫。

(芽) ちょっと待って めっちゃネタバレじゃん。

(涼) え? 知りたがってたくせに。 (芽) ん~?

(涼) よし。

(芽) お姉ちゃん それ…。

(涼) あ…。

(恵) 最後のを3つに切れば 3人で分けられるから。

ねっ。 (芽) うん。

(恵) 食べよ… 食べよ 食べよ。

(モニタ)♪~

(芽) 脚本家って この人?

(涼) そうだけど? (芽) ふ~ん。

「現代社会を生きる女性たちに 寄り添った脚本を→

書いていきたいと思っています」。

どんな人? (涼) さぁ。

まだ助監督だし 脚本の打ち合わせ出てないから。

(恵) こういうドラマ書いてるし→

女子っぽい感性の人 なんじゃない?

(涼) 女子っぽい感性? そんなもん存在する?

(恵) いちいち揚げ足 取んないで。

📱(振動音)

(花の声) 「いよいよ来週 何着ていくか悩む!」。

(希美の声) 「私 青いドレス買ったよ」。

(花の声) 「てか 集まるの 久しぶりじゃん? 楽しみ~」。

(芽) 仕事? (涼) ううん 高校の同級生。

来週 結婚する子がいて 盛り上がってる。

(恵) 来たね~ 第一次結婚ラッシュ。

(涼) そんなこと言ったら ママは? 万年 結婚ラッシュじゃん。

>> 〔鐘の音〕 (牧師) 〔新婦さん〕

〔神聖なる婚姻の契約のもとに 誓いますか?〕

(満美) 〔誓います〕

(涼の声) 誓ったよなぁ 何回だっけ? 4回?

(芽) 私 4人目のパパがよかったなぁ。

お金持ってたし 絵画教室 通わせてもらってたし。

(恵) まぁ 半年で スピード離婚しちゃったけどね。

(涼) 私は絶対 結婚しない。

♪~

(スケジューラー) 朝ドラの撮影が水木?

うちは土日縛りの ロケ場所 撮影なんで→

多分 縫えますね。 >> すいません。

すいません お待たせしました。 >> お疲れさまです。

このシーンなんすけど ちょっと 衣装ぬれちゃうんで同じもの…。

(涼) 監督の割本 ちゃんと読んだ?

ここ 待ち合わせ場所のセリフ→

「噴水前」から「駅前広場」に 変更になってるけど。

(佐藤) 気付きませんでした。

(涼) こういうの見つけたら 事前に 役者の事務所にも連絡するから。

読み飛ばさないで 分かった?

>> はい すいません。 (涼) いいよ 戻って。

(柿谷) あんまり厳しくすると 辞めちゃうよ~。

(涼) 柿谷さん 去年の新人が辞めた理由 覚えてます?

「もっと厳しくしてほしかった」 ですよ。

(柿谷) はいはい さっき来た7話の原稿 読んだ?

あれで入稿作業 進めたいから 誤字脱字あったら言っといて。

(涼) もう まとめときました。

(柿谷) さすが~ 読み込んでるねぇ。

で ちょっと提案したいんだけど。

監督やんない? (涼) は? いつ?

>> 今日から。 (涼) えっ?

>> 塩塚監督 盲腸になっちゃって 7話 撮影できないんだわ。

脚本の黒崎さんには 私から話す。

このままじゃ 現場 止まっちゃうから。

7話だけ… ね? (涼) いや…。

現場 回しながら 監督するってことですか?

>> 涼は 作品のことも分かってるし。

監督っていうのは→

こういうチャンスをものにして なるものだから。

やるでしょ?

ってか 会社員なんだから やらなきゃ。

(涼) 分かりました やります。

>> よし じゃあ 後で黒崎さん来たら 紹介だけさせて。

(涼) はい。 >> 1時に第二会議室。

あっ 黒崎さん→

温厚だけど大御所だから 口には気を付けて。

あんた いつも一言 多いから。

分かった?

(涼) はい。

(涼) 熱っ…。

📱(操作音)

(講師) 素材は服の命ですから。

そういうものを見る目も 養うように。

いいわね? (学生たち) はい。

(桃ちゃん) ウール100で 素材にこだわったら→

材料費 半端なくない? (芽) 見る目があっても→

お金がなきゃ こだわれないっつうの。

>> あ~あ バイト増やさなきゃかなぁ~。

(芽) きゃかなぁ~。

>> でもさ 芽の彼氏 お金持ってんでしょ?

(芽) これ もらった。

>> え~!

本物? (芽) 本物。

>> ヤッバ。

(沼田) すいません 遅れました。

ねぇ 見て あれ。 (芽) ん?

(桃ちゃん) あれも高いよ あのバッグ。

(芽) 沼田ん家って金持ちなんだ。

(野村) あいつ 感じ悪いよ。

飲み会誘っても 絶対来ないし。

てかさ 今どき門限7時って あり得ないだろ。

(芽) 7時? 箱入り息子的な?

>> でも センスいいのは認める。

(恵) 土日休み 残業なし 手取り最低25万以上…。

こちらの条件 全て満たす仕事ですと→

今 正社員の求人がないんです。

(藤川) はぁ?

(藤川) それじゃあ また非正規で→

安定しない仕事に就けってぇの?

そもそも こっちは非正規だから 雇い止めに遭ったんだよ。

それをまた 同じこと繰り返せってのか!

(恵) じゃあ 優先条件を正社員に絞って…。

>> あ~あ もう やる気なくなっちゃった。

せっかく 人が働こうとしてんのによ。

大体よ あんたらみたいな お気楽公務員に→

俺らの気持ちなんか 分かんねえんだよ!

(机をたたく音) (藤川) バカにしやがって!

(土方) どうかされましたか?

(藤川) どうもしてねえだろ。

どうにもなんなくて 困ってんだよ!

ったく。

もういいよ!

(土方) 大丈夫?

(恵) すいません。

(佐倉) 人様に職業あっせんしてる うちらだって→

非正規なのにね。

ハローワークで働いてる っていうだけで→

うちらまで 一生安泰の公務員とか 思われちゃうんだもん。

(恵) この立場だからこそ 分かる苦しみもあるし→

そんな冷たく返せませんよ。

(佐倉) 町田さん 優しいから。

いつも変な人に絡まれる。

あっ あ~… 非正規さんたち使ってた。

(恵) もう終わりました。 >> え~ あっ 何か…。

お疲れさまです。 (恵) お疲れさまです。

(大河) お疲れさまです。

(柿谷) 最近は 男子よりも 女子の方が根性あって→

長続きするんですよ。

涼も5年目で 今じゃ若手筆頭です。

(黒崎) 女の子の元気のいいのは いいことです ハハっ。

やっぱり男は 本質的には 女性には かないませんからね。

ハハハ…。 (柿谷) ハハハ…。

(黒崎) 今度の作品は 女性ならではの視点も必要ですし。

何かあったら どんどん言ってね 僕は そういうの大歓迎だから。

(涼) あっ じゃあ 女性ならではの視点って…。

>> あ~ そうだ あの 涼 自分で 脚本 書いてたこともあって→

なかなかセンスいいんですよ ね?

(涼) もう 書いてません。

>> ほぉ~ どんな作品がやりたいんですか?

(涼) やりたい作品っていうか→

なるべく やりたくないな ってものなら あるんですけど。

(黒崎) 例えば?

(涼) 崖っぷちアラサー女子の→

一発逆転 胸キュンストーリーとか。

>> それは何で?

(涼) 人生100年時代とか いわれてるのに→

女性だけ30代で崖っぷち なんていわれたら→

残りの70年 崖から落ちて 海の中じゃないですか。

そういう 女性を応援してんだか 惨めにさせてんだか→

分からないものは やりたくないんです。

>> そ… それに似た作品 僕 書いた覚えがあるな。

参ったなぁ。 >> すいません 生意気で。

いいですよ 勢いがあって。

監督やるなら それぐらい元気がないと。

でもね 視点を変えることも必要ですよ。

実際 そういうドラマは 世間で ウケてる部分もあるんですから。

どうしてだか分かりますか? (涼) あ… いや ちょっと。

>> ヒントあげましょうか ヒント。 (涼) はい。

>> 「シンデレ~ラ」。

(涼) はぁ…。 >> いや 「シンデレラ」。

(涼) あっ 「シンデレラ」 アハハハ…。

>> え~ 何だろう 全然 分かんないです。

最近は フェミニズムなんかも 盛んですし→

そういうファクター 押さえておけば→

ある程度 トレンドに乗れるとは 思うんです。

けどね そうはいっても→

女の人ってのは 多少なりとも プリンセス願望を持ってるでしょ。

表面上では 自立をうたっても→

そういう隠れた願望を→

かなえてあげることも 忘れないんですよ。

貧乏な女性を 金持ちの男が見初める。

いまだに このパターンの要素が 必ず1つ入ってるから。

あぁ… 確かに言われてみれば そうですね。

結局は 「シンデレラ」のような 古典の型を→

こっそり忍ばせておくのが 今でもウケるんです。

(涼) 「シンデレラ」…。

今どき 「シンデレラ」やる意味って あります?

貧乏な女を 金持ちの男が引き上げるって→

ゆがんだ構造の再生産だし 女性の貧困がなくならない…。

(顧問) ま~た屁理屈こねて。

これは 演劇部の伝統行事なの。

(涼) でも 脚本書くのは私ですよ。

だったら 気に入らないところ 脚色してもいいですか?

(顧問) う~ん…。

(衿) 先生 涼のセリフなら 私も うまく言える気がします。

(黒崎) 柿谷さん 今日 店押さえてる?

(柿谷) すいません すぐに。 >> あ~ じゃあ→

せっかくなら 僕の行きつけの店 行きましょうか。

(柿谷) あっ…。 監督も ね?

(涼) えっ… 私も? はい。

(久我山) これ 薄っ! スケスケじゃん。

(芽) オーガンジー 繊細だから あんまり いじらないで。

う~ん… やっぱり ウール高いなぁ。

バイト代 計算しま~す。

📱(操作音)

(芽) キッツ…。

(久我山) 幾ら?

(芽) 3mで1万近い。

>> 出すよ そのぐらいなら。

(芽) え? いいの?

>> こういうとこ 大学の友達とは来ないし→

面白い。

(芽) そうだ 今度の水曜 どうする?

>> 水曜? 何だっけ?

(芽) 1周年じゃ~ん どっか行く?

>> あ~ ごめん。

ちょうど ゼミ合宿 入っててさ。

(芽) そっか。

じゃあ 仕方ない。 📱(振動音)

📱(振動音)

(芽) 出なくていいの? >> あっ いい いい。

ゼミのヤツだから。

(店員) 黒崎先生 うちのお店で ちょっとした有名人なんですよ。

大人気。 (黒崎) やめなさい フッ。

町田さんは今 付き合ってる人とか いるんですか?

(涼) は?

あ… いませんけど。

>> 恋愛も結婚も何でも しないよりは した方がいいですよ。

その方が経験になりますから。 (涼) はぁ…。

>> 僕も あなたぐらいの時には 随分 いろいろありましたよ。

へぇ… 黒崎さんにも そんな時代があったんですか?

失礼だな 僕は今でも現役ですよ。

いや でもほら 今は ね?

ご結婚されてますもん…。 (黒崎:柿谷) ね。

それはそれ これはこれ。

まぁ とにかく 僕が今 脚本を書いていられるのは→

付き合っていた女性から 学んだことが多いですね。

恋愛しないと のぞけない→

他人の神髄みたいな部分 あるでしょ?

他人の神髄? >> だから→

あなたたちも どんどん恋しないと もったいない。

ものづくりをする人間なら それが必ず糧になりますから。

いや でも この仕事してると忙しくて→

恋愛どころじゃありませんよ ね?

そうやって仕事を言い訳にして。

(柿谷) 痛いとこ突きますねぇ 黒崎さ~ん フフフ…。

(涼) うわ~ 疲れた。

ふぅ…。

(涼) 返事ぐらいしろよ。

📱(振動音)

(花の声) 「結婚式 二次会行く人ー」。

(希美の声) 「二次会こそが 出会いの場でしょ」。

(花の声) 「それな」。 (希美の声) 「Let’s Go」。

(涼) はぁ…。

(大河) ダメダメ! もっと膝 使わないと。

フォームが違うんだって ちょっ 見て。

こうやって スッと手を離す。

(恵) スッ。 >> そう。

今のメグのは もう手首で投げちゃってるから。

OK? (恵) OK。

>> そうすりゃ もう少しスコア伸びるから。

俺も いい時は スコア180は いくから。

(恵) ねぇ 今度さ 大河のこと 妹たちに紹介してもいい?

>> あぁ… うん。

あっ そういうのさ→

もうちょっと待った方がいいかも。

(恵) え? >> あっ 俺はいいんだよ 俺は。

結婚とか そういうあれ? いつかは したいしね。

でも 今のタイミングだと→

メグの方が 次の更新で→

雇い止めに 遭うかもしれないからさ。

同じ職場だと 夫婦がいるのって いろいろ不都合に思われるし。

メグが正規職員の男に手出した とか言うヤツも→

出てくるわけじゃない?

メグだって 今の仕事 続けたいでしょ?

(恵) うん そうだけど…。

>> ほら 早く 投げて 投げて。

(恵) あぁ…。 (大河) だから 違うんだって。

ちゃんと膝 使ってる? 膝。

♪~ 「結婚行進曲」

♪~

(恵) 結婚式 楽しんでるかな?

(芽) 結婚したくなったりして。

それはないか 涼と衿姉 同盟組んでたもんね。

(恵) 組んでた 「結婚しない同盟」でしょ。

(芽) 涼ってさ→

もう脚本 書かないのかな?

(恵) まぁ 涼は いつも 衿のために書いてたからね。

その話 あんま したがらないし。

(花) 泣くかと思った~。 (希美) ねぇ。

私も ここで式 挙げたいな~。

(花) そういえば 涼は 彼氏できた?

(涼) まさか。 >> 昔から恋愛 興味なかったもんね。

え~ 涼だって恋しないと もったいないよ。

(涼) もったいない…。

>> うちらも3年後 30だし。

私は さすがに焦ってきた。

(司会) それでは 皆さま→

新郎新婦を お迎えいたしましょう!

(拍手)

(司会) ブーケトスにご参加の…。 >> 始まる 行こう 行こう。

(涼) いい! いいって!

(司会) それでは いきます。

皆さまご一緒に カウントダウンを お願いいたします。

(一同) 3・2・1…。

(司会) どうぞ!

(涼) あ…。

(涼) 律!?

(律) 久しぶり。

(涼) 何で? え?

(拍手)

まさか ブーケをよけるヤツが いるはとね。

一瞬 凍り付いたわ 会場。 (涼) そうかな?

(花) 律がいて 何とかなったけどさ。

(希美) てか このコンビ 久しぶりじゃない?

だよね えっ 2人って付き合ってたっけ?

(涼:律) それは ない。

息ピッタリか。

(係員) ゲストの皆さま お待たせいたしました。

披露宴会場にお招きいたします。

(希美) 披露宴 始まるって 行こう じゃあね 涼。

(涼) うん またね。

(律) 披露宴 参加しないの?

(涼) 仕事で もうすぐ出ないといけないんだ。

>> うん。

(涼) っていうか 9年ぶり… だよね?

>> うん。 (2人) フフフ…。

よかった~。

また無視されたら どうしようかと思ってたから。

(涼) 今も札幌? >> ううん 先週 東京に戻ってきた。

(涼) え? 何やってるの? >> 新聞社で働いてる。

(涼) 新聞記者? ウソ! 事件? 政治?

>> 文化部 書評をまとめたり 作家にインタビューしたり。

まぁ 新聞社では地味な部署だけど 気に入ってる。

(涼) え~ 律っぽい。

そっか ホントに律なんだ。

>> 涼は? 仕事は?

(涼) テレビドラマ作ってる。 >> えっ もしかして脚本家?

(涼) そっちは全然 もう書いてないし。

でも 今度 監督デビューすることになって。

今 放送中の連ドラ! >> え~ すごい! すごいじゃん!

何てやつ? 絶対 見るよ。 (涼) えっとね…。

📱(振動音) (涼) あっ…。

あっ ヤッバ! ごめん もう出ないと。

今度さ うちおいでよ メグ姉たちも喜ぶから。

>> 会いたいな 久しぶりに。

(涼) 今週 撮影 早く終わる日あるから 連絡する。

連絡先 変わってない? >> うん。

あ~ 待って 待って 待って…。 (涼) あぁ!

じゃあね また。 >> じゃあね。

♪~

(芽) ふぅ…。

📱(通知音)

(芽) はやっ。

📱(通知音)

(芽) 「まこと」?

📱〔振動音〕 (芽) 〔出なくていいの?〕

>> 〔あっ いい いい ゼミのヤツだから〕

(芽) 女?

>> はぁ~ むなしい。

(涼) 何が?

>> 何か 台本読んでたら 自分の生活 終わってんなって。

(涼) え? >> ドラマに出てくる人たち→

まぶしいじゃないっすか 恋とかして。

彼氏もいないし 好きな人もいないし→

自分 この世界に行ったら モブキャラにもなれないなって。

まぁ ぼやいても 現実 変わんないんすけど。

(涼) 早く帰って寝な あした早いよ。

>> はい お先に失礼します。 (涼) お疲れ。

ねぇ これ あげる。

>> いいんすか?

ありがとうございます。 (涼) また あした。

(ドアの開閉音)

\じゃあ 柿谷さん お疲れさまです/

(柿谷) は~い お疲れ。 >> お疲れさまです。

(涼) 柿谷さん ちょっといいですか? >> お~ まだいたんだ。

(涼) ここのセリフなんですけど 変更できないかと思って。

>> う~ん… そうねぇ。

(涼) 黒崎さんも意見があったら 言ってほしいって言ってたし。

>> まぁ 気持ちは分からなくは ない。

けど 今回は このままやってみな。

(涼) え? >> 監督っていうのは→

脚本家の書いた本を どう成立させるかも仕事だから。

涼は 今回1本目なんだし→

黒崎さんの世界観を 形にすることに集中して。

ね?

(涼) はい。 >> うん。

(部屋のドアの開閉音)

♪~

読んだ。 (涼) どうだった?

>> 面白い 特にシンデレラが→

「もう ハイヒール履きたくない! 足が痛い!」って→

王子にキレるところ。 (涼) やっぱり?

>> あと 姉たちと結託して→

舞踏会でスニーカー履くとこも 最高。

(涼) あ~ よかったぁ。

>> いや~ お姉ちゃん やっぱ才能あるよ。

天才かも。 (涼) フフフ…。

♪~

(芽) くっ…。

まこと 女だし…。

普通に二股だし。

はぁ…。

え?

いつから いた?

>> 誰? まことって。

(芽) どっちが強いかってあるでしょ? 恋愛で。

>> あぁ… どっちが優位に立ってるか ってこと?

(芽) 私 絶対 自分だと思ってて。

私的には 向こうの学歴とか→

家が お金持ちっぽいところとかが よくて→

付き合ってあげてるつもりで。

>> フフ 正直かよ。

(芽) でも 違ったんだなぁ。

二股かけられてた。

相手の女も 頭おかしいよ。

私のこと知って わざわざ SNSフォローしてきて。

>> 怖っ。 (芽) でもさ→

悪いの全部 あの男じゃん?

何で 女同士のバトルみたいな なってんの? それも嫌だし。

>> だったら 自分も遊べば?

(芽) え?

>> 遊んでみる?

(柿谷) すごいね 巻いてるじゃん。

(涼) 何とか。

(柿谷) まだ気になってんの? そこ。

あんまり気張らずに やりな。

📱(振動音)

📱(振動音)

(涼) よ~い はい! (カチンコ)

この年で 男に だまされるなんて→

バカみたい…。

ちょっと待って 何言ってんの。

美晴は まだ若いんだし→

もっと恋しないと もったいないよ。

ほら 元気出して。

えっと 段取り以上でいいっすか?

(涼) あ… お2人 大丈夫です。

青木 ちょっと待ってて。 >> はい。

(涼) 段取り見て やっぱり 引っかかっちゃって。

>> 分かった そこまで気になるなら。

(涼) 変えていいですか?

>> 元のセリフも撮って 2パターン押さえといて。

あした 私から黒崎さんに 相談してみる。

(涼) ありがとうございます。

>> 柿谷さん 雑誌の取材の方 来ました。

OK じゃあ 涼 現場 頼んだよ。

(涼) はい。

(モニタ)(青木) スタンバイ中です 間もなく 本番いきま~す。

(涼) 1に切ってください。

1カメさん もうちょっと寄ってください。

(涼) あっ。

>> 監督 近くに来たから これ 差し入れ。

(涼) ありがとうございます。

(モニタ)(青木) 監督 これで本番いきます。

(モニタ) よろしいですか?

(モニタ) あ~ あ~ あ~ これ入ってます?

(モニタ) よろしいでしょうか?

(涼) VTR回してください。

(VE) 回りました。 (ブザー)

(モニタ)(青木) はい 本番! よ~い はい!

(モニタ) えっ どういうこと?

(モニタ) 貴博さんに だまされたってこと?

(モニタ) 詐欺師? そんなふうに見えなかったのに。

(モニタ) この年で 男に だまされるなんて→

バカみたい…。

(モニタ) ちょっと待って 何言ってんの。

(モニタ) 人生は 恋とか結婚だけが 全てじゃ ない。

(モニタ) 楽しまないと もったいないよ。

(モニタ) うん。

(涼) カット。 (モニタ)(青木) カット~!

えっ 監督… 監督。

(涼) はい。 (黒崎) ちょっと。

あの… これ セリフ変えた?

(涼) はい。

>> 俳優さんが? (涼) あっ 私が…。

>> あなたが? (涼) はい。

>> 何で?

(涼) 「もっと恋しないと もったいない」 っていうセリフ→

何か 違和感があって…。

>> 違和感?

(涼) 私も よく言われるんですけど→

そのたびに ふに落ちないっていうか。

恋しないと 何が もったいないんですか?

人生ですか?

でも それって刷り込みで 押し付けっていうか…。

>> あのね 誰にでも 簡単にセリフを変えられたら→

脚本家 いりませんよね?

(涼) でも 先生も 現代の女性に寄り添った作品を→

作りたいと おっしゃっていたので→

恋愛や結婚だけが 女性の幸せだと思われたら→

逆効果かなって。

現に私も…。 >> あなた 何か勘違いしてませんか?

(涼) え?

>> 女性代表みたいなこと 言ってますけど→

あなたと同じ考えを持つ人が どれだけいるっていうんですか?

(涼) そ… それは…。

>> テレビっていうのはね→

マスに届けるものだから。

あなたみたいな少数派が→

自分を主語に 作品を作るな っていうことですよ!

本当に気分が悪いんで 帰ります。

(モニタ)(青木) 監督 チェックどうでしょうか?

(モニタ) 監督?

📱(振動音)

(足音)

(職員) お疲れさまです。

(土方) お疲れさまです。

(恵) お疲れさまです。 >> お疲れさまです。

(エレベーターの到着音)

今 何時?

(芽) 7時。

(芽) 帰るの?

>> ここ 朝までいても平気だから。

(芽) あ… うん。

>> またね。

(芽) またね。

(ドアの開閉音)

(芽) はぁ… あ~!

はぁ~。

♪~

(芽) あっ。

(沼田) うん 今 帰ってる。

先に風呂 沸かす?

入浴剤あるだろ 流しの下。

フッ うん 分かったって。

ごめん。

俺も大好きだよ。

(芽) お姉ちゃん。 (恵) うわ ビックリした~ 芽!

電車 一緒だったの? 気付かなかった。

(芽) 帰ろう。 (恵) うん。

(芽) 誰かいる。

(恵) 律!? (芽) え… 律? 何で?

>> 涼と約束してたんだけど 連絡つかなくて。

(律) こっち 何か おいしいって噂のケーキ。

(芽) わぁ~ うれしい。 (恵) へぇ~。

えっ じゃあ 律は 大学から ずっと北海道いたんだ。

>> うん。 (恵) 仕事も あっちで?

>> うん 就職は東京の新聞社だけど 札幌支社に5年いて→

この前 こっちに異動になった。 (恵) ふ~ん。

(芽) そもそもさ 何で 北海道の大学 行ってたの?

涼とも疎遠になっちゃったじゃん。

>> う~ん…。

東京の夏が合わなかったみたいな。 (恵) うんうんうん。

(恵:芽) おぉ~…。

どうかした?

(恵) ううん おいしそう これ食べたい。 (芽) うん。

>> てか 今日 衿は?

(恵) あ~…。

涼から聞いてない?

>> え?

(涼) 転職しろってか…。

(律) 涼!

(涼) あ! そうだ ごめん!

>> いいよ メグと芽にも会えたし。

仕事トラブル?

(涼) ホントごめん。

>> いいって。

聞いたよ 衿のこと。

(涼) あぁ…。

>> いなくなったって 2年前?

(涼) うん。

(律の声) でも 事件性は低いんでしょ?

(涼の声) 警察は そう言ってる。

(律) きっと どこかで 元気にしてるよ。

仕事なんかあったの?

(涼) 向いてないかもなって。

この業界しがみついても 意味ない気してさ。

正直 衿がいなくなってから→

何 目指してんのか 分かんなくなってたし。

フフ 潮時?

>> それで書くのやめたの?

(涼) 書いたとこで 共感してくれる人 もういないから。

>> そうだ これ。 (涼) ん?

>> 久しぶりに実家 帰ったら 出てきて。

涼に渡そうと思ってたんだ。

まぁ 帰ったら見てみて。

(涼) うん。 >> じゃあ 遅いし行くね。

じゃあ。

あっ。

今度は すっぽかさないでよ。

(涼) 分かった。

>> フフフ じゃあね。 (涼) じゃあね。

(モニタ) え? 今 何て言った?

(恵) 涼 遅いね。 (芽) うん。

(恵) かわいいね それ 買ったの?

(芽) ん? ううん。

(恵) 彼氏からか。

(芽) うん。

(恵) あっ 見て あれ。

この間 うちで食べたケーキ テレビ出てる。 (芽) ホントだ。

(戸の開閉音) (恵) えっ 詐欺師って貴博だったの?

(涼) ただいま。 (恵:芽) おかえり。

(恵) 遅かったね あっ 律に会えた?

駅で待ってるって言ってたけど。 (涼) うん。

(恵) 先言っといてよね うちの前で 途方に暮れてたんだから 律。

(涼) ごめん。

(芽) ドラマ見ないの? (恵) 律がケーキ持ってきてくれたよ。

(涼) あした食べる。

(階段を上がる音)

はぁ…。

📱(振動音)

♪~

📱(留守電:柿谷) 黒崎さんのこと聞いた。

📱 私もタイミング悪く 席外しちゃってて ごめん。

📱 あした一緒に謝ろう。

📱 時間もらえたら 後で連絡する。

📱(再生が終了した音)

♪~

(再生ボタンを押す音)

(モニタ)(律) 衿 お疲れ~ フフフ。

(モニタ) 「シンデレラ2.0」→

大好評のうちに 公演が終わりました イェ~イ。

緊張した~。 (モニタ) (律) ホントに?

(モニタ) 何かメッセージはありますか?

(モニタ) あ~ じゃあ 脚本の町田 涼さんに。

(律) おぉ。 (モニタ) (衿) フフフ え~…→

お姉ちゃんおかげで→

最高のシンデレラを 上演できました。

(モニタ) えっと お姉ちゃんの脚本は→

今の世の中で 声を上げられない人たちの→

大きな味方になると思います。

(モニタ) これからも 古い価値観をぶっ壊して→

面白い作品を たくさん作ってください。

(モニタ) 周りが何て言っても→

お姉ちゃんが脚本家になることが 私の夢です。

(モニタ) 町田 涼さんの 一番のファン 衿でした。

だそうです。 (モニタ) お疲れ~。

(モニタ)(律) 涼 聞いてる?

♪~

(柿谷) このたびは 大変申し訳ありませんでした。

セリフ変更のこと→

2パターン撮って ホントは今日 ご相談するつもりだったんですが。

この子も言葉足らずで 変な伝わり方してしまって→

すみませんでした。

(涼) すみませんでした。

>> こっちも事情 知らなかったからさ ついカッとなっちゃったよ。

あなたが書いた→

「人生は 恋とか結婚だけが 全てじゃ ない」だっけ?

分からなくはないですけど→

世間的には 恋愛も結婚も→

しないより する人の方が 圧倒的に多いわけだから。

元のセリフでよかったと 僕は思いますけどね。

はい 台本通り させていただきます。

そもそも あなた 女性の生涯未婚率 知ってる?

増え続けてるって いわれてますけど→

実際は 2割にも満たないの。

つまり ほとんどの女の人は 今でも結婚するという生き方を→

選んでるってこと。

恋愛や結婚が まるっと抜け落ちても→

幸せ達成できる女性は ほんの一握り。

だから 大多数の価値観に合わせて→

そこで夢を見せてあげる。

見せてあげるっていう言い方は あれかもしれないけど→

そういうの踏まえて ドラマ作りをしなさいってこと。

(柿谷) はい ありがとうございます。

分かった?

分かりましたか?

涼。

(涼) そうじゃないんじゃないですかね。

(黒崎) ん?

(涼) 普通に いるんじゃないですか?

恋愛と結婚が まるっと抜け落ちても→

幸せ達成できる女性なんて うじゃうじゃいると思いますけど。

>> 涼。 (涼) そういう人たちのこと→

見えないことにしてんのは なかったことにしてんのは→

黒崎さんじゃないですか?

そうやって狭い価値観で→

女性の幸せ 決め付けないでほしいんですけど。

>> あのな お前みたいな少数派が→

自分を主語にして ドラマを作ったところで→

マスには届かないって 言っただろ!

(涼) あなたが どれだけ多数派の 勝ち組なのか知らないけど→

「俺が正解だから」みたいな顔して バカにすんのも→

いいかげんにしてください。 >> いつ俺がバカにした。

(涼) いつもバカにしてるでしょ!

女性の味方ぶって 心の中で バカにしてんじゃないですか。

>> やめなさい 涼! >> 中途半端に脚本かじった程度で→

僕と同じステージに 立ってるつもりになるなんて→

思い上がりも甚だしいんだ!

自分の立場をわきまえなさい!

(涼) 分かりました。

じゃあ 書きますよ 書けばいいんでしょ?

会社 辞めて…。

(机をたたく音) 脚本家になりますよ!

黒崎さんと同じステージまで はい上がって→

古い価値観 ぶっ壊してやりますから!

今回のこと 柿谷さんは悪くないですから。

私が責任を取って辞めます。

じゃあ!

(ドアの開閉音)

(柿谷) 申し訳ありませんでした!

♪~

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