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(麻生)蒲生 美智留さんですね? (美智留)あなたが通報したの?
鷺沼 紗代のことを 覚えていますか?➡
監視カメラが あんたの決定的な 犯行の瞬間を捉えていた。
よく そんな 1年半も前の映像が 残っていましたね。
あらためて話をしようじゃないか。
待ってください。
待ってください。
何だ? 話をする前に➡
弁護士を呼んでいただけますか?
何て弁護士だ?
東京弁護士会所属の 宝来 兼人弁護士に。
あっ?
宝来 兼人って あの宝来 兼人ですか?
ああ。 テレビで べらべら➡
どうでもいいことしゃべってる あいつだよ。
宝来さん この件について どう思われますか?
それは 男女雇用機会均等法に 違反していますね。
なんせ 僕は カワイイ女子の味方ですから。
なんせ 僕は カワイイ女子の味方ですから。
よりによって 何で あんなやつに…。
失礼しま~す。
弁護士の宝来 兼人です。
蒲生 美智留です。
お会いするの初めてですよね?
あなたのような美しい方➡
一度 お会いしたら 忘れるはずないですから。
なぜ 私を指名したんですか?
テレビ番組で よく。 なるほど なるほど。
テレビ番組で よく。 なるほど なるほど。
(青木)あいつ 刑事事件専門じゃ ないっすよね?
ああ。 確か 専門は債務整理だ。
一時期は 全国に支店を持つほど 羽振りがよかったが➡
最近は 次々と閉めてるらしい。
火の車ってことっすか?
事務所の経営は とてもうまくいってるんです。
でも 大きくなりすぎて 目が行き届かなくなったので➡
今は 東京の事務所に 専念することにしたんですよ。
シビアで 素晴らしいご判断ですね。
同じ経営者として 尊敬します。
同じ経営者として 尊敬します。
あなたとは 気が合いそうだ。
だから 何か怖いな。
僕と一緒で 全然 信用できない感じがする。
信用なんか いらないじゃないですか。
利害が一致すれば。 それは ごもっとも。
だから 慣れない刑事事件にも 手をつけるしかないだろうな。
ただ 弁護料のことなんですが お恥ずかしい話➡
先生が満足いただける額が 用意できるかどうか。
先生が満足いただける額が 用意できるかどうか。
ハッ… それは困りましたね。
ですが 引き受けてくだされば 必ず 宝来先生のためになります。
勝ち負けに関係なく 数千万円分の利益になるはずです。
数千万?
私の事件が裁判になれば➡
必ず 世間の耳目を集めるでしょう。
自分で言うのはなんですが➡
私 悪い女なんです。
私 悪い女なんです。
世間は 悪女が大好きですから。
ハハハ…。
僕も 悪い女は 嫌いじゃないですよ。
だから 当然 私の弁護士を務める あなたにもスポットライトが当たる。
それだけで 数千万円の広告代に匹敵します。
確かに 知名度が上がれば➡
世間は どんなものでも ありがたがるもんですからね。
だから僕も あんなくだらない番組 出てるんです。
だから僕も あんなくだらない番組 出てるんです。
さすが 宝来先生。
いいでしょう。 引き受けます。
あいつに弁護を頼むなんて➡
蒲生 美智留も 案外 人を見る目がないっすね。
あの女の悪運も これまでなんじゃないですか。
♬~
♬~
いよいよですね。
(麻生)検察官の立松も なかなかのくせ者だ。➡
どう出るか…。
(廷吏)起立願います。
♬~
♬~
♬~
♬~
第一 被告人 蒲生 美智留は 港区 南新橋ビル屋上において➡
当時 自身の顧客であった 鷺沼 紗代を突き飛ばし➡
転落死させ。➡
第二 被告人は 渋谷区東南台 路上で➡
当時 顧客である 武田 良平を唆し➡
盗作被害者の会 代表の 大島 美奈を殺害させ。➡
第三 被告人は 新宿区において 顧客の徳間 昇を唆し➡
高宮 涼介を殺害させ。➡
高宮 涼介を殺害させ。➡
第四 被告人は 町田市 野々宮宅において➡
長男である 野々宮 弘樹を 巧みな弁舌で唆し➡
姉の恭子と父親の孝之を 殺害させたものである。
罪名および罰条➡
第一 殺人 刑法199条。➡
第二 殺人教唆 同法199条 61条1項。➡
第三 殺人教唆 同法199条 61条1項。➡
第四 殺人教唆 同法199条 61条1項。
第四 殺人教唆 同法199条 61条1項。
(裁判長)では 被告人➡
ただ今 検察の朗読した 公訴事実の内容に➡
何か違う点 もしくは あなたの言い分はありませんか?
朗読されたことは 私には まったく身に覚えのないことです。
私は 人殺しや 人殺しを唆すことなどは➡
一切 しておりません。
(ざわめき)
弁護人 意見はありますか?
弁護人 意見はありますか?
同じく 被告人の無罪を主張します。
この事件は 検察が創作した 架空のストーリーに基づいた➡
まったくのでっち上げであります。
(立松) では 検察側の証人を呼びます。
♬~
♬~
♬~
徳間 昇さん あなたは…。
(ドグマ)僕は 徳間 昇じゃない。
えっ?
僕は 神崎ドグマだ。
それは あなたが 『言論クラッシュ!』という➡
ネットの討論番組で使っていた リングネーム…。
ネットの討論番組で使っていた リングネーム…。
違う。
本名だ。
(ざわめき)
あなたは 弁論相手だった 高宮 涼介に負けた。➡
その後 高宮 涼介を殺害した。
これ 事実ですか? (ドグマ)はい。
(立松)高宮 涼介を殺害する直前に 誰かに会いませんでしたか?
はい。 (立松)誰に会いましたか?
蒲生 美智留さんです。
(立松)そのとき 何を言われましたか?
何って… 色々。
(立松)あなた 被告人に➡
(立松)あなた 被告人に➡
こう言われたんじゃ ないんでしょうか。
「あなたの敵は 誰ですか?」と。
はい 言われました。
《あなたの敵は 誰ですか?》
(立松)あなたは その言葉を聞いて どう思いました?
高宮 涼介のことだと思いました。
(ざわめき)
(立松)質問は 以上です。
(立松)質問は 以上です。
今のって どういうことですか?
「あなたの敵は 誰ですか?」って せりふは➡
殺人教唆ともとれるからな。
(裁判長)弁護人 反対尋問はありますか?
ありません。
やっぱ無能だな~ あの弁護士。
(裁判長)では 証人は 退廷してください。
(ざわめき)
証人?
証人?
取り調べでも 何度も言いました。
これは 僕 一人で考え やり遂げたことです。
美智留さんは 「敵は誰か?」と言っただけです。
それで殺人教唆になるなら 世の中の人間 ほとんど全員が➡
殺人教唆をしているということに なるんじゃないですか!?
(裁判長)証人 静粛に。
(ドグマ)SNSでは 誰もが 敵を探している。
それで本当に事件を 起こしたやつだっている!
(立松)その言葉のせいで あなたは 殺人者になったんですよ。
(立松)被告人と出会わなければ あなたが➡
殺人者になることはなかった。 (ドグマ)何を言ってるんですか?
あの人のおかげで➡
人間にとって 何が一番大事か 分かったんですよ!
この世界は 弱肉強食。
勝つための手段に きれいも 汚いもない。
《この世界は 弱肉強食》
《勝つための手段に きれいも 汚いもない》
《野生のライオンが 狩りの手段を選びますか?》
《野生のライオンが 狩りの手段を選びますか?》
野生のライオンが 狩りの手段を選びますか?
《人間だって 動物です》 人間だって 動物!
《戦いの場では》 なりふり構わず。
《全力を尽くすのは》 当然です!
(ドグマ)いえ…。 《むしろ》
むしろ。 《そうしない方が》
そうしない方が。 《相手に対して》
相手に対して。 《失礼なんです》
失礼です! (裁判長)証人 やめてください。
勝った人間の責務は。 《勝った人間の責務は》
(美智留・ドグマ)さらに 強い敵と戦い 勝ち続けること!
《進みましょう 次の戦いに》
《進みましょう 次の戦いに》
進みましょう! 次の戦いに!
(裁判長) 証人は 退廷してください。
さあ 次の戦いに!
蒲生 美智留さんは 最高です!➡
俺を生まれ変わらせてくれた 女神です!➡
美智留さんは 最高で…。
(ガベルをたたく音) (裁判長)静粛に。 静粛に。
裁判長 次の証人を呼びます。 (裁判長)どうぞ。
武田 良平さん。
フリーの記者をしていた あなたは 盗作被害者の会に➡
名誉毀損で訴えられていた。
その腹いせに 大島 美奈さんを殺しましたか?
証人は 心神喪失状態で 現在 入院中です。➡
しかし 証人が書いた小説が ノート数十冊分あります。➡
その中には 蒲生 美智留という 人物によって➡
武田さんが 追い詰められていく様子が➡
克明に描かれています。
克明に描かれています。
(ざわめき)
(立松)盗作被害者の会の 一人だった➡
坂口 亜里沙さんからも 証言がとれています。
「武田さんは 被告人の 操り人形のようだった」と。
被告人に 言われたんじゃないですか?
「敵は 誰ですか?」と。
とても証言できなそうですけど 何で 連れてきたんですか?
証言できないのは 織り込み済みだ。➡
証言できないのは 織り込み済みだ。➡
ボロボロになった武田の姿を 裁判員に見せて➡
蒲生 美智留の印象を悪くするのが 目的だろう。
立松らしい 汚えやり方だ。
さすがだな。
(立松)武田さん。
あなたを心神喪失状態に 追い込んだのは➡
被告人なんじゃないですか?
あなたは 被告人によって➡
人生を台無しに されたんじゃないですか?
証人が書いた小説には 蒲生 美智留という人物が➡
大島 美奈を突き落とす描写まで あるじゃないですか。
そうです。
それが真実です。
そうです。 それが真実です。
ね? 面白い展開でしょ。
小説は これぐらいじゃなきゃ。
現実の美智留さんは はるかに素晴らしい人なんですよ。
(立松)はっ?
美智留さんには 感謝してます。
美智留さんには 感謝してます。
俺を本物の小説家…。
いや それ以上の存在にしてくれた。
(立松)証人は 聞かれたことだけに 答えてください。
真実は いつでも 書き換えることができるんです。
《真実は いつでも 書き換えることができる》
《それが歴史です》
それが歴史です。
戦いに勝った者が上書きし続けた 真実の連なりこそが…。
戦いに勝った者が上書きし続けた 真実の連なりこそが…。
《人類の歴史なんです》
人類の歴史なんです。
《先住民族をじゅうりんして…》
先住民族をじゅうりんして 自分たちの国をつくった➡
先進国なんて…。 《たくさん あるじゃないですか》
たくさん あるじゃないですか! (立松)証人 やめてください。
とにかく勝つことです! 《とにかく 勝つこと!》
勝つまで やり続けることです! 《やり続けること!》
(武田)根拠のない嘘でも 声を大きくして➡
何度も何度も言い続ければ。
《自分たちの正義感を 振りかざしたい有象無象が…》
有象無象が そこに食いつき やがて それこそが!
有象無象が そこに食いつき やがて それこそが!
《やがて それこそが》
《真実になるんです》 真実となるんですよ!
ハハハハ…。
俺は 美智留さんのおかげで➡
大きな真実を つくり出すことができたんです!
ハハハハ! (裁判長)証人は退廷してください。
(武田)やめろ!
美智留さん 俺は これからも 真実をつくり続けますよ!
ありがとう! ホントに ありがとう!
ありがとうございまーす!
(テレビ)(司会者)法廷の中では 殺人事件を起こしてしまった➡
証人たちが 次々と 蒲生 美智留被告を➡
たたえていたということです。
ホント異常でしたよね。 (麻生)ああ…。
でも こっちには 決定的な証拠がありますから。
そうだな。
検察側は 証拠を提示します。
検察側は 証拠を提示します。
こちらの映像は 鷺沼 紗代が 転落死したビルの➡
近隣のビルの監視カメラに 映り込んでいた映像です。
この後です。
(女性)キャー! (男性)決定的じゃないか。
(女性)ホントに突き落としてる。 (男性)決まりだな。
麻生さんが執念で見つけた あの証拠は➡
どう考えても 覆せませんよね。
どう考えても 覆せませんよね。
ずいぶん落ち着いてるな…。
もう諦めたんじゃないですか?
裁判長。 検察側の最後の証人を呼びます。
(裁判長)どうぞ。
野々宮 弘樹さん。
あなたのいとこである 蒲生 美智留は➡
この法廷内にいますか?
いたら その人物を 指し示してください。
あなたは 自宅において➡
姉の恭子さんと 父親の孝之さんを殺害した。
姉の恭子さんと 父親の孝之さんを殺害した。
(立松)その動機は いったい 何だったんですか?
姉と父親が 俺の邪魔をしたからです。
邪魔とは どういうことですか?
父親は 何かにつけて 俺を縛り付けようとしました。➡
あいつがいたら 俺は ずっと がきのままでした。
大人になるためには 父親を 殺さなきゃいけなかったんです。
(立松)そう あなたに教えたのは 誰ですか?
(立松)そう あなたに教えたのは 誰ですか?
みっちゃん…。
そこにいる 蒲生さんです。
(ざわめき)
では 姉の恭子さんを 殺害した理由は 何ですか?
姉は…。
蒲生さんを脅していたんです。 中学のころから ずっと。
しかも 蒲生さんの命まで 狙っていたんです。
《あんたなんか 生きる資格ないのよ➡
この殺人鬼! この悪魔!》
《ごめんなさい》 《黙れ!》
《ごめんなさい》 《黙れ!》
あいつが生きていたら➡
蒲生さんが 一生 幸せになれないと思うと➡
姉が憎くてなりませんでした。➡
だって 蒲生さんみたいに 優しくて 賢くて➡
人間的に素晴らしい人 他にいません!
俺のこと分かってくれるの 世界中で 彼女だけでした。
みっちゃんのおかげで 俺は 自由になれたんです!
相変わらず 中学生並みの発言ですね。
相変わらず 中学生並みの発言ですね。
(立松)あなたは 被告人から 家族を殺害してほしいと➡
依頼を受けたんですか。
いや そんなことは…。
被告人は 野々宮 恭子さんについて➡
何と言っていましたか?
このままだと 恭子に何もかも奪われるから➡
助けてほしいって。
でも それは 俺の受け取り方の問題…。
質問は これで終わります。
いいとこで切り上げましたね。
いいとこで切り上げましたね。
これで 美智留が弘樹を操った という印象が強くなる。
(青木)さすがに有罪は 固いんじゃないですか。
(麻生)ああ。
美智留サイドが ここから ひっくり返すのは➡
かなり難しいだろうな。
弁護人 反対尋問は ありますか?
あります。
(ざわめき)
(ざわめき)
証人。
先ほど あなたは 被告人が 蒲生 美智留さんであると➡
指摘していましたね。 それは なぜですか?
なぜって… 決まってるじゃないですか。
ひょっとしたら 他人の空似 ってことも あり得ますよ。
フッ… そんなこと あり得ませんよ。
(宝来)しかし 証人➡
例えば あなたの姉である 恭子さんですが➡
いとこですから 被告人と体格や顔の作りが➡
いとこですから 被告人と体格や顔の作りが➡
似ているところも あったんでしょう?
はっ? (立松)裁判長。
弁護人の質問は まるで 要領を得ていません。
単なる 弁論の引き延ばしです。
(裁判長)弁護人 私も あなたの質問の趣旨が➡
分かりかねます。 説明してください。
裁判長。 それでは 弁護側の証人を入廷させます。
石原 輝久。 赤坂で 形成外科病院を経営しています。
石原 輝久。 赤坂で 形成外科病院を経営しています。
証人の病院では 主に どんな治療を?
美容整形が専門ですね。
美容整形というのは➡
そんなに 人相が 変わってしまうものなんですか?
例えば 別人のように なってしまうことは➡
可能なんですか? (石原)まあ 一般の方が見たら➡
別人に見えるでしょうね。
一般の方という ただし書きが付くのは➡
なぜですか?
どんなに腕のいい 手術をしたとしても➡
どんなに腕のいい 手術をしたとしても➡
私たちのような専門家が見たら たいていは 分かってしまいます。
では この法廷の中に➡
かつて 証人が手術した 患者はいますか?
ええ いますよ。
その患者を指し示してください。
(ざわめき)
(麻生)どういうことだ?
証人 彼女で間違いありませんか?➡
もっと近くで 確認してみてください。
もっと近くで 確認してみてください。
間違いありません。
かすかに手術痕が残っていますが これは 私の施術です。
では 証人 こちらをご覧ください。
被告人の整形前の顔は この中にありますか?
はい あります。
その顔を 指し示してください。
その顔を 指し示してください。
こちらです。
(ざわめき)
手術をしたのは いつごろですか?
あれは… ちょうど1年くらい前ですかね。
あれは… ちょうど1年くらい前ですかね。
(宝来) こちらに カルテがあります。
(石原)このときは ほとんどの部位を整形しました。➡
この顔にしてくれと 依頼されたのを記憶しています。
声帯手術が得意な医師も 紹介しました。
♬~
♬~
被告人 あなたは 誰ですか?
野々宮 恭子です。
(ざわめき)
そんな… バカな…。
そんな… バカな…。
被告人は なぜ 今まで この事実を隠していたのですか?
最後の最後まで 悩みました。
事実を言えば➡
みっちゃんが この世界から 本当にいなくなってしまう。
このまま 蒲生 美智留として➡
罪をかぶる道も あると思ったんですが➡
怖かったんです。
死刑になるのが。
死刑になるのが。
やっぱり 私は みっちゃんには なりきれない。
自分の命が惜しい…。
弱い人間です。
被告人が 他人に 成り済ましていたのだとしたら➡
それは どういう訳で?
それには 被告人の中学時代から 話をする必要があります。
中学3年生のときに 野々宮 恭子のクラスに➡
蒲生 美智留は 転校生として やって来ました。
蒲生 美智留は 転校生として やって来ました。
《蒲生 美智留です》
彼女のように なりたかったんです。
美しくて 強くて。
《お揃いね》
(宝来)そして 17年後 被告人は 美智留と再会し➡
彼女のアシスタントとして 働くようになった。
彼女のアシスタントとして 働くようになった。
彼女は 変わっていませんでした。
一緒に働くうちに 彼女と ずっと一緒にいたい。
彼女のようになりたい。 そう思うようになって…。
(宝来)その願いは いつしか妄執となり➡
ある事件をきっかけに 実現します。
そう 野々宮家の事件です。
あのときは ホントにショックで…。
あのときは ホントにショックで…。
みっちゃんが この世界から いなくなるなんて考えられない。
だったら もう 私が みっちゃんになるしかないって。
待ってくれ!
それなら… 俺が殺したのは?
(裁判長)証人 静粛に。
(宝来)そうです。 証人 野々宮 弘樹が➡
殺害したのは 姉の恭子ではなく➡
蒲生 美智留だったんです。
そんな…。
そんなバカな! だって 確かに あのとき…。
殺害するとき 恭子さんの顔 見たんですか?
もう お分かりでしょう。
顔に パックしていたのは…。
蒲生 美智留の方でした。
蒲生 美智留は この日➡
なぜ あなたの部屋で 寝ていたんですか?
あの日 みっちゃんは➡
泊まりがけで 仕事をする予定でした。
でも 変更になり 深夜 帰宅したんです。
みっちゃんは 帰ってきて すぐに➡
寝泊まりしていた部屋の クーラーの調子が悪いから➡
寝泊まりしていた部屋の クーラーの調子が悪いから➡
私の部屋で寝たいって言いだして。
当時 みっちゃんと ケンカをしていたものですから➡
私は 家を出て ビジネスホテルに泊まりました。
次の日の朝 ニュースで事件のことを知り➡
がくぜんとしました。
そのとき 気付いたんです。
私にとって➡
みっちゃんの存在が どれだけ大きかったか。
みっちゃんの存在が どれだけ大きかったか。
みっちゃんは この世界に必要な人です。
死ぬなんて あってはならない。
だから 私が➡
彼女になることにしました。
あの日 私のベッドで寝ていたのは 間違いなく➡
蒲生 美智留でした。
(立松)裁判長!
(裁判長)検事 どうぞ。
被告人は 芝居をしています。
被告人は 芝居をしています。
当時の捜査資料にも 明記されていますが➡
野々宮 恭子殺害現場に 残されていた➡
血痕のDNA型が 病院に保管されていた血液と➡
完全に一致している。➡
殺害されたのは 紛れもなく 恭子の方です!
いいえ 検事。
血液のDNA型が一致しても 他人なんですよ。
血液のDNA型が一致しても 他人なんですよ。➡
中学3年生のとき 被告人は➡
再生不良性貧血という 病気にかかりました。
《私のHLA型を調べたら 恭子と適合した》
被告人は運よく 蒲生 美智留の 骨髄を移植されて➡
この病気を克服しましたが➡
彼女の骨髄を移植されたために 被告人の骨髄で作られる血は➡
蒲生 美智留の血と 同一になりました。➡
蒲生 美智留の血と 同一になりました。➡
つまり 両者の血液DNA型が 完全に一致しているのは➡
そういう理由なんです。
うわああーっ!
そんな…。
俺は… あの人に褒められたい一心で➡
親父と姉貴を 殺したっていうのに…。
そ… それなのに…。
俺が みっちゃんを殺していたなんて!
俺が みっちゃんを殺していたなんて!
うわああーっ! (刑務官)やめろ!
(裁判長)証人は 退廷しなさい!
(刑務官)立て!
嫌だ! 俺が みっちゃんを殺したなんて…。
嫌だーっ!
裁判長 お聞きのとおり 被告人 野々宮 恭子は➡
1年前から 蒲生 美智留として 生きてきました。➡
従って 被告人は 鷺沼 紗代を殺害したとされる➡
従って 被告人は 鷺沼 紗代を殺害したとされる➡
蒲生 美智留ではありません。
本物の蒲生 美智留は➡
1年前に殺害され 灰になっているんです。
よって この裁判は➡
そもそも 成立していません。
♬~
♬~
♬~
(記者)完全勝利 おめでとうございます。
ありがとうございます。
しかし 誤認逮捕していたのですから➡
私の弁護うんぬんよりは➡
警察の捜査が お粗末だっただけでしょうね。
(テレビ)(宝来)厳罰化が進む 昨今の法曹界で➡
真に危惧されるのは 検察の暴走と➡
思慮の浅い裁判員による 冤罪の発生です!
思慮の浅い裁判員による 冤罪の発生です!
《バカな男》
《自分が優秀だと 思ってるやつほどバカなの》
《だから 弁護を頼んだんだけど》
《確かに 私は 顔を変えた》
この顔にしてください。
♬~
♬~
♬~
《でも その前に 別の医者の手によって➡
私は すでに顔を変えていたのだ》
《その道では 後ろ暗い経歴の 顧客を多く抱える➡
《その道では 後ろ暗い経歴の 顧客を多く抱える➡
絶対に 秘密の守れる医者だった》
《そこで 1回目の手術をした》
♬~
♬~
♬~
《つまり 私は➡
一度 恭子の顔にしてから➡
私の顔に戻った》
《蒲生 美智留から 野々宮 恭子に成り代わるために》
《私は 恭子じゃない》
《蒲生 美智留だ》
《蒲生 美智留だ》
《恭子のベッドに残っていた 血痕のDNA型が➡
恭子のそれと一致したのは➡
もともと 本人のものだったからだ》
《それから 恭子が あの日 寝るときにパックしていたのも➡
私が そう仕向けたから》
恭子って 研究熱心だから 私 負けちゃいそう。
あたしは ずっと あなたに憧れてるのよ。
だから 毎晩 同じパックもして➡
少しでも みっちゃんに近づきたいの。
《恭子は 私に殺意を悟られないように➡
《恭子は 私に殺意を悟られないように➡
パックをし続けた》
《あとは 弘樹君が➡
恭子を殺すよう 誘導すればよかった》
弘樹君に必要なのは➡
邪魔するものを乗り越え 排除していく力。
たとえ それが 親しい人であったとしても。
《家族への怒りをあぶり出し ちょっと色目を使ったら➡
拍子抜けするほど簡単に 操らせてくれた》
このままじゃ 私 恭子に殺されてしまうわ。
このままじゃ 私 恭子に殺されてしまうわ。
ねえ 恭子。
いつからだと思う?
私が あなたを 身代わりにしようと思ったのは。
《恭子が助かるなら 何でもする》
《これからも ずーっと一緒だよ》
《これからも ずーっと一緒だよ》
そう。 あのときからよ。
《ありがとう…》
あのときから 私は➡
いつか あなたを 身代わりにしようと思ってた。
なのに あなたは…。
あのときは 本当に さみしかったんだから。
あのときは 本当に さみしかったんだから。
そのあと 17年間も 私から逃げ続けて。
《キャー!》 《よく17年間も➡
逃げ続けられたわね》
《褒めてあげるわ 恭子》
あなたに再会できたとき どんなに うれしかったか。
あなたは かけがえのない人だから。
だって 私の身代わりは あなたにしかできないもの。
だって 私の身代わりは あなたにしかできないもの。
楽しかったなぁ。
あなたは どんどん変わっていって➡
ついに 私を殺そうとした。
ドキドキしたわ。
殺すのが惜しくなっちゃうくらい。
ねえ 恭子。
ねえ 恭子。
あなたは 私を殺して 私になろうとした。
でも できなかった。
だけど 今➡
私たちは 一つになれたのよ。
それが あなたの望んだことでしょ。
《これからも ずっと一緒だよ》
《みっちゃん…》
《みっちゃん…》
《みっちゃん…》
もう 一生 離れない。
♬~
《私は これから➡
野々宮 恭子として 生きてゆく》
《そして 私がしたことは これだけじゃない》
《恭子を身代わりにするためには 一度 逮捕されて➡
蒲生 美智留として 裁判にかけられる必要があった》
《そして 裁判で世間に➡
蒲生 美智留ではなく 野々宮 恭子だと➡
明かす必要があった》
⚟(ブレーキ音)
⚟(ブレーキ音)
(運転手)危ねえだろ!
おい 行くぞ。
《だから あのとき わざと 私の殺人の証拠映像が➡
見つかるように仕向けた》
あれも面白かったなぁ。
あなたが通報したの?
分かっちゃいました?
《あの子に声を掛けたのは➡
《あの子に声を掛けたのは➡
自然な流れで 警察に通報してもらうのが➡
目的だったから》
私 美智留さんの後継者に なれると思います。
《聡美は 私が思ったとおりに 動いてくれた》
《ありがとう 恭子》
《ありがとう 聡美》
チッ。
《ありがとう 宝来弁護士》
《あなたたちのおかげで 私は 新しい名前を手に入れた》
《蒲生 美智留が起こした事件は➡
もう決して 私に累が及ぶことはない》
《私は 自由》
《どこへ行くにも 何を画策しようとも➡
何を奪おうとも 誰を破滅させようとも》
何を奪おうとも 誰を破滅させようとも》
お久しぶりです。
野々宮 恭子さん。
あっ… 何でしょうか? お話って。
いつから コーヒーを?
あっ いや… 前は いつも 紅茶を飲まれていたから。
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そうでしたっけ?
麻生さん。
ありがとうございました。
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人間って 楽しい。
《あなたも 誰かが決めたルールに縛られ➡
《あなたも 誰かが決めたルールに縛られ➡
言いたいことも言えない つまらない人生には➡
さっさと 見切りをつけた方がいい》
《心の奥底に隠し持ってる 欲望に忠実になって➡
自分の人生を取り戻すの》
《たとえ 憎み合い 殺し合いになったとしても➡
その方が ずっと楽しいわよ》
あなたの敵は 誰ですか?
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