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《太一:ただいま。
(加奈子)だから
私のほうは無理だってば。
(加奈子)あっちに
子ども2人もいるし→
とてもじゃないけど
太一の面倒まで見切れないわよ!
(将士)それでも母親か?
実の子差し置いて
なんていいぐさだ!
実の子差し置いて
なんていいぐさだ!
なら あなたこそ引き取ってよ!
父親なんだから。
(将士)うちは だめだな。
彼女には とても
子育てなんかできない。
(加奈子)そんなの
ただの言い訳でしょ!
そうやって 結局 いつも…。
あなたは 自分のことしか
考えてないのよ!
(将士)なんだと?
だいたい もとはといえば→
お前がな!
(加奈子)なによ!
(源治)太一。
これからは
じいちゃんと暮らそう》
📱(アラーム音)
プラトンが60歳の頃
17歳の若きアリストテレスが→
アカデメイアに入門します。
アリストテレスは
プラトンの弟子でありながら→
師匠のプラトンの思想を
批判しました。
アリストテレスの思想については
また次回の講義で。
(終業チャイム)
あ〜。
(航平)えっ?
どうしたの?
講義 終わったけど。
腹減って…。
う ご け な い。
えっ なんて?
腹減った!
あぁ はいはい はい。
じゃあ ここで食べる?
えっ ここでいいの?
うん。
じゃあ… はい 弁当箱!
わかったから…。
出して!
はい はいはい。
今日は何かな〜?
早く 早く!
わかったって。
いっただきま…。
ハ… ハンバーグじゃないですか!
えっ 嫌い?
嫌いなわけあるか!
えっ 嫌い?
嫌いなわけあるか!
結婚したいくらい好きだわ!
そう。
よかったね。
しゃあ…。
あっ。
えっ?
そっちのほうが大きい。
同じだよ。
いや 大きいって。
えぇ… じゃあ 交換する?
えっ いいの?
うん。
いや… いい。
なんで?
なんか 子どもみたいじゃん。
なんで?
なんか 子どもみたいじゃん。
いや 子どもだし。
んっ? 今 なんか言ったろ?
言ってないよ。
言っただろ?
言ってない…。
言った!
言ってません。
言いました!
はいはいはい わかりました。
お前 俺のこと
子ども扱いしてんだろ?
食べますか?
た… 食べない。
う〜ん うまっ!
やっぱ 航平の母ちゃん
料理 上手だな。
まぁ 料理教室
やってる人だからね。
えっ すげえな。
いいなぁ お前 毎日
こんな うまいもんばっか食えて。
(安田)あっ いたいた 太一。
捜したよ。
お前 また うまそうなの
食ってんな。
ヘッヘッヘッ… あげないよ。
ところで お前
次の土曜 ちゃんと来いよ。
ところで お前
次の土曜 ちゃんと来いよ。
あぁ はいはい… わかってるって。
土曜日?
あぁ 映研サークルの
撮影があんだよ。
それがさ…。
あっ 暇だったら お前も来れば?
えっ?
杉原 来てくれんの?
いや 俺は…。
来いよ 楽しいから。
いや でも…。
1日だけだし。
でも 俺…。
じゃあ 飯!
いや ジュース おごる!
でも…。
でもでも うるさいな。
いいから来い!
わかったよ。
わかったよ。
わかったって言ったね 今。
絶対 来いよ。
ウエ〜イ!
ウエ〜イ!
よし じゃあ 段取り説明するぞ。
君たちは
事故で亡くなった高校生。
オーケー?
それが不思議な力によって→
よみがえったんだ。
ゾンビじゃん。
ゾンビだな。
俺 演技とか
したことないんだけど。
まあ大丈夫 お前
運動神経いいから→
たぶん大丈夫だろ。
運動神経 関係なくない?
たぶん大丈夫だろ。
運動神経 関係なくない?
意外とね いける。
(横山)ヤス 紹介していい?
はい。
いとこの美穂ちゃん。
協和女子の1年生。 暇してたから
手伝いに来てもらった。
(美穂)ねぇ 暇じゃないし。
じゃ よろしくな。
は〜い。
じゃあ メイクします。 よろしく。
お願いします。
お願いします!
よいしょ じゃあ お願いします。
あっ はい。
よいしょ…。
あっ…。
あっ…。
ありがとう。
(横山)シーン1 カット1。
用意スタート!
♬〜
♬〜
♬〜
(悲鳴)
(安田)おお いいね いいね。
太一のほうは
めっちゃいいじゃん。
杉原も 太一っぽく
キレ出して ガッてやってほしい。
杉原も 太一っぽく
キレ出して ガッてやってほしい。
キレ?
そう。
♬〜
うわぁ〜!
こんな感じかな? できた。
じゃあ つけま〜す。
オーケー。
あ… うんうん…。
どう?
うん めっちゃいい。
いい感じ いい感じ。
うん めっちゃいい。
いい感じ いい感じ。
オーケー じゃあ 行こう!
オーケー。
行こう 行こう!
頑張って〜。
(笑い声)
♬〜
(悲鳴)
はい カット! オーケー!
本日の撮影 以上になります。
ありがとうございました!
お疲れさま〜。
お疲れ〜。
お疲れ〜。
ハァ… ハァ…。
お疲れ。
お疲れさま。
はい 約束のジュース。
あっ… ありがとう。
うぃ。
あ〜 腹減ったな。
また食いてぇな
航平んちのハンバーグ。
太一のお母さんは
ハンバーグとか作らないの?
あ… うち 親が離婚しててさ。
えっ…。
あ… うち 親が離婚しててさ。
えっ…。
で 両方再婚するってんで
俺 じいちゃんと暮らしてんだわ。
そっか…。
ごめん。
ああ いいって。
全然気にしてねえから。
それより たまにはいいだろ
こういうのも。
えっ?
みんなで ワイワイするのもさ。
お疲れさま〜。
お疲れ。
お疲れさま〜。
お疲れ。
お疲れさまです。
お疲れ。
お疲れさまです。
お前 モテるだろ?
えっ 何?
モテるだろって。
いや よくわかんないけど…。
謙遜しすぎると嫌みだぞ。
いや…。
俺のこと知って
好きになるような人いないよ。
なんでだよ たくさんいるだろ。
なんでだよ たくさんいるだろ。
いいよ。
大事な人にだけ
わかってもらえれば それでいい。
(ドアが開く音)
あっ いたいた。
なんか みんなで
これから打ち上げしようって。
ああ おう。
よし 行くぞ航平。
いや… 俺はいい。
えっ? 行こうぜ。
いいよ。 じゃあ お疲れさま。
じゃあ 行こうか 太一くん。
ああ… うん。
おなか すいたね。
うん…。
あっ。
えっ?
(腹が鳴る音)
ほら おい 鳴るな! おい こら!
今のおなかの音?
そう おなか!
もう でかすぎてビックリしちゃった。
俺もビックリした 今。
あ〜 腹減った!
確かに!
ん?
📱(バイブ音)
よいしょ。
📱(バイブ音)
📱(バイブ音)
なんだよ 今バイト中。
📱(横山)昨日は楽しかったな。
あと お前のゾンビ 最高だったし。
うっせえな!
📱あ〜 でさ→
美穂ちゃんに
お前の連絡先 聞かれてさ→
教えといたからな。
美穂ちゃんが… なんで?
📱知らねえよ。
美穂ちゃんが… なんで?
📱知らねえよ。
📱お前に気があるんじゃね。
えっ?
📱頑張れよ!
📱(通話が切れる音)
♬〜
♬〜
(風間)お待たせしました。
コーラ!
コーラ はい ありがとうございます。
アイスティーですね。
はい。
ごゆっくりどうぞ。
ごめんね 急に連絡しちゃって。
ああ いや…。
で 話って?
うん… あのさ。
うん。
あの…。
杉原くんのことなんだけど。
はっ? 航平?
はっ? 航平?
杉原くん
かっこいいなぁって思って。
でも 連絡先とか
交換するタイミングなかったし→
太一くん
仲よさそうだったから→
いろいろ
教えてもらえないかなって。
そういうこと。
ごめん 迷惑だった?
いや 別にいいけど…。
ったく ヨコのヤツ。
杉原くん ふだんは
何して遊んでるの?
趣味は? 好きなものとか。
趣味は? 好きなものとか。
あ〜 さぁ… その辺は
俺もよく知らないけど。
ふ〜ん… 2人は同じ学部なの?
いや 違うけど。
えっ じゃあ
どこで知り合ったの?
まあ 会ったのは たまたまで。
で 今 俺が アイツのノートテイクしてて。
ノートテイク?
うん。
アイツ 耳悪いからさ→
講義の内容とか
聴こえにくいとこあって。
だから 俺が今
教授の言ったことを→
だから 俺が今
教授の言ったことを→
こう… ノートに書いてて。
えっ… 杉原くん
耳 聴こえないの?
あ〜 いやいや。
全然 聴こえないわけじゃ
ないんだけどね うん。
ウソ…。
ヤバい!
この小説と同じ!
主人公の女の子が耳の聴こえない
男の子と出会って→
恋する話なんだけど
私 今 ちょ〜ハマってて。
かわいそうな彼のために尽くす
主人公が マジで泣けんのね。
かわいそうな彼のために尽くす
主人公が マジで泣けんのね。
私 手話で会話とか
憧れてたんだけど→
今まで周りに
そういう人いなかったし。
なんか 物語の中の人って感じ!
何 言ってんだよ。
アイツは手話なんて使わねえし→
まったく
聴こえないわけじゃねえし→
かわいそうだなんて
勝手に決めつけんなよ!
かわいそうだなんて
勝手に決めつけんなよ!
それに アンタにとっては
物語の中の話でも→
アイツにとっては現実なんだぞ!
母さん。
(涼子)うん?
母さん。
(涼子)うん?
明日もお弁当 作ってもらえる?
うん いいよ もちろん。
ありがとう。
それでさ…。
うん。
お願いがあるんだけど。
うん?
ただいま!
じいちゃん いねえの?
ん?
前もって言っとけよ。
はぁ〜。
古代インドでは 輪廻転生といって→
人間は あらゆる生命に
生まれ変わると考えていました。
人間は あらゆる生命に
生まれ変わると考えていました。
仏教では
その生まれ変わった生命で→
精いっぱい 生きて
よい行動を重ねていくことが→
大切だと教えたのです。
次回は 解脱について
行いますので→
しっかり予習しておくように。
では 終わります。
(終業チャイム)
(終業チャイム)
太一。
ねぇ 太一。
太一?
えっ?
どうかした?
ボーっとしてたけど。
ああ… 平気 平気。
腹減っただけ。
じゃあ ここで食べる?
ああ… うん。
ありがとうございます〜。
さてさて さ〜て。
今日は なんだろうなぁ。
あっ。
すげえ。
結婚したいくらい
好きだって言ってたから。
ああ… うん。
ああ… うん。
撮影の日 誘ってくれたのに
先に帰っちゃったから→
おわびというか。
おわび?
味は どうか わからないけど。
じゃあ いただきます。
どう?
うまい。
すげえ うまい。
すげえ うまい。
やっぱ 航平の母ちゃん
料理 上手だな。
そう。 よかった。
なんか 今日のほうが
もっとうまく感じる。
そっか。
先に ノート写していい?
ああ いいよ。
ありがとう。
ああ ごめん ごめん。
ありがとう。
ああ ごめん ごめん。
この間さ→
親のこと
気にしてないって言ったけど→
あれ ウソでさ。
ホントは 結構
いじけてた時期もあってさ。
イライラして
周りに当たったりして。
でも そんなときさ…。
その日は俺の誕生日で→
じいちゃん
ふだん料理なんかしねえのに→
炭みてぇな真っ黒なハンバーグ
作ってくれて。
《食え。
ほら 食わねえのかよ。
いただきます。
はい 召し上がれ。
どうだ? うめぇだろ?》
このハンバーグ あんときと同じくらい
おいしいって思ったよ。
ありがとな。
おい 無視かよ。
え? なんか言った?
なんでもねえよ。
ごめん 聴こえなかったから。
いや もう…。
ごめん 聴こえなかったから。
いや もう…。
なんでもねえって。
大した内容じゃねえから
気にすんな。
ほら ノート終わったなら
早く飯食っちまえ。
太一が言ったんだよ。
え?
聴こえなかったら
何度でも聴き返せって。
聴こえないのは
俺のせいじゃないって。
あのとき うれしかった。
あのさ ハンバーグの話なんだけどさ。
ハンバーグ?
うん。
好きになったのはさ
中学の頃なんだけど→
その頃 ちょうど
親が離婚したばっかでさ→
そんときに俺はじいちゃんと
暮らすようになったんだよね。
あっ じゃあ俺 行くわ。
バイトあっから。
うん。
じゃあ。
また明日。
おう!
お願いがあるんだけど。
お願いがあるんだけど。
うん?
はい では…。
はい 混ぜて。
う うん。
えっ こ…。
このまま。
素手で?
いっちゃって。
はい。
ほい。
もっともっと。
もっと?
うん もうちょっと。
そう そう。
おお いいね。
うまい うまい。 いい感じ。
♬〜
《こんな ひだまりの中に
いるような毎日が→
これからも続けばいい。
でも…》
(耳鳴り)
(耳鳴り)
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