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Zulu
♬~
(松平元康)「待て待て~。 すばしこい兎め どこじゃ どこじゃ~!」。
「ピョン ピョン。 侍なぞに捕まるものか~。➡
ピョン ピョン ピョン」。
(徳川家康)やめよ!
(豊臣秀頼)共に乱世の夢を見ようぞ!
(喚声)
(茶々)共に行こうぞ 家康!
乱世の亡霊よ…。
さらば…。
♬~
(阿茶局)これでいかが?
はあ~。 これでよい。
わしに言いたいことがあれば 今じゃぞ。
これが最後かもしれん。
ありませぬ。
私は 最後と思うておりませぬので。
♬~
あっ 一つだけ。
よろしければ あのお話をお聞かせ願いとうございます。
あの話?
鯉。
コイ?
(阿茶)魚の鯉のお話でございます。
ああ… あれはな 信康と五徳の…。
明石殿。
(明石全登)後藤又兵衛 道明寺表の戦にて 討ち死にした!
まことか… 又兵衛殿が…。
(大谷吉治)長宗我部殿も 八尾での戦いのあと 行方知れずじゃ。
(真田信繁)汚い…。
戦とは汚いものよ。
(昌幸)戦は また起こる。
ひっくり返せる時が 必ず来る。
信繁。
(昌幸)乱世を取り戻せ。
愉快な乱世を泳ぎ続けろ。
♬~
(大野治長)家康が動いた。➡
自ら戦場に出てきおった。
(大野)茶臼山を奪い返す気であろう。
クソッ! 狸が!
♬~
我らが この戦に勝つ手だては ただ一つ➡
恐ろしき化け物の首を取ることである。
(大野)目指すは家康の首 ただ一つ。
(茶々)我が子らよ。 恐れることはないぞ!
この母は どこまでも そなたらと一緒じゃ!
(一同)お~!
(千姫)私も一緒じゃ。
武運を祈る!
(一同)お~!
大御所様 ご着到~! ご着到~! ご着到~!
大御所様 ご着到~! ご着到~! ご着到~!
おい。
前へ出せ。 敵から見えるようにな。
はっ。
(いななきと どよめき)
♬~
(大野)あの金扇目がけ 一気に駆け上がる!
(一同)はっ!
かかれ~!
(喚声)
♬~
うわっ!
(銃声)
一旦 引くぞ。 はっ。
引け!
(信繁)引くな~!
まことの武士どもよ 我に続け~!
(喚声)
♬~
突撃じゃ~!
(斬り合う音)
うわっ!
あ~!
♬~
≪(信繁)家康は近いぞ! 捜せ~!➡
家康の首を取れ~!
♬~
家康は ここじゃあ~! (こだま)家康は ここじゃあ~!
家康は ここにおるぞ!
家康がおったぞ~!
♬~
さあ 来い!
さあ 来い。
共に行こうぞ!
共に行こうぞ!
(喚声と銃声)
♬~
[ 心の声 ] 乱世の亡霊たちよ…。
[ 心の声 ] わしを…➡
連れていってくれ。
♬~
(足音と荒い息遣い)
♬~
(本多正信)また 生き延びてしまいましたなあ…。
天守が! 天守が燃えておるぞ!
♬~
とうとう終わるんですな…➡
長い長い… 乱世が。
♬~
(砲撃音) 早く運べ~!
(うめき声)
(本多正純)秀頼たちは 山里曲輪に逃げ込んでおるとのこと。➡
そして 大野修理から➡
千姫様をお返しすると 申し入れてきました。
(大野)ご用意できました。
お千。 輿を用意してある。 出よ。
(千姫)義母上と殿は?
嫌でございます。 私は 殿と義母上と共におります!
早う出よ。 行きませぬ!
私は 豊臣の妻じゃ! 行くならば 殿も義母上もご一緒でなければ。
(千姫)殿。 一緒に出ましょう。 (秀頼)お千。
余は 最後まで豊臣秀頼でありたい。
千は ただ…➡
殿と共に 生きていきとうございます!
(すすり泣き)
伯母上。➡
伯母上からもお頼みください。 伯母上。 (千姫の泣き声)
(常高院)姉上。
お初。
お千を頼んだぞ。
義母上!
♬~
殿。
♬~
お千。 よう無事に…。
大御所様!
我が夫と義母をご助命くださいますよう➡
何とぞ お願い申し上げまする!
豊臣には もう戦う力はありませぬ!
この期に及んで お二人を死なせる意味が どこにありましょう!
(徳川秀忠) お千。 戦の作法とは さようなものでは…。
大御所様に申し上げております!
♬~
お願い申し上げます。➡
お願い申し上げます!➡
お願い申し上げます!
♬~
秀頼を➡
深く慕っておるんじゃな。
私だけではございませぬ。
多くの者が あのお方を慕っております。
(千姫)あのお方は 夢を与えてくださいます。➡
力を与えてくださいます!
前途ある若き才をお救いくださいませ!
♬~
すまぬ。
ここで くじければ…➡
ここまでやって来たこと➡
全てが…。
私が命を下します。
そなたは何も…。 将軍として!
将軍として命を下す。
秀頼には➡
死を申しつける!
最後くらい 私に背負わせてくだされ。
♬~
(千姫)鬼じゃ…。
父上も おじじ様も!
鬼じゃ! 鬼畜じゃ!
豊臣の天下を盗み取った化け物じゃ!
離せ! 秀頼様を…!
(常高院)姫。 離せ…! 姫!➡
これは 姉と秀頼様が お選びになったことでもあるのです。
♬~
(泣き声)
離して。 離せ! 鬼じゃ! 秀頼様を返せ!➡
返せ! 返して!
(千姫の泣き声)
♬~
ふう~。
ふん! (小刀を腹に刺す音)
く…。
(腹を切る音)
ハア ハア ハア…。
母上…。
我が首をもって 生きてくだされ…。
ハア ハア…。
ああ~!
(介錯する音)
あ…。
♬~
見事であった。
(毛利吉政)お供いたしまする!
うおっ! (腹を刺す音)
(うめき声)
♬~
徳川は汚名を残し➡
豊臣は人々の心に生き続ける!
♬~
(腹を刺す音) うっ! うう…!
ハア ハア!
う~! (腹を切る音)
(介錯する音) ふっ! うう…!
♬~
ハア ハア…➡
ハア ハア…!
ハア…。
ハッ…。
日ノ本か… ハハッ。
つまらぬ国になるであろう。
正々堂々と戦うこともせず➡
万事長きものに巻かれ➡
人目ばかりを気にし 陰でのみ妬み 嘲る。
優しくて➡
卑屈な かよわき者たちの国に…。
己の夢と野心のために なりふり構わず力のみを信じて戦い抜く!
かつて この国の荒れ野を駆け巡った者たちは…➡
もう 現れまい。
♬~
茶々は➡
ようやりました。
♬~
(鈴の音)
♬~
かくして 天下太平 戦なき安寧の世が訪れたのでございます。
全ては 神の君のおかげ。
(老婆)浜松のだんごは 格別にうめえぞ~!
ありがとね。
(老婆)大御所様も 三方ヶ原で負けて逃げた折に➡
これを勝手に食って わしゃ こう… 金払え~って追っかけたんだわあ!
(笑い声) 情けないやっちゃで!
わしも家康っちゅうやつ 大嫌いや!
こざかしい立ち回ってな➡
天下かすめ取りよった 腹黒い狸やさかいな!
(笑い声) 何じゃと~!?
我らは 有象無象の声に惑わされることなく➡
正しく 君の偉業を伝えてゆかねばなりませぬ。
若き頃は どうすればええんじゃあと右往左往し➡
酒井忠次殿 石川数正殿に叱られること 数知れず。
(南光坊天海)駄目。 井伊直政殿 幼き頃➡
大御所様の命を狙わんとし…。
ろくなのがねえ。
(稲)鳥居元忠殿を伏見に残す際 別れの杯を交わして涙を流し…➡
駄目ですかね?
♬~
そういうの。
こういうやつを もっと集めよ 皆の衆。 (一同)はっ。
(秀忠)天海よ。 将軍様!
立派な話ばかり残すというのも いかがなものか…。
世間では 狡猾で恐ろしい狸と➡
憎悪する輩も多ございます。
(天海)かの源 頼朝公にしたって➡
実のところは どんなやつか分かりゃしねえ。
周りが しかと たたえて語り継いできたからこそ 今日➡
全ての武家の憧れとなっておるわけで…。
(秀忠)だがのう 人は誰しも 間違ったり 過ちを犯したりするものであろう。
人ではありませぬ。
大権現!
全ては 天が 私たちにお授けくださった神の君が➡
この金色の具足をまとった その日から➡
天下太平のため 邁進してくださったおかげでございます。
我らは それを受け継ぎ➡
未来永劫 徳川の世を守ってゆかねばならぬのです。
若君ならばできまする!
竹千代様には 偉大なる神の君の血が 受け継がれておられるのですから。
ようございますな? 竹千代様。
竹千代様…。
は…。 終わりましたか。
結構なご高説でございました 福殿。
若君は?
若君。 しかと聞いておられたのか!
神の話なんぞ聞きたかないや。
なんと罰当たりな!
フッフフフフ…。➡
やはり 面白き若君でございますなあ。
ああ~ 頭が痛い!
♬~
やはり お加減すぐれぬご様子で?
わざわざ 江戸よりお見舞いに来ていただいたのに➡
申し訳なきことにございまする。
(正信)近頃は 阿茶様がお一人でお世話を?
(阿茶)若い者たちは怖がって 寄りつきませぬ。➡
万が一 お世話をしている時に粗相があったり➡
もしものことがあった場合➡
いかなる処罰を受けるかと➡
あらぬことを考えて おびえておるのでしょう。
(阿茶)もっとも…➡
誰しも神の世話などしたくないのが 道理かもしれませぬ。
(正信)大御所様。
(正信)殿。
(正信)殿。
♬~
わしのような者を信用してくださり➡
深く 深く感謝しております。
わしも すぐに参ります。
まっ ご迷惑かもしれませんがな。
♬~
殿…。
♬~
長きにわたり➡
まことに ご苦労さまでございました。
♬~
天が遣わした神の君…➡
あるいは 狡猾で恐ろしい狸…➡
いずれにしても 皆から畏れられる 人にあらざるものとなってしまわれた…。
(阿茶) お幸せだったのでございましょうか…。
戦なき世をなし…➡
この世の全てを手に入れた。 が…➡
本当に欲しかったもの ずっと求めていたものは…。
≪殿。➡
殿。
(風の音)
(ふすまが開く音)
もう出ていってもよいかしら。
(瀬名)はあ~。
瀬名…。 (松平信康)あ~ くたびれた。➡
もう隠れなくて ようございましょう。
(瀬名)はあ…。 信康…。
お前たち…➡
ずっと そんな所に…。
父上 戦なき世 とうとう成し遂げられましたな。
(瀬名)ようやりました。
私の言ったとおりでしたでしょう。 成し遂げられるのは 殿だと。
ご立派なことでございます。
立派なことなんぞ…。
やってきたことは…。
ただの人殺しじゃ。
あの金色の具足を着けた その日から➡
望んでしたことは 一つもない…。
望まぬことばかりを…➡
したくもないことばかりをして…。
♬~
(足音)
♬~
(竹千代)おじじ様。 上手に描けたので 差し上げます。
♬~
(信康)不思議な子でございますな。
竹千代… 後継ぎじゃ。
(瀬名)初めてお会いした頃の 誰かさんにそっくり。
あの子が 鎧をまとって 戦場に出なくてよい世の中を➡
あなた様が おつくりになったのでしょう。
♬~
(瀬名)あの子があの子のままで 生きていける世の中を➡
あなたがご生涯を懸けて成したのです。
(瀬名) なかなか ご立派なことと存じますが。
母上。
存外 見抜かれているかもしれませぬな。
あなたが狸でもなければ ましてや 神でもないということを。
♬~
(瀬名)みんなも待っておりますよ。 私たちの白兎を。
(足音) (鳥居元忠)殿!
(戸を開ける音) (元忠)起きてくだされ!
(平岩親吉)大変でございますぞ 殿!
(元忠)殿! いつまで寝ておられる!
(親吉)起きてくだされ! 早う!
随分 よう寝た…。
何じゃ? 改まったなりをして。
何を寝ぼけたことを! 今日が何の日か お忘れか!
(親吉)今日は 若君様のご祝言の日でございましょう!
(にぎやかな声) 急げ!
(にぎやかな声)
そうか…。
そうであった! ええ。
(登与)若様! お待ちくだされ!
(竹千代)信長の姫など要らん! 祝言など挙げん!
(登与)わがままを申されますな! 若様 若様! お着替えを!
ハハッ しょうのないやつじゃ。
姫様は こちらへ向かっておるのか?
殿 のんきなことを言っとる場合では ござらん。 大変でござる!
(親吉)池の鯉が…。 鯉?
ああっ 先頃 信長様から贈られた鯉でござる!
(木下藤吉郎)おめでとうごぜ~ます!
美濃攻めのさなかというのに➡
わざわざ届けてくださり かたじけない 木下殿。
(藤吉郎)いやいやいや! この猿めは➡
言われたとおりにお届けしたまでだがや。 ご両家の絆と繁栄の証しにと➡
信長様御自ら お選びになったものでごぜ~ますからな。
信長殿自ら…。 ああ…➡
このいっちゃんでけえのが あれ 信長様。 で その隣 あれ 家康様。➡
で これが 若君様を表しとるっちゅうことで➡
なんとまあ ありがて~こってごぜ~ますなあ!
ああ。
その鯉がどうした?
おりませぬ。 おらぬ?
ゆうべまでは 確かにおったんですが➡
3匹とも… いや お三方とも池におりませぬ。
おらぬ!? ええ。
万が一 鯉の身に何かあったら➡
そん時ゃあ ど~なるか… わしゃ知らんで…。
気ぃ付けや~せ。
なぜ よう見張っておかぬか!
(親吉)今 忠世殿が あちこち捜し回っておりますが…。
(大久保忠世)殿! 殿! おおっ 忠世 見つかったか!
(忠世)それが… このようなものが落ちておりまして…。
ほ… 骨!?
誰かが食っちまったものと…。
どこのどいつじゃ あほたわけが!
(酒井忠次)何ですと!? (石川数正)万が一 信長様に知られたら…。
はあ…。 (渡辺守綱)殿!➡
織田様からの使いが参りまして 五徳様 間もなくご着到なさります!
つきましては 信長様も一緒に お見えになるそうでございます…。
い… 今 何と申した! ですから 信長様も一緒に。
贈った鯉を見るのを 楽しみになさっているそうで。
何で信長が来るんじゃ! はあ~ いや…。
(於大の方)鯉? ゆうべ ここで➡
鯉をさばいたやつがいるはずなんじゃ。 心当たりはありませぬか?
さあ? 誰か知っておるか?
(お杉)わ… 私らは 朝一番に来ましたが…。
(お梅)誰もおりませなんだ。 のう?
(お竜)ええ。 だ~れも。
ああっ あら。 あ~ こ… こんなところに。 うん?
笄?
これは 本多家の!
お前たちであろう! 庭にいたところを見たという者もおるぞ。
(本多忠勝)ハッ な… 何のことやら 分かりませんなあ。
(原康政)我らはゆうべ 庭で槍の稽古をしていたまで。
そうじゃ。 確たる証しがあるぞ。
これは 本多家のものであろう!
ハ… ハッ こ… この俺が➡
笄を落とすような まぬけとお思いか!
殿。 本多家は 平八郎だけではござらぬ。 そうじゃ。
あっ そういえば のんべえ殿と夏目殿は➡
ゆうべ遅くまで酒を飲んでいたと 聞きました。
忠真と夏目が? 我が叔父に限って そのような!
本多忠真! 夏目広信!
(夏目広次)夏目広次にございます。
そうであった…! それは どうでもよい!
ゆうべ鯉を食ったろ。 信長の鯉を!
私どもは あぜ豆をつまみながら ちびちびやっていただけで…。
忠真。 忠真!
台所に落ちておったぞ。 (本多忠真)うん?
かたじけない。 だが 水を飲みに行っただけ。
わしは もう酒を断ったんじゃ!
疑うとは なんたる無礼! 七之助~!
違う! 七ではない。 これは殿じゃ!
いいぞ 平八郎…。
あっ! そういえば➡
鯉に目がないお方がお一人…。 誰じゃ。
(鳥居忠吉)いくら鯉に目がない わしでも あの宝物を食うたりはいたひまへん!
多分。 多分?
う~ん… 近頃は物覚えがとんと…。
昔のことは よう覚えてるんですが ゆうべのこととなると…。
鯉を食うたかどうかぐらい 覚えておろうが!
食うておりまへん!
…と思います。 はっきりせい!
もし食ったのなら…。
成敗せねばならん。 食った。
食うたかもしれません。 きっと食うた。
食ったんじゃ。
食ったんじゃな?
織田様御一行 ご着到にございます!
♬~
ひょの! お手討ちにしてくだされ。➡
誰かが首を差し出さねばならぬのなら➡
この老いぼれから お願い申し上げます。
♬~
はあ…。
もうよい。
よい とは?
大事な家臣を…➡
鯉と引き換えにはできぬ。
ひょの…。
信長様には 何と?
正直に言うしかあるまい。
信長様の逆鱗に触れたら?
そんな相手なら 縁組みなんぞ こっちから願い下げじゃ。
では 鯉を食うても お許しくださるので?
鯉は所詮 鯉じゃ。
食うて何が悪い。
そのお言葉 待っておりました!
ん? (於大)よう申した 家康。
皆の衆 殿からお許しが出たぞ。
これで晴れて 鯉が食べられますな!
(笑い声) 鯉?
こんな見事な鯉を 食わない手はありませんからな!
(忠吉)よだれが止まらんかったわ。
(忠勝)何が宝物じゃ ばかばかしい。
(康政)信長にこびへつらうなら まだしも 信長の鯉にまで へつらっていられるか。
大事にしたって どうせ死ぬんじゃ さっさと食っちまった方がええわ!
(親吉)そうじゃ そうじゃ!
まんまと担がれましたな。
殿。 ほんの戯れでございます。 お許しを。
戯れで済むか! 今から信長に謝るのは わしなんじゃぞ!
殿。 信長様は 美濃攻めのことで大忙し ここへ来られるはずございますまい。
はあ~ よかった~。
(笑い声)
よくないわ! ばかにしおって!
(笑い声) 笑うな!
主君を一同で からかうとは なんという家臣どもじゃ!
それが ひょのと家中の よいところじゃ!
もし わしが あのまま手討ちにしたら どうするつもりだったんじゃ!
さようなことはなさらぬと 信じておりました。
皆 よう分かっておるのでござる。
殿というお人を。 そのお心を。
♬~
殿。 まことに ありがとうございました。
♬~
ありがとうございました。
ありがとう存じます。
ひょの。 お礼を申し上げまする。
何もかも 殿のおかげでございます。
いつまでも お支えいたしまする。
わしらは ずっと 殿と一緒じゃ。
どこまでも ついてきますぞ。
ありがとうございました。 殿。
♬~
こちらこそじゃ…。
♬~
心より➡
感謝申し上げる。
♬~
(瀬名)お幸せでございますな 殿。
♬~
そうじゃな。
わしは…。
ハハ…➡
幸せ者じゃな。 ハッハッハッハッ…。
♬~
(一同)♬「海老すくい 海老すくい」 (忠次)♬「ハァ」
(一同)♬「海老すくい 海老すくい」
♬ お婿様は どこらほどにおりゃしゃあす
♬「鮒 鮎 鮒 鮎 鮒 鮎 鮒 鮎」
(忠次)♬「ハァ」 (一同)♬「海老すくい 海老すくい」
(忠次)♬「ハァ」 (一同)♬「海老すくい 海老すくい」
♬ お嫁様は どこらほどにおりゃしゃあす
(歓声)
(忠次)♬「ハァ」 (一同)♬「海老すくい 海老すくい」
(忠次)♬「ハァ」 (一同)♬「海老すくい 海老すくい」
なんとよき光景でしょう。
こんなよき日は 二度ありましょうや…。
まるで戦などないみたい。
わしがなしたいのは 今日 この日のような世かもしれんな。
是非とも あなた様が作ってくださいませ。
わしには無理じゃろう。
フフ… ただの白兎ですものね。
ハハッ そうじゃ。 フフフ…。
だが この者たちを見ていると➡
いつの日か そんな世が来るような気がするのう。
まことに…。
♬~
♬~
わしは信じるぞ。 いつかきっと そんな世が来ると。
フフ… はい。
♬~
いつか きっと…。
♬~
「東照社縁起」 家康の生涯をつづった絵巻物です。
150年に及んだ戦国時代。
家康は 乱世の終わりを見届けたかのように➡
75年にわたる波乱の生涯に 幕を下ろしました。
死期を悟った家康は 枕元に側近たちを呼び寄せ➡
遺言を伝えたといいます。
「遺体は久能山に納め 一周忌が過ぎた後 日光山に移すべし」。
その御霊は 東照大権現という名の 神として日光に祭られ➡
三代将軍家光の手により 現在の姿に造り替えられました。
家康の辞世の句として伝わっている歌が あります。
家康公 ゆっくりお休みくだされ。
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