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♬～

(夏目匠)何？ それ｡

(千堂八重)お姫様と王子様｡

はぁ？ それ
なりたいもん描くやつじゃん｡

なりたいもん お姫様｡

ば～か｡ 姫ってのはな
生まれつきなの 生まれつき｡

目指してなれるもんじゃねぇから｡

お前 小２にもなって
そんなことも知らねぇの？

ば～か ば～か ば～か！

ばかって言ったら そっちがばか！

か～ば か～ば か～ば！

かばって言ったら そっちが…｡

かば｡

あっ どうぞ｡

あっ 大丈夫です 大丈夫です
ありがとうございます｡➡

良かったね｡

あっ…｡

あっ… 大丈夫｡

♬～

あっ！降りるんだった 私 ここで｡

すいません すいません｡

(ｴﾝｼﾞﾝ音)

あっ ２０分後か～｡

はぁ～ よし｡

♬～

♬～

おはようございます｡
(美咲)おはようございます｡

間に合った｡

(美咲)
八重ちゃん ありがとね 昨日｡

いや 全然 全然｡ まーくん どう？

(美咲)う～ん
もう 熱も下がって 元気 元気｡

良かった｡

ごめんね いつも
急に代わってもらっちゃって｡

全然｡

ありがとう｡➡

これ 大したものじゃないけど｡
えっ 何？ 何？

クッキー｡
助けてもらっちゃってるから➡

いつも｡
いいのに 全然｡

今 ここ切られたら
ほんとヤバいんだよね｡

ばかみたいにかかるからさ お金｡
だから ほんとに助かってる｡

ははっ｡
ありがとう ふふっ｡

はい これ 来月のシフトね｡
(美咲)ありがとうございます｡

はい よろしく｡
ありがとうございます｡

はい｡

(美咲)待ってください｡

何なんですか？ これ｡

あれ？
連絡いってない？ 派遣会社から｡

困ります 急に こんな…｡

あぁ～ ごめんね｡➡

本社から派遣
１人でいいって言われちゃってさ｡

お願いします せめて
次の派遣先 見つかるまでは…｡

厳しいんだよね こっちも｡
申し訳ない｡

♬～

店長｡

えっ かっこいい｡

えぇ～ えっ 芸能人？
えっ… すごい｡

夏目様 お待ちしておりました｡
ご確認をお願いいたします｡

♬～

１回で｡

♬～

えぇ～ 八重さん
辞めちゃうんですか？

そうなんだよ～｡

待って 無理～
えっ 派遣切りってやつ？

ははっ｡
えっ だったら それ➡

美咲さんじゃないですか？
切られるの｡

だよね｡
うん｡

当欠しまくりじゃん？
わかるよ シンママで大変なの…｡

違うって｡ 違う違う｡

ちょっと やりたいこと出来て｡

やりたいこと？

♬～

(二木谷)
面白いわ いつも 君の設計は｡

お気に召していただき光栄です｡

では
こちらで進めさせていただきます｡

(二木谷)グリーンも
また彼がやってくれるの？

はい
今回も進藤将暉が担当いたします｡

(二木谷)
うれしいね 面白いからね 彼も｡

進藤に伝えます｡

あっ！

社長 フライングですが➡

お誕生日おめでとうございます｡
えぇ～｡

ははははっ｡
ははっ｡

(二木谷)
でも 来るんでしょ？ パーティー｡

あぁ～ 社長
すいません 実は その日…｡

来ないとは言わせないよ｡

約束したよね？
今度こそ会わせてくれるって｡

奥さん｡

♬～

社長 ﾃﾞｻﾞｲﾝ案どうしましょう？
Ｂ案｡

社長 さっきの
打ち合わせの件なんですけど｡

まとめといて｡
はい｡

社長 あさっての
ミーティングの件なんですけど｡

一旦任せるわ｡
はい｡

♬～

あぁ～ くっそ…｡

はぁ～｡

いらっしゃいませ｡

あっ はぁ…｡

えっ オーストラリア？

(恭平)うん 急な辞令で
再来週には たたないとでさ｡

一緒に来てほしい｡

…とは言えない 正直｡

えっ？
(恭平)多分 俺➡

自分ばっかになっちゃうと
思うんだよね｡

…っていうか なってるか もう｡➡

遠恋って年じゃないしね お互い｡

うん｡

別れよっか｡

うん｡

そのほうがいいと思う｡

そうしよう｡

うん… じゃあ 行くね｡

頑張ってね｡

あのさ…｡

(進藤将暉)
れ～っす｡ もう出れる？

はっ 何だよ れ～っすって｡

えっ お疲れっすの略｡

お疲れっすも
お疲れさまですの略だろ｡

あれ？ 何か不機嫌？

あぁ～ いつもか｡

順調ですか？ 現場は｡

おう 順調 順調｡
なんなら巻きそう｡

おっ マジか 助かるわ｡

悪ぃ 進藤
ちょっと先 行っててくんねぇ？

はぁ～ 何でよ
せっかく迎えにきたのに｡

寄るとこ出来ちゃった～｡

しないほうが良くない？
えっ？

確実に仕事につながるやつだから
今日の合コン｡

独りって思わせたほうが絶対…｡

やめたの そういうやり方｡

ほら めんどくせぇじゃん 後々｡

はぁ～
変わるね やっぱ 結婚すると｡

いや
べつに そういうわけじゃねぇ…｡

ほんとにしてればの話だけど｡

(回想 恭平) あのさ…｡

そこまで好きじゃなかったでしょ
俺のこと｡➡

いや 俺が悪いんだけど｡

ちゃんと
好きになってもらえなくて｡

そんなことないって
私 ほんとに…｡

(恭平) ごめん➡

こんなこと言うの
めちゃくちゃひきょうだけど➡

もし… もし➡

八重が それでも一緒に行きたい
って言ってくれたら…｡

そのときは腹 決めようって｡➡

でも 言わないな 八重はって｡

ごめん｡

(恭平) 思ってた｡

♬～

ううっ…｡

ふぅ～｡

ただいま～｡

(はるか)八重？

えっ… あの えっ➡

今日 泊まりって…｡

あっ… あっ うん ふふっ➡

うん そうそう
お泊まり お泊まり うん｡

ちょっと あの 忘れ物｡

ははっ… ははははっ｡

はははっ｡

忘れ物って…｡

あっ｡

すいません｡

こちらでしょうか？

はい ありがとうございます｡
あっ 良かったです｡

はい｡

♬～

ザー…(雨の音)

♬～

いった…｡

あぁ…｡

♬～

あぁ…｡

♬～

大丈夫？

あっ… 全然大丈夫です｡

ありがとうございま…｡

たっくん？

八重｡

♬～

ごめんね 何か｡

乾いたら帰れよ｡

もちろん もちろん｡
ごめん 迷惑かけて｡

あっ… 大丈夫？

奥様に ご挨拶とか…｡

はぁ？ いねぇし｡

でも 指輪｡

あぁ～ これ？

これは➡

ダミー｡
ダミー？

取引先の社長に
頭古いじじいがいてさ➡

男は所帯を持って一人前➡

独身の男とは仕事しないとか
言っちゃって｡

えっ？ そのために？

今は集中したいんだよね 仕事に｡

えっ 何やってるの？ 仕事｡

建築士｡
へぇ～ すごい｡

一級ね 一級｡
級の上は段？

いらねぇから そういうボケ｡
ボケ？

ちっ… ほんと変わんねぇな お前｡

あっ… いやいや いや
変わったよ さすがに｡

１０年前でしょ 最後に会ったの｡

肌とかも全然…｡

ば～か｡

中身だよ 中身｡

ふふっ…
たっくんも変わんないね 全然｡

ちょうど見たんだよね 今朝➡

たっくんの夢｡
えっ？

覚えてる？ 小学校のとき➡

たっくんちで夏休みの宿題
やらせてもらってたじゃん｡

将来の夢の絵➡

私がお姫様の絵 描いたら
たっくん すごいばかにして｡

か～ば か～ば か～ば！

かばって言ったら
そっちが かば｡

たっくん 嫌い！

覚えてるわけねぇだろ
そんな どうでもいいこと｡

ははっ… やっぱり｡

なれなかったな➡

お姫様｡

たっくんも
全然 連絡くれなかったよね｡

こっちからしてもスルーだし｡

でも 頑張ってたんだね たっくん｡

すごいよ ほんと｡

で？ お前は？

何してんの 今｡

あっ…｡

派遣でカフェの店員… だった｡

来月は まだ未定｡
えっ？

今日ね 彼氏とも別れちゃって｡

もうね➡

人生白紙？

頑張ってこなかったからさ 私｡

だから ほら あれ➡

自業自得ってやつだよね｡

今 私 何もないの｡

ううっ…｡

頑張れば良かったな 私も何か｡

♬～

ピー！

あっ…｡

終わったかな？ 乾燥｡

あのさ｡
ん？

どした？

バイトしねぇ？

バイト？ えっ 何の？

嫁 俺の｡

えっ？
正確には➡

嫁のふり｡

えっ… どういうこと？

さっき話した大口の社長➡

あと半年で娘に会社 譲るって｡

それまで
俺と うその結婚してほしい｡

うそだってバレたら
正直 会社がヤバくなる｡

だから 完璧に演じてほしい｡

そのかわり➡

家賃も光熱費もいらねぇ｡

余ってる部屋 好きに使っていい｡

生活費も俺が全部出す｡

婚姻届 出すってこと？

そんなのいらねぇ｡

♬～

おいしくねぇ？

無理だよ
そんな完璧に演じるとか絶対無理｡

自信ないし 後➡

今 私
ルームシェアしてて 友達と｡

急に私 出てったら
困ると思うんだよね 家賃とか｡

♬～

ていうか➡

良くないよ たっくん｡

好きでもない相手と
うその結婚なんて｡

好きな人としなよ ほんとの結婚｡

わかったよ もういい｡

ごめんね 力になれなくて｡

終わってるけど？ 乾燥｡
あっ… うん｡

つうかさ➡

お前に言われたくねぇわ｡

えっ？
うそつきじゃん 昔っから➡

お前のほうが｡

降りるんだった 私 ここで｡

ちょっと やりたいこと出来て｡

別れよっか｡

♬～

ただいま～｡

(はるか)八重｡

何だ これ｡

えっ？ プロポーズ？
(はるか)ふふっ｡

えぇ～！それで それで？

きゃ～！
ははははっ｡

おめでとう～！
ありがとう｡

良かったね ほんと｡
ふふふっ｡

あっ…➡

じゃあ ここは？

ううん
全然大丈夫だから ゆっくりで｡➡

八重が引っ越せるタイミングで
全然｡

はるか 本当のこと言って｡

できたら早く彼と住みたい｡

よし｡
えぇ～ ごめん｡

全然ごめんじゃないし｡
う～ん でも➡

私からルームシェア誘ったのに｡

ほんとにごめん｡

良かった～！
えっ？

すっごい偶然｡

実はね 私も昨日…｡

♬～

(着信音)

たっくん ごめん｡

やっぱ やらせて バイト｡

今日 家もなくなって｡
はぁ？

でも そんなことより➡

頑張ってみたい｡

私も 何か｡

私 うそつきだけど➡

そんな自分 ほんと やだけど➡

でも それで誰かの…｡

たっくんの役に立てるなら➡

頑張ってみたい｡

まあ➡

いいけど べつに｡

ありがとう｡

じゃあ 荷物まとめるね｡

♬～

ふぅ～｡

♬｢本音と建前｣

…っしゃ～！

やっほ～！ははははっ｡

あぁ～！よっしゃ～！

好きな人としなよ
ほんとの結婚｡

お前なんだよ ば～か！はははっ｡

うぅ～ はははっ｡

♬～

♬～

たっくん 嫌い！
ガラガラ ガラ… (戸の開閉音)

(健斗) おじゃまします｡

けんちゃん 来た｡

♬～

してやるよ➡

お姫様に｡

♬～

♬～

大丈夫？
たっくん？

(健斗)お姫様にしてあげる
俺とたっくんで｡➡

いるとか？
好きな子には好きなやつ｡

今日から よろしくお願いします｡