All language subtitles for Pandora.no.Kajitsu.Kagaku.Hanzai.Sousa.File.S03EP04.1080p.HULU.WEB-DL.AAC2.0.H.264-MagicStar

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Original subtitles

(シャッター音)

(奥田玲音) 室長は?

(最上友紀子) まだ 中

(長谷部 勉) あんなん見せられちゃな

(奥田) うん

口封じに殺されたんですかね?

(最上) それにしたって なんで あんな…

(最上) 絶対 何かあるよ

(長谷部) 何かって何だよ? (最上) それが分かれば…

(小比類巻祐一) その謎を解くのが 我々の仕事です

(小比類巻) 行きましょう

(皆川隆司)“あれ”が… 復活したということですか?

(桑畑 慎) 彼女が必要になる

監視下に置け

(皆川) はい

(ドアの開閉音)

(小比類巻) 解剖医によると――

直接的な死因は 重度の肺炎と脳炎だそうです

肺を中心に菌核が形成され 菌糸が伸びて

脳 および 全身に感染が 広がっていったのではないかと

コッヒー あとは私が説明する

(小比類巻) いえ 私が説明したほうが…

(奥田) 室長は座っててください あんまり寝てませんよね?

(小比類巻) 平気です

(長谷部) 博士の説明のほうが 分かりやすいんですよ

(小比類巻) フフッ… じゃ…

(最上) じゃ 続けるよ

その体から生えてるキノコみたいの あるよね?

あれが冬虫夏草の一種かもって話

(長谷部) とうちゅうかそう?

中華が絡んでんのか?

(奥田) どう絡むんですか

博士 スルーしてください

(長谷部) いや かみ砕いて説明してくれ

分かりやすく言うと 虫から生えるキノコって感じかな

(長谷部) 虫からキノコは 絶対 生えない

…て思うじゃん? でも 昔から あって

ほら これ

(奥田) うわ なかなかですね

(最上) 菌糸が 生きている昆虫に寄生し

その体を養分にして 子実体… 分かりやすく言うと キノコを作るの

冬には 虫だったのに――

夏には 草になってるっていう 信じ難い状態から――

この名前が付いたみたいね

博士 それで本気出してんのか?

(最上) えっ?

(奥田) まだ分かんないんですか?

キノコが 虫を乗っ取ったってことですよ

中国じゃ 漢方にも使われてます

(長谷部) やっぱ 中華 絡んでんじゃねえか

(奥田) 全く話通じない

博士 続けてください

(最上) いや 続けるも何も――

人間に寄生する冬虫夏草なんて 聞いたことないんだよね

死んだ人間なら まだしも 生きている人間には免疫があるから

寄生されるなんて やっぱ 考えにくいんだよね

(長谷部) さては お手上げだな

(小比類巻) 今回は 専門家の話を 聞いたほうがよさそうですね

御門凛子がいいんじゃない?

(長谷部) 知り合いか?

(最上) 違うけど 知らない?

南極の氷から発見された 太古のキノコを復元させた――

キノコ博士

(電話の着信音)

(御門凛子) いかがですか?

(鈴原大樹) あっ 少々 お待ちください

先生 お電話が…

話し中ですから あとで

はい

あ~ すいません 今 ちょっと…

(小比類巻) 今は どちらの研究所に いらっしゃるんでしょうか?

(奥田) 現在は――

多摩理科大学教授で

過去に 湘南真菌類研究所で――

プロジェクトリーダーを 務めていたようです

(小比類巻) “氷床コアから蘇った太古のキノコ”

“胞子から復元に成功”

当時 話題になりましたよね

(長谷部) なあ これの どこがキノコなんだ?

私たちが思ってるキノコって キノコの本体じゃないの

じゃあ 俺ら 何を食ってんだ?

(最上) 専門用語で言うと“子実体”

これが いつも食べてるキノコ

子実体から――

目に見えないくらい小さな胞子が ばらまかれて

それが発芽して “菌糸”になる

菌糸が また集まって 子実体が生まれる

キノコの本体は菌糸で

植物で言うと 葉や枝 幹や根っこって感じで

子実体は 花や実って言えば 分かりやすいかな

(長谷部) なるほどねえ

これが こう来て…

(奥田) どうせ復元するなら――

子実体まで育てたほうが いいですよね

そしたら 食べられるじゃないですか

それがね 菌糸から子実体になる仕組みは――

まだ解明されてないの

だから 復元しようと思っても できない

(奥田) でも スーパーに キノコ たくさん並んでますよね

あれは?

(最上) 市場に出回ってるのは ごく一部のキノコなの

しかも 子実体が発生するメカニズムが 分かってるわけじゃなくて

どんな環境を整えたら 子実体が育ちやすいか

その経験値だけで作ってるの

(奥田) あ~ じゃあ 太古のキノコの子実体はムリか

(長谷部) エノキもナメタケも 経験値で できてんだな

(最上) それ どっちもエノキだから

(長谷部) 何言ってんだよ?

キノコ博士が復元した菌糸って もうないんですよね

(最上) その火事で失われたみたいね

火事?

(奥田) 研究員も 亡くなってるんですね

(最上) 研究 断念しちゃったんだよね

(長谷部) いや キノコなくなったんだから――

そりゃ断念するだろ

(最上) 私なら どうにかして 研究 続けるけどな

博士ならな

それより このキノコ博士 美人すぎねえか?

それ ルッキズムです

なに? ルッキズムって

ハァ… 外見で人を判断するなって 言ってるんです

いや 俺 別に外見で判断してないよ

(奥田) してますよ (長谷部) いや…

きれいだなって思っただけで…

(最上) コッヒー?

橘が あのような状態になったのは――

胞子が体内に 入ったからなのでしょうか?

(最上) うん 肺炎になってるからね

胞子を吸い込んだ可能性が 高いと思う

まあ ホントに 寄生されてたらだけど

この方なら…

何か分かると思う

♪~

~♪

(鈴原) お待ちしておりました! ご案内いたします!

えっと ぼ… 僕… 私は 御門研究室の鈴原と申します

鈴原大樹と申します

(長谷部) 警察だからって そんな緊張しなくていいぞ

(鈴原) いや 最上博士と お会いできるなんて 光栄で…

あっ 最上博士! 入館証です

(長谷部) 博士のファンって いっぱい いんなぁ

(鈴原) どうぞ こちらです!

(鈴原) この研究棟では――

キノコだけではなく カビや酵母など――

真菌類と分類されるものを 扱ってます

(長谷部) しんきんるい?

(鈴原) はい

菌類は もともと キノコ カビ 酵母のことだったの

でも 顕微鏡の進化で バクテリア… つまり 細菌が発見されて

それと区別するためにも 真菌類って呼ばれてるの

(長谷部) まあ キノコも いろいろあるってことね

(奥田) びっくりするぐらい 分かってないですね

(ノック) (鈴原) 失礼します

どうぞ 中へ

(奥田) 博物館みたいですね

(長谷部) キノコ博士って感じだよ

(最上) …で どこにいんの?

(鈴原) あれ? いや さっきまで いたんですけど

(長谷部) ウエッ…

なに? この気持ち悪いキノコ これも食えんのかな?

(御門) 死ぬ覚悟さえあれば どんなキノコでも食べられますよ

(長谷部) こんにちは (小比類巻) はじめまして 御門さん

科学犯罪対策室の…

(御門) 小比類巻さんですね 概要は伺っております

(施錠音)

(最上) なに? この部屋

(鈴原) 教授専用のラボです

(御門) こちらへ どうぞ

冬虫夏草ですか

(最上) そう

でも 人間に寄生する冬虫夏草なんて 存在しないよね

(御門) そうでしょうか?

人類が地上で認識できている菌類は ほんの一部にしかすぎません

たかだか数十万年の 歴史しかない私たち人間が――

彼らの全てを知った気でいるのは 傲慢だと思います

(最上) 傲慢って…

(御門) 菌類には 私たちの想像を超えた力があります

冬虫夏草の中には 昆虫の体を乗っ取り

増殖するために 意のままに操るものも存在するんです

ですから 人間に寄生する菌がいても 全く おかしくありません

それは飛躍しすぎ

飛躍ではありません

いや 昆虫と人じゃ ワケが違う それくらい分かるよね?

(小比類巻) 博士

だって ぶっ飛んでるから

(奥田) 博士 (長谷部) バカ バカ

(奥田) お菓子 お菓子 (最上) なに?

うまっ…

(長谷部) 全部 食べていいから

御門さん

留置場で発見された遺体の 写真なんですが

見ていただいてもよろしいですか?

(御門) ええ

(長谷部) グロくて すいません

(小比類巻) この 遺体から 生えてるキノコですが――

30分ほどで朽ち果てて ボロボロに…

(御門) 生きた菌糸が検出されたら…

必ず 私の所へ持ってきてください

すぐに

はい

(奥田) 博士 初対面でケンカしないでくださいよ

(最上) だって あっちが間違ってんだもん

(小比類巻) 間違ってはいないでしょう

御門さんは推論を述べたまでです

(最上) けど ウイルス差し置いて 菌類最強みたいに言われてもね

(奥田) 子供じゃないんですから

(長谷部) でも 似たようなもんだろ ウイルスも 菌も

(最上) ハセドン どういうつもり?

(長谷部) えっ?

そもそも 増殖の過程が違う

菌類は 細胞でできているから 細胞分裂によって増殖する

…で ウイルスは 細胞を持っていないから

人や動物の細胞に入り込んで 増殖するの

天と地の差だよ!

そんなに?

なんか よく分かんねえけど 悪かったよ ごめん

メシおごる

(最上) 寿司からの しゃぶしゃぶね ハシゴするから

(長谷部) そのハシゴ おかしいだろ それ

(三枝益生) あら? 先輩

(小比類巻) 三枝 どうして ここに?

(三枝) あっ 仕事です

前任の引継ぎで 自然毒… 特に毒キノコの調査に

(奥田) じゃ 御門さんに?

(三枝) あっ そうです そうです キノコ博士に会いに

(最上) あんたも大忙しだね

(鈴原) いえいえ 僕は… ありがとうございます

(三枝) 皆さんは おしまいで?

(最上) 寿司からの しゃぶしゃぶ

(三枝) えっ マジっすか!

(ノック)

(鈴原) 先生 厚労省の三枝さんが いらっしゃいました

はい

(三枝) あの… どこかで お会いしてませんか?

(御門) そうお思いになるなら そうなのかもしれませんね

都心で電車通勤されている方は――

1分で120人ほどと すれ違うと 聞いたことがありますし

(三枝) あっ いや (御門) ただ…

私の記憶には ありません

そうですか 残念です

(御門) では 早速 調査へ まいりましょう

着替えてきますので エントランスで お待ちください

えっえっえっ? 今からですか?

(鈴原) じゃ お好きなの どうぞ

(三枝) いやいやいや こんなに すみません

どうですかね?

あっ やっぱり ゴム長ですかね

(鈴原) こちらもオススメですよ

これ 雨も はじいてくれますし 意外と軽いです

(三枝) ああ じゃ それにしましょう

(鈴原) あっ こっちもいいです

これ 靴底が柔らかくて もうホントに疲れにくいんです

(三枝) じゃ ここは もう あの 鈴原さんのオススメで

えっ?

えっ?

えっ? …となると ゴム長ですかね

(鈴原) いや… (三枝) フフッ…

(鈴原) いや 待ってください 待ってください

なんかいいですね 鈴原さん

(御門) 彼は 努力する才能が ずばぬけています

私は そこを評価しています

(御門) 死にますよ

猛毒キノコ御三家のひとつ ドクツルタケ

英語名では デス・エンジェルと 呼ばれるキノコです

やっぱり! 会ってるじゃないですか!

はい?

(三枝) あの 覚えてませんか?

1週間ぐらい前に 小さい女の子を連れて この山に…

あの “死にますよ”って言って

おっ? おっ?

おっおっ?

ああ~

娘さんは お元気ですか?

あっ あの子は 僕の子供じゃなくて…

事情は聞かないほうが よさそうですね

あっ いやいや 全然 聞いてもらっていいですよ

むしろ 聞いてください

てか 速いですね

(御門) ハァ…

この一帯には――

私が観察している キノコや粘菌類などが――

自然繁殖しています

彼らは この土壌に根ざし

独自のネットワークを張り巡らせ

生態系を変えつつあります

それは まるで…

何かの意志が 働いているかのようです

ハァ…

(最上) コッヒー 帰んないの?

コッヒー?

あっ 博士 これ見てください

このタイワンアリタケという菌は――

アリに寄生したあと 筋繊維に入り込み――

自分たちが胞子を散布するのに ちょうどいい場所で死ぬように――

アリを誘導していくそうです

このような菌は 世界中で――

既に約600種類も 存在が認められています

そのうちの いくつかは――

この タイワンアリタケのように

宿主の 行動を操作するんです

(最上) だから?

御門さんも 言ってたじゃないですか

人間を操る菌が いるかもしれないって

もし橘も そういった菌に 体を乗っ取られていたのだとしたら

彼がやったことは 自分の意志では なかったかもしれません

影響されすぎ 飛躍しすぎ

(小比類巻) そうでしょうか

タイワンアリタケも ほかの菌類も――

筋肉を制御するだけで 脳をコントロールしてるわけじゃない

(小比類巻) ですが――

実際 体を操られていたとしたら それは もはや…

留置場にいた橘るいは 操られてた?

彼じゃなかった?

メシ行くか お前のおごりで

(橘るい) うるせえよ

フッ…

帰ろう コッヒー

(電話の着信音)

はい 科学犯罪対…

アア… ホントですか! ありがとうございます

(受話器を置く音)

(小比類巻) 博士 橘の遺体から 生きた菌糸が検出されました

(御門) いつごろ こちらに届きますか?

(小比類巻) 近日中に――

城政大学医真菌研究センターから 送られてくると思います

既に送られているデータのほうで ある程度の確認は…

(最上) なんで 現物が必要なの?

これと似てるんです

(御門) 南極の氷から その胞子が 発見された古代のキノコです

(最上) それって…

私たちが菌糸の復元に成功し

ヴィダリウス・アンタルクチウスと 命名しました

通称“ヴィーザル”です

(小比類巻) ヴィーザル…

それは火災で失われたはずでは?

ええ 焼失しました

それに ヴィーザルは 現代の環境には適応できません

ですから 私にも どういうわけか…

ただ 生きた菌糸があると マズイんです

(最上) どういうこと?

研究段階でしたので 断言できませんが…

ヴィーザルは 動物の脳に 影響を与えるかもしれないんです

(小比類巻) 脳に?

菌糸を感染させたマウスを 調べた結果――

ヴィーザルが――

マウスの行動を操っているかも しれないと 分かったんです

ただ ヴィーザルと 同じかどうかは――

分離菌株そのものを 調べてみないと分かりません

ですから…

(小比類巻) 早急に こちらに届くよう手配します

(三枝) 大丈夫ですか? やっぱり 日を改めたほうが…

失礼します

(三枝) あっ…

あの 電気…

山井さん ホントに大丈夫ですか?

(山井 徹) 何が?

(三枝) いや…

引き継ぎなんですけど 順調にいけば…

(リモコンの操作音) (風の強くなる音)

最近 寒いよね

(三枝) アア…

(山井) 御門さんには もう?

(三枝) あっ はい ご挨拶は…

(山井) せっかく復元したのに…

あの火災がなかったらな

研究員だって かわいそうに

あの火災の少し前――

遅くに 研究所に 書類を届けに行った日があったんだ

先生の机に置いてあります よろしくお願いいたします

(小泉) すぐにPPEを用意します!

(山井) 大丈夫ですか? (小泉) すいません

(山井) それから すぐ 研究所は立ち入り禁止

その後の火災で 彼女は亡くなった

妙だろ?

絶対 火災の裏で何かあったんだよ

ンンッ…

(三枝) 先輩 あの…

(山井) かゆくてね 見苦しくて申し訳ない

あっ いえ そんな…

実は 後悔してるんです

(最上) 何を?

ヴィーザルを復元したことを

現代の自然界では生きられないほど ヴィーザルは もろい存在なのに…

私は“彼らにひと目会ってみたい”

そんな勝手な思いだけで…

科学者としての原罪ですね

科学者としての原罪…

(警報音) (猿の鳴き声)

(食べる音)

(御門) 最上博士にも そういったご経験が?

謎を放っとけなくてさ

勝手だよね

御門さん お時間があれば――

ヴィーザルについて もう少し詳しく 教えていただけませんか?

私でよければ

(ウエーター) 失礼いたします 牛フィレのポルチーニソースです

牛フィレのトリュフソースです

牛リブロースの タリアータになります

どうぞ

うまっ! うんまっ!

(御門) ここのトリュフは絶品なんです

(小比類巻) 御門さん

もし 橘が ヴィーザルに寄生されていたとして

彼の脳が操られていたという 可能性はありますか?

(御門) 断定はできませんが 可能性はゼロではないと

それは どうだろ? はっきり分かってないのに――

脳を操るとか 言わないほうがいいと思うけど

一応 科学者なんだし

一応 科学者だから お力になりたいと思ってるんです

でも 推論でしょ

てか 最初っから思ってたんだけど あんた 菌類最強とか思ってない?

キノコは食べるのが いちばん!

博士…

(御門) お口に合って良かったです

ウイルスを食べたいとは 思いませんからね

(小比類巻) 御門さん?

(最上) それ 私の専攻 知ってて言ったよね?

(御門) もちろんです

最上博士 ひとつ言わせていただきますが

彼らの存在は 地球上の生態系に 深く関与しているんです

(最上) ウイルスだって関与してるよ

(御門) それに キノコは生物で 動物に近い存在ですが――

ウイルスは どうでしょう?

生物かどうかも 分かりませんよね?

(最上)“ひとつ 言わせて いただきます”って言ったのに――

2つ言った

(小比類巻) 博士 幼稚です

優劣つけるほうが幼稚だよ

子供みたいに“うまっ”って おっしゃったのに 残すんですか

キノコはメインじゃないからね

御門さん ヴィーザルが…

ちょっと黙っててもらえます?

最上博士 もうひとつ よろしいですか?

2つも言ったのに?

(小比類巻) すいません ドルチェは キャンセルで お会計をお願いします

(ウエーター) かしこまりました

(御門) ジェラートは外せません! (最上) ジェラート食べるよ!

(小比類巻) 間違えました (ウエーター) かしこまりました

(舌打ち)

(最上) ごめん 全然 話聞けなかったよね

(小比類巻) また あした 出直しますよ

(最上) 橘るいのこと

ヴィーザルに 脳を操られたせいかもって思ってる?

(小比類巻) 分かりません

“人々の笑顔を守りたい”って いっつも言っていた あいつが――

なぜ 警察官の道を 踏み外すことになったのか

どうしても分からないんです

何に巻き込まれたのか

どうして あんな死を遂げることになったのか

橘は 国家公務員法で 守秘義務に当たると言ってました

裏で何か大きな力が動いてるのは 間違いありません

そっか

(小比類巻) 一生おごってやってもよかったのに

あいつ もったいないことしましたね

(最上) 笑わなくていいよ

アア…

笑ってないと…

壊れてしまいますから

お義母さんに 牛乳とバターの 買い物 頼まれたので――

スーパー 寄ってもいいですか?

突き止めよう 全部

そのつもりです 最初っから

(桑畑) ヤケドは もう大丈夫ですか?

(御門) ええ それで 今日は?

例のプロジェクトを 復活させようと思っておりまして

全然 食欲ないんだよね

(長谷部) 虚言癖が過ぎるな!

コッヒーのことだよ

室長 食べてないんですか?

じゃあさ 今から室長を誘って 焼肉でも行こうか?

…で ぶち上がろうよ!

(最上) 今日は 御門凛子のとこ 行ってるから ムリだよ

…で 生きた菌糸は

そのキノコ博士のとこ もう いったのか?

(奥田) 今日中には 手元に届くはずです

(椎野茸実) これを御門教授に 直接 渡していただきたいんです

(佐渡山幸喜) 承知いたしました 今 御門教授に連絡いたしますね

はい

(鈴原) あの あの…

御門先生宛てでしたら 僕が受け取ります

(椎野) えっ? (佐渡山) 君は?

(鈴原) 御門先生の助手です

講義があるので 荷物を 受け取ってほしいと頼まれたんです

(椎野) あ~

(佐渡山) 悪いんだけど この荷物は 御門教授に直接…

(鈴原) でも 中身を すぐに確認してほしいと先生が…

(佐渡山) そう言われてもね

(鈴原) この方に 確認していただいても かまいません

警察庁?

あっ 確かに この科学犯罪対策室に 頼まれたものです

(佐渡山) はぁ…

(奥田) 話を聞けるのは 菌糸が御門さんに渡ってからですね

博士

その 橘さんはさ

ヴェー何とか その例のキノコに…

ヴィーザルです いいかげん覚えてくださいよ

分かってるよ

その“ビーザル”に どこで感染したんだ?

そこなんだよね

遺体の状況からして 胞子を 吸い込んだんだと思ったんだけど――

ヴィーザルだとしたら 子実体は存在しないから――

橘るいは どうやって胞子を…

(最上) ああーっ! (長谷部) ウワッ! どうした?

(最上) これ 残り食べていいから (長谷部) 残り 残り

(奥田) 博士?

(長谷部) 残ってな~い

(御門) 菌類には――

哺乳類のような 神経細胞や 脳に当たる器官は存在しません

しかし 細胞同士が――

脳のニューロンのような ネットワーク構造を持ち――

電気信号を送受信しているんです

その電気信号のパターンが――

人間の言語構造に 非常によく似ているという――

主張をする研究もあります

電気信号の有無をもって 言葉を使うと結論づけるのは――

性急すぎるかもしれませんが…

キノコが菌糸を通じて――

外部と何らかのコミュニケーションを 取っていることは――

明白と言えるでしょう

(御門) ヴィーザルについて …ですよね?

(小比類巻) ええ

あなたが知ってることを 全て教えていただければと

ヴィーザルを復元したことを――

後悔していると おっしゃってましたよね?

勝手な思いだったと

(御門) ええ

(小比類巻) 私は――

太古のキノコの菌糸が 復元されたというニュースを見て――

現代の科学が ここまで来たのかと 希望を抱きました

私のように感じた人間は たくさんいたと思います

あなたの研究は…

(御門) 褒められたものではないんです

(御門) 私は…

環境の変化によって 淘汰された古代のキノコを――

現代の科学の力で 長い眠りから 勝手に よみがえらせてしまった

仲間もいない厳しい環境で 生きるのが――

彼らにとって どれほど孤独だったか

私は それをしてしまったんです

(ドアの開閉音)

(小比類巻) 博士 どうして?

(最上) ごめん ちょっといい?

復元できたのは 菌糸ってことになってるけど――

ホントは 子実体まで 復元できてたんじゃない?

おっしゃるとおりです

(小比類巻) ですが 子実体ができる仕組みは…

ええ いまだに解明されていません

偶然 発生したんです

ですから 研究不十分で 公表されていないんです

(最上) でも 生きた菌糸があれば また子実体ができる

そしたら また 胞子がばらまかれ 犠牲者が生まれる

そうだよね?

(御門) 可能性は…

否定できません

“バイオハザード事故”?

おっ…

(長谷部) 最近 また視力が落ちちゃってさ

(奥田) メガネ 買い替えてくださいよ

(長谷部) レンズが高いんだよ

(モニターの信号音)

(長谷部) 太古のキノコって これ…

(奥田) ヴィーザルのことですよね?

なんか においません?

(長谷部) 強めに におうな

この記事 誰が書いてんだ?

(奥田)“ライターQ”

(長谷部) ライターQ?

(奥田) 覆面ライターですね

でも これ ガセネタの可能性 高いですよ

「週刊ブラフ」って――

うさんくさい記事ばっかり 書いてますから

(長谷部) 行くぞ (奥田) えっ?

(長谷部) そこの編集長 知り合いだ

(奥田) やっぱ 類は友を呼ぶんですね

(長谷部) ああ?

誰が持っていったんです!?

(佐渡山) ですから 御門教授に 頼まれたという助手の方に

(御門) えっ!?

(佐渡山) あっ…

ここに記名もあります

助手の鶴見さんという方です

(御門) そんな人 いません

(佐渡山) えっ?

えっ? あっ…

えっ? で… でも あ~

警察の名刺だって あるし

(小比類巻) あっ それは御門さんにしか…

どんな人が取りに来たんですか?

(佐渡山) アフロまでいかない 天然パーマの男性でした

(鈴原) 19時ですね 分かりました

あいつか

鈴原くんが そんなことするわけ…

(小比類巻) それを確認するためにも 鈴原さんに連絡してみませんか?

(小比類巻) 御門さん?

ちょっと 大丈夫?

(御門) えっ?

あっ すみません すぐに電話を

(皆川) 回収に向かいます

(桑畑) ああ 頼んだ

(携帯電話のバイブレーター)

(携帯電話のバイブレーター)

(三枝) あれ? 鈴原さん

ハハッ… 昨日は どうも ありがとうございま…

(クラクション)

(急発進の音)

(いびき)

(蹴る音) (飯沼信行) おい

(飯沼) お久しぶりです 長谷部さん

(長谷部) ああ

(飯沼) いいの入ってますよ~

(長谷部) おい~ これは…

キューバ産?

禁煙中なんだよな

え~っ? 自分だけ長生きしようとして

(奥田) 早く ライターQについて教えてください

(飯沼) ああ はいはい はいはい はいはいはい

(匂いを嗅ぐ音)

あ~ いい匂い

(飯沼) んっ… これだよ これ

なんか いろんなとこに このネタ持ってったらしいけど――

どこにも相手してもらえなくて ウチに

いいネタなんだけどね

(長谷部) 扱ってる記事は これだけ?

(飯沼) いやぁ 連載で やりたかったんだけど――

上がダメって言うから 2回で中止

防衛省がらみでね

圧力か

本腰入れた記事に限って つぶされて

(奥田) Qに直接 会ったことは? (飯沼) ないよ

資料なんかも 一方的に送られてくるだけ

でも この研究所 火事になったでしょ

その後は ぱったり

元ネタは?

勘弁してくださいよ

(長谷部) あっ…

ちょっと待って

あ~ 真由美さん?

フフッ… 長谷部です ご無沙汰してます

今 旦那さんのとこに 来てんだけど…

嫁はダメ 嫁… 嫁はダメ 嫁はダメ よ…

ハァ…

弱みでも握ってるんですか?

うん 握り 握られ 覚えとけ

えっ? ちょ 意味分かんないし

相手の弱みを握るためには――

こっちの弱みも 握らせなければならない

(飯沼) はい

おい これ…

(呼び出し音)

(小比類巻) ハァ… つながらないですね

(足音)

(御門) 学生部と鈴原くんの寮にも 問い合わせましたが…

(小比類巻) ダメでしたか 私も何度も電話したんですが…

近隣の警察に応援を要請します

見つかりしだい 連絡するように伝えますので――

ご連絡先を 先方に伝えてもよろしいですか?

御門さん?

はい

あの… いろいろと申し訳ありません

別に あんた 悪くないでしょ

(雨の音)

(小比類巻) あっ…

それでは 失礼します

ねえ ぬれるよ

はい

や… やっぱり 僕には… ムリです

(泣き声)

(かきむしる音) (山井) 寒いよ 寒いよ

寒いよ

どうして…

ハァハァ ハァハァ… 寒いよ

寒い寒い

寒い 寒い 寒い

(奥田) やっぱり バイオハザード事故って――

ヴィーザルだったってことですか?

太古のキノコは ヤバイ代物だったんだよ

そう思うと まあ 失われて良かったのかもしんないよね

…で そのときに感染したのが

(鈴原) ハァハァ ハァハァ…

(車の音)

(ブレーキ音)

ハァハァ ハァハァ…

ハァハァ…

(地鳴り)

ハァハァ…

(小泉) だぁれ?

ハァハァ ハァハァ…

(解錠音)

(クリック音)

(タイピング音)

(クリック音)

(御門) 私は…

環境の変化によって 淘汰された古代のキノコを――

現代の科学の力で 長い眠りから 勝手に よみがえらせてしまった

(御門) 仲間もいない厳しい環境で 生きるのが――

彼らにとって どれほど孤独だったか

(桑畑) 認知戦において ヴィーザルは ゲームチェンジャーになりえます

(三枝) 研究資金の出どころなら知ってます

(男性) ヴィーザルは 莫大な金になる

(長谷部) 金?

(御門) 長い眠りから 目を覚まし

仲間もいない孤独な世界に 投げ出されてしまったんです

向き合いなよ 逃げないで

(アラーム音)

(御門) 自分たちに都合の悪い存在を――

駆逐しようとしているのでは ないでしょうか

アア…

♪~

~♪

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