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(2人) わあ~! ハハ… フフフ…。
(水季)ほら ほら… 来るよ 来るよ 来るよ。
わぁ~。 わぁ~。
どこから? (水季)どこから? 何が?
どこから? (水季)どこから? 何が?
海。 どこから海?
水があるところからじゃない?
ここから。
ここ。 お~。
ここ 海じゃなくなった?
んー 別に ここからが海とかって ないんじゃない?
分かんないけど。
海がどこから始まってるか 知りたいの?
んー…。
難しいなぁ…。
終わりは あそこ?
あ~ 水平線ね。
あれは 終わりじゃない。
終わりに見えるだけで あの先も ずーっと海。
終わりに見えるだけで あの先も ずーっと海。
どこが終わり?
終わりは ないね。
ずーっと海で➡
その先に また海岸があるの。 ここみたいに。
ふぅ~ん。
♬(鼻歌)
♬(鼻歌)
いるよ。
いるから大丈夫。
行きたい方 行きな。
♬~
♬~
♬~
♬~
♬~
♬~
これで全部ですか?
そう… ですね。
もうちょっと 選択肢って増やせませんかね?
この中のどれかって妥協するのは あのう お互いに良くないです。
(彩子)数増やさせて 結局 あの3つのどれかになったら➡
どうするんですか?
たくさん試した中で 一番いいものが選べるなら➡
いいことでしょ? (彩子)あ~。
百瀬さん 年下と付き合ってるの納得です。
何で? 仕事の話 してたじゃん。
何で? 仕事の話 してたじゃん。
百瀬さんほど しっかりしてる人だと➡
甘えやすいですもん。
♬~
ポケットじゃない?
ズボンの。
あっ。
あった。 フフ。 しっかりしてくれ。
はい。 ありがと。
うん。
何作るの? えっ? 野菜炒め。
ああ。 ああって何。
お邪魔しまーす。
そうだ そうだ 夏休み 合わせるけど。
おう。 いつ はっきり分かる?
おう。 いつ はっきり分かる?
うーん…。
1週間 取れるんだよね?
あー…。
んー…。
んー…。
ねえ ねえ ねえ ねえ ねえ。 ん?
その「うん」とさ「ううん」の 間みたいな返事 やめれる?
あ…。 (2人)んー。
フフフ…。
フフフ…。
ねえ! ごめん。
その曖昧なの 万能じゃないからね?
うん。 うん。 さっ 食べましょう。
(2人)いただきます。
ありがとう。 はい。
お疲れさま。 乾杯。
夏休み 希望 通せないかも。 今 人少ないから。
んー 誰か辞めたの?
産休 入った人いて。 時期かぶって 2人。
産休 入った人いて。 時期かぶって 2人。
それは あれだね。
うん。 しょうがないよね。
そうね。
んっ これ おいしい!
でしょ?
スーパーのかい。
いや 弥生さん作ったのも。
うん おいしい。
別に コロッケなんて 作れないですけど?
どこ行く? 休み取れたら。
んー たまにはさ べたなとこ行こうよ 海とか。
あー 海ね。
じゃあ…。 うん。
ん? フフフ…。
山。
海か山の2択なの?
ん? あと これ山なの?
山。 山だよ。 そうだよ。
山。 山だよ。 そうだよ。
フフフ…。 (携帯電話)
月岡君じゃない? 俺か。
(携帯電話)
はい。
うん。
立ったついでにさ マヨネーズ。
月岡君? ねっ マヨ。
そこの扉の裏んとこ。
えっ?
よいしょ…。
よいしょ…。
もう 終わってるし…。
何で…。
死んだの?
<(ドアの開く音)
(和哉)おはよう。 (大和)おはよう。
おはよう。
(ゆき子) 夏。 何? 急に。 朝っぱらに。
ちょっと 物 取りに。
(ゆき子)ふぅん…。
<(ノック)
ん。
ああ…。
ああ…。
ひいじいちゃんのとき 制服だったもんな。
高2とかか。
高3。
それぶり? うん。
ネクタイ 結べるか?
フッ… 仕事 スーツだし うん 制服もネクタイだったから。
そっかそっか。
えっ? ん?
えっ? ん?
何で… 分かったの?
親の勘。
怖っ。
怖いよ。 悪さできないように備わってる。
ありがと。
うん。
やっぱり? (和哉)うん。
誰の? (和哉)聞いてない。
誰の? (和哉)聞いてない。
(真山)いつぶり?
8年。
海ちゃん こっち座ってて。
海ちゃん こっち座ってて。
すみません。
(真山)棺のぞいてた女の子 南雲さんの娘だって。
えっ?
月岡待ってる間 親戚かな 話してんの聞こえちゃった。
シングルマザーだったみたいで…。
でっかい声で 誰がかわいそうだの 誰の責任だの。
あんなおっきい子いるんだ。
なっ びっくり~。
何歳? どうだろ 幼稚園とかかな。
びっくりだけど ちょっと納得。
南雲さん 昔から何か 一人で 生きてけそうな感じあったし。
いや 生きれなかったから 今 葬式してんだろ。
ごめん。
いや ごめん。
いや ごめん。
ちょっと たばこ吸ってくる。
(携帯電話)(通知音)
(携帯電話)(通知音)
(携帯電話)(受信音)
♬~
♬~
(真山)バドミントン…。
どっか興味ある?
んー… 大丈夫。 真山は?
スキー同好会 どう? ゲレンデで遊ぼう。
(学生) マネージャーとか どうですか?➡
ありがとうございます。 (学生)野球部のマネージャー➡
ぜひお願いします!
ちょっと トイレ。 うん。
♬~
♬~
大丈夫ですか?
はい?
(携帯電話)(ゲームの音声)
あっ いや すみません 具合悪いかと…。
(携帯電話)(ゲームの音声)
(水季)あっ!
ごめんなさい…。
いいよ。
はい…。
あっ 何年生ですか?
あっ 何年生ですか?
1年です すみません。 あっ 1年生?
はい。 タメタメ。➡
ハハハ 何だ 何だ。
新歓?
まあ。 お~ 一緒 一緒。
(携帯電話)(ゲームの音声)
(携帯電話)(ゲームの音声)
山登り 好きなんですか?
山登り?
あっ… 山岳部の新歓…。
(水季) あ~ あれ 山岳部だったんだ。
ハハハ… いや あっ そうなんだ。
あっ すみません 全然興味ない。 海派です。
はあ…。
(水季)山 登るんですか? 登らないです。
(水季)山 登るんですか? 登らないです。
えっ 山岳部の新歓らしいですよ?
入学して 最初に仲良くなった 友達が 来たいって。
付き添って来ただけ?
まあ。
ふーん。
そっちは?
ああ… 新歓って 1年生 ご飯タダだから。
いろんな部活に 新歓の場所だけ聞いて➡
いろんな部活に 新歓の場所だけ聞いて➡
そしたら ここが沖縄料理だったから➡
ここ 選んで来た。
へぇ…。
(携帯電話)(ゲームの音声)
やる?
やらない。 そっ。
(携帯電話)(ゲームの音声)
(携帯電話)(ゲームの音声)
人に合わせて 興味ないとこ来れるって➡
すごいですよね。
(携帯電話)(ゲームの音声)
よくないですよね。
自分で決めらんなくて 人についてってばっか。
えっ すごいよ?
人に合わせられるの すごいことですよ。
いや 意思がないっていうか 自分がないっていうか…。
自分より他人のこと 考えちゃうだけでしょ。
自分より他人のこと 考えちゃうだけでしょ。
いいことですよ。
♬~
でも はっきりしろとか よく言われるし。
あ~ それは確かに。 曖昧な返事ばっか。
うん… 癖みたいになってて。
まあ 「はい」か「いいえ」で 答えられることなんて➡
まあ 「はい」か「いいえ」で 答えられることなんて➡
そんなないですよ。
はい。
はい。
あぁ… ハハッ…。 フフフ…。
ホント尊敬します。 私 人に合わせるの苦手だから。
こう見えて マイペースで。
ん? マイペースに…。
ん? マイペースに…。
あっ 見えてます?
マイペースにしか。 えっ?
ああ そうなんだ。
じゃあ 見えてるとおりです。
合わせようがないくらい。
それ 相当だね。
フフフ…。 ハハハ…。
ハハハ… フフ…。
じゃあ 犬か 猫か コアラか ハムスターか ウサギだったら?
じゃあ 犬か 猫か コアラか ハムスターか ウサギだったら?
好きなの。
んー… 南雲さんは?
イルカでーす。
それ 選択肢になかったよね。 他のあらゆる可能性から➡
目をそらすな。 自分で自分の選択肢 狭めんな。
フフフ…。 (水季)フフフ。
ほら 何か これもあるでしょ?
ん? 何かよく分かんないけど…。 (走行音)
(スピーカー)(♬『渚』)
(スピーカー)(♬『渚』)
♬~
夏君! ねえ 夏君!
何? 見て!
見れない。 運転中。 見て! 海! すごい海だから!
すごい海…。 海~!
水季 危ない。
(水季)う~み~! ちゃんと座ってて。
気持ちいい~! ハハハ。
ハハハ。
♬~
♬~
(携帯電話)(操作音)
♬~
(津野)よし。
(津野) 一人で お絵描きしてられる?
うん。 うん。
じゃあ ちょっと おばあちゃんの お手伝い行ってくるから➡
ここにいて。 また お迎え来るから。 ねっ。
うん。 はい。
じゃあ いい子にしててね。 うん。
じゃあ いい子にしててね。 うん。
ねえ。 うん?
また ママ 会える?
火葬の前に また顔見れるから。
あの…。
絵 描く?
描かない。
あっ…。
あの… 水季の娘さん?
海。
海ちゃん?
さんずい。
さんずい?
あっ 漢字?
あっ 漢字?
はい…。
何歳?
6歳。
6歳。
そっか。 6歳。
うん。
さっきの人 お父さん?
あ… さっき ここに。
津野君?
ツノ君?
ツノ君?
フフフ…。
津野君がパパなわけないじゃん。
そう… ですか。
あっ…。
ああ… お父さん いないよね。
ごめん。
いるよ。
いるよ。
ん?
いるって言ってた ママが。
いるでしょ?
あっ… 俺?
パパ。
うん まあ いるけど…。
でしょ?
うん…。
見て。
見て。
(女性)海ちゃん。
こんにちは。 (女性)こんにちは 海ちゃん。➡
楽しそうね。
(女性)もうちょっと 大きくなったら分かるから➡
今はね 楽しくていいのよ。
おばあちゃんとこで元気でね。➡
じゃあね。
じゃあね。
(男性)南雲さんのとこ行くって 決まったの?
(女性)それしかないでしょ 父親いないし。
(男性)かわいそうに。 (女性)かわいそうよねぇ。
(大人たちの話し声)
(男性)かわいそうに。
かわいそうじゃないよ。
かわいそうじゃないよ。
聞かなくていい ああいうの。
忘れらんなくなる。
♬~
あっ 耳に こう近づけて。
音 聞こえるから。
音 聞こえるから。
♬~
昔の… 水季。
♬~
♬~
♬~
フフ…。
(水季)お邪魔しまーす。
あ~ 疲れたぁ。
あ~ 疲れたぁ。
就活 もう始めてんの?
うん 準備だけ。
ちょっと意外。
採用されれば どこでもいいや~ って感じかと思った。
んー うちの家 ああだから 親に心配かけんのが一番嫌で。
名前ある会社なら 安心するから。
なるほどね。
なるほどね。
偉いね。
めんどくさいこと嫌なだけ。
波風立てずに生活できたら うん それでいいから。
ちょっとね 書いてほしいものあって。
ん?
これ。
これ。
あーあ… ちょっとちょっと。
これの➡
ここ。 フルネームで。
はい。
はい 書いて。
どういうこと?
こういうこと。
あっ 私 あの… ホントに浮気とかしてなくて➡
他にあり得ないっていうか。
だから 夏君に サインお願いしてるっていう➡
だから 夏君に サインお願いしてるっていう➡
そういう状況です。
はい 書いて。
ちゃんと 病院 行ったよ。
でも まだ早いから大丈夫だって。
いつ?
まだ決まってない。
どんなに遅くても えっとね…。
ちょっと待ってね メモしたから。
そうじゃなくて。
ん?
ん?
いつ分かったの?
妊娠してるって?
1週間くらい前かな。
誰かに相談したの?
ううん… あっ 病院の先生には相談した。
ごめん。
いや 違う違う違う。 いやいや… 謝んないでよ。
あの… これって もう 事故っていうか…。
いや… あっ 事故は違うか 事故は言い方よくないか。
いや… びっくりだよね。
でも 謝るのやめよう。
これは お互い悪くない。
どっちも 誰も悪くない。
どっちも 誰も悪くない。
1週間 不安だったよね。
ごめん 気付かないで…。
一人で 1週間も…。
不安な思いさせて ごめん。
ごめん…。
フフフ…。
まあ… うん…。
まあ… うん…。
不安かどうかって聞かれたら➡
不安だったかな。
ごめんね。
ごめん… ごめん…。
ごめん…。
書いて。
書いて。
他の選択肢は ないの?
これしかないって 決め付けてるなら➡
これしかないって 決め付けてるなら➡
考えてから決めてほしい。
考えたよ。
考えて決めた。
でも…。 夏君は おろすことも産むことも➡
できないんだよ。
私が決めていいでしょ?
♬~
分かった。
♬~
♬~
♬~
♬~
♬~
♬~
ねえ。
ん?
ん?
クリスマス どこ行こっか?
♬~
♬~
♬~
♬~
(水季)病院ってさ➡
お金払って 痛い思いする場所だよね 最悪。
お金払って 痛い思いする場所だよね 最悪。
(水季)何か食べ行こ。➡
別に食べちゃいけないものとか ないって。
何食べたい?
月岡君。 (学生)お疲れ。
お疲れ。 ねえ 水季 どうしたの?
あ… どうしたって?
(学生)いや だから 大学辞めたの 何で?
(学生)いや だから 大学辞めたの 何で?
えっ?
(携帯電話)(呼び出し音) (携帯電話)(水季)はーい。
どうしたの?
(携帯電話)どうしたのって?
体調 悪いの?
(携帯電話)ううん 元気だよ。
大学 辞めたの? 何で?
(携帯電話)学費高いし さっさと就職しようかなって。
(携帯電話)学費高いし さっさと就職しようかなって。
相談してよ。
(携帯電話)夏君に相談しても 私 自分の意思 変わんないもん。
(携帯電話)夏君に影響されて 自分の考えとか 気持ちとか➡
変わったこと1回もないし。
それは そうかもしれないけど…。
急に勝手に一人で決められたら 心配するし。
(携帯電話)急に勝手に一人で決めなきゃ なんないときもあるんだよ。
(携帯電話)急に勝手に一人で決めなきゃ なんないときもあるんだよ。
まあいいや。
別に それはいいんだけど 分かってるし➡
水季 他人の意見とか聞かないって 分かってるし。
(携帯電話)あっ 電話もらったから ちょうどいいや。➡
話 あってね。
会って話そうよ。 今 俺 大学いて。
(携帯電話)別れよ。
ん?
ん?
(携帯電話)別れよ。 別れてください。
あっ… 何? やっぱ 体調 良くないの?
あの後 病院は?
(携帯電話)夏君より好きな人できちゃった。
え…。
(携帯電話)その人のこと 夏君より好きで ずっと一緒にいたいんだよね。➡
(携帯電話)その人のこと 夏君より好きで ずっと一緒にいたいんだよね。➡
夏君より ずっと。
誰?
(携帯電話)フフ… 内緒ぉ 秘密ぅ。
ふざけないで。 (携帯電話)ごめん ふざけてない。
会って話そ。
(携帯電話)だから 夏君の言葉で 意思 変わったりしないんだって。
(携帯電話)だから 夏君の言葉で 意思 変わったりしないんだって。
そうだよね…。
(携帯電話)うん。 あっ その人に伝えたいことある?
(携帯電話)私が今 夏君より好きな人に。
あるわけないだろ。
(携帯電話)何かないの?
(携帯電話)何かないの?
うん お幸せに。
(携帯電話)フフフ…。➡
はい。 分かった 伝えとく。
あのさぁ…。 (携帯電話)絶対 幸せになるし する。
勝手だよね ホントに いつも ずっと。
(携帯電話)うん。 マイペースなんだよね。
マイペースっていうか わがままで 頑固で 薄情。
(携帯電話)うわぁ 最後に すっごい悪口言われてる。
大変だと思うよ その人 水季と一緒にいるの。
散々振り回されて どうせ最後は捨てられる。
覚悟した方がいいって うん そう伝えといて。
覚悟した方がいいって うん そう伝えといて。
(携帯電話)はーい。
♬~
ごめん。
(携帯電話)フフ… 何が?
♬~
♬~
体 ホントに大丈夫?
(携帯電話)うん。
うん…。
ならいい。
元気でね。
(携帯電話)うん バイバイ… 元気でね。
(携帯電話)(通話の切れる音)
(携帯電話)(通話の切れる音)
ありがと。
うん。
ママと友達なの?
もう 8年とか 会ってないから。
海ちゃん お待たせ。
(津野) お兄さんに遊んでもらったの?
うん。 すいません➡
ありがとうございます。 いえ…。
おばあちゃんとこ行ってていいよ。 お片付けしとくから。
うん。
えっと…。
あっ 水季… さんの 大学の同級生で。
ああ そうですか。
月岡といいます。
(津野) いいです 触らないでください。
あっ…。
すみません。
あの 僕 南雲さんの 水季さんの同僚で➡
津野です。
津野です。
どちらに お勤めなんですか?
知らないんですね。
あっ… 大学のときに 会ったのが最後で。
この7年のこと ホントに何も知らないんですね。
この7年のこと ホントに何も知らないんですね。
♬~
お母さん。
津野さん お母さん やめてほしいんだけど。
月岡さんが いらしてました。
月岡さんが いらしてました。
♬~
月岡さん?
はい。
あの…。
あのう 水季の母です。
はい。
えっと…。
このたびは…。 (朱音)私の連絡先です。➡
気になるようなら 連絡してもらえますか?
気にならなければ 気にせず捨ててください。
気にならなければ 気にせず捨ててください。
あのう 何が…。
ちょっと。
あの…。
水季の人生は終わりましたけど…。
(朱音)私たちは 生きていかなければいけないし➡
この子の人生なんて 始まったばっかりなんです。
(朱音)終わったことに いつまでも➡
(朱音)終わったことに いつまでも➡
くよくよしてるわけには いかないし➡
この子の 未来のこと 考えなければいけないんです。
すみません あの… 何で 僕に…。
海ちゃん さっきのお部屋で ちょっと待ってて。
えっ…。
一度は こうしようとしたこと➡
忘れないために 持ち歩いてたんですって。
ホント 変わった子で➡
ホント 変わった子で➡
親でも 何考えてんだか 分からない子で。
(朱音)気付きませんでした?
あの年の子ですよ。
6歳って…。 もうすぐ 7歳になります。
6歳って…。 もうすぐ 7歳になります。
小学校1年生です。
すみません 何も知らなくて…。
ええ 知らないでしょうね。
男の人は 隠されたら 知りようがないですものね。
妊娠も出産もしないで 父親になれちゃうんだから。
妊娠も出産もしないで 父親になれちゃうんだから。
津野君。 んー?
月岡さんって 誰?
月岡さんって 夏君?
夏君? あの人が夏君?
うん そう。
そういうの ないですよね?
えっ…。
海の父親やりたいとか 思わないですよね?
ですよね。 分かってます。
押し付けようとしてるわけじゃ ないんです。
押し付けようとしてるわけじゃ ないんです。
いや あの… ちょっと…。
(朱音) 水季が 勝手に わがまま言って➡
一人で勝手に産んだ結果ですから 大丈夫です。
(朱音)ただ…。
想像はしてください。
この7年の水季のこと➡
この7年の水季のこと➡
想像はしてください。
今日一日だけでも。
♬~
♬~
あ…。
<(水季・海)夏君!
<(水季・海)夏君!
夏君!
♬~
♬~
♬~
♬~
♬~
♬~
♬~
♬~
月岡君?
弥生さん…。
よかった… いた。
うん。
中 入ってなよ。
だって スマホ…。
今 見た。
うん ならいいんだけど。
どうかしたの?
どうかしたの?
ぼうっとしちゃうのは 分かるけど➡
こんなに既読つかないの 珍しいから 心配になって…。
フフ… ごめん ごめん おせっかいだったね。
ありがと。
ううん。 ごめんね 急に来て。
ありがと。
一人だと どうにかなりそうだった。
一人だと どうにかなりそうだった。
何も考えないで休んだ方がいいよ 今日一日くらい。
今日一日…。
うん。
うん。
おなか減ってる? 何か食べれそう?
お味噌汁とか作ろっか?
一人の方が楽だったら帰るよ。
大学の…。
大学のときの… 同級生で。
うん。
病気だったみたいで。
知らなくて。
そっか…。
つらかったね。
(泣き声)
つらいね。
何も知らなかったから…。
つらいなんて思っていいほど➡
何も知らない…。
何もできない…。
♬~
♬~
あっ スマホ。
ママのスマホ もらっていい?
(翔平)あ…。
(朱音)解約しなきゃだから…。
(朱音)解約しなきゃだから…。
持っててもいいけど 後で返してね。
うん。
♬~
起きてる?
うん。
うん。
休み?
うん。
うん。
うん。
行ってくるね。
うん。
うん。
ごめん…。
ううん。
いってきます。
うん…。
おっ。 おう。
これ お父さんに返しといて。
うん。
よろしく。
誰の?
誰の?
あ…。
大学の同級生。
泣いた?
後から。
分かる。 俺も葬式は泣けなかった。
ん?
お母さん 死んだとき。
親戚のおばさんに➡
まだ小さいから分かんないよね って言われて。
まだ小さいから分かんないよね って言われて。
分かんないとかじゃ なかったんだけど。
言葉の意味が分かんなくても 感情は伝わってきちゃうんだよね。
海ちゃん スマホ ずっと見るのやめてね。
んー。
ママがそうだったんでしょ。
ママがそうだったんでしょ。
駄目よ 大人のまねしちゃ。
はーい。
はい お利口。
じゃあ お買い物してくるね。
うん。
いってきます。 いってらっしゃーい。
♬~
♬~
♬~
<(チャイム)
ん?
(ぶつかる音) <あっ…。
ん?
えっ… あの…。
ごめ… ごめんなさい… 大丈夫?
いいよ。
えっ…。
水季の。
海。
一人? うん。
何で? 一人で来たから。
何で? 一人で来たから。
いや… 何で 家 知ってんの?
来たことあるから。
来たことある 一緒に。
水季と? 練習した。 一人で来れた。
えっ… 何で…。
えっ… 何で…。
ちょっと待って。
そこ 暑いから。
見て。
(携帯電話)起きて~。 ママ 起きて~。
(携帯電話)起きて~。 ママ 起きて~。
(携帯電話)(水季)やだ~。 (携帯電話)公園 行こうよ~。
(携帯電話)(水季)あっ ねえ ママの携帯 勝手に使わないでください。
(携帯電話)やだよ~。 (携帯電話)(水季)すぐ そうやって➡
大人のまねして。 あの… 後で お母さんとこ…➡
あっ おばあちゃんか 連絡するつもりだったし➡
また今度。
見て。
今度 見るから。
帰った方がいいよ。
(携帯電話)(水季)ママ 寒いの苦手なの。 (携帯電話)何で?
(携帯電話)(水季)ママ 寒いの苦手なの。 (携帯電話)何で?
(携帯電話)(水季)夏が好きだから。➡
季節 分かる? 4つ。
(携帯電話)春 夏 秋 冬。
(携帯電話)そう。 ママ 夏が一番好きなの。
(携帯電話)海も! (携帯電話)(水季)海も? 夏 好き?
(携帯電話)うん!
(携帯電話)(水季)一緒。 (携帯電話)一緒!
(携帯電話)(水季)一緒。 (携帯電話)一緒!
(携帯電話)(水季)でも 駄目~。 夏は ママがもらいました~。➡
海には 冬 あげる。
(携帯電話)いらない~。
(携帯電話)(水季)今は冬なので ママは おこたで冬眠しまーす。
(携帯電話)冬眠って 何?
(携帯電話)夏がお迎え来るまで ひっそりしてること。
(携帯電話)ふぅ~ん。
(携帯電話)(水季)でも それは夏じゃないな それは春だな。➡
(携帯電話)(水季)でも それは夏じゃないな それは春だな。➡
おやすみ~。 (携帯電話)え~。
もう一回 見せて。
あっ。
はい。
(携帯電話)ねえ 転ぶよ。
(携帯電話)ねえ 転ぶよ。
(携帯電話)ハハハ…。
(携帯電話)(波の音)
(携帯電話)(水季)見て! (携帯電話)何?
(携帯電話)海! (携帯電話)分かるよ 見てるから。
(携帯電話)海 好き~!
(携帯電話)(波・風の音)
(携帯電話)(水季)海 大好き~!
(携帯電話)ハハハハ! 待って 待って 声でかい 恥ずかしい。➡
(携帯電話)ハハハハ! 待って 待って 声でかい 恥ずかしい。➡
人いるから。 ハハハ…。
(携帯電話)海~!
大好きだよ~!
(携帯電話)声でかい 恥ずかしい。 フフフ…。
(携帯電話)(水季)海~! (携帯電話)変な人だと思われるから。
(携帯電話)(水季)う~み~! (携帯電話)叫ばないで。
(携帯電話)大好き~!
ねえ ねえ。
水季。 タッチ。
(携帯電話)待って。 待ってよ 水季。
(携帯電話)待って。 待ってよ 水季。
♬~
♬~
(携帯電話)水季 こっち見て。
(携帯電話)水季 こっち見て。
(携帯電話)あっ。 ハハハ。
♬~
海も ママ大好き。
はい。 終わり。
終わり?
終わり?
うん。
海が➡
海でこういうの これだけだから。
終わると どうなるの?
終わりは 終わりだよ。
もう ないってこと。
帰ろ。
あっ 待って 先に連絡するから…。
ママ 終わったの?
♬~
ママ 終わっちゃったの?
死んじゃったんだよ。
死んだら どうなるの?
ごめん 分かんない。
死んだら どうなるかは 分かんないけど…。
水季 お母さんじゃなくなる わけじゃないから➡
水季 お母さんじゃなくなる わけじゃないから➡
終わったんじゃないよ。
夏君は?
ん?
夏君 海のパパでしょ?
夏君のパパ いつ始まるの?
[『海のはじまり』の…]
[そして…]
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