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(雨の音)
(安井次央) おお…
アア…
(ハミング)
(ハミング)
(ハミング)
(安井) すいません
(安井) すいません
(安井) あっ… (吉田道徳) ああ~っ…
こっちこそ すいません
(安井) いえいえ (吉田) ちょちょちょ…
(吉田) どうしました? (安井) あ~ いえいえいえ
いえ 返さなくていいんで
(安井) あっ すみません
(吉田) それで? (安井) ああ… あの…
セレスティアルマンション? 入り口が よく分からなくて
あそこ 分かりにくいんですよ
え~…
今 ここで この前の通りを右に入ると…
逆 来ちゃってたんですね
すいません ありがとうございます
(安井) これ 今度 お返ししますんで (吉田) あっ 大丈夫ですので
(携帯電話のバイブレーター)
(安井) 申し訳ありません もう少々 お待ちください
(ドアの閉まる音)
(安井) 今ね 交番で場所を…
ええ すぐ向かいますので
はい 失礼いたします はい~
アアッ…
よいしょ
アア…
よし
あの… おまわりさん?
ハッ… アアッ…
(銃声)
(銃声)
(携帯電話の着信音)
(携帯電話の着信音)
(最上友紀子) ウ~ン
ンンッ…
(落ちる音) ウ~ン
(携帯電話の着信音)
(たたきつける音)
(三枝益生) 今 なんか すごい音しませんでした?
(小比類巻星来) ユッキーがね ベッドから落ちたの
(三枝) えっ?
(四宮聡子) 落ちたのに 起きないなんて 不思議よね
(三枝) ハハッ… さすがですね
(聡子) それより これ ありがとうね
(三枝) あ~ いえいえ 入学祝いが まだだったんで
(星来) ねえ 星来のお家 どこ?
ハハハッ… お家までは見えないんだけど――
僕たちがいるのは日本だから…
ここだね
(星来) じゃ ママのアメリカは?
(三枝) アメリカは ここ アメリカ
(星来) 近い! (三枝) えっ?
(星来) お休みの日に行けるかも!
(三枝) う~ん そこまで近くはないんだけどね
(長谷部 勉) 警察官が殺人なんて 世も末だ
(奥田玲音) …で なんでウチが?
(小比類巻祐一) 運転手殺害後 自ら通報したそうです
(奥田) 誰かに見つかりそうに なったんじゃないですか?
(小比類巻) いえ 周辺には 誰もいませんでした
遺体を見て 驚いた様子が ドライブレコーダーに映っています
その後に通報した
(奥田) 確かに妙ですね
(長谷部) 警察官が 殺人事件 起こしたんだ
総動員で早期解決したいんだろ
(長谷部) …で 今日 博士は?
(小比類巻) 何度も電話したんですが ご想像どおり
(長谷部) ああ…
(秋月 亘) あっ お疲れさまです (長谷部) あれ?
(奥田) お疲れさまです (西山) あっ お疲れさまです
(奥田) 足 大丈夫ですか? (西山) 大丈夫です
(奥田) すいません
(長谷部) ああ… あの メーティスのときに一緒に捜査して――
肩の骨 外されかけましたよ
(秋月) いや やってないですよ
(橘るい) 小比類巻
おお 橘 どうして?
(橘) 上が様子見てこいって
サミット近いから ピリピリしてんだよ
(小比類巻) ああ それで
お2人も?
(橘) ああ 国際テロリズム対策課の部下だ
(秋月) はじめまして 秋月です (西山) 西山です
(小比類巻) 改めまして 科学犯罪対策室の小比類巻です
(橘) ああ
(秋月・西山) 失礼します
(小比類巻) それにしても お前と現場で会うなんてな
(橘) だな
俺も ふだんは テロ情報と にらめっこしてばかりだしな
(小比類巻) 大切な職務だろ (橘) ハハッ…
あ~ すいません はじめまして 橘です
こいつとは 警察大学校時代からの 同期なんです
ああ…
(小比類巻) こちらが長谷部さん
そして こちらが奥田さん
(奥田) はじめまして
室長には すごくお世話になってます
(小比類巻) 奥田さんには 格闘技を教えてもらってるんだ
お前が格闘技?
(橘) こいつ のみ込み悪いでしょ? (小比類巻) おい
正直 筋がいいかは 分かりませんが――
ストイックすぎるほど 練習してるので――
実戦で生きるのは早いと思います
(橘) ふ~ん (長谷部) 室長 ハマると沼るんですよ
(橘) あ~ 分かります (長谷部) フフッ…
(橘) でも お前の出る幕ないだろう?
奥田さんもいるし 捜査一課の元エースもいるし
(奥田) あれ ホントだったんですか?
(橘) 長谷部さんと一緒に 仕事できるなんて羨ましいよ
今度 バディでも組みますか?
(笑い声) (橘) 是非
(小比類巻) いいチームだと思ってる (橘) だろうな
まあ こいつ ちょっと あの ちょっとというか…
かなり変わってる男ですけど
よくご存じで
(奥田) 長谷部さん (長谷部) いや いい意味で
(小比類巻) いい意味ですよ (橘) いい意味です
(奥田) いい意味で? (長谷部) いい意味で
とにかく ホント こいつ いいヤツなんで
よろしくお願いします
では
(橘) じゃあな (小比類巻) ああ またな
(長谷部) お疲れッス
あれはモテますねえ
まぶしすぎる
室長よりも 全然 社交的だしな
室長もイケオジですけどね
そう
室長と俺 2大イケオジがいる いいチームだよ
最高のチームだよ
(振る音)
(ゴミ箱を置く音)
(横山) ドライブレコーダー映像です
(映像音声:銃声)
(殴る音)
(奥田) これ ホントに 警察官ですよね?
(横山) はい
(長谷部) ここまでやって 後ろ手に拘束するって――
ありえんだろう
♪~
~♪
本当に やってないんです!
私は潔白です!
これから娘が生まれるのに そんなことするわけがない
誰かにハメられたんです!
(吉田の泣き声)
(長谷部) 同一人物とは思えねえな
(横山) 被疑者の吉田と タクシー運転手の間に接点はなく――
この日 初めて会ったようです
(長谷部) まあ 怨恨の線は なさそうだし
(奥田) でも 死んでるって 分かってるのに――
拘束までします?
(長谷部) んん…
(小比類巻) 何か 幻覚剤を 使った形跡ありませんか?
(横山) 今 調査中です
(奥田) 幻覚剤だとしても ここまで豹変しますかね?
(小比類巻) では 間欠爆発症の疑いはありませんか?
他人への攻撃衝動を 抑えられなくなる病気です
傷害事件や殺人事件に 発展する可能性が高いといわれ…
あっ でも 記憶がなくなったということは――
一過性全健忘も 併発してる可能性が高いですね
おお… 意味分かんね
何を言われても正解な気がします
交番内の監視カメラを 見せていただけませんか?
(横山) あっ はい
(最上) 振り返ってたけど 後ろに誰かいたの?
(小比類巻) いえ このときは 吉田巡査部長1人だったようです
(最上) う~ん
分かんないけど――
間欠爆発症と一過性全健忘を 併発したんじゃない?
私も そう思ったんですが
そういった症状は 認められませんでした
幻覚剤の使用も 検出されませんでしたし
(最上) う~ん
…で 星来ちゃん まだケーキ選んでんの?
(小比類巻) ここに来ると いつも ああなんです
(最上) よく来るんだ?
亜美にプロポーズした場所で
それから毎年 お祝いに
ふ~ん
淡い思い出の場所だ
何てプロポーズしたの?
ああ…
(最上) コッヒー?
あっ… すいません
何でしたっけ?
何かあった? 亜美さんのこと
(小比類巻) ああ…
まあ
なに? 暗い顔してるぐらいなら話しなよ
最近 不安になるんです
(ピアノの演奏)
私が このまま 年を取り続けても――
亜美は ずっと 26歳のままなんだなって
まあ 冷凍保存してるからね
もし私が90歳になったときに 亜美が よみがえったら――
受け入れてもらえるのかなって…
ハァ…
やっぱり…
エゴなんですよね
(最上) だね
随分はっきり言いますね
(最上) うん でも 否定はしない
てか ちょっと気になったんだけど
コッヒー 90歳まで生きるつもり?
日本人男性の平均寿命は81歳だよ
えっ… そこ 気になります?
アア… 今 そういう話ししてましたっけ?
(警官) ブレーキですか?
ブレーキ
(警官) 急ブレーキ (男性) いやいやいや
そんなことないです 全然
(茂木翔太・茂木智哉) ♪ くりだした
(茂木優紀) あれ? 向こうに渡れないのかな?
(智哉) ちょっと聞いてくるよ (優紀) うん
(優紀) ウウ… 寒いね
(智哉) すいません
(佐竹太陽) はい (智哉) ここ 通れますか?
(無線の受信音)
(破裂音)
(銃声)
(銃声)
(手錠をかける音)
アア… ちょ…
(銃声)
(激突音)
(優紀) ハァハァ…
ハァハァハァ…
ハァハァ ハァハァ…
ハァハァ…
(足音)
(アラーム音)
(銃声)
(アラーム音)
(アラーム音)
(アラーム音)
(翔太) ウウ…
(銃声)
(優紀) ハァハァ ハァハァ…
ハァハァ…
ハァハァ ハァハァハァ…
ハッ…
(空撃ちの音)
(優紀) アアッ…
(激突音)
(優紀) ハァハァ…
ンッ…
大丈夫?
アア…
ハァ…
(優紀) ハァ… アア…
(おびえる声)
アア…
(橘) ンンッ!
警察だ!
(橘) ンッ!
大丈夫ですか?
(星来) これ ママが大好きだったんだよ
だから 星来 選んだの
(携帯電話のバイブレーター) すいません ちょっと…
(携帯電話のバイブレーター)
もしもし
(星来) お仕事かなぁ?
(最上) どうだろ
でも 急に呼び出されること 多いからね
博士 星来をお願いします
(最上) 何かあった?
警察官が発砲事件を起こしました
(最上) また?
分かった 星来ちゃんのことは任せて
ユッキーのことは任せて!
(小比類巻) ありがとう じゃ 行ってくるね
うん いってらっしゃい
ピロピロ~
(小比類巻) グッ! (星来) グッ!
しかたない しかたない お仕事だもん
ケーキ もう1個 食べちゃおっかなぁ
え~っ! ズルイ! 星来も 星来も!
でも それも食べるんでしょう?
(星来) うん
3個食べるの?
フフフフッ… いいよ
(星来) やった~! (最上) 食べな
(サイレン)
(黄川田優斗) ご苦労さまです (小比類巻) 事件を起こした警察官は?
(黄川田) 1人は事故死 2人は確保されました
(黄川田) あそこにいる 警察庁の橘さんのおかげで――
奥さんと子供は無事でした
あっ…
(橘) お前の見立ては?
さすがに警察官が――
こんなに事件起こすのは おかしいと思うだろ
(小比類巻) ああ でも まだ何も
それより お前 よく丸腰で 2人も確保できたな
(橘) 昔から お前より体は動くからな
(小比類巻) そうだな
俺だったら その女性を助ける前に やられてたかもな
(橘) ああ だろうな
(小比類巻) おい 少しは否定しろよ
(橘) お前が言ったんだろ (小比類巻) そうだけど
俺も格闘技を始めて…
(橘) メシ行くぞ
あっ お前のおごりで
(小比類巻) おい
(長官) 一刻も早い 事実の全容解明と捜査を――
尽くしてまいりたいと 考えております
改めまして 亡くなられました方のご冥福を――
心から お祈り申し上げますとともに 深く…
(長谷部) こりゃ えらいことになったなぁ
この人が警察で いちばん偉い人?
なんか それっぽいよね
(奥田) ネットで検索してください
(最上) そこまで興味ないもん
(長谷部) しかし 国民全員 敵に回しましたね
(奥田) あ~ 抗議 殺到してますね
“謝罪で済むと思うな”っていうのが 今 いちばん多いです
“犯罪者に税金払いたくない”とか
何かあったら すぐに税金泥棒扱いだよ
俺らも納税者なんだけど
なんで俺の上着の上に座るんだよ!
あっ 踏んでたんだ
“踏んでたんだ”じゃないよ
“交番の警官が 銃を持つ必要ない”って書き込みも
(長谷部) “暴力で秩序を保てるわけがない”
“警察法に問題がある” そこまで言うか?
でも それが リアルな声ってことでしょ
さあ そろそろ行きましょう
(長谷部) ほい
よし
(長谷部) え~…
ちょっと もう長谷部さん なんで私のとこに置くんですか
飲み残しは給湯室です
(長谷部) はいはい 面倒くせえ
(最上) 分かる 洗面台ないと不便だよね
(長谷部) だよな
室長 うちら虐げられてませんか?
こんな狭いとこに移んなくても…
(奥田) もしかして なくなるなんてこと…
(小比類巻) 私がいるかぎり それは ありません
さあ 行きましょう
(最上) いってらっしゃ~い
(長谷部) …で なんで 今日は倉庫なんです?
(横山) 被疑者は マル被が――
車脇にて 電話をしている最中に――
タクシーの後部座席に――
乗り込んだものと 思われます
(黄川田) 携帯していた拳銃を発砲し
動かなくなった被害者を 手錠で拘束したとのこと
まもなくして――
同じく交通誘導作業中だった警察官 中村拓海と堀 大輔が――
逃げる茂木優紀と息子 翔太を――
発砲しながら 追いかけていったという
(玉置 孝) 青葉台西交番の 吉田巡査部長とタクシー運転手
そして 自動車事故現場にいた――
中村巡査部長 佐竹巡査長 堀巡査長と 被害者家族に接点はありません
公安も来てますね
あいつら 俺たちのこと 疑ってんじゃないのか?
やっぱ そう思います?
なんか 見張られてる感じしますよね
(玉置) 死亡した堀巡査長を除く 3名全員が――
事件の記憶を全て なくしていることが分かってます
(葛木信介) 記憶がないでは済まされない!
何か隠してるはずだ
宗教や思想が絡んでる可能性もある
過去から現在に至るまで 人間関係を含め――
警察官たちの共通点を徹底的に洗う
何だ?
彼らは 無意識のうちに――
何者かによって 操られていたのではないでしょうか
出たよ
私の仮説が正しければ 同様の事件が また発生します
(葛木) どういうことだ?
(最上) マインドコントロール?
(小比類巻) ええ もしくは催眠術のようなものかと
事件に関わった警察官は 全員 記憶をなくしています
誰かに 殺人を犯すよう マインドコントロールされ――
都合よく 記憶を 消されたのではないでしょうか
(最上) それって コッヒーが そう信じたいだけじゃない?
“警察官が 殺人を犯すわけない”って
はい
素直
そう信じたいんです 私は
まあ それがコッヒーらしいか
(ノック)
(ドアの開く音) (看護師) 失礼します
(看護師) 茂木さん 警察の方が お見えになりました
今日は お時間を作っていただき ありがと…
(看護師) ウワ~ッ!
(優紀) いきなり スイッチが入ったみたいでした
(小比類巻) スイッチ?
(優紀) そのあとは ずっと無表情で
痛みも全く感じてないみたいで…
あの… もういいですか?
(小比類巻) あっ… はい
すみません ありがとうございました
(優紀) これから 誰を信じたらいいんですか?
あなたたちだって いつ あんなふうになるか
(最上) はい
落ち込んでる場合じゃないでしょ
(小比類巻) 分かってます
“スイッチ”“無表情” “痛みを感じない”
コッヒーの言うとおりかも
でも どう証明するかだね
警察官は 実際 人殺してるわけだし
(小比類巻) ンン…
(小比類巻) 橘?
(橘) おおっ…
なに お前 最近 俺のこと張ってる?
はぁ?
誰?
(橘) そうか 息子さんのほうもか…
(小比類巻) ああ だいぶナーバスになってる
(橘) そう思って…
(小比類巻) おお… (最上) 抜かりないな
2手3手先まで読まないとな
ちなみに 正解はミニカー
おっ… ありがとうございます
(最上) うちらも 何か持ってくればよかったね
いや 向こうに 気を遣わせたくないんです
物を受け取ったことで――
何かを話さなきゃいけないという プレッシャーになるのもイヤですし
(最上) はいはい (橘) ねっ?
こいつ 面倒くさいでしょ?
やっと 分かり合える人に会ったよ
(橘) フフッ… (小比類巻) えっ…
(橘) 最上博士 また
じゃあな 小比類巻
(小比類巻) おう
(小比類巻) アッ… アアッ!
(たたく音)
(小比類巻) アッ…
(奥田) ウッ…
(小比類巻) アアッ…
ハァ… ハァ…
ハァハァ…
(タッチする音)
ハァ…
ハァ… ハァ…
フゥ…
いつか これ 実戦で生かせますかね?
それは やってみないと 実戦は違いますからね
(小比類巻) ご指導 よろしくお願いします
(奥田) じゃ もう少し稽古しますか?
イスラエルの軍隊格闘技で クラヴ・マガってのがあるんですけど
(小比類巻) 奥田さん ミーティングの時間ですよ
(奥田) あっ… そうでした
(長谷部) マインドコントロールって――
オウムとか 北九州監禁殺人みたいな感じですか?
(小比類巻) ええ
広い枠組みで言うと そういうことです
(奥田) ありえない話じゃないですね
(小比類巻) 今回の件に類似した事件だと――
ロバート・ケネディ暗殺事件があります
ケネディ大統領か
それは お兄さんで――
ロバート・ケネディは 弟の司法長官です
知ってるよ ロバートだろ?
(奥田) はい
(小比類巻) ロバートを暗殺した犯人は――
犯行時 記憶がありませんでした
CIAが催眠術をかけたとも 言われています
(最上) それは参考にはならない
犯人は ロバートを憎んでた
今回は 何の恨みもない人を 撃ってるから 全く別物
(小比類巻) ですが 記憶の点では…
(最上) ホントに警察官4人の 共通点って なかったの?
まず…
出身地 年齢も違う
経歴もバラバラです
警察学校の成績…
あっ… 2人が 射撃大会の 警視庁代表に選ばれてます
だから 4人だって言ってんだろう
うん?
(最上) 宗教とか そういうのは データにないの?
ああっ!
(最上) うるさいよ! (奥田) いきなり 何ですか?
室長 今日の俺は冴えてます!
(小比類巻) はい?
VRですよ VR!
VR?
(長谷部) VRで テロ対策の射撃訓練をしてるんです
日本の警察は 発砲のハードルが高いから――
すぐに対応できない場合がある
だから テロに遭遇したら すぐに対応できるようにって――
確か作成されたんです
(奥田) でも VRで マインドコントロールですか?
(長谷部) 現実とVR世界の 区別がつかなくなって…
“バン!”だよ
(最上) やるじゃん ハセドン (小比類巻) さすがです
2人が俺のことを褒めるなんて…
奥田 見たか
これが本当の俺だ!
(奥田) ちょっと 手 上げてください
(長谷部) なんで俺が?
あの 普通 こういうのって 新人がやるもんでしょ?
(奥田) 背中を見て学びます
(長谷部) 学びたいんだったら お前がやれよ
なんなら 俺だって危ないんだぞ
(最上) さっさと始めて
(長谷部) 愛がないね!
おっ…
おお…
(長谷部) 何だ? ここ
(ブザー)
(ブレーキ音)
(長谷部) あの赤い的を狙えってことか?
(引き金を引く音)
見たところ 普通の射撃訓練だよね
ええ 何か仕掛けが あるのでしょうか?
(引き金を引く音)
(物音) ハッ!?
アア… 危ねえ
ご苦労さんです
上か?
屋上?
屋上
ちょっと…
(銃声)
OK
(足音) うん?
(銃声)
(空撃ちの音) えっ!?
あっ… おっ!
(長谷部) ウワッ!
ンッ!
クッ… ハァハァ…
終わったぞ!
あと34ステージあるみたいです
(長谷部) ええっ!?
もう… マジ?
なに? これ
これ マインドコントロールの 証拠になるんですかね?
どう考えても これだけじゃ難しいね
発砲 制圧までは リンクしてますけど――
手錠は出てないですよね
そもそも 死んだ人の後ろ手に 手錠かけるって…
かけてるね
(奥田) えっ?
あっ!
制作者に当たったほうが 早そうですね
(小比類巻) すみません 突然
(栗山ミキオ) いえ 気にしないでください
これ どうぞ おいしいですよ
(小比類巻) あっ… お気遣いなく (栗山) フフッ…
(最上) うまっ! (栗山) ですよね!
(小比類巻) こちらの会社で――
警察庁のテロ対策訓練用のVRを 作られてるんですよね?
(栗山) ええ ウチが請け負いましたが――
実際の制作は ほとんど 海外の会社に下請けに出しています
(小比類巻) 海外? (栗山) はい
VRは 目的によって――
ユーザーインターフェース・ アーキテクチャーが大きく変わるので――
各社の得意分野に合わせて 世界中の会社に お願いしてるんです
それぞれの会社から納品された プロジェクトファイルある?
もちろん こちらに どうぞ
どうぞどうぞ
(小比類巻) アア…
(栗山) こちらです
(栗山) もう少し持ってきます (最上) ありがとう
(小比類巻) 博士 少しは遠慮してください
(最上) コッヒー
あのVR 本体のゴーグルとかも 調べたほうがいいかも
(小比類巻) えっ?
(最上) VR映像だけじゃ 限界あると思うんだよね
(電子音)
特にプロジェクトに問題はないね
(栗山) こちらでも 確認しましたからね
これ どうぞ
(最上) ありがとう
もしかしたら 警察に渡ってから 誰かがデータを改変したのかも
(小比類巻) まさか
(最上) とにかく 大元のプロジェクトに問題はない
振り出しだね
(星来) おいしい!
(三枝) んん~ (聡子) フフフフッ…
(三枝) はい 聡子さんも どうぞ (聡子) ありがとう
(三枝) アハハハッ… 光ってる 光ってる!
(聡子) 気に入ってるのよね (星来) うん
(三枝) 先輩と博士は やっぱり仕事ですか
(聡子) そう
今 世の中 大騒ぎじゃない? 大変なのよ
(星来) しかたない しかたない
あっ 三枝くんも――
焼いてばっかりじゃなくて 食べて 食べて!
はいはい はいはい
お待たせしました~
よいしょ
いただきま~す
(携帯電話のバイブレーター) オーマイ
(携帯電話のバイブレーター)
(三枝) あっ ウワサをすれば… (聡子) あら
(星来) フフフフッ…
はいはい 先輩 やってますよ
はい
えっ?
アッ…
すいません すいません 今 何時ですか?
(女性) 12時20分です (三枝) あっ セーフです
(小比類巻) 三枝 こっちだよ
(三枝) もう…
(小比類巻) 人さまに ご迷惑をかけちゃいかんだろ
(三枝) いや それはそうですよ そうなんですけど
こっちも 被害 被ってますから
すいません ちょっと…
(飲む音)
ハァ~ッ…
1時間で厚労省のVR資料 持ってこいなんて…
でも それをやっちゃうのが オカルト星人だよね
(小比類巻) 頼りにしてるぞ
(三枝) こもってないですね 気持ちが
(店員) いらっしゃいませ
(三枝) あっ アイスコーヒーを (店員) かしこまりました
VRの技術を使って 完全に人を操れる技術者を探している
あのVR映像だけじゃ 殺人までいかないかもよ
(小比類巻) VRのほうは 長谷部さんに お願いして――
内容を確認してもらってます
(引き金を引く音) (長谷部) トゥエイ!
次で最後のステージなんで 頑張ってください
(銃声)
(長谷部) 見たか 奥田 俺のアクロバティックシューティングを
(奥田) 長谷部さん 上です 上! (長谷部) 上?
(銃声)
(落ちた音) オッ…
終わりか?
ああ?
(奥田) 長谷部さん! まだいる!
(銃声) アアッ… ミスった!
クソ! いい感じだったのに
ハァ…
ウワッ…
なんか グルングルン回ってるよ
(奥田) 大丈夫ですか?
あっ… セットでついてる 酔い止めあるんで…
(奥田) これ どうぞ (長谷部) ムカムカする
酔い止め? これ 何錠?
(奥田) 4錠?
(長谷部) 4錠? 説明書 読んでくれよ ちゃんと!
(三枝) あとは かつて取り引きがあった…
(タイピング音)
(最上) これ脳科学者の 雨宮 猛だよね?
(小比類巻) 雨宮 猛
日本の マインドコントロール研究においては――
確かに 第一人者かもしれませんね
でも 確か…
はい 11年ほど前に失踪したと ウワサされてます
ご存命なら… 64歳になりますかね
(小比類巻) 当時 話題になったよな
博士は どこかで?
(最上) 一度 研究室に誘われただけ
(三枝) あっ 先輩
俺 星来ちゃんと おそろいの ヘッドライト買いましたよ
(小比類巻) 登山用のか? (三枝) はい
(小比類巻) あっ 俺のも頼む
(三枝) 了解 (最上) これ ありがとう
コッヒー VR本体 借りてもいい?
(小比類巻) ええ もちろんです
(最上) じゃ 調べるから先行くね
(小比類巻) あとで連絡ください (最上) うん
(三枝) お疲れさまです (最上) うい
あっ… ヘッドライト もう頼んじゃいますね
(小比類巻) ああ (三枝) 色 どうします?
(小比類巻) 黒かな (三枝) 黒で
あっ! 青がいいかも
(三枝) 青 (小比類巻) う~ん
星来ちゃんが 登山したいって言いだしたの――
ママに会いたいからなんです
先輩 リビングに 登山の写真 飾ってるじゃないですか
あの山に登れるようになったら ママに会えるかなって
ハァ…
(三枝) それで 俺…
“きっと会えるよ”って 言っちゃったんですけど…
すいません
謝る必要はない
ありがとう
いや…
(タイピング音)
よし
(キーを押す音)
あれ?
あっ… ごめんなさい あの あれ?
(小比類巻) どうした? (三枝) 蛍光ピンク買っちゃった
(小比類巻) 蛍光ピンク? (三枝) はい えっ なんでだろう?
お前 これ どうやったら 間違えれるんだよ
(最上) ハァハァ…
どうだった?
(研究員) それが…
マズイね
(奥田) こちら VR内のステージです
全て実在しない場所でした
(小比類巻) ほかには 何か見つかりましたか?
(最上) 見つかったよ
あれ? ハセドンは?
(奥田) VRに酔ったみたいで 帰りました
(最上) そっか (小比類巻) …で 何が見つかったんです?
(最上) これ 訓練中 ずっと 特殊な電磁波が――
放出される仕組みになってる
(奥田) 電磁波? (最上) そう
個人差はあるけど 頭痛や吐き気を感じるの
でも 射撃が成功したときだけ 電磁波はストップする
痛みからの解放は 快楽にも つながる
だから 射撃を成功させようと 必死になる… ということですか
多分ね
(奥田) 電磁波も マインドコントロールに使われてた?
1976年
モスクワのアメリカ大使館に勤務する 2人の外交官が ガンになって――
大使は目から出血した
(小比類巻) モスクワ・シグナル事件と 呼ばれています
第二次世界大戦が終わった1945年
ソ連から モスクワにあるアメリカ大使館に――
ワシの彫刻が贈られました
(最上) そのワシが 外部の電波を拾って――
自動的に変調された電波 マイクロ波ってのを放出してた
(奥田) でも それ 体にダメージはありますけど――
マインドコントロール じゃないですよね?
(最上) そう 攻撃として使われただけ
でも その事件のあと CIAが――
マイクロ波を 洗脳に利用できないかと――
実験を始めたらしいの つまり…
(奥田) 電磁波でも 洗脳できる可能性がある
(小比類巻) そういうことです 非常に高い技術が必要ですが
雨宮にならできる
ていうか 雨宮にしかできないと思う
ヘッドセットのほうに 仕掛けがあったんですね
雨宮 捜し出すしかないね
でも その前に ハセドンに話聞きたいな
あ~ 今日は もう寝てるかと
あっ… 具合が悪くなったのって 電磁波のせいですかね?
そうかもね
酔い止めとか効かないですよね?
酔い止め?
あっ はい 説明書の所に入ってましたよ
VR酔い専用って薬
これです
(小比類巻) あっ… (橘) おう
(小比類巻) 悪いな 急に (橘) ああ
(店主) いらっしゃいませ (小比類巻) 久しぶりです
(橘) ウォッカマティーニを
(店主) かしこまりました (小比類巻) ありがとう
お前も いつも同じだったよな
(橘) うん? (小比類巻) あれ? 今日 違うのか
(橘) ハハッ… まあな
ちなみに 俺のは ウォッカマティーニじゃなく――
ボンドマティーニだ
(小比類巻) ハハハッ… これ 何回聞かされたか
オリーブを絶対 残すヤツが うんちくだけは…
(グラスを当てる音)
ハァ~ッ…
器用だな アヒルか?
(橘) 白鳥だ
白鳥…
(シャッター音)
(小比類巻) マスター それ まだ持ってたんですか?
(橘) 不意打ちすぎるって 今のは
あっ そうだ
ほら あった あった こっち来いよ
(橘) 今度は何だよ?
(小比類巻) 変わらないな 今も
…で 何だよ? 今日は
まさか これ 見に来たわけじゃないだろ?
ああ ちょっと聞きたいことがあってな
(女性) いけいけ いけいけ
(橘) あの訓練用のVRが…
(小比類巻) ああ それで すぐ島崎局長に話をして――
全国の警察署から VRを回収してもらうことになったんだ
(橘) どうなってんだ?
まさか 上が絡んでんのか?
分からない
(携帯電話のバイブレーター)
(小比類巻) あっ ちょっと… (橘) おう
(携帯電話のバイブレーター)
博士 何か分かりましたか?
(最上) あのVRに入ってた酔い止め
酔い止めじゃなかった
(小比類巻) はい?
ドーパミンの分泌量を上昇させる 薬物だったの
ドーパミン…
(最上) …で やっかいなのは オキシトシンも検出されたってこと
えっ?
オキシトシン
オキシトシンは 信頼感を高める効果があって――
最近では 愛情ホルモンとか言われてるけど――
裏を返せば ダマされやすくなるってこと
仲間意識は高まるけど…
他人に対する敵対心や 攻撃性が強くなる
だから 同僚には発砲せず 知らない一般人を撃った
そういうことですか?
(最上) そう あのVRに この薬が加われば――
人を操るのは簡単かもしれない
(橘) 力になれなくて悪かったな
(小比類巻) 来てくれて ありがとう
あっ… あと 亜美さんに会わせろよ
結婚式以来 さっぱりだろう
ああ… 今 アメリカなんだ
(橘) 仕事 始めたのか? (小比類巻) まあな
(クラクション) 悪い
じゃ 亜美さんが帰国したら 教えてくれよ
ああ またな
(橘) やっぱり もう1杯飲んでいきます
(橘) ボンドマティーニを (店主) かしこまりました
(シェーカーを振る音)
(最上) う~ん おかしい
(奥田) 何がですか?
(最上) この薬があるなら――
もっとマインドコントロールされた 警察官がいてもいいはず
(奥田) 事件を起こした警察官が 少ないってことですか?
(最上) そう
なんでだ?
(奥田) 実は 特定の警察官だけを 操ってるとか?
(最上) それはないよ みんなVRやってるもん
(奥田) 背中にスイッチがあって それを押された警察官だけ
(最上) ふざけてる? (奥田) 例えばの話ですよ
それだ
(奥田) えっ?
警察官を暴走させるスイッチ
つまり トリガーがある
トリガー?
じゃ それを突き止めれば いいんですね?
突き止めないと 次の事件が起こる
(小比類巻) 橘に会ってきたよ
覚えてるか? 同期の
“人々の笑顔を守りたい”
“だから 警察官に なるんだ”って言って…
(小比類巻) あいつは いつまでたっても変わらないよ
(かみ砕く音)
(小比類巻) 奥田さん 何があったんです?
(奥田) あの監視カメラの映像って
捜査本部に なかったですよね
(小比類巻) 罪を犯した警察官は――
仲間ではないんですか?
そんなことより メシ行こうぜ
お前のおごりで
やっと分かったんだけどね 犯人
(小比類巻) 特定できたんですか?
(御門凛子) 死にますよ
(葛木) 小比類巻 お前は何者だ?
(男性の笑い声)
(小比類巻) 葛木さん 報告したいことがあります
♪~
~♪
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