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Original subtitles

(伊達原)諸君も知ってのとおり 刑事事件において

日本は他国より 後れを取っている といわれています

例えば 多くの国では

取り調べの際 被疑者には

弁護人の立ち会いが 権利として認められていますが

日本は違う

被疑者が否認すれば勾留が長引き

自白すると保釈が認められる

それを「人質司法」と呼んで 批判する者もいます

まるで被疑者を人質にとって

自白を強要しているかのような 言いぐさだ

ハハハハハッ

ありえない!

また 嘆かわしいことに→

先日の いち検事の不正により

検察の信頼は 大きく揺らいでしまった

誠に残念

申し訳ございません

申し訳ございませんでした

さて 私たちは どうしますか?

私は 今日ここで 強く訴えたい

我々は ひるむことなく

堂々としているべきだと!

我々 検察は法に従い 職務に忠実に

成すべきことを成している

そもそも 罪ある人間に罰を与えることを→

国民が求めているのです→

我々は その意思を真摯に受け止め→

真実を求めてきた→

だからこそ 世界でも まれに見る

有罪率99.9%という数字を 保ってきた

今こそ 検察の威信を取り戻し

世間に知らしめる時が来た!

我ら検察こそ

正義なのだと!

(明墨)本当に申し訳ありません

ですが このままでは終わらせません

今 方法を探っています

少しでも早く再審が… (志水)ありがとうございます

私が こうなったのは 先生のせいだとは思っていません

横領に手を染めてしまったことも

やってもない罪を認めたことも

全部 自分の弱さが招いたことで

先生が 頭を下げることなんかないんです

先生のほうこそ ご自分の人生を

私と紗耶のために どれほど犠牲にしてきたか

長かったでしょう?

先生のおかげで

紗耶に また会えました

昨日も 写真を見せてくれましてね

《(紗耶)ミルとマメ ココアに そっくりでしょ?》

《パパにも早く 会わせてあげたいな》

手がね

温かいんですよ

今 生きてるんだと

また感じることができた

もうホントに十分です

志水さん これ以上の幸せを

あなたは当然 受け取るべき権利があるんです

私は あなたを 無罪にすると約束いたしました

どうか あと少し あと少し

時間をください

(白木)先生 今日も出てきませんね

(青山)家にも帰ってないようです 何度も読み込んだ事件資料を

また読み返してるようで (白木)そういえば

沢原さんの知り合いの記者 会えた?

(赤峰)12年前のことは 色々 聞けたんですけど

再審の決め手と なるようなことは何も

そりゃ そっか 新証拠なんて そう簡単には出ないか

あのアリバイ動画に たどりつくまで 5年も かかってますからね

(紫ノ宮)戻りました お疲れ

どうだった? しのりんパパ

面会拒否です でも 何度でも通います

動画のこと証言してもらうまで

お願いします 今は それ以外 手だてはありません

う~ん ああ~!

どうした? 若者

ちょっと 一回 整理しませんか

<2012年3月5日>

<千葉県千葉市花見川区にある 糸井誠さんの自宅で>

<一家全員が 死亡しているのが発見された>

<死亡する前夜 一家は>

<嘔吐 下痢などの症状を訴え 受診していたが>

<翌日未明に 死亡したとみられる>

<現場検証の結果 高濃度の タリウムが検出されたことから>

<毒殺事件と断定された>

<近隣住人の話によると 死亡した前日の夜7時半頃>

<糸井家に客が招かれ 食事会が催されていた>

<警察は 毒物を持ち込んだのは この客とみて捜査を進めた>

<毛髪 皮脂 皮膚片などを含む 犯人の痕跡も>

<一切 残されていなかった>

<糸井さんの人間関係が 徹底的に洗われ>

<その結果 一家とも親交が深かった>

<志水さんが逮捕された>

でも実際 その夜は 志水さんは紗耶ちゃんのために

ひしみ公園で ぬいぐるみを捜していました

桃瀬さんのファイルによると 緋山さんの盗撮動画に→

写り込んでいた時刻は 19時41分

(青山)一方 糸井家に犯人らしき 人物が訪れたのは 19時30分頃→

距離的にも志水さんが この時間に 糸井家にいることは不可能です

でも この時 まだ誰も 動画の存在を知らなかった

それに 志水さんが 公園に行ったことを知ってたのは

紗耶ちゃんだけ 警察は父親が 5歳の子どもを

言いくるめてるとしか 思わなかった

そのうえ 会社の金を横領していたことや

糸井さんとトラブルになっていた 証拠が出てきて

どんどん 疑いが強まってしまった

これ よければ 赤峰さんたちも 目を通しておいてください

桃瀬さんって どんな方だったんですかね

とても優秀な方でしたよ

えっ 青山さんも 知ってる方なんですか

大学時代の後輩でしたから

一応 私も昔は 弁護士志望だったんですよ

じゃあ 青山さんと先生は その頃から?

はい 司法試験 4回チャレンジしたけどダメで

こう見えて 極度の あがり症なんですよね

妻が妊娠したのをきっかけに 諦めて 営業職に就きました

でも 5年前 先生と再会して

桃瀬さんが亡くなったことは その時 初めて知りました

赤峰さんのノート見ると 桃瀬さんのことを思い出します→

よく そうやって メモをとってましたから

(美枝子) 事件に関係していそうなものは

随分前に ほとんど明墨さんに お渡ししたんですけど

整理したら 少し出てきたので

ありがとうございます

どうぞ

あの子 病院でも ずっと調べてたんですよ

志水さんの事件のこと

医師の先生方に 毒について 質問して困らせたりして

あっ どうぞ

礼子が 最後までつけていた日記です

そんな大事なもの 礼子の意志を

明墨さんが継いでくれただけでも ありがたいのに

今 こうして あなたみたいな仲間が増えて

喜んでると思います

あの子が言うんですから

志水さんの無罪は 間違いありません

どうか 志水さんを救ってください

戻りました おかえり

あっ それ 桃瀬さんの?

うわ すごい付箋の数

メモの中に ヒントがあるかもと思って

お母様 お元気だったか? はい

これを

桃瀬さんの日記です

(桃瀬)「4月1日 あの伊達原さんの 下につくことになった!」

「検事なら誰もが目標にする 憧れの検察官 がんばろう」

「6月10日 伊達原さんのことで 気になる話を聞いた」

「千葉で起きた 糸井一家殺人事件で」

「志水のアリバイを示す証拠を 隠滅したって」

《(桃瀬)新宿窃盗事件の 報告書になります》

「あの事件をきっかけに」

「伊達原さんは 次席検事に出世した」

《どうした?》 《いえ 失礼します》

「まさかとは思う」

「でも 本当だとしたら大変なこと」

「6月21日 あのことを同期に話した」

「明墨君は当時 応援に駆り出されたって聞いてる」

《調べてみたら やっぱりおかしいの》

《志水は横領の罪については すんなり認めてるのに》

《殺害については ずっと否認してた》

《勾留期間だって トータル65日》

《これ 色んな理由つけて 延ばしてるよね?》

《無理に自白に 追い込まれたんじゃないかって→》

《明墨君 何か知らない?》

《証拠は?》 《えっ?》

《伊達原さんが 隠滅したっていう証拠だよ》

《それは…》 《噂ベースなら検証する価値もない》

《君も検事だったら もっと別に やることがあるんじゃないのか》

《ただでさえ 犯罪者が 列をなしてるっていうんだ》

「あとから聞いた 志水さんを自白させたのは」

「明墨君だったって」

「彼に相談したのは間違いだった」

「9月6日 深澤刑事と会った」

「伊達原さんの噂は 彼が漏らした 言葉が広がったみたいだ」

《(深澤)盗撮動画を 送りつけられるという》

《嫌がらせ被害に遭った女性から 相談を受けたんです》

《まあ それで見せてもらったら…》

《志水さんが写ってた》 《ええ》

「彼は確かに その動画はあったと認めた」

《それで事件の捜査本部長だった 倉田さんに報告して》

《倉田さんは何と?》 《慎重に確認したいから》

《預からせてくれって言うんで お渡ししました》

《後日 あれは志水ではなかった って言われたんですけど》

《今 思うと…》 《それ 証言していただけませんか》

《いやいやいや 勘弁してくださいよ→》

《今の話も ここだけにしてください》

《じゃあ私は これで》 《深澤さん》

「志水さんの冤罪は間違いない」

「大きな一歩だ」

「10月26日」

「志水さんからは 面会拒否され続けてる」

「手紙 読んでくれるといいけど…」

「3月12日 志水さんの娘さんが」

「保護犬の施設に 通っていると知った」

《紗耶ちゃんだよね?》

「牧野紗耶ちゃん」

「少しずつ歩み寄れるといいな」

「5月8日 ついに」

「紗耶ちゃんの愛犬 ココアが懐いてくれた」

「紗耶ちゃんも 少しずつ笑顔を見せてくれてる」

《皆さん 撮りま~す》

《(紗耶)桃瀬さん 早く早く》 《は~い》

「10月2日 宇都宮地検に異動の辞令」

「この時期の異動なんて」

「普通ありえない」

「でも 真実に近づいてる証拠なのかも」

「3月27日」

「仕事が山積み」

「せめて 週末だけでも千葉に行って」

「事件の調査を進めたい」

「どうも調子が悪い」

「疲れてるのかな」

「4月7日 病気が見つかった」

「情けない」

「入院なんかしてる場合じゃ ないのに…」

「9月16日 また入院」

「もう時間がない」

「明墨君を呼び出した」

《これ 明墨君に》

《まだ調べてたのか》

《うん》

《ただでさえ忙しいのに》

《栃木と千葉を往復して》

《定期健診も受けずに…》

《バカだって言いたいんでしょ》

《そのとおりだよ》

《おかげで こんな》

《志水さんの冤罪は間違いない》

《読んでくれれば分かる》

《明墨君には》

《志水さんを自白させた 責任がある》

《一度でいいから》

《目を通して》

「明墨君へ」

「志水さんを救って」

「こうなってみて分かる」

「命は有限で」

「尊い」

「私も」

「もっと生きたかった」

「でも まだ救える命がある」

「誰一人」

「無実の罪で 命を奪われることがないように」

「その命を奪うのが」

「司法権力の傲慢であっては ならないと」

「一人の検事として」

「強く思います」

「どうか 私たちが」

「司法の信頼と誇りを」

「取り戻せますように」

「その未来を」

「私も この目で見たかった」

「明墨君と一緒に」

私もだ…

桃瀬

これ 桃瀬さんのお母さんから

(ドアが開く)

全て読んだが

ファイルにある以上の手がかりは 見当たらなかった

そうですか

桃瀬は きっと 君たちの尽力に 感謝しているはずだ

はい

「似てる?」

ああ 本に ついてたのが 落ちちゃったんですね

入らないんですか

まあ 入っても冷たい視線を 浴びるだけでしょうけどね

今のあなたは

弾劾裁判では 黙秘を続けてるそうですね

話せば楽になると 思いますけどね

あなたが不正に 手を染めたきっかけは

伊達原だと

(瀬古)やっぱり 元検事ね 私を取り調べるつもり?

取り調べではありません お願いしにきたんです

裁判で全てを 話してもらえませんか

あの判決を下した時

あなたは何も知らなかった

検察が出した証拠を信じ 考え抜いた末

志水さんには 死刑が妥当だと判断した

冤罪の可能性を知ったのは

桃瀬という検事が あなたに会いにきた時だ

《どういうこと?》 《志水裕策さんのアリバイを》

《証明する動画が存在したんです》

《でも 伊達原検事によって もみ消された》

《まさか…》 《志水さんは》

《無罪です》

あなたは明らかに動揺していた

桃瀬の記録には そう書いてありました

過ちに気づき ずっと後悔してきたんですよね

だから あなたは 志水紗耶のいる児童養護施設で

寄付やボランティアを続けてきた

せめてもの罪滅ぼしのために

だが そんなものは瀕死の怪我に

絆創膏を貼るようなものです

あなたが見て見ぬふりをした その怪我で

一人の命が 失われるかもしれないんです

手遅れになる前に

声を上げませんか

無駄よ

私は何も知らない

伊達原はね 自分のルールから はみ出した人間を

絶対に容赦しない

あなたも もうすぐ潰される

かまいませんよ

失うものがなければ 何でもできますからね

違いますか 瀬古判事

ただいま (結奈)おかえり

(絵美)もう 結奈!

おかえりなさい おお どうかしたのか

あの子 勉強するって言って また隠れて動画 見てたのよ

え~ (結奈)ねえ いいじゃん 別に

この前の模試だって 成績上位に入ったんだしさ

結奈 頑張っているのは知ってるよ

でも

ルールを破るのは よくないな

ルールを破った人間は罰せられる

その罰を与えるのが お父さんの仕事だ

もういいって

結奈にも

罰を与えないとダメかな?

分かったよ ごめんなさい

いい子だ

(白木)これ見てください 今日 発売された週刊誌です

これは… 伊達原が

メディアの印象操作を 始めたんでしょう

「数々の事件で被告人を 無罪に導いてきた明墨弁護士だが」

「その仮面が剥がれた 殺人事件の控訴審を控える」

「緋山啓太氏の弁護において 違法に証拠を隠滅し」

「犯罪をもみ消した疑いが ささやかれている」

こちらは志水さんの事件について 言及されてます

「志水死刑囚が冤罪だとする 主張についても」

「その根拠は乏しい 明墨弁護士は」

「志水死刑囚の娘と 交流を持っている」

「どうやら個人的な感情で 冤罪を主張しているようだ」って

最低です 紗耶ちゃんまで持ち出すなんて

部数獲得のために 人の人生を 簡単に壊していいわけがない

緋山さんのもとにも マスコミが行くかもしれない

赤峰君 はい

(緋山)あの 例のジャンパーは? 事務所に保管してあります

心配ありません どうぞ

パパのこと 大丈夫なんだよね?

ああ なら 私は大丈夫

信じて待つ

今はマスコミの目もあって 明墨が来ると

紗耶さんにも 迷惑が かかるかもしれないので

何から何まで ありがとうございます

再審のことも 動画は なくなったというのに

尽力してくださって

今 再審に持ち込めるような証拠を

みんなで必死に探しています

でも 正直なかなか…

それで 今日は お願いにきました

当時のこと

もう一度 ちゃんと 聞かせていただけないでしょうか

志水さんにとっては思い出すのも つらいことだと思います

でも どんな ささいな情報でも かまいません

お願いします

実は…

お願いします 分かりました

どうでしたか? 今日もダメでした

そうですか

それ…

志水さんから預かったんです

事件当時の被疑者ノート

何か 手がかりは?

いえ

ただ 何となく

読み進めるのが つらくて

いい?

はい

(志水)「逮捕されて 5日」

「アリバイに関する取り調べ」

「拒否するも 10時間拘束」

「逮捕されて 10日 犯行時の尋問調書」

「取り調べ時間 11時間」

「飲食物 与えられず」

《ですから 私は》 《嘔吐に下痢》

《眼瞼下垂に弛緩性麻痺 このあたりの症状は》

《お前が帰る頃には もう出始めてたんだろ?》

《お前 それ見て楽しんでたのか》

《そんな残酷なこと》

《できるわけないだろ!》

《俺にも娘がいるんだぞ!》

《もういいだろ ここから出してくれ》

《紗耶に会わせてくれ!》

《頼む! 頼むから出してくれ 頼む!》

「逮捕されて 25日 犯行時の尋問調書」

「取り調べ時間 11時間 飲食物 与えられず」

《いいな 認めたって書くぞ》

《違う》

「答える気力も湧かない」

「聞いてもくれない相手に 何を言えというんだ」

「逮捕されて 52日」

《娘さん これから どうやって生きていくと思う?》

《殺人犯の娘》

《そのことをひた隠して 生きていくしかないんだよ》

「紗耶は殺人犯の娘なのか」

《横領して 人を殺して》

《そのうえ 嘘をつき続ける》

《そんな父親を 娘さん どう思うんだろうな》

「紗耶に会いたい」

《聞いたよ 奥さんのこと》

《交通事故だってな》

《娘さん 児童養護施設に 保護されたそうだ》

「紗耶に 会いたい」

「紗耶に 会いたい」

「会いたい」

言葉が 出ないですよね

明墨先生は その時の後悔を ずっと背負い続けてる

どうかしましたか? 刑事の言葉

眼瞼下垂に弛緩性麻痺って

それが? 今 集団食中毒の案件 扱ってて

毒のことを色々 調べてるんだけど

タリウムに そんな症状

やっぱり 「嘔吐 腹痛 下痢 消化管出血などの消化器症状」

「さらに神経症状として」

「傾眠 昏睡 痙攣発作」

「失明 顔面神経麻痺」

眼瞼下垂に弛緩性麻痺なんて どこにも書いてない

検察の調書にも そんな言葉ありません

どういうことだと思う? 刑事の勘違いか

志水さんの記憶違いか

それか もしかしたら…

世の中の発見や発明は

《世の中の発見や発明は全て》

推測や仮説の上に成り立っている

検察の調書によると 薬毒物鑑定は

千葉県警の科捜研で 行われたとあります

鑑定の結果 使われた毒物は タリウムだったと判明

これは 志水さんが会社の倉庫から 持ち出しうる毒でした

(白木)それが どうしたの? 逮捕されて 10日後

取り調べの刑事は こう言っています

糸井一家には 嘔吐に下痢

眼瞼下垂に 弛緩性麻痺の症状が出ていたと

ですが タリウムでは

眼瞼下垂や弛緩性麻痺の症状が 出ることはありません

取り調べの時 毒物はタリウムであったと

鑑定結果は出ていたはずなのに

なぜ 刑事は こんなことを言ったのか

単なる勘違いと 考えることもできますけど

眼瞼下垂に弛緩性麻痺なんて言葉 資料でも読みながらでないと

なかなか普段 言う言葉じゃないですよね

これが勘違いでないとすれば…

誰かが意図して 毒物の鑑定結果を書き換えた

はい 毒物の鑑定は難しく

特定には時間もかかります

硫酸タリウムは 志水さんが手に入れやすい毒です

起訴するうえで 大きな説得力になります

先生が さいたま地検から 応援に呼ばれたのは

志水さんの最後の勾留期間中

この頃には すでに書き換えられていて

鑑定結果を疑う余地がなかった

今 話したのは 僕らが作った… そのストーリーに

書き加えるとしたら こういうことになるだろう

伊達原は イラついていた

志水さんを勾留してはいたものの

起訴するだけの 十分な証拠は出ていなかった

このままでは 証拠不十分で 志水を逃がすことになる

それでは 西千葉建設の 横領事件の真相も遠のいてしまう

伊達原にとって それだけは 絶対に避けたいことだった

ならば 志水が犯人だと示せるような

証拠を作ってしまおう

そう考えた伊達原は 科捜研の担当者に指示を出して

鑑定結果を書き換えさせた

犯行に使われた毒と 症状が似ている毒に

似ている?

そうか

桃瀬は気づいていたんだ

そうか 「似てる?」って毒のこと

確か 毒の専門書 何冊かあったよね

はい 全て出しましょう

眼瞼下垂と弛緩性麻痺の症状が 出るもの全てリストアップし→

タリウムに似てるものを

ポリオウイルス

これは発症のタイミングが

一致しませんね

エンテロウイルス これも今回の

状況に当てはまりません

あとは ボツリヌストキシン

ボツリヌストキシン 初期症状としては

「嘔吐 下痢などの消化器症状」

「その後 眼瞼下垂 複視」

「嚥下障害 弛緩性麻痺などが見られる」

(白木)似てる もしかして これじゃない?

これだ やはり桃瀬は気づいていたんだ

「医者 改ざん」?

改ざん? もしかして

医者との会話で何かに気づいた ってことかもしれません

桃瀬さんのお母さんから 聞いてたんです

病院でも 事件について調べてて 毒について医師に聞いてたって

改ざんの可能性に気づき そこから さらに

調べるつもりだったんだろう

青山さん 毒の鑑定者の名前 分かりますか?

平塚聡 8年前に退職してます 今は練馬区に

今すぐ 話を聞いてきます そうしてくれ

それと 紫ノ宮さんには

ようやく 面会に応じてくださいましたね

(倉田)あなたに言いたいことが あって来たんですよ

娘を これ以上 巻き込むな! お父さん!

あいにくですが 手放す気はありません

娘さんには まだまだ利用価値がある

ふざけるな 人の娘を何だと思ってる!

非常に優秀で便利な部下です

特に あなたを揺さぶるには もってこいだ

今日は お聞きしたいことがあって 来たんです

糸井一家殺人事件のことで

話すつもりはない 娘さんのためですか?

伊達原も たちが悪い

娘を人質にとるなんて

へたに しゃべったら 娘の将来が潰される

自分は捕まってもかまわない

でも 娘は守る

美しい父の愛じゃありませんか

どういうこと?

これまで 口をつぐんできたのは

私のため?

もう帰ってくれ

ふざけないで!

私の将来が何?

そんなの どうだっていい

志水さんは冤罪で いつ死刑になるか

分からない状況にいるんだよ

人の命より大事な将来って

何なの?

それに分かってるはずでしょ?

志水さんが 犯人じゃないってことは

真犯人は まだ野放しってこと

なのに お父さんは何年も 見て見ぬふりしてきたんだよ

それでも

それでも警察官?

志水さんのノート

後半は 紗耶ちゃんのことばっかり

会いたい 会いたい 会いたい

志水さんが どんな思いでいたか

お父さんに想像できる?

ねえ 答えてよ お父さん!

想像したよ

何度も

何度も何度も

あの動画を見た時

正直 すぐにでも 公表するべきだと思った

でも…→

あの時 すでに志水の裁判は始まってた

《一度しか言いません》

《この映像は》

《警察では発見されなかった》

《ですが》 《「ですが」じゃない!》

《いまさら無実だと? ふざけるな!》

《こんなこと発表してみろ》

《君と僕の責任で済む問題じゃ ないんだよ!》

《もちろん 辞職して》

《責任を放棄するなんて ありえない!》

《そんなのは みそぎでも何でもない!》

《志水の家は崩壊し 妻は他界した》

《私たちが殺したと マスコミが騒ぎ立てる》

《同じ目に遭うべきだ 人殺しだと》

《そんな世間の目が》

《我々の家族に 容赦なく襲いかかる!》

《君の娘にもだよ!》

《これは》

《脅しじゃない》

《うちも もうすぐ》

《やっと授かった子どもが 生まれるんだ》

《私も君と》

《同じ十字架を背負う》

(倉田)志水さんには

本当に

申し訳ないと思ってる

だが

もう 取り返しはつかない

人殺し!

そう言われたくないがために

あなたは 人を見殺しにしようと しているんですね

おっしゃるとおり いまさら後悔したところで

二度と過去は戻ってこない

だが 未来は別です

志水さんの命を救うことは 今からでもできる

答えてください 倉田さん

糸井一家殺人事件で 使用された毒は

本当は硫酸タリウムじゃ なかったんですよね

毒物の鑑定結果は 改ざんされていた

お父さん

確かに 捜査初期の頃は

毒の情報は錯そうしてた→

だが ある時 科捜研の人間が報告に来て→

テーブルから検出された毒は 硫酸タリウムだった→

遺体からも 同じものが検出されたと

毒の鑑定は難しいと聞く

ある程度 時間が かかるのも いつものことだ

だから 特段おかしいとは思わなかった

その科捜研の人間というのは

平塚聡で間違いありませんか

そうだ

ただ…

そうか はい 確かに 3年前

病気で亡くなってました

平塚の助手だった人間を 捜しておいてくれ

☎分かりました

平塚の助手だった人物を リストアップしています

今週中に何人か会えそうです

赤峰君 色々ありがとう

少しでも 手がかりがあればいいんですけど

(ミルが ほえる)

(青山)ちょっ 何ですか?

警察です 明墨正樹さんは いらっしゃいますか

どういう理由ですか?

ちょっ ちょっと待ってください ちょっと待ってください

ちょっと 待ってください! 困ります ちょっと!

警察です 明墨正樹さんですね

羽木精工社長殺害事件における

証拠隠滅罪で あなたに逮捕状が出ています

ほら 立て!

逮捕?

いくぞ

ガサ始めてくれ はい

おお~ ハハハハ…

(ノック)

はい (緑川)失礼いたします

明墨が 先ほど拘束されたようです

そうか かわいそうにね

そうですか?

当然の報いだと思いますけど

しかし よかったんですか?

明墨には それなりに恩もあったんでしょ?

別に 優秀な弁護士さんが来て

用済みみたいだから

だって フフフッ

明墨の裁判 私が担当で よろしいでしょうか?

いや 私がやる

明墨君のためにも

もう終わらせてあげようよ

先生!

あとは任せる

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