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(銀行内のけん騒)
(ゲタの音)
(行員)あのう お客様 今日は どのようなご用件で?
(銃声) (行員と客の悲鳴)
(両津勘吉)強盗だ! みんな 動くんじゃねえぞ!
(中川圭一) やっぱり ムチャですよ➡
先輩に防犯訓練の 犯人役をやらせるなんて。
(大原大次郎)しかたがないだろう。 わしだって猛反対したんだが
本庁のコンピューターが 両津を選んじまったんだから。
(秋本麗子) 両ちゃん 異常に張り切ってたけど
心配だなあ。 (中川)寺井さんが一緒だから➡
暴走しないと思いますけど…。
(大原) これは あくまでも訓練なんだ。➡
マニュアルどおりやれば➡
なんの問題も… おおっ。 (モニター:銃声)
ウッハハハハ! (行員と客の悲鳴)
動くとケツの肉 吹っ飛ばすぞ。 ワハハハッ。
(寺井洋一)両さん ちょっと やりすぎだよ。
これぐらい やらんと 訓練にならんだろうが。
(モニター:銃声) あっ。
心配ない 両津たちの持っている 拳銃は すべて空砲だ。
まだでしょうか 警報ベルは。
そろそろ鳴るところだ そしたら すぐに出動するぞ。
ナーハハハハッ。
おっと。
その動きじゃ そこに警報ベルが あるって分かっちまうぞ。
おら そこもだ! (行員)うう~っ。
(寺井)両さん それじゃ 誰も通報できないよ。
何 言っとる。 わしは 訓練だからって手は抜かんぞ。
うーん 警報ベルが鳴らんぞ どうなっとるんだ。
(中川)部長 モニターが。 (大原)どうした?➡
ああ…。
これで中の様子は 分からないだろう。
マズいよ 両さん そんなことしちゃあ。
甘いな。
(モニター)今の強盗なら これぐらいやって当然だ。
りょ… 両津のヤツ。
金庫を開けろ。 これは訓練じゃないんですか?
うわあっ! 訓練だからこそ あらゆる事態を
想定しなければならないんだ 早く開けろ!
はっ はい~。
(モニター)札束を こっちによこせ。
よし そこで ダミーの札束を渡すんだ。
ダミーの札束? (大原)強く握った途端➡
中のペンキが破裂する仕組みに なっとるんだ。
(モニター:破裂音) (モニター)うっ やられた!
引っかかった。 ダ… ダメだ~ ハハッ。
これじゃ どこ逃げても 捕まっちまうぜー。
早く本物の札束を詰めるんだ。 えっ!? だって…。
そういう訓練なんだよ。 ダメだよ 両さん!
(モニター)バカもん ホントに 金がとられないと➡
リアリティーがないだろうが。
バカはどっちだ こうしちゃおれん すぐ出動だ。
え? 通報もないのに 出動するんですか?
このまま あのバカに続けさせたら それこそ警察のメンツは丸潰れだ。
≪(パトカーのサイレン) あっ パトカーだわ。
しかし 通報もないのにどうして? (大原)さすが かつしか署だ。
あっ 両ちゃんが逃げる!
(大原)こら 待て 両津。
(一同)あっ! (寺井)部長~。
何をやっとるんだ お前は! (寺井)すっ すいませ~ん。
部長 大変です。
この先のカメナシ銀行でも 強盗事件が!
えっ? (大原)なんだと?
(ヘリのローター音)
(強盗1)来るんじゃねえぞ。
(強盗2)近づくと この爆弾で 人質を吹っ飛ばすからな。
(警察官)クッ クソ…。
(強盗たち)フハハハ… ああ?
あれ?
なんだ ここでも 訓練やってたのか。
先輩 違います そいつら本物の強盗です。
なに!?
なんだか知らねえが 拳銃 捨てねえと
人質の命はねえぜ。
うっ ううう…。
ヘヘヘッ 行くぜ。
そうはいくかー!
(麗子・中川)ああっ! (大原)なに!?
うわあっ。
うわあっ。
(強盗たち)うわ… ああっ。 (行員)うん?
バーカ これも訓練用の空砲だよ。
(警察官)は… 犯人確保! (警察官たち)おおー!
(大原)両津! 部長 無事 犯人逮捕できました。
何を言っとる どこから そんなもの 持ち出したんだ。
やだなあ この間 押収したじゃないですか。
ほら 犯人役に リアリティーがないとね。
バカもん! そんなものは必要ない。
えー せっかく いろいろ用意したのに。
(大原)ううう…。
さてと…。 「さてと」じゃない。
盗んだ金を さっさと返すんだ。
ウーハハハハッ やだな わしが本気で
盗むわけないじゃないですか ほら。
尻のポケットのもだ。 いっ?
あー! こんな所に なんで紛れ込んでるんだろ?
ここにも ここにも。 ううっ。
ここにも ここにも。 あれえ?
(爆弾のタイマー音) 大変よ。
この爆弾 時限装置が動いているわ。
ええっ!?
(麗子)あと5分で爆発するわ。
銀行強盗するのに なんで時限爆弾なんだよ!
頭の悪いヤツだな。 こんなもんはな
タイマーをつなぐコードさえ… ううっ。
うわあっ! なんだ このコードの量は。
本体に対して 多すぎるぞ ったく素人… うえっ。
ぶっ 部長 なんとかしてください。
おっ お前が勝手に 絡まったんだろうが。
こんな所で爆発したら大変よ!
先輩 どこか安全な所へ。
そ… そんなこと言ったって~。 早くしろ 両津!
うわあ~! ええと これがこうなって…。
≪(バスのクラクション) えっ? うわー!
(運転手)バカ野郎! すまん。
このバス ちょっと貸してくれ! なんだと?
この時限爆弾が爆発しちまうんだ。 ええっ!
(乗客たちの悲鳴)
あんたも早く降りるんだ! イヤだ これは俺のバスだ!
勤続20年 女房 子供は捨てても このバスは手放すわけにはいかん。
後悔しても知らねえぞ!
(運転手)うわー!
(本田速人)てめえ 何キロ 出してると思ってんだ!
(男性)すっ すいません 急いでたもんで。
すいませんで済みゃ 警察はいらねえんだよ。
ひいっ。 (本田)気をつけてくださいよ。
事故なんか起こしたら 大変ですからねえ。
え?
(本田・男性)うん?
うわ~!
急げ 時間がない! あっ 危ない!
だんごのタカギ屋さんも せんべいのカネコ屋さんも
ごめんなさーい!
うわ~!
と… 止まった。 クソッ もう少しなのに。
(本田)やっぱり両津の旦那かい。 うん?
おお 本田 いいとこに来た。 おっ?
あと1分で この爆弾が爆発する! ええっ!?➡
うおー! クソッ このコードめ。
(本田)とりゃー こんにゃろう!➡
えいっ。 イテッ。
あっ 本田! (本田)そんじゃな また来週!
待て こらー!
あっと そんな場合じゃない。
こんにゃろ こんにゃろ これで…
どうだ! あら? ああっ。
あー! もうダメだ!
ううっ…。 ≪(ヘリのローター音)
あっ?
♬~
止まった。 あっ。
ああ… 女?
♬~
バッカもーん!
爆弾よりも バスの出した
被害のほうが大きいとは どういうことだ!
しかたがなかったんですよ あの場合。
うるさい! 大体 お前というヤツはいつもいつも…。
あー! わし パトロールに行かなきゃ。
ヘヘッ では。 (大原)おい 両津!
いってきまーす!
こら! まだ話は終わっとらんぞ。
ハァーッ こりゃ しばらく 派出所に戻らんほうがいいな。
まっ お天気もいいし サイクリングと しゃれ込むか。
(奈緒子・小町)ああっ 両津勘吉! あっ 小町に奈緒子。
(小町) また なんか事件 起こしたそうね。
(奈緒子)ホント ろくなことしないのよねえ。
うるせえ お前らの知ったことか。 なにさ 原始人。
(奈緒子・小町)ベーッ。 このー!
(男性1)やあ 両さん。 おうっ。
(男性2) 両さん また大暴れだって? ああ。
(尾崎)ボーナス なくなったりしないだろうね。
(鶴田)まだ ツケがたまってるよ。 ああ ハハハ…。
(山口) ホント よくクビにならないね。 (菊地)まったく。
アハハハハ…。
クソッ もっと遠くまで行くとするか。
♬~
結局 上野まで来ちまった。
しかし懐かしいな この辺りで ガキのころは よく遊んだぜ。
セミやトンボを捕った上野の森。
フナやザリガニを取った不忍池。
そして見上げれば わしの大好きな弁天堂が…。
あっ なにぃ!?
(ボヨヨ~ン)
何が「ボヨヨ~ン」だ!
せっかく人が 子供のころの 思い出に浸ってるのに
こんな所に こんなもん建てやがって!
ええい クソッ これでも くらえ!
えっ?
そんなバカなー!
うわあー!
(大原)両津のバカが ホテルまで 壊したのかと思ったら➡
爆破されたってわけですね。
(屯田署長)爆破じゃない 発破解体だ。
発破解体?
すべての柱を内側に崩し 周囲には破片ひとつ出していない。
(大原)なるほど。 (屯田署長)使用されたのは➡
わずか数キロのプラスチック爆弾。
これで ビルを 崩壊させてしまうんだから➡
その技術は 芸術的と言っていい。
しかし署長 両津の仕業でないなら かつしか署の管轄外では?
それが実は かつしか署のホームページに
犯行を予告するメッセージが 送られていたんだ。
(大原)なんですと?➡
おや 署長 いつの間にパソコンを。
あっ アハハハハッ。
パソコンぐらい使えんと これからのハイテク犯罪に
対処できんからな。 (大原)さすがは署長。
えっと… おーい 誰か パソコンのスイッチ入れてくれ。
(大原)あああ…。
「弁天小僧」。
正体は不明だが さらに犯行を重ねる可能性が高い。
本庁からも警備を強化するように 通達が出ておる。
しかし 相手が爆弾の プロフェッショナルとなると
私たちには どうすることも…。
あっ 君 もういいよ。 (警察官)はっ。
それが幸いなことに 本庁の招きで
FBIから爆発物処理の エキスパートが来ているんだ。
FBI? ≪(ノック)
どうぞ。
FBIから参りました 星野リサです。
おおっ。 (屯田署長)ようこそ 星野捜査官。
このたびは お招きいただき 光栄です。
こちらこそ よく来てくだすった。
あっ どうも。
犯罪を憎む気持ちには
アメリカも日本も 変わりはありません。
皆さんと一緒に この町を 守るために頑張りますので
よろしくお願いします。
おお~っ。 (屯田署長)立派なお言葉。
どっかのバカに 聞かせてやりたいですな。
うん うん。
FBI? 偉そうに。
ヘッ それが どうしたってんですかとくらあ。
ヘヘーッ。 (勝平・純平)わあっ。
リサさんはな エール大学を出た才女で
爆発物処理班の 超エリートなんだぞ。
エリートだか かりんとうだか 知りませんが
わしには関係ありませんけどね。
てっと ほい。 (純平)うわー。
(勝平)両さん すごーい!
ヘヘッ どうだ? こんなのもあるぞ。
よっ よっと… ウィーン。
まったく なんの役にも立たん 遊びだけは達者なんだな。
むっ そんな。 これは地元住民との
コミュニケーションじゃ ないですか。
とにかく お前も爆発物処理の 講習会に参加しろ。
えーっ わしはもう 爆弾はこりごりですよ。
いいから参加するんだ!
火薬には 大きく分けて ローエクスプローシブと
ハイエクスプローシブがあり 前者は 主に起爆薬や発射薬
後者は 破壊用に使用されます。
爆発は 信管によって行われるので これを取り除くこと。
あるいは 起爆装置を結ぶコードを 切断することで
処理することができます。
また 撤去不可能な 爆発物に対しては
液体窒素で瞬間冷却し 爆発機能を奪う方法もあります。
それでは 処理の実地訓練に移りましょう。
ダンディ カモン。
(麗子・寺井)ああっ。
何これ? (麗子)ロボットじゃない?
NASAの火星探査チームと 共同開発した
高性能爆発物処理ロボット 「ダンディ」よ。
ダンディ 準備はいい?
(ダンディ) 指令を入力してください。
ロボットなのに 人の言葉まで話せるんだ。
人工知能 AIを 持っているんですよ。
どこかの誰かさんより 100倍くらい お利口ね。
(いびき)
(麗子・中川)ああ…。
ダンディ。
(ダンディ) 了解 指令を実行します。
(麗子・寺井)おお?
♬~
ん? うわっ アタッ。
アイテテテテ。
ああ… ああっ?
(ダンディ)いびきを かいている バカのイスを解体しました。
なっ なんだと!
この! う~ くぅ…。
痛ーい 痛い痛い痛い…。
ダンディのボディーは 鋼鉄より硬い
ハイパーチタニウムで できてるのよ。
ハ… ハイパーチタニウム?
今までの爆発物処理マシンとは レベルが違うってことね。
フンッ 硬いぐらいで 威張るんじゃねえ。
いいえ すべての能力において ダンディは世界最高のロボットよ。
なんだと? よーし ちょっと待ってろ。
(警察官たち)あっ ああ…。
どうするつもりでしょう?
どうせ ろくなことじゃないわ。
ひっ ひっ ひっ… よいしょ。
よし 見ろ。 (警察官たちのどよめき)
これこそ わしの作った ロボットの最高傑作
「でんすけ28号」だ。 (中川・麗子)ああ…。
いつの間に そんなものを…。
きたる ロボット相撲大会の 賞金300万を獲得するため
夏休みを使って 完成させていたのだよ。
そんなに そのロボットが 優秀だっていうんなら
この でんすけ28号と 勝負してみろ!
フッ… いいでしょう 受けて立つわ。
(ファンファーレ)
どうも~。
交通課のアイドル…。 (奈緒子)奈緒子でーす。
小町でーす。
というわけで…。 (小町・奈緒子)爆弾解体➡
どっちが すごいや対決~!
(小町)さあ これから お二人には それぞれのロボットを使って➡
爆弾の時限装置を 解除してもらいます。
(奈緒子) ゴングと同時にスタートして➡
早くできたほうが もちろん勝ち。➡
その瞬間に 負けたほうの 上の鉄球が落下します。
勝てば天国 負ければ地獄。
お二人とも 用意はよろしいでしょうか?
それでは~。 (奈緒子)レディー…。
(小町・奈緒子)ゴー! (ゴングの音)
ダンディ。 (ダンディ)了解。
負けるな でんすけ。
あああっ くっ…。
なっ なんで お前は何もせんのだ?
ダンディは AIを持ったロボットよ。
一度 命令を出せば あとは 自分で判断して行動をするわ。
《ああ クソッ このままじゃ負ける。》
どうだ ざまあみろ。
負けそうになると 相手の妨害をするなんて。
ひどいわ。
作った人間 そのままのロボットだ。
あっ! やりやがったな。
ダンディは 外敵から身を守るように
プログラムされているの。
クソッ こうなったら 秘密兵器だ んっ。
♬~
だあっ。 ダンディ 解体を続行しなさい。
(ダンディ)了解。
♬~
そう 赤ね。
はーい 終了!
あー!
わしの でんすけ28号が。
まだ ロボット相撲大会に 出とらんのに。
勝負はあったようですね 両津巡査長。
うう~っ。
チクショウ! いーっ。
いいい~…。 もう忘れちゃったの?
同じ失敗を繰り返すなんて サル以下ね。
なんだと?
(ダンディ)警告 警告。 うるせえ 何が警告だ。
気をつけなさい 両津巡査長。 うーっ。
うわあっ。
(せき込み)
チキショウ スカンクみてえなヤツ。
だから言ったでしょ 気をつけなさいって。
≪(アナウンス)警視庁より入電中。➡
事件発生 至急 捜査本部に 集合してください。
なっ おい!
何かあったんですか?
弁天小僧から また犯行予告のメッセージだ。
(中川)なんですって?
♬~
「明日深夜零時➡
シナトラムーンライトビルを 破壊する。➡
弁天小僧」。
また シナトラのビルか。 (大原)うむ…。
犯人の狙いは シナトラなのかもしれんな。
その シナトラというのは 何者なんですか?
(大原)本名 品田虎三 56歳。➡
株式会社シナトラ商会 社長。➡
ホテル キャバレー経営 貿易 リゾート開発など➡
手広く商売をやっているが 詐欺 横領 私文書偽造➡
特別背任等の容疑で 逮捕されること36回。➡
だが すべては 不起訴になっている。
すべて不起訴?
(大原)シナトラの秘書兼 顧問弁護士のマーチンだ。➡
こいつが あくどい手段で➡
裁判での勝利を 勝ち取っているらしい。
まっ すこぶる評判の悪い男だ。
たとえ悪人でも 私の仕事は 爆破を食い止めることですから。
(ヘリのローター音)
あああっ どうして わしが相棒に ならなきゃいけないんですか!
危険な任務だからな。
死んでも困らんのは お前ぐらいだ。
そっ そんな ひどいですよ 部長。
ああ?
うわっ あっ あー! (大原)ああっ!
わしは UFOキャッチャーの 景品かー! バカー!
♬~
(マーチン)社長 かつしか署の 大原部長から電話でございますが。
(シナトラ)代われ。 (マーチン)はい。
私だが? なに?
(サイレン)
(大原)弁天小僧から ムーンライトビルを➡
破壊するという 犯行予告がありまして。
[TEL](大原)ただいま 爆弾処理のエキスパートが➡
解除に向かったところです。
ふむ。 うん? あっ。
うわあ~…。 (マーチン)あらま。
助けてくれ~!
♬~
うわ~ あっ!
アタッ ううっ イテテテ…。
痛え あー チクショウ。
両津巡査長 チームを組んだ以上 足手まといにならないように。
うっ なんだと!
えーい クソッ うっ。
なんだ 停電か? 真っ暗じゃねえか。
犯人が私たちの邪魔をするために 電気系統に細工をしておいたのね。
ん? それは?
赤外線照射型暗視ゴーグルよ。
なんだい そんなのあんなら 早く言えよ。
おおっ 見える見える。
温度探知やレーザーによる 距離の測定の機能もあるわ。
ふーん こいつは便利だ うん?
ありゃなんだ? 柱の一部の色が微妙に違うぜ。
カムフラージュされてるけど 爆薬を仕掛けた跡ね。
それじゃ あそこに爆弾が?
でも あそこにも。 えっ?
おおっ。
ここにも。 おっ。
そこにも。 なっ なんでこんなに?
犯人は ビルの爆破解体の技術を 応用しているの。
なに?
緻密な計算によって仕掛けられた 複数の爆薬を
正確な時間差で 爆発させていくことによって
ごく少量の爆薬で ビルは その自らの重みによって崩壊する。
周りの建物に被害を及ぼさずにね。
私たちが捜すのは その爆薬 すべてをコントロールしている
起爆装置よ。 なるほど。
じゃあ 二手に分かれて 捜しましょう。
ええっ? ダンディ。
あっ おい わしらは チームじゃなかったのか?
(車の走行音)
(大原)うん?
これは品田社長。
どうして うちのビルばかり 狙われるんだ。
それは弁天小僧に聞いてみないと。 弁天小僧? 何者だ。
それも ただいま捜査中でして。
役に立たんヤツらめ。
こういうのを 税金のムダ遣いってんだ。
よく言うわ まともに 税金なんか払ってないくせに。
(中川・寺井)えっ? (麗子)脱税のウワサがあるのよ。
どこかに大金を 隠しているらしいわ。
クソッ 邪魔者扱いしやがって。
(無線)あったわ 来てちょうだい 両津巡査長。
あっ えーい。
見つけたのか? うわー!
ライトつけてんなら そう言えよ。
うん? ここよ。
こんな所に。
ビル全体に 配線する必要があるから
通風口は利用しやすいと思ったの。
ダンディ。 アイテッ!
この野郎 やりやがったな チクショウ。
うー! また蹴っちまった。
痛ーい イタタタ…。 ダンディ どうしたの?
(電子音) えっ?
大変 駆動系が故障したみたい。
なに? ハイパーチタニウムじゃ なかったのか?
手足が伸びないと 処理ができないわ。
分かった分かった。
わしが ダンディを 持ち上げりゃいいんだろ。
無理よ いったい 何キロ… えっ?
おりゃー!
ヘヘッ どうだあ。
そ… そんな さ… 350キロもあるのに。
いっ。
さ… 350キロ?
は… 早くしてくれ。 ええ。
社長 万が一 あれが発見でもされたら。
心配するな あんな連中に見つかるはずはない。
うっ ううう…。
まっ まだか?
うっ ハッ… ハークシュビッ。
ああっ。 ど… どうした?
時限装置がショートして カウントダウンが早まったわ。
なんだと!? あと30秒よ。
もう解除してる時間もないわ。 何 言ってんだ。
お前は FBIなんだろ なんとかしろ。
なんとかしたくても あなたが ぶち壊したんじゃない。
わしは こんな重たいもん 持ち上げてるんだぞ!
あと20秒よ ケンカするより 逃げたほうがいいんじゃない?
にっ 20秒!? にっ 逃げろー!
大丈夫ですかね 先輩たち。
なんとか やってくれるだろう なんたってFBIだ。
(中川・麗子・寺井)あっ? みんな 離れろー!
(中川・麗子・寺井)うわあっ。 (大原)なに!?
爆発するぞー! (警察官たち)ええっ!?
うわー!
(電子音) (爆発音)
(一同のどよめき)
ああ…。
わっ 私の名誉と栄光の城 ムーンライトビルが…。
ん? なんだ?
おおっ! マーチン。
はは… はい!
ダンディ。 ん? あっ。
ああー! こら だあっ。➡
このっ や… やめろ やめないか このっ。
この 何するんだ あっ あー!➡
あ~ とっと…。➡
キャーッ! 僕ちゃん も~ イヤ。
(どよめき)
わーい 万札だーい 万札だ…。
バカもん その金は 脱税の証拠品だ。
脱税?
品田社長 署まで ご同行願います。
(マーチン)しゃ… 社長 ごっ ご同…。
なんだと!? ビルが崩れたのは わしのせいだっていうのか?
そうです あなたがダンディに 乱暴したりしなければ
故障することはなかったんです。
先にやったのは あいつのほうだぞ。
両津 ロボットのせいになんか するんじゃない。
部長!
でも シナトラのビルが 壊れたおかげで
シナトラの脱税の証拠が 出てきたんですよ。
そうですよ シナトラは1億円の保釈金で
釈放されちゃったけど 両ちゃんのお手柄じゃないですか。
それはそれ これはこれだ うん?
あれ?
どこへ行ったんだ 両津のヤツ。
チクショウ おめえのせいだぞ 機械のくせに。
お前なんか こうしてやる。
(ダンディ)警告 警告。 うるさい 黙れ!
(鳥のさえずり)
(豆腐屋さんのラッパ音)
(子供たちの遊ぶ声)
(麗子)私も好きなんです。
こうして人が暮らしてるのを 眺めるのって。
そう…。
(麗子)私は この町が好き。➡
だから ここで警察官をやれて よかったなって思ってる。
リサさんは どうして今の仕事を?
えっ? どうして そんなことを?
だって 危険な仕事ですもの ご家族とか心配してない?
家族はいないわ。 えっ? あ… ごめんなさい。
いいのよ。 ≪(警報)
あっ?
ダンディに何か異変が。 えっ?
(大原)あっ リサさん 今 警報が。
ええ。
(一同)ああっ! ん?
ああっ あれ 部長ー!
お前 こんな所で 何をしとるんだ。
えっ いや その ダンディに 落書きしやがったヤツがいるんで
拭いてやってたとこなんですよ ハハハッ。
なんだ その落書きは お前がやったんじゃないのか?
じょっ 冗談はやめてくださいよ わしらは仲よしなんだから。
なあ? ダンディちゃん。
(ダンディ)両津巡査長が…。 うっ! ハハハハ…。
大原部長。 あ?
この防犯カメラに 何か写ってるかもしれません。
えっ?
ハハハッ 本当だ。
これで犯人も 写ってるかもしれませんねえ。
しかし 警察署内で 防犯カメラを回してるなんて。
それだけ ダンディは 重要なロボットだということだ。
(モニター)おめえのせいだぞ 機械のくせに。
お前の声に似とらんか? ええっ!? 違いますよ。
(大原)うん? あっ 部長。
犯人は 警官の制服を着ています。
(モニター)お前なんか こうしてやる。
偽の制服で署内に侵入するとは なかなかの知能犯ですね。
(モニター:ダンディ)警告 警告。 (モニター)うるさい 黙れ!➡
このオタンコナス 日本の警察をナメんなよ!
驚きですね まさか わしに変装しているとは。
ひょっとして 某国の工作員かなんかじゃ…。
どこを どう見ても お前そのものじゃないか!
そんなはず ありませんよ もっと先まで見てみましょう。
このあと きっと マスクをベリッと…。
ふざけるな! お前は2週間の謹慎だ。
あしたから 派出所に出てこんでいい。
え? てことは働かなくて 給料がもらえるんですか?
バカもん! 謹慎中は 寮から一歩も出るな。
給料は その分なしだー!!
(銃声) だああー!
ひいっ!
(左近寺竜之介)ふん。➡
ええい うりゃあっ。 (中川)うわっ!
イテッ ああっ。
なんだ 中川か。
「なんだ」じゃないでしょう 左近寺さん。
(ボルボ西郷)気をつけろ 危うく射殺するところだったぞ。
ボルボさん 何やってるんですか?
悪く思うな 両津を外に出すなと 命令されているんでな。
だったら外から来る人間より 中にいる先輩を見張らないと。
あっ そうか…。
≪(ノック)
失礼しまーす。➡
先輩 陣中見舞いに来ましたよ。
先輩?➡
寝てるんですか?
うわー!
か… 変わり身?
うん?
うんしょっと。 (中川)先輩。
おお 中川 どうしたんだ?
(中川) 「どうしたんだ」じゃありませんよ。
謹慎中で暇だろうと思って 差し入れ持ってきたんですよ。
おっ 大好物の「伊勢屋」の どら焼きじゃねえか。
ヘヘッ 気が利くなあ。 何やってるんですか?
それに ボルボさんや 左近寺さんにバレたら…。
なあに あいつら脳みそも 筋肉でできてるからな。
大丈夫だよ んんっ…。
それがな この漫画を読んでたら この辺りに… ああ これこれ。
徳川幕府の埋蔵金が 埋まってるって記事が
出てたんだよ。
(中川)こ… これは昭和43年の 「少年ジャンプ」じゃないですか。
まだ発見されたという話は 聞いてないぞ。
慶長小判なら 1枚500万は くだらないからな。
全部 見つければ 数百億円のお宝だぞ。
でも この辺りでは 父の会社が地下鉄を建設中ですよ。
なに!? 中川コンツェルンまで お宝に目をつけたってわけか?
ううーっ こうしちゃおれん。
(中川)ああっ 違いますよ 先輩!
よっと 中川グループに 先を越されてたまるかってんだ。
おおっ 早速 お宝探知機が 動きだしたぞ。
よーし こっちだ。
うおりゃー!
おらおらおら…!
(地鳴り)
(現場監督)安田! ストップ ストップ ストーップ。
(安田) あ? 監督 どうしましたか?
安田! この横穴はなんだー!
自分は聞いてませんが ひょっとしたら
ほかの班が 掘ったんじゃないでしょうか?
うーん… 路線計画に 変更があったに違いない。
安田 あとに続くぞ! (安田)分かりました。
(現場監督)進めー! (安田)はいー!
(現場監督)進め 安田ー!
(車の走行音)
あっ 部長。 (大原)おっ 中川。
どうだ 両津はおとなしく 謹慎しとったか?
えっ? ええ… そりゃあもう。
左近寺さんとボルボさんが 見張ってれば
一歩も外へは出られませんよ。
そうか そりゃよかった 両津がいなけりゃ当分は安心だな。
(麗子)部長 お茶が入りましたよ。
おっ すまんな。
麗子さん。 (麗子)うん?
実は先輩 埋蔵金を掘ってるんだ。 (麗子)埋蔵金?
(麗子・中川)あっ? (大原)あっ!
ああ 地震か。
(麗子・中川)あっ ああっ! (大原)ああっ アチチ…。
えっさ ほいさ えっさ ほいさ…。
うん? あっ。
針金の揺れが変わったぞ うん よし こっちだ。
えいっさ ほいさ。
えっさ ほいさ えっさ ほいさ…。
監督 また方向が変わりました すごいスピードです。
安田 とにかく あとへ続けー! (安田)はいー!
(現場監督)掘れー!
(一同)うわあっ!
(大原)おおっ。
な… なんなんだ あれは。 (寺井)モグラじゃないですか?
あんな でっかいモグラ いるわけないだろ!
あれは先輩しか考えられないな。
両ちゃん…。
♬~
♬~
社長 ゴミが こんな いい商売になるとは
思いませんでしたね。
うん? フフフッ…。 (マーチン)ヒヒヒッ…。
(キーボードを打つ音)
(麗子)ハッ!
部長 インターネットに 弁天小僧の犯行予告が。
なに!? (キーボードを打つ音)
♬~
(中川)「本日正午 シナトラオーシャンビルを➡
破壊する。 弁天小僧」。
また シナトラのビルか。 (大原)ううっ 弁天小僧め。
時間がないぞ 急げ!
(男の子)あっ ケンタ見っけ。 (ケンタ)あーあ。
(男の子) よーし あとは明日香だな。 ≪(パトカーのサイレン)
パトカーだ。 (ケンタ)行ってみようぜ。
あれが シナトラオーシャンビルか。
ここは確か 子供たちの遊び場だったはずだわ。
いつの間に あんな変なビルを。 ≪(車のクラクション)
♬~
おい また うちのビルが 狙われてるっていうのか。
(大原) 社長 いったい このビルは なんの目的で建てたんですか?
企業秘密だ。
また なんか隠してるんじゃ ないでしょうな?
おい 失礼じゃないか。
そんなことより早いとこ 弁天小僧を逮捕したらどうなんだ。
ううっ… 返す言葉もない。
フッ フフ… うん? ≪(ヘリのローター音)
♬~
ダンディ 急いで。 (ダンディ)了解。
おおっ リサさん。
時間がありません すぐに作業を始めます。
待て 今度 失敗したら どう責任を取るつもりだ。
責任?
あったりまえだ 失敗の責任は取ってもらうぞ!
でないと立ち入りは 絶対に認めんからな。
(一同)ああっ。 (大原)また地震かあ。
おーら おらおら おらおらー!
おっ お宝は すぐ近くだぞ よっしゃー!
おーりゃおりゃおりゃー!
(どよめき) (マーチン)なっ なんだあ?
(麗子・寺井)ああ…。
また モグラかあ。
モグラじゃないと 言っとるだろうが!
なんか イヤな予感がするな。
大変だよ!
明日香ちゃんがいないよ。 (麗子)明日香ちゃん?
あそこで みんなで かくれんぼしてたんだ。
ええっ!? そっ そんな…。
あのビルには誰もいないはずじゃ。
(ケンタ)危ないんだったら 早く捜さなきゃ!
お前ら 勝手に忍び込んで 遊んでやがったな。
ここは もともと 僕たちの遊び場だったんだぞ。
そうだ 遊び場を返せ!
うるさーい! 生意気なこと言うと
ぶっ飛ばすぞ! (子供たち)うわあ!
やめんか。
チッ。 (大原)あっ。
あと7分しかないわ。
クソッ 弁天小僧め 子供まで巻き込みおって。
そんなことするわけないじゃない。 (大原・麗子)えっ?
い… いえ 私が絶対に救い出します。
(大原)リサさん。
まだ立ち入りを 許可したわけじゃないぞー!
明日香ちゃん どこにいるの?
明日香ちゃん 出てきて もう かくれんぼは終わったのよ。
明日香ちゃん 返事して 明日香ちゃん。
ハッ!
明日香ちゃーん!
こんなことになるなんて どうしたらいいの?
♬~
明日香ちゃーん 明日香ちゃーん!
ハッ!
明日香ちゃん。
やったー! ヘヘッ うん?
なっ なんじゃこりゃあ クソーッ。
宝の山かと思ったら ドラム缶の山じゃないかよ。
なんなんだよ この… えっ? 明日香ちゃん? 両津巡査長?
うべっ!
待って。 え?
お願い 手を貸して 女の子を捜してるの。
えっ?
このビルは あと5分で 弁天小僧に破壊されてしまうのよ。
なんだとー!?
いったい なんなんだ このビルは。 産業廃棄物の処理工場よ。
なんだって? 今はそんなこと どうでもいいわ。
ハッ…。 ん?
き… 起爆装置だ。 あと3分しかないわ。
どこにいるの? 明日香ちゃん 明日香ちゃーん!
落ち着けよ リサ。 落ち着けるわけないじゃない。
だあっ!
うん? リサ…。
あなたには分からないのよ 独りぼっちの女の子の気持ちが。
(爆弾のタイマー音)
《助けて 誰か助けてー!》
うん?
向こうだ。 えっ?
おーい どこだー? うん?
≪(明日香の泣き声) この奥か。
こんな狭い所に。 小さい子供なら入れるさ。
入ったはいいが 出られなくなっちまったんだ。
ああっ 助けに来たぞ ううっ…。
(明日香の泣き声)
あと1分 こうなったら 起爆装置を解除するしかないわ。
解除するったって ダンディも連れてこないで
どうやって解除するんだ?
できるのよ 私には。
うっ おい リサ!
(電子音)
ハァ…。
やったな リサ。 えっ?
さすが FBIだ 指1本で爆破を解除するなんて。
えっ ええ…。
明日香ちゃん よかった 無事だったのね。
ハハッ もう大丈夫だぞ。
でも どうやって あんな狭い所から?
なあに パイプを2~3本 外してやったんだよ。
(パイプのきしむ音)
うん?
天井が崩れるわ。 逃げろー! ああっ。
だあー!
(どよめき)
おおーっ。 (中川)ビルが崩れるぞ!
わあー! (麗子)リサさん…。
うわー!
うわっ。 (明日香)あっ。
こっちよ。
うげっ。
おっ… おい。
危ね!
わあっ! ああっ!
うわあー!
(どよめき)
あっ! (大原)なんてこった。
しゃ… 社長~。
役立たずの愚か者めが。
ううっ 救助に向かうぞ ショベルカーを手配しろ。
はい。
(警察官)急げ!
(ショベルカーの稼働音)
どこにもいないわ。
部長 地下室に穴が!
なに?➡
ああっ これは!
モグラの穴だ。 (大原)あっ。
まだ モグラなどと言っとるのか!
やっぱり先輩だ。 (麗子)ええ?
んっ えっと… ん? (通行人たちのざわめき)
こらこら 見せ物じゃねえ この野郎。
(女性)行きましょう。 (男性)行こう。
よーし。
ハァ… 危ないところだったわね。 助かったぞ。
もう大丈夫だ。 うん!
よーし 強い子だ 怖かったか?
(明日香)怖かった とっても怖かった。
≪(母親1)《マサシ ごはんよ。》 ≪(マサシ)《はーい!》
≪(母親2)《ショウコちゃん もう帰ってきなさい。》
≪(ショウコ) 《はーい お母さーん。》
《みんな?》
♬~
《ん? あっ あー!➡
ああっ 助けて 誰か助けてー!➡
助けて!》
(泣き声)
《あっ…。》
(中学生)《さあ。》
《ああ…。》
ん? どうした? ううん なんでもないの。
でも どうして あんな所に穴が?
そりゃあ わしがお宝を アハハ…。 お宝?
あー! そうだ こうしちゃおれん。
えっ? 両津巡査長?
あとは頼むぞ リサ。
バイバーイ。 フッ もう…。
(住民たちのどなり声) (男性)シナトラ商会は出ていけ!
(住民たち) シナトラ商会は出ていけ!
(男性)シナトラ商会は出ていけ!
(住民たち) シナトラ商会は出ていけ!
(女性リポーター) 昨日 弁天小僧に破壊された シナトラオーシャンビルが
無許可で産業廃棄物の処理を 行っていたことが発覚し
周辺の住民たちが シナトラ商会の 排斥運動を行っています。
シナトラのヤツ 産廃処理で 大儲けしようとしていたんだな。
付近で 高濃度のダイオキシンが 検出されたようよ。
また弁天小僧がシナトラの悪事を 暴いたってことですか?
うーん… 結果的には そういうことになるが
褒めるんなら 子供を救い出した リサさんだろうな。
でも 肝心のビルの破壊は 一度も食い止められていないわ。
そういえば そうですね。
なんだか ちょっと気になるなあ。
≪ あらよっと。 えっ?
んっ ん…。 両津巡査長?
おおっ! また会ったな リサ 何やってんだい。
あなたこそ まだ宝探しなんてやってるの?
あ~ ちょっと休憩だ 腹 減っちまってな。
お台場のほうだな。
フジテレビで また何かやってんのか?
そうね。 んっ どうだい 伊勢屋のどら焼き。
え? ありがとう。
あむ… そういえば ガキのころ よく この辺でパン食いながら
あの勝鬨橋が開くのを 見てたもんだったな。
勝鬨橋が開く? ああ。
橋が万歳するように開いてな その下を
大きな船が通っていったもんだ。 へえ。
あの橋は 隅田川の 顔役と言われてたんだぞ。
まっ アメリカ育ちのお前に こんな話してもしょうがないがな。
そんなことないわ。
私も この町で生まれたの。 ええ?
父は花火職人でね 決して裕福じゃなかったけど
父と母と3人で幸せだった。
驚いたな リサが下町の生まれだったとは。
毎日 男の子たちに交じって
ベイゴマや銀玉鉄砲で 遊んだものよ。
泥だらけになってね。
なんだあ わしらと一緒じゃねえか。
お祭りには必ず行って 父の打ち上げ花火を見るの。
あのころが一番 楽しかったな。
てことは わしも その花火を見てたわけだな。
元気かい? 親父さんは。
うん?
父は 悪い業者にだまされて
借金のために 何日も徹夜で働かされたの。
そして 花火大会の前の夜…。
(爆発音)
《お父さん お母さーん!》
それで アメリカにいる 母親の親戚に引き取られたの。
でも 幸せとは程遠かった。 ふーん。
おめえも見かけによらず 苦労したんだなあ。
でも 私は この町が世界で一番 好き。
胸がキューンとなるような 思い出もあるし。
おお? リサの初恋か? わしみたいな いい男だろ。
残念だけど もっとステキな人よ。 はん 誰だい そいつは。
名前も知らないの。
でも 私には 王子様のように見えたわ。
(すすり泣き)
(中学生) 《ほら もう泣くんじゃないぞ。➡
幸せの神様は 泣き虫が嫌いなんだ。➡
泣いてばかりいると 宝物が見つからなくなるぞ。》
《うん もう泣かない。》
おい どんな思い出なんだよ わしにも聞かせろよ。
イヤよ せっかくの思い出が 汚れるじゃない。
むっ なんだよ 人をばい菌みたいに言いやがって。
私は 思い出のいっぱいある この町を守りたいの。
ん? 弁天小僧からか?
弁天小僧は もう現れないわ。 え?
とにかく あのころの思い出が 私の宝物なのよ。
ふーん 思い出が宝物か。
≪(衝撃音) ≪(安田)宝が出たぞー!
(安田・現場監督)やったー やったやった やったー!
(現場監督)今夜は豪遊だ 焼き肉 食い放題だぞい。
監督 そのあと キャバクラに 連れてってください。
キャバクラなんか 店ごと買ったるぜー。
オッホホホ…。
あっ! それは わしの探してた埋蔵金。
あー こらー 泥棒! (安田・現場監督)アハハ…。
あああ~!
大丈夫? 両津巡査長。
アイテテテ…。
自分の掘った穴に落ちるとは。
クソーッ 今までの 苦労はなんだったんだよ!
あーあーあ。 ハァ…。
≪(ノック) うん?
両ちゃん いい? 麗子 どうしたんだ?
ちょっと両ちゃんに 話したいことがあって。
話したいこと? リサさんのこと調べてみたの。
そしたら リサさんのご両親は
20年前に花火工場の事故で 亡くなっていたのよ。
知ってるよ 借金のために 働きづめだったんだろ。
その原因を作ったのは シナトラの金融会社だったのよ。
なんだって!? リサさんにとって
シナトラは ご両親の敵ってわけなの。
そうだったのか…。
両ちゃん どう思う? んっ どうって?
お前 まさか…。
《弁天小僧は もう現れないわ。》
《えっ?》
リサが 弁天小僧…。
両ちゃん。
(犬の遠ぼえ)
ん?
うわっ ああー!
ハッ 両津巡査長。
リサ。
ハァーッ。
私は 宝物を守りたかった それだけなの。
20年たった今でも シナトラは町の人を苦しめてるわ。
子供たちの遊び場を奪い 住民たちを
ダイオキシンの危険にさらして 好き放題なことをやってる。
それを知ったら 忘れかけてた怒りが
よみがえってきたの だから…。
リサ 親父さんの花火を 思い出してみろ。
えっ?
親父さんの花火は みんなを楽しませ
幸せにしてくれたんだ。
でも 爆弾はそうじゃない。
同じ火薬でも みんなを苦しめ 傷つけてしまうんだ。
たとえ町を守るためでも 爆弾なんて誰も喜びやしない。
きっと 親父さんだって そう思ってるはずだ。
ええ 私が間違ってたわ。
もう少しで 幼い子供まで 巻き込んでしまうところだった。
リサ…。
さあ 逮捕して。
その必要はない。 えっ?
弁天小僧は もう現れない そう言ったよな。
ええ。
それが本当なら もういいんだ。
両津巡査長…。
(住民たちのどなり声)
(クラクション)
(男性リポーター)脱税 そして無許可による産廃処理と➡
悪事が続けざまに明らかになった シナトラ商会に対し
住民たちの立ち退き運動は ますますエスカレートしています。
(女性リポーター)ご隠居さん シナトラ商会について➡
どう お考えですか?
(ご隠居) あんな高いビルを建てるから 盆栽も枯れてしもうたわ。
本当は老人ホームが 建つはずだったんだぞい。
えー 現場からも このような 苦情が次々と寄せられております。
現場から お伝えしました。 (ご隠居)姉ちゃん➡
電話番号 教えてくれんかの。 (女性リポーター)えっ?
地元の激しい反発にもかかわらず シナトラ商会は➡
何か新たなプロジェクトを 仕掛けようとしているもようです。
クソッ。 こう騒がれると➡
シナトラワールドの建設は 難しくなってきますねえ。
それに比べて 弁天小僧の人気は すごいらしいですよ。
なに? 弁天小僧せんべいに
弁天小僧どら焼き
さらには 弁天ちゃんカレーに 弁天ちゃんふりかけ
弁天ちゃんイチゴ大福まで 発売されるとか。
うん?
私たちも便乗して ひと儲けしましょうか?
ふざけるな 何が弁天ちゃんだ! ひゃあ!
ん? 待てよ。 社長~。
お前の言うとおりだ。
こいつは利用できるかもしれんな フフッ。
両津勘吉 2週間の謹慎が解けたので
また頑張りまーす! あ?
何 のんきなことを言っとるんだ。
また 弁天小僧からの メッセージだ。
ええっ!? 弁天小僧から? うん どれ?
(中川)なんだか テーマパークの宣伝みたいですね。
部長 こんなの 偽物に決まってますよ!
偽物? (中川)そういえば➡
弁天小僧のマークも どこか変ですね。
とにかく捜査本部に集合するぞ。
本日は ようこそ いらしていただきまして
ありがとうございます。
夢の楽園 シナトラワールドを 破壊するなんて
絶対に許せません。
我々は 東洋一のテーマパーク・ シナトラワールドを
完成させるために 極悪非道な 弁天小僧と戦うことを宣言します。
(スピーカー:音楽) ワン ツー ワン ツー さん し。
(女性たち) ♬ シナトラワールドは
♬ こんなとこでは負けません
ちゃんと写してくださいよ。
後ろのシナトラワールドの 看板も忘れないようにね。
(シナトラ・女性たち) ♬ 弁天小僧を許さない
クソッ シナトラのヤツ
弁天小僧を 宣伝に利用しようってんだな。
ひどいわ 本物の弁天小僧が
こんなことを するわけないじゃない。
2人とも ずいぶん弁天小僧の肩を 持つじゃないか。
(両津・麗子)えっ うう…。 (麗子)そうじゃありませんけど…。
でも あのケチなシナトラが
わざわざ自分のテーマパークを 爆破させてまで…。
シナトラは 多額の保険に 入ったってウワサです。
たとえ爆破されても 儲かる 仕組みなんじゃないんですか?
クソーッ あいつらの 思いどおりになんかさせないぞ。
てえっ。 (麗子・中川)両ちゃん! 先輩!
しょうのないヤツだ。
麗子君 リサさんは? (麗子)え? あっ いいえ 私は…。
そうか。
とにかく 両津1人に行かせては マズい。
わしらも現場に急行するぞ。
あと3時間か 爆弾は きちんと仕掛けてあるんだろうな。
ご心配なく 旧ソ連軍の払い下げのミサイルを
そのまま使用しています。
フフフフッ で 性能は?
確か 2,000ポンド爆弾とか。
にっ 2,000ポンド!? あああ…。 どうせ保険に入ってるんですから
派手にやりませんとね。
あれ 社長?
ああ お前… 2,000ポンドといったら
1トンだぞー!
いい… 1トン!?
10kgじゃなかったんですか?
シナトラワールドどころか 町じゅうが吹っ飛んじまうぞ!
キェー!
どど… どうしましょう? あああ~…。
うん?
こうしてはおれん 早く逃げるんだ!
(シナトラ・マーチン)ああ…。 やい シナトラー!
お前ら弁天小僧をかたって 何をたくらんでいやがるんだ?
ああ 俺が運転する。
うわあ~! やっぱり お前が運転しろ。
おい 聞いてんのか こら うっ。
お前なんかと 話してる暇はないんだ。
いやあっ イテッ クソッ。
待て 絶対 逃がさんぞ うりゃっ。
ええい。 うわあ 離せ もうすぐ町が
吹っ飛んじまうんだぞ。 なに?
1トンの爆弾が仕掛けてあるんだ。 なんだと!?
両津!
部長 やっぱり こいつらが爆弾を仕掛けたんです。
弁天小僧の仕業じゃありません!
なに? みんな捕まえろ。
この野郎。 ああ~!
ん? あー!
うわー!
ああ 崩れる。
バカ者 早く逃げろ。 はいはい。
♬~
先輩 ロケットが! (大原)危ない 逃げろ!
ああ~!
うっ うう…。
鉄筋が あんなに簡単に 倒れるなんて。
すごい陥没だな。
とんでもない 手抜き工事をしてたんですね。
弁天小僧のメッセージは偽物です。
もう弁天小僧が 事件を起こすことはありえません。
うん? それはいったい どういう意味かね?
実は 弁天小僧の正体は…。
署長 大変です。
シナトラワールドのロケットが 地下に崩れ落ちました。
なに!? (大原)重さ1トンの➡
高性能爆弾が あと3時間で 爆発してしまうんです。
なんですって?
≪(サイレン)
≪(アナウンス)3時間後に大型爆弾が 爆発する恐れが出てきました。➡
葛飾区民は全員 速やかに避難してください。
(ヘリのローター音)
≪(アナウンス)葛飾区の皆さん 爆発時刻まで あと3時間です。➡
警察の誘導に従って 速やかに避難してください。
(クラクション)
えらいことになりましたね 社長。
お前が1トンの爆弾なんか 仕掛けるからだ!
申し訳ございません。 急いで ジェット機を準備しろ。
(マーチン)もしもし。 フンッ。
(風の音)
(スピーカー:小町)葛飾区全域に 避難命令が出ています。➡
残っている人は 速やかに避難してください。
(奈緒子)人っ子一人いないわ。
人類が滅亡しちゃったみたい。
(ボルボ)地下鉄坑道へ落下した 時限発火装置付き爆発物は➡
旧ソ連軍のR-2ミサイルを 改造したものと判明した。➡
弾頭部は 通常火薬で2,000ポンド。 これらの情報から予測すると➡
これが爆発によって 直接 被害を受ける地域。
そして地盤沈下などの2次被害。➡
電気などのライフラインが 切断される3次被害がこれです。
ど… どうやって 爆弾を処理したらいいんだ。
まず 時限装置をストップさせ
それから速やかに安全な場所に 運ぶしかありません。
だが万一 時限装置の解除に手間取れば
安全な場所まで 逃げ戻る時間がない。
(爆発音)
(ボルボ) 今までの弁天小僧の爆弾とは 比べものにならないほど危険だ。➡
文字どおりの命懸けの仕事だ。
大変です リサさんとダンディがいません。
ヘリで現場に向かったようです。
なに!? (寺井)ええ~っ。
ダンディ 行くわよ。
(ダンディ)了解。
≪ ちょっと待った。
わしも行くぞ この町を壊されて たまるかってんだ。
両津巡査長 いつの間に?
ヘリに ぶら下がってくるのが わしの指定席だろ。
それに忘れたのか? わしらは チームなんだぞ。
フッ 部長
これから わしと リサと ダンディの3人で
爆弾処理に向かいます。
なっ なんだと!?
先輩。 (麗子)両ちゃん…。
両津 その爆弾が どれだけ 危険なものか分かってるのか?
分かってます とにかく わしらに任せてください。
リサ ダンディ 行くぞ。
はい。 (ダンディ)了解。
大原君 両津やリサさんに 任せるしかないだろう。
はい…。
ん?
コマだ 誰か落としていきやがったな。
この町で また子供たちが コマを回して遊べるかしら。
できるさ 絶対に。
(ヘリのローター音)
かつしか警察では 爆発物処理班が 出動したもようです。
もし 高性能爆弾が爆発すれば その被害は計り知れません。➡
果たして爆発は 回避できるのでしょうか。
≪(貨車の走行音)
あそこだ!
あっ! ああー!
ああ ハァ…。
あー!
こりゃ えらいことだぞ! (ダンディ)えらいこっちゃ。
(無線)部長 土砂崩れのために 少々 遅れます。
なっ なんだとー!?
えっさか ほいさか。
(ダンディ)えっさか ほいさか…。 えっさか ほいさか…。
えっさか ほいさか えっさ… ん?
(ダンディ)えっさか ほいさか…。
ダンディ この任務が終わったら 風呂でキレイに洗ってやるからな。
(ダンディ)約束約束。➡
えっさか ほいさか…。 おう 約束だ。
えっさか ほいさか…。 (ダンディ)えっさか ほいさか…。
まるで仲のいい兄弟みたいね。
時間がかかりすぎてる。
早くしないと失敗しても 戻ってくる時間がないぞ。
ええっ? (大原・屯田署長)ううう…。
ああ これ以上は危険だ。
(無線:大原) 両津 爆弾処理は中止だ 早く戻ってこい。
部長 わしは このまま行きます。 なに?
私も行きます。 リサ。
私たちはチームよ 両津巡査長。
ああ。
リサさん あんたまで どうしたんだ。
危険だと言っとるのが 分からんのか!
(無線:大原)すぐに戻ってこないと 命がないぞ。
おっ おい 両津 両津!
もう戻るだけの時間はない。 (一同)ええっ?
もし 時限装置を 止められなかったら…。
先輩。 (麗子)両ちゃん…。
(貨車の走行音)
さあ 着いたぞ。
あの窓の所ね 大丈夫 ダンディなら うまくやるわ。
ハッ!
ああっ。 危ない!
うわー!
ううっ イテテテテ ああ… ハッ!
あー! ダンディ。
おい ダンディ しっかりしろ! ダンディ!
(ダンディ)約… 約そ…。
ダンディ。
(ダンディ)約… 束…。➡
約… 約…。 (機械が停止する音)
ダンディ!
ああ こいつ わしを助けるために…。
すまんな キレイに洗ってやるって 約束したのに。
ダンディ…。
リサ 泣いてる時間はないぞ! ええ。
(爆弾のタイマー音) あっ あった あと5分しかないぞ。
初歩的なタイプの時限装置よ リード線さえ切れば…。
届かないわ あの赤いコードを 切るだけでいいのに。
ううっ わしの腕では短すぎるし。
ダンディさえいれば…。
あと3分だ。 (本田)ひえ~ そっ そんなあ。
両津 なんとか頑張ってくれよ。
ハァ… 両ちゃん。
気をつけて ほかの色のコードを切ったら
すぐに爆発するわよ。
んっ んっ… あああっ! ああっ。
ああ クソッ もう少しなんだが。
あと1分。 もうダメだわ。
リサ 諦めるな! だって…。
わしは諦めんぞ 最後の最後まで頑張るんだ。
アイテテテ… ああっ。
どうしたの? なんか刺さった。
さっきのコマか。
そうだ! こいつで なんとかなるかも。
(どよめき) コマですって?
両津 コマなんかで 遊んでる場合じゃないぞ!
あと30秒ですよ 先輩。
んっ!
ん? また崩れ落ちるわ。
クソーッ ええい。
急いで! えーい だあー!
ううっ。
や… やったー!
えっ? うっ?
うわー!
ハァッ どうした両津ー!
(本田)ああ~。 (大原)こら 返事をせんか。➡
両津 両津 両津ー!
(無線:ノイズ音)
(無線)部長 部長ー!
りょっ 両津…。
(無線:大原)無事なのか? はい。
トンネル坑道に突き刺さしていた ロケットが中に落下しただけです。
起爆装置は完全に停止 任務は無事 完了しました。
(歓声)
(本田)やったー! (麗子)両ちゃん。
先輩! (屯田署長)でかしたぞ 両津。
両津 よくぞ葛飾を救ってくれた。
両津 俺は今 猛烈に感動しているぞ!
バンザーイ バンザーイ…!
(無線:警察官たち) バンザーイ バンザーイ…!
やったな リサ。
両さん…。
両さん!
♬~
(ロケットの稼働音)
両さん なんか変よ。 うん?
うわー! キャー!
なんで? おっ おい。
こら 待てー!
うっ ううっ…。
両さーん!
なんで 本物のエンジン 積んでんだよー!
(大原)なに!? ロケットが地下鉄を 暴走してるだと?
(一同)ええ…?
≪(アナウンス)まもなく1番線に 電車が参ります。➡
黄色い線の…。 (女性たち)キャー!
(一同)うっ…。 (男性)なんだ?
うわー!
(アナウンサー)ただいま 入ってきたニュースです。
爆発を免れたロケットが
今度は地下鉄内を 暴走し始めました。➡
なお ロケットには 高性能爆弾のほかに➡
亀有公園前派出所の両津巡査長が 乗っているもようです。
(大原)かつしか署の者です。 (職員)お待ちしていました。
両津は?
あっ! あれが先輩の乗った ロケットですよ。
ううっ なんというスピードだ。
ええっ 大手町の駅構内を 移動してるわ。
まさか 千代田線から 丸ノ内線に乗り換えるんじゃ…。
そんなバカな話があるか。
ロケットが 地下鉄を乗り換えるなんて。
(悲鳴)
うわー! どいてくれー!
(男性たち)うわっ!
うわ~!
ひい~!
うへ~!
ああっ! (麗子)大変。
前から ほかの車両が来るわ。
ううっ ん?
うわー!!
(寺井)このままじゃ激突だ。
もう無理です 避けられない。
ううっ このっ!
うう~っ。
なっ なんだ?
あんなとこに 地下鉄は走ってませんよ。
そうか 先輩が掘ったトンネルだ。 (麗子・寺井)えっ?
り… 両津が掘った?
だあー! ああっ。
どわー!
今度は日比谷線に移動しました。
このままだと 葛飾に戻ってきちゃいますよ。
でえ~!
ええい いったい どうすればいいんだ。
(屯田署長)大原君。 (大原)あっ 署長。
本庁から指示が出た。
ロケットを 葛飾区内で爆発させるんだ。
なんですって? (麗子・寺井・中川)ええっ!
葛飾区は すでに住民の避難が 完了していて安全だが
他の地区で爆発したら 多数の被害者が出る。
幸いなことに 爆弾は葛飾に向かっている。
ほかに方法がないんだ!
先輩はどうなるんですか! (麗子)そうよ!
両ちゃんは どうなっても かまわないっていうの?
やむをえん それが本庁の決定だ。
(大原・中川・寺井)ああ…。
そっ そんな…。
♬~
署長 先輩と葛飾を 見捨てるっていうんですか?
両ちゃんは 葛飾を守るために 命懸けで頑張ってるのよ なのに!
署長 爆破装置の設置が
完了したそうです。 (屯田署長)うむ。
うう… くっ ええいっ。 (職員)ああっ。
両津 戻ってくるんじゃないぞ。
えっ。 (屯田署長)大原君!
(無線:大原)葛飾に戻ってくると ロケットは爆破されるぞ。
なんだって!?
このままだと葛飾に戻っちまうぞ。
チクショウ わしが なんとかしてやる。
うおー!
ぬうー!
うわー!
あっ 消えた! (麗子)えっ どこへ?
地上だ!
(地鳴り) (ざわめき)
(通行人たちの悲鳴)
うわー!
ぐはっ ぐはっ だはっ…。
ひえ~!
(職員)ロケットは 上野駅から 地上へ出てきました。
(屯田署長)大原君 なんてことをしてくれたんだ。
署長 ここは あのバカに 任せてやってください。
しかし…。
責任は 私が取ります お願いします。
なあー! え?
うわー! いいい…。
危ねえ 危ねえ 爆発しちまうぞ。
(サイレン)
(男性リポーター) 爆弾を搭載したロケットは現在 中央通りを神田方面へ暴走中。➡
爆弾の運命は 亀有公園前派出所の➡
両津勘吉巡査長に 託されているもようです。
(テレビ:アナウンサー) ロケットには今現在も➡
高性能爆弾が 搭載されたままです。➡
付近の住民は決して 近づかないように お願いします。
(爆竜大佐)おお あいつは。 (ジョディー)両さん。
(麻里 晩)うおっ あれは!
(マリア)両様 今 行きますわ。
愛ー! (マリア)両様ー!
(カーニバルの音楽)
(絵崎コロ助) どんつけ どんつけ… おっ?
(職員)ロケットは小川町交差点を 日比谷通りへ➡
大手町方向へ南下中。
火花が! (寺井・麗子)えっ?
いかん 摩擦熱で爆発するぞ。 (大原)なに!?
ん? あっ アチチチチ…。
(無線:大原)両津 このままじゃ いずれ爆発するぞ。➡
どうするつもりだ。 どうするも こうするも…。
バカもん なんとかすると 言ったのは お前じゃないか。
そんなこと言ったって うん?
そうだ! 部長 勝鬨橋を開けてください。
勝鬨橋を開けろ? いったい何をしようっていうんだ。
とにかく 先輩の言うとおりにしましょう。
ああ。
よし 分かったぞ 両津。
橋を上げろと言われても もう30年も昔の話だからのう。
とにかく やってもらわねえと 困るんだよ。
日比谷通り 晴海通りの交通を すべて遮断。
付近の住民に避難命令を。 (麗子・寺井・中川)了解。
頼むぞ 両津。
(女性リポーター) 現在ロケットは 大手町から 日比谷方向へ向かっています。
♬~
ううっ 左か。
うおりゃあ!
(女性リポーター)ロケットは 晴海通りへ入りました。
あとは勝鬨橋まで一直線だ!
(歓声)
(男性1)両津巡査長ー!
(男性2)よく分からんが頑張れ! (男性3)とにかく負けるなー!
市民が危険を顧みずに 両津巡査長を応援しています。➡
果たして この祈りは通じるのでしょうか。
うおー!
(中川)本田さーん!
まだ開かないの?
それが あんまり昔のことなんで 忘れちゃったらしいんです。
姉ちゃんの電話番号なら 覚えとるんじゃがのう。
先輩は すぐそこまで来ています。 (寺井)もう時間がないよ。
≪(パトカーのサイレン) (麗子)あっ?
ああっ 来ちゃった 来ちゃったよ どうしよう どうしよう!
おおっ 思い出した。
これだ これ ほい。
(機械の稼働音)
(麗子)ああっ。 (中川)電源が入ったぞ。
あんた そこのレバーを下げてくれ。
えっ これですか?
早く 時間が。 (ご隠居)ヘヘヘッ 慌てるな。
勝鬨橋 開け!
♬~
あっ。 (中川)勝鬨橋が…。
開くぞ。 (本田)わあっ。
(男性リポーター) 皆さん ご覧ください。
勝鬨橋が30年ぶりに 上がろうとしています。
いったい これから 何が始まるというのでしょうか。
おおっ 勝鬨橋が…。
(男性1)勝鬨橋が開いたぞ。 (男性2)すっげえ 初めて見た。
♬~
やったー! ハハッ。
先輩は? (麗子・寺井)ああっ。
うーっ。
よーし 行けー!
ああ…。 (寺井)飛んだ!
そうか 安全な空中で
爆発させるんだ。 (麗子)両ちゃん。
(どよめき)
りょ… 両津。
ヘッ こいつをつないで 脱出すれば 3秒後に空中爆発だ。
我ながら 頭いい!
うわあー! うわっ。
えっ えっ あーっ コード切れたー!
どうしよ~。
ハッ あれは。
シナトラ商会のジェット機 クソッ こうなったら…。
ううーっ。
でやーっ おりゃー!
どうやら爆発は 食い止めたようですね。
フンッ こんな愚か者の町など 用はないわ。
うん?
のわっ あっあ! ええっ!?
くらえー! どひゃー!
(爆発音)
先輩! (麗子)両ちゃん!
ああー! (本田)先輩!
♬~
両津ー!
ああっ 助けてください 社長。 こら 離さんか。
(マーチン)だって離したら 落っこっちゃうじゃないですか~。
しかし 自爆するとは ほとほとバカなヤツめ。
うん? うわー!
うわわ…。
わー イヤだー! バカバカ…。
(3人の叫び声)
♬~
ああ イテテテテ うん? ≪(パトカーのサイレン)
あああ…。 タカタカタカタン…。
ヘッ ざまあみろ。
逃げようたって そうはいかねえんだ。
♬~
♬~
やっぱり強制送還に なっちゃうんだ リサさん。
理由はどうであれ 罪は罪だ。
でも リサさんのおかげで シナトラを逮捕できたんですから。
なんとかしてほしいもんですよね。
そろそろ迎えが来る時間だ。
≪(飛行機のエンジン音) (麗子)ん?
わあっ 本物のハリアーだ。 (麗子)わあっ。
父の会社のものです。
残念だな これでお別れなんて。 しかたがないわ。
FBI捜査官が 犯罪を犯したんですもの。
でも この町を救ったのも リサだからな。
私じゃないわ 両さんよ。
ヘッ よせやい てれるじゃねえかよ。
両さん いろいろありがとう。
ああ 元気でな。
ん?
リサ 泣くんじゃないぞ。
幸せの神様は泣き虫が嫌いなんだ。
え…。
♬~
《ほら もう泣くんじゃないぞ。➡
幸せの神様は 泣き虫が嫌いなんだ。》
ハッ… 両さん。
寂しくなりますね 先輩。 なあに また会えるさ。
そうよ きっと会えるわ。
なんか前にも どっかで 会ったような気がするしな。
ん? (ダンディ)両津。
ダンディ! 元どおりじゃねえか。
リサさんが直していったのよ。 うっ…。
肝心のメモリー部分は 大丈夫だったんですって。
FBIに無事 復帰するそうです。
よかったな ダンディ!
(ダンディ)約束 約束。
ああ ダンディ 約束どおり 風呂でキレイに洗ってやるよ。
(一同)ああ…。 ≪(マリア)両様ー!
(一同)おっ。 ≪(足音)
(マリア)両様ー!➡
ご無事ですかー?
マリア! お前 ホンダラ親父と
香港に行ってたんじゃ なかったのか?
未来の旦那様のためなら
地の果てからだって 駆けつけますわ。
未来の旦那様って うわー! キャーッ。
あっ あっ あ~。 とっ とっ とっ…。
アイテーッ だから お前は男なんだから
わしとは結婚できんと 言っとるだろうが。
そんなことは ささいな問題ですわ。
ささいじゃなーい!
あっ? えっ? ああ? あああっ。
(麗子)ああ…。 (寺井)モグラだあ。
モグラじゃないと 言っとるだろうが!
ひょっとして先輩…。
穴 掘って そのまんまなんじゃないの?
あー!!
♬~
(大原)こらー! 両津ー!!
♬(エンディングテーマ)
♬~
♬ 気持ちだよ 気持ちだよ きみにあげたいものは
♬ 気持ちだよ 気持ちだよ ぼくの気持ちだよ
♬~
♬ 重たい荷物は 背負ってしまえば
♬ 両手が 自由になるだろう
♬ その手で 誰かを支えられたら
♬ それはどんなに 素敵なんだろう
♬ 気持ちだよ 気持ちだよ きみにあげたいものは
♬ 気持ちだよ 気持ちだよ ぼくの気持ちだよ
♬ きみが笑うと イヤなこととか
♬ なんだか ちっちゃくなるんだよ
♬ 泣きたいくらいに 落ち込む夜が
♬ きみにだってさ あるだろうに
♬ 気持ちだよ 気持ちだよ きみからもらったものは
♬ 気持ちだよ 気持ちだよ きみの気持ちだよ
♬ 気持ちだよ 気持ちだよ きみにあげたいものは
♬ 気持ちだよ 気持ちだよ ぼくの気持ちだよ
♬ 気持ちだよ 気持ちだよ ぼくの気持ちだよ
♬~
♬~
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