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Original subtitles

(相楽) みゆきの市は 「子育ての街」。

(相楽) それこそが この市の魅力であると。

(饗庭) 難しい用件がある時は 「上」から攻めんだよ。

(日比野) 徴税強化体制の一環なの 副市長のお墨付きです。

(華子) 滞納してるからこそ→

手を差し伸べるべきなんじゃ ないんですか。

(増野) 保育課の職員なのに 子供たちを見ていないなんて…。

(饗庭) せっかく徴収した 税金による支援を→

届けるべき人に 届けられなくなってしまう!

そんなことも分かんねえんすか!

(浜村) 少し お時間よろしいですか?

(饗庭) 860万円の滞納か。

結構いっちゃってんね~。

(華子) はい 住民税と 1年前に 市内に購入した→

土地および自宅の固定資産税を 滞納してるんです。

延滞金も合わせて その額に。

(饗庭) 小田倉翔馬 31歳ね… 若いね。

(浜村) 小田倉翔馬?

もしかして 元日本代表の小田倉翔馬?

(華子) 日本代表? >> サッカーの日本代表だよ。

確か ワールドカップにも 2回出てる。

(加茂原) 果敢に得点をもぎ取る→

好戦的なプレースタイルと→

メディアに対するビッグマウス。

(加茂原の声) いろんな意味で 世間をにぎわせる→

人気選手だったんだ。

(小田倉)〔優勝っすか?〕 >>〔はい〕

〔取りあえず 俺 使っとけば 余裕っしょ〕

(加茂原) ここ数年は 代表は 落選しちゃってるみたいだけど。

今は2部リーグにいるんですね。

(華子)「みゆきのエクイータ」。

地元チームですか。 >> うん。

(鷺沼)「小田倉翔馬は→

2年前に脚を故障して→

長年在籍した1部のチームから→

2部の “みゆきのエクイータ”へ移籍。

それに伴い 年俸も約8000万円から…」。

あ~ 400万円に激減してる。

(饗庭) で 以前の収入分の税金が 降りかかって→

納められなくなっちゃった ってわけか。

(橘) あ~ スポーツ選手あるあるだね~。

(華子) あるあるなんですか?

(橘) スポーツ選手が 翌年の税金で苦しむって→

よくある話なんだよ。

(鷺沼) スポーツ選手が セカンドキャリア 築くの→

大変だから… 引退後に 滞納する人は少なくないんだ。

(饗庭) 小田倉さんは再開発の影響で→

地価が上昇して 固定資産税も上がったと。

ただでさえ 高額な滞納なのに→

このままじゃ 延滞金が かさんでいっちゃうね。

(華子) はい 電話も なかなか つながらなくて。

その案件 俺も担当に入れてよ。

(華子) えっ? >> 俺 昔 サッカー やってたんだよ。

百目鬼さん サッカーのこと 全然なんでしょ?

(華子) そうですけど…。

少しでも相手の事情を知ってて→

話を合わせられる職員が いるに越したことはないよ。

(華子) 小田倉さんに会いたいだけじゃ ないですよね?

違う違う!

(饗庭) まぁ いいんじゃない? 俺もサッカー 全然詳しくないし。

(華子) そうですか。 >> よし!

じゃあ 早速 臨宅に行こう!

(饗庭) あいつ 目バッキバキだったな。

(日比野)〔一係に来たい?〕

〔副市長が進める徴税強化体制〕

〔あれが実現したら→

徴税吏員も 成果主義の部署に 変わりますよね?〕

〔成績によって 昇格や昇給が決まることになる〕

(日比野)〔そうなるでしょうね〕

〔だったら 徴収率 万年最下位の 三係にいては→

出世に響きます〕

〔チームの成績も→

個人の人事評価に 関わりますから〕

〔それで 一係に?〕

〔はい〕

今日は 公開練習日だって!

行こう! 2人とも。

(饗庭) うるせぇ。

♪~

(浜村) すげぇ! プロじゃん 本物のプロじゃん!

(饗庭) そりゃそうだろ プロ 見に来てんだから。

そんな はしゃいでると 百目鬼ちゃん チョゼっちゃうぞ。

(華子) こういうことを許していたら 個人的な感情で…。

徴税吏員は 公正公平であるべきなんです。

(饗庭) はい 遅かった。

百目鬼 チョゼります ます ます…。

(華子) 浜村さん 近いですよ。 (浜村) お~ すげぇ!

(華子) 近いです。

離れてください。 >> もう行くから。

(華子) 離れてください!

何のために来たか 分かってるんですか?

♪~

滞納? 俺がですか?

(華子) はい。 >> 何かの間違いじゃなくて?

(華子) いえ あの こちらに記録が…。

いやいや… 俺の去年の年俸 知ってる?

(華子) はい?

8000万だよ 8000万。

あの… その辺のサラリーマンじゃ ないんだからさ→

払えないわけないでしょ。

(華子) お金があっても滞納される方は…。

移籍して すぐ家買ったのも 金があるからだって。

(華子) では すぐに納付してください。

もう一回 ちゃんと調べてみてよ。

それでも間違いなければ払うから。

(華子) 確かに納められてないんです。

悪いけど 練習中だから… 大事な時期なんで。

こんなことで いちいち邪魔しないでくださ~い。

(華子) 何なんですか あれ! (饗庭) まぁまぁ…。

まぁまぁ まぁまぁ…。

さすが小田倉翔馬 ビッグマウスは健在だね。

(華子) 小田倉さん このまま 滞納を続ける気なんですかね。

踏み倒そうって魂胆?

(饗庭) そんな感じはしなかったけどね~。

(犬飼) すいません!

(犬飼) 皆さんも 小田倉翔馬の取材ですか?

あっ… 名刺 どこやったっけな。

犬飼です。 (饗庭) あざ~す。

(浜村) スポーツライターの方ですか?

小田倉のことを話しているのが 聞こえたので。

取材にも 力入りますよね。

彼は今 大事な時期だから。

(華子) 大事な時期… ご本人も おっしゃってましたね。

小田倉は まだ 今シーズン 試合に出場できてないんです。

まだ30過ぎですけど サッカー選手としてはね。

「みゆきの」に見放されたら 事実上の引退でしょう。

っていう事情を知らない ってことは→

皆さんはスポーツが専門ではない。

地元のコミュニティー誌か 何かですか?

(饗庭) まぁ そんなようなもんすね。

へぇ~。

(饗庭) で どうして あなたは 小田倉さんのことを?

えっ?

(饗庭) だって 言い方 悪いっすけど→

どっちかっていうと 落ち目の選手 ってことじゃないっすか。

それって記事になるんすか?

いっても 元代表ですから。

まぁ でも 彼を追うのは→

僕の個人的な思い入れです。

僕と小田倉は みゆきの市の出身で→

ユース時代は 同じチームでプレーしてたんです。

へぇ~! すごいじゃないですか。

僕なんか全然。

結局 プロになれなくて→

彼を一方的に 応援しているだけです。

(チャイム)

(涼花) はい。

(饗庭) みゆきの市役所の者ですが。

(涼花) 滞納のこと 夫には黙ってるんです。

本人は お金があるつもりですし→

今はサッカーに 集中させてあげたくて…。

小田倉さんが 試合に出られなくなったのは→

脚のケガが原因ですよね。

年俸が減って→

さらに治療やリハビリにも→

お金がかかっているんじゃ ありませんか?

まぁ… でも 現役を続けるためですから。

ケガも どんどん 良くなってきてるんです。

「試合に出られる日も 近いはずだ」って 夫は。

そうなれば 来年は 年俸が増えるかもしれません。

(華子) このままでは 延滞金が発生し続けてしまいます。

とにかく 一度 ご主人と話してみてください。

♪~

(饗庭) 奥さん やっぱ話せてなかったか。

(華子) どうしてでしょう。

夫婦なんだから 助け合うべきなのに。

(饗庭)「夫婦だから」 じゃない?

取りあえず 分納の案内はしたけど→

あの様子だと 完納するには 時間がかかりそうだな。

📱(受信音)

♪~

あなたが マスコミに流して。

マスコミに流せ!?

シ~! 静かに。

すいません。

小田倉さんのことをですか?

あなたたちが話してるの 聞こえちゃったの。

元日本代表が税金を滞納してて→

それをうちが徴収したとなれば 話題になるじゃない。

納税課のPRにもなるし→

他の滞納者の駆け込み納付も 増えるはず。

相楽副市長も大喜び間違いなしよ。

でも 徴税吏員には守秘義務が…。

だから こんな所で こっそりお願いしてるんじゃない。

あなた 一係に来たいんでしょ?

♪~

〔個人の成績なら 三係のトップは→

饗庭君ですよね〕

〔引き抜くなら 彼にします〕

〔また饗庭ですか〕

〔当然でしょ 彼の方が優秀なんだから〕

♪~

(犬飼) この頃が全盛期ですね 小田倉は。

(浜村) 犬飼さん。

お隣 いいですか? (浜村) ええ。

やっぱり キレッキレだな。

当時は ヨーロッパの強豪チームからも→

声がかかってたみたいですね。

まぁ そのせいで 今も苦労してるみたいですけど。

えっ?

あの頃のプライドを 捨て切れてないんですよ。

今はチームメートとは→

裏で何度も口論になってるって ウワサです。

そうなんですか。

ところで あなたたちは→

市役所の人なんですよね。

今日は どうして 練習場にいたんですか?

小田倉に何かトラブルでも?

先 食べてて。 ありがとう。

いただきます。 >> はい。

ん…。

そういえば 昼間 役所の人たちが来たよ。

(涼花) えっ…。

何か 税金 滞納してるとか 何とかって。

お金のこと 任せっきりだけど 大丈夫なんだよね?

何かの手違いじゃないかな 確認しておくね。

それより今日 練習どうだった?

えっ? まぁ 脚の調子は だいぶいいんだよね。

コーチも上と話してくれるって。

そう よかったね。

♪~

(華子)\これを全部ですか?/

(涼花) 滞納していた分→

取り急ぎ 100万円 用意しました お支払いします。

(華子) でも ホントに大丈夫なんですか?

ご主人の治療にも お金がかかると言ってましたよね。

問題ありません。

これからも支払いを続けるので→

夫のとこには もう行かないでいただけますか。

これは ご主人もご存じの お金なんですか?

えっ?

まさか 悪質な所から借りたお金 じゃないですよね?

(華子) このお金は受け取れません。

どうしてですか?

お金なら 何だっていいじゃないですか。

(華子) 毎年発生する固定資産税は どうするんですか?

来年も…。 >> その頃には→

ケガも良くなって 試合に出られるようになります。

(華子) 出られなかったら?

一度 ご主人とお話ししませんか?

ハァ…。

(涼花) ごめんなさい。

どんなに切り詰めても もう どうしようもなくて…。

何で相談してくれなかったの?

それくらい 言ってくれればいいだろ!

言えないよ 復帰に向けて頑張ってる時に。

小田倉さん 落ち着いてください。

いったん座りましょう。

(華子) それで ひとまず 借金は返済して くれることになったんですよね。

ああ… これからのこと→

夫婦で話し合ってくれれば いいんだけどな。

(饗庭) つうか 浜村 よく気付いたよね~。

えっ?

(饗庭) だって そんな怖~いとこから 借りてまで納付する人なんて→

めったに いなくな~い?

何で分かったの?

あ~ それは…。

〔涼花さんが?〕 >>〔ええ〕

〔怪しい貸金業者に 入ってくの見たんですよ〕

〔奥さんのことは 前から知ってたんで〕

〔元日本代表の奥さんが どうして あんな所にって〕

(犬飼)〔それに加えて→

あなたたち 役所の人が…〕

〔小田倉 もしかして 金ないんですか?〕

〔いや…〕

〔小田倉のことが心配なんです〕

〔教えてくれませんか〕

たまたま見かけたんだよ。

彼女が そういう貸金業者に 入っていくところ。

(饗庭) ほぇ~。

(華子) 私たちは できることをしましょう。

まずは 家計状況の調査。

もしかしたら 何かしらの控除や支援を→

講じられるかもしれません。

(華子) 自宅の売却は まだ避けたいですよね。

ん~… 小田倉さんはアスリートだから→

食費も これ以上はな。

(饗庭) つうか これ 調べれば調べるほど→

涼花さんが どれだけ やりくり してるかっつうのが分かるわ~。

あれ? これ 何のお金だっけ?

月に2回 数万 下ろしてる。

(華子) あ~ 涼花さんは ご主人が 脚の治療に使ってるお金だと。

(饗庭) だとしたら それ 医療費控除の対象になるじゃん。

(華子) 確かに… 領収書ありませんね。

小田倉さん そういうとこ ルーズそうだからな。

(涼花)〔ホントに 日本代表内定 おめでとう!〕

〔ありがとう〕

〔でも まだまだ これで終わりじゃないよ〕

〔じゃあ 小田倉選手 次の目標は?〕

〔ハハハハ…〕

〔え~ まずは ワールドカップ優勝〕

(涼花)〔お~〕 (小田倉)〔その後 俺は→

ヨーロッパのビッグクラブに 移籍して→

そこでも クラブ世界一になる〕 (涼花)〔ん~!〕

〔そして→

涼花のことを世界一幸せにする〕

〔えっ…〕

〔俺の人生を懸けた約束〕

〔えっ…〕

(小田倉)〔涼花→

結婚してください〕

〔はい! フフフ…〕

(小田倉)〔何で 相談してくれなかったの?〕

〔それくらい 言ってくれればいいだろ!〕

〔言えないよ 復帰に向けて頑張ってる時に〕

♪~

(選手) 小田倉さんも よく頑張るよな。

試合じゃ 全然使ってもらえないのに。

そもそも何で うちに移籍できたんすかね?

スポンサーの都合だろ 腐っても元日本代表。

在籍してるだけで宣伝には使える。

(選手) 大人の事情っすか マジか。

(高橋) 小田倉。

(高橋) いいニュースだ。

(橘) おっ!

\お待たせしました/ (橘) あっ ありがとうございます。

へぇ~。

小田倉さん 試合復帰するんだって。

よかったね ヘヘヘ…。 (華子) はい。

ケガは順調に 回復しているようですね。

契約延長になれば 来年以降の収入も見通しがつく。

分納の計画も立てやすいね。

(饗庭) あっ この記事 犬飼さんが書いてんじゃん。

>> えっ? (華子) 練習場にいた方ですか?

(饗庭) そうそうそう あの人 ホントに熱心に→

小田倉さんのこと調べてんだな~。

(珠代) 小田倉翔馬が復帰したら 今年は優勝あるかも!

(饗庭) 何 珠代姉さん 小田倉さんのワンフーなの?

もちろん!

でも私は それ以上に→

みゆきのエクイータのサポーター。

もう何十年も応援してんだから 見て!

(華子) え~! (饗庭) ガチじゃん。

(華子) すごいですね! >> ほい!

えっ? このスポンサーって→

さがら?

(饗庭) 相楽グループの関連企業っすよ。

相楽の父親の会社っす。 >> え~!

副市長のお父さんは みゆきの市出身の実業家。

他にも 総合スーパーとか 飲食チェーン→

ホテルなんかも手掛けてる。

相楽グループ 恐るべし。

(饗庭) みゆきの市に相楽あり。

地元チームのスポンサーするのも 当然っつうわけですわ。

ちなみに俺も 今日の弁当は→

エクイータカラーで~す!

(珠代) ヤダ~! ちょっと映える!

撮っていい? (饗庭) もちろんです。

📱(振動音) (橘) あれ? 日比野係長だ。

はい… あっ はい。

今の時間は 一係が窓口業務の担当だったよね。

(浜村) はい。 >> 何かあったんですかね?

(橘) はい 分かりました。

悪いけど すぐ戻ってくれる?

窓口に小田倉涼花さんが いらしてるみたい。

(華子) 涼花さんが? (橘) うん。

(饗庭) 係長 行ってくれば いいじゃないっすか。 (橘) 頼むよ!

(華子) 涼花さん どうされたんですか?

(涼花) 今朝 ポストに こんなものが。

(華子) 何ですか これ! (浜村) これだけ読むと→

小田倉さんが故意に税金を 踏み倒してるように見えるな。

夫が こんなこと… 信じられません。

(饗庭) この記事→

まだ世間には出てなさそうっすね。

これ 誰が書いたかは 分かんないっすか?

こんな記事が出たら 復帰の話も…。

(華子) 誰が こんなこと…。

あなたたちじゃないんですか?

(華子) えっ?

(涼花) 滞納の話は 私たち夫婦の他に→

市役所の人たちしか 知りませんよね。

(華子) それは そうですが…。

これも全部 税金のためですか?

それとも単に 滞納してることへの 腹いせのつもりですか?

市民に寄り添うふりをしながら→

市役所は裏で こんなことするんですか!

(華子) 違います! 私たちじゃありません!

(浜村) 百目鬼さん…。

(加茂原) それで奥さん 怒って帰っちゃったんだ。

(華子) 何度も説明したんですけど→

最後まで 納得はしてもらえませんでした。

記事のコピー もらうので やっとでしたよ。

記事を送りつけてきた人の 目的って何なんですかね?

後から お金を要求してくるとか。

秘密にしといてやるから 金よこせって?

(橘) だったら すぐに言ってきそうだけどね。

(饗庭) これさ~!

問題なのは 小田倉さんの個人情報が→

どこから漏れたかっつう話だよね。

奥さんの言う通り 納税課の 人間から漏れてるとしたら これ→

重大な守秘義務違反だよね~!

(橘) いや ちょっと… 勘弁してよ。

犯人捜しとか したくないよ~。

(饗庭) じゃ 係長が犯人ってことで。

(橘) ウソ~!

(華子) よく こんな時に 冗談が言えますね。

(饗庭) これが あたいのいいところ。

(橘) あっ 日比野係長 先ほどは ありがとうございました。

(日比野) いいえ。

あっ! ちょっと見せて。

え~! 小田倉って そうなんだ。

浜村君 ありがとう。

(華子) どういうことですか? 「ありがとう」って。

さぁ?

♪~

ハッ!

浜村君 もしかして 君…。

最近 成績が落ちてきたって 悩んでたよね。

ええ まぁ…。

小田倉さんの担当も 百目鬼さんだったのに→

無理やり ついていったよね。

相手が有名な スポーツ選手だから→

世間をにぎわせる案件を 解決すれば→

評価に直結するって そう考えたんじゃないの?

ちょっ… 加茂原さん 何が言いたいんですか?

つまり君は 日比野係長に唆されて→

小田倉さんの情報を…。 (華子) 浜村さんが漏らしたんですか?

いや… 百目鬼さんまで。

(浜村) 俺は何も…。

(饗庭) あれ? ここに写ってんの→

浜村きゅんじゃない?

(浜村) あぁ?

(橘) あっ ホントだ よく見つけたね。

百目鬼さん 怒ってる?

この小ささで分かるの すごいな。

饗庭さん 見切れてますね。

(饗庭) えっ? あたいのメディアデビュー これ?

撮り直してほちいかも~。

(華子) この写真 私たちが臨宅した日に 撮られたものってことですよね。

ああ。

(饗庭) じゃ この日 グラウンドにいたのは…。

(浜村:華子) あ~!

♪~

あんただよな? この記事 書いたの。

この写真を 撮ることができたのは→

あの日 グラウンドにいた あんたしか考えられない。

〔カメラのシャッター音〕

(饗庭) 浜村から聞きましたよ。

あなた 涼花さんが お金 借りにいくの見たんすよね。

小田倉さんの スキャンダルを追って→

奥さんのことまで つけてたんだろ?

それが何か? (華子) つまり あなたも→

小田倉さんの経済状況は 知っていたということです。

専門分野なんですから→

スポーツ選手の税金問題に 気付くことはできますよね。

それで この記事を書いて…。

(浜村の声) 涼花さんに送りつけた。

目的は金か?

記事を売らなかったのは→

脅した方が高くなると 考えたからか?

あんた 小田倉さんを 応援してたんじゃなかったのかよ。

(犬飼) ええ その通りですよ。

(華子) だったら どうして…。

この記事は 頼まれて書いたんです。

(華子) 頼まれた?

誰にですか?

(犬飼) それは…。

(涼花)〔ケガも どんどん 良くなってきてるんです〕

〔「試合に出られる日も 近いはずだ」って 夫は〕

(饗庭)〔これ 何のお金だっけ?〕

(涼花)〔夫が こんなこと… 信じられません〕

(犬飼)〔この記事は 頼まれて書いたんです〕

ケンタロウさん グ~! (拍手)

(拍手)

小田倉さん 気合入ってますね。

当たり前だろ。

俺が復帰するからには 来年は優勝して→

みんなで1部リーグ いくぞ!

さすがビッグマウス 頼もしいっす。

(浜村)\小田倉さん/

(饗庭) 犬飼さんに この記事 書くように頼んだの→

小田倉さん ご本人だったんすね。

滞納の件 知ってんの→

奥さん以外に 小田倉さんぐらいっすもんね。

どうして 俺が?

(饗庭) まぁ 確かに こんな記事が出たら→

試合には 復帰できなくなっちゃいますし→

何より 奥さんのこと 傷つけちゃいますし。

でも…→

それが狙いだったとしたら?

経済状況を調査した時→

定期的に引き出しがあったのが 気になったんすよ。

で 地銀の口座情報まで 調べてったら→

あなた名義の口座が 見つかりました。

(華子) その口座に→

引き出されているのと同じ金額が 入金されています。

奥さんには治療費と言って 引き出したお金を→

そのまま 貯蓄に回していたんですよね。

どうして?

(饗庭) 小田倉さん→

あなた ホントは もう 諦めてるんじゃないですか?

現役を続けること。

周囲には順調に回復してると 言いながら→

ホントは もう→

プロを続けることはできないと 感じていた。

♪~

(饗庭の声) でも そんな時…。

(高橋)〔小田倉 いいニュースだ〕

(饗庭の声) チームから試合への復帰と→

契約延長を打診された。

(浜村) チームにとって あなたは→

広告塔としての期待も あったんでしょう。

でも それ以上に…。

〔最後のプレー 何だよ!〕

(浜村の声) チームメートとも 言い争いになる姿勢を→

コーチたちは 若い選手への刺激になると→

買ってくれていたんです。

(饗庭) チームには引き留められ 奥さんは応援してくれている。

でも あなた自身は もう限界だと分かっている。

(饗庭) だから 誰かに最後のひと押しを してもらいたかったんですよね。

そこに ちょうど滞納の件を知った 犬飼さんがやって来た。

最初は否定しようと思ってました。

けど むしろ いいきっかけかなって。

〔滞納のことは ホントだよ〕

〔大丈夫なのか?〕

〔そんなこと チームにバレたら 復帰どころじゃなくなる〕

〔最悪 引退だって あり得る〕

〔犬飼…〕

〔滞納のこと 記事にしてくれないか?〕

〔えっ?〕

〔お前 もしかして…〕 (小田倉)〔どうせなら→

徹底的に書いてほしい〕

〔スキャンダルなら 他にも用意するから〕

〔こんなこと頼めるの お前しかいないんだよ〕

〔頼む〕

♪~

(犬飼)\驚いたよ/

まさか あの小田倉翔馬が 俺に頭を下げるなんてな。

犬飼…。

記事のことは すいませんでした。

小田倉に頼まれたから 書いたけど→

後で全部 説明するつもりだったんです。

(饗庭) 滞納の件だけじゃなくて→

不倫のことまで記事になれば→

奥さんも見捨ててくれると 思ったんすよね?

見捨てる?

(饗庭) 小田倉さん 引退したら→

奥さんと別れるつもりなんすよ。

(華子) 治療費と言って 貯蓄していたのも→

離婚後の生活費として 涼花さんに渡すためですよね?

ホントに そんなこと思ってたの?

どうして 何も言ってくれなかったの?

私 何も知らないで 応援しちゃってた。

(犬飼) お前のことだから→

どうせ本心は 何も話してなかったんだろ。

チームにとって お前は元々→

客寄せパンダだ。

(犬飼の声) それでも いつか 結果を出せればって頑張って…。

〔試合復帰?〕

〔目標は 日本代表への復帰ですよ〕

〔俺のいない代表なんて つまんないっしょ〕

(犬飼の声) ビッグマウスって言われても→

精いっぱい 虚勢を張って。

でも それも全部→

奥さんとの約束のためなんだろ?

約束?

〔え~ まずは ワールドカップ優勝〕

(涼花)〔お~〕 〔その後 俺は→

ヨーロッパのビッグクラブに 移籍して→

そこでも クラブ世界一になる〕 (涼花)〔ん~!〕

〔そして→

涼花のことを世界一幸せにする〕

〔俺の人生を懸けた約束〕

あの日 言ったこと 全然 かなえられなかった。

(小田倉) サッカー なくしたら 俺には何にも残ってない。

苦労するに決まってる。

もう これ以上→

涼花を巻き込みたくないんだよ。

(涼花) だからって離婚?

そんなの勝手過ぎる。

何で全部 自分で決めちゃうの? どうして?

(華子) どうして涼花さんを 頼らないんですか?

私なら そんなふうに 全て背負い込まれたら頭にきます。

夫婦なんだから 大変な時こそ頼ってほしい。

そう思うのが…。 (饗庭) 百目鬼ちゃん。

ちょっとチョゼり過ぎかな。

あなたに何が分かるんですか?

涼花は→

俺なんかとは→

別れた方が…。 >> やめて!

「俺なんか」とか言わないで。

♪~

小田倉翔馬は→

サッカー界いちの ビッグマウスでしょ?

(涼花) ワールドカップや クラブのことだけじゃ ない。

最年少で得点王になるとか→

世界最高額の移籍金もらうとか…。

かなわないことばっかり 言ってきたじゃない。

それなのに何で…。

♪~

(饗庭) 小田倉さん。

あなたのビッグマウスは→

かなってない目標ばっかりです。

ただ それでもファンは あなたのことが大好きで→

また何か 夢みたいなこと 言ってくれんじゃねえか→

…って期待する。

それは きっと…→

奥さんも 同じなんじゃないっすかね。

(泣き声)

もう…。

何で こんなこと…。

♪~

(涼花) ホントに→

不器用なんだから。

(涼花の泣き声)

♪~

(饗庭) これで小田倉さんが 奥さんのために貯めてたお金で→

ある程度は納付してもらえる っつうことかな。

(華子) 何だか徴収するために 離婚を 止めたみたいになってませんか?

(饗庭) あれ? 違ったの? (華子) 違いますよ。

小田倉さんは 引退することになるんですよね。

(饗庭) まぁ これ以上は徴税吏員が 出る幕じゃないでしょ。

(華子) はい。

悪かったな。

俺 守秘義務は守ったけど→

犬飼さんとの会話は もっと気を付けるべきだった。

そもそも小田倉さんの案件を 引き受けたのも→

結果を出して→

一係へ異動するアピールになれば と思ったからだし。

でも 小田倉さんたちを見て 思ったよ。

そばにいる人たちのこと→

ちゃんと大切にしないとなって。

(饗庭) 何それ キャラ変? キモいんだけど~。

はぁ?

2人とも いろいろ調べてくれたから→

俺なりに反省したんだよ!

(華子) 浜村さんのためじゃ ありませんよ。

えっ?

(華子) 小田倉さんや 市民の方々のためです。

ただでさえ 人手不足なんですから→

浜村さんがいなくなったら 市民の方々も困ることになります。

それに 皆さん→

本気で浜村さんを疑ってた わけじゃないと思いますよ。

自分たちが守秘義務を 簡単に破らないことぐらい→

よ~く分かってます。

(饗庭) 公務員→

ナメんなよ?

ありがとう。

(饗庭) っていうか何 浜村きゅん 一係に異動しようとしてたわけ?

ん?

(饗庭) 係長に言っちゃお~う!

おい 饗庭! 悪かったって!

悪かったって! (饗庭) 係長~!

(華子) まずは住民税の延滞金→

36万2900円のご納付ですね。

ありがとうございます。 (饗庭) あざ~す。

こちらこそ 先日は ありがとうございました。

これからも税金のこと 夫とよく話し合っていきます。

小田倉さんは お元気ですか?

(饗庭) 引退して コーチになったって ニュースで見ましたけど。

何か いろいろ 吹っ切れたみたいで。

(ホイッスル) まだまだ! もう一本!

来年は1部で優勝~!

俺は そこしか見てないからな~!

(涼花の声) コーチの仕事も→

犬飼さんがチームの皆さんに 掛け合ってくれたみたいで。

ホントに たくさんの人に→

支えられてるんだなって 思います。

(華子) 私たちも全力で支えます!

(饗庭) 今日もチョゼってんね~。

(華子) それ 何ハラですか?

(饗庭) えっ? チョゼリグ。

(華子) ヘヘヘ…。

(橘) 事情は浜村君たちから聞きました。

(橘) この記事→

ホントに我々から漏れてたら 大問題でしたよ。

でも違ったんですよね? よかったじゃないですか。

(橘) 今後は私の部下を→

唆すようなこと やめてください。

フッ…。

本はといえば 三係の成績が悪いせい。

橘係長の人望のなさが 原因ですよ。

私に何か言う前に→

ご自身の身の振り方を考えた方が いいんじゃありませんか?

(ドアの開閉音)

何だ? これ。

(華子) どうしました?

北沢課長からのメール みんなにも届いてると思うよ。

(増野)「人員体制の見直し」?

要するに クビ切りするぞってことだよな。

(華子) 饗庭さん…。

(饗庭) 相楽が 課長に指示したんだろうね~。

早速 仕掛けてきたか。

〔話があるなら俺が聞くぞ→

華子〕

(華子)〔好きです〕

(華子)〔私は このみゆきの市が 大好きなんです〕

〔徴税吏員として働くのは→

税を集めることで みゆきの市が→

よりよい街になればと 思っているからです〕

〔しかし 副市長は 就任して早々に→

徴税体制を強化すると おっしゃいました〕

〔具体的な施策は何ですか?〕

〔納付期限の厳守や テレアポ係の新設→

夜間窓口の拡充 そして→

積極的な捜索だ〕

(華子)〔それがホントに 市民のためになるかどうかは→

集めた税をどう使うかですよね〕

〔例えば→

君たちが気にしている 隠れ待機児童問題への対策や→

子育て支援にも使うよ〕

(華子)〔予算は どうするんですか?〕

〔先ほど おっしゃった施策にも 費用がかかりますよね〕

〔ひとまずは人員整理をして→

その人件費を充てることに なるだろうな〕

(華子)〔納税課は 今でさえ人手不足なんです〕

〔職員が疲弊してしまっては 結局は市民のためになりません〕

〔変わらないな 華子は〕

〔昔から 正義感だけは強かった〕

(華子)〔今は個人的な事情は 関係ありません〕

(饗庭)〔よし… 行こっか 百目鬼ちゃん〕

(華子)〔まだ話が…〕

(饗庭)〔副市長のお考えは よ~く分かった〕

〔要するに→

俺たちが 徴収率 上げりゃいいんだろ?〕

〔ああ〕

(饗庭)〔まぁ 俺は みんな頑張ってるし→

もう少し 長い目で見ても いいんじゃないかな→

…と思っちゃいますけどね~〕

〔でも→

財務省への手土産が欲しいのも 分かるよ〕

♪~

(華子)〔饗庭さん!〕

(華子) 何 人ごとみたいに 言ってるんですか。

もう一度 副市長と話を…。 (饗庭) 嫌だよ。

だって あいつ 頭固いんだも~ん。

ビヨヨ~ン。

♪~

(車のドアの解錠音)

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