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(千明)分かってるっつうの。 悪かったですよ 視聴率。➡
だから 謝ってんじゃん。 ねちねち… バカ部長 アホ部長。
≪お疲れさまです。 (千明)あっ お疲れさまです。
釣り銭切れ。 何だ この機械! ≪(三井)千明さん。
アハハ ありがとう 三井さん。 よいしょ。
(三井)何だったんですか? 部長の話。
ん~ まあね。 何か 大したことないっていうか➡
全然 大丈夫だよ~。 無理に笑わなくていいです。
はい。
悪かったじゃん 視聴率。 『まだ恋は 終わらない』
(三井)悪かったですね。 うん…。
でさ 私 入る前にさ➡
「お前 後ないぞ」とか 言われてたじゃん アホ部長に。
(三井)言われてましたね。 うん。
で ホントに 後がなかった。 (三井)どういうことですか?
うん 出してた企画は 全部 見送り 取りあえず 仕事の予定は なし。
後のことは 保留だってさ。 (三井)そうですか…。
あっ でも あれ。 三井さんとかさ➡
フリーのスタッフのことは 心配しないでね。
私 ちゃんと考えるから。 ねっ。 (三井)大丈夫ですよ それは。➡
必ずまた 一緒にやれると 信じてますから。
三井さん。
(三井)それより心配なのは 千明さんですよ。
私? 千明さんから 仕事 取ったら➡
何が あるんですか! 「何が あるんですか」って➡
あるだろ 何か…。 あるよ 全然 あるある!
無理に笑わなくて いいですよ。 はーい。
(和平)それでは あの 部長 失礼いたします。 どうも。
(部長)頼むね 長倉君。➡
鎌倉の未来は 君に懸かってるぞ。 (部長・和平の笑い声)
(和平)はい あのう ええ… 鎌倉のために頑張ります。
では あの 失礼します。
(部長)よろしく。 (和平)はい!
♪~
≪(女性)あら 長倉さん。 (和平)あっ あっ。 どうも!
(女性)こんにちは。 こんにちは どうも。
(知美)戻ってきませんね 課長。 (田所)相当 へこんでると思うよ。
(田所)今度の部長さ 元部下だったんでしょ?
(知美) しかも すごい年下ですよね。
(田所)そうそう。 しかもさ 知ってる?
内示が出た途端 呼び方 それまで 「長倉さん」だったのが➡
「長倉君」に変わったんだよ。 (知美)え~ やだ~!
まあさ 俺が いきなり 課長の 上司になるようなもんだからね。
それは 納得できないですね 絶対。 (田所)うん… うん?
はいはいはい ただ今 戻りました。
(一同)お疲れさまです。 はい お疲れさん。
あっ 俺も お茶 飲もう。
お入れしましょうか? いやいや! 自分でやるから…。
痛さ全開。 (田所)自覚なし。➡
どうでした? 会議。 えっ?
いや いつもどおりの会議だよ。 と いいますと?
ハァ… 世界遺産登録に向けて 観光推進課も➡
ぜひ 力を貸していただきたいと まあ そういうわけだ。
何 押し付けられたんですか?
田所 それは違う。 そういう言い方 駄目。
仕事っていうのはさ 押し付けられてると思うか➡
任せてもらってると思うかで これ全然 違うの分かる?
はい。 はい。 分かるだろ。 なっ?
具体的には 何を背負わされたんですか?
目指せ 世界遺産 親善大使に➡
向坂 緑子先生に 絶対に なっていただくようにと。
えっ 小説家の? そう。
だって もう 何度も 断られてるんですよね?
らしいね。 でもね 絶対に 駄目でしたという 返事は➡
聞きたくないと 部長さまの お言葉だ。
(男性)お疲れっす。 お疲れさま。
お疲れさまでした。 お疲れさまでした。
仕事してないけどね 私。 [℡]
はいはい はいはい。 もしもし?
(啓子)ごめん ごめん 千明。
メール読んだんだけどさ 今日 校了で 夜中まで かかっちゃうんだ。
うん こちらこそ 忙しいのに ごめんね。
うん はい。 じゃ また電話する バイバーイ。
[℡](通話を切る音)
[℡] もしもし?
(祥子)ごめん 今日 ライブの準備でさ➡
夜中まで かかんのよ。 何 どうした?
急に 空いたからさ ちょっと 誘ってみただけだよ。
うん ごめん 忙しいときに。 うん 了解。 またね バイバイ。
[℡](通話を切る音)
みんな 忙しいんだな。
<さみしくない 大人なんて いない>
<大人になれば なるほど 傷つくことは 多くなり➡
傷の治りは 遅くなる>
<だから 痛みに鈍感にならないと 生きていけないんだ>
<そして 人は よりどころを探して 生きる>
<例えば 仕事>
いらっしゃいませ。
1週間で よろしいですか? (万理子)1泊でお願いいたします。
1泊?
(万理子)それは お薦めです。 吉野 千明さまという方が➡
プロデュースされた これは ドラマでして。
<例えば 恋>
何 見てんのよ。 (真平)どうしたのかなと思って。
ちょっと 天使の血が騒ぐっていうか。
はあ!? 何が 天使だ 冗談じゃない!
付き合ってる女の子からしたらね あんたみたいなのは➡
天使じゃなくて 悪魔よ。 (真平)ていうか➡
付き合ってんの? 俺たち。
悪魔! (真平)痛っ! なっ 痛い痛い!
(典子)どうどう? ハワイハワイ ねぇねぇ どうどう?
(翔)行くわけねえし いまさら 家族でなんて。
<例えば 家族>
(典子)どういう意味!? (広行)いいんじゃない?
(典子)えっ ホントに? (広行)うん。
(典子)わっ! (広行)行っといでよ。
(典子)えっ 何それ。 誰と行くのよ。
(広行)さあ。
<仕事を よりどころにして 生きてきた私が➡
もし 仕事を失ったとしたら➡
これから先 どう生きていったら いいのだろう>
≪あっ。
あっ どうも。 お疲れさまです。
そうやって 待たれてると 感じ悪いっていうか➡
プレッシャーを感じるんですけど。 いや 別に➡
待ってるわけじゃないんですよ。 散々 言っても➡
毎回 おんなじことやるんだな と思って見てるだけです。
悪かったですね。 ポケット。
え? ポケット。
そっちじゃなくて 反対の。
ちょっと 失礼。 お先です。
ありがとうございました。
いえ だいたい パターンは 分かったんで。
何すか それ。
あれみたいですよね。 朝から おじいさんが大騒ぎして➡
何かを捜してるんですよ。 はい。
「ばあさん わしの眼鏡が 見当たらんのだがな➡
どこ置いたか 起きてから ずっと捜しとんだが➡
お前さんが また どっかやったんと違う…」
すると おばあさんはですよ➡
無言で おじいさんの胸の辺りを 指さすわけです。
すると そこには おじいさんが そもそも➡
眼鏡を忘れないようにしようと 自分で買った 眼鏡掛け➡
分かります? こう 首から下げる ひもみたいやつに掛かった眼鏡が➡
ぶらんぶらん ぶらんぶらん してるんですよ。
あれと似てますよね。 似てません。
私は おじいちゃんには似てません。
あなたは 乗った駅の改札口で➡
出口で もう 定期券を捜すのは やだからと➡
意識的に こう ポケットに しまうわけですよ。
でも 電車から降りると すでに そのことを忘れてしまってる。
その顔は 図星でしょ?
その おじいちゃんと おんなじじゃないですか。
その おじいちゃん そのものじゃないですか。
でしょ? また その 勝ち誇った顔して。
ホント 腹立つわ。 いや 別に。
私ね 言っときますけど 今日 相当 機嫌が悪いですからね。
あっ そうなんですか? はい。
あっ すいませーん。 いいえ~。
んっ…。
ハァ…。
何も来てねえし。 ハァ… そっか。
私 仕事なかったんだ。 ハハ。
ん~ 仕事ないのに 会社行くの やだな。
ハァ…。
(真平)朝から ため息? よくないね!
一日の始まりに あーあ 今日も➡
また 始まっちゃいましたか みたいな感じじゃ➡
いい一日に ならないよ。 今 俺 ため息ついた?
自覚ないの? ますます よくないね。
よくないよな。
さあ 今日も 一日 始まりましたよ っていう感じじゃなきゃな。
そうそう。 (万理子)おはようございます。➡
さあ 今日も 一日が 始まりましたね!
おはよう。 しかし 最近のお前は 元気だね。
おかげさまで。 部屋に引きこもっていたころが➡
はるか遠い昔の 出来事のような気がいたします。
代わりに 俺が引きこもりたいよ。 (万理子)よろしかったら➡
私の 引きこもりセット一式を 進呈いたしましょうか。
いつ そこに 逆戻りしてもいいように➡
今も 常に 枕元に常備しております。
防災グッズか。 まっ そんなようなものです。
おっ えりな。 おっはよ~! (えりな)やめてもらえますか。
(えりな)朝から 妙なテンションで 来られると➡
かえって やな気分になるので。 そういう言い方をするな。
お父さんだって 色々 えりなのことを考えてるんだって。
考えるだけにしてください。 実行しなくて いいです。
全部 裏目に出てます。
(万理子)確かに。 確かにとは 何だ 万理子!
年頃の娘に 相手にされないから といって 妹に当たるのは…。
何だ お前 その言い方!
お前 最近さ ちょっと 自分が 元気だからってね。
(真平)まあ まあ まあ…。
≪(典子)おはよ~! 真平 朝ご飯 お願い。
はーいよ ちょっと待ってね。 何なんだよ お前は 毎朝 毎朝…!
(典子)何 言ってんのよ。 毎朝のが いいでしょ。
来たり 来なかったり いつ来るか 分かんない方がね➡
準備する方だって 困んのよ。 何だよ その理屈は。
俺が言ってるのはな お前 朝飯ぐらい➡
自分の家で 食えっつってんだ。 お前 作ってないのかよ?
旦那の分も 息子の分も。 作ってるわよ。
でもね 作ってる人間はね 一緒には ご飯 食べられないのよ。
気持ち的にね みんなを送り出してから➡
やっと 食べる気持ちになるわけ。 ねっ 真平。
(真平)そのとおり! そりゃ そうかもしれないけどな。
(万理子)典姉の朝食が なぜ 自分の家ではなく➡
ここなのかという 問題については まったく➡
何の説明も つかないわけですが。 (典子)は?
そのとおり。 お前 いいこと言う。 そういうこと言えよ お前。 なっ?
それは あれよ ほら。 何だよ。
恐ろしくシンプル かつ自己本位な 答えが出ると思われます。
タダだからですよ~。 (典子)そういうことよ。
おはようございます。 おはようございます。
おはよう 元カレ。 (真平)あっ おはよう 元カノ。
おはよう 万理ちゃん。 おはよう えりなちゃん。
(えりな)おはよう。 これ シリーバンズじゃない?
おしゃれだね。 ありがとう。 千明さんが➡
お母さんに なればいいのに。 あっ ハハ~。
(えりな)うちの お父さんと 結婚するのは 嫌だろうけど。
ホントに それだけは ごめんなさい。
「それだけは ごめんなさい」って 何ですか。
ここにも 1人いんじゃん タダで 毎朝 ご飯 食べに来てんの。
何 言ってんの 私 ちゃんと お金払ってますから。
ねっ 年契約したんだもんね 真平。 毎度ありがとうございます。
いいえ~。 えっ 何それ そうなの?
ずうずうしい主婦と 一緒に しないでもらっていいですか?
あっ 皆さん 知ってます? この人 ここのところ➡
毎日 来るでしょ 欠かさずに。 どうしてだか知ってます?
ちょっと やめなさい。 (真平)何 何?
家族で ハワイに 行こうとしてるんですよ。
それで 少しでも 倹約しようとしてるんです。
卑しいでしょ? 真平 今日から 金取れ。
分かった。 (典子)何でよ!
お前 実家を 何だと思ってんだよ!
だって ほら 私のパート先ってさ ハワイ風でしょ?
やっぱり ずっと いるとさ 行きたくなっちゃうのよ。
だから 家族で ハワイ旅行。
質問の答えに まったく なってないわけですが。
ホントだよ。 そう?
でも 夫婦仲が いいのは良かったよ。 ねっ。
あんな どたばた どたばた 大騒ぎして 元に戻ったんだ。
お前さ 家族仲良く ハワイでも➡
月でも 火星でも行って 帰ってくんな。
そうですよね。 分かんないわよ。
まだまだ 何があるか。 人ごとか!
だいたい 典子 お前な…。
まだ 起きてないこと 怒ってもしかたがないかと。
そうよ! 文句 言うならね 起きてからにしてよね。
起きてからじゃ遅いから 言ってんだろうが! お前。
(万理子)何でございましょう。 あのさ 仕事の…。
(万理子)ひょっとして 千明さんのテレビ局における➡
処遇のことでしょうか? 何か聞いてた?
はい チーム千明のリーダーの 三井さんから連絡を頂きました。
違う現場へと誘っていただきまして うれしかったです。
あ~ よかった。 もう 万理子ちゃんなら…。
ですが 丁重に お断りさせていただきました。
何でよ。 千明さん 春から夏➡
そして 秋へと 季節が移り変わり➡
お忘れになってしまったのかも しれませんが➡
私 千明さんに 恋をしておりまして。
あ~ そうでした。 私 恋をされていました。
はい そうです。
でも それとこれとは 別の話…。 私!
チーム千明の復活の日に備えて ドラマの勉強をしておきます。
そっか。
あれですね。 何ですか?
ちょっと疲れてますね。 大丈夫ですか?
はあ!? は?
そう? こんなもんじゃない? 大丈夫ですか?
ホントに 失礼ですよね。
えっ 何でですか? 私は 心配して 言ってるんですよ。
いいですか? 私は 朝起きて 時間をかけて➡
念入りにメークを施して 今 ここに来ているんです。
分かります? これね 作りたて 出来たて ほやほやの状態。
それに向かって あなた 「疲れてますか?」って➡
ホント 朝から テンション下がるんだけど。
じゃあ 夜んなったら どうなっちゃうんですか私みたいな。
いや 見られたもんじゃないですよ。 はあ!?
でも それは 私のせいじゃないでしょ。
何 言ってんの あんたが そういうこと言うからでしょ。
あなたのせいですよ! なっ… ちょっと待って。
朝と夜の顔が どんなに違うか 分かりませんけど➡
それは 私のせいでは ありません。
あ~ そうですか。 じゃあ 何のせいなんでしょうね。
何のって… ちょっといいですか?
嫌ですよ。 はあ?
あなたが 「ちょっといいですか?」 って言ったから➡
私 「嫌ですよ」って 答えたんです。 何か おかしいですか?
子供か! はあ?
メークしたての子供か!
うちの えりなだって分かりますよ いいですか?
「ちょっといいですか」っていうのはね 枕ことば みたいなもんですよ。
いきなり 本題に入るのは 失礼だから その手前に➡
「ちょっといいですか」という ワンクッションを…。
それ おかしくないですか? 何が おかしいんですか。
例えば ドアをノックしますよね。 ノックしますよ。
ノックは ちゃんとしました。 でも 中の返事を聞かずに➡
ドア 開ける みたいな そんな感じですよ。
何だ その へ理屈。 和平風の➡
へ理屈を言ってみたんですよ。 やな感じでしょ?
でも あなた いつも こんな感じなんですよ。
私は そんなことは言いません。 言ってます。
もっと 理にかなっています。 全然 おんなじです。
[℡] もっと レベル低い…。
すいません ちょっと 電話が かかってきちゃったんで 失礼します。
もしもし はい 部長ですか? [℡]
[℡]
もしもし 長倉でございます。 そうです。
いや 嫌だってわけじゃ…。 向坂先生でらっしゃいますか?
いやいや…。 あっ はい ありがとうございます。
やりますけれども…。 はい。 あっ じゃあ 伺います。
はい じゃ 伺います。 ええ 失礼いたします。
はい すいません。 はい 失礼します。
ハァ…。 ヤバいな 行こう。
万理子 行くよ。 はい! はい。
食べてないよ。 真平 悪いな。 途中だけど悪いな。
よし 行こう! よっしゃ!
おはよ~! (飯田)千明さん!
(三井)おはようございます。 飯田 ありがとうね。
(飯田)いやいやいや。 三井さんも ありがとう。
よろしくお願いします。 というわけで 急きょ➡
スペシャルドラマを 撮ることになりました。
よっ! (飯田)おめでとうございます。
何と サスペンス劇場です。 (三井)ええっ?
ご心配のとおり 私は苦手。 大の苦手!
だいたいさ 人が死ぬのが 嫌いなのにさ➡
人が死ぬところから 始まるわけでしょ サスペンス劇場って。
でもさ 今ほら 崖っぷちじゃない。
だからさ そんなこと 言ってらんないと思うんだよね。
ですね。 だから 私 決めました。
決めた 決めた。
今日から殺す。 ばんばん 殺す!
分かりました。 殺しましょう! うん 殺す。
やっちまいましょう! (万理子)どのように…?
どのように? (武田)毒殺は?
毒殺 えぐい。 毒殺 えぐくない?
(灰田)あのさ。
(ノック)
あのさ。
吉野 千明って?
すいません 私ですけれど。
へぇ~ 美人プロデューサーだ。 えっ いやいや…。
いや そんなこと言われたこと かつてには ありましたけど➡
最近は めっきりね。 (灰田)灰田だけど。
えっ? 灰田だけど。
脚本家の 灰田先生ですか。 あちゃ… 失礼いたしました。
(三井)どうぞ どうぞ! そうですね お座りください。
(三井)あの 飯田! ちょっと コーヒーでも お出しして。
(飯田)あっ はい はい! (三井)千明さん 千明さん…!
あの先生はですね 業界一 本が 遅いって 有名な人なんですよ。
しかも 今どき 携帯電話も パソコンも持たず➡
すぐに 連絡が取れなく なってしまうらしいです!
マジで? マジで。
(チャイム)
(家政婦)あちらでございます。
あっ ありがとうございます。 お手数かけました。
(足音)
(緑子) あっ お待ちしておりました。
あっ 初めまして あの 私 鎌…。
鎌倉市役所 観光推進課の 長倉と申します。
あの 向坂先生 本日は あの お忙しい中➡
お時間を 割いていただきまして ホントに ありがとうございます。
いいえ。 どうぞ こちらへ。
わっ… すっげ。
すいません。 お座りになって。
はい。 あっ…。
いつもはね。 はい。
こういった お話は 基本的に お断りしてるんですよ。
はい それは もう… はい。
でも 何だか 長倉さんに お会いしてみたくなりまして。
あっ…。 どうぞ。
私にですか? ええ。
メールを 読ませていただきまして。
ホントに 鎌倉を 愛していらっしゃるんですね。
ええ まあ それは もう。 ご自身のことも お書きくださって。
鎌倉生まれの鎌倉育ちで 今は 50歳。
妻に先立たれて 独身。 小学6年生の女の子が 1人?
余計なことを 書いてしまいました。
先生に 何とか 引き受けて いただきたくて もう 必死で。
同い年ですね。 ええ!?
くさい芝居を してしまいました。
先生の年齢は 調べてあります だから 驚いてません。
今日 先生が 会ってくださることになって➡
先生の情報は 全部 頭に たたき込んできました。
ああ そうですか。 それは それは。
でも あの 今日 こうやって 直接 お会いをして➡
同い年として 何か とても➡
お奇麗だなというか 何ていうんでしょうか。
長倉さんって 何だか➡
昔の日本映画に出てくる 男性みたいですね。
古くさいですか…。 その言葉 嫌いです。
はい? むしろ 古いいにおい?
あっ 「古いいにおい」 フフッ。
前向きに考えさせて いただこうかと思います。
あっ…。 えっ 本当ですか? ええ。
ありがとうございます。
あっ 乾杯しましょうか ねっ。 ゆっくり お話も お聞きしたいし。
あっ それより どこかに 連れてってくださいます?
観光推進課お薦めの すてきな お店に。
あっ… 今?
♪~
フフッ。 アハッ!
(灰田)じゃあ まあ そんな感じでいきますか。 ねっ。
いえいえ そんな感じって まだ 何にも お話ししてませんよね。
だって サスペンス 嫌いなんだろ? 千明は。
呼び捨てかよ。
いや 嫌い ん~ 嫌いじゃないと…。
(灰田)できないんだったら 任せれば。
仕上がったら 連絡するわ。 ちょっと すいません!
えっと できれば 連絡が 取れる所にいてくださると➡
ありがたいんですけど。
缶詰めにする予算あんの? ありません。
ないんですけど ないんですけど 何か 今 考えます。
じゃあ どうするよ。 どうしましょうね。
どうしよっか。 どこ住んでんの? 千明。
私? えっと 鎌倉です。
いいね 鎌倉か。
そこで 書くわ。
ええっ ちょっ… うちで? うん。
うちで…。 どうせ 一人暮らしだろ?
(緑子)いい お店ですね。 気に入っていただけましたか。
(緑子)ええ。 ああ よかったです。
(緑子) すてきですよね あんなご夫婦。
そういえば 先生も ご主人を亡くされてるんですよね。
ええ 10年前に。 ああ。
それ以来 一度もしてません。 そうですか。
はい?
あ~ おいしい これ。
あっ そうですよね。 よかったです。 ハハッ。
聞き違いじゃありませんわ。 えっ?
長倉さんは?
いや あの… いや その…。
フフッ やっぱり 昔の日本映画に 出てくる人みたいね。
古くさいんです。
古いけど くさくありません。 あっ えっと 何でしたっけ?
古…。 いいにおい。
あっ そう それです。
なぜ 私が いつも 奇麗にしてると思います?
いや ちょっと 「なぜ」と言われましても…。
しませんか?
えっ?
アハッ それを 条件にしようかしら。
アハハハ…。
ハァ~。 アハハハ…。
フフフッ…。 ハハハ もう 冗談ですよね。
いいえ。
えっ?
すいません…。
駄目… 駄目 駄目。
駄目ですか?
いいえ 駄目… 駄目じゃ…。 駄目じゃないっていうことでは…。
いいんですか?
≪(広行)どうも~。
あの こ… これ 私の妹の旦那なんです。
(広行)初めまして。 (緑子)初めまして。
水谷 広行と申します。
これ 誤解しないでくださいよ。
こちらの方は…。 もう 大ファンです!
あら ありがとうございます。
あっ そう よかったね。 会えて よかったね。
(広行)あっ あの どうです? よかったら ご一緒に。➡
あの キャバクラ! いざ キャバクラへ!
バカ! ホントに バカ! キャバクラ?
キャバクラ 興味あります。➡
いざ キャバクラ。 (広行)キャバクラ!
ちょっと待って ちょっと待って…。
かばん… 先生… 高そうな かばんだな もう。
(典子)ちょっ ちょっと! どこ行くの?
鎌倉で 古民家ね~。 はい。
ありがちな設定だよな。
ですよね~。
(灰田)万理子だっけ?
うわっと!
俺に 何か言いたいこと あるんだったら 言えば?
ちょっと。
では 一つ お伺いしても よろしいでしょうか?
どうぞ。 こっち。
灰田先生は なぜ サスペンスドラマしか 書かないのでしょうか?
お~ いい質問だね。
どうしてですか?
まっ サスペンスっていうのはさ 必要なんだよ。
必要? (灰田)うん。
世の中 色々 分からないことだらけなわけだよ。
なっ 何が 正しくて 何が 間違ってるのか➡
さっぱり 分からない。➡
真面目に生きてて バカバカしいと思うこともある。➡
世の中のルールを守ってんのに➡
何か 損してる気がする。 どうも 納得がいかない。➡
映画や文学ってのはさ サスペンスと違ってさ➡
出てくる主人公が 何か イカれてる おかしなやつらだよ。
そういうのが もてはやされる。
それも 納得がいかない。
社会のルールを ぶち壊すなんて➡
そりゃ あんた 口で言うのは カッコイイけど➡
自分とは 何か 関係ある気がしない。➡
そもそもさ 今は その当たり前が 分かんなくなってんだから。
だから 見たいのさ。
確かに。
サスペンスで 描かれる世界って すごく まっとうな世界ですよね。
人を傷つけたり だましたり 人の物をとったりしたらいけない。
罪を犯せば 必ず 罰せられる。
刑事や探偵という神様が 見逃さない。
ふーん なるほど。
アハハ あ~ 何か ありがとうございます。
ちょっと 心が 軽くなってきました。
だろうね。 はい。
(万理子)もう一つ よろしいでしょうか?
どうぞ。 (万理子)灰田先生にとって➡
ドラマ作りとは いったい 何でしょうか?
お~ また でっかい質問ですね。 (万理子)はい。
まあ セックスに似てるな ドラマ作りは。
ホホホッ。
(灰田)つまりさ 俺たちは➡
視聴者とセックスしてるわけだよ。 分かる?
申し訳ございません。 皆目 見当がつきません。
だってよ あの手 この手を駆使して➡
相手を 喜ばせようとしてんでしょ われわれは。
あ~ 確かにね そうですね~。
(灰田)でもな 人によって やっぱり それぞれ やり方が違うわけさ。➡
例えば あの人な。➡
あの人のドラマ作りは まあ わがままで➡
独り善がりなセックス みたいなもんだよ なっ。
アハハハ!
(灰田)どう? 私 こういうのが好きなのよ。
いいでしょ? いいでしょ? どうなの? みたいな。
そう… いやいやいや…。
そこへ いくと もう 俺なんかはさ➡
もう 相手のために ひたすら サービスよ。
もう 滅私奉公して どうですか? いかがですか?
そういう感じよ ハハハッ。 ハハハハ…。
で 万理子は どうなんだろうな?
♪~
(真平)で 千明がさ➡
夜は どうなるんですか? って言ってさ。
どうした? おなかでも痛い?
機嫌が悪いんです。
(真平)ん? そうなの? 何で?
あんたさ さっきから 「千明 千明」って➡
元カノの話ばっかりしてるって 自覚 あるわけ?
えっ? あっ そっか…。
「そっか」じゃないわよ。 (真平)分かった ごめん。
もう 千明の話しない 一切…。
それは 嫌! (真平)はあ?
(知美)しょっちゅう されるのも 嫌だけど➡
わざと 全然 されないのも 嫌なの!
飲み物 買ってくる。
(真平)金太郎。
何で 私だって 分かんだよ。
(真平)はい。
俺も 同じの。
ビール 2つ 下さい。 (店員)かしこまりました。
♪~
(広行)♪「3年目の浮気ぐらい 大目にみてよ」
♪「両手をついて あやまったって 許してあげない」
(広行・緑子)アハハハ!
(広行)緑子さん お上手! アハハハ! すごい!
(緑子)喉が渇いた~!
先生 あの… 先生 先生 そろそろ お送りしますか?
え~! もう? (緑子)もう~?
それどころじゃねえんだよ!
≪(一条)クラちゃん!
あっ 一条さん!?
(一条)クラちゃん 好きなんだね キャバクラ。
いや 違う違う 好きじゃないですよ。
こないだも この…➡
このバカに 連れて こられたんですから バカに!
おじ… おじちゃま? 「おじちゃま」?
緑子ちゃん? 「緑子ちゃん」?
一条のおじちゃま?
いや~ 大きくなったな あんたも。 (緑子)いや~ 久しぶり!
(一条)クラちゃん 一緒に歌おう。
歌いましょう! (一条)EXILE 一緒に歌おう。
(♪『Choo Choo TRAIN』)
♪~
(灰田)千明。 はい! はい!
何かして 遊ぶ?
遊びません。
だよな。
どうですか? 原稿の方は。 教えません。
ハァ~。
よいしょ。
お前さ 局で話したときにさ 言ってたじゃん。
かつては 美人プロデューサー と言われましたけど➡
今は もう みたいなことを。
ああ 言いましたね 確かに。
ああいうの やめなよ。
えっ?
いい女は 幾つになっても いい女なんだからさ。
やめな ああいうの。
ああ…。
うん… 分かった。
千明~。
っていうか 書けないの?
フッ 書けないんじゃないの 書きたくないんだよ もう。
ハハハハ…。 アハッ。
いいから 書いてくださいよ。
千明。 何でしょうか?
何か 楽しいね。
フフフッ。
千明。
何?
タバコ 買ってきてくんない?
ハァ~…。
長倉さん。 はい。
酔った勢いは 嫌です 私。
何を おっしゃってんですか? 私は そんなこと…。
何だ そう思ってなかったんですか?
い… いえ…。
あの ちょっといいですか? 私は あの…。
何で 自分なんでしょうか? という質問ですか。
はい そうです。
ちょうどいいんですよ 長倉さんは。
「ちょうどいい」? ええ。
例えば すごく若くて カワイイ男の子だと➡
みっともないというか 恥ずかしいじゃないですか。
こっちも いざとなると。
それに すごく すてきな人で 離れられなくなっちゃうと➡
それは また それで 困るじゃないですか。
かといって 何でもいい っていうわけじゃないし。
ちょうどいいんです。
お願いします。
何だよ ちょうどいいって。
≪♪(鼻歌)
あ… どうも。
どうも。
えっ こんな時間に お買い物ですか?
いや 今 ちょっと あの…➡
脚本家の先生が うちで 執筆中でして。
それで 歌舞伎揚 買ってこいとか ガリガリ君 買ってこいとか➡
もう 注文が うるさくて。 でも 新しいドラマ➡
決まったんですか。 よかったじゃないですか。
あっ ありがとうございます。 いえいえ…。
ええ おかげさまで➡
苦手なサスペンスを やらせていただいてます。
いいじゃないですか サスペンス。 好きですけどね 私。
むしろ ドラマなんて サスペンスしか見ないかな。
なるほどね フフッ。
あの ちょっと 一つ 質問してもいいですかね?
どうぞ。 ええ…。
あの テレビの世界なんかで よくあるって聞いたんですけど…。
あの ドラマや 何かでね…。 はい。
あの 何つうか 局の偉い おっさん➡
おっさんっつったら 失礼かもしんないけど。
が その 若手のね…。 はいはい。
こう 女優志望の女の子なのかな? うんうん。
女の子に え~… 何つったらいいんだろ。
いや その…。 何の話ですか?
いやいや えっと…。
まあ よくあるって 僕は 聞いたんですよ。
あの 何か…。
分かってんだろ? なんつって。
役 欲しいんじゃないの? なんつって 何か…。
僕の言ってること 分かります?
まあ 分かります。 あ~ ありがとうございます。
えっ? そういうドラマが 好きっていうこと?
いやいや いやいや…。
そういうことって 実際にあるんですか?
はあ? えっ?
私が そういうことしてるのか って話ですか?
いやいや… してるんですか?
してるわけないじゃないですか。 痛っ!
何 言ってんの。 あ~ そうですか よかった。
いや あの…。
どんな気持ちなのかなと思って…。
だから 誰がですか?
いや その 若いね 女優志望の女の子。
悩むんでしょうね~。
何ていうのかな やはり 仕事なんだから➡
そこまでしなきゃ いけないんじゃないか…。
いやいやいや 待てよと。
ひょっとして そこまで する必要があるんだろうか。
そんなことまでして 何か 売れたからって➡
私 ホント 幸せに…。 大丈夫ですか?
たぶん…。
何か… すいません 何か。 いえいえ。
あっ お仕事 頑張ってください。 はい。
サスペンス 楽しみにしてます。 ありがとうございます。
あっ できれば あの 何かこう 旅情とかが入るといいんですよね。
何とか 秘湯温泉とか あと ほら 列車とか。
ああ 考えときます アハハ。
鎌倉でのロケは 勘弁してくださいね。
分かってます おやすみなさい。 あっ どうも おやすみなさい。
ハァ~…。 (真平)あっ また。
ん? ため息。
今 ため息 ついてた? (真平)うん。
よくないよな~ 朝も夜もさ。
えりな!
ただいま~! だから いいですってば。
よかったら 相談 乗りますけど。
あ… どうも ありがとう。
まっ その気になったら いつでも どうぞ。
その節は ちょっと よろしく なんつっちゃって。
(真平)何か あったの?
すりゃいいじゃん えりなに 相談。 ああ言ってるんだし。
お前な 娘に できる相談と できない相談があるんだよ。
こんなこと 相談できるかよ。
何?
(真平)え~。 何だか 参ったよ。
答えはさ 二つに一つなわけよ。
一つは 相手の条件を受け入れて 仕事を成立させる。
もう一つは 相手の条件を断って 仕事も諦める。
なるほど。
お前 誤解すんなよ。 俺は 別に あの➡
仕事で 手柄を立てたいわけじゃない。
ホントに 純粋にさ 鎌倉のために➡
親善大使を 引き受けてもらいたい って思ってんだ。
うん。
しかし お前➡
あんな条件 突き付けられるとは 思わなかったよ。
だよね。 参ったな。
どんな人なの? どんなって…。
すてきでさ…➡
奇麗な人だったよ。 へぇ~ そうなんだ。
俺だったらさ…。 ん?
その先生の希望 かなえてあげたいと思うけどな。
うん そうする。
お前は 天使だからな。
天使に相談した 俺が バカだった。
だってさ 勇気いったと思うよ その人。
そんな条件 簡単に 口に出せるもんじゃないよ。
それは ちゃんと 受け止めてあげないとね。
あっ ごめん 余計 悩み 深くしちゃったかな?
お前さ 言っとくけど このこと 誰にも言うなよ。
大橋さんとかに言うな。 あれ 俺の部下だからな。
分かった。
それとな 分かってると思うけど➡
あいつにだけは 絶対 言うな。
♪~
(灰田)万理子ってさ。 はい。
面白いよな。 アハハ そうですね。
いい女だよな。
なっ? ああ…。
うん もう めちゃくちゃ いい女ですよ。
フフフッ。
もしかして お気に入りとか?
ああ 興味あるね。
へぇ~ フフフッ…。
っていうか 書いてます? ああ 書いてますよ。
いや 絵じゃなくて…。
(典子)ハッ ハッ ハッ…!
ハァ~… ハッ!
おはよう。
あっ おはようございます。 どうも。
おっちゃん 今日 ごみの日?
それ 燃えるやつ?
いや 燃える 燃える ごみ…。
ちょっと待ってて。
えっ 待ってんの?
悪いね おっちゃん。
どこ?
いや こっちですけど。
「おっちゃん」って。
失礼ですけど あの お幾つでいらっしゃるんですか?
50だけど。 同い年じゃないですか!
だから 何? だから…。
「だから 何?」って。
っだよ もう! 何で ちゃんと 網しないんだよ!
もう~! だから カラス来んだよ。 もう ホントに。
これも よろしく。 いや…。
じゃあね おっちゃん。
何だよ 「おっちゃん おっちゃん おっちゃん おっちゃん」って。
自分で 置きゃいいじゃないか。
ちょっと おじいちゃん みたいじゃないか 自分。
ん?
えっ? やだ 寝ちゃった。
あ~ ヤバい 逃げられた。
≪(戸の開閉音)
≪(階段を下りる音)
うっ! ううっ!
おい 待て待て待て! 死ぬ死ぬ死ぬ お前 死ぬ!
死ぬ死ぬ 待て! 万理子 お前。
おっ! かたじけない お兄ちゃん。
はい。 (万理子)驚きました。
驚異的な執筆速度ですね。 一晩で 台本 完成させるとは。
ホントだよね。 はい。
で 灰田先生は?
私 ちょっと寝ちゃって で 起きたら いなくなってた。
あ~。
ほう なかなか 粋なことをなさいますな。
スタッフ一同 喜びますね。 早く 準備に 取り掛かれて。
うん。
灰田先生について 色々と調べてみたのですが➡
なかなか 面白い方ですね。
あ~ そう。 はい。
なかなか 興味深いです。
ふーん…。
ねえ 万理子~。
はい。
♪~
(店員)いかがですか?
おっ 着た?
どれどれどれ? 見して 見して。
よいしょ!
お~! カワイイけど 髪形なんだよね。
これがさ もっとさ すっきりさ。
はい! はい ちゃんとして。
お~ いいじゃない!
なかなか いい女だよ。
こういうの好きなんじゃない? 灰田先生。
千明さん…。 ん?
もういいですか?
ごめん やだったの?
(万理子)千明さん 意地悪です。
意地悪です。 ごめん ごめん ごめん!
やだったね やだった やだった。 もう 着替えて。
(万理子) もう 脱いでいいですか?➡
全部 奇麗に脱いでいいですか? もういい 脱いでいい 脱いでいい。
(万理子)厚いのがいいんです…。 ごめんね ごめん ごめん ごめん。
(スタッフ)これ 差し替えてください。 (万理子)はい 分かりました。
≪(ノック)
どうしました? うん 別に 大丈夫だよ。
あっちいな。 あっ 熱いですよ。
はいはい。 (知美)おかえりなさい。
ただいま。
(田所)課長 向坂先生 可能性あるって 本当ですか?
(知美)えっ 引き受けてくれるんですか?
えっ いや…。
そうだと思ったんだよな。 やっぱ 無理ですよ。
ですね 他の人 探しましょう。
えっ いやいや…。
まだ 駄目と 決まったわけじゃないんだよ。
可能性はあるんだよ。 (知美)えっ ホント?
お~! 課長➡
ぼんやりしてるように見えて 決めるときは 決めますもんね。
何で お前に 「ぼんやりしてる」って 言われなきゃいけないんだよ。
俺だって 一生懸命 考えてんだよ。 お前みたいにね 存在が…。
(典子)ハァ~。
(真平)どうしたの? 典姉。 ため息 よくないよ。
ハァ~。 まあね~。
参ったな~。
(真平)何? 悩み事? どうしたの?➡
みんな 大変だね 色々。 (典子)うん? みんなって?
(真平)えっ? (典子)誰のこと?
あっ いや。
(典子)何よ 真平。 言いなさいよ。 えっ?
(真平)何? (典子)万理子?
(真平)違う。 (典子)えりな?
(真平)違うって。 (典子)お兄ちゃん?➡
えっ? お兄ちゃんが どうしたのよ?
(真平)知らないよ。 (典子)何なの? 真平…。
ハァ~。 ≪おはよう。
おはよう。 朝から ため息は よくないよ。
(真平)えっ? (万理子)「がっかりです」➡
「あれほど約束したのに ひどい」 えっ?
≪(ドアの開く音) ≪(典子)おはよ~。
(万理子)何か 違うな これ。
(典子)お兄ちゃん。 えっ?
(典子)おはよ。 何だよ。 気持ち悪いな。
(真平)典姉。 ちょっと手伝ってよ。 (典子)えっ?
(真平)手伝ってよ。 (典子)何… 何よ。
(真平)ねっ いいから。 おい それ 今度のやつ?
(万理子)はい そうです。 へぇ~。
おはようございまーす。
おはようございます。
おはよう。 (万理子)千明さん。 さあさあ➡
いつもの席ですが どうぞ どうぞ こちらへ。
ありがとう。 (万理子)はい。
おはようございます。 おはようございます。
おはよう! ≪(典子・真平)おはよう!
あの…。
うん? 私ですか? はいはい。
はい。 ドラマの台本 できたとか。
あっ はい もう おかげさまで。 よかったですね。
はい。 フフフッ。 昨日の朝だったかな。
お会いしましたよ。 あの。 ああ。 そうですか。
50歳の おっさんでしょ? えっ? 50歳だっけ?
はい そうです。 あっ そうなんだ。
いや 脚本家の方って みんな ああいう感じなんですかね?
ああいう感じって? 何ていうのかな。
こう 無精ひげ 生やして ぼーっとして 覇気がなくって➡
だらーっと Tシャツ着てね 時々 失礼なこと言う みたいなの。
ハハハッ。 私には できないですよね~。
一人暮らしの 女性の部屋でですよ?
朝まで 仕事って。 常識ないな それ。
でしょうね。 ええ 信じられないですよ。
でも 「私には できないですね~」 って言ってる人の方が➡
スケベだったりするんですよね~。
うん? うん? うん? うん? うん?
だって そうじゃないですか。 スケベな 連想をしてるから➡
できないとか 言うわけですもんね。
あの ちょっと いいですか? 嫌ですよ。
また それですか。 そうですよ。
(典子)むっつりスケベは むっつりスケベで➡
色々 大変なんだと思うよ。 むっつりスケベ?
ね~。 どういう意味?
典姉 あのさ…。 (典子)お兄ちゃんは お兄ちゃんで➡
色々 大変なんだなぁと思ってさ。 何がだ…。
何よ? 何? 何? 典子。
仕事のために 体 売るらしいよ この人。
何だ その単刀直入な言い方は! 何それ。
真平。 (真平)ごめん。
お前は 典子か!? (典子)何よ それ。
(えりな) 援助交際みたいなものですか?
え…。 まあ そうかな。
違うだろ! 何で そういうことになるんだよ!
まったく違う話だろ お前。 ねえ ちょっと いいですか?
嫌です。 いやいや 典子さんが説明をして➡
話が 複雑になるんだったら ご自分で なさった方が➡
傷が浅くて 済むと思いますよ。
そう思います。 うん。
負のオーラが 全身から だだ漏れですよ。
今日は 勘弁してください。
サボりませんか? えっ?
サボったことないでしょ 仕事。
ええ。 付き合いますよ。
いや~ 何か もう 空気が違いますでしょう? ここ。
この森林… あれ? 大丈夫ですか?
大丈夫ですよ。 別に。 押しましょうか? 後ろから。
いえ 全然 大丈夫です。 どうぞ。 ああ そうですか。
大丈夫ですか? もう そこですから そこ。
大丈夫です。 もう 一踏ん張り。
はい。 よいしょ。
フゥ~ ハハッ。
どうです? いいでしょう? あ~ 確かに。
フフフッ。
フゥ~。
でも あれですね。
仕事 サボってまで 鎌倉 案内してるなんて➡
根っからの 鎌倉推進おじさんなんですね。
ハハハッ。 まあ 確かにね。
あっ ちょっと休憩。 でも あのね あ… あれ?
ハァ~。
いや~ しかし なかなか ファンキーなことに なってるんですね。
世界遺産問題。
やめてくださいよ。 世界遺産問題 っていう言い方は もう。
いや 私もね 実は 微妙に 色々あったんですよ。
だから 慰めようかなぁと 思ったんです。
私なんか もっと ひどいことが あったんですよ~ とか言って。
あ~ ありがとうございます。
でも やめときます。 えっ?
とても 勝てません。 今の あなたには。
仕事の困った自慢は 私の負け あなたの勝ちです。
全然 うれしくない勝ちだな。 どうせ あれでしょ。
バカで 無責任な上司に 押し付けられたんでしょ?
無理な仕事を。 分かります?
すいませーん。 ビール 2つ 下さい。
えっ ビ… ビール!?
「俺は 『駄目でした』なんて言葉は 聞きたくないからな」なんて➡
さも カッコイイこと 言ってるような顔して➡
言いやがるんでしょ そいつ。
そんなの 誰も聞きたくねえし 言いたくねえよって話ですよね?
えっ? どっかで見てました? 大して 実力もないくせに➡
人の手柄 自分のものにして 偉くなっちゃったような上司でしょ?
はい そのとおり。 いるよね そういうのね。
ええ そうなんですよ。 しかもですよ しかもね➡
その 上司なんですけど➡
年下。 うわ~。
しかも 元部下。
マジっすか。 マジっす。
そっか。 きついな~。 (店員)ビール お待たせしました。
あ~ どうも ありがとう。 すいません。
あっ ホントに 来た。 はい はいはい 飲んじゃいましょ。
はいはいはい。 はい プシュッと開けて。
プシュッと開けました。 はーい 乾杯。
乾杯。
ハァ~。 アハハ 飲んじゃいましたね。
飲んじゃいました。 ウフフッ。
サボりビール うまいっしょ?
うまいっす。 フフフッ。
≪(田所)皆さん こちらへ…。 はい こっちに。➡
こちらで ちょっと 休憩になりますんで。
(田所)さあ どうぞ。 中へ どうぞ。
来た 来た 来た…。 いいから さあ 早く…。
(田所)どうぞ どうぞ どうぞ 座ってください。➡
はいはい。 空いてる所へ どんどん座ってってくださいね。➡
うん? 昼間からビールかよ。
いや あの 勘違いしないでくださいね。
いいですか? いいですよ。
いや 私はね 別に そういう 取引みたいな理由で➡
女性と そういうこと するとか しないとかって➡
そういうことを 悩んでるわけじゃないんですよ。
ほぉ~。 いや➡
もちろん そのことも 少しは ありますよ。
古いタイプの男ですから。 確かに 古いタイプの男ですね。
ええ。 いや でも… あっ 別に あれですよ。
できますよ。 できます。 いや あの➡
しろって言うんだったら そりゃ 男ですからね 私だって。
うん そりゃ そうですよね。 しかも 相手はですよ。
向坂 緑子。 なかなか いい女ですよね。
もうさ 何の問題もないの。 むしろ ラッキーってなもんですよ。
そうですよ。 だって 50にも なった男がですよ。
仕事の見返りとして 体を要求されるなんて➡
そう ある話じゃありませんよ。 ファンキーですよ。
そう ファンキー。 そのとおりなんですよ。
しかも 相手は 美人で スタイルもいい。
何の問題もない。
そのとおり。 うん。
でもね 私には ちょっと 1つ 引っ掛かることがあるんですよ。
何ですか?
できるのかってことですか? そう。 いや 違います 違います。
できますよ。 できるって 何回も言ってるじゃないですか。
失礼だな。 こりゃ 失敬しました。
私が 引っ掛かってるのはね➡
文字どおりですよ 私が 体を張って その親善大使を➡
向坂先生に 引き受けて いただいたとしてもですよ。
ああ その バカ上司の 手柄になると。
目に浮かぶわけですよ。 うわっ。
全て 自分が やりました みたいな顔でね➡
広報の取材を受けてですよ。 その 向坂先生と➡
こう 一緒に写真に 写ってる姿が。 うわ~ ムカつくな それ。
もう 超ムカつく。 でしょ?
しかもですよ。 しかも その写真の中の➡
その笑顔までが 想像できちゃうわけですよ。
うわ~ 何か 私まで 想像できてきた。
できてきました? 嫌な感じでしょ?
嫌な感じ。 やだ こいつ。 嫌な… 嫌なんだ こいつ。
やだ こいつ 大嫌い。 もう 眉毛 こんな太いんですよ。
うわ~ やだ~。 嫌でしょう? もう見たくない。
お前 向こう 行け。 向こう 行け。 向こう 行け もう。
向こう 行け。 向こう 行け。 行け行け行け…。
行った 行った 行った~。 行った~! ハハハッ。
(和平・千明)ハハハッ。
あ~ 何か すっきりしました。
そうですか。 はい。
よかったです。
ありがとうございます。 いえいえ いえいえ。 フフフッ。
あ…。 うん?
そちらも 何か あるんじゃないんですか?
あ… 私ですか?
いや 話してくださいよ。 私も 話したんですから。
いや~…。
話しますか? ええ。
でも 何か これ…。
ヘヘヘッ。 いや~ 私 その 脚本家の先生に➡
ちょっと キュンって しちゃったんですよ。 ハハハッ。
何か あれ? いい感じみたいなね。 でね 向こうも➡
そうなんじゃないかなって 思ってたんですよ。
何か そういうのって こう うぬぼれじゃなくて➡
何ていうの? 何か こう 雰囲気で 分かるじゃないですか。
こう… 勘っていうかね。 ああ 分かります 分かります。
でも それが 全然 外れてたんです。
私には 女として 特に 興味を 持っていなかったわけですよ。
(店員)はい お待たせしました。 あ~ すいません。
わ~ ギョーザ。 はい すいません。
でね そのこと自体は もう 全然 どうでもいいんですよ。
しょうがないことじゃないですか。
でも そこからの私が 最悪なんです。
最悪ですか。 最悪ですよ。
あいつが 興味を持ってたのは 万理子ちゃんだったんですよ。
私 それに 気付いてしまったんですよ。
えっ? 万理子って うちの? そう。
でも 考えてみたら 当然なんですよね。
だって 万理子ちゃん 私よりも ずっと若いし➡
カワイイ顔してるし 結構 美形ですよね。
そして もう 何よりも面白い。
興味深い存在じゃないですか。 変っていうか…。
フフフッ。 それで そこからですよ 私。
ハァ~ 最低です。 ちっちゃいわ 私。
えっ? あの… それは こういうことなんですかね?
あの ちょっと 傷ついてしまった自分を➡
ちょっと 隠したくて➡
「えっ? 私は ちょっと 何とも 思ってませんけど」みたいな➡
こう 余裕のあるふりを してしまったという感じ?
そうそう そうそうそう。
2人の恋 応援しちゃおうかしら みたいなね。
もう 何とか 傷を こう 隠すのに 必死なわけですよ。
ほ~ なるほどね。 ハハハッ。
で 万理子ちゃんの気持ちを 考えずに 傷つけてしまいました。
そうですか。 はい。 情けない。
ホントに 情けない カッコ悪い。 ちっちゃい もう最低。
今流に言うと あれですね。 「痛い」ですね。
痛い。 痛い そう 痛い。 痛い女 痛い。
うん? うん?
いやいや いつから こう➡
「痛い」なんていう表現を するようになったんですかね。
ホントだ~。 昔は 言わなかったですよね。
痛いなんてね。 いや 言いませんでしたよ。
うん。 でも 不思議なもんで その➡
「痛い」っていう表現に代わる 表現って 何か 思い付きます?
うん? 昔 何て言ってたんですかね。
昔は… えっ? 痛々しいとか?
痛々しいって ちょっと ニュアンスが違う。
ちょっと違うね。
でも まあ あんまり➡
いい言葉じゃないですよね 痛いなんてね。
私 痛くありませんから なんて言うと➡
余計 痛いみたいですもんね。 ハハハッ。
痛いのループですよね まるでね。 フフフッ。
確かにね。 ねっ。
でも 私たち 色々と 痛いと思われてるんでしょうね。
満身創痍ですよ。 フフフッ。 ですね。
フフフッ。 フフフッ。
何ですか 痛えな もう。 ハハハッ。 いやいやいや➡
あなたと話してると 何ていうの 女同士っていうか➡
おばさん同士みたいなんだけど。 ハハハッ。
いや 私は あの おじさん同士で 話してる感じですよね。
え~? おじさん同士? ハハハッ。
だって そろそろ ひげ 生えてきてますよ。
ひげ!? えっ? もう そんな時間? (和平・千明)ハハハッ。
フフフッ。 笑い事じゃないですよ。
「ちょうどいい」って ひどくないですか?
いやいや。 「ちょうどいい」ですよ?
分かりますよ。 でしょう?
いやいや その先生の方の気持ち。 そっちですか!?
フフフッ。 でもね しょうがないんですよ。
私たちね 自分が思っているよりも ずっと➡
大したものじゃないんですよ。 フフッ。
まあ そうかもしれませんけど でも 「ちょうどいい」ですよ?
ちょうどいい男。 うん?
ドラマのタイトルに いいかもしれませんね。
もう とにかく 何をやっても ちょうどいい男が主人公で。
それ 面白いんですかね? 絶対 つまんないと思います。
最悪だよ 最悪。 あっ 電気ついてる。
あっ ホントだ。 典子かな?
うわ~ また 何か すいません。 ハハハッ いえいえ。
あっ 今日 ホントに あの ありがとうございました。
いえいえ。 何か こう さっぱりしました。
初サボり。 (和平・千明)ハハハッ。
サボりました。 じゃあ おやすみなさい。
おやすみなさい。
えっ? ≪(典子)遅いわよ~。
(万理子)おかえりなさい。 千明さん おかえりなさい。
(知美)お邪魔してます。 (万理子)皆さん それぞれ➡
千明さんに お話ししたいことがあるんでして。
えっ? (万理子)あっ ちなみに 私もです。
もう ここはね 駆け込み寺じゃないんですけど。
(典子)そうそう そうそう。 知美ちゃんも?
(知美)はーい。 (典子)早く早く 早く早く。
何? で 誰から?
誰からって… そんな真剣な顔して 言われても。
どうすんのよ。 私に聞かないでよ。 どうすんのよ。
どうぞ。 先着順ということになりますと➡
典子 知美 万理子の 順番になるわけですが➡
ここは 病院ではないので➡
話の軽い方からというのは どうでしょうか?
まあね。 いきなり 重い話 されても➡
ちょっと困っちゃうしね。 (万理子)はい。
私のは かなり深い話だから 後で。 ホントかよ。
私も 何となく 重たい話な気がします。
あららら。
私は そうでもないかと 思われますので➡
では 私からで よろしいでしょうか?
(知美・典子)どうぞ。 (万理子)では お先に➡
失礼させていただきます。 え~ ちょ… ちょっと待って。
ちょっと ちょっと おしっこ 我慢してたから➡
ちょっと お手洗い 先 行かせてもらうね。
(典子)早くね。 うるせえよ。
まず 昨日は ホントに ごめんね。
(万理子)いえ 全然 大丈夫です。
よかった。 (典子)何の話?
(万理子)そこから話すと 長くなりますので➡
私の相談から スタートさせていただきます。
(典子)どうぞ。 あんたじゃないからね。
(万理子)千明さん。 はい。
(万理子)私ですね。 はい。
千明さんが好きです。 (知美)えっ!?
ありがとう。
(万理子)でも その恋が かなわないことも➡
分かっております。
うん。 (万理子)そして➡
ここのところ 思っていたことがあります。
うん? 何だろ?
私 脚本家になりたいです。 なれますか?
(典子)ごめん 今の飛び方が分かんないんだけど。
ちょっと 黙ってもらってて いいですか?
(万理子)以前 千明さんは おっしゃっていました。➡
ドラマを作るとき プロデューサーと脚本家は➡
恋愛しているのと同じだと そう おっしゃってましたよね?
うん 言った。
(万理子)現実で 恋愛関係になれないのでしたら➡
仕事の上で 恋愛できたら すてきだなぁと考えました。➡
あっ もちろん なりたいと言って なれるものでは ないことは➡
重々 承知しております。
でも 私 千明さんに 喜んでいただけるのでしたら➡
何でも できる気が いたしております。
そっか。 (万理子)はい。
そっか そっか そっか。
うん。 正直な気持ちを言うね。
(万理子)はい。 うん。
向いてると思う。
(万理子)えっ? うん。 向いてるんじゃないかな。
今回 すごい思ったんだけどさ➡
脚本家って もう 何か 自分は 駄目駄目なくせに➡
こう 人のこと 冷静に分析したり これ 言ったりするわけでしょ。
もう 常に 人ごとっていうかさ…。
これ あれ 褒めてんのよ。
あの 客観性があるなとか 観察力あるな みたいな感じで。
あっ。 ありがとうございます。 ハハハッ。
万理子ちゃん。
仕事の上で 恋人になれる日を 楽しみに待ってます。
はい。
感無量でございます。
よく分かんないけど よかったですね。
よかったね 万理子。 (万理子)はい 頑張ります。➡
では 次の方 どうぞ。
(知美)あっ はい。 (典子)ハァ~。
(知美)あっ どうぞ。 あっ すいません。
はい。 どうしました?
あ~。
≪(ドアの開く音) ≪(真平)おいしい?
≪(えりな)うん おいしい。 ≪(真平)よかった。
(真平)あれ? 兄貴 帰ってたの?
うん。 (真平)お疲れ。➡
あっ 朝 すいませんでした。
ホントだよ。 もういいよ。
俺さ。 (真平)うん。
今日 サボっちゃった 役所。
マジで? ずる休み。
あ~ たまには いいね~ ずる休みもね。
(真平)へぇ~ 兄貴がね。
人生初の ずる休み。 ハハッ。 頑張ったね。
≪はあ!? 何だ それ?
何だよ。 ねえ。
しちゃったわけ? その先生と。
(典子)《ごめんなさい すいません。 やだ…》
♪~
(典子)途中までだけどね。
(万理子)途中とは? (典子)具体的に話す?
(知美)はい。 いい いい。 やめといた方がいい。
結構です。 どうぞ。 はい。
どうしよ? 千明。 いいんじゃない?
その先生とさ ハワイにでも行って 幸せに暮らしたら。
(典子)何 言ってんのよ そんなこと できるわけないでしょ?➡
別に 特に 好きなわけでもないし。 そもそも よく知らない人だし。
じゃあさ あんたの悩みって 何よ?
何って…。
何か 聞いてもらいたくて。
何かって 何よ?
旦那とさ 元さやに 何だか 収まったじゃない?
でも 結局 何にも 変わってないっていうか➡
仲が良くなったのも ほんの 一瞬で。
私は 別に どうしても ハワイに行きたいってわけじゃ➡
ないんだけどさ。 何か こう 変化が 欲しかったっていうか。
でも 全然 乗らないし。
そしたら 別に まあいっか みたいな感じになって。
ハァ~。 このまま 年 取ってくのかなぁと思ってさ。
あ~。
で 何か そんなことに なっちゃったんだけど➡
いざとなったら 逃げちゃって。
なるほどね。 ハァ~。
もう どうしていいか 分かんない。
バカだよね~ ホントに。
ホントに バカだよ。
あんたも 私もね。
えっ?
何 ジタバタしてんだろうね。 いい年して みっともない。
ハァ~ 何かさ 大人になったらさ➡
こう 分別とかも 身に付いてさ ちゃんとした こう 大人に➡
もっと なってる予定だったでしょ?
でも 全然 駄目。 むしろ 年を取れば 取るほど➡
もっと みっともなく なってるような気がする。
ホントに みっともないこと ばっかりしてんだよな~。
ホントに 嫌になるよね。
千明…。
いつになったら ホントの大人になれるんだろうね。
でもさ 私 そういう あんたのこと➡
何か カワイイなって思うよ。
ジタバタしてて バカみたいで みっともないけど➡
何か すごい カワイイなって思う。
世の男どもはさ 女のそういうとこ 全然 見てくれないんだよね。
カワイイなんて 絶対 言ってくれないじゃない。
だからさ 女同士は せめてさ そういうところも 褒め合おうよ。
うん。
うん。 フフッ。
私も 千明のこと カワイイって思う。
いいよ 私は。 バカだし みっともないし➡
童顔をいいことに 若作りだし ぐだぐだだけど➡
でも 千明って カワイイと思う。
ヘヘッ。 やめてよ。
やめてよ そういうこというの。
でも ありがとう。
千明~。 典子~。
(典子・千明の泣き声)
あれ? あんた さっきさ➡
「童顔をいいことに 若作りしてる」 とか言った?
(典子)幻聴じゃないの~? 幻聴?
(典子)耳まで 遠くなって…。 嘘! もう やだ~。
(真平)兄貴はさ。 うん。
千明じゃ 駄目なの?
「駄目なの?」って 何だよ。
好きじゃないの?
そういうふうに聞かれるとさ。
好きっていうか…。 ならさ。
俺 あの人のことさ 大事に 思ってんだよね。
何か 勢いで 恋愛関係になったとするだろ。
うん。 恋愛なんていうのはさ➡
うまく いかなくて 壊れてしまうこともある。 でしょ?
そうだね。
俺は お前みたいに 天使じゃないからさ。
今のように 一緒に いられなくなる。
それが 嫌なんだ。 へぇ~。
天使の お前には 分からんかもしらんがね。
そうですか。 はい。 そうですよ~。
お宅の お兄さんはさ➡
何か 好きとか… 嫌いじゃないけどね。 別に。
でも ほら いろんなこと すっ飛ばしてさあ➡
いきなり息の合う 老夫婦みたいな 感じになっちゃってるじゃん。
だから いまさらねえ 恋愛 始めましょうなんつうのも➡
何かねえ 何か…。 (万理子)なるほど。
この先 誰も 現れなかったら➡
それも ありなのかなぁみたいな 気持ちはあるけどね。
あっ 保険のようなものですかね?
そう… かな。 何か ちょっと ずるい。
何でよ。 これが 独身の強みなんだよ~。
(典子)いいな。 保険。 (知美)あの…。
うん? あっ やだやだ。 何か 忘れてると思ったわ。
ごめん ごめん ごめん。 かなぁとは 思ったんですけど。
何でしょうか?
真平さんのことなんですけど。 うん。
真平が どうかした? あっ 浮気?
浮気? (知美)何か 病気なんですよね?
それは 本人に 聞いていただきたい。
そうそう… 本人に 聞いた方がいいよね。
そうそう… その前に。 (知美)脳外科➡
通ってるんですよね? (万理子)そこまで ご存じで?
本人には 聞きたくないんです。 女同士の お願いです。
どうか 教えてください。
何? 弁当。
あいつにさ 作ってやろうと思ってさ。
よかったら 兄貴のも ついでに 作るよ。
ついでかよ。
どう?
いらない。
何だよ。
たびたび すいません。 三井と申しますが…。
全然 連絡 取れないじゃん。
これじゃ 本の直し できないじゃん。 どうすんの?
行きつけの店は 全部 当たったんですけどね。
駄目? 駄目。
あの! はい。 万理子。
私に やらせていただくというのは?
ほ~ 直しを? はい!
見てください。 どれどれどれ?
≪(ドアの開く音) (灰田)よ~。 みんな 元気か?➡
そろそろ 俺が 必要とされてる ころなんじゃないかと思ってさ。
あの 灰田先生に 質問があります。 (灰田)何? 言ってみな。
干してある 全身タイツは 7枚 だったという証言がありますが➡
朔太郎は 全身タイツを着たまま 絞殺されておりますので➡
実際には 6枚でなければ おかしいと思うのですが➡
いかがでしょうか? (三井)確かに。
(万理子)つきましては この問題を解決する アイデアを➡
申し上げても よろしいでしょうか?
そうね。 言ってごらん。
はい。 ありがとうございます。➡
こちらを ご覧ください。
先ほどの 矛盾点を 逆手に 取りましてですね。
朔太郎の それを 洗濯した 全身タイツと 一緒に➡
物干しに こうして つるす というのは いかがでしょうか?
なるほどね~。 (万理子)そうなんです。➡
物干しのですね ここはですね➡
屋敷の中から 洗濯場の一部しか 見えておりませんので➡
つるされた 朔…。
(典子)ちょっと! 何で 先に食べんのよ。➡
いただきます 言ったの? (広行)いただきます。
(典子)ったく もう いつも そうなんだから ホントに。
(広行) あのさ 翔と話したんだけどさ。
(典子)何を? (広行)ハワイ。➡
行っても いいんじゃないかって。
なっ。 (翔)うん。
ちょっと ちょっと。 (典子)嘘!?
(広行)でさ コースなんだけど➡
えーと 典子は ここに 買い物 行きたいだろ?
うん。 (広行)で その間 俺と 翔は➡
ここ行って。 (典子)ありがとう。
(広行)で 典子は ここにも 買い物 行きたいだろ?
その日は 俺と 翔は オプションで ここ行って。
(翔)そうそう。 (広行)なっ。➡
で たぶん 典子は ここにも 行きたいだろうから➡
その間 俺と 翔は…。 (典子)ちょっと 待ちなさいよ。
私 ずっと 1人じゃないのよ。 一人旅か!
駄目? (典子)何なのよ それ。
ったく もう! ハァ~。
あっ そっか。 千明も 一緒に行けばいいんだ。
何? 何? 何だか分かんないけど 絶対 嫌っ!
♪(店内のBGM)
♪~
あの… 僕に 何か…。➡
ヤベッ。 (知美)僕に 何だって?
(真平)あっ いや。 僕に… 何だろう?
(知美)ふざけんな。 (真平)えっ?
ふざけんなよ! (真平)何!?
あんたは 病気でなんか死なない! (真平)お前 何で?
(知美)うるさい! あんたは 病気でなんか 死なないの!➡
私が ぶっ殺す! (真平)やめろって!
(知美)放して!
(真平)やだ。
(知美)死んだら ぶっ殺すからね。
分かった。
(啓子) そっか 仕事 ヤバかったんだ。
そうなんだよ。 で 大丈夫になったの?
いや。 ヤバいっていう状況は 変わってない。
でも まあ 執行猶予が 付いたみたいな感じかな。
でも 私 怖かった~。 このまま 仕事なくなったらさ➡
どうなっちゃうんだろうって 思ってさ。
私からさ 仕事 取ったら 何が あるの?
何にも な~い みたいな。 ねえ。
どうするよ? 仕事なくなったら あんたたち。
あっ ごめん。 やめようか この話。
そうだね。 考えるの やめよう。 (祥子)答え ないしね。
あんた さっきから そこ 気にしてるけどさ➡
どうしたの? 特に しわは 増えてませんけど。
ないとは 言わないけど。 (啓子)失礼ね。
この辺にさ 痕 残ってない? 線ていうかさ。
線? ないよ。 ないよね。
(啓子)よかった~。 っていうかさ 昼間だよ 昼間➡
会社のソファで こうやって 寝てたわけ そしたら ここに➡
びーって 線 入っちゃって。 (祥子)あるある。
(啓子)若いころはさ そういうの すぐ消えたのに 年 重ねるとさ➡
夕方まで 消えないんだよ これが。 消えない 消えない。 しょうがない。
っていうか あんた 何それ? 禁煙?
私さ 車 買ったんだよね。
車!? 何で また 車?
ちょっと 勧められてって。 あれでしょ?
その ディーラーがさ ちょっと 若くて➡
カワイイ いい男ってか そういうんでしょ?
それで 禁煙なわけだ?
まあね 頑張ってみようかなと 思うわけよ。
ねえ 本当の年 言った?
ねえ ドライブ 行かない?
言ってないな これ。 ドライブ行こうよ。 ドライブ。
(祥子)いいじゃん。
(啓子)すごーい 奇麗。
(啓子)海 見えるよね。
いいから 早く コース 決めちゃうわよ。
(祥子)そうだね。
(啓子) どういうのがあるんだろうね。
あっ 向坂 緑子じゃない? (祥子)おっ ホントだ。➡
奇麗だね~。 ちょっと 頑張ろうよ。
(祥子)何よ? (啓子)どうしたの?
いや 何か ちょっと 老眼の調子が…。
お待たせしました。 遅くなりました。
(啓子)あっ 長倉兄。 しーっ。
(祥子・啓子)何? いいから…。
(緑子)今日は 約束を果たしに 来てくださったんですよね?➡
お部屋に 行きましょうか。
いえ 違います。 向坂先生。
今日は お願い申し上げていた 世界遺産 親善大使の件。
取り下げに 参りました。
色々と ご無理を申し上げて 申し訳ありませんでした。
そんなに 嫌ですか? 私と…。
いやいや! そういうことでは ないんです。
じゃあ どうして?
私も もう 50です。 すぐに 51になります。
もう そんなに 女性と そういう関係になることは➡
ないと思うんです。
だから 大事にしたいんです。
バージンか。
いい年して 何を言ってるんだって 思われるかもしれませんが。
いい年だからこそ 大事に 本当に 大切な人とのことに➡
取っておきたいんです。
そうしなければ ならないとか➡
そんな 堅苦しく 思ってるわけじゃないんです。
ただ 自分が そうしたいんです。
(緑子)そういう方が いらっしゃるんですね。
はい います。
古くさいんですね。
はい。
♪~
一言だけ 言わせてください。
はい。
意気地なし。
♪~
どうも。
どうも。 (祥子)フフフ。
私たちさ 先に エステ 行ってるから。
(啓子)そうだね。 (祥子)じゃあね。
じゃあ 後で行く。 (祥子)うん。
どうして いるんですか? いやっ。
私たちの方が 先に いましたよ ここに。
だったら…。 「だったら」 何ですか?
何でもないです。
大丈夫ですか? 大丈夫じゃないですよ。
何で 私の人生って…。
こういう展開に なるんでしょうか?
さあ?
みっともないところ 見られてしまいました。
どこが みっともないんですか?
聞こえてたでしょ。
意気地なしなんて言われて。
いいじゃないですか。 意気地なし。
すてきです。
えっ?
すてき… でした。
私も…。
大切にしたいと思いました。
♪~
あの…。
いいですよ。
あっ すいません。 あの…。 (受付)いらっしゃいませ。
えーっと 今日の夜 ちょっと部屋 空いてるかなと思って。
(受付)はい 少々 お待ちください。 すみません。
♪~
まっ いっか。
お待たせしました。 あっ。
満室でした。 マジで?
マジです。 ああ…。
あっ。 あ?
♪~
えっ?
アッハハハ…。
ここで…。 表にね 付けといてくれ…。
ここで いいですかね? いいんじゃないんですかね。
ああ ラッキー。 空いてました。 はい。
ええっ!?
♪~
フフフ。 フッ。
あの… これ あれですかね。 フフフ 何ですか?
あの… まだ 早いってことですかね?
かもしれませんね。 ですね。
あの もうちょっと 取っときますか? そうですね。
老後の楽しみにでも。
老後は 楽しめないかも しれないですけど。
ああ そうか。 そうですね。
でも まあ そちらの方がね 早くにね➡
あれに なるわけじゃないですか。
うん? うん? うん? 「あれ」っていうのは?
あと どのくらい 大丈夫なんですか?
何で そういうことを その… 何すか? っつって➡
ヤンキー口調で 聞くんですか?
なってませんけど ヤンキー口調になんて。
いやっ 自覚ないんですか? なってますよ。
この道が そうさせんのか 車 乗ったら…。
ちょっと 箱乗りとか やめてくださいね 急に。
何すか? それ。 がーって 窓から出てくみたいに。
はあ? ハハハハ。
もう なってるじゃないですか ほら。
じゃあ あと どのくらい 大丈夫で いらっしゃるんですか?
もう しばらくは 大丈夫だと思います。
そうですか。 ええ。
ヤバそうになったら 教えてくださいね。
それは 教えられないですね。
どのタイミングで 言っていいか 分かんない。
じゃあ どうするんですか?
その前に あの…。
お願いします。
こちらこそ よろしくお願いします。
お願いします。
(クラクション) ちょっと やめなさいって!
何やってんですか! ねっ。 鳴らしたって 動かない…。
ちょっと やめて! 動けー!
やめて! あなた ホントに ヤンキー!
子供ヤンキーみたいですよ! 私 一応 市役所の…。
≪(クラクション) パララ パロルロ パロラララ~!
やっぱり ヤンキーだよ!
(典子)は~い えりな~。 カワイイ~。
あのさ お前も そんな布っきれ どうでもいいから➡
早く ご飯 食べちゃえって。 (典子)はいはい お兄ちゃんにも➡
ちゃんと 買ってきてあるよ~!
俺は 実物の方がいいよ! ≪(ドアの開く音)
実物の方が! もう…。 ≪おはようございま~す。
(真平)おはようございます。 (典子)千明 どうだった? 視聴率。
まだ 出てません。
(えりな)視聴率っていうのも 大変なんだね。
そうだよ。 人生が 懸かってるんだから➡
これが駄目なら もう 終わりなんだから 人生が!
面白かったですよ。 ああ ありがとうございます。
もうちょっと 旅情とか 入った方が よかったかな。
ああ そうですか!
人のうちに来て いらいらするのって➡
どうなんです? いいじゃないですか。
1人で聞くのが 怖いんですよ! 駄目だとは 言ってませんよ。
エロいシーンが 少なかったよね。 ああ そう。
俺はさ もっと グルメな感じが 欲しかったな。
うるさい うるさい うるさい!
あっ。 ねっ そういえばさ あの先生➡
世界遺産の親善大使➡
引き受けてくれたんだね。 うん まあな。
やったんだ 結局。 やってねえ。
やったね 絶対。 やってねえよ。
[℡] あっ! もしもし?
はい。 はい はい。
マジで?
マジで? あっ やった! ありがとう!
また後で 電話する。 うん ありがとう。
[℡] あっ アホ部長。 アホ部長。
もしもし? ありがとうございます。 はい。
えっ? サスペンス ずっと続けろって?
ライフワークにしろだって。 ハハハハ。
分かりましたよ。 やらせていただきますよ!
ただ あの 灰田先生は 今 行方不明ですからね。
はい。 若いお姉ちゃんと 南の島に行って➡
お金が無くなったら 帰ってくるって言ってました。
あっ でも。 その代わり 1人➡
すごい優秀な 新人脚本家が いるんですけど。
はい。 間違いありません。
はい。
はい! お願いします。 はい。
ということで 万理子ちゃん よろしくお願いします!
命を懸けて やらせていただきます!➡
千明さま~。 頑張れ。
(万理子)頑張ります! (典子)よかったね 千明 万理子。
おめでとう! 千明。 万理! よかったな~!
やり手の ベテランおばはん プロデューサーって感じですね。
今 「おばはん」って言った? ええ。
まっ ええまあ いいや 今日は… 今日は やめましょう。
そうですね。 まっ 今日のところは やめときましょうね~。
何か 相談? 相談じゃない。
相談じゃない? 違うよ。
何? 何?
突然ですが 長倉 和平さん 51歳。
51歳。
51歳のお誕生日 おめでとうございまーす!
おっ おっ… どうも ありがとう。
ケーキで~す。 (典子)イェーイ!
(真平)ことしはね 千明が 用意してくれたんだよ。
ああ そうなの。 51本。
51本 きっちりと 用意させていただきました。
51歳のお誕生日に~!
その 51 51 51です… 連呼することはないでしょう!
そうだね 今日は 何か こう あるかなっていう➡
気持ちはありましたよ。 そりゃ。 うん。
でも… うわっ おい すごいな これ。
(典子)あっ もう ああ~。 あっ いいかも。 いいじゃん。
ほら 消して 消して 早く。 いやいや…。 待て 待て…。
ほら 危ない 危ない。 お前さ… 何で ポンポン たたく。
お前らさ 扱いが雑だろ?
しかもね 朝の7時半にって どうなの?
(真平)まあまあ…。 (万理子)申し訳ございません。
夜は。 夜は ちょっと…。 (真平)ちょっと早く消さないと兄貴。
夜は 私と2人で SIRASに 行っていただきますから。
はい?
いいから 早く 消しちゃってください。
はい せーの! (真平)せーの!
(真平)おめでとう! (典子)おめでと~う!
ありがとう。 ありがとう…。
さあ それでは ここで ハワイの踊りを!
はい! プレゼントの踊りを 踊りたいと思いま~す!
わ~い! (真平)音楽かける 音楽かけるよ!
<というわけで 吉野 千明 46歳>
<そして 長倉 和平 51歳>
<取りあえず 人生 キープです>
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