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家族 間にあいません
― フラットですね ― 何分経った?
55分です
午前5時27分 確認しました
起立
禮
おはようございます
はい おはよう
著席!
さてと…
今日は皆さんに 新しい友達を紹介します
6年2組は 今まで24名でしたが
今日から25名になります
どうぞ
巖本サトル君です
えー みんなも少しは 知っていると思うけど
最近 いろいろな事情で學校へ 來られなくなっている子供のために
ロボットが代理で學校へ來る ということが試されています
この學校でもそれを 受け入れることになり
巖本君は その第1號です
巖本君
みんなに挨拶して
ハ・ジ・メ・マ・シ・テ…
巖本です
― しゃべたぁー ― すげえ〜
先生
はい 小野寺さん
そのロボットは ひとりで 勝手に動いてるんですか?
いいえ 巖本君が操縦しています
燃料は?
電気です
んじゃ お前の身體 何でできてるの?
チタン合金と プラスティック
それと軽量化のため―
檜も使われています
ヒノキ?
じゃあお前 ヒノキオじゃん
何?
ピノキオじゃなくて ヒノキオ
ヒノキオ?
あぁ ヒノキオ!
ヒノキオだってぇー
はいはい 靜かに! 時間がないから質問はここまでね
ええっと じゃあ巖本君の席は…
先生 ジュンの橫があいています
はい じゃあ あそこの席に座って
みんなも巖本君と 仲良くしてあげてね
はい じゃあ1時間目は 音楽室だから すぐに移動してね
はぁ〜い
よーよー ロボットなんか使って なんでわざわざ學校來てんだよ
あなたは なぜ學校へ 來ているのですか?
知るかよ!
僕も分かりません
なー お前 どこ製?
オーバーロード・エレクトロニクス
なんだそれ?
介護ロボットとかロボット看護師とか 作ってる會社だよ
やっぱロボット三原則守るの?
― 空は飛べないの? ― ロケットパンチは?
やめなさいよ 一度にいっぱい 質問したらかわいそうでしょ
移動の時間です
音楽室 分かんのかな?
分かんないんじゃないの 転校生だからな
1人で歩いてんじゃん
インプットされてんだよ
やべっ!
やったぁー
俺 工藤ジュン よろしく
俺 丈一
健太です
どうしたの?
早く行かないと 授業 始まっちゃうわよ
ヒノキオ!
お前 笛吹けないんだったら これやってみろよ
やれよ
おーっ…
ねぇ 最近 なんか 面白いゲームある?
そういえばさ パーガトリーって ゲームの噂知ってる?
それってさ なんかゲームやってると
突然始まるネットのロープレの事?
そうそう
電脳街ってゲームのどこかに 入り口があるらしいんだけど
これが全然 見つからないんだよなぁ
へ〜 面白そう! 俺も探してみよっかな
シッ! 靜かにしろ
痛っ! 痛い
なーんだ つまんねーの
なんだよ? 何がどうしたんだよ
ただ今 留守にしています 御用件をどうぞ
サトル 學校はどうだった?
久し振りだから 緊張したんじゃないのか?
603の調子はどうだ?
まあ 君はああいうものを扱う 天才だから心配はしてないけど…
何か不都合な事があったら 言ってくれ
サトル
とにかく がんばれよ!
嫌なことがあっても 負けるんじゃないぞ なっ
電脳街ってゲームのどこかに 入り口があるらしいんだけど
これが全然 見つかんないんだよなぁ
はぁーっ
“煉獄へようこそ”
“君は死んだ”
“君の魂は今 肉體を離れ”
“煉獄へと向かっている”
あっ!
ただいま
留守電 見てくれたかな
カステラ買ってきたぞ 一緒に食べないか?
サトル
臺所で待ってるからさ 出てこいよ
ん?
“ありがとう サトル 私はエリ”
“風の笛のおかげで 呪いが解けたわ”
サトル 學校はどうだった? 久し振りだから緊張し…
おー! すげぇー
はい 全問正解です
ありがとう 巖本君
はい じゃあ次の問題 解る人
― はい ― はい 高阪さん
はい 正解 ありがとう 席に戻って
じゃあ次の問題 解る人
― はぁーい ― はぁーい
はい 小野寺さん
― ヨッシャー ― イエーイ!!
うわっ! 煙吹いたぁ〜
防水裝置ついてねえのか だっせー!
これからは偉そうに 無視すんじゃねえぞ
行くぞ
ほんとに引っかかるとは 思わなかったなぁ
ほんと ほんと
これを閉めれば 點くはずなんだけどなぁ よしっ
― 健太 電源入れてみな ― あいよっ
よしっ
野黨各黨の追及は必至で 政府與黨の対応が…
― 點いた ― よっし
映りが悪いな
地震予知の方法を巡って會員を毆り 地震予知連絡會を脫會させられた…
仕返しに來たのかな?
関東大震災クラスの地震が 數ヶ月以內に起こると発言…
これに対し地震予知連絡會は 地震の可能性はないと…
野々村教授がこの発言を行ったのは 大學の主催した講演會で…
ありがとう! ヒノキオ君!
風の笛のおかげで 呪いが解けたぜ
ヒノキオ! お前も今日から 俺たちの仲間だ!
何してんだよ
あれ?
これ ジュンのじゃん
お前が盜ったのか?
イカンなぁ それは…
あっ!
ああ…
やっ やばい
なんか探せ
でぇ 出ない
はぁっー
壊れたか…
“キャー!”
“お前の願いはかなわない 地獄へ落ちろ!”
“輪廻転生の道は斷たれた”
“ここで永遠に苦しむがいい”
“それがお前の定めだ”
ゼリーと冷凍食品が足りない
サトル
言いたい事があるんだったらさ 聲に出して言ってみないか?
辛いのは分かるけど がんばって 少しずつでも努力しないとダメだよ
サトル 聞こえてんだろ
はい ではホームルームを 始めます
― はい! ― はい 高阪さん
昨日 平井君達がヒノキオ… じゃなくて巖本君をいじめてました
問題だと思います
巖本君… そうなの?
平井君 立って
他にも細野君とジュンがいました
細野君 工藤さんも立ちなさい
なんでそんな事するの?
知らねぇよ…
ウソはやめなさいよ あたし ちゃんと見てたんだからね
イジメって言われても 何が イジメなのか分かんないんですけど
いいわ じゃあ巖本君
この3人に何か 嫌な思いをさせられた?
ちゃんと言いなさいよ
巖本君
別に
ほらねっ! ねっ!
なんであなたまでウソをつくのよ
あんたのためを思って 言ってあげてるのに!
なんだよ スミレの奴 ヒノキオの事が好きなんじゃねーの?
ヒュー ヒュー
靜かに!
靜かに!
もういいわ 4人とも座りなさい
ねぇ みんな 巖本君もがんばって 學校に來てくれているんだから
その気持ちを壊すような事は しないように
巖本君も 何か困る事があったら
どんな小さな事でもいいから 先生に言ってね
分かりましたか?
はい
みんなも分かりましたか?
はーい
はい それで 再來週の月曜日の 1時間目と2時間目に
國語と算數の再テストをします
エーッ!
まだ 時間があるから ちゃんと勉強しておいて下さいね
今回點數の悪い人は 居殘りです
エーッ!
ちょっと顔貸せよ
なんで昨日の事 先生に言わなかった
お前 いじめられてると 思ってないの?
あっ
まだ刺さってる
痛くねぇのか
感覚は ありません
お前 もしかして…
俺達の仲間に入りたいの?
な〜んだ そういうこと?
早く言やぁいいじゃん
じゃあ これ持て
俺のも!
僕のもね
ついて來い
あっ! 誰が箱ごと 持ってこいって言った!
バッカ! でかすぎだよ
やべっ 逃げろ!
あぁ〜 びっくりした
そんなに食べきれないよ
釣りのエサにしようぜ
ほんとに釣れんの?
やってみなきゃ分かんないだろ
ジュン 釣れないね
はい 次!
位置について ヨーイ
おい!
位置について
ヨーイ
はい 次
ダッセー
今晩も徹夜ですか?
うん…
サトル君とは うまくいっていますか?
え? いや…
また無視されましたね
口の減らないロボットだ これ!
あくまで私の推測ですが
博士とサトル君は とても 似ているのではないですか?
なぜ そう思うんだ?
サトル君が 博士から逃げているように
博士もサトル君から 逃げているからです
今のサトルの年頃ってのは親父に ベタベタされるのが嫌なんだよ
だから無理矢理―
コミュニケーションとっても 逆効果だと思ってね
ほら やっぱり逃げてる
あのね 人間の心っていうのは 怖いものなんだ
コワイ?
そう 宇宙のように広く 底無し沼のように深く
複雑なんだよ
だから怖いんですね サトル君のことが
おっ いつの間にか君と 話してる事を忘れてしまったよ
では 誰と話してたんですか?
え?
なんでもありません
あぁー もうこんな時間だよ ユウキ君 そろそろあがってくれ
主任は?
僕は もう少しやっていくよ
例のプログラム あとひと息で完成するんだ
ああ 感覚フィードバック システムですね
無理しないで下さい デバックの方は 明日やっておきますから
うん…
それより たまには 家に帰ってあげないと
サトル君がかわいそうですよ
ん? あれれ これは… ちょっと…
主任 私の話 聞いてます?
うん… 何?
いえ… では お先に失禮しまーす
ん…
はぁっ…
サトル おいで
おーい サトル おめでとう
座って
サトル おめでとう
二人 こっち見て
ハッピバースデートゥーユー ハッピバースデートゥーユー
ハッピーバースデー ディア サトル
ハッピーバースデートゥーユー
なぁ 健太の奴 なんで來なかったんだ?
あいつ パーガトリーに はまってんだよ
昨日も徹夜したって言ってたもん
そんなに面白いのか?
うん 一度ハマると 止められなくなるらしいんだ
それに ずっとやってるとゲームと 同じ事が本當に起こったりするんだって
そんなの信じられっかよ バカらしい
ヒノキオ 釣り行くぞ
丈一 お前は?
俺はいいや もうすぐ塾の時間だから
ヒノキオ それ持って來い
じゃあな
“煉獄とは 宙吊り狀態の魂が 漂っている場所だ”
“君の魂は今 肉體を離れ 煉獄へと向かっている”
シーバス やったことあるか?
ゲームで
そんなのやったうちに 入らないんだよ
いいか
ラインをひいて
アームをあげて
こうやって投げんだよ
おっ! かかったか?
はははっ 大物じゃん なっ ゲームより面白いだろ
ふふふ
なあ お前いつも江裡子の事 じーっと見てるだろ
エリ…?
昭島江裡子だよ ほら 髪の長い隣のクラスの女子
あいつ男子の間じゃ 結構人気あんだよな
お前も好きなんだろ
違います その推測は間違っています
分かったから普通に話せよ
普通です
あははっ お前 案外 分かりやすい奴だな
また長靴か?
ヒノキオ
おおっ きつい
おい…
うわっ
なんだ? 今の…
よう そいつはお前の舎弟か?
見てたんだよな そいつがヤルところ
お前らガキのくせに賢いよな
ロボットに萬引きの 下請けさせんだからよ
でさ 俺らにも 貸してくんないかな そのロボット
そんなお菓子より―
もうちょっとイイものを ヤッてもらいたいんだ
こんなもん
いっぱい食ってうれしいんか? お前ら ああっ?
俺達 もう帰るところだから…
おい 待てよ
放せよ
イテッ…
オラァ…
この野郎
放せよ…
― 靜かにしろ ― 放せよ
じたばたすんなよ
大人しくしろって言ってんだろ
放せよ…
イテッ
うっ!
この野郎!
やるじゃねぇか この野郎!
― イテェ ― 行くぞ
イテ… 待てよ
スミレ
おい 金は?
タコ!!
傷つけるのはジュンじゃなくて ロボットの方 フン
スミレちゃん…
なんだよっ
入れよ
誰もいないから安心しろよ
そんなの面白いか?
はい
親父のだよ 欲しけりゃやるよ
でも…
いいんだ 親父 とっくに死んでるから
その內 捨てようと思ってたんだ
私の母も 死んでしまいました…
交通事故でした
そっか…
俺の親父も急だったんだ
ついさっきまで元気だと 思ってたら動かなくなって…
俺の目の前で 呆気なく 死んじまった…
俺 親父の事嫌いだったから まともに話したこともなくてさ
今じゃなんで嫌いだったのかも よく分かんないんだけど…
あのさ…
人って死ぬとどうなるんだ?
まず 煉獄という所へ行きます
煉獄? 天國じゃないのか?
そう簡単に 天國へはいけません
ふ〜ん
親父の奴 天國へ行けたのかな?
聞いてきましょうか
そんな事できんのかよ
はい
それって お前 あのゲームの事だろ?
本當に 現実とリンクしています
どうして分かる?
はい この前の神社も 君の笛も ゲームの中で見ました
偶然だろ
分かりません
あれも…
煉獄の塔に似ています
“もう少しで煉獄の塔ね”
“あなたの願いは何?”
願い?
“私だけに そっと教えて”
あっ そうだ
ここから先は分かります
では さようなら
ヒノキオ
これやるよ
ありがとう では
今度の日曜日さ あのデッカイ魚 絶対釣り上げようぜ
なぁ ヒノキオ じゃあな!
はい さようなら
ポピー 行け
よぉーし いい子 いい子
行くよ はいっ
遅くなりました
よく來たな
他の連中 來れないってさ
ひどい雨ですからね
違うよ あいつらみんな ゲームにはまってんだ
なあ パーガトリーって 煉獄って意味なんだろ
はい
そのゲームのどこが面白いんだ?
分かりません
でも お前も それ信じてるんだろ?
だから親父の事聞いた時 あんな事言ったんだろ?
すみません
別にあやまんなくたって…
お前 本當に信じてんのかよ
私は… 何も信じていません
何も?
はい
おおっ きた きた!
おっー
おおっ でけぇ
うわっ!
はぁ バカだな 泳げないのに飛び込むなんて
はい 檜で出來ているので 少しは浮くと思ったんですが
てっきり食われたのかと 思ったぜ
はい 危うく ピノキオになるところでした
お前 ホント バカだな
はい
何 見てんだ?
いいえ 私は何も見ていません
はははぁ
ヒノキオ
おい ヒノキオ! どうしたんだよ
ヒノキオ ヒノキオ
お おい 大丈夫か? しっかりしろよ ヒノキオ
ヒノキオ!
ツ ツヨク ユスラナイデクダサイ!
死んだりしないか?
はい 水が入ったために ショートしただけです
ビックリさせんなよ
すみません
俺が女って事 知らなかったのか?
はい
俺 この身體 嫌いだ
俺の身體さあ 汚れてるんだってよ
親戚のおばさんが言ってた
あなたは汚れていません
またテキトーな事 言いやがって
何も知らないくせに…
僕は
僕は…ずっと家にいます
母が事故で死んでから
ずっと自分の部屋にいます
何度か外へ出ようとしましたが ダメでした
それから1年が経ち
父は僕に このロボットをくれました
じゃあ 今も ずっと部屋にいんのか?
はい ずっと
そこには 窓とかあるのか?
はい
何が見える?
見えるのは オバケ煙突が 1本だけです
1本?
はい
今の生活 楽しいか?
はい
ウソつけ
はい 楽しくありません
バーカッ
ホントに ここで大丈夫か?
はい
明日 修理に來てもらいます
ワッ!
俺 雷 弱いんだ
あっ
サトル…
サトルは 俺の事…
好きか?
はい
うわっ!
年季の入ったオモチャっすねぇ
ちゃんと元の位置に 戻しておいてくれよ
サトルはそういうのに 敏感なんだ
主任 やっぱりサトル君の事 怖がってる
怒ったら怒ったで いいじゃないですか
これ以上の修理は ここでは無理だな
そうですね
あっ ユウキ君
悪いんだけど 先に 車に戻っててくれないか
あ… はい
サトル 聞こえてるか?
もし今 そこにいるんだったら
ちょっとだけ父さんの話を 聞いてくれないか
父さん サトルの気持ちを…
その… サトルの思いを 知りたいんだ
もっとサトルを理解したい… そう思ってる
でも話をしてくれないと
サトルが何を考えてるのか 分からないんだ
サトルも 色々傷ついたと思うけど
父さんも傷ついてる
傷ついた者同士
もう少し 仲良くしようじゃないか
なぁ
もう家族は
サトルと父さんだけなんだから
母さんが死んで もう1年だ
母さんが
今の君の事を知ったら
悲しむぞ
あなたが 殺した
あなたが 母さんを 殺した
母さんは あなたを 許さない
だから 私も あなたを許さない
おかえり
ジュン ちょっといい?
ごめん びっくりした?
ほら 前からジュンに紹介したい人が いるって言ってたでしょう
こちら 柴田さん
柴田です はじめまして
娘の ジュンです
今日ね 一緒にお食事しようと 思ってお誘いしたの
ほら ご挨拶して
じゃあ 支度するわね ジュンも もう少し待っててね
柴田さんは座ってて
― あっ おビール いいかしら? ― はい ありがとう
ごめんね 柴田さん あの子 いつもあんな調子なの
なんだか緊張しちゃうな
603のマスターコンピューターへの 接続 完了しました
ありがとう
それにしても こっぴどく やられちゃいましたね
ああ 関節部はねぇ どうしても壊れやすいんだ
いえ 主任のことです
僕?
ああ サトルの事
ごめんなさい 聞き耳立ててた わけじゃないんですけど
その… サトル君の言葉が 気になって
実はね
妻が事故にあう直前 僕と電話で話をしていてね
喧嘩をした後だったんだよ
だから サトルは 僕の事を恨んでるんだ
でもね 僕はうれしかったよ
これまで まったく口を きいてくれなかったサトルが
たとえ恨み言であろうと 話をしてくれたんだ
次は603を通してじゃなくて 直接 本人と話ができれば
また一つ 進歩だ
さあっ
いてっ!
“この境內を通り抜ければ 煉獄の塔があるわ”
“私について來て”
なんだ 健太 休みか
あいつ パーガトリーにはまりすぎて ジャンキーになっちゃったみたい
もしかしてサトルもそうなのか?
サトル? あぁ ヒノキオ
どうかな
俺は姉貴がいる間は やりたくてもできねぇしなぁ
でも やばいんじゃない? 健太
今日のテスト サボったら 居殘り確実じゃん
あいつ パーガトリーで
今日のテスト 無くなるように お願いしたから大丈夫なんだって
ウソッ!
はーい 皆さん おはようございます
おはようございまーす
えー ちょっと聞いて下さい
えー 本日 擔任の風吹先生は ご家庭の都合によりお休みです
ヤッタァー
うるさい 靜かにしなさい
その 座って! 靜かにしなさい いいですか
えー 今日は代わりに私が授業を しますので そのつもりで
うへぇー
さぁ 修理完了だ
これからは もうちょっと 大事に扱ってくれよ
なぁ サトル
えー 平賀源內さんは まさにこれ 勵む人でした
藩の仕事をしながらも 旺盛な好奇心を失うことなく
仕事の合間をみては 勉學に勵む…
見えるのは オバケ煙突が 1本だけです
うふっ くすぐったいよ ポピー 止めろって
止めろ ポピー 止めろって…
サトル!
俺だよ ジュンだよ サトル!
いるんだろ! サトル サトル!
パーガトリーとかいうゲーム
健太がはまりすぎて ジャンキーになっちゃったんだ!
サトルも気をつけろよ
それだけだ じゃあな
あぁっ
サトル…
バカッ! 心配させやがって
ジュン…
サトル 正直に答えろよ
お前 昭島江裡子の事が 好きなんだよな
今度 俺がデートさせてやるよ 感謝しろ
あの 僕は…
とにかく 俺にまかせとけ 小さい頃からよく知ってんだ
― 明日は學校 來れるんだろ ― あの…
じゃあな!
そっか じゃあ工藤さんにも 新しいお父さんができるんだね
先生 転校の事は その日が來るまで みんなには內緒にしといて
え なんで?
それと もう一つ 頼みがあるんだけど
おおっ すげえ 景色
おい サトル!
アリンコがそんなに珍しいか?
こっち來て手伝えよ
せーの!
これちょっと溼ってるけど 大丈夫かな?
大丈夫 大丈夫! はい サトル
はい 気をつけてね
あぁ〜あ
ねぇ ジュン ちょっと開けてみようか
バーカッ ダメに決まってんだろ
この間の月曜日 お見合いだったって本當ですか?
やだ! そんな噂 誰から聞いたの?
やっぱり そうなんだ
なあ なんで健太が來ないで スミレが來てんだよ
知らねぇよ
でもさー 珍しいよな ジュンが みんなをキャンプに誘うなんて
そうだよ ジュン なんか心境の変化でもあったの?
そんなの別にないね
こういうのってね 大人になって からも いい思い出になるのよ
ゲーッ ババくせい!
何よ ババくせって
― 細野君だってジジくさいのに ねぇ ― 確かにねぇ
なんだよ スミレの奴 やっぱ來なきゃよかったじゃん
おいしい
みんなで食べると格別よね
ねぇ 空気もおいしいからね
― これで あと三杯食えるよ ― ええ〜ぇ
― 丈一のにミミズ 入ってたぜ ― えっ ちょっと…
ははは…
冗談だよ バーカッ!
なんだよ…
ははっ ははは…
大丈夫?
最悪だぁ〜…
はははは…
おおっ よしっ 點いた へへっ
えへへって… 走ったら危ないよ
ジュン ちょっと
なんだよ
ちょっと
こっち こっち
なんか用かよ
こっちで花火しよう
お前と?
一緒にやろうと思って 買ってきたんだ いいでしょ
サンキュー もらっとくよ
行くぞ!
そんなロボットのどこがいいのよ
バカッ!
死んじゃえ!
― どこ 行くの? ― 探検
なんか暗い…
いいんだよ 暗い方が面白いんだって
はあー すっげえ星
なあ これからお前んちに 行っていいか?
つまらないですよ ただの オンボロアパートですから
ヒノキオんちじゃなくて サトルんちに
なぜですか?
會ってみたいんだ サトル本人に
會って どうするんですか?
別に…
もしも 言いたい事があれば このロボットに言えば 伝わります
今日が最後のチャンスなんだ
最後?
いや その…
もう二度と言わないって意味だよ
つまらない要望です 拒否します
俺 サトルの顔が 見てみたいんだ
斷固 拒否します
そうやって 逃げてばっかだな
もういい加減 逃げるなよ
辛い思いしてるのは サトルだけじゃないんだから
ほっといてくれませんか 僕の事は
そんなんじゃ いつまでたっても 今のままだろ!
あなたに僕の気持ちは 分かりません
じゃあ一生 引きこもってろよ バカ!
そっか…
分かった
じゃあね
ジュン 來れないって
行こ
何も話さないのね
あ… すいません
あなた どうして ロボットなんか使ってるの?
ロボット使わないと 話せないの?
リハビリ中 だから…
あの
何?
なぜ 私なんかに 付き合ってくれるんですか?
ジュンに頼まれたから
私 ジュンの頼みは 斷れないんだ
ジュンは命の恩人なの
ジュンはね お父さんが 亡くなってから
親戚のおじさんの所に 預けられてたんだけど
そこで色々あったらしいの
私も似たようなもん
毎日が嫌で いつも 死にたいって思ってた
そしたらジュンが こう言ってくれた
本當に死にたくなったら 連絡しろ
死ぬ前に 思いっきり遊ぼうって
どんなに辛くてもがんばれ… なんて言われたらきつかったけど
ジュンがつながっていてくれたから 考え直せたんだと思う
だからね
私は今 ここにいるの
…で?
本當のあなたは今 どこにいるの?
え〜 既に知ってる子も いるかもしれないけど
工藤ジュンさんが 本日付けで転校しました
ウソー!
ジュンは何も言ってなかったよ
工藤さんの希望でね
その日まで內緒にしておいて 欲しいって事だったので
みんなに知らせるのが 遅くなってしまいました
先生!
高阪さん どうしたの?
それより 問題があります
なに?
ヒノキオの事です
巖本君がどうかしたの?
これを見て下さい
ネットで調べたんですけど ヒノキオを作っている―
オーバーロード・エレクトロ二クス という會社は
実は軍事用のロボットを 開発しているんです
何かの間違いじゃないですか? その會社は―
介護ロボットとか醫療器具を 作ってるって聞いてますけど
それはオモテの仕事で ウラでは こんなことをしてるんです
うわーっ そっくりじゃん
一度に何十人も殺せる 戦闘ロボットなんです
えー 本當?
ウソだろう
ウソじゃないわ
私 ヒノキオが中學生をいっぺんに 3人も倒すの見たんだから
そんな危ない物が學校に 來ているのは問題だと思います
みんなも試しに 何かぶつけてごらんよ
高阪さん
攻撃されたと思って 反応するから
待ちなさい
イテッ!
ちょっと こらっ
物を投げるの やめなさい
かーえーれ かーえーれ
かーえーれ かーえーれ…
みんな 靜かにしなさい
靜かに!
みんな落ち著いて 靜かにしなさい
かーえーれ かーえーれ
こらっ! ちゃんと席につきなさい
かーえーれ かーえーれ
ほら! 靜かに!
高阪さん
席に戻りなさい
巖本君も席について もうすぐ授業を始めますよ
巖本君… 巖本君 待って
怖かった…
いじめですか
うん
なんとか學校に行かせようと した矢先に あの事故でね…
醫者は リハビリさえすれば
サトルの足はちゃんと治るって 言ってくれたんだけど
放棄したんですね リハビリも
うん
僕はただ あきらめるな がんばれって
勵ます事ぐらいしか できなくて
…その がんばれっていう言葉 一番辛いんですよね
え?
分かるんです あたしも一時期 不登校になったことがあったから
君が?
もしも あの時
がんばらなくてもいい…
學校なんか行かなくてもいいって 言ってくれる人がいたら
どんなに楽だったかなぁって…
もしもし
僕を だましたな
サトルか? だますってなんのことだ?
僕は戦闘ロボットを 開発するための
モルモットだったんだろ?
モルモット? 何 言ってんだ
サトル 今どこにいるんだ?
どうせ今も 監視してるんだろ?
監視? 今 學校じゃないのか
ロボットが故障した時 何も 言ってないのに 修理に來ただろ
それは 安全のために
603のいる場所を 常時 分かるようにしているだけなんだよ
安全のため?
そうだ
萬が一 603が故障しても すぐに 駆けつけることができるようにさ
やはり 僕よりもロボットの 安全の方が大事なんだ
何 言ってるんだ サトル
僕は もう こんなロボットいらないから
では さようなら
おい サトル サトル!
主任 大変です! 603の遠隔裝置に―
感覚フィードバックシステムが インストールされた形跡があります
なんだって!
この狀態で もしも603が 危険な狀態になったら
サトル君の身にも何が起きるか
こっちから 止められないのか
無理です ロックが掛けられています
本當のあなたは今 どこにいるの?
じゃあ一生 引きこもってろよ
(サトル… 早まるなよ!)
サトル! おい サトル!
おい サトル! 開けろ!
サトル!
降ります!
ストレッチャー 用意します
― 急げ! 酸素 頼む ― はい
サトル! しっかりしろ
こちらにお願いします
サトル君 分かるか? サトル君
サトル 聞こえるか?
詳しい検査結果を待たなければ なんとも言えませんが
脳に損傷を受けている 可能性も考えられます
そんな!
じゃあ サトルの意識は もう戻らないんですか?
現段階では まだなんとも…
とにかく お父さんからも 語りかけてあげて下さい
聞こえている可能性もあります
君 変化あったら すぐに連絡をするように
ジュン!
今 お前んち 行こうと思ってたんだ
ひどいじゃんか! 転校の事 黙ってるなんて
健太…
ただいま生還しました
そうそう 健太もゲームの 世界から帰ってきてくれたんだ
丈一が 煉獄の塔で お願いしてくれたおかげです
これでジュンも信じるだろ?
あれも 煉獄の塔に似ています
ゲームと現実がリンクしてるって 言ってたよな
うん
じゃあ こっちから向こうに 行くことも出來るはずだろ?
煉獄の塔で願い事をすると それがかなうんだろ?
うん たぶんね ジュン どこ行くの?
オバケ煙突!
何しに!
― サトルをこっちに連れ戻す ― サトル?
ヒノキオだよ
ヒノキオが自殺して サトルが死にそうなんだ!
サトル
許してくれ
父さんは 少しでもお前が
外の世界に 目を向けてくれたらと思って…
でも 結局
お前を苦しめただけだったんだね
“煉獄の世界へ ようこそ”
“前回のダイビングが 正常に終了しなかったため”
“データの一部が 破損した可能性があります”
煉獄の… 塔?
そう見えなくもないけど
ジュン マジで行く気なの?
しょうがねえな
アッ!
コラーッ
待ちなさい 待ちなさいって
ああっ
うわっ
アッ! アッー
― コラッ ― 放せよ
放せ!
うわあ!
ジュン 早く!
下りろ! 下りなさい! ちょっと おいっ
待ちなさい!
危ないぞー!
警察へ連絡だ!
― 連絡しろ ― はい
こっち來いって
まったく 何やってんだよ ここは遊び場じゃないんだよ
本當にもう ちきしょう!
あーあぁ!
ジュン がんばれー
がんばってー
あっ 思い出した! 煉獄の塔で お願いするには風の笛が必要なんだ
そうだ… ジュン!
忘れ物ー!
風の笛ー!
サトル
もう父さん 逃げたりしないよ
もう逃げたりしない
これからは サトルと向き合って
ちゃんと話をするつもりだ
はーい 下がって!
はあ はあ…
ジュン!
風の笛!
リドカイン 50 止まるぞ 急いで
― サトル! ― サトル君 サトル君
― 心停止です ― エピネフリン
サトル! サトル!
VFです
カウンターショック 150にチャージして
サトル!
処置をしますので しばらく外でお待ち下さい
― 黒木先生コール ― はい
先生 あきらめないで下さい
サトルは強い子なんです お願いします
大丈夫ですから 外でお待ち下さい
サトル! 死ぬな! サトル!
チャージ完了
巖本サトル君です
お前 もしかして 俺達の仲間に入りたいの?
なっ!ゲームより面白いだろ
あのデッカイ魚 絶対釣り上げようぜ
そんなんじゃいつまでたっても 今のままだろ
バカッ 心配させやがって
― 戻りません ― 200にチャージ! VFだ
先生 エピネフリンを お願いします
チャージ完了
離れて
フラット…
サトル…
(神様 サトルを助けて!)
(お願い サトルを助けて!)
サトル
サトルー!
“おめでとう サトル”
“これで 煉獄の塔の中に 入れるわ”
母さん!
サトル
母さん
ごめん…
僕…
やっぱり ダメだった
サトル
サトルは強いわね
僕が… 強い?
ええ お父さんにそっくり
母さんは 父さんを恨んでないの?
お母さんは お父さんの事 大好きよ
でも でも父さんは僕の事…
お父さんもサトルの事 大好きなのよ
ウソだ!
怖かったんだ
母さんを失ってしまって
父さん
自信をなくしてるだけなの…
でも…
心の中では
サトルの事が大好きなの
だから お父さんを 許してあげて
僕
このまま…
母さんと 一緒にいたい
私達は いつも一緒よ
ずっと ここにいていい?
サトルがお母さんの事 忘れない限り
いつまでも一緒なの
だから サトルは戻って
どこに?
本當のあなたが いる所…
おおーっ
サトル!
サトルー!
サトル…
地震だー!
あ…
ああっ!
サトルー!
父さん…
サトル
僕…
母さんに 會った
母さん…
父さんの事が…
大好きだって
それから…
父さんは 僕の事も
大好きだって
サトル!
ほんとに ジュンには 驚きだよね
そうそう いくら マットの上だからって言っても
あの高さから落ちて かすり傷だけで済んだんだからな
奇跡だよね
うん
奇跡 奇跡!
サトル
もしもこの先 サトルが辛くて 我慢できなくなったら
連絡しろよ
どんなに離れていても 必ず會いにいくからな
その時は また一緒に遊ぼうぜ
約束だぞ
元気でな
メールちょうだいね
ジュン!
あっ ヒノキオだ!
生きてたんだ
やっぱり願い事が かなったんだ
サトル! サトルー!
― サトル? ― あれが?
ジュン?
ジュン!
ヒノキオ?
誰が操縦してんだ?
あ…
ハッ ハッ ハッ ハッ…
さよーならーっ
さようならー
さよならー!
さよならー さよならー
さよならー!
はい では本日―
このクラスに入る 新しい生徒を紹介します
どうぞ
じゃあ自己紹介して
巖本サトルです よろしくお願いします
サトル!
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