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(亡霊)フフフフ…
(亡霊たち)フフフフ…
(曹操(そうそう))んっ (亡霊)ハハハ…
(曹操)ふんっ んんっ…
はあーっ! たあーっ!
ぬあっ!
ふんっ とりゃあ! ぬあーっ! ふんっ
(亡霊たちの笑い声)
来い 亡者ども
(亡霊たちの笑い声)
たとえ お前たちが 我が身を引き裂き―
肉を食らおうとも…
うあーっ!
俺は死なんぞ
天下をこの手にするまでは―
死んでたまるかー! たあーっ!
(曹操)ああっ ハァ…
ハァ… ハァ… ハァ…
(足音)
(医師)おおっ 丞相(じょうしょう)! お気がつかれましたか
俺は生きているのか
(医師)おい! 丞相様が… 丞相様がー!
丞相様が 生きておられるぞー! (兵士たちの歓声)
(兵士たちの歓声)
天が俺をよみがえらせたのか
ならば この俺に 天下を取れということか?
フフフフ…
ハハハ… ハハハハ…
ハハハハ…!
(関羽(かんう))我ら 天に誓う
(張飛(ちょうひ)) 我ら 生まれた日は違えども…
(劉備(りゅうび))死す時は 同じ日 同じ時を願わん!
(ナレーション)西暦207年 中国
桃園(とうえん)で義兄弟の誓いを結んだ 劉備 関羽 張飛は―
乱れた世を正さんと 立ち上がる
そして劉備の熱き志に打たれた 天才軍師 孔明(こうめい)が生死を共にする
一方 魏(ぎ)の曹操は 天下統一の野望に燃え―
侵略を繰り返し その勢力を伸ばしていた
劉備は 呉(ご)の孫権(そんけん)と 同盟を結び―
赤壁(せきへき)で 曹操軍を迎え撃った
天下を懸けての 戦いは―
孔明の軍略で 曹操軍が破れ―
平和が戻ったかに見えた
しかし…
♪~
(孔明) 流星雨が降るは不吉の兆し
再び この世は乱れる
~♪
(劉備)はっ!
(野盗)待てー!
(野盗たちの怒声)
(張飛)よっと とりゃーっ!
(野盗たち)うおおっ!
(一同の争う声)
(野盗)やーっ!
(一同の争う声)
(馬のいななき)
(首領)貴様には何の恨みもないが 死んでもらう!
てやーっ!
追え!
(首領)でやーっ! くっ! (劉備)んっ
(劉備)なっ…
賞金首もらったー!
(首領)ぐあっ (劉備)うっ
劉備!
(張飛)どけどけー! (野盗たち)おらーっ!
(首領)ええいっ (劉備)ううっ
(首領)とりゃあ!
ふんっ
あっ ううう…
劉備 こいつは俺に任せろ!
(張飛)そりゃ! (首領)ううっ くっ
よーしっと… ヘヘッ
俺の一撃 はね返したのは 関羽ぐらいのもんだったぜ
かあーっ!
うっ… ううっ さすがは張飛翼徳(よくとく)
ウワサどおりの腕だ
貴様 名前は?
今は野盗の首領 名などない!
(首領)てえーい! (張飛)やーっ!
(野盗)たあーっ! (劉備)んっ
(野盗)わーっ (野盗)ぬあっ
(劉備)ううっ! (野盗)おおおっ
(美蝉(びせん))劉備玄徳(げんとく) 黄金100斤の賞金首
ハッ ううっ
うっ
はっ!
(美蝉)はーっ! (劉備)うっ
(美蝉)うっ (劉備)ええいっ
(劉備)ううっ (美蝉)ああっ
(劉備)ハッ (美蝉)くうっ…
(美蝉)ううっ (劉備)命を粗末にするな!
(美蝉)あっ
はっ!
はあっ! とうっ
(首領)んんっ でやーっ! (張飛)ぐわっ!
やるな 野盗にしとくのは もったいねえぜ
(野盗たちのざわめき)
(野盗たちのざわめき)
ハッ! ん?
(野盗たちのざわめき)
(野盗たちのざわめき)
ん?
(野盗)おおっ (野盗)何だ 何だ?
ハッ 関羽!
(兵士たちの叫び声)
(野盗たちの騒ぎ声)
チッ よけいな邪魔が!
ひけい! ひけーい!
痛い目に遭わずに済んだようだな!
力を過信すると 思わぬ失態を招くもの
気をつけられい
このー! 貴様のほうこそ 野盗のまま野たれ死ぬな!
(美蝉)はっ! (首領)よっ
(関羽)ヤツら何者なんだ
戦乱で飢えた あわれなオオカミたち
何? 曹操が?
天空の星の乱れは―
曹操の天命が 尽きていないことを告げています
(張飛)クソ ヤツは やはり生きてやがったのか
(関羽)劉備の首に懸かった賞金も 恐らく曹操が…
やがて 戦乱の嵐が吹き荒れるでしょう
(孔明)魏の国には曹操 呉の国には孫権
共に天下を狙う双方の戦力は ほぼ互角
それに比べ劉璋(りゅうしょう)が治める蜀(しょく)の国は あまりにも弱体
もし どちらかが 蜀を制圧すれば―
勢力は一挙に拡大し 天下統一ができましょう
蜀の国… 長江(ちょうこう)千里の流れの起こる所
西北の奥域
これからは互いに蜀を取るために しのぎを削るに違いありません
この戦 長引くな
戦が長引けば長引くほど―
国土が荒れ 多くの罪もない人々が死んでいく
孔明 戦を食い止める策は?
天下三分の計
(関羽)三分の計?
(孔明)蜀の国が 魏や呉と同等の戦力を持てば―
3国は互いに けん制し合い 無益な戦が避けられます
劉備 あなたが蜀を治めるのです
俺が蜀を?
(張飛)ええ? (関羽)んん?
(孔明)そのためには―
蜀への入り口となる 荊州(けいしゅう)を取り戻さねばなりません
荊州は俺たちの土地だ
必ず奪い返す!
(笛の演奏)
(麗花(れいか))ハッ! ふっ
(周瑜(しゅうゆ))えいっ ふんっ!
(麗花)ふっ
周瑜殿!
さすがは姫 お見事です!
あ… いつ城へ?
美しい笛の音に誘われて たった今
フフッ 相変わらずね
顔色がすぐれませんが お加減でも?
いや 青き月の光の いたずらでしょう
それならいいのですが
(周瑜)この周瑜 君命により しばし旅に出ることになりました
(麗花)兄上の命で?
(周瑜)夏口(かこう)に入ります
ハッ… 劉備殿のもとへ?
あ…
姫 しばしの別れに 笛を聴かせてください
(笛の演奏)
(麗花)フフフフ… 周瑜のお嫁さんになってあげる
(周瑜)姫のような じゃじゃ馬は お断りです
ううっ…
(周瑜のせきこみ)
(劉備)曹操が暴虐を行えば 俺は情けを尽くし―
曹操が人を欺けば 俺は誠を第一とする
乱れのない新たな時代を創る!
(笛の演奏)
(孔明)呉の国に その人ありといわれる周瑜公瑾(こうきん)殿
このへんぴな夏口の城まで ようこそ
(領民) 呉の軍師 周瑜様じゃそうな
(領民)また戦が始まるのかのう
(劉備)数多くの土産の品 痛み入ります
(周瑜)いや 赤壁の戦いに対し 呉公も麗花姫様も褒美のつもり
気にせぬようにと
(張飛)褒美だと! この… (関羽)張飛!
もっとも こんな品々よりも―
難民の食糧のほうが よかったかもしれぬが
ありがたく頂戴しよう
今後も共に手を携え 平和のために励みたい
(周瑜)今 荊州城には―
曹操軍の猛将 曹仁(そうじん)が 陣を張っていると聞き及んでいる
我が軍が落としてやってもよいが
(関羽)いや それには及ばぬ
荊州は 我々の手で取り返す
失礼だが 今のお手前方の戦力では無理だ
な… 何だと てめえ バカにしやがって
一体 何のつもりで ここに来たんだ この野郎
(周瑜) 呉の国士 孫権の意思をお伝えする
今は戦国の時代
強い者が勝ち 領土を拡大する
力こそが正義
よって荊州は 呉の力をもって攻め取り―
呉の領土とする
(劉備)あ… あ…
ご異存は ありますまいな
(兵士たちの争う声)
(兵士)うおおっ
(兵士たちのうめき声)
ひるむな! 一気に攻め落とせ!
(兵士たちの叫び声)
(兵士)うわっ
(兵士)おおっ (兵士たち)うわあっ
ええいっ… うりゃ でやーっ!
はあっ!
(兵士たち)はーっ! (周瑜)うっ
(兵士)周瑜 覚悟ー! (周瑜)ええいっ
(周瑜)ふんっ (兵士)うおーっ
(兵士たち)わあっ!
(華陀(かだ)) あなたの お命は長くて1年
(周瑜) 1年… 華陀 本当なのか?
(華陀)残り少ない日々 悔いのなきように
うう…
(華陀)惜しいかな 若き命
惜しいかな そのたぐいまれなる才気
(周瑜)うっ… うう…
(兵士)だあーっ! (周瑜)ハッ
(兵士)うあっ (周瑜)ええいっ!
(兵士)うあーっ!
(曹仁) 呉の大軍はハエか蛾(が)か
城の周りをブンブン 飛び回るだけなら―
早々に呉に帰るがよい!
ハハハハ…
孔明が軍師なら 私もまた呉の軍師
負けはせぬ!
(武将)曹仁様! 呉の兵は この長雨に体も冷えきり―
戦意も喪失しているに 違いありません
(武将) 我らに出撃のお許しを!
よし!
こざかしい周瑜に 一泡吹かせてやれ!
(兵士たちの叫び声)
(兵士たちの叫び声)
(武将)出撃ー!
(兵士たちの叫び声)
(武将) このまま一気に蹴散らせ!
(兵士たちの叫び声)
(武将) な… 何だ? 誰もいないぞ
(武将)しまった! ひけーっ!
(兵士たちの悲鳴)
うっ 水攻めか
(兵士たちの悲鳴)
総攻撃! 水の勢いに乗じ攻め込めー!
(兵士たちの叫び声)
(周瑜)おおっ?
うおっ… ああっ
(魯粛(ろしゅく))周瑜殿!
(周瑜)ううっ
ううっ ああっ うああ…
(黄忠(こうちゅう))んんっ! (兵士たち)うわーっ!
(黄忠)うあああっ!
(兵士たち)ぐわっ
よーし 敵は浮き足だっているぞ!
黄忠に続けー!
(兵士たちの叫び声)
(兵士)たあーっ!
(黄忠)ふんっ! (兵士)ぐああっ
(周瑜)うっ… う…
(魯粛)ひけ! 全軍退却!
(兵士たちの悲鳴)
(曹仁)でえーっ! (兵士)うわっ
(曹仁)逃がすな! 周瑜の首を上げろー!
うあっ ああっ
(兵士)いたぞ! 周瑜だ!
(兵士たち)はあーっ!
もはや これまでか
魯粛 俺に構うな 行け!
(兵士たち)でやーっ
(兵士)逃すな! (兵士)それー!
ううっ…
うっ…
(的盧(てきろ)のいななき)
ああっ…
(関羽)たあーっ! (張飛)たあーっ!
とりゃーっ!
(兵士)やあーっ!
うおおおっ
うあーっ! ふんっ
(張飛)おりゃーっ! おいっ!
(劉備)ええいっ! ふんっ でやっ!
(周瑜)劉備…
(魯粛)周瑜殿 周瑜殿ー!
(兵士たちの叫び声)
(兵士)たあーっ!
(一同の争う声)
(兵士たち)どああっ…
(武将) 曹仁様 いったん城へ戻り態勢を
おのれ 劉備!
ううっ… 引き揚げろー! 城へ戻れー!
(兵士たち)わーっ
ひけだと?
敵に後ろを見せろというのか!
黄忠殿とお見受けする
(黄忠)関羽殿か
相手にとって不足なし
(黄忠)いざ! (関羽)おおっ!
(黄忠)おりゃーっ!
うりゃーっ!
(2人の争う声)
あっ 何だ? あの旗は…
き… 貴様 孔明!
(孔明)曹操軍の大将 曹仁将軍に申し上げる
荊州城はお返しいただいた 早々に立ち去られい!
おのれ… うう…
(兵士たちの叫び声)
ああっ
(兵士たち)おおっ… うわあっ
(2人の争う声)
(黄忠)うっ おりゃーっ!
ハァ…
ウワサにたがわぬ強さ 恐れ入った
老いたりといえど まだまだ この首 渡すわけにはいかぬぞ!
(黄忠)くあーっ! (関羽)うおーっ!
(黄忠)いやあ! (関羽)うっ!
(劉備)いやあっ! (曹仁)うっ!
ぐあああっ…
(兵士たちの悲鳴)
(張飛)ハハハ… 勝ったぞ!
(張飛)ハハハ… 勝ったぞ!
(兵士たちの歓声)
(兵士たちの歓声)
(兵士たちの歓声)
曹操軍を打ち破ったぞ
勝ちどきだー!
(兵士たち)エイエイオー!
エイエイオー!
んっ ええい!
(黄忠)うおっ… あっ
うわあああっ
斬れ!
わしは辞世の句などは詠まん
私などが黄忠殿の首を取るには まだまだ未熟
(黄忠)うん?
(領民)それっ… (領民)うっ
(領民)ほれほれほれ
(張飛)うっ…
よいしょっ ううっ
んっ… んっ
(鈴明(りんめい))あっ
(関羽)ううっ… ふんっ
ああっ
ふんっ… ふんっ
(劉備)ふっ… んんっ…
(劉備)ん? (チョウ)ううっ…
曹操も孫権も この荊州を狙ってるつうに―
その殿様が刀の代わりに―
クワを持って土いじりかね
国を造るのは刀ではない このクワだ
そんなもんだかね~
(劉備)待て 名は何という?
(チョウ)チョウですだ
見事に作っているが その身のこなし…
だ~っ! いや にらまねえでくだしぇ~
いや 困ったな
でえ~っ おお~っ!
お頭 今なら劉備玄徳の首は 簡単に取れるよ
んっ
んんっ
どうしたんだよ?
今日は やめる
えっ…
お… お頭!
お頭~!
関羽様 どうして戦ばかりあるの?
愚かな人が多いからだろう
関羽様も?
(関羽)ん?
武将は皆 愚か者かもしれんな
(領民)野盗が襲ってきたぞ~! (一同)え?
(人々の悲鳴)
(一同)うわああっ!
(人々の悲鳴)
ああ? あいつら また来たか
今度こそ容赦しねえぜ
たたき切ってやる
ここは一歩たりと通さねえ!
(首領)張飛殿
ちょ… 張飛殿?
我ら 今日をかぎり盗賊をやめた
(張飛)何?
(子竜(しりゅう))俺の名は趙雲(ちょううん)子竜
故あって盗賊となっていたが―
かねてより優れた武将のもとで 働きたいと思っていた
劉備玄徳殿に お取り次ぎ願いたい
ケッ! いまさら ふざけたこと言うんじゃねえや!
張飛殿 このとおりだ
民のためにクワを振るう劉備殿に 心を打たれた
ぜひ部下にしていただきたい
んんっ?
ダメだダメだ! 命を狙っておきながら―
そんな世まい言が 通じると思ってんのか!
帰れ! 帰れ帰れ!
やい 張飛!
お頭が こうやって頼んでんだ!
取り次ぎぐらいしろ!
小娘!
命が惜しかったら さっさと立ち去れ!
(劉備)やめろ 張飛
申し入れ 喜んで受け入れよう
あっ ああ…
ハッ 劉備も甘えなあ
(孔明)国を思うひたむきな心に 人が集まるのです
そんなもんかねえ
(孫権) 何? 劉備を暗殺?
はっ
(孫権)どのようにして 劉備を殺すというのだ
姫との結婚を餌に おびき出します
麗花との結婚?
周瑜! 私に ひきょう者になれというのか!
荊州を取ろうとすれば―
おびただしい軍費と兵力を 使わねばなりません
しかし偽って婚礼と称し 劉備を呼び入れて殺せば―
荊州は簡単に 呉のものとなりましょう
(孫権)うーん…
んっ
(周瑜)えいっ (チョウ)おおっ
さて どう転がっていくか―
もうしばらく様子を見てからでも 遅くはなさそうだな
ヒヒ…
よおっ… 痛た…
わあ… フフッ
呉の国より使者が参りました
(関羽)今度は何と?
麗花姫様とのご婚礼の話です
えっ!
劉備 よしたほうがいい
あの姫じゃ尻に敷かれるぜ ん?
和平ということだろうか?
(孔明)ならば よいのですが…
(関羽)何か不安でも?
(孔明)この話 恐らく周瑜殿が…
しかし 今やあなたも一国一城のあるじ
妻をめとられても よいと思います
速やかにお引き受けして 呉の国へ参り―
ご結婚を なさるべきでございましょう
北は曹操を防ぎ 東は孫権と和す
これをやり遂げねば 荊州は危のうございます
(呉国太(ごこくたい)) 権 勝手なマネは許しません
(孫権)しかし母君 このことは すでにもう…
(呉国太)いいえ
劉備玄徳を甘露寺(かんろじ)へ お連れなさい
麗花にふさわしい男かどうか 私が調べます
(呉国太)よろしいですね? (孫権)は… はい
困った母君だ
兄上 信じてもよろしいのですね?
(孫権)ん?
劉備様とわたくしとの結婚
兄上も喜んでくださるのですね?
な… 何を言う
当然のことではないか 麗花
何やら城内の一部に 不穏な動きが感じられます
もしや兄上のご命令では?
(孫権)よけいな心配をするな
お前は黙って 花嫁の支度をしていればよいのだ
お頭 とんだ大役を 引き受けちまったね
美蝉 その“お頭”というのは もう やめるんだ
フッ へーい お頭! アハハッ
静かだね
気に入らんな
何もかもが息を殺しているようだ
温和にして へつらわず―
漂う その気品と威厳 気に入りました
ああ…
劉備殿 麗花を頼みますぞ
(劉備)はい
(呉国太) 堅苦しいあいさつは抜きです
ゆっくり おくつろぎください
あ…
(劉備)姫…
(麗花)劉備様…
お久しゅうございます
(楽器の演奏)
♪~
~♪
我が姫君と劉備殿の婚礼の儀 相整いしこと めでたく―
この周瑜 剣の舞をなして 祝いの席に供え奉る
(太鼓の音)
古来より 剣舞には必ず 相手が立つと聞き及んでおります
武骨ながら この趙雲子竜 周瑜殿に お相手いたそう
(太鼓の音)
おやめなさい!
(周瑜)はっ
(呉国太) 心を許した婚礼のうたげに―
殺伐たる剣の舞は不要です
(呉国太)お下がりなさい (周瑜)あ… はっ
あくまでも正体がバレぬよう 賊が襲ったように見せかけるのだ
(美蝉)ハァ ハァ… お頭 来るよ
ハッ!
(女性たち)キャーッ!
(人々のざわめき)
(劉備)あ…
(子竜)ええい! (刺客)うっ
(子竜)ふっ! (刺客たち)ううっ
ふっ!
(子竜)ええい! (刺客)ううっ
(劉備)ハッ
(劉備)ええい! (刺客)おおっ
何事です! この騒ぎは
(孫権)母上 こちらへ
ふんっ ふんっ! ええい!
(刺客たち)ううっ! ぐおおっ!
俺の歩む道は戦乱に明け暮れる
平和な呉を離れることを 悔やむかもしれぬぞ
(麗花) こよいより麗花は あなたの妻
共に歩みとうございます
(美蝉)はっ! (刺客)ぐうっ
気分出してる時じゃ ないんだから!
(子竜)ハァ ハァ ハァ…
ふんっ たあっ!
ええい クソッ
(美蝉)はっ!
うりゃあ!
(子竜)うっ… ええいっ! (刺客たち)うおっ
美蝉! 馬を探せ!
(周瑜) すべての水路 陸路を塞げ!
長江を渡してはならん!
追え! 劉備をたたき切れ!
(周瑜のせきこみ)
ハァ…
(周瑜)まだ死ねぬ!
(子竜)んっ! しまった!
(美蝉)船が… 燃えてる!
どうする? これじゃ帰れないよ!
周瑜は どうあっても 生きて帰さぬつもりらしい
(刺客たちの叫び声)
(美蝉)うわ… うじゃうじゃ来た ヤバいよ こりゃ
こんな時に何 見てんだよ!
“危険が迫った時に開けよ” そう軍師が申されたんだ
(劉備)孔明は何と?
東南に向けて走れとあります
うん
(刺客)あっ! うおおっ
(子竜)てえいっ! (刺客)ぐあっ
えいっ
(美蝉)お姫様! 早く!
(麗花)ええい! (刺客)うおおっ
は~ 強えんじゃないの
(刺客)ふんっ とうっ (子竜)ええい! ああっ!
(刺客)ぐあっ
ええい この先は行き止まりだ!
(子竜)ああっ (美蝉)ハッ
(劉備)ああっ
(美蝉)お頭… 猫の子1匹 いやしないよ
軍師が指示したのは ここのはずだが
どうすんだよ!
こんなとこで追っ手に囲まれたら ひとたまりもないじゃないか!
こんなとこで追っ手に囲まれたら ひとたまりもないじゃないか!
(馬のいななき)
(馬のいななき)
(馬のいななき)
ハッ! 来た!
(馬の駆ける音)
これまでだな
死に場所は心得ております
ヤツらは もはや袋のネズミだ! 劉備の命 もらった!
(劉備)ハッ
ああっ?
(兵士たち)ああ…
ええい…
(兵士たち)ああ…
チッ… 孔明
聞かれい すでに荊州は一国を成した
一国が一国を謀るもよし 攻めるもよし
だが美人をもって 人を釣るような策は―
あまりにも下策
う… う… ううっ…
(孔明)再び このような策は 弄することのなきよう願いたい
(孔明)周瑜殿 お見送りご苦労!
人生とは無情だ
天は この周瑜を 地上に生まれさせながら―
何故 孔明まで生まれさせたのだ
うおおっ…
あ… ああ…
あ… あ… ああ…
(ドラの音)
(人々の悲鳴)
(張松(ちょうしょう))蜀の国の大守 劉璋の使者―
張松と申す!
劉備玄徳殿に願いの儀あって 参上した!
ハッ?
ヒャヒャ… しばらくぶりだね! 懐かしいだよ!
(張松) 魏の曹操が天下統一をもくろみ―
我が国へ進軍を開始
それを阻止せんと戦った 我が軍は ことごとく敗れ―
このままでは 曹操軍に制圧されるは必定
何とぞ蜀の国をお守りくだされ
張松殿
魏と対抗するには 我々は あまりにも非力
なぜ呉の国へ援助を求めぬ?
蜀の国を守り 領民の平和を 安心して任せられるお人は―
劉備殿をおいて ほかにござらん
やろうぜ 劉備 今度こそ曹操と決着をつけてやる
天の時と申すのがございます
今が その時かと
うん
曹操の野望を砕き 天下に大義を示す
蜀の大守 劉璋殿の申し出 喜んでお受けする
(張松)かたじけない!
(張飛)道は遠く険しいぞ! 足ごしらえをしっかりしろ!
孫権にとって この荊州は蜀への入り口
どうしても欲しいはず
機会あらばと狙っているでしょう
関羽殿 荊州城の守り 頼みましたぞ
心得た たとえ死すとも この城は守ってみせる
一国の大事をつかさどる者が―
軽々しく死ぬなどと 申してはなりません
ああ…
命を粗末にしないでください
関羽! 留守番 頼むぜ
蜀へ入ったら お前の分も暴れてやるから!
(関羽) 張飛! 生きてまた会おうぞ
ハハハッ… 俺は不死身だ 心配するなって
わたくしも一緒に参ります
天下を分ける この戦 お役に立ちたいのです
(劉備)ならぬ
ここに残り―
俺が初めて持った この城を しっかり守ってくれ
武家に生まれ 戦の中で育ちながら 怖いのです
再び会えないのではと…
麗花
これを わたくしと思って
(麗花)ああっ…
劉備だと?
(仲達(ちゅうたつ))ひそかに放った者の 報告によれば―
劉備以下 精鋭が出陣したとのこと
やはり蜀は劉備に援軍を頼んだか
で 荊州城は?
関羽が残り 守っております
(夏侯淵(かこうえん)) 何 関羽だと?
いかにも
丞相 関羽は兄 夏侯惇(かこうとん)の敵(かたき)!某を荊州へ!
待て 夏侯淵
関羽は優れた武将だ
たやすくは攻められん
丞相 ここは一つ 関羽のいる荊州城を―
孫権に襲わせましょう
孫権に?
仲達 何か策があるのか?
2匹の虎を争わせ 共に傷ついたところをしとめます
名付けて“二虎競食(にこきょうしょく)の計”
フッフフフ… 悪来(あくらい) 典韋(てんい)! いるか?
(典韋)ここに!
(仲達)お前に一役買ってもらう
はっ!
フフッ
周瑜 しっかりしろ 周瑜! 周瑜!
(周瑜)あ… ああ…
孔明は恐ろしき男
いつかは呉に災いを…
分かった もう話すでない
あ… 荊州を… 荊州を我が君の手で…
う… ああっ
あ…
周瑜
(女性たち)オホホホ…
出て行け 1人になりたい
(足音)
(曹操)于禁(うきん)
(于禁)ハッ うわあっ!
(干禁)曹操様ー!
(于禁)曹操様
曹操様…
于禁!
(笛の演奏)
(笛の演奏)
(于禁)曹操様…
(笛の演奏)
于禁!
于禁 于禁! どこにいる!
んっ?
誰だ!
ん?
ハッ
曹操!
(曹操)フッ…
俺の行く手を阻むのは常にお前か
曹操
広大な魏を治め 富貴も思いのままだろうに―
なぜ蜀まで取ろうとするのか!
(曹操)俺の生まれは北の果て
大地はいてつき 訪れる春は短い
人は やせた土地にすがり 細々と暮らす
だが たび重なる戦が わずかな穀物をも奪い―
侵略者は殺りくを繰り返し―
ささやかな生きる望みさえも断つ
俺は幼き日に誓った
いつか必ず緑豊かな大地を 手に入れようとな
今度は 自分が侵略者になろうというのか!
劉備 この髪を見るがいい!
俺には侵略者の血が流れている
母は侵略者にもてあそばれ―
髪の色が違う子を産んで死んだ
そんな俺が どのような生き方をしてきたか―
今はもう思い出したくもない
笛の音に惑わされ 不思議な夢を見た
劉備 俺が語ったことを すべて忘れてもらおう
やあっ!
(曹操)あーっ! (劉備)やーっ!
ふっ
うおっ!
(2人の争う声)
(劉備)んんっ
(曹操)んんっ あーっ! (劉備)ううっ
ええい ふんっ
やあっ!
(張飛たちの騒ぎ声)
ハッ
(曹操)邪魔が入ったようだな
(張飛)どこにいるー!
曹操! 必ず貴様を討ち 国の政道を正してみせる
俺は今まで 敵を力でねじ伏せてきた
誰であろうと容赦はせん 覚えておくがいい
ハハハハ…!
(劉備)ハッ… 麗花!
ハッ
(関羽)何 麦城(ばくじょう)が?
(使者)曹操軍が田畑を荒らし 家を次々と焼き払い…
(関羽)ハァ… (麗花)関羽殿! すぐに麦城へ
(関羽)いや しかし…
何をためらっているのです!
麦城には わずかな兵しかいないのです
あなたが行かねば
“いかなることがあろうと―”
“この城を離れてはならぬ”と 軍師殿に
(麗花)でも敵は少数
城を離れるのは わずかな日数で済みましょう
(関羽)ですが奥方様を残して 離れるわけにはまいりません
(麗花)心配は無用です
今 ここには 敵らしき姿は見当たりません
関羽殿 ご出陣を!
分かりました
曹操軍を蹴散らし すぐに戻ってまいります
頼みます
(武将)関羽が城を出ましたぞ! 残るは わずかの兵
(魯粛)またとない好機
今 一気に攻め入れば 荊州は我が手に!
(孫権)うむ
出撃! 荊州城を落とせー!
(兵士たちの叫び声)
(カラスの鳴き声)
(兵士たちの叫び声)
(人々の悲鳴)
(麗花)兄上…
(兵士)奥方様 お逃げください
孫権軍は多勢 持ちこたえられません
いえ 我が夫から預かったこの城 渡すわけにはいきません
(兵士たちの叫び声)
(兵士たちのうめき声)
(兵士)うわあっ
(兵士たちの争う声)
(武将)おらあっ! うわっ
(武将)うわっ ああっ
(兵士たちの争う声)
(武将)おおっ… たあっ
(兵士たち)おわっ (武将)ええい
(武将)ひ… 姫 (麗花)ひきなさい!
敵なれど元は家臣 斬りたくはない!
くうっ… ええい! たとえ姫だろうと構わん! やれ!
(兵士たち)たあーっ!
くっ… ふっ
(麗花)ううっ!
ぐあっ… ううっ
(兵士たち)やーっ! (兵士)ぐあっ
(麗花)ふっ! はっ! (兵士)うわあっ
ハッ
(孫権)麗花ー! どこだ! うわっ
うっ… 麗花!
母上が待っている 呉の国へ帰れ!
(麗花)帰る国はありません!
兄上―
江東81州を治めながら まだ荊州をお望みですか
国家の大事! お前には分からん!
ハァ… 分かりません!
人の道を外してまで… 何のための国なのですか!
(孫権)うわ… あっ!
わーっ とうっ たあっ!
たあっ!
(典韋)ううっ ああーっ!
ううっ
(兵士たち)たあーっ!
(関羽)ううっ… (兵士たち)ああーっ!
(典韋)たあっ! (関羽)あっ
ううっ… お… おおっ
フッ… 引き揚げろー!
(兵士たち)うわああっ!
ああっ… 典韋! 逃げるとは ひきょうだぞ!
(典韋)ハハハッ…
ひきょうも戦法のうち! 俺は単なるおとりだ!
おとりだと?
関羽! 手裏剣には トリカブトの毒が塗ってある
早く手当てをしないと死ぬぞ
ハハハ…
聞け! 劉備と私は―
しょせん いつかは 戦わねばならぬ運命にあったのだ
(麗花)いいえ 兄上が襲いさえしなければ―
戦いなど好む方ではありません!
(孫権)今は何も言うな! 黙って呉へ戻れ!
わたくしは劉備玄徳の妻です!
ああ… うっ… うっ
あ… ああ…
ああ…
(馬の駆ける音)
どうどう どどどう どーう
(兵士たち)おお… (兵士)燃えているぞ
(兵士)荊州城の方向だ (兵士)関羽様!
くっ…
(孫権)麗花ー! (魯粛)危のうございます
麗花! 麗花ー!
(孫権)わあっ
劉備…
(劉備)麗花! 麗花ー!
ハッ…
ハッ… 劉備!
(鈴明)ハァ ハァ ハァ…
あっ 鈴明!
ハァ ハァ… 関羽様ー!
あっ… 鈴明! どうした
(鈴明の荒い息)
お城が… お城が…!
早く麗花様を助けて!
(鈴明の泣き声)
(馬の駆ける音と孫権軍の怒声)
(鈴明)あ… ああっ
(兵士たちの叫び声)
いいか 鈴明 しっかりつかまっとれ
(兵士たち)おらーっ!
おのれ 許せん!
(兵士)うあーっ!
どけーっ!
(兵士たちの争う声)
(関羽)ええい (兵士)うあーっ
(関羽)突破しろー! (兵士たち)うわあっ
あっ…
(武将)うおりゃー!
うっ! あああ…
あああ…
(鈴明)関羽様! 関羽様!
(関羽)ああっ…
(兵士たち)たあーっ!
(関羽)うっ… 毒が回ったか…
(武将)うあああっ! (武将)たあーっ!
(関羽)ええい! (武将たち)うわっ
(関羽)うあっ! (武将)うわっ
ハァ… うおおっ… おお…
(黄忠)ひゃーっ! くあーっ!
(兵士たち)ぐあっ
(兵士)ハッ (兵士)ハッ!
(兵士)ぬあーっ!
(兵士)うあーっ (黄忠)うりゃあ!
(兵士)うっ! うあーっ! (関羽)黄忠殿!
(黄忠)どーう… 関羽殿!
荊州城は落ちましたぞ
何ですと? で 奥方様は?
あああっ… くっ…
(黄忠)ハハハハ…
たくさん おるのう 大げさなことよ
黄忠殿 あなたは何故…
関羽殿から預かった 我が命 お返ししようと思ってな
生涯で一度 よき友を得たことを うれしく思う
黄忠殿…
いざ 死出への道 先陣つかまつる!
おりゃーっ!
(馬のいななき)
(関羽)うっ… (鈴明)関羽様
鈴明 蜀へ行け! 劉備のもとへ
嫌! 関羽様と一緒でなければ嫌だ!
鈴明! 行くんだ
関羽様を置いては行けない
く… ああ…
ああ…
赤兎馬(せきとば) 鈴明を連れて蜀まで走れ!
赤兎馬!
行け!
走れ 赤兎馬! 走れー!
関羽様! 死んじゃ嫌だー!
関羽! 赤壁で貴様に殺された 夏侯惇の弟 夏侯淵だ!
兄の敵(かたき) 覚悟ー!
(関羽)ハァ ハァ…
とりゃあー!
うう…
はあーっ!
(夏侯淵)ぐあっ (関羽)うあっ
くっ…
(関羽)ハッ… ああ… うっ…
フフッ 関羽 死ねい!
(夏侯淵)だあっ! (関羽)あっ…
(関羽)ハァ ハァ…
ううっ… う…
劉備 張飛 我らが夢 必ず成し遂げてくれ
ううああーっ!
うっ!
この山を越えれば蜀の国
(劉璋)あああ… すごい数じゃ
あ… 劉備殿―
あの曹操軍に 我らが戦力で 迎え撃とうというのか?
劉璋殿 戦力が劣っているのは 初めから分かっていることです
バカな! 勝てるわけがない!
ああ~ どうしよう どうしたらいいんじゃ
ああっ 寒い! この寒さは耐えられん
へえ… 冷えると思ったら雪だぜ
(張松) 曹操軍の兵士たちは北国育ち
それに比べ 我が軍は寒さに弱い
ここは後退したほうがよいのでは?
なりません
ここを明け渡すのは 蜀の国を取られたも同じこと
どうあっても 食い止めねばなりません
(張飛)そうとも! ひくなんざ俺の性に合わねえ
(子竜)しかし この寒さと敵の数 どうやって…
(張飛)そ… そんなことは 軍師が考えてるんだよ
なあ 孔明?
孔明 何か策が?
この寒さ むしろ 我らに勝利を呼ぶ 天の恵み
この山に巨大な城を築きます
城?
こんな険しい所に?
(張飛)できっこねえよ (張松)孔明殿―
ここの土は崩れやすい
土塁はおろか 城など とても造れはしません
城は 土だけで 造るのではありません
私が築くのは氷の城
(兵士たちの力み声)
(子竜)おい 美蝉!
みんな働いてるんだ お前もこっちへ来て手伝わんか
(美蝉)やだね! 力仕事は お呼びじゃないよ
(兵士たち)そらっ それっ それっ
なるほど さすが孔明殿 見事な策
この張松など足元にも及ばぬ
(兵士たちの掛け声)
グズグズするな! 雪がやめば曹操軍が攻めてくるぞ!
赤兎馬!
(兵士)赤兎馬だぞ! (兵士)関羽様の馬だ!
(兵士たちのどよめき)
ハッ 鈴明! どうした 鈴明!
あ… う… くっ…
(張飛)火をたけ! 湯を沸かせ!
(赤兎馬のいななき)
麗花様を助けて… 早く… 早く…
(張飛)信じたくない… 何かの間違いだ
(鈴明) 関羽様! 死んじゃ嫌だ!
関羽様! 死んじゃ嫌だ!
鈴明を… 独りぼっちにしないで
うっ…
ちくしょう… ちくしょう!
(孔明)天は無慈悲ですぞ
ハァ…
(孔明) 劉備 人の生死は天命によるもの
人の力では どうすることもできん
今こそ悲しみを乗り越え 命を燃やす時
ああ…
(関羽)平和な国を作ろうと誓った 我らが夢 果たしてくれ!
(麗花) たとえ離ればなれでいようとも―
心はいつも一緒です
(劉備) 見ていてくれ 関羽 麗花!
(兵士たちの叫び声)
(武将)おおっ 何だ あれは? (武将)城だ!
(兵士たちのざわめき)
(仲達)何ということだ たった一夜にして城を築くとは!
おのれ 孔明! またしても小細工を!
氷の城など こけおどしだ
進め! 我が軍の力を 思い知らせてやれ!
(兵士たちの叫び声)
撃てー!
(曹操軍の悲鳴)
(兵士たち)どわあっ!
(武将)うわあっ!
(兵士たち)うわっ うわあっ!
行け ひるむな! 逃げる者は斬る!
関羽の弔い合戦だ 行くぞ 赤兎馬
関羽の弔い合戦だ 行くぞ 赤兎馬
(いななき)
(いななき)
(いななき)
(張飛)とりゃあー!
(張飛)とりゃあー!
待て 張飛! そんなことをして―
関羽が喜ぶとでも 思っているのか!
(張飛)分かってる!
分かってるけど どうしようもねえ!
俺の血が暴れまくって 止まりゃしねえんだ!
(兵士たち)わーっ! (兵士)張飛だ
(兵士)進めー!
とりゃ! はあっ!
おりゃあ!
(兵士)おわーっ!
張飛!
(兵士たちの叫び声)
(兵士たち)おりゃあー!
(張飛)曹操孟徳(もうとく)! 関羽の敵(かたき)!
命をもらいに来た 出会えー!
張飛! よう聞け!
関羽は この典韋様が 地獄に送ってやったのよ!
く~っ!
貴様 悪来 典韋か!
死ね 張飛!
どりゃあー! たあっ!
(典韋)ぐあっ うう… おおー!
ぐおおっ!
(一同の争う声)
張飛 戻れー!
(兵士)うおーっ (子竜)ええい
(兵士)うおーっ (兵士たち)うわーっ
(曹操)たかが張飛1人! 討てる者はおらんのか!
おのれ 曹操!
(徐晃(じょこう))俺は徐晃! くらえ!
(張飛)うっ! うわっ
ああっ…
(張飛)ううっ (徐晃)いやーっ! くあーっ!
(張飛)ううっ! くうっ! (徐晃)ううっ… ああっ!
ああっ… う… 痛え…
いやっ… う… ハァ…
(兵士たち)そりゃーっ!
どりゃあ!
(兵士たちのうめき声)
(張飛)ふんっ! うりゃあ!
うりゃあ! たあーっ!
(兵士)ああ… (張飛)ハァ…
(兵士たちのどよめき)
曹操…!
張飛 死んで その名を残せ
えいっ… ああっ! うああーっ!
うおおっ! うおーっ!
(曹操)ふんっ!
んっ!
行け! どこへでも行ってしまえ!
(孔明)美蝉 (美蝉)ハッ あ…
あ…
あたいは 仲達って人に “金をやるから”って… だから…
少しだけ教えたんだ 何が悪いんだよ!
あっ
美蝉 お前ってヤツは… うっ
ううっ うっ…
戦のために親を失い…
(美蝉)うっ… (子竜)戦を憎んでいたお前が―
なぜ金のために!
子竜 やめなさい もうよい
美蝉 立ち去るがよい
(美蝉)うっ… ううっ…
ハァ ハァ… う… う…
(美蝉の泣き声)
関羽や張飛を殺したのは あたいなんだ
(美蝉の泣き声)
(兵士たち)うわっ
(兵士)おおっ うわあっ! (兵士たち)うわっ!
(兵士たち)ああーっ!
(兵士)んっ
フフッ 氷の城など しょせん何の役にも立たぬ
見事だ 仲達
さしもの孔明も 腰を抜かしておるぞ
ハハハハ…
(兵士たち)うわあ!
(劉璋)ああ…
あんな物があっては勝てぬ 勝てぬではないか!
心をお鎮めください!
大守が うろたえては 部下たちの士気が乱れます
これが落ち着いていられるか!
う… 孔明 貴様 平気な顔をしているが―
勝つ策はあるのか?
(孔明)はい (劉璋)何? どんな策だ
山を崩します
(兵士たち)うわあ!
ん… 山を崩すだと?
たわけたことを申すな!
わあっ! うっ…
(兵士たちの叫び声)
(曹操)もはや天下は俺のもの
(兵士たちの叫び声)
フッ ハハハハ…!
(兵士たちのどよめき)
(兵士たちの悲鳴)
(兵士たちの悲鳴)
(兵士たち)うわあっ!
(いななき)
劉備
孔明 後を頼む
平和のための国造り 子竜たちと力を合わせてくれ
(子竜)何ですと?
(劉備)俺は関羽と張飛の敵(かたき)を討つ
行け 的盧!
(子竜)あっ… (孔明)子竜 止めてもムダだ
(子竜)あ… (孔明)これが劉備玄徳の生き方
はあっ!
(劉備)死す時は同じ日 同じ時!
(曹操)ん?
(曹操)しゃあーっ! (劉備)うあーっ!
(曹操)たあっ! (劉備)ええい
(曹操・劉備)いやあっ!
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