All language subtitles for スカーレット 第23周 揺るぎない強さ 第137回

明日には 何もかも
分かってしまうだろうと

おしんは 思っていた｡

そのあとの たのくらや
自分の立場が どうなるか

おしんは 十分 承知していた｡

遅なった｡ ごめんごめん｡

次世代展な 残念賞でした｡
そうかぁ…｡

直子も百合子も来てたんやけどな
帰ってしもた｡

武志はアパートや｡
来ぇへんの？

話があんねん｡ 上がって下さい｡

｢涙が降れば きっと消えてしまう｣

｢揺らぐ残り火 どうかここにいて｣

｢私を創る 出会いもサヨナラも｣

｢日々 恋をして 胸を焦がしたい｣

｢いたずらな空にも
悔やんでいられない｣

｢ほら 笑うのよ
赤い太陽のように｣

｢いつの日も雨に負けるもんか｣

｢今日の日も 涙に負けるもんか｣

この前 初めてな 武志の部屋行ったで｡
たこ焼き焼いて 一緒に食べた｡

そん時 女の子がおってな｡
研究所で働いてる 石井…

真奈さん｡
そういう話？
えっ？

武志が結婚とか そういう…！

あ～ それやったら楽しかったな…｡

いやいや 楽しないで まだ若いで｡

何か 飲む？ 飲もか｡ なっ｡
えっ？

あっ おなかすいてへん？
カレー作ったんや｡

門限過ぎてるんちゃう｡

起きてたんですか｡
門限ある言うてたやん｡

今日は
芽ぐみんとこ泊まる言うといたから…｡

あ… 帰らんでええの？
ほな 泊まっていきぃや｡

えっ…｡
いや！ あ いや… あ… 送っていくわ｡

今 何時？
９時過ぎてるんちゃう？ 送っていくわ｡

あ… あ… ええです ええです そんな｡

送っていくよ 芽ぐみんとこ？
寝てて下さい｡

ええて｡
寝とき 戻って｡ ふらふらやん もう｡

戻って 戻って｡ 寝とき 寝とき｡

あ…｡
あ…｡

検査入院するんやろ｡
所長さん言うてた 聞きました｡

何や分からんけど
しっかりして下さい｡

大事にして下さい｡
ほな 失礼します｡

あっ 次世代展は
また来年 頑張りぃ｡ ほな｡

あ…｡

失礼します…｡

あの… すみません…｡

ほな… 失礼します｡

ハハ… ふぅ｡

フフフッ｡

どっこいしょ｡

ジョージ富士川先生｡

今日な
名古屋のでっかい本屋さんの店頭に

ぶわ～ 並んどった｡
へえ～｡

本 出さはったんや｡

ふ～ん｡

｢Today is my day, so I｣…｡

喜美子｡
うん？

訳した方 読んだら？
そやな｡

｢今日が私の１日なら
私は なになにだろう｣｡

右は 真っ白やねんな｡
うん｡

｢今日が君の１日なら
君と なになにだろう｣｡

いろんな１日が書いてあんねんなあ｡
うん｡

武志にあげよう思て｡
うん｡
次世代展のお祝いや｡

残念賞な｡
ああ｡ フフッ｡

イラストの色使いが
ジョージ富士川先生らしい｡

武志も気に入るんちゃうか｡
うん｡

なあ 実演会やってもろたん
覚えてるやろか｡

どやろ…｡
あの時 武志が熱出したからなあ｡

めったに熱なんか出さへんから
焦ったわあ｡

学校あがってからも
きちんと毎日行ってた｡

風邪も全然ひかへん
ほんま丈夫な子やった｡

堪忍な｡

病気になってしもた｡

丈夫や思うてた子が
病気になってしもたんよ｡

フッ なに謝ってんの？

うん？ 何や 病気て｡

武志は 誰にも言いたない言うてる｡

ほやから 武志の前では
知らんかったことにしてほしい｡

いや 本人が言いたない言うてるもんを
何で 喜美子が言うねん｡

このままやと ３年から５年や言われた｡

そういう病気や｡

慢性骨髄性白血病いう｡

たこ焼き食べた言うたやんな？

なあ？ 僕も行ったよ｡

僕も行ったって 武志のアパート｡

く… 口からな タコ飛び出すぐらい
男３人でゲッラゲラ笑て

武志もゲッラゲラ笑て…｡
ハチさん｡
よう笑てたで あいつ…

えっ？ うん？ 元気やん｡
ハチさん｡
あいつは ものすごぉ元気やん｡

元気やん！
ハチさん｡
ありえへんて｡
聞いて下さい｡

ちょっと待て ちょっと待て…｡
ハチさん！ しっかり聞いて下さい｡

聞いて下さい｡

骨髄を移植する治療法があんねん｡

その骨髄を提供してくれる
ドナーいうやつが必要なんや｡

武志と ＨＬＡいう白血球の型が
合うかどうか 検査してほしい｡

うちもやる｡ ハチさんもお願いします｡

検査…？

型が合うかどうか 調べんねん｡

型が…｡

合わへんことがあるんか｡

親は…｡

親と合う確率は１％もないらしい｡

よかったやん｡

０やない｡

ないに等しいけど 合う可能性はある｡

へえ～ こんなん お父ちゃんが｡

うん｡ 武志に渡してくれって
置いてった｡

名古屋 帰ったん？
うん 明日 仕事やからな｡

ふ～ん｡

｢今日が私の１日なら 私は…｣｡

｢今日が私の１日なら｣ 何する？

お母ちゃんやったら 何？
陶芸やな｡

つまらんなあ そればっかりやん｡
ほな 何すんねん｡

何しよかなぁ…
何や すごいことしたいな｡

ほう｡
何か…｡

お母ちゃん
なに そんな ようけお菓子持ってきて｡

俺 そんなん食べんで？
お母ちゃんのや｡

遠足かよ｡

で いつまでいるん？

川原さん｡
は～い｡
検査室へ どうぞ｡

はい｡

お母ちゃんも 一緒に行ったろか｡
ええて お菓子でも食うとけや｡

ええやん ええやん もう…｡
あっ すんません…｡

一回寝るわ｡
あっ そうしよか｡

よいしょ…｡
あっ これ預かろう｡

ああ ありがとう｡
うん｡

ああ ありがとう ありがとう｡

これ よかったら｡

ありがとうございます｡
すみません｡ ありがとうございます｡

お世話になります｡
お願いします｡

よかったな｡
かわいらしいな｡
うん｡ また食べるわ｡

後で食べる？
うん｡

翌日 喜美子は
骨髄移植のための適合検査を受けました｡

失礼します｡

じゃあ しっかり押さえといて下さい｡
はい｡

八郎も続けて受けました｡

抗がん剤の量を増やしたことで

武志は吐き気がひどくなり
食欲も落ち込んでしまいました｡

体調が安定するまで
入院を続けることになりました｡

あ… すいません｡
お待たせしました｡

病気のことは
お父さんには言いたくない｡

川原さんのところは
陶芸一家なんですよね｡

僕は 医者一家なんですよ｡

業種は違うけど

どう距離を取っていいのか
分からなくなるのは 同じかもしれない｡

時には親子で 時にはライバルで…

時には 親友にもなれる｡
ハハッ いいですね 親友｡

病気は
つらいことも たくさんありますが

泣きたくなるような すばらしい出来事も
いっぱい起きます｡

これ｡ 書いた｡

見てええの？
ええよぉ｡

あっ でも 後でな？
帰ってから見てや｡

分かった｡
うん｡

ほんでな お父ちゃんにも言うてええよ｡
えっ｡

みんなにも言うてぇや 俺のこと｡

ええの？
うん｡

会いたい｡
みんなに会いたい｡

力もらいたい｡

分かった｡

おう｡
おう｡
フフフッ｡

｢グレートトラバース３｣！

日本を代表する三百の頂｡

その全てを自らの足だけで踏破する

前代未聞の挑戦だ！

挑むのは…

登ったぞ～！

今回の舞台は 福井県の百名山 荒島岳｡