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♬~
♬「山へ行こう 次の日曜」
♬「昔みたいに 雨が降れば」
♬「川底に沈む橋越えて」
♬「胸まである 草分けて」
♬「ぐんぐん進む背中を」
♬「追いかけていた」
♬「見失わないように」
♬「抱えられて」
♬「渡った小川」
♬「今はひらり」
♬「飛び越えられる」
♬「一緒に行こうよ」
♬「‘こくわ’の実 また採ってね」
♬「かなり たよれるナビゲーターになるよ」
♬「一緒にね」
♬「いろんな話し しよう」
♬「晴れたらいいね 晴れたらいいね」
♬「晴れたらいいね」
♬~
(ゆき子)うん。
「友達を 待つテーブルに 夏の花」。
あっ。
「友達を➡
待つテーブルに➡
夏の花」。
ゆき子の短大時代の同級生が 2か月ぶりに また集まっていました。
(礼子)で 何? ゆき子 俳句習ってんの?
そう。 すっごく面白い。 刺繍は どうしたの?
やめた。 (町子)ん! 危ないなあ。
何が?いるのよ お稽古事ジプシーっていうのが。
うんうん ちょっと習っては 違うとか言っちゃって➡
次から次へと お稽古事を渡り歩く手合いね。
そ。 何一つ 物にならない。
この間もいたわよ。 ゴルフスクールやめて うちに来たの。
ひとつきで やめたわよ。 (春子)その人 今何やってんの?
日本画だって。 また すぐにやめんじゃないの?
私 そういうのって 全然理解できないわ。
ホント 自分に自信持ってる女って 意地が悪いわよね。
お稽古事 次から次へと渡り歩く女の気持ち➡
分かってあげても いいんじゃない? 私も そう思う。
ううん 私ね 分かってあげる気なんてないわよ。
そんな女 みっともないだけよ。
あら 私 みっともないと思ってないわ。 だって 自分の居場所見つけるために➡
焦って焦って いろんなこと手出すの 当然よ。
んで? 俳句が一番いいわけだ 今のところ。
今のところじゃないの。 ほかに手ぇ出す気ない。 これ一本。
信じられないね。
みのりと ひらりのお弁当箱。
俳句始めてね やっと これを捨てる気になったの。
このお弁当箱 食器戸棚を整理する度に 捨てようと思いながら➡
どうしても捨てる気になれなかったんだ。
懐かしいわけ? ううん じゃなくて。
これに 卵焼きやウインナー詰めて 娘2人に持たせて➡
私が育てたっていう証拠の品。
私が必要とされてた時代が 確かにあったんだ。
そんなもん 取っとかなくたって 娘2人が 立派な証拠じゃない。
子供は どんどん大きくなって 私の手を離れて変わっていくの。
大きくなった子供見てるとね ホントに私が育てたのかなと思うのよ。
(2人)ふ~ん。
でもね 俳句始めたら 生き方が変わったっていうか➡
ものの見方が変わったの。
虫とか風とか石ころとか ふだん 気にも留めなかったものを➡
一生懸命見ようとするじゃない? そしたらさ 世の中って➡
あ~ こんな すばらしいものに あふれてんだなって➡
初めて思ったのよ。 うん。
そしたら 過去の こういう証拠の品 取っておくのが➡
笑えちゃってさ。 アハハハハ。
俳句習ったぐらいで そんなに人生変わる?
そうよ そんな大きなこと 言わない方がいいわよ。
またジプシーやったら かっこつかないんじゃない?
私 ゆき子の言うこと分かる。 だってさ 人って➡
思いもしないもので 人生が見えたりするもんじゃない。
うん。 あと3年で50でしょ。
これから 老後の話と病気の話ばっかりに なると思うの。
でも 私 俳句があるから 前を向いて生きてられると思うのよ。
でもね 趣味って 忙しい合間にやるから ときめくんで➡
それを生活の真ん中に置いたら すぐに飽きると思うよ。
私も そう思う。 趣味ってさ 自分のためだけのもんなのよ。
だから 生きがいにならないの。 自分で満足しててもね➡
飽きるだけなのよ。
それにね お金になんないことは 生きがいにならない。
何? それ。
誤解しないでね。 お金の額を言ってるわけじゃないし➡
汚い意味じゃないの。 1円でも100円でもいいの。
他人がお金を払ってくれるっていうことは 自分が認められることなの。
認められると生きがいになるのよ。
うん それも一つの考え方だけど➡
でも もう私は 自分のためにだけ生きる。
家族への責任は果たすわよ もちろん。
でも これからは 自分のやりたいことを優先させる。
そうなるとさ 女にとって結婚って 一体何だったんだろうと思うわよね。
しなきゃしないで後悔するもんよ 今になると。
ねえ 年取ったらさ みんなで一緒に暮らすってこと➡
真剣に考えない? やめて~。
それを言い出したら 年を取った証拠よ。 そう!
年増の女って すぐ それ言い出すのよね~。
やだわ~ あんたたちに言われたくないわよ 私。
年増っていう言い方 やめよう。
♬~
(洋一)ありがとう。
この間 ゆき子にさ 「お前も根本と結婚してたら➡
また違った人生だっただろうな」 って言ったら➡
「誰としても大差ないわよ」だってさ。
(根本)フフフフフ。 ハハハハハ。
もう 根本の知ってる時代の ゆき子じゃないよ。
女は元気だよ。 ああ。
離婚したあと 5年ぐらい つきあってる女がいてな➡
再婚しようとしたんだ。 それで プロポーズしたんだよ。
うん。 俺は 毎朝➡
まな板の音で目が覚めたいって。 彼女 何て答えたと思う?
「バカ言ってんじゃないわよ。 私だって まな板の音で目が覚めたいわよ」だ。
(笑い声)
女と暮らすぐらいなら 一人でいる方が 幸せだと思ったよ つくづく。
正解だな。 結婚して25年もたつと➡
女房の気持ちの中に 亭主なんて いやしないよ。
でも いなきゃ寂しいだろ お互いに。
いや 寂しいってのは ちょっと違うな。
ほかの女にいられると 気を遣って嫌だっていうかな。
あ この前 東京駅で ばったり桐山に会ったよ。
桐山って? おお あのゼミで一緒だった 桐山八郎か。
うん。 俺 がっかりきたよ。 何で?
髪の毛はないし 姿勢は悪いし どっから見ても完璧に老人だった。
俺は こいつと同い年なんだと思ったよ。
ゆき子の弟に 43の独り者がいてな➡
いや こいつが若いんだよ。 一匹おおかみのトビ職でな。
男は 会社ってところで老けさせられるよ。
老け過ぎだよ 桐山は。 いや 俺は分かるよ。
会社でも先が見えてきて 子供が成人したりするとな➡
何だかもう 俺の人生終わりだな なんて思うことあるもんな。
フフフフフ 何言ってんだよ。 まだ48だよ。
いや でも思うんだよ。 仕事が暇だから 余計 そう思うのかもしれんが。
会社は男を老けさせるよ。
若さのためには 出世コースを降りることだな。
降りたくないな。
俺は とっくに降りた。
これからは 自分の思うとおりに生きる。
♬~
(みのり)ねえ どう? これは?
みのりの会社のパーティーは いよいよ 明日に迫りました。
みのりは 竜太とカップルで 出席できることで 舞い上がっています。
(ひらり)これ いってみよう これ。 これ いってみよう。
派手じゃないかい? いや きれい!
うん お姉ちゃん これが一番似合うよ。 ホント?
相手が便所サンダルじゃ もったいないぐらい。
ねえ まさか 竜太先生 いつもの便所サンダルで来ないよね?
まさか そこまで非常識なやつじゃないと 思うけど➡
あいつのことだから分かんないし さっき診療所に電話してみたら➡
もう終わってた。 そう ま いいわ。
それより 私 話が合うかな 竜太先生と。
そういえば お姉ちゃん 一回も ちゃんと 話 したことないんだよね。
え? そうなのよ。 うん。
大丈夫? 心配だな。
ね。 心配よね。 話の合わない人とカップルなんて➡
結構しんどいからね。 やっぱり 銀ちゃんの方がよかった?
いいのよ 竜太先生で。 銀ちゃんに はんてんで来られちゃ➡
目立っちゃってね。うん。 でも はんてんがトビの正装だから➡
天皇陛下と会う時は はんてんで いいんだってよ。
そう。 うん でも竜太先生には➡
お姉ちゃんの方が話合わせるから 大丈夫よ。
でも それって疲れるよ。 竜太先生に気遣ってたんじゃ➡
せっかくのパーティー楽しめないよ。 それは そうよね。
ね どう? このイヤリングが 一番よくない?
あ うん。 いい いい いい いい。
疲れたら お姉ちゃん ほかの人と話すし➡
竜太先生は 食べたり飲んだりしてればいいのよ。
うん。 大丈夫だよね 大人だから。
うん。 ま 私は あの人 あんまり好きでもないし➡
話も合いそうにないけど なんとかなるわよ。
何か 責任 感じちゃう。
私が 竜太先生 勝手に押しつけたから。
いいのよ! ひらりに 責任取ってもらおうなんて➡
そんなこと 全然 そんなせこいこと 全然考えてないから。
みのりのウキウキは 晴れやかなパーティーに➡
すてきなドレスを着て 出席するせいだと➡
ひらりは 全く疑っていませんでした。
(ミチ)準備OKでしょうか? はい 出来ましたよ~。
はい じゃあ お願いしま~す。 (芳美)はい すいません これで最後です。
(恵子)じゃあ お願いしま~す。
何よ 一人でニマッと笑っちゃって。
だって…。
ねえ マジに どんな人? 安藤先生って。
身なりに構わない人でね それだけが心配なのよ 今日。
でもいいよ 東光大学の外科医なら 下駄履きだって許しちゃう。
それに近いものがあるのよね。
みのり パーティー終わったあとが勝負よ。
抜かりないね? ない!
銀座のさくら亭 予約してある。 誘うセリフも練習してある。
よし 言って。
「パーティーって 案外食べられないから おなかが すいたでしょ?➡
そう思って 小さなお店 予約してあるの」。
いいね~ いいね 気の付く女って感じだね。
私ね 今夜が 一気に進むか進まないかの 最大のチャンスだと思ってんの。
私も そう思う。 パーティーの余韻を引きずって➡
銀座のそぞろ歩き さくら亭。 これで進まなかったら絶望的だね。
うん! 頑張るからね 私。
好きって言うの?
その場の状況だけど それに近いことは示すつもり。
だって 2人っきりになれる チャンスだもん。 うん。
いらっしゃいませ。 いらっしゃいませ。
大丈夫? 息が荒いよ。
駄目 心臓が… 口から飛び出しそう。
控え室行って お水飲んでおいで。 ここで ぶっ倒れちゃ 元も子もないよ。
うん。 行ってくる。
(竜太)みのりちゃん。
(竜太)よっ こんちは。 こんにちは。
忙しいのに ありがとう。
これ お願いします。
お姉ちゃん!
よお! どうした。
ん? 暇だから来たの。 ふ~ん。
(小声で)話がなかったら 助けてあげるからね。
先生 行こ! 行こう 行こう! おう。
じゃ お姉ちゃん 後でね!
何にも知らないとはいえ これは 姉思いのひらりの善意でした。
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