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♬~
♬「山へ行こう 次の日曜」
♬「昔みたいに 雨が降れば」
♬「川底に沈む橋越えて」
♬「胸まである 草分けて」
♬「ぐんぐん進む背中を」
♬「追いかけていた」
♬「見失わない ように」
♬「抱えられて」
♬「渡った小川」
♬「今はひらり」
♬「飛び越えられる」
♬「一緒にね いろんな話ししよう」
♬「晴れたらいいね 晴れたらいいね」
♬「晴れたらいいね」
♬~
(講師)これ 引き算で出てきますね。 引き算で出てくる。➡
ちょっと電卓 打ってみたいと思いますが。
そこ。 ちょっと 起こして。
ひらりは いつか税理士試験を受けようと 簿記学校に通っていましたが➡
どうも気合いが入りません。
(一恵)あんた 本気で税理士になろうと思ってんの?
(藪沢ひらり)帰るわ。 え?
たまに出てきて 帰るの? うん。
どっから…。
150年も続く質屋の六代目を継いだ 小三郎ですが➡
大学の英文科時代は 学者を志していました。
ですから 店番の間は いつも英語でシェークスピアを読んでいます。
(藪沢ゆき子)おじいちゃんから ひらりに 言っていただきたいんですけど。
あの子 ここのところ 学校 サボってばっかりなんですよ。
(藪沢小三郎)ああ 相撲の場所前は 何を言ったって無駄だよ。
冗談じゃありませんよ。 年に六場所ですよ。
あいつ 本気で税理士なんて 大それたこと考えてるのかね。
なりたいって言ったの 本人ですよ。
いや その時は そう思ってもだ➡
もっと 好きなことを仕事にした方が いい気がするけどねえ。
でも ひらりの好きなことって 相撲ですよ。
これだけは仕事になりません。 そりゃ 確かだ。
おじいちゃん 後悔してるんですか? 質屋継いだこと。
いや 全然。
俺は 英文学者と はかりにかけて➡
150年続いた店を潰す方が 後悔すると思ったからね。
それで 六代目を継いだんだ。
七代目は銀行マンですけどね。 うん。
ま あいつも 仕事は好きだし➡
出世欲もあるようだし まあ それは それで➡
ヘヘヘ いいんだよ。
(戸が開く音)
(女性客)すいません お金貸してください。
何をお持ちになってますか?
これ!
あの 運転免許証 お持ちですか?
今 若い人が質屋を利用するようになった と いわれていますが➡
それは 白っぽい しゃれたインテリアの ブティックのような店が多いようです。
藪沢のように 昔かたぎの店は 一日の客が せいぜい14~15人でした。
2本で50グラム。 1グラム1,000円だから 5万円。
うそ! それっぽっちっきゃ 貸してくんないの?
どこに行ったって同じだよ。 1グラム 1,000円って決まってるんだ。
やだ~ お願い なんとか7万円 ね! 頼みますよ。 旅行行けなくなっちゃう。
バカ言っちゃいけないよ。
これを流して仲間売りにすると 1グラム 950円になって➡
うちの店が損するんだ。 5万円。
参ったな。
まあ いっか。 お願いします。
決まりでは 90日たつと流すんだけど➡
前もって電話くれれば 取っといてあげるから。
(ミチ) うわ~ まだ終わりそうにないですね。
(藪沢みのり)私がやっとくから 置いといて。え~ でも悪い…。
いいって ついでだから。 すいません。 お願いしま~す。
(山下)みんな嫌がるのに よくやるね。
私って働き者なの。 んなことないか。
アハッ アハハ…。
こうすると もっと働き者に見えるでしょ。 オオクニヌシノミコトみたいか。
やだ 年がばれるね。 サンタクロースか。 ね! ウフフフ。
君は ホントに いつも元気で面白いね。 頑張れよ。
(芳美・小声で)バカ。
(芳美)あんた 好きな男の前で どうして袋なんか担ぐのよ。
何がオオクニヌシよ。 一人でしゃべりまくって 一人で笑って。
だって 何か言わないと 間が もたない気がして。
はあ~ あんたね 女は一度三枚目やったら 二度と二枚目にはなれないのよ。
恋人の対象として見てもらえないのよ。
分かってるわよ。
元気で面白いなんて 女には最悪の褒め言葉よ。 バカ。
好きなんでしょ? 山下さん。
好きな人の前では 女やれって いっつも言ってるでしょうが。
私 転職したい。 え?
転職して 今までの私を 知らない人の中に入ったら➡
一から自分を変えるの。
元気で面白いなんて 絶対言われないように➡
初日から 女やるの。
分かる。 それに 社内恋愛なんて 1年目が勝負だもんね。
私も転職できるもんなら したいよ。
大きい会社にいると なかなか ふんぎりつかないんだよね。
ね。 もう少し 若きゃいいけどね。 うん。
何にもできることないしね。 ね…。
よっ! どなたさんも働いてるね!
(武)学校 どうしたの? 脳天腐りそうだから サボった。
(茂夫)言えてる。 腐るよりサボった方が賢い。
手伝おっか? (充)いいよ 女は触っちゃいけねえの。
だよねえ…。 (武)ひらり!
ん? (武)俺たち 四股名もらえるみたい。
やり~!
俺 いっそ 若貴って四股名がいいな。 バカ 何言ってんのよ もう!
(深川銀次)よう! あ 銀ちゃん!
(武)おかみさんいますよ 銀次さん!
うっせえ! し… 仕事の帰りに 通りかかっただけじゃねえかよ。
この道 通らねえとな う… う… うちに帰れねえんだよ バカヤロー!
あ おじいちゃん もう仕事終わったの? (深川金太郎)ここんとこ暇でよ。
父ちゃん! 能率よ 能率。 な! 一番組にかかりゃよ➡
一日の仕事も2時間ってとこよ。 なあ 父ちゃん!
あっ はい。
何でい。 何だ 何だ その目は てめえら。 あ? てめえらこそ暇だろ。
悔しかったらな 早えとこ十両上がれ。 じゃあな ひらり。
(明子)頭! あ?
あのね 声がするから呼んできてって 親方が。
え? どうぞ。 ひらりちゃんも銀ちゃんもね。
おめえ いつまで そんなとこ 引っ張ってんだよ。
おかみさん 銀ちゃんね 忙しいんだって。
あら ちょっとぐらい いいでしょ ね!
ええ ちょっとぐらいなら…。 どうぞ。 さ どうぞ。
もう 銀ちゃん 行こ! さ どうぞ。 どうぞ どうぞ。
お邪魔しやす! (梅若)あっ どうも どうも。
お邪魔します! こんにちは。 今 久男の四股名を考えてたんですが➡
やっと決まりそうです。 あああ…。
太平山。 秋田の山だ。
(金太郎)こら 雄物川ってんですか? これも秋田の川ですか。
ええ。 このどっちかだと思うんですよね。 やっぱり 相撲取りってのは➡
郷土を背負いますから。 おらあ 太平山だな。
うん 私も太平山。 郷土背負うなら きりたんぽ。
(金太郎)おめえ 帰って寝ろ! すいませんね お引き止めしちゃって。
はい どうぞ。 おう 銀次。
おめえ さっき言った四股名 おかみさんの前で もう一回言ってみな。
言って~ 銀ちゃん 言ってよ。 どしたのよ 銀ちゃん。
いえ…。 ⚟(小三郎)お邪魔します。
ああ どうぞ。
どうも 皆さん お呼び立てしまして。
いや 高校横綱が うち辺りに入ってくれるのも➡
お二人の孫だからで。 孫ったって➡
そっちは 血がつながってやしねえんだい。
人んちの娘 かっさらっただけの 縁じゃねえか。
父ちゃんよ かっさらうったって 姉ちゃんは嫁に行ったんだろうがよ。
同じこったよ。 おじいちゃん 久男の四股名➡
どっちがいいかな?
(小三郎)太平山。
おらあ 雄物川だね。 あれ? おじいちゃん さっき➡
太平山だって…。 気が変わったよ。
親方 私は この2つなら 基本的には どちらでもいいと思います。
何が「基本的に」だ 気取りやがって。
私は 四股名が このところ現代的になり過ぎて➡
力士らしい美しさを 忘れているような気がするんです。
けっ! かっこつけんじゃねえや。
おっしゃるとおりです。 ですから 山か川の付く➡
古典的な四股名にしたかったんですよ。
私も全く同意見です。
今 山と川の付く力士は たった…。
常の山 若瀬川 和歌乃山 旭道山 大翔山。
へっ 相撲好きは てめえだけじゃねえやい。
では 私は これで。
あの よろしかったら ちゃんこを ご一緒に。
いえ ちゃんこは 気の合った人と頂くのが 楽しみですから。
♬~
おい 銀次。 え?帰ろう。
お頭 ちゃんこでも…。 いや ちゃんこはね➡
もっと気分のいい時に ごちそうになりますから。 どうも。
2人呼んだのは まずかったな。
はい。 舞い上がり過ぎたな 俺も…。
お茶でも いれましょうか?
一段落したらでいいよ。 うん じゃ あと もう少しだけね。
⚟(階段を上る音)
(戸が開く音)
どうだった? あの2人。
今は 割と仲いい。
お母さん 自分から 「お茶いれようか」って。
お父さん 「一段落したらでいいよ」って。
そういう譲り合いの心がありゃ➡
夫婦なんて楽勝なのよね。
うちみたいな夫婦が 一番困ると思わない?
思う。 仲悪くもないし よくもない。
今更 別れるほどでもないしって感じ。
楽しくなさそうだよね。
ねえ あの2人 あると思う?
あるって… 何が?
だから~ ほら ほら!
あんた 何考えてんの 嫌らしい。
私 絶対ないと思うな。
どっちだっていいわよ そんなこと。
あったら お互い もっと優しいよ。
うん…。 大恋愛結婚なのにね。
だから 結婚にだけ かけてちゃ 駄目なのよ。
あ~!
だからといって ひらりも➡
どう生きるのがいいのか 分かってはいませんでした。
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