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♬~
(のぞみ)痛っ…。
♬~
♬「君が跳んだ 水たまりへと」
♬「街の翳が」
♬「雪崩れてゆくよ」
♬「手のひらの上に」
♬「太陽を乗せて」
♬「心の暗がり照らし出しておくれ」
♬「Dreaming Girl Dreaming Girl」
♬「雨上がりの少女」
♬「Dreaming Girl 君と」
♬「めぐり逢えた」
♬「素敵な奇跡」
♬「Dreaming Girl」
(松男)えっ バイト? (みどり)こっちでがい?
(達也)ええ。 まあ 社会勉強ってところかな。
(うらら)社会勉強? そう。 長い人生のさ➡
たった1か月ぐらいだぜ。 故郷を離れて 働いてみるってのも いいでしょ?
(松男)うんうん! 分がんない。
若い時って 遠ぐさ 行きてえもんだよない。
はあ… また あんたは 何でも分かったふうなこと言って。
あっ… でもない お義母さん これでも 私➡
学生の時には 留学したいって 思ったごどもあんです。
それそれ! 留学みたいなもんなんすよ。 なにが留学よ。
何だ。 いいじゃねえかよ。 勉強だけじゃなくてさ➡
仕事に 留学があったって。 いいけど。
そうだ。 どこ? うん?バイト先。
どこって… いいじゃん 別に。
何それ… まさか 変なバイトじゃないでしょうね?
違うよ。 喫茶店。
じゃあ 名前と電話番号 書いておいて。
何かあった時に 連絡できないんじゃ困るでしょ。 はい。
いいけど…。 来るなよ。
なしてだい?
嫌だよ。 俺はさ 一人で 放浪者の気分を味わいたいのね。
家族が みんなで ゾロゾロ来たんじゃさ。
分かったわ。 達也のバイト先になんか 行きたくもないわよ。
ほら 早く。
ほら。 はい。
「こけし」か…。
(薫乃)はあ~…。
あっ ごちそうさま。
(あづさ)お義母さん! しっかりしてくださいよ。
(桃子)そうですよ~。 お義母さんが 落ち込んで どうするんですか。
ん~ だって… ひとつきも 帰ってこないんですもの…。
(優)何 言ってんだよ。 小学生じゃないんだから➡
どなりつけて家に閉じ込めておくわけには いかないでしょ?
そうですよ。 「ひとつきたったら 帰ってくる」って言ってるんですからね➡
信じて 待ちましょ。
やっぱり 私が 手を上げたからかしらね?
また それかよ~。 そうですよ お義母さん。
陰気なのは おなかの子に悪いです!
あら! まあ… 「陰気」なんて言い方 ないでしょう。 そんな…。
陰気ですよ。 私 「私のせいかしら」って 言う人 一番嫌いです。
桃ちゃん そこまで…。 はいはい はいはい…。
ねっ やめましょう。 ねっ?
私たちが言い合いして どうするんですか。
いけないのは 達也なんですからね。 帰ってきたら➡
そう ビシバシやってやりましょう! ねっ?
ビシバシ? そうですよ。 ビシバシ。 ねっ?
あら~ でも…。 お義母さん 召し上がらないと➡
私 頂きますよ。私 頂くわ…。 フフフ。
(リキ)<いつもの調子で 力強く ほほ笑んだものの…>
♬~
<本当は 落ち込みたいのは あづさ先生の方なのでした>
姉ちゃんも… 赤松のことが好きなんだよ。
(赤松)全部 引き受けるって言ったろう?
(ため息)
<のぞみ嬢ちゃんの方は 相変わらず➡
父親と母親の 子供の取り合いに 頭を悩ませておりました>
(北山)いや どうも… 遅くなりました。
それで 母親の方は どうなっていますか?
はい。 秀樹君を 一旦は お父さんに返すように➡
説得してみたんですが 聞き入れてもらえませんでした。
ああ… どんな生活をしていますか?
祖父母の実家に 2人で 泊まり込んでるようですが➡
幼稚園に行かせると お父さんに 奪い返されると思って➡
ほとんど 一日中 うちの中にいるようです。 父親の方は?
(星野)はい。 相変わらず けんもほろろです。
「あんな ひきょうな手を使うやつに 絶対に 子供は渡さない。➡
調停にも応じない」の一点張りで。
「目には目を」ってやつか…。 私の一番嫌いな言葉だ!
(育子)あっ… 皆さん 北山部長が怒ったとこ 初めてなのね。
はい。 フフッ そのうち だんだん➡
分かると思うけど 部長が怒ると もっと怖いのよ。
みんな 震え上がるんだから。 フフフ。
どうしました? そんなに 驚くことですか?
はい。 想像できませんので…。
それは 乏しい想像力だなあ。
(怜)それでは 裁判官も 怒っていいんですか?
そういうことを聞くということは 裁判官というものは いつも冷静で➡
決して感情的になってはいけないと 思っているんですね?
はい。 怒っていいんですよ。
少なくとも 私は 怒っていいと思っています。
感情に 蓋ばっかりしていると 被告人や被害者の感情にまで➡
想像力が働かなくなりますからね。 はあ…。
まあ 冷静に判断をする力と バランスをとっていくことが➡
この仕事の 一番難しいところじゃないでしょうかね。
さて 今回の件で 想像力を発揮するとなると➡
子供の心情です。
このまま 奪い合いが続くと おかしくなってしまう。
はい。 さあ 担当さん。
これから どう進めていきましょうかね?
はい…。
まずは 秀樹君に会って 本人の意思を聞いてみたいと思います。
うん。 いいでしょう。 ただし 子供は まだ5歳です。
まだ 発言に一貫性はありません。 そこに傾かないように。
ここは あなたの冷静な判断が 非常に大切になりますよ。はい。
私は…➡
秀樹君は お母さんに育てられた方が いいのではないかと考えています。
理由は?
お父さんは お母さんに 負けたくないという気持ちが➡
前面に出過ぎていると思いました。
それに比べて お母さんの方は お父さんに勝ちたいという意地よりも➡
子供を育てたいという気持ちの方が 強いと思いました。
なるほど。 父親より 母親の方が 子供を思う気持ちが強いと➡
判断したわけですね? はい。
しかし それが 一番大事なことなんでしょうか?
違うんですか? 私は違うと思いますがね。
じゃあ 何ですか?
まあ… もっと ゆっくりと 考えてみてください。
そう簡単に答えが出たら 何にもなりませんからね。
はあ…。
さあ この答えは 担当の南田さんに じっくり考えてもらうことにして➡
今日は この辺にしましょうか。
(育子)頑張ってね。 はい。
ヘビーな宿題 出されちゃったわね。 はい。
「何が 一番大事か」なんて…。 どうする?
残って 話し合うんなら つきあうけど?
いいです。 一人で考えます。
そう… じゃあ お先。
(ドアの開閉音)
はあ…。 (怜)何かあったの?
えっ? お宅たち。
何にも ありませんよ。
(怜)そうかしら? 随分よそよそしいんじゃない?
あっ… そうですか?
こういう場合って すごく距離が近づいたか 離れたか➡
どっちかなのよね。 えっ?
私は 近づいたと見るわ。 でも… 究極のところまでは いってない。
僅か数センチで せめぎ合いをしてる…。
そんなところかしら?
何言ってるんですか? 違いますよ。
それなら いいけど…。
気に入ってるの 今でも 星野さんのこと。➡
修習が終わるまでには 近づきたいと思ってるわ。
そうですか…。
じゃあ お先。
<どこへ行っても 心の休まらない のぞみ嬢ちゃんでありました>
(ドアが開く音) いらっしゃいま…。
オッス! 何だよ? 来るなって言ったろ。
何言ってんの。 姉としては 弟が どんなところで働いてるのかぐらい➡
知っておかなくちゃいけないでしょ? 店長さんは?
今 買い出し 行ってる。 あっ そう。 お客さん いないの?
今 一番暇な時間なの。 だから 買い出しなんか行ってんだろ。
ふ~ん。 こういう店か。 ルール違反だろ。
いいじゃない。 くたびれてんだから ちょっと おいしいコーヒーでもいれてよ。
(達也)…ったく! あ~ 疲れたなあ。
だったら 帰れよ。 冷たいわね!
(ドアが開く音) いらっしゃいませ…。
(桂子)こんにちは。 フフッ。
今日は 遅くなっちゃった。
う~ん アイスコーヒーにしようかな。
♬~
いつから会ってたの?
ここ来た 次の日。 会いに行ったんだ。
それで?
あの店 行って ケーキ ごちそうになった。
それで?
1時間ぐらい話 して… 別れた。
それで アルバイト 勧められたの?
違うよ。
もう 会うつもりなかったんだけどさ➡
バイトの貼り紙 出してるの思い出して 何となく…。
「何となく」って… また会いたくなったってことなの?
そうかも… しれない。 フフフ。
達也…。
別に 一緒に暮らそうってわけじゃねえよ。
当たり前じゃない。 達也には 東京に お母さんがいるのよ。
ああ… 分かってる。
分かってるなら どうして お母さんに ないしょで会うようなことするの?
お母さん 嫌がるんじゃないかな。
何かさ… ほっとしたんだよ。
あの人と話したら… 何か ほっとしたんだ。
俺 おふくろが頑張ってるの見るとさ 疲れちゃうんだよ。
どうしたのよ。 (達也)うん?
達也… 最近 お母さんのこと 避けようとしてない?
避けてねえよ。
達也…。
<22歳… なかなか大人になれない 不可思議な弟を持て余した夜でした。➡
そして そのころ…>
(皿が割れる音) ああ~!
(妙子)あ~あ。 お母さん…。 ああ…。
あっ これ お父さんが気に入ってたやつじゃない!
妙ちゃん ないしょ。 ないしょよ。
お母さん しっかりしてよ~。 うん… はい!
<2人の母は それぞれの場所で➡
人生を過ごしていたのであります>
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