All language subtitles for ひまわり 第08章 子はかすがいじゃないの？第088話

♬～

♬「君が跳んだ
水たまりへと」

♬「街の翳が」

♬「雪崩れてゆくよ」

♬「手のひらの上に」

♬「太陽を乗せて」

♬「心の暗がり照らし出しておくれ」

♬「Ｄｒｅａｍｉｎｇ　Ｇｉｒｌ　Ｄｒｅａｍｉｎｇ　Ｇｉｒｌ」

♬「雨上がりの少女」

♬「Ｄｒｅａｍｉｎｇ　Ｇｉｒｌ　君と」

♬「めぐり逢えた」

♬「素敵な奇跡」

♬「Ｄｒｅａｍｉｎｇ　Ｇｉｒｌ」

（リキ）＜８月１６日　曇り。➡

凸凹コンビが　東京へ　やって参りました＞

（のぞみ）多分　こっちね…。

あれ？　どうしたの？

（瑞穂）反対ですよ。
はっ？

そっちじゃありません。
ここ　曲がるんです。

あっ　そう…。

瑞穂ちゃん　来たことあるの？
まさか。

母が新しい店を始めたのは
私が福島に行ってからですよ。

そうよね。

この辺りの地名には詳しいんです。
そう…。

ここ。　ここだわ。

そのようですね。

あの人が　お母さん？

（佳織）瑞穂ちゃん！

瑞穂ちゃん。

♬～

（薫乃）まな板　貸して。
ネギ　切るのよ。

（桃子）はい。　どうぞ。
あら　嫌ね　もう～！

イカ切った　まな板
そのまま　渡して！

あら　そんなの　裏返せばいいんですよ。
はい　どうぞ～。

雑なんだから…。
「要領がいい」と　おっしゃってください。

何の要領だか。
（優）はいはい…　そこまで　そこまで！

はいはい…　あ～　桃ちゃん
イカさばくの　うまくなったねえ　これ。

でしょ　でしょ　でしょ？
あ～　２人で結託して！

結託？
大げさなんだよ　母さん。

（薫乃）大げさじゃありませんよ。
２人で結託して　何か隠してるでしょう？

（優）隠し事なんかしてないよ。　なあ？
（桃子）ねえ？

（薫乃）ウソ　おっしゃい。

あっ…　あづささん　いたの？
（あづさ）ええ…。

「隠し事」って　何ですか？
知らないわよ。　何だかね➡

２人で結託して
隠してるみたいなのよ。

あら？　何かしら～？

仲の　およろしいこと！

（達也）いいじゃんかよ。
仲がいいんだったら。

達也　いたの～？
休み。

何？　こないだ休んだとこじゃない。

いいだろ。　ちゃんと　金
入れてんだからさ。

何　偉そうに！
何だよ　今日　そうめん？

イカね…　イカじゃないよ　あの～
お台所ね　ほら➡

仕込みで占領されてるからね。

ちょっと　ちょっと　ちょっと！
そういう言い方ないでしょ。

そうですよ。　「遠慮なく使っていいですよ
桃子さん」って➡

言ってくださったじゃありませんか～。
使うなって言ってるわけじゃないのよ。

やめろよ。
うららがいなくなったと思ったら➡

今度は　桃ちゃんと　台所争いかよ。

達也が　そうめんに
ケチつけるからじゃないの。

そうよ！　うちは
レストランじゃないんですからね。

嫌だったら　お好み焼きでも何でも
食べに行けば？

もう　お好み焼きなんか食いたくねえよ。
「なんて」ってことないでしょ　あんた。

お好み焼き屋の前で
お好み焼き　バカにしないでくれる？

あら　桃ちゃん　あなた
今のは　言葉のあやってもんでしょ。

あやですか　そうですか　そうですか。
お義母さん　何　マジになってんですか。

（時報）

食べましょうか？　ねえ？

あっ！
うん？

どうしてるかな？
（あづさ）何？

いや　のぞみさ。

福島　慣れたかしらね？
心配しないでも頑張ってるよ　あの人は。

まあ　頑張るだけが
取り柄だからね　あれは。

でも…　のぞみちゃん　いないと
何か…　寂しいわね。

＜今頃　気付いたんですか？＞

あっ…　お待たせしました。

いえ　こちらこそ。
突然　申し訳ありませんでした。

瑞穂の母でございます。

竹永弁護士の代理で参りました
南田と申します。

あっ　あの　これ
つまらないものですけども➡

福島のお土産なんですが…。
まあ　そんな…。

どうぞ。
（佳織）ありがとうございます。　どうぞ。

失礼します。

元気そうね。
はい。

いつ　退院したの？
先週の月曜日です。

これでも　心配したのよ。

そうですか。

面会断られた時は　ショックだったわ。

でも　福島って　いい所ね。

今日は　お願いがあって伺ったんです。

裁判で
証言　お願いしたいんです。

証言？

はい。　竹永弁護士は➡

瑞穂ちゃんのお父さんが
執行猶予を勝ち取れるように➡

裁判を進めていきたいと
考えております。

執行猶予？
はい。　有罪は有罪でも➡

罪を認めて　やり直す姿勢のある方には➡

刑務所に入らずに済む
という方法があるんです。

釈放してもらえる
ということですね？

そのためには　お母さんの証言が
どうしても必要なんです。

待ってください。　私が　一体
何を証言すればいいんですか？

はい。　執行猶予を勝ち取るためには
瑞穂ちゃんのお父さんが➡

二度と同じ過ちを犯さないということが
証明されなければなりません。

ですから　瑞穂ちゃんのお父さんが➡

計画的に　心中事件を起こすような
人物ではないということと➡

それから　万が一の場合　瑞穂ちゃんを
引き取る準備があるということを➡

証言していただきたいんです。
はあ…。

証言自体は　竹永弁護士の質問に
答える形で進められますので➡

内容については
ご心配いりません。

ご迷惑をおかけすることのないよう
十分　配慮いたします。

はあ…。　ですが　あんまり
急なことなので…。

お願いします！
父を助けてください。

父は　私にとって
たった一人の家族なんです。

お願いします！

たった一人の家族？

はい。　父は
私の　たった一人の家族です。

お願いします！

あの…
私からも　よろしくお願いします。

あ…　分かりました。

ですが
一晩だけ　考えさせてください。

一晩ですか？
ええ。　明日の朝　お返事します。

曲がりなりにも
これだけの店を構えておりますと➡

スケジュール調整もございますし
それに…➡

瑞穂と話がしたいんです。

ねえ　瑞穂…　今日　お母さんの
マンションに泊まりに来ない？

お母さんね　今　一人なの…。

弁護士さんなら　お調べでしょうから
お話ししますけど➡

私…　男性とは別れたんです。

そうですか…。

ねえ　端穂…　あなたの　これからのことも
一度　ゆっくり話しておきたいの。

いいでしょう？

（葵）お～い。　こっち　こっち！

お待たせ。
溶けちゃうかと思ったわよ。

おっ　サンキュー！

びっくりしたわよ。　急に
「近くに来てる」って言うんだもん。

だって　急に時間が空いたんだもん。

仕事？
うん。　出張みたいなものかな？

ふ～ん。　ねえ　面白い？　弁護士って。

う～ん。　まだ　修習生だし
面白いって言える余裕は　まだ　ないかな。

まあね。　始めたばっかりだもんね。

そう！　これからですよ。

真面目ね。
えっ？

私も　そうだけど　のぞみも
結局　真面目なのよね。

いっつも　頑張る　頑張るって…。
そんなに　肩に力　入れなくてもいいのに。

本当は　こういうのって
ダサいのかもね。

だって　頑張っちゃう方が
気持ちいいんだもん！

そうよね。
そう！　２人で言ってよう。　フフッ。

うん！

いつ　帰るの？
明日…。

じゃ　今夜は谷中か。
うん…。

ねえ　葵…　今日　泊めてくれない？
えっ　帰らないの？　うち。

何だか　今日
帰りたくない気分なの。

どうして？
「どうして」ってこと　ないけど…。

何よ？　言いなさいよ。

うっ…。
アハハ！

私　好きな人が出来たの。
（葵）えっ　誰？

葵の知らない人。

ふ～ん。　まあ　誰でも
勝手に好きになりゃいいけどさ➡

それと　うちへ帰らないのと
関係ないんじゃない？

関係あるの。
どう　関係あるの？

分かんな～い。
何よ？　はっきり言え！

おっと！　アハハ！

ねえ　のぞみ！
分かんないってば。

そうじゃなくて…　知ってる子？
うん？

瑞穂ちゃん！

どうしたの？
話は終わりました。

えっ？　お母さんのマンションに
行くんじゃなかったの？

やめました。
どうして？

母は　証言したくないそうです。
えっ！？

隠し事って　何？

知らないよ。　何か　自分で
勝手に言ってんじゃないの？

う～ん…　何か　昨日から　変なんだよな～。

ひょっとしたら
赤松さんのことかな。

えっ…　「赤松さんのこと」って何だよ？

いいよ　慌てなくても。　俺　知ってるから。
えっ！？

こないだ　桃子さんと
おふくろが話してんの…。

いやっ　盗み聞きしたの！？

いや　財布忘れて　取りに帰ったらさ
聞こえたの。

「お義姉さん　赤松さんに
プロポーズされたんでしょう」ってやつ。

いや…。
おい　お前　それで➡

そのこと　うちのおふくろに言ったのか？
言わないよ。　言うわけねえだろう。

ん～　じゃあ　何で？
いや　今度は　薫乃が　これした。

俺と姉ちゃんが
電話で話してんのをさ。

じゃあ…　のぞみも
それ　知ってんのか？

でも…　薫乃は　まだ　はっきりと
知らないんじゃないかなあ。

多分　チラッと
聞こえただけだと思う。

また　胃が痛くなるよ　こりゃ。
でも　待てよ…。

そっかあ！
えっ　何だよ？

のぞみちゃん　知ってたんだ。　だから
こないだ　突然　帰っちゃったりしたのね。

結構　ガキだと思わねえ？
えっ　ガキ？

おふくろが　男に　プロポーズされた
ぐらいでさ　逃げ出しちゃうんだぜ。

いや　それは　まあ…　なまじ
赤松さんのこと　よく知ってるからなあ。

やっぱり　抵抗あるんじゃないのか？

いや。　でも　おふくろ
とっくに離婚してんだぜ。

再婚しようが何しようがさ
誰に文句言われる筋合いもねえんだから。

しょうがないじゃない。　娘ってさ➡

母親のこと　「女だな」って思うの
嫌なもんなのよ。

あっ　そういうもんなの？
そういうもんよ。

何つったって　母と娘は永遠の…
究極のライバルだからねえ。

ここなの。　どうぞ！

ああ。　お帰り。
お母さん…。

いらっしゃ～い。
遅かったじゃない。

電話かかってきてから
ずっと待ってたのよ。

ごめん。　道が混んでたの。
さあ　どうぞ　入って。　待ってたのよ～。

お邪魔します。
はい　どうぞ。

（薫乃）あらあら　いらっしゃい。
お邪魔します。

（薫乃）まあ　かわいらしい…。
ねえ！

のぞみ　お帰り。

早く！　御飯　出来てるわよ。　どうぞ！
さあ　どうぞ～。

何してんの？
早く　入りなさいよ。

ただいま。

（あづさ）何？
久しぶり…。

久しぶり？　何言ってんの？

変な子ねえ！　しっかりしなさいよ。
弁護士さんになるんでしょ？

＜母は　やはり
母の顔をしておりました。➡

ほっとするような　切ないような
複雑な　のぞみ嬢ちゃんでありました＞