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「君が跳んだ 水たまりへと」
「街の翳が」
「雪崩れてゆくよ」
「手のひらの上に」
「太陽を乗せて」
「心の暗がり照らし出しておくれ」
「Dreaming Girl Dreaming Girl」
「雨上がりの少女」
「Dreaming Girl 君と」
「めぐり逢えた」
「素敵な奇跡」
「Dreaming Girl」
(リキ) のぞみ嬢ちゃんが福島へ到着して 一夜が明けました
(うらら) のぞみ 起きたかい?
(のぞみ) おはよう! (うらら) どうだい? 眠れたかい?
うん。 疲れてたから ぐっすり! (うらら) そうかい。 アハハハ。
(みどり) んでも ひどいよない。 着いで早々 仕事やらせるなんが!
(松男) 忙しいんだべ。 福島は 弁護士さんが少ねえって言うがら。
そうなの。 全県で 70人ぐらいしかいないから
一人が扱う件数が多いらしいの。
(松男) のぞみちゃんは 弁護士さんになるって聞いたげんと
検事さんや裁判官の 見習いも すんのかい?
はい。 最初は弁護士の修習が4か月 次は地検で 検事の修習が4か月
最後は地裁で 裁判官の修習が 8か月って スケジュールなんです。
あ~ 次から次で 大変そうだない。
ほれ 牛乳もらってきたぞい。
頂きま~す!
う~ん おいしい!
これ飲むと 福島に来たって感じ。
んだべした。 搾りだでは違うんだわい! うん!
これから 1年4か月 こってり絞られることになる
のぞみ嬢ちゃんでしたが…
あ~ おいしい! お代わり~。 (笑い声)
これだぞい。 うわ~ 新品?
私らからの 着任祝だ。 ありがとう!
変速がついでっから 上り坂でも オーケーだかんね。
本当だ! 今日は あいにくの雨だから
明日から 乗るといいわ。 うん!
んだら 行ぐべか。 車で送ってやっから。
ありがとう! じゃ 行ってきます。 ああ 行ってこ。
気ぃ付けてない。 はい!
何は ともあれ 出陣の朝でございます
え~ よろしくお願いします。 (一同) よろしくお願いします。
はい 堅苦しい挨拶は それくらいにしましょう。
え~ 開始式といっても 難しいことを言う気はありません。
実務の現場に 飛び出していけば 驚くことの連続だと思いますが
決して 逃げ出すことのないよう 頑張っていただきたい。 それだけです。
では 改めて 配属事務所の確認をします。
各自 事務所に行って 着任の挨拶をしてください。
まず 油座信吾さんと 小牧 怜さん。 (怜 油座) はい!
あなた方は万世町の菊池法律事務所。 頑張ってください。
(2人) はい! 次は 早瀬将太さんと一丸譲次さん。
(一丸 早瀬) はい。 2人は 五老内町の菅野法律事務所。
頑張ってください。 (2人) はい。
最後は 星野雄治さんと南田のぞみさん。
(のぞみ 星野) はい。 お二人も 同じく五老内町の
竹永・相楽法律事務所。 頑張ってください。
(2人) はい。
(油座) いや~ しかし お二人さんが 同じ事務所とはない。
ケンカしないで やっておくれよ。 実務は チームワークですからね。 ハハハ…。
(星野) はい。 はあ…。
(一丸) どうかしたの? (早瀬) もう 仕事やらされたって本当?
そう。 昨日 着くなり 拉致されて…。 (星野) 判例探し。
(油座) ほう~。
(早瀬) こんな のんびりした所でも 緊急の依頼なんて あるんだね。
(一丸) そうだよな。 景色も 空気も いいし。
よそから入ってくる人も 少ないって言うし
依頼なんて あんまりないのかと思ったよ。
(怜) そういう所だからこそ 依頼が多いんじゃないの?
どうして? ずっと住んでる人が多いと
それだけ もめ事も多いものよ。
そうかな~? 僕なんか 住んでる人が多いと
「まあまあ」で済ませることの方が 多いと思うけど。
けど だから こじれると どうしようもなくなるってこと あるよな。
でも 東京みたいに こじれたからって
簡単に 弁護士に頼んだり しないんじゃないかな。
そんなことないわ。 つきあいが 深くなれば なるほど
個人で解決できなくなることが 出てくるのよ。
(一丸) 断定の好きな人だねえ。
(油座) まあまあ 地方論は そのくらいにしてですね
とりあえず 皆さん 仕事が落ち着いたら
福島着任の飲み会をやりませんか?
いろいろと情報交換も必要ですしない。 賛成!
(早瀬) 油座さん うまいもん食えるとこ 紹介してよ。
それなら お任せください。
我が家は お粗末ながら 旅館をやってます。
女将の女房さ 福島名産を そろえさせっから。
へえ~ 福島名産に うまいもんなんて あるんだ?
ありますよ。 何といっても 豊富な果物。
この季節なら 桃なんて最高だぞい!
ああっ!うおっ!? (笑い声)
はあ 張り切って出てったぞい。 うん。 元気 元気! うん。
私も みどりも 松男も みんな 元気だわい。
「そちらの皆さんは お元気ですか」って 聞かねくっちゃ!
(あづさ) ハハハ こっちも元気よ。
お義母さんも 達也も。
うん。 まあ 相変わらず いろいろ ありますけどね。
「いろいろ」って? 何? 何が あったのかい?
昨日 お義母さんが びっくりするようなこと言いだしてね。
(薫乃) 相談っていうのはね… 遺言のことなの。
遺言!? うん。 私ね 遺言状 書くことにしたのよ。
あづささんに あの家と土地を譲ることに決めたの。
えっ?
私も 改めて いろいろ考えちゃった。
(優) 要は 義姉さんに あの家と病院を
残してやりたいってこと らしいんだけどさ。
(徹) 俺なら いいよ。 異存はない。 兄貴…。
いや いくら 俺が身勝手でもさ 今更 「家や土地くれ」なんて思わないよ。
(桃子) でも くれるものは もらいたいっていうのが人間じゃない。
まあ そっちはな ずっと おふくろの 面倒 見てきたわけだから
いろいろ 言いたいことは分かるけどさ。
面倒 見てきたのは俺じゃないよ。 義姉さんだよ。
それに 俺たちだって あの家を 欲しいだなんて思ったりしないよ。
なあ? うん。 そうね。
まあ 財産っつっても 小さい家と 土地があるだけだからな。
だったら 義姉さんが 好きなように 病院をやっていけるように
してやりたいと思うよ。 じゃあ いいじゃないか。
おふくろの気の済むようにさせてやれよ。
兄貴… 違うだろ? 何が?
おふくろ 本当にそれで 気が済むと思うかよ?
えっ? 本当は おふくろは 兄貴が戻ってきて
みんなで 一緒に暮らしたいと 思ってんだぜ。
ああ…。 そうよね。 本当は
お義姉さんと お義兄さんが また 一緒になれるのを望んでるのよね。
そうだよ。 けど 強引に 「復縁しろ」なんて言えないし
どうなるか分かんないのを 待つの つらいから
きっぱり諦めて あんなこと言いだしたんだよ。
義姉さんに あの家を譲ることを 決めることで
兄貴のこと きれいさっぱり 諦めちまおうと思ってんだよ。
分かってるよ。 そんなこと お前に言われなくたって!
いや だったら… どうすんだよ?
俺も聞きたいよ。 これから どうしようと思ってんだよ!?
いや だから 言ったろ。 俺は もう一回 帰りたいと思ってるんだよ。
もう一度 あづさと やり直したいと思ってるんだよ。
いや だったらさ…。 でも 断られたんだよ。
1回や2回 断られたぐらいで…。
そうよ! ガンガンいかなきゃ! 攻めなきゃ!
ハハッ そんなことしたら かえって あづさを
あの家から追い出すことに なってしまうよ。そうかしら?
そうさ。 俺が 連日連夜 あの家に行って
「やり直したいんだ。 帰らせてくれ」って 迫り続けたら どうなるんだよ?
その気があるんなら ともかく
迷ってるんなら おふくろの手前 いづらくなっちまうよ。
まあな。 そうなったら 元も子も ないもんなあ。
そうだろ? だから 俺は 時機を待ってるんだよ。
こうやって ちゃんと働いて
それなりの男になるように してるわけだよ。
あっ でもな 俺は なにも あづさに いいとこ見せるためだけに
働いてるわけじゃないんだぜ。 自分のためにも 頑張ってんだよ。
いや 分かってるけど… そりゃ分かるよ。
本当は どうなのかしらね? えっ?
お義姉さん… お義兄さんと ヨリ戻す気あるのかしらね?
(優) いや 俺は あると思うよ。
そうかな…?
男と女は難しい。 けど 残念ながら
世の中には 男と女しか いないのであります
(相楽) 印鑑 忘れないようにして。 はいはい… はい そういうことです。
(竹永) いや~ 昨日は すまなかったね。
おかげでね 打ち合わせには ばっちり 間に合ったよ。 ねえ。
まあ ご覧のとおりね うちも こう 広くないから
ねっ? この机をね 2人に 自由に 使ってもらうよ。 いいね?
はい。 うん。 それからね あの…
トイレは 出て 右の突き当たりだ。 なっ?
昼飯は 表 出りゃ いろいろあっから。 なっ?
え~ それからだな… あっ そうだ 一応 紹介しとかんと いかんな。
私が 所長の竹永 一です。
星野です。 南田です。
こちらに いらっしゃるのが パートナーの…。
えっ? あっ ハハ… 私ね 相楽富士子です。 よろしく。
よろしくお願いします。 まあ 見てのとおりの 超ベテランね。
離婚調停じゃ あんた 福島じゃ 右に出る者はいないよ。
まあ 何を おっしゃってるんですか 竹永先生。
それから 昨日 会ったと思うけどね 事務の白井君だ。 ねっ?
司法試験の受験生だから。
(白井) そだごと おっしゃらなくて結構です。☎
まあ とにかく ねっ 狭いスペースだから 仲よくやりましょ 仲よく。
まあまあ こっち こっち。 ねっ?
(白井) 竹永先生。はいよ。 菊池さんですが…。
おう かあちゃん 出てくれ。
その呼び方は おやめください。 (竹永) ハハハハ…。
いや~ どうもね 嫌みたいなんだ 「かあちゃん」って言われるの。
あの… ってことは? う~ん 夫婦。
えっ? でも 名字が…。 うん。 夫婦別姓を勧める会のな
福島支部 会長さんだよ。 夫婦別姓?
どうも どうもね 俺と夫婦でいるのが 嫌みたいなんだな~ これが。
竹永先生! 何… 冗談 おっしゃらないでくださいよ。
私はね そんな 卑俗な理由でね
夫婦別姓を 唱えているわけじゃないんですよ。
女性のね 自立 守るために やってんですよ。
そうかい そうかい 失礼しました。 失礼しましたよ そりゃ。
ちょっと? それから 今さっきの電話 あれ 何ですか?
何が? あの菊池さんの一件
引き受けるって おっしゃったんですか? ああ ああ… 引き受けましたよ。
あら~! あの境界争いは 手間が かかっから やめるべって
申し上げたじゃないですか! (竹永) しかし 相当もめてるみたいだしさ。
(相楽) もめてるからって 全部 引き受けて どうすんですか。
引き受けっかは…。 報酬のこと 言ってんじゃないんですよ。
人手も 時間もないってこと 言ってんですよ。
だから 引き受けっか否かは 所長の私が 決めんだべ。
もう10年 私の方が 先輩だべした。
何だべ お前ね! 所長の私に 文句があんだったらよ
選挙でも 何でもしよう! えっ? 2人して 選挙して なじょすんだい!
何だ こら アッペチンゲ… こら こら!
あら 何語ってんの このデレスケ。 何だ この ガムシが こら!
あら~ このドスムクレ! 何だ おめえ ドスムクレは おめえじゃねえかよ!
(星野) ハハハ… しかし すごかったなあ。
最後の方 何言ってんのか 分かんなかったよ。
私も あんな夫婦ゲンカ見たの 初めて。
(星野) でも ああいうのに限って 結構 仲よかったりするんだぜ。
そうですか? (星野) そうだよ。
あれだけ怒るってのは 相手に期待してる証拠だもん。
そうかなあ。 私は もう何言っても 腹が立つって感じに見えたけど?
分かってねえなあ。
腹が立つっていうのは 相手の言うこと ちゃんと聞いてるからだろ?
そんなこと…。 うん?
やめましょうか。 仲よく やるんでしたもんね?
ああ…。
あの…。うん? いえ…。
フフッ 何だよ? いえ…。
気味が悪いなあ。 君みたいのが 言いかけて やめるなんて。
あのね 言っときますけどね
私 そんなに 大ざっぱな 人間じゃないんです。
これでも 悩んだりしてるんですから…。
何 悩んでるの?
「何」ってことは ないけど…。 けど?
こないだの…。
私が 弁護士になろうと なれまいと 星野さんには関係ないでしょ。
何よ?
関係あるよ。 えっ?
俺は 君が 夢がかなって 弁護士になるところが見たいんだよ。
えっ? 俺は 君が好きなんだ。
聞かなかったことにします。
同じ所で働くのに 変に意識したら やりづらいでしょ。
どうぞ。
だったら いいんです。 それだけです。
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