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「君が跳んだ 水たまりへと」
「街の翳が」
「雪崩れてゆくよ」
「手のひらの上に」
「太陽を乗せて」
「心の暗がり照らし出しておくれ」
「Dreaming Girl Dreaming Girl」
「雨上がりの少女」
「Dreaming Girl 君と」
「めぐり逢えた」
「素敵な奇跡」
「Dreaming Girl」
(のぞみ) ごめんください。 赤松さん…?
(リキ) 「何で 弁護士になりてえんだ」。
純一郎のやつの 真っ向からの 一刺しに グサリ…。
初夢どころか眠れぬ夜を過ごした のぞみ嬢ちゃんでありました
⚟(せきこみ)
赤松さん?
(赤松) 何だ 君か…。 風邪ですか?
見りゃ… 分かるだろう。
あっ すいません 起こしちゃって。 寝てください。
言われなくたって寝るよ!
(せきこみ) ああ…。
お邪魔しました。 あの… お餅 持ってきたんです。
うちでついた お餅。 あっ 流しに置いときますんで…。
おい! いいから ほら… 入れ。
(赤松のせきこみ)
ほれ 安心して そこに座れ。
(せきこみ)
大丈夫ですか? 病院には行ったんですか?
俺は 病院と銀行は嫌いだ…。
(せきこみ)
じゃあ 私… 何か 温かいものでも作ってきます。
ふ~ん…。 いろいろ あるじゃない。
(ノック)
はい。
出ますよ。
あっ どうも… お休み中 すいません。 あの… 赤松先生は?
あっ 今 ちょっと…。
何だ あんたらか。 先生 やはり 先日 お話しした状況に。
あさって 4日。 兜町と同時に 地検も動き出すという話です。
私には関係ない。 そんなことおっしゃらずに お願いします。
会長は 先生のご活躍を 存じ上げてまして
「是非とも」と言ってるんです。
言ったと思うが 私は 町医者みたいなもんだが
離婚と贈収賄は やらん!
着手金の 一部です。 しつこいな…。
私が 何で 離婚と贈収賄をやらんか 教えてあげようか!
本人に… 全く 反省がないからだ!
また… 改めて伺います。
来んでいい!
おい 「餅 持ってきた」って言ったな?
雑煮 作るか? うん。 よし…。
大丈夫なんですか? 風邪。
ああ? 頭に 血が上ったらな 寒気なんか 吹っ飛んじまったよ。
よ~し 君より 俺の方が うまいっていうところを
見せてやろうかな…。
あの… ずっと 独りだったんですか?
ああ?
母に聞きました。 赤松さんと… 達也を産んだ人のこと。
ああ… そっか。 まだ 弟には話してませんけど…。
はるか昔のことだ。 ちょうど 今の君ぐらいの頃かな。
もう弁護士になってたんですか? そのころは まだ 検察にいた。
検察…。 えっ 検事さんだったんですか?
こう見えてもな 俺は 検事志望だ。 えっ じゃあ 何で弁護士に?
何だ 急に…。
すいません。 恋人に聞かれたんです。 何で 弁護士になりたいのかって。
ふ~ん。 君の恋人に 答えられるほどの理由もないが
まあ… 逃げたんだな。
逃げた?
はあ… 学生運動って 知ってるか?
あっ 昔のニュースで見たことあります。
ヘルメットかぶって 顔 隠して デモするやつでしょ?
ああ。 俺や 君のお母さんが ちょうど 君ぐらいの頃だ。
まあ 大抵の大学生は… かぶれてた。 はい…。
俺は あんなことで 何かが変わるもんかって
否定的に見ていたんだが…。
いや~ あまのじゃくというか 冷めてたんだなあ…。
ところが 検察に入って
運動してるやつらを 捕まえる方に入ったんだ。
そしたら 起訴されたやつの中には 俺の知ってるのが いっぱいいたよ。
…で そいつらに 何百回も言われた。
「体制の犬になりやがって! お前には 理想がないのか!」ってな。
俺は… アホかと思ったよ。
リンチして 人殺しをして なにが理想だって。
俺は 意地になって むちゃくちゃ働いた。
…で 上にも褒められて 出世もした。
が… むなしくなった。 突然 本当に むなしくなった。
いや もちろん 検事の中にも いっぱい 立派な人はいるよ。
しかし 俺は ただ意地で出世したいだけの 何の理想もない 偽物検事だったんだ。
それで…? うん? 辞めた。
それで? 就職した。普通の会社に?
ああ。 しかし それがな… どこへ行っても「元鬼検事の赤松さん」だ。
ええ…。 かと言って 履歴書の要らないような職場で
働く自信もなくってな…。
どっかで 「大卒」「元検事」の勲章に
寄りかからずには いられなかったんだろうな…。
それが嫌で 辞めたのによ。
結局 その勲章が邪魔になって 弁護士になった。
…で 食うために ある法律事務所に就職をした。
はい…。
まあ 本音を言やあ 食えりゃいいっていう 気持ちだったんだが
そこで ある冤罪事件の弁護団に 加わるように 命じられた。
いや マスコミも取り上げる事件だったので
興味本位で 弁護団の末席に参加したんだ。
裁判を続けていくうちに
世の中には 本当に 冤罪事件があるんだな ということを知ったんだよ。
まあ 青臭い言い方をすりゃ 弁護士っていう仕事は
人の心を救う仕事だっていうのを知った。
その時 俺は 初めて 弁護士になった。
心を救う?
医者が 人の命を救うなら 弁護士は 人の心を救う仕事だ。
まあ 以来 俺が仕事を引き受ける ポイントは ただ一つ。
被告でも家族でも 誰かの心を 救うことができるか… ただ それだけだ。
心を救う…。
おい いい気になるなよ。 こんな話をしたからといって
弁護士になるのを 賛成したわけじゃないんだぞ。
分かってますよ!
(ノック)
さっきの人たちかしら? 追っ払いましょうか?
「赤松は 風邪で死んだ」と言ってやれ!
はい。
あっ こんにちは…。 (星野) 何だ… そういうことか。
お~い 来いよ! 君の姉さんも来てるじゃないか。
姉さん?
達也! (達也) 姉ちゃん? 来てたのかよ。
達也こそ どうしたの?
「弁護士 目指せ」って言ってんならさ やめてもらおうと思って。
自分のやりたいことも決まってない人に 口出しされたくないわね!
やめとけよ。 まだ 19歳なんだぞ。
まだ これから何をしていいのか 分からん。
あ~ それよりも おう 雑煮が出来たんだ。
一緒に 食べていかんか? 雑煮ですか? いっそ 鍋にしませんか?
見舞いに カニ 持ってきたんです。
そのカニ どこのカニだ? (星野) 越前ガニです。
暮れに おふくろが送ってきたんです。
隠すの 嫌だから 今 言っとく…。 何?
赤松さん… お母さんの大学時代の 友達って言ったでしょう?うん…。
それは 本当なんだけど もともとは お父さんの友達だったの。
へえ~…。
それで… 達也を産んだお母さんと 婚約してたの。
へえ…。 意味… 分かる?
ああ… つまり あれだろう?
親父は あの人の恋人を寝取って 俺を仕込んだってわけだろう?
すごい言い方ねえ…。 間違ってないだろ?
まあね…。
ふ~ん… 何か あるような 気はしてたけど… へえ…。
恨んでないのかな?
えっ? 親父のこと。
そうね…。
お~い 出来たぞ。 ほれ。
恨んでなんか いないよ。
でも ショックだったでしょう? うん? まあな…。
もしかして 検事さん辞めたの それも 原因だったりして?
それは 考え過ぎだ。
恨んでないなんて信じらんないな。
いや まあ… その時は 殺してやりたいと思ったよ。
でも 俺にも…。
おい 座れよ。 別に ないしょ話 してるわけじゃないんだから。
俺にも 原因はあった。 どういう意味?
その女… あ~ つまり 君を産んだ お母ちゃん
愛してなかったんだ。 えっ?
いや~ もちろん 結納まで交わしたぐらいだから
愛してると思った。 でも 本当は 愛していなかった。
ああ… ほかに好きな人がいたんだよ。 そんな…。
2人と つきあっていたわけじゃ ないんだぞ。
俺は そんなモテる男じゃないからなあ。
いや~ もともと 決まった相手がいたんだよ。
片思いってやつだ。 ふ~ん…。
で まあ… ほかの女を好きになれば
その人のことが 諦められるかなと思って
まあ 君のお母さんと つきあったというわけだ。
色の白い よく笑う女でな 「ああ これは いいなあ」と思って 婚約したんだ。
そうだったんですか…。
いや~ 君のお母さんには 話したわけじゃないんだけど
まあ… 俺が どういう気持ちでいるか っていうことは
気付いていたんじゃないかなあ…。
だから 俺の親父と できちゃったって言うの?
そうよ。 それじゃあ 復讐じゃない!
そりゃ うちのお父さんも 悪いと思うけど…。
どっちが悪いっていうわけじゃない。
そうかしら… どっちも 悪いんじゃないかしら?
えっ? だって お父さんと 達也のお母さん
結局は 赤松さんを 裏切ったわけでしょう?
うちのお母さんや 私や それから 達也を苦しめたわけでしょう?
それなのに 「どっちが悪いわけじゃない」じゃ
済まされないんじゃないかしら? 姉ちゃん…。
恨んでないなんて きれい事だと思うわ。
じゃあ 恨めばいいっていうのか?
悪いことは悪いの。 悪い人は悪いのよ。
君が どう思おうと勝手だが もう一度 言っておく。
弁護士になるのは やめろ! えっ?
行動を見て 悪いと決めつけるやつに 人の心は救えん!
そうかしら? 私 悪いと認めた上で
何で悪いことをしちゃったのか 考えるのが 弁護士だと思うわ。
いいか悪いか 白黒をつけようというのが おかしいって言ってるんだよ。
世の中には 善人と悪人しかいないなんて 決めつけるやつに
絶対 いい弁護士には なれん。 やめちまえ!
嫌です! 何?
私… なる。 自分のやり方で いい弁護士になるわ!
絶対に なってみせるわ!
アタタタ…。 とうとう こんな宣言しちまって。
これじゃあ 引っ込みが つかねえじゃありませんか…
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