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「君が跳んだ 水たまりへと」
「街の翳が」
「雪崩れてゆくよ」
「手のひらの上に」
「太陽を乗せて」
「心の暗がり照らし出しておくれ」
「Dreaming Girl Dreaming Girl」
「雨上がりの少女」
「Dreaming Girl 君と」
「めぐり逢えた」
「素敵な奇跡」
「Dreaming Girl」
(あづさ) 私に似てる? 達也がですか?
(赤松) ああ そっくりだ。 頑固で正直で バカがつくぐらい ストレートで
いや~ 君に似ているなと思ったよ。 そうですか…。
しかし… 許せん。 えっ?
そうだろう? 君の息子が やっていないというのが本当なら
当然 73万という金を盗って その中から 45万を抜き取り
罪をかぶせるために 残りの28万を ロッカーの中に入れた
何者かがいるっていうことだ。
ええ…。 せこいやつだ。 クソみたいな野郎だ。
俺は そういうのが許せん! ありがとう。
ああ… 依頼されたから 言ってるわけじゃない。
これは 俺個人として 腹が立つ。
(のぞみ) あの… お茶 どうぞ。 おお… ありがとう。
あの…。 うん?
どうやって 達也と話したんですか?
「どうやって」って?
あんなに黙り続けてた達也が 初対面の先生に お話をしたなんて
よっぽどの方法が あったんじゃないかと思って。
方法なんてのはない。 弁護士ってのは 人相手の商売だ。
いちいち 策を弄してたんじゃ続かんよ。
(赤松) アハハ… いや 1か月前に禁煙したんだ。
そうしたら がぜん 甘いものが 食いたくなってなあ。 フフフ…。
ああ… これ ちょっと ぬるいぞ。 もう一杯。
はい。 (赤松) もっと濃いやつな。
(リキ) どうしても 好きになれないけれど
結構 この中年 頼りになるのかしらん。
そう 思い始めた のぞみ嬢ちゃんでしたが…
(ノック)
(星野) こんちは…。 (赤松) おう。
お客さんですか? じゃ また。 (赤松) あ~ おい… 星野。
はい? (赤松) お前 確か アパート 茅場町だったな?
ええ。 おう。 じゃあ ちょうどいいや。
その子 谷中まで 送ってやってくれないか?
あっ 私ですか? おう。 この辺は 暗くなると
いろんなのが出てくるんだよ。 彼に 送ってもらいなさい。
どうしてですか? うん? いや~ お母さんと話があるんだ。
時間 いいだろう? はい…。
あの… 私が いちゃいけないんですか? (赤松) うん いけない。
じゃあ どこかで待ってます。
時間 かかるんだよ。
ああ… あいつな 品はないけど ボディーガードぐらいには なるぞ。
いいです。 一人で帰れます。 失礼しました。
どうします? ん? 頼む…。
じゃあ 例の情報 回してくださいね。 取り引きは 好かん。
私 一人で帰れますから。 (星野) 頼まれたからね。
結構 従順なんですね。 (星野) 俺が?
女 送ってけなんて 言うこと 聞かなくたっていいじゃないですか。
(星野) いくつ? あなたに 年なんか言う必要ありません。
年じゃなくて身長。
俺 でかい女 好きなんだ~。 バカにしてるんですか?
小さくて頼りない女にさ すがるような目で見上げられると
虫酸が走るんだ。 はあ…。
(純一郎) のぞみ?
純ちゃん。 ああ… よかった。
家へ電話したら こっちだって言うから ちょっと寄ってみた。
あのね… 赤松先生が 夜道は危ないから 送ってけって 頼んでくれたの。
ああ… すいません。
いえ… 送り狼になろうと 思ってましたから。 えっ?
冗談ですよ。
話って? ん? ああ… いや 今 考えてる。
え~?
(赤松) 何でもよかったんだ。 要するに 君と 話がしたかった。
娘に 「何でもいいから お母さんと 話がしたい」なんて言いにくいさ。
それに 俺は 弟の弁護人だからな。 そうね。
こんな時に不謹慎だけど… うれしいわ。
私も 家族以外の誰かと 話がしたかった。
考えた? え? ああ…。「話」よ。
う~ん…。
老けた? (赤松) うん?顔。 私の。
ああ… 年それなりに老けたかな?
最近 鏡 見るの 嫌! (赤松) それほどでもないぞ。
それほどよ。 シワだってあるし 白髪だって あるのよ。
フフフフ…。 俺もな… 目には来てるな。
フフッ。 あ~ 久しぶり 笑ったの。
そうか。
達也のことだけじゃなくて 深刻に ならざるをえないことがあったの。
分かったの… あの人の居場所。
雑誌記者ですか… いいなあ。 何が いいんですか?
えっ? いや マスコミっつったら 誰でも 一度は憧れるじゃないですか。
「誰でも」って考え方する人か。 えっ?
いや… 代われるっつったら 代わりますか?
ああ もちろん。 けど マスコミったって
大手出版社じゃないんですよ。 ただのフリーの記者です。
年収で言えば お宅ら証券マンの 半分以下じゃないかなあ。
いいじゃないですか。 別に 本当に代わるわけじゃないんだから。
へい お待ち~。 はい 熱カンね。
どうも ありがとう。
はい 冷や。 はい どうも。
じゃあ…。 乾杯。
そういえば お母さん どうしたの?
ああ 一緒だったんだけど 赤松先生と 話があるんだって。
話って… のぞみは いいの? 先にね 帰れって言われたの。
へえ… 何の話だろう? さあ?
赤松先生と 親しいんですか? 親しくなんかないよ。
ただ あの人が 今 やってる事件 3年越しで追っかけてるから。
あっ 3年っつったら 結構 大きな事件ですよね?うん。
そんな大きな事件やってるんですか? あの人。
埼玉の祖母殺しだよ。 知らなかったの?
はあ…。 あきれたなあ…。
あのさ… あの人は 「返しの赤ゲン」っていってさ
その世界じゃ 結構 名の知れた人なんだぜ。
去年 再審が決まった 福岡の高校教師殺しだって
あの人が 手がけたんだよ。 ああ 福岡の!
知ってますよ。 ニュースで見ました。 えっ 何 それ?
知らないの? お前 法学部だろ? 自分だって勉強してなかったでしょう。
(星野) もしかして お宅ら 法学部なの?
ええ 一応…。 「一応」ねえ…。
じゃあ 何? 大学の同級生ってやつ? まあ… そんなもんです。
ふ~ん。 何です?
いや 大学の法学部出て 金融に就職したやつの顔が
見てみたいと思ってたからさ。 別に 普通のことだと思うけど…。
それが普通だから 日本は おかしいんじゃないの?
「日本」って…。 何 言ってんだか。
俺も 法学部なんです。 それが何です?
弁護士目指して 司法試験を受験中です。
仕事しながらだから もう 5年も落ちてますけどね。
就職のために大学行くより 俺の方が よっぽど普通だと思うけどな…。
さてと お邪魔みたいだから帰ります。
あっ そうだ。 普通っていえば さっきの話…
赤ゲンと 君のおふくろさんが 何 話してたかって…。
多分 大人の話だと思うよ。 「大人の話」って?
あの2人 何かあるよ。 えっ?
初めて事務所に来た時 君の おふくろさん
「ご無沙汰してます」って 言ってたじゃないか。
あの時の表情 普通じゃなかったよ。 でも 大学時代の同級生だったから。
本当に そう思ってるんだとしたら 相当 鈍いね。 じゃあ。
(薫乃) 遅いわねえ 2人とも…。 (うらら) そりゃ かかっぺよ。
(ため息)
熱っ! あ~あ…。
すみません…。 な~んだか おかしない。
えっ? あんただよ。 情緒不安定っつうやつでねえの?
ああ… 当たり前でしょう。 達也が こんなことに なってるんですもの。
句でも 詠みますか? そだ気分に なんねえわ。
だから やるんですよ。 俳句は 気持ちを きれいにしてくれますから。
いいげんちょ…。 宿題 何でしたっけ?
「新年」。 「新年」…。
「新年や わが孫信じ 部屋を掃く」。
「孫… 孫恋へば 谷中の餅を 食はせたし」。
お二人の心情 お察しして 小生も 達ぼんにささげる一句を。
「年つまる 上野谷中に 戻る日は」
(優) はい。
はいよ。
おい! 急に離すなよ お前!
おい どうしたんだ? 大丈夫か?
(桃子) 何か 気持ち悪~い。 ええっ? おい 大丈夫かよ?
おい… もしかして…。 つわり?
うん そうよ! まあちゃん まあちゃん やったのよ!
本当かよ!? 当たり! ジャンジャカジャンよ!
キャ~! アハハハハ!
「チャチャ チャチャ チャララララ チャチャ チャチャ チャララララ」
「タラララ…」
おい…。 うん?
間違いないんだろうな? うん…。
いや… ガッカリするのは嫌だからさ。 うん…。
どれぐらい遅れてるの?
今日 23日でしょ? だから え~っと…
分かんな~い。 おい ちょっと「分かんない」って…。
だって 最近 諦めてたから つけてないんだもん。
アバウトだなあ…。大丈夫 つわりよ。 本当かよ?
明日 病院 行ってくる。 ああ ああ…。
大丈夫。 自分の体のことは 自分が よ~く分かるんだから。
そうか…。 うん。
じゃあ。 ありがとう。 あっ ちょっと寄ってく?
今日は いい…。
純ちゃん どうしたの? 別に。
怒ってるの? 何も 怒ることないだろう。
気に入らなかった? ほかの人に送ってもらったの。
バカ言え! あんな屈折したやつ 目じゃねえや。
ああいうのはさ 一昔前だろ? くだらねえ。
そうよねえ。 最低よ 最低!
無理すんなよ。 えっ?
「最低」ってこともないよ。
あいつの言ってたのは それなりに正しいよ。
じゃあ。 純ちゃん…。
ただいま…。
(足音)
あっ お母さん。 あっ ただいま。お帰り。
何してるの? 私も 今 帰ってきたの。
純ちゃんと ちょっと おでん 一緒に食べてて…。
入りましょう。 寒いわ。
一体 赤ゲンとの話は 何だったんでしょう?
なぜか言いだせない のぞみ嬢ちゃんでありました
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