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「君が跳んだ 水たまりへと」
「街の翳が」
「雪崩れてゆくよ」
「手のひらの上に」
「太陽を乗せて」
「心の暗がり照らし出しておくれ」
「Dreaming Girl Dreaming Girl」
「雨上がりの少女」
「Dreaming Girl 君と」
「めぐり逢えた」
「素敵な奇跡」
「Dreaming Girl」
(優) いや… 弱ったなあ…。
うまく言えないよ。
これ…。
(リキ) それは紛れもなく
懐かしい パパさんの筆跡でありました
ごめん… 黙ってて…。
本当に ごめんなさい。
(あづさ) やめて 優さん…。
いつ? 3年前…。
3年? あっ じゃあ…。
ああ… 俺が この店 持った時…。
どこで知ったのか 祝いの花 持って 来たんだよ。
そう…。 いや 俺 怒ったんだよ。
「よく 花なんて持ってこれるな」って。
「俺のとこへ来る暇があったら 1分でも 1秒でも早く
義姉さんのとこへ帰って謝れ」って…。
「帰りたい」 兄貴 そう言ってたよ。
帰りたい? 「でも 帰れない」って…。
お土産がないから帰れないんだって。 俺 頭に来て 殴ったよ。
めちゃくちゃ殴ってやった…。
兄貴のやつ 殴り返してこなかった。
殴り返さない兄貴を 「この野郎 この野郎」って殴ってて
俺 思ったんだよ。
兄貴が言ってる お土産ってのは 金のことじゃないんだよ。
「一旗揚げた」っていう 見えでもない。
「自分が どんな男になれたか」 ってことなんだ。
「義姉さんたちの気持ちを ちゃんと 受け止められるかどうか」
ってことなんだよ。 そうじゃないと
せっかく 今 うまくいってる あの うちの中
逆に めちゃくちゃにしちゃうもんな。
兄貴が帰ってきたばっかりに みんなが気まずくなって
罵り合って バラバラになったんじゃ 意味ないもんなあ。
だから 俺… その時…
もうちょっとだけ あの どうしようもない大バカ野郎を
待ってやろうと思ったんだよ。
義姉さんや おふくろには 悪いんだけど…。
男の身勝手って言われるかもしれないけど 兄貴が ちゃんと
義姉さんの怒りや悲しみを 受け止める覚悟ができて
のぞみたちに対しても 父親の顔で 帰ってこれるようになるまで
待ってやろうと思ったんだ。
俺のとこへ来れたぐらいだからさ その日も遠くないと思ったんだよ。
でも 今は… それが よくなかったのかなと思って。
一日延ばしにしてるうちに… もう 3年だもんな。
ごめん。
やめて。 謝らないで。
謝るのは あの人だけでいいの。
「園芸」って?
(優) ああ… サボテンを栽培してる 農家らしいんだ。
農家? あの人が農業やってるの? (優) ああ。
はあ… 何よ それ…。 (優) えっ?
あの人… 私と 福島の父に挨拶に行った時
「臭い 臭い」って 干し草一つ 触れなかったのよ。
それが 農業? ハハッ。 サボテン作り…。
その前までは 横浜で 水商売やってたらしいんだけど
ふと 全然 違うことが やりたくなったらしいんだ。
「ふと」ってのが好きな人ね…。
女性は? えっ?
一緒にいる女性は いないの?
ああ… 行ってみたわけじゃないから 分かんないけど…
いや もし いたら この辺り ウロウロしないと思うけどなあ…。
いや そりゃ 20年間 一人もってわけはないと思うけど…。
私は… 一人もよ。
20年間 誰とも つきあわなかったわ。
「ひたすら徹さんを待っていた」 って言ったら ウソだけど…。
「もう どうでもいい」って思ったことも 何度もあるし…
「誰でもいいから あのうちから 連れ出してくれないかな」って
思ったこともあるもの。 ああ… そりゃ そうだよ。
でもね ほかの人と つきあうような 器用さもなかったし 度胸もなかったの。
つきあうんなら あの人が送ってきた 離婚届に判ついてからにしたかったの。
子供たちに言うと 古いとか ダサいとか 適当にやれ~とか言うでしょうけどね。
あっ いや…。 私の仕事じゃ
出会いも あんまりなかったしね フフッ。
もしかして それ…。
ああ… みつきか 半年に一回 サボテン持って 来るんだ。
コーヒー 1杯飲んで 「みんな 元気で やってるか」とか言って帰ってくよ。
じゃあ… のぞみや達也のことも?
俺が 全部 話してる…。 そう…。
昨日 桃子に怒られちゃったよ。
達也のことを 兄貴に知らせようかどうか迷ってたら
「迷ってる場合じゃないでしょう! さっさと知らせて連れ戻しなさい」って。
「実は 兄貴も こういう機会を 待ってるんじゃないか」って…。
(純一郎) 何 考えてんだよ! 何で そんな大事なことを
すぐ言わないんだよ!
いらっしゃいませ。
コーヒー。 (のぞみ) カフェオレ。
怒らないでよ。 この間 あんなことが あったばっかりなんだもん。
「また 達也が…」なんて 電話かけづらかったのよ。
失礼なやつ。 失礼?
そうだよ。 俺が そんなことぐらいで
グラグラ来るような男だと 思ってんのかよ?
思ったわ。 あっ そう…。 信用してないわけね?
私はね そう簡単に 男の人 信用しないの!
へえ~。 結構 疑り深い性格なんですね。 そうよ。 ウジウジしてるの!
そりゃ 知らなかった。 少々 抜けてたって
スコ~ンと楽天的なのが 唯一 いいとこだと思ってましたよ。
楽天的になんか なれるわけないでしょ。 何よ! 人が苦しんでる時に…。
苦しんでんなら 何で すぐ言わないんだよ!
こっちは お前のこと… いつでも 守ってやろうと思ってんだぞ!
「守ってもらって当然」って顔をされると 腹立つけど…。
やっぱり 男って 守りたいの。 守りたいものなの。
守れるほど 強かありませんけどね。
そんなことない。 純ちゃん 強いよ。
何だよ? 急に…。
お待ち遠さま。
ごめん。 それでなくても お父さんとお母さんが反対してるのに
弟が 問題 起こしたなんて知ったら 余計 結婚 遠のくと思ったの。
突然 素直になるなよな。 ごめんなさい。
いいけど… でも お前は大丈夫かよ?
あんまり大丈夫でもない。
どう思ってるの? うん?
達也が 本当にやったと 思ってるの? うん?
みんなには 「信じよう」なんて言ったけど
警察でも態度悪くて ひと言も しゃべらないって聞くと
やっぱり 自信 なくなる。 ひと言もか…。
何よねえ… ふだん さんざん 憎たらしいこと言うくせに…。
でも… 助けてやりたい。
やってても やってなくても 助けてやりたい!
(真鍋) 差し入れがあった。 店長の田中さんから 幕の内弁当だ。
「体 壊さずに」だと。
いるんだなあ いい人って…。
迷惑かけたお前を こうやって あとまで 気にかけてくれてるんだからな。
ちょっとでも感謝の気持ちがあるんなら 何か しゃべれよ。
お前な… こうやってたら お前が 一番 損するんだぞ。
19歳の貴重な時間が どんどん どんどん 失われていくんだぞ。 うん?
(薫乃) 正直言って 参ってますの。 心配で 心配で…。
(うらら) ああ…。
何ですの? あ… いや… ちょごっと その…
母親 思い出したもんでない。 私を見て?
いや… すまねえない。 薫乃さんの方が 私よりも年下だのによ。
もう… でも 昔の母親って よく 針を持ってましたものね。
んだない。 繕い物から始まって 雑巾に 敷布に 浴衣に… して 千人針と。
千人針ね…。 亡くなった兄が
「こんなもので 命が守れるか」 なんて言ってましたけど
ちゃんと 守ってたんですね。
待ってる母親たちを…。 んだない。
あ~あ 手でも こう動かしてねえと
心配で おかしくなっちまったんだべがらない。
うららさん…。 えっ?
いてくれて ありがとう。 (うらら) 何だべ?
助かりました…。
「助かりました」… ちょごっと!
「助かりました」って そだ… 他人みてえに言わねえでおくれ。
それは 血のつながりはねえけんど 私だって 達也を孫だと思ってんだぞい。
ゆんべだって 何か できっことはあんまいがって
寝らんねがったんだから…。
そうね! そうだわ! はい?
私たちにできることが あるかもしれませんわね。
ああ… ほんでも 何ができっかい?
だから それを 今から 2人で考えるんです。
はい ありがとうございました。 はい お大事に~。
飼い主さんの方が 心配だわね。 ワンちゃんに頼り切ってるもの。
(恭子) 私は 先生の方が心配です。
えっ? (恭子) 少し 休んでください。
恭子ちゃん…。
こんなこと言うの あれですけど これからの方が大変だと思います。
私なら大丈…。 休んでください! お願いします。
ありがとう。
リキ~。
はあ…。
果たして あづさ先生は パパさんに 電話をかけるのでありましょうか?
(弥市) クリスマス… あっ 薫乃さん! どうしたんです?
昨日は 俳句教室 お休みで…。 はあ… あの~ ちょっと…。
今週の宿題は「クリスマス」です。 「クリシマス」。 ハハハ…。
こう 何か… ウキウキと楽しい句を 詠んでみたいもんですなあ。
あの… 失礼いたします。 ちょっと急ぎますので…。
そして ばあさんたちは 一体 どこへ行くつもりなんでしょう?
お願いします! 本人に 話 聞かないと
家族だって どうしていいか 分かんないじゃないですか。
駄目です! 素直に 取り調べに 応じてるんならともかく
お宅の弟さん まだ ひと言も 口をききませんからね。
だったら 家族に会えば 何か 話すかもしれないでしょう?
えっ? お願いします。
お願いします! あ~…。
お願いします! (2人) お願いします!
平成3年12月。 我が南田家に
楽しいクリスマスは 訪れるのでありましょうか
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