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「君が跳んだ 水たまりへと」
「街の翳が」
「雪崩れてゆくよ」
「手のひらの上に」
「太陽を乗せて」
「心の暗がり照らし出しておくれ」
「Dreaming Girl Dreaming Girl」
「雨上がりの少女」
「Dreaming Girl 君と」
「めぐり逢えた」
「素敵な奇跡」
「Dreaming Girl」
(のぞみ) はい。 (優) えっ?
奥のお客さん カレーでしょう?
(優) ああ そうそうそう。 カレーだよ カレー。 そうだったよな。 はい。
はい。 はいはい。
よし…。
何やってんだよ? もういいから そろそろ帰れよ。
そんな冷たいこと言わないでよ。
失業者はね 何とな~く うちに帰りづらいものなの。
金 出ないよ。 いいよ~。 私も たまには労働したいもん。
(桃子) だったらさ… そのカレー 持ってってくれる?
⚟うん。 ⚟(優) えっ!?
お待ち遠さまでした。
はい。
(徹) あっ お嬢さん。 はい。
しょうゆ もらえる? おしょうゆ?
あっ 俺ね… しょうゆ かけるんだよ カレーに。
お待ちください。
あっ はい おしょうゆ。 あっ ありがとう。
どうぞ。 あ~ これこれ。
あ~ 本当に おしょうゆ かけるんですねえ。
初めて見ました!
うまいんだ これ…。 もうね… 涙 出ちゃうくらい。
アッハハ…。 じゃあ ごゆっくり。
さてと 次は何しようかな…。 あっ 洗い物しようか?
あ…。 はあ~…。
叔父ちゃん! まあちゃん?
どうしたの? 泣いてるの?
まあちゃん? まあちゃん?
いや… うれしいんだよ。
あの 弱虫のぞみが こんな手伝いが できるようになったかと思ったら…。
え~ どうしちゃったの? もう… はい。
ありがとう。
いや… 本当に うれしいんだよ。
(リキ) うれしいなんてのは ウソでした。
優叔父ちゃんは 死ぬほど悲しかったのです。
娘が 実の父親に会っても気付かない。
20年の時の流れを思うと とても やりきれなかったのです
⚟大丈夫? 何か 今日 変だよ。
ごめん ごめん。
年のせいかな…。 涙もろくなっちゃってさ。
忙しくて疲れてるんだよ。 あっ ちょっと お客さん やったら?
ねっ? 私が コーヒーいれてあげるから。 桃子さんも… はい。
(桃子) あ… ありがとう。 サンキュー。
あっ のぞみちゃん。 うん?
最近さ お母さんや おばあちゃんの様子 どう? 元気してる?
昨日 会ったばっかりじゃない。 元気だよ。 風邪も ひいてない。
あ~… あっ ねえ あれ どうなった? のぞみちゃんの結婚。
うん…。
難航中。 あっちの お父さんとお母さんが 反対してるんだって。
そう…。
でも… 沈没じゃないよ。
純ちゃんがね 時間かかっても ちゃ~んと 説得してくれるって言ったから。
よかったなあ。 うん。
でも… そりゃ反対するよねえ。
お父さんが失踪中で お母さんが 愛人の子 育ててるんだもんね。
ゆうべ… 見せてもらっちゃった。 離婚届。えっ?
20通の離婚届。 お父さんの字 初めて見たよ。
そうか…。
やっぱり分かんない。 あんなの支えにして 待ってる お母さんの気持ちなんて…。
無事を知らせたいんだったら
「無事」って ひと言 葉書に書いて 送ってきたら いいじゃない。
(優) いや それが 書けないからさ
唯一の連絡手段として ああやって 送ってきてるんだよ。
それで それは 「まだ 待っていてくれるのかどうか」
確かめる手段でも あるんじゃないのかな?
変よ そんなの。 どうして 「無事」って書けないの?
「待っててくれ」って書けないの?
(優) いや それはさ… 「すまない」っていう気持ちとか…
「義姉さんを縛っちゃいけない」 っていう気持ちとか…。
ずるいよ そんなの…。 お父さんが 「待っててくれ」って言わないから
逆に お母さん 待ち続けちゃうのよ。
もし お父さんが「待っててくれ」って 電話でも かけてきたら
お母さん 「冗談じゃないわよ」って 言ってたと思うな。
はっきり言わないから 気持ち 確かめたくて 待っちゃうのよ。
(優) いや でもさ… 男って そういう ずるいとこ あるんだよ。
こう 何て言うのかな… どこかで
自分を待っていてくれる人が いてほしい… みたいなね。
その「男って」っていうのが 大体 ずるいのよ。
「男ってな」って言えば 全部 許してもらえると思ってな~い?
そうそうそう… さすが!
いいじゃないか。 だってさ… 当の義姉さんが
「待つ」って言ってるんだから 周りが いろいろ言うことないんじゃないかな。
でも… 本当に 何で 20年も待てるんだろ?
(桃子) 好きだからじゃないの? 好き?
(桃子) それしかないでしょう。 きっと 私たちに分からないぐらい
すっごく好きなのよ。
そんなに いい男なのかな… お父さん。
(桃子) いい男よ。
私… 逃げるような人 好きじゃない。
でも 本当言うと…
一度だけ 帰ってきてほしい。
…で ちゃんと 何で逃げたのか 話してほしい。
そしたら ちょっとは 好きになれるかも…。
どうも… ごちそうさま。 あっ…。
ありがとうございました。 ありがとうございました。
あっ はい…。 どうも。ちょうど頂きます。
よし… じゃあ。 (優) それじゃあ お気を付けて!
(八尾) あ~ いかがですかな?
(薫乃) あ~ 遅くなりまして…。
ああ こんばんは。 どうも。
こんばんは… どうも…。
(弥市) どうしたんです?
はあ~… 今夜は お顔が… 見られないかと思いました。
まあ…。
(うらら) 北風… 北風… っと。
あっ いえね… 今日は ちょっと いいお話を聞いてきたんですのよ。
いい話? ええ。 生涯学習の会なんですけどね…。
あっ あの… どうぞ…。 ちょっと…。
これね 一度 会員になると 全部の講座を受けられるんですって。
ほう…。
「俳句をやるからって 俳句をやってるだけでは
広がりがないんじゃないか」って 言われましてね…。
「なるほど」と思いましたの。
どの講座でも体験できるそうなので
「お友達を誘って どうぞ」って 言われてるんです。
ご一緒いたしません?
いいですねえ。 いやいや…
薫乃さんから お誘いを 受けるなんて…。
(うらら) 私も 行くけっどない。 あら?
お邪魔だら 離れてるぞい。
いや とんでもない! 久しぶりだなあ…。
こちらに 薫乃さん こちらに あららさん。
両手に花! ハッハッハッハ…。
「うらら」です。 (弥市) そうでしたねえ。 あららさん。
ただいま。(あづさ) お帰り。 ご飯 食べてきたでしょう?
うん。 今日 何? カレー。
あっ 薫乃ちゃんの? 今日は うららちゃんが作ったんだって。
へえ~ うららちゃんのカレー 初めて! ちょっと味見しよう…。
達也は? うん? 2階。
あっ そう…。
お母さん。 私 あれ やめたから。 「あれ」って?
講師の口。 能力発掘センター。
どうして? 急に…。 うん…。 あの…
よく考えたら 人に ものを教えるなんて 簡単にはできないなと思って。
そう…。 ごめんね。 むやみに反対して。
でも 何だか のぞみ 焦ってたみたいだから。
あっ… フフフ…。 どうしたの? 思い出し笑いなんかして…。
今日ね 叔父ちゃんのお店に おっかしな人がいたのよ。
えっ どんな? カレーにね おしょうゆ かけんのよ。
変わってるでしょう? フフッ。 あっ 私も かけてみようかな?
あっ 結構 いける! あのね… カレーうどんみたいな味?
うん… おいしい。
いや~ しかし びっくりしたよなあ。 (桃子) でも よかったじゃない?
えっ? 気付かなかったとはいえ
お義兄さん 我が子の顔 見ること できたんだもん。
まあな…。 「逃げるような人 好きじゃない」か…。
フフッ… のぞみちゃんのやつ ビシビシ やったわねえ。
おいおい おいおい。 冗談じゃないぞ。 お前が けしかけたんじゃないかよ。
バレてたん? はあ… でもな…
さすがの兄貴も ショックだったろうなあ。
そんなの 当然じゃないの! 身勝手してんだから。
でもな… 普通 うまくいきっこねえよなあ。
20年待った男がさ… 全然 成長してなかったら
かえって こじれちゃうよな…。 そしたら…
あのうち 一体 どうなっちゃうんだろうな?
「北風や… 北風や…」。
よう のぞみちゃん! おはよう。
あっ おはようございます。 あれ? わあ~ オシャレ! お出かけですか?
あら 聞いてない? えっ?
今日はね… 両手に うば桜なんだよ。 おばあちゃんたちと?
うん。 水墨画を習いに行くんだ。 へえ~ 高尚!
いやいや… 高尚なんてもんじゃないよ。 体験コースなんだから。
水墨画にも 体験コースがあるんですか?
入会すっかどうかは分かんないよ。 何しろ 高いんだ。へえ~。
こんな しみったれた商売してちゃ
入会金 60万円ったら 「清水の舞台」だからねえ。
入会金 60万…。 あっ 出来た。
「北風や あららの春…」。 それって 一体 どういう講座ですか?
どういうって… 生涯学習の会だよ。 うん?
のぞみさんの知り合いが 勧誘やってるんじゃなかったのかい?
どうしたい? あっ すいません。 ちょっと失礼します。
お母さん!
あっ のぞみ。 ちょっと出かけてくるわ。
どこ行くの? おばあちゃんたちがさ…。
診療時間までに戻るから。
お母さん。
あづさ先生は どこへ行ったのか…。
そして ばあさんたちの ささやかな楽しみは どうなるのか
きつい きつい…。 えっ? でもね… このぐらい締めないと
着崩れしますからね。
薫乃ちゃん! うららちゃん!
またしても 騒動の一日が明けました
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