All language subtitles for 初情事まであと１時間＃03

♬～

♬～

ガチャ(車のﾄﾞｱの音)

バタン(車のﾄﾞｱの音)

グエッ グエッ…(ｶｴﾙの鳴き声)

(青木)こんにちは～｡

酒屋で～す｡
(従業員)は～い どうも～｡

(上田)まいど～｡
(子ども)こんにちは～｡

おっす コウタ｡
(従業員)どうも～｡

まいどありがとうございます｡
(従業員)ありがとうございます｡

キーンコーンカーンコーン…
(ﾁｬｲﾑ)

(子どもたち)
ありがとうございま～す！

１列！

ええ～ いいなぁ 小学生｡

もう 学校 終わりか｡

あれ 見て｡ 知ってる？
ん？

今 みんな 防犯ブザーみたいなの
持ち歩いてんだぜ｡

ああ～ うわっ ほんとだ｡

カイトも ぶら下げてたよ あれ｡
小学生のときは｡

ふふふっ｡

今 １７だから もう ７年前か｡

かわいいのは
あのくらいまでだな～｡

ふ～ん そういうもんなんだ｡

俺らの頃はさ
あの位置といえば 縦笛だったよな｡

縦笛！ 懐かしい｡
あははっ｡

青木 いつも 学校帰りに➡

ピ～ヒャラ 吹きながら
歩いてたよな｡

ええ～
上田も吹いてたじゃん 縦笛｡

昇級試験あるからさ 帰りに
みんなで練習してたじゃん｡

いや 俺は
｢ガッチャマン｣だけなら吹けるぜ｡

それ以外 練習したことねぇし｡
あっ そう｡

ふふふっ｡
あっ ほら｡

ああ｡

青木は 勉強もできたよな｡
そう？

そうじゃん｡
うん まあ そうだね｡

こっちにいる間はね｡
でも 大学じゃ 普通｡

っていうか 成績 うなぎ下がり｡

ふっ… あっ バカ露呈｡
えっ？

｢うなぎ下がり｣なんて言葉 ねぇし｡
ふふふっ｡

ギャグだとしたら滑ってる｡
｢うなぎ｣なだけに｡

あははっ｡
ふふふっ｡

いや 青木は 勉強できたよ｡

いつも 出席番号１番だしな｡

えっ？
それ 学力と関係ないじゃん｡

いや なんか あんじゃねぇの？

やっぱ １番の重責を
常に 担う者の何かがさ➡

こう… 芽生えて
自分を鼓舞してるうちに➡

いつの間にか
脳みそも だまされてさ➡

なんか 成績も
１番を取らないとみたいな➡

なんか そういう なんでも
１番 取らなきゃみたいな｡

何？ それ｡ シンプルに
頭がいいって思ってくれないの｡

シンプルに 頭がいいとか
それは 絶対 言わせない｡

っていうか 言いたくない｡
ええ～｡

俺は いつも だいたい
出席番号 ２番か３番じゃん｡

うん…
まあ 言われてみれば そうだね｡

｢う｣は 不利なんだよ｡
ん？ 不利って 何？

いや
俺が どんなに頑張ったってさ➡

上田の名前に
生まれついた宿命でさ➡

絶対
トップには なれないわけじゃん｡

ああ～ 出席番号がね｡
そう 出席番号｡

たかが 出席番号
されど 出席番号｡

どうせ １番じゃないなら
努力しても意味ねぇなって➡

脳みそが諦めちゃうわけ｡

んん～… うん…｡

だから いつも 俺はさ
青木の２歩斜め後ろから➡

いっつも 青木の座を狙ってたよ｡

だけどさ
上田に それは無理なわけ｡

うん まあ そりゃあ そうだよね｡

ふふふっ｡ で 青木に勝つには
｢あ｣… ｢あお｣だから➡

｢ああ｣ ｢あえ｣ ｢あう｣…➡

｢あいみょん｣になるしかねぇじゃん｡

ええ～！
はははっ！

いや ｢あいだ｣でいいじゃん！

っていうか
あいみょん 名字じゃないし｡

くだらねぇ｡
あははっ くだらねぇな｡

くだらない｡ えっ 何？ それ｡

あははっ｡
ふふっ｡

｢あ｣ ｢い｣… あっ そっか
｢あい｣… ｢あいだ｣｡

｢あ｣…｡

ん？ なんか 歌ってた？
えっ？

なんか 歌ってた？
歌ってない｡

歌ってない？
歌ってないよ｡

歌ってたでしょ｡
歌ってないよ｡

ちょっと 鼻歌ぐらい 歌うでしょ｡

歌う？ なんか 演歌っぽくない？

演歌は…｡
演歌じゃない？

ニューミュージック｡
ニューミュージック？

エモいね｡
ふふふっ｡

♬～

うわぁ… あっ ほらほら あそこ｡
あそこ あそこ｡

ああ～…｡

ふぅ～…｡

はい｡
うん｡

あぁ～あ…｡
ああ～｡

ガキどもめ｡

ここ
バーベキュー 禁止だからねって➡

昨日 言ったよね 俺｡
ふふっ｡

そんなこと聞くようなやつらが
こんな所まで➡

お酒 配達させないでしょ 普通｡

しょうがないよ 観光客は｡

ごめんな｡
えっ？

ふふっ 上田のせいじゃないよ｡

この子たちの躾が
なってないだけだよ｡

親父の頃は 店舗と個人宅にしか➡

配達してなかったんだけどね｡

まあ 言われた所まで お届けして
稼がないとね｡

しゃあないよ｡

感謝してる｡
ふふっ なんだよ 急に｡

えっ？ いや… 雇ってくれて｡

はははっ
俺も 一人になっちゃったからね｡

三代続く酒屋の暖簾➡

下ろすわけにはいかないしね｡

だから むしろ
こちらこそ 感謝だよ｡

一人で やれてたでしょ 十分｡

いや～
一人は もう 十分 味わった｡

ん？
ん？ いや…➡

私の人件費で
苦労かけてるなって｡

あっ ふっ…
やめてくんねぇかな そういうの｡

一人は もう 十分なんだって｡

いい中学 いかせたいって
かみさんが➡

カイト連れて 出てくの
認めちゃったらさ➡

結局 そのまま離婚だよ｡ ははっ｡

ごめんね｡

はあ？

なんで 青木が謝んだよ｡

何なんだよ!?
青木が 東京から戻った➡

仕事が必要だ
こっちは 人が必要だ➡

じゃあ よろしく｡
それで よくねぇか？

うん…｡

ちっ… はぁ～…｡

よく こんだけ飲めんな｡

配達したとき 何人だったっけ？

男３ 女４…➡

７人か｡

だよな？
だね 確か｡

♬～

はぁ～… はぁ…｡

うっ うぅ…｡

はぁ…｡

はぁ～…｡

♬～

♬～

どっち？

♬～

プシュ(缶を開ける音)

♬～

青木は
ほんとは ビールって気分だろ｡

いやいや お仕事中です｡

酒屋なのに
自販機で ドリンク買っちゃって｡

ふふふっ 経済まわしてる｡ 立派｡

戻れば 売るほどあるのに｡

ふふっ｡
ははっ…｡

しかも 酒屋の三代目なのに 下戸｡

ふふふっ｡
はははっ｡

羨ましいよ
ビールのうまさが分かる人が｡

かわいそうだね｡
ん？ ふふふっ｡

私も 最近だよ
ビールのおいしさ➡

分かるようになったの｡
ふふっ そうなの？

４０代後半… 随分 かかったね｡

ふふふっ｡ 年のこと言うな｡

ふふふっ
タメなんだから 気にすんなよ｡

ふふっ そうだね｡

お酒 飲み続けて
四半世紀たったな｡

二十歳前からいってたクチだろ
青木は｡

うん そうだね｡
ふふふっ｡

でも 好きで
飲んでたわけじゃないっていうか｡

接待だ つきあいだ
とりあえず 一杯だって➡

飲んでたときは
味 感じてなかったな｡

水？ いや 水以下だね｡

酔って
体調 悪くなったりするわけだから｡

もったいねぇな｡
ふふっ｡

私さ 同期ん中で
いちばん仕事できたんだよ｡

ふふっ ほら！
出席番号１番の呪いだ｡

ふふっ｡
ふふふっ｡

まだ お茶くみみたいな仕事は
女の仕事ってされててさ｡

それ こなしながら 仕事して
仕事で勝ってくにはさ➡

おじさんになんなきゃ
なんないわけよ｡

キチぃな｡
ふふっ｡

ガバガバ飲んで 褒められるの｡

女なのに すごい飲めるね～
いいね すごいね～とか｡

おじさん化 必須｡ ははっ｡

女のまま 出世させてくれよって
だんだん むかついてきちゃった｡

ふふふっ
キチぃよ 青木のおじさんは｡

おう 上田 キャバクラ行こうぜ｡

ふふっ
お前さ おじさんのイメージが➡

貧困すぎるよ｡ おじさん イコール
キャバクラじゃないんだから｡

ふふっ｡
はははっ｡

上田 キャバクラ行くでしょ｡

行くよ｡

飲めないのにねぇ｡
飲めないのにねぇ｡

あははっ｡
ふふふっ｡

でも やっぱ
青木が来てから入れた➡

クラフトビール 好調だもんな｡

あっ そうだね｡ やっぱ
おいしいもんは おいしいからね｡

日本酒並みに 各地にあるのな
クラフトビールって｡

うん まだまだ
いくらでも開拓できるよ｡

ありがてぇな｡

この町の人にも
もっと 紹介できるよ｡

東京には コンビニにも
置いてあるぐらいだから｡

マジか｡
福沢のおばちゃんところで➡

クラフトビール始められたら
痛ぇな｡

あそこは
パン屋だから大丈夫でしょ｡

ふふっ そっか｡
ふふっ｡

青木 高校時代
あそこで バイトしてたもんな｡

うん｡

なんで あのころ うちで
バイトしなかったんだっけ？

どうだろう？
そもそも 募集してた？

してたよ｡
磯村 バイトしてたもん｡

ああ～ いたいた 磯村ね｡

お前 あいつのこと好きだったろ｡

うわぁ もう～ 嫌なこと言う｡
忘れてたのに｡

青木 よく買い物 来てたもんな
磯村に会いに｡

やめて｡
ふふふっ｡

そういえば 磯村 どうしてんだろ｡

ああ もともと 地元
こっちの人たちじゃないから➡

もう 引っ越したよ｡

あっ そっか｡ じゃあ ひと安心｡

お前が引っ越してから
割と すぐだったんじゃないかな｡

ふ～ん｡ じゃあ もう
かれこれ ２０年以上前か｡

そうだな｡

♬～

青木｡
ん？

帰って来てくれて ありがとな｡

いや… 別に｡

ふるさとだし｡

へえ～ ふるさと…｡

上田だって そうでしょ？

俺は 生まれも 育ちも➡

青春も 人生のどん底も➡

全部 ここだからな｡

ふるさと イコール 人生だから｡

なるほど｡

青木は
家族ごと 町を出てったから➡

青木のふるさとは
もう 東京なんだと思ってた｡

東京は… 頑張り過ぎて
しんどくなっちゃったし➡

そのうえ
家族がいるなんて 最悪だよ｡

息苦しい｡

逃げ場なし｡

だから 逃げてきた｡

そっか｡

高校のとき➡

上田ん家でバイトしてたら➡

私の人生 なんか変わってたかな｡

どうだろうな｡

セックスしようか｡

ブルルル…(車のｴﾝｼﾞﾝ始動音)

♬～

♬～

♬～

♬～

よっ…｡

(男性)こんばんは｡
ああ～ こんばんは｡

ああ こんばんは｡
(男性)こんばんは｡

♬～(防災無線｢夕焼け小焼け｣)

♬～(防災無線｢夕焼け小焼け｣)

♬～(防災無線｢夕焼け小焼け｣)

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♬～

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♬～

♬～

なっちゃんは？
今日は おらんよ｡

ただいま～｡
お姉 うちの靴下 知らん？

ちょっ… 服 着ろって｡
もう したん？

家では なんも着けん派やねん｡

お姉 長風呂やねんな～｡

えっ…｡