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⦅できたぞ! いただきます!
おいしい! これ なんて料理なの?
いいから さっさと食べなさい。 仕込みがある。 うん!⦆
⦅安倍:安倍実花です。
英雄さんから 伝言を 頼まれてきました。
会うつもりはない とのことです⦆
<農家になっているという お父さんは➡
三舟シェフと会うことを 拒否した…>
高築さん! はい。
体が どこも 動いてませんよ! すみません… モップがけ 続けます。
私 昨日 行ってきたんですよ 安倍さんのとこ。
安倍さん!? ABって 自然食品のお店。
で… どうだった?
この前は ケーキ食べられなくて すみませんでした って…。
⦅体質的に 乳製品が だめで…。
じゃあ フランス料理もですか? 食べられないんです⦆
きっと フランス料理も ホントは 食べたいんじゃないかな。
どういうこと? セラーが あって➡
いろんな種類の ヴァン・ナチュールが そろえられていたんです。
ヴァンナソカナ? ヴァン・ナチュール。 ヴァン・ナチュール。
うん あの… 有機農法で栽培したブドウを使って➡
醸造に必要な添加物を 少なくし➡
天然酵母で造られた ワインのことです。
ワインといえば フランス料理…。 そういうことです。
(志村) どうしたんですか? 三舟シェフ。
あれ…? お前…。 はい。
お前…。 はい。 お前…。 はい?
どっか やったのか? いやいや いや なんのことです?
ないんだよ どこ いった? えっ なに 捜してるんですか?
スツールだよ スツール 俺が いつも 使ってるやつ。
(志村) あ~ あの 壊れちゃったやつ?
あれ 相当 古かったですもんね。
(志村)んっ?
ジャン ジャン ジャーン! 新しいやつ!
はい どうぞ 使ってください! 高築さん 気が利く~! ヘヘヘ…。
どこ やった!? はい? あの 古いスツール➡
どこ やったって 聞いてんだ! あれは 今朝 捨てちゃいました…。
いや だから どこに! 商店街の ゴミ集積所です。
あっ…。 えっ… 三舟シェフ?
(志村)ホント いい背もたれだな~。
遅いですね~。
あと10分で ランチ 始まっちゃいますよ。
う~ん… しかたない 時間がきたら オープンしよう。
あっ…。
(金子)どうでした? なかったです…。
他の集積所も 回ったんだけど…。
そんなに 大切なものだったんですか?
おやじから もらったんだ。 ⦅お前のだ⦆
子どものころ 厨房の隅が 俺の居場所だったから…。
⦅やった~!⦆ 勉強したり ごはん 食べたり できるように って➡
フランスにも 持ってったりしてな…。
本当に… すみませんでした…。
ああ 気にすんな。
あっ 買ってくれたスツール 使わせてもらうよ。
よし ランチ 始めるか!
(金子)じゃあ オープンしますね。 ああ!
(志村)4番 お願いします。 はい。
フォアグラとサーモンとバベット 2人前。
はい。 はい。
♬~
(金子)疲れた~。 ひと息ついていいぞ。
ハァ…。 どうぞ…。 ☎
☎
はい お電話 ありがとうございます➡
ビストロ・パ・マルでございます。
☎ご予約ですね?
あっ… もしかして…。
あの~ あさっての ディナーなんですけど➡
乳製品アレルギーの お客様が 1名 ご予約されました。
乳製品アレルギー? はい。
それがですね… 安倍さんなんです。
わかった。 えっ えっ いいんすか?
志村 前も言ったけど 安倍さんは 何も悪くない。
わかってますけど なんか 釈然としないというか…。
せっかく 来てくれるんだ いい料理で お迎えしよう。
まあ 料理を出す以上➡
どんな お客様が来ても 最高のものを お出ししますよ。
スーシェフの名にかけて。
<三舟シェフは 安倍さんに 何の わだかまりも ないようだ。
そして 何より 僕は…>
(金子)お疲れさまです。 お疲れさまでした。
あっ まだ やってんのか? もう 帰るぞ。
先に帰っててください。
入っている ご予約の整理をしたいんで。
予約の整理?
はい。 あっ そうだ!
私も ワインの在庫確認 忘れてた~!
俺もだ! 今日中に➡
発注しなければ ならないものが あったのだった!
(金子/志村)三舟シェフは…。 三舟シェフ…。
(3人)先に 上がってください。
じゃあ 戸締まり頼んだぞ。
(3人)お疲れさまでした。 お疲れ!
ふぅ~。 で なんですか? 予約の整理って。
ウソが 下手すぎんだよ!
棒読みに なってたぞ! お前もな。
手伝いますよ スツール 捜すんでしょ?
何から 手 つける? まずは➡
回収された 大型ゴミの行き先から。 業者の連絡先 ピックアップして➡
で 明日 片っ端から かけてみよう。 なっ。
そうですね。
あの… ありがとうございます!
いいから いいから。 もう とっとと やっちまおうぜ!
はい…。 電話帳 事務所に あったっけな…。
ちょっと 見てくるわ。 はい!
電話帳って なんですか?
そうか 知らない世代か…。
いや でも 言ってることは 間違ってないんだよ。
あの 言ってることが 昭和なだけでね。
ふ~ん。 フフッ。
あった。 粗大ゴミ 破砕処理施設。 おっ。
高築さん。 はい。 あの 電話番号 メモってください。
メモ…。 いきます。 待って! はい どうぞ。
港素材処理センター。 港素材処理センター。 03 563 6268…。
03 56…。
<僕は 仲間に恵まれている。
なんとか スツールを見つけないと…> スピードが 速いな!
< そして 二日後…>
いらっしゃいませ。 (金子)いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。 いらっしゃいませ。
(金子)こちらへ どうぞ。
いらっしゃいませ。
すみません… この前 嫌な思いを させたばかりなのに。
来てくださって うれしいですよ。
メニューでございます。
私… 今日は フランス料理と 和解しにきたんです。
和解? あっ いえ… なんでもないんです。
乳製品を使わずにという 注文だけで 大変だと思うので➡
お任せします。
他に 食べられないものは ありませんし➡
フランス料理 初めてなので。
かしこまりました。
では メニューを お下げいたします はい。
ピサラディエールでございます。
きれい!
生地の上に 炒めた たまねぎとアンチョビ➡
オリーブをのせて焼き上げた 南仏料理です。
いただきま~す。
う~ん! たまねぎの甘みと アンチョビが 合いますね。
ごゆっくりどうぞ。
あの… 乳製品とか 食べられないと➡
大変じゃないですか?
あぁ… 今は それほどでも ありませんけど➡
昔は 何かと…。
給食で 必ず 牛乳が出るじゃないですか?
当然 飲めなくて 5年生のときの担任は➡
アレルギーとか言って ホントは 嫌いなだけだろ って…。
あ~ 最悪ですね。
パワハラ以外 何ものでも ありませんね。
あっ これ… ア・ポア・ルージュのパンですね?
オープンしたてなのに よく わかりますね。
ここのパンは 天然酵母を 使っているし➡
食事パンは 牛乳も卵も 使っていないから。
うん おいしい。
フランスの味がする。
フランスに 行かれたことが…? 1度だけですけどね。
私 昔は パン屋だったんです。
20代のころ 自分の店も 持ってたんですよ。
(金子)そうだったんですか? でも うまくいきませんでした。
ライ麦パンや パン・ド・カンパーニュみたいな➡
どっしりした 食事パンの店に したかったんだけど➡
全然 売れなくて…。
仔羊のロティです。
付け合わせのマッシュポテトは➡
オリーブオイルと豆乳を使って 作っています。
ありがとうございます。
う~ん… やわらかい。
それに 甘い。
仔羊の肉は クセが ないですからね。
《志村さん うれしそうだな》
どの お料理も 本当に おいしいです。
《っていうか すっかり笑顔だ》
う~ん…。
コーヒーのおかわり お持ちしますか?
いえ もう 大丈夫です。
安倍さんのワンピース すてきですね。
ありがとう。
仕事が終わってから 着替えてきました。
(金子)ふ~ん。 おかしくなければ いいんですけど。
うちは ビストロですから➡
気軽な格好で いらしてくださって 構わないんですよ。
それでも レストランでは➡
自分も 他のお客様にとっての 風景になります。
だから あんまり ラフな格好では 来たくないと思って。
あっ そうだ…。
三舟さんに 聞きたいことが あるんですけど。
なんでしょう?
たぶん フランス料理に 使うんだと思うんですけど➡
陶器の鍋って あります?
陶器の鍋ですか? 深くて 円形で➡
周りに きれいな模様が 描いてあるんです。
どんな模様でしたか? 鳥です 足の長い…。
足の長い鳥…。
フラミンゴ ダチョウ…。
フラミンゴでも ダチョウでもない。
三舟シェフ 知ってるんですか? ああ。
もし よろしかったら 今度 いらっしゃったときに➡
その鍋を使った料理を お出ししますよ。
あっ ぜひ お願いします。
<安倍さんは 1週間後に➡
また 来る約束をして 帰っていった。
その間も 僕たちは➡
三舟シェフのスツールを 捜し続けていた>
発想を変えないと ちょっと 厳しいかもしれませんね…。
かといってさ! 静かに!
ゴミ業者以外 どこ 当たればいいんだよ!
処分されてたら もう…。
諦めない! シーッ!
あっ 今 思ったんだけど リサイクル業者は?
ほら 捨てられてても 使えそうだったら➡
回収したりしないか? 使えますかね?
あのスツール もう バラバラに なってたし…。
あっ!
あっ なんでもないです…。
よ~し 賄い できた…。 (ドアの開閉音)
みんな 出ていっちゃいましたよ。 オーナー?
まったく せっかく ジャージーが 出来上がったってのに ホントに…。
ジャージーですか? いや それは グラスです。
パ・マルジャージー どうです? 悪くないでしょ?
あぁ…。 これで モルック部でも 作ろうと思って。
モルック部? はい。 草野球でも いいんですけどね。
でも… 昔の恋を忘れるには… やっぱり スポーツかなって…。
しょうが焼きですか!? はい。
大好物です。 どうぞ。 いただきます!
いただきます。
いただきます。 うまっ! ヤバっ!
三舟シェフの味 未来永ごう 残したいっすね。
なんですか? 急に。
伝統の味 みたいな。
< そして➡
安倍さんが 再び来る日になった>
では お下げいたします。
次は メインを お出しします。
安倍さんが おっしゃってた 鍋を使った料理を…。
志村。 はい。
この鍋ですよね?
そうです。
この足の長い鳥は コウノトリです。
コウノトリ…。
コウノトリは フランス アルザス地方のシンボルなんです。
アルザス地方?
この鍋は アルザスの名物なんですよ。
では 開けます。
♬~
はぁ~ いい香り…。
この香りも ごちそうです。
鍋に ラードを塗って 下ごしらえをした具材を入れ➡
蓋と鍋を パン生地を使って しっかりと くっつけます。
それを オーブンで じっくり焼きます。
それが この鍋 ベッコフの調理法です。
ベッコフ? そういう名前なんですね。
素材そのものの味を 楽しめますので➡
どうぞ 召し上がってください。
(志村)どうぞ。
いただきます…。
分厚い陶器は ゆっくりと 熱を抱え込んで➡
素材を 蒸し焼きにします。
じか火で焼いたのとは 味わいが 全然 違います。
和解は できましたか?
えっ?
和解は できましたか?
えっ? フランス料理との 和解。
というより あなたにとって➡
とても大切な人との和解。
なぜ それを…?
先週 来られたとき➡
フランス料理は 初めてだと おっしゃったが➡
20代のころから パン・ド・カンパーニュを ご存じだった。
⦅私 昔は パン屋だったんです。
20代のころ 自分の店も 持ってたんですよ。
ライ麦パンや パン・ド・カンパーニュみたいな➡
どっしりした 食事パンの店に したかったんだけど⦆
当時は 一般的に知られていたパンじゃない。
それに レストランに来るのに わざわざ ドレスアップしてきた。
ふだんの あなたは ラフな格好を好んでいるはずなのに。
フランスでは常識だが 日本では そうじゃない。
それらのことから あなたの身内に フランス人か➡
フランス料理の関係者が いるんではないかと思ったんです。
もし 今でも 身近な存在なら➡
ベッコフの鍋のことは その人に聞けばいい。
でも あなたは それを知らなかった。
聞くことができない理由が あったんだと思います。
例えば➡
もう 亡くなられているとか…。
父です…。
12年前 私が パン屋を始めたころに 他界しました。
旅先のアルザスで 心筋梗塞を起こして…。
鍋は 父の遺品の中に ありました。
何に使うか わからないまま そのままにしてあったんです。
お父さんは フランス料理の…?
シェフでした。
父が得意なのは 濃厚でクラシックな➡
バターと 生クリームを たっぷり使った料理でした。
それじゃ… お父さんの料理を…。
食べたこと ないんです…。
母は 私が小さいときに 事故で亡くなりました。
それから 父は➡
私を 東京の祖母に預けて 働き続けました。
会えるのは 数か月に一度…。
私は いらない子だから 捨てられたと思ったし➡
父は 私の そんな気持ちを 打ち消すほど 器用じゃなかった。
何より➡
私は 父が 人生をささげた料理を 食べることができなかった…。
結局 お互い 歩み寄れないまま➡
父は 死んでしまいました…。
それで 三舟シェフが言うように 和解は…?
う~ん… フランス料理と…。
ちょっと いいですか?
少し 思ったんですけど…。
思いましたね。
思いました…。
この ベッコフの鍋➡
実は レストランや家庭で 使うようなものじゃないんです。
でも さっき オーブンで焼くって…。
それは 間違いじゃない。 でも 普通のオーブンじゃありません。
かまど… それも パン屋の。
ベッコフは パン屋のかまどで➡
パンを焼いたあとの残り火で 調理されるんです。
残されていた鍋は お父さんから あなたへの➡
プレゼントだったんじゃ ないでしょうか?
お父さんは ずっと あなたに 自分の作った料理を➡
食べさせたいと 思っていたんでしょう。
そして 旅先のアルザスで ベッコフの鍋に 出会った…。
この鍋で作れば バターも生クリームも 必要ない。
必要なのは パン職人の協力➡
そのころの あなただ。
私…。
一緒に 料理を作れますね。
仲直りの きっかけ…。
でも… パパは 死んでしまった…。
もう… 和解なんか できない。
そんなこと ありません。
お父さんは すでに 歩み寄っていた。
あとは あなたが お父さんに 歩み寄ればいい。
私が…?
ええ。
<三舟シェフの 安倍さんにかける 言葉の一つ一つが➡
まるで 自分自身に➡
言い聞かせているように 聞こえた>
ありがとうございました。
おかげで 父との わだかまりが 消えた気がします。
それは よかった。
話してみます。
私が 英雄さんを ここに連れてきます。
英雄さん ホントは 三舟さんに➡
会いたいんじゃないかと 思うんです。
過去の出来事で➡
迷惑が かからないようにと 思ってのことじゃないかって…。
私は 父と和解しました。
今度は 三舟さんと英雄さんの番です。
来週中に また 連絡 入れますね。
♬~
お父さん 来る前に スツール 見つかんねえかな~。
はぁ~ もうゴミ処理場で とっくに 灰になってるのかもよ…。
志村さん…。 はぁ~。
お父さんがくれた スツールをさぁ 三舟シェフが 今でも大切に…。
志村 後ろ! 使ってるって 知ったらさぁ…。
志村 後ろ! それだけで もう 和解だもんな~。
後ろ!
あぁ… な~んつって。
金子さん 補充 お願いします。 あっ 僕 出かけてきます。
はい…。
志村 気付けよ~!
俺を 灰にしてください!
お疲れさまでした。
お疲れ。
あっ…!
どうせまた 捜しにいくんだろ?
私たちだって 諦めてませんよ。
志村さん 金子さん どうしちゃったんですか?
ちょっと 遠いけど 駅の向こうまで 行ってみますか。
ああ… 捜索範囲 広げて とことんまで やろうぜ。
駅の向こう… あっ!
(志村)えっ?
駅の向こう! (志村)なに?
駅の向こう… が 何ですか! なに なに なに!
♬~
(階段を駆け下りる音)
(志村)三舟シェフ やりました!
ミラクルです ミラクル! どうしたんだ? こんな夜中に!
どうしたんだ? こんな夜中に! ハァ ハァ ハァ…。
見つけました! ハァ ハァ ハァ…。
あれから ず~っと 捜してたんです!
志村さんと 金子さんも一緒に…。
ハァ… 都内の ゴミ回収業者…。
ちょちょちょ… すみません…。
あの… 諦めかけてたんです…。
でも ひょんなことから…。 (金子)ひょん って 何?
ホントに ひょんなことから…。 あとで教える!
駅の向こうの バイトしてたラーメン屋の すぐ近くに➡
アンティークショップ 冒険王が あったのを 思い出して 行ってみたんです!
その… あっ どうしよう うまく 説明できない…。
あの えっ…。 あの… 再現しよう 再現!
えっ 再現? ちょっ これ 借りますよ。 あぁ…。
金子 電気 つけて。 電気? うん!
はい。 それ 持ってきて。 これ?
それそれ こっち…。 よいしょ! こっち こっち こっち。
こっち? うん ここに置いて。 あっ すみません。
この辺? そう そこ。 で…。
あぁ… まず ここが➡
昔 高築が働いていたラーメン屋さん。
で その1軒 2軒 3軒隣の アンティークショップ 冒険王のショーケースに➡
この スツールが 飾ってあったと!
で おい こっち こっち こっち…。
こっち! パ・マルを飛び出した 高築を追って➡
俺たちは 走っていきました! よ~い スタート!
ほら 走って! はし…!
ほら 早く…! 待てよ! 待って…!
あっ! 高築は やっとの思いで 三舟シェフのスツールを 見つけました!
そのスツールは アンティークショップ 冒険王の ショーケースに 飾ってあったんです!
しかも きれいに修理されて!
で 高築は 閉まっていた店のドアを叩いて➡
店主を 叩き起こしました!
お前 店主! 私ですか? すみませ~ん。
じゃあ ドアを開くところからね。
よ~い スタート! すみませ~ん!
ガラガラガラ…。 なんですか? こんな時間に。
あの… このスツールを 譲ってほしいんです!
明日 10時に 開けますから!
今じゃないと だめで…。 帰りなさい!
いや 今じゃないと…! 帰りなさい! お願いします!
帰りなさい! いや 今じゃないと…!
帰りなさい! お願いします…! もういいよ もういい➡
もう わかった わかった 十分 わかった うん…。
いや… まさか 戻ってくるとは思わなかったよ。
あの… ホントに すみませんでした…。
間に合って よかったです。
三舟シェフが お父さんに 会うことになって➡
今日までに 絶対 見つけなきゃと思ってたんで…。
ありがとな 高築。 いえ…。
金子 志村。
俺たちは 別に… なぁ? はい…。
ヴァン・ショー 飲まないか?
はい! はい…。
あの 背もたれがついたスツール 俺 もらっていくから。
背もたれついたら スツールって 言いませんよ。
(志村/金子)いただきます。 いただきま~す。
はぁ~。
俺も 安倍さんと一緒で 物心つく前に 母親を亡くした。
おやじは 店をやってたから ずっと 忙しかった。
人生のすべてを レストランに ささげていた。
だから おやじに 遊んでもらったこともないし➡
どこかに 連れていって もらったことも なかった。
けど それでも よかった。
働いてる おやじを見るのが 好きだったから。
そのうち 俺も 手伝うようになって…。
⦅忍 なんだ この たまねぎは。
こんなサイズがバラバラじゃ出せねえよ⦆
おやじは 厳しかった。
俺が 初めて作った料理にも 笑顔を見せなかった。
⦅どうかな?⦆ 感想は たった一言➡
パ・マル。 悪くない…。
そして 本格的に 料理人を 目指すようになって➡
家を出た。
おやじを超えたくて フランスに渡って➡
パリのレストランで 修業を始めた。
ある日 その店のシェフが 俺の作った料理を食べて…。
⦅パ マル⦆ と言った。
ショックを受けてたら 同僚たちが 盛大に拍手しだした。
⦅ブラボー ミフネ!⦆
どういうことですか?
あっちじゃ 悪くない っていうのは➡
むしろ とてもいい って意味だったんだ。
じゃあ お父さんも…?
⦅パ マル⦆
褒めてくれてたんだろうな。
誤解は 解けたんですね。
そんなやさき 知り合いから➡
実家のレストランが 店を閉めたと 知らせがあった。
独立した弟子の店が➡
経営難になって 融資をして 多額の負債を 背負ったらしい。
店を 手放して 借金は 返したらしいけど➡
おやじは失踪して それ以来…。
明日ですね…。
ああ…。
<三舟シェフは➡
ずっと お父さんの背中を 追いかけてきた。
明日 いよいよ 再会できる…>
(志村)俺たち いないほうが よくないですか?
いいんだ いてくれ。
コーヒーでも 入れますね。 ああ…。
なんか 私も緊張してきたな~。
あっ!
すみません お待たせして…。
あっ いえ…。
(ドアが開く音)
いらっしゃいました。
久しぶり…。
元気そうだな…。
座って。
カウンター席へ…。
せめて 生きてることくらい 知らせてほしかったよ…。
はぁ~。
そうだな… 死んだも同然だったからな…。
店のこと?
確かに ショックだった…。
俺にとっても 生まれ育った場所だったから…。
失礼します。
覚えてる?
俺が 店を手伝い始めたころ➡
野菜の切り方が なってない とか➡
掃除が雑だとか いちいち うるさかったの…。
子ども扱いを 一切 しなかったよな?
ホント ムカついたよ…。
はぁ~。
でも そのおかげで 俺は今 この店を やれてる。
厨房に立つ覚悟とか 強さを 身につけられたんだと思うよ。
お前が 料理人になりたいと 言いだしたとき➡
私は 責任を感じた。
甘くない世界だ。
それで余計に 厳しくした。
頼れるのは 自分の腕 だけだからな…。
♬~
食べてほしいものが あるんだ。
お待たせ。
子どものころ よく作ってくれた 牛肉のドーブ。
大好きだった。
こんな うまい料理を 自分で作ってみたいと思った。
これが 俺を料理人にしてくれたし 育ててくれた。
おやじの味を ずっと 追いかけてきたよ。
どうぞ。 うん…。
フランスでも 東京でも おやじの味を見つけたくて➡
あちこちで 修業した。
でも ずっと わからない。
この店を やってる今でも ずっと 探し続けてるよ。
どう?
う~ん…。
パ マル。
すばらしい。
♬~
でも おやじには 及ばないだろ?
いや~ 私なんか とっくに超えてるよ。
及ばないと思うのはなぁ➡
お前の中の 料理人としての志が 高いからだ。
もっと いいものを という あくなき探究心。
忍… いいシェフに なったな~。
それは おやじが 俺の父親だからだよ。
あの味 教えてくれないか?
♬~
その椅子 まだ 使ってるのか?
懐かしいだろ?
♬~
摘果 搾ってくれ。 ああ…。
摘果か~ 思いつかなかったな。
摘果を加えることで より 爽やかになる。
これが 私の味だ。
てきか? 敵か味方か…。
摘果。
摘果 っていうのは いい果実を作るために➡
間引きされた果実のこと。
かんきつだけじゃなくて➡
すべての果物で 摘果は 行われてるの。
(金子)ふ~ん…。
お前と 一緒に 料理する日が 来るとはなぁ…。
<父から子へ 受け継がれるものがある。
それは 安倍さんが➡
お父さんから託された ベッコフの鍋だったり➡
三舟シェフが お父さんから 引き継ぐ料理だったり➡
さまざまな形が ある…>
おやじ…。 んっ?
うちの店にも おやじの野菜 卸してくれないかな?
いつか お前のためにと思ってなぁ 作り始めてんのが あるんだよ。
今度 持ってくるよ。
< いずれにせよ 受け継がれるのは➡
その人のことを 強く思う気持ちだ…>
じゃあ 私たちは これで。
またの お越しを お待ちしております。
さすが 三舟シェフのおやじさん いい腕 してましたね~。
衰えてなかったよ…。
あっ! 一句できました…。
父と子の…。
まだ 肌寒いっすね。 絆煮詰める…。
中 入りましょうか。 入ろう。
無視しないでください! 高築さん!
うりゃ~! うわぁ~!
こちら トマトのタルトでございます。
<料理は 人と人をつなぐ。
思いを共有し 心を癒やす>
3番 お願いします! はい!
志村…。 < その一皿を➡
どうか 笑顔で楽しんでほしい…>
いらっしゃいませ。 < ここは ビストロ・パ・マル。
きっと あなたにも➡
お気に入りの料理が 見つかるはずだ>
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