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(ラペ)「あれ 人っぽくない?」
(ラペ)大丈夫ですか?
(ヘミングウェイ)「勝者には何もやるな」
(医師)かなりの距離を泳いだと 思われます。
(国原栄一)どこから泳いだんだ?
何も覚えてないんです。 なぜ あそこにいたのかも…。
(ラペ)ヘミングウェイだ。
「勝者には何もやるな」って書いた 小説家。
(リモ)みんなが見てくれれば ヘミングウェイの事を知ってる人から→
どんどん コメント来るっしょ!
「新潟市内に住む 松園遥香ちゃん 4歳が→
行方がわからなくなってから…」
(新谷詠美)なぜ あの女の子が あの場所にいるって→
わかったんですか? 正確に言うと→
私が たまたま描いた絵の場所に 彼女がいたという事です。
(柴田俊哉) タネを教えてもらえませんか?
なんか 手のひらに隠してんでしょ?
詠美。 君に見つけてほしい。
私が手のひらの中に隠した タネと記憶を…。
(後宮徳治郎の外国語)
(野間健太)ホトケさんは 後宮徳治郎さん 72歳。
これ 「たまたま」なのか?
あいつがいる病院で こんな事が起きるなんて…。
(国原)お迎えが来ましたよ。
なぜ 誰も 私の事を知らないんでしょうか?
(ローゼン岸本) その話は また いずれ…。
でも その前に…。
(ペリ・ラペ・リモ)キャーッ!!
(医師)バックボード 外して。
意識レベル低下。 服 脱がして。 (看護師)はい。
(医師)バイタルと採血。 (看護師)はい。
どういう事だ? なんで いきなり飛び降りたんだ?
私にも わかりません。
あっという間の事だったので…。
白いなあ。 あんた 誰だ?
彼の… ヘミングウェイの身元引受人です。
奴の詐欺仲間か。
(野間)柴田さん それは…。 (ローゼン)いいんです いいんです。
刑事さんが悪いんじゃない。
無知がいけないんです。 なんだと!?
ちょっと ここ 病院ですよ! 柴田さん。
やっぱり ヘミングウェイが→
遥香ちゃん事件の ホシって事っすね。
自分が疑われているとわかって 自殺を図ったんすよ。
んなわけねえだろ。 痛っ…。
俺たちは 奴を 何も追い詰められなかったんだぞ。
くだらねえ手品で 追い詰められたのは→
俺たちのほうだ。
じゃあ 後宮教授の不審死のほうっすか?
自殺にしちゃ 手が込んでますからね。
実は ヘミングウェイによる殺人で→
あの 良心の… なんとか。
あの… ほら 難しい漢字のやつで 追い込まれて 飛び降りた。
わからねえ。 わからねえけどな→
普通 変な事は長く続かねえんだ。
変な事が続く時は→
必ず 裏で もっと大きな変な事が起きてんだ。
どんな事っすか?
痛っ…。
その死臭とやらを 嗅ぎつけてくるのが→
刑事とか 新聞記者とか→
怪しげな白い男だよ。
ローゼンさん… 彼の事が心配じゃないんですか?
大丈夫です。 ヘミングウェイが本物ならば。
どういう意味ですか? そのうち わかります。
彼が飛び降りたのは→
あなたとの出会いが きっかけだったような気がします。
…かもしれません。
お前 何を知ってるんだ?
彼は死なないという事なら 知っています。
はあ? 5階から 後ろ向きで飛び降りたんすよ?
頭から血 流してるヘミングウェイ 見てなかったんすか?
脚だって なんか 変な向きになってたし…。
普通の人なら 間違いなく死んでいますね。
普通の人…?
(国原)一命を取り留めました。 えっ?
いや 落下した場所が ちょうど 植え込みだったものですからね→
衝撃が吸収されたようです。
もちろん 全身あちこち骨折はしてますよ。
いや しかし… 奇跡ですよ 奇跡。
それは よかった。
ヘミングウェイは何者なんだ?
♬~
(ラペ)「ねえ みんな マジ心配してたよ」
「Readersに ひと言」
「Readers?」
ヘミングウェイの読者 つまり ファンって事。
ネットで見つけて 頂きました。
とりま なんか コメント的な。
「とりま?」 (ペリ)「とりま。 とりあえず まあ」
「Readersの皆さん」
「ご心配おかけしました」
「私は このとおり元気です… はい」
でも 普通 飛び降りる?
ちょっと 試したくなったんですよね。
いや 意味わかんないし。 説明しにくいんですけど→
私は ここにいていいのかな?
この世に生きていていいのかな?
ふと 本能的に そう思ったというか…。
ふと思うのはいいけどさ もし 死んじゃってたら?
その時は… ここにいるべきじゃなかった。
生きてる価値 目的がなかったって 審判が下ったのかなっていう…。
あっ でも…→
良い子の皆さん 絶対に まねをしないでください。
皆さんには お父さんだったり お母さん→
兄弟 友達 恋人…。
あなたがいなくなったら 悲しむ人たちが たくさんいます。
「その人たちを 悲しませないという事が→
もう立派な 大切な 生きる価値であり→
目的なので… はい」
ヘミちゃんには そういう人たち…→
悲しませてはいけない人たちが いないの?
わかんないですね…。
でも 生きてるって事は ヘミちゃんには きっと 何か→
生きてなきゃいけない意味が ある的な?
意味…。
(ノック)
(松園真弓)突然 すみません。
私 松園真弓と申します。
どっかで見た事あるような…。
あっ 行方不明だった女の子の お母さん。
(真弓)はい。 あの… 娘が行方不明になった時→
居場所を当てられたという事で→
どうしても 遥香が お会いしたいと お見舞いに…。
こんにちは。
♬~
♬~
(谷口 昇)鑑識の見解では やはり 自殺だろうという事です。
お前 それ 本気で言ってんのか? どう考えたって不自然だろ。
(谷口)そりゃそうなんですけど。
他殺を示すような証拠が 一切 見つかってないんです。
死因も 首をつった事による 窒息死で間違いないそうです。
じゃあ この 体にぐるぐる巻きつけられた→
粘着テープ どう説明すんだよ。
これ 自分でやったっつうのかよ?
はい。 できるって話です。
話? どうやってやるんだよ お前。 やってみろよ お前よ。
そういう顔すんな お前。 早くやれ。
なんだ その ちょっと できたみたいな顔は。
もういいよ。 遺書はあったのか?
まだ見つかってません。
だったら お前 自殺とは断言できないだろ。
いや でも 後宮教授は 担当医から下剤をもらって→
十分な排泄を済ませていた事が わかりました。
排泄?
首をくくった時に 脱糞しないためでしょう。
つまり 覚悟の自殺だったと。
単に お前 便秘だったかもしれねえだろ。
遺書捜せ 遺書を。
ああ あと お前 手書きじゃないと駄目だぞ!
スマホとかパソコンとか 信用できねえからな!
テープ取れ お前よ。
(野間)柴田さん。 なんだ!
いいから 来てくださいよ。
「いいから」って なんだ お前よ。
7月21日 後宮教授が 不審死を遂げた前日の→
あの病院の エレベーターの映像っす。
お前 その「っす」っていうのは なんとかなんねえのか?
舌 短いんすかね。 で なんだ?
後宮教授… ヘミングウェイと同じ エレベーターに乗ってたっす。
(野間)2人 知り合いなんすかね?
違うな。 だったら→
こんな所で ばったり会った事に もっと驚くはずだよ。
「(外国語)」
ちょっと巻き戻せ。 (キーを打つ音)
ストップ。
教授は 何を見て動揺したんだ?
(野間)ヘミングウェイの足元を 見てますね。
「(外国語)」
なんか言ってるな。
「(外国語)」
(キーを打つ音)
「(後宮の外国語)」
わかんないっすね。
ティ プリ ショウ… ロシア語よ。
おい ここ 立ち入り禁止だぞ。 新谷さん!
佐々木課長の許可を頂きました。
課長!
意味は知りたくないの? 後宮教授がつぶやいたロシア語。
あんたに わかるのか?
大学時代 必修の第二外国語が ロシア語だったから。
じゃあ なんて言ってるんですか?
「ピロシキ好きですか?」 とかですか?
ティ プリ ショウ… つまり→
「着いたのか?」。
「着いたのか?」…。
じゃあ 後宮教授は→
ヘミングウェイが どこからやって来たのか→
知っていたって事か。 恐らく。
えっ でも そんな事で死にますか?
こんな変なポーズして→
粘着テープで 自分の体をぐるぐる巻きにして?
あっ そういえば あのポーズ…。
お待ちしていました。
彼を迎えに来た ローゼン岸本が 同じようなポーズを…。
(佐々木)浦野署から応援要請だ。
また 少女が行方不明だそうだ。
♬~
先ほど ご連絡した 精神科の国原です。
どうぞ。
なんだ? これは…。
(国原)いや… こんな壁をメモにするなんて→
何か急に重要な事を 思いついたんですかね?
後宮教授とは お知り合いだったんですか?
いえ。 えっ?
多分 一度も…。
じゃあ なぜ この病室が見たいなんて→
おっしゃったんですか?
この間 エレベーターでお会いしました。
(国原)はあ…。
恐らく 向こうは 私の事を知っていました。
ん? どうして そう思ったんですか?
私を見るなり 明らかに動揺してました。
正確に言うと これに気づいてから。
(国原)このタトゥーに?
なので ここに来れば→
このタトゥーに関わる何かが あるのではないかと…。
ああ なるほど。
後宮教授は 日本を代表する 遺伝子工学の権威でした。
遺伝子? (国原)ええ。
(国原)何してるんですか! いや 駄目です。 まずいですよ。
この部屋のものには 一切 手を触れるなと→
きつく言われてるんで… 言われてるんですから!
(国原) ヘミングウェイなんて言うから→
てっきり 文系だと思っていたんですが→
あなた 遺伝子工学にまで 精通してるとはね…。
いや… 私は全く理解していません。
体が勝手に…。 あっ!
♬~
(カラスの鳴き声)
(佐々木) 7月23日 午後3時40分頃→
秋葉区の路上で バレエ教室が終わり→
母親 浩美さんの迎えを待っていた 市川妙子ちゃん 7歳が→
行方不明になって もうすぐ3日。
67時間が経過した。
身代金を要求するような 脅迫状や電話もなく→
いまだ 手掛かりもつかめていない。
ここ半年で起きている→
女児連続殺人事件との関連も 疑われるため→
我々も捜査に加わる事になった。
許せねえ…。
どこ行くんすか?
痛っ! だって ヘミングウェイ→
ずっと 病院にいたじゃないっすか。
しかも あんな体じゃ…。 相手は手品師だぞ お前。
病院のベッド 抜け出すぐらい 簡単な事だろ。
でも そのタネは 私たちには見抜けない… か。
新谷さん!
お前 何 普通に 乗ってきてるんだよ。
警察車両だぞ。 どうせ 同じ場所へ向かうんだし。
だったら いいネタ 提供してくれるんだろうな?
新聞記者に聞く? 逆でしょう。
お前 ヘミングウェイと 仲良さそうだしな。
なんか新しい事でも わかったか?
俺たちの見えない所に ホ… ホクロがあるとかよ。
ヘヘヘヘ… 痛え。 あっ 俺にも。
ありがとう。 M。
えっ… どういう事だ?
あっ すいません。 (看護師)はい。
ここの患者さんは…。
退院した? (国原)ええ。
ローゼンさんが 迎えに来ました。
でも あの体じゃ まだ…。
ああ 無事とはいえ 骨折してたはずだ。
私も反対はしたんですけれども しあわせの鐘の家にも→
医者が常駐しているって 言うもんですからね。
記憶も まだ戻ってませんよね? (国原)はい。
ただね ヘミングウェイが失った記憶は→
私たちが持っていると ローゼンさんは言うんです。
あの野郎…。
あの… ヘミングウェイは また 何か描いたりしていませんか?
いいえ。 あのあとは 特に何も描いてませんね。
あなたは 私の事を知っているんですか?
それは… もちろん。
今のあなたよりは あなたの事を知っているでしょう。
以前の私に会った事がある?
残念ながら。
そうですか…。
こちら側で あなたに会った人間はおりません。
こちら側…?
どういう意味でしょうか?
世界は こちら側とあちら側しか ないという事です。
なぜ そんな まどろっこしい 言い方するんでしょうか?
あなたのためですよ。
今のあなたは完全ではない。
記憶のほとんどを 喪失していますから。
私たちが→
その記憶の1ピース1ピースを 繋ぎ合わせて→
あなたを完全なものに 復元しなければいけないんです。
そんな事ができるんですか?
ええ。
そのために 私たちは→
1400年以上 お待ちしていたわけですから。
♬~
≪(鐘)
「Readers?」
(ラペ)「ヘミングウェイの読者 つまり ファンって事」
(橋 太)おい。 オッス! お疲れさん。 お疲れさん。
お疲れさん!
新谷! はい。
(橋)例のバレエ教室からの帰りに 行方不明になった少女の件→
なんか続報入ったか? ああ… 川崎さんたちが→
ずっと 県警のほうに 詰めているんじゃないですか?
公開捜査に踏み切ったせいで→
市民からの通報に 振り回されてるそうだ。
お前には 偉大なる文豪→
アーネスト・ヘミングウェイ先生が ついてるだろ?
彼は退院しました。
5階から飛び降りて 瀕死の重傷を 負ったんじゃねえのか?
植え込みに落ちて 奇跡的に→
右足の骨折と全身の打撲で 済んだようです。
警察もマークしてたんだろ? 退院して どこ行ったんだ?
あっ!
NPO法人 しあわせの鐘の家の 代表 ローゼン岸本という男が→
身元引受人になって…。
新興宗教ではないんですが→
新しい時代の 自給自足のコミュニティーを→
標榜していますね。
こことヘミングウェイと なんか関係あるのか?
どうでしょう…。
しあわせの鐘の家の広告塔として→
利用したいだけなのかも しれませんが…。
まあ いずれにせよ→
前回のショッピングモールで 行方不明になった女の子の→
居場所を当てたのは事実だ。
今回のバレエ教室の女の子の 居場所も当てたりしてな。
(ヘミングウェイの声)ひまわりを抱えて 薬指に包帯をした女性の→
イメージが湧き あとは 手が勝手に動きました。
これは 今朝 描きました。
私も 何を描いてるか わからないんですけど…。
さすがに非科学的すぎます。
真実っぽいオカルトは いっぱいありますけど→
オカルトっぽい真実は 見た事がありません。
いや コペルニクスや ガリレオの時代から→
真実が 時に 非科学的に見える事はある。
否定するにも根拠がいるって事だ。
オカルトと笑い飛ばすには 早えんじゃねえか?
♬~
(カメラのシャッター音)
(カメラのシャッター音)
(カメラのシャッター音)
(マウスのクリック音)
(キーボードを打つ音)
(キーを打つ音)
(ペリ)めっちゃ森! めっちゃ森! (リモ)竹しかないじゃん!
(ラペ)竹しかないよ! (リモ)やばっ!
(ラペ)あっ! 写真撮っていいですか?
どうぞ。 (ラペ)イエーイ!
はい チーズ。 (カメラのシャッター音)
(3人)イエーイ! どうぞ。
(3人)ありがとうございます!
(リモ)すげえ! (ペリ)初めて来た!
(ペリ・ラペ・リモ)「こんにちは」
(ペリ・ラペ・リモ)「こんにちは」
さすがに 勝手に撮るのは まずいっしょ?
みんな いい人っぽいし みんな 笑ってるし。
(ペリ・ラペ・リモ)「こんにちは」
(リモ)あれ この間の? (ラペ)遥香ちゃんが してたね。
(ペリ)何? これ 流行ってんの? みんな やってるよ。
(ラペ)きれい! (ペリ)あれ 鐘じゃん?
(リモ)本当だ! たたきたい! たたきたい!
たたいていいの? たたきたいんだけど!
♬~
(リモ)ローゼンさん 招待 マジ嬉しいっす。
病院行ったら もう退院したって聞いて→
うちら 終わったってね。
こんな再生回数が伸びてるのに 終了って あり得ねえって。
熱狂的なReadersの人たち マジやばいからね。
ですから 皆さんを ご招待したわけです。
ヘミングウェイの新しい世界へ…。
じゃあ 早速 撮るべ?
ここ撮っちゃ駄目とかあります? 撮影禁止的な…。
ないですよ。
ただ コミュニティーの住人が 映る場合は→
本人の承諾を得てくださいね。
いろいろな事情の方が いらっしゃるので。
それじゃ 早速…。
「ヘミチャンネル…」 (3人)「スタート!」
「私たちは 今 しあわせの鐘の家に お邪魔してます!」
(3人)「イエーイ!」
「そして ここで休養中の ヘミちゃんに会いに来ました」
(3人)「イエーイ!」
「皆さん こんにちは」
(ラペ)「体調は いかがですか?」
「体調… そうですね」
「やっぱり 薬が切れると 体中 痛くはなりますね」
(ペリ)「えっ! ヘミちゃんでも痛むんだ」
「超能力で もう治ってるのかと思ってた」
「私 不死身じゃないですから」 (リモ)「だって なんやかんや言って→
あんな高い所から飛び降りて 生きてるんだから不死身じゃん」
「単に運が良かっただけですよ」
(ローゼン)「皆さんは 奇跡って なんだと思いますか?」
(ラペ)「この しあわせの鐘の家の 偉い人です」
「いや… 質問を変えましょう」
「奇跡は なぜ起きると思いますか?」
(ローゼン)「奇跡は 未来への希望なんです」
未来への希望…。
だって どんなにつらい事があっても→
きっと奇跡が起きると思えば 希望を捨てないでしょ?
確かに。 えっ? なんか 理屈っぽいよ。
大切なのは理屈ですから。
自分は なぜ生まれたのか?
なんのために生きているのか?
何ができるのか?
全て 理屈の中に答えがあります。
(ラペ)ここって 宗教団体ですか?
まさか。
単なる 自給自足するための コミュニティーですよ。
(リモ)ローゼンさんは どうして→
ヘミングウェイの面倒を見ようと 思ったんですか?
何か腹黒い計画があるとか? (ペリ)金儲け?
偽善?
「ハハ…」
「君たち3人が→
浦野海岸に漂着した彼を 発見してくれたところから→
奇跡が起きたと感じたからです」
「私たちは ずっと 待っていたんですよ」
未来への希望を。
あっ そうだ。 ねえ ヘミングウェイ→
また バレエ教室で 母親の迎えを待っていた女の子が→
行方不明になったんだけど…。
また なんか見えたりしない?
頭に浮かんだものを描いてみてよ。
でも あれは たまたまでしたから。
みんな あなたから 希望を欲しがっているんですよ。
「そんな 偶然や奇跡なんて そう簡単に起きませんよ」
♬~
♬~
せっかく描き始めたのに…。
今回はイメージが湧かなかった?
(ラペ)「…泣いてる」
なんで泣いてるの?
そんな悲しい顔しないで。
何も見えないんだ…。
♬~
♬~
(野間)着ている花柄の洋服から→
バレエ教室帰りに 行方不明になっていた女の子かと。
絶対に許さねえ!
これも 一連の犯人の仕業っすね。 ああ。
世の中に そんな何人も シリアルキラーがいてたまるか!
(警察官)駄目です ここから先は!
見せたいものがあるんです! 危ないですから!
下がってください! 柴田さん! 見せたいものが!
新谷さん!
(警察官)どうぞ。
これでまた 『新潟北陸新聞』に便宜を図ってる→
って言われるんだぞ。 僕たちは公務員なんで→
みんな平等にしなきゃ いけないんっすよ。
あっ でも 個人的にデートしたりするのは→
プライベートな事なんで いいですよね。
(たたく音) サンキューな。
これ 見てください。 なんだ? これ。
彼は 知っていたんじゃないですかね?
ただ黒く塗り潰しただけだろ? 途中まで描いていた魚の絵を。
もしかしたら 彼は…。
あんたらしくねえな。 論理的に考えようや。
もし 奴が知っているというなら 今度こそ→
ヘミングウェイは この事件に 関わっている事になる。
この前までの私だったら 大きく うなずいていたでしょう。
でも 今は… 思っちゃうんですよ もしかして 本当にって。
僕も そう思います。
…気が合いますね。
(たたく音) もしかしねえよ! 絶対に…。
(橋)お疲れさま。
(橋)お疲れさん。
あっ あっ… お疲れさまです。
ほどほどにな。 ありがとうございます。
お疲れさん! お疲れさまです。
(橋)お疲れ! お疲れさん! おつ おつ!
(国原)ああ 今 届いた。
ああ… これは 遺伝子工学で 最大の難問とされてきた→
ゲノムの解析法…。 なるほどね…。
亡くなった後宮教授の 長年の研究課題だったのか…。
何…? 完成している?
おい… それ 間違いないのか?
いや あの… 途中までは後宮教授が書いた…。
続きを書いた研究者か…。
♬~
それは… まだ言えない…。
悪いな。
♬~
いい所でしょ?
ええ。 でも 私は なんか 雑踏のほうが落ち着きます。
こんにちは。
彼らも皆 いい人たちですよ。
あんなふうに みんな 笑顔でいると→
逆に つらい事とか悲しい事を 隠しているんじゃないかって→
思っちゃうんですよね。
新聞記者の悪い癖です。
そうだね。 皆 何か隠してると思うよ。
詠美と一緒だ。 えっ?
私は 別に…。
なんでだろうな…→
僕には 詠美が いつも重い鎧を身につけて→
隠そうとしているものを 見せまいと→
闘っているように見えるよ。
何と闘っているんだろう?
あなたのほうこそ 何か隠してるんじゃないですか?
僕は 人生 全部→
隠されちゃってるような ものだからね…。
本当は 自分で 隠しているんじゃないですか?
それが→
無意識なのか 意識的なのかは わかりませんけど…。
じゃあ 詠美が暴いてよ→
僕が隠しているものを 新聞記者として。
どこから来たんでしょうか あなたは。
地球以外の星…。
だとしたら 誰も 僕の事を 知らなくても おかしくないよね。
それはオーバーだとしても→
他の国から やって来たとしたら…。
例えば スパイとか…。
スパイか…。
フフ… なるほど。
何か思い当たる事でも あるんですか?
知ってる? 全ての記憶を失っているのに→
なぜ 日本語を話せるのか なぜ 生活習慣を覚えているのか。
いえ…。
病院の先生が言ってたんだけど→
そういう記憶は 本能として→
本来の記憶中枢とは違う回路を 伝わって→
蓄えられているからだって。
この前ね ここの人たちが 漬けてくれたお新香で→
お茶漬け 食べたんだけど ものすごくおいしかった。
ローゼンさんが ごちそうしてくれた→
どんな豪華な料理よりも。
僕は 少なくとも→
お新香とお茶漬けが好きな国の スパイだね。
フフ…。
♬~
おいおい のぞきは よくないなあ。
公安だろ?
同業者だよ。 ちょっと 話 聞かせてよ。
(望月)話す事など 何もない。
ここで あなたたち 逮捕したっていいんだぞ。
公安と知らずに 大騒ぎしてしまった→
アホな刑事としてな。
ちょうど おあつらえ向きのアホが ここにいる。
ハハ… うっす。
(望月)通常の監視だ。
しあわせの鐘の家が→
NPO法人を装った 新興宗教じゃないかと…。
通常の監視? それにしちゃあ 大がかりにやってんじゃないか。
ちなみに あんたたちが 盗撮 盗聴した 女性のお方は→
『新潟北陸新聞』の記者さんだ。
公安に 盗撮 盗聴されたと知ったら→
人権侵害だなんだかんだと騒ぐぞ。
(木村)1カ月ほど前→
ある国の工作船とみられる漁船が 座礁した。
乗組員は ほぼ死亡したが→
その中の一人が 国内に潜伏した という情報があってな。
もしかして それが… ヘミングウェイ?
あの しあわせの鐘の家との 関係は?
調査中だ。
ローゼン岸本という代表の 身元を洗っているが→
今のところ 危険な思想を持った カルト集団を→
作ろうとしているわけでは ないらしい。
どうして ここに目をつけた?
これまで しあわせの鐘の家の資金源が→
わかっていなかったんだが→
仮想通貨のブロックチェーンの 流れを追っていた うちの別班が→
出所不明の入金を確認した。
ブロック…? なんですか? それ。
ちょっと こいつ アホなんで 教えてやって。
要するに 表には出ねえ金が ここに流れ込んでるって事だ。
簡単に言うと そういう事だ。 えっ?
つまり… 工作員の受け入れ先の 可能性もあるって事か。
まあ… ここが誰を受け入れようと 何をたくらもうと→
俺たちには関係ない。
知りたいのは→
その工作員かもしれない男が 連続殺人犯なのかどうかだ…。
実は… バレエ教室の帰りに→
行方不明になっていた あの少女は→
昨日 遺体で発見されました。
そっか…。
残念だったね。
黒のクレヨンで塗り潰す前→
あなたは 最初 魚を描いていましたよね。
うん。
初めは きれいな魚が泳いでたんだ 何匹も…。
だから それを描こうと 思ったんだけど…。
なぜ 途中で やめたんですか?
何かで バサッと 視界を覆われたような気がした。
突然 真っ暗になったんだ。
それで… 黒く塗り潰してしまったんですね。
その時 あなたは 目に涙を浮かべていた。
それは 彼女が その時点で亡くなっていると→
察したからじゃないんですか?
わからない…。
僕の体が 勝手に そう反応したんだ。
詠美… 君は どう思う?
私は 新聞記者として→
真実を明らかにしたいと 思っています。
僕の頭の中は 今 とてもシンプルでクリアなんだ。
ほとんど記憶がないから→
目の前で起きた事だけしか 事実として認識できない…。
過去の記憶がないからこそ→
事実を事実として 受け入れられる…。
ちょっと うらやましい気がします。
♬~
♬~
あっ…。
どういう事ですか?
こうしないといけないと思って…。
♬~
…っていうか 立ち上がって 大丈夫なんですか? 骨折は?
♬~
♬~
葉っぱ…?
♬~
風に舞っている…?
♬~
217…?
頭に浮かんだんだ。
♬~
(佐々木)子供じゃないんだから→
大にするか 小にするか 決めてから トイレに入れ。
人に聞かれたくないものでね。
ヘミングウェイを 公安がマークしてました。
NPO法人 しあわせの鐘の家との 繋がりを探ってるようです。
某国の工作員の可能性もあると。
工作員…。
全裸で岸に倒れていた事の 説明もつきます。
船が座礁して→
身元がわかるようなものを 全部 破棄したんでしょう。
少女の連続殺人事件との関係は?
うちは はっきり言って→
スパイがどうのこうのなんて話は どうだっていい。
そんなものは 公安に任せておけ。
少女の連続殺人事件のホシを 挙げなきゃ 始まらんぞ。
課長 便所の中で熱く語られても 困ります。
お迎えしてくれるかな?
用意いいな。
嫌な仕事柄ですけど。
俺も 黒いネクタイぐらい 持ってくるんだった。
意外…。 柴田さんも そんなふうに思うんだ。
救えなかったのは 俺たちの責任だからな。
これ…。
ん?
ヘミングウェイの スケッチブックの続きですよ。
葉っぱか?
さあ…。 絵は上手な人ではないので。
217?
電話番号の一部か マンションの部屋番号か…→
何かのパスワードかもしれません。
また何か起きるのかよ…。
黒く塗り潰されたページに→
続きがあるように 描いていました。
妙子ちゃん事件と→
何か関係が あるんじゃないでしょうか?
(男性)あっ 来た来た!
今 妙子ちゃんのご遺体を乗せた ワゴン車が→
ご自宅へと帰って参りました。
ああ?
2… 1… 7…。
♬~
(エンジンをかける音)
これも偶然なんでしょうか?
ちくしょう…。 なんで あんなインチキ野郎に→
振り回されなきゃ いけねえんだよ!
もしもし 今から言うナンバーの車 調べてくれ。
(古郡俊哉) 後宮教授が これを…?
ええ。 実はね→
私の友人の専門家にも これ 見せたんですけれども…。
後宮教授は 一体 何を研究されてたんですか?
ある特殊な遺伝子を 探していたんです。
特殊な…?
(古郡)人間には 第六感があると いうじゃないですか。
いわゆる 勘というやつです。 (国原)はい はい。
(古郡)それは 人類が人類と呼ばれる前→
外敵から身を守るために 持っていた 本能らしいのですが→
その遺伝子を受け継ぐ人種が 今も存在しているという→
荒唐無稽な話です。
(国原)その話なら 私も知ってますよ。
旧ソビエトは それらの能力を持つ人間を→
なんとか 軍事利用できないかと思って→
研究を続けてたって…。 (古郡)ええ。 それで 後宮教授は→
モスクワの大学に 留学していたんです。
で その遺伝子は 見つかったんですか?
いえ…。 それでも 後宮教授は→
取りつかれたように 探し続けていたんです。
それが この壁に書かれたものです。
えっ…?
えっ!? この図式 完成してますよ!
後宮教授 ついに完成させたんだ!
これ ずっと 解けなかったものなんです。
(国原) この遺伝子を見つけるための→
何か手掛かりみたいなもの というのは あるんでしょうか?
我々が スーパーコンピューターを使って→
シミュレーションした結果では→
翼を広げた鳥のような配列だと いわれています。
(カメラのシャッター音)
♬~
柴田さん ナンバー2174の 車の件ですが→
盗難車でした。
盗難車…?
そんなリスクを冒してまで ホシは 何を見に来たんだ?
自分を捕まえられない警察を 笑いに来たんですかね?
なめやがって…。
♬~
僕には 詠美が いつも重い鎧を身につけて→
隠そうとしているものを 見せまいと→
闘っているように見えるよ。
♬~
こうしないといけないと思って…。
確かに 鎧 重すぎるわ…。
キャップ! (橋)はい?
飲みに行きませんか? 1杯。
1杯だけだぞ。
1杯だけですよ。
♬~
もう 時間がなくなってきました。
♬~
カワイハルオさん 67歳です。
藤井とめさん 97歳です。
キャッ…! ああっ…!
♬~
♬~
♬~
♬~
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