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< さて ここに写っているのは 五月女恵。
とある インターネット系の出版社の 契約社員。
いわゆる ソロ活女子として➡
日々 さまざまな ソロ活動にいそしみ➡
その姿は たいへん楽しそうで 充実した人生を➡
歩んでいるように見受けられる。
かつては 人間関係がうまくいかず➡
苦労したこともあったようだが➡
ひとりで 好きなことを 好きなだけ行うことによって➡
不思議なことに 人との関わりが増え➡
それも 改善されたようである。
そして こよい➡
いよいよ 最終回を迎えようとしている。
とかく ドラマの終盤といえば➡
ドラマチックな展開が多い。
例えば 今まで 一度も登場しなかった➡
恵の両親が突然 登場し➡
結婚適齢期を叫びだし➡
振り回される。
この場合 急に恋愛ドラマなのか➡
ホームドラマなのか わからなくなる場合も多い。
あるいは 五月女恵が事故に遭い➡
記憶喪失になる。
なんらかのきっかけで➡
誰かと人格が入れ替わるとか…>
そんなわけないでしょ。 ホントですって。
東京って 掘ったら 必ず温泉 出るらしいですよ。
何情報? ネットです。 だろうね。
っていうか どんだけ掘るわけ?
1, 000m。 だいたい 1億円かかるんですって。
死ぬまで 週1で 箱根 行ったほうが安いわ。
フフッ 確かに。 じゃあ お疲れさまです。
お疲れさまです。
ねぇ あれ どうしたの?
なんか さっきから チラチラ こっち見てるけど。
ああ 気にしないでください。 そうなの?
ねぇ 石岡くん おかしいよ。 ずっと ソワソワ。
プロポーズされたんですけど 返事してないんで➡
気になってるんじゃないですか? そうなんだ。
へぇ~。 (2人)プロポーズ!?
はい。
洋平くんが? 遥ちゃんに?
はい。 で?
結婚どうこうより➡
自分が どう生きたいのかのほうが➡
重要じゃないですか。
それが ちゃんとしてないのに 結婚しても➡
だめだと思うんですよね。 だから 今のところ➡
結婚はないです。
じゃあ お先に失礼します。
洋平… 結婚は しばらくないわ。
じゃあ。 えっ?
間違ってないよね?
と 思いますよ。
いい時代になったと言って いいのか… な?
と 思いますよ。 じゃあ 失礼します。
あぁ… お疲れさま。 お疲れさまでした。
<五月女恵。
ひとりで 好きな場所に行き➡
ひとりで 好きなことをして➡
ひとりの時間を楽しむ。
そんな彼女を➡
ソロ活女子 と呼ぶ>
《やってきました。 スカイツリーのお膝元。
東京には 温泉が結構あるけど➡
みんな 意外に知らない》
《しかし たたずまいは銭湯。
でも 新しい感じ》
《大人 470円。
これで 温泉に入れるとは。
1億円あったら 470円かける 365日かけると➡
17万1, 550円。
とすると 582年 入れる。
余裕で 死ぬまで入れる。
やっぱ 温泉 掘る必要 ないな》
お願いします。
どうぞ。 はい。
《昭和の香り漂う レトロな銭湯もいいけど➡
新しくて きれいで おしゃれだと入りやすいし➡
ちょっと特別な 場所に来た感が増す》
あっ…。
《温泉の正しい入り方は もう ここから始まっている》
《入浴して汗をかくと 血液が ドロドロになるらしい。
その予防で 入浴前後に 1杯ずつの水を飲む。
よし 準備オーケー》
ふぅ~。
《これは ヒノキの香り?》
《これこれ 東京名物の黒湯温泉。
海の底に沈んでいた海藻を含んだ 地層から湧き出ているから黒い。
つまり 黒湯は 何億年前 ここが海だった証拠… なんてね。
この間 行った 黒湯温泉に書いてあった。
浴槽が ヒノキ。 この香りが 満ちているんだ。
おっ 浴槽が3つ。
高温 中温 低温か。
高温は 45℃。 低音は 25℃。
とりあえず 中温でいってみようか》
《さぁ やりますよ。 せっかく 温泉に来ているんだから➡
最大限 温泉を体中に しみわたらせたい》
《まずは かけ湯で 体を お湯に慣らす》
《そして 5分 足湯》
《いったん上がって 髪を洗う》
《そして8分 半身浴。
いったん上がって 体を洗う》
《更に3分 全身浴。
これを分割入浴法というらしい》
《昔の温泉マークは この分割入浴法を表して➡
湯気の長さが違ったというが➡
定かではない》
《温泉の入り方を 私なりに調べた結果➡
編み出した入浴法。 これぞ ソロ活のだいご味。
1人だからこそ 自分のペースで 好きなように入れる》
はぁ~。
あぁ~。
《今 温泉が体中の肌に まとわりついている。
あっ そういえば スカイツリーが 見える浴槽があったな》
《半露天風呂 薬湯か…。
温泉マイルール その2 すべての種類の浴槽につかる。
おっ スカイツリー 見えた》
《なぜか テンションが上がる。
さぁ 次に行ってみよう》
不感温温泉?
《つかってみるか》
《おお これは 熱くもなく 冷たくもなく➡
ずっと つかっていられる》
《銭湯の定番といえば…》
《フルーツ牛乳。
別に 銭湯に来なくても➡
最近は コンビニで 売ってたりするんだけど➡
なぜか コンビニでは 買ったことはなく➡
銭湯に来たら 買ってしまう。
子どもの頃 時々 家族で銭湯に行った。
上がったあと 親に フルーツ牛乳をせがんで➡
買ってくれるときは 機嫌がいいときだった》
はぁ~。
《瓶から ペットボトルに変わったのは 残念といえば残念だが➡
これも時代の流れというやつね》
ずいぶん 丁寧に入ってたね。
え? 何回にも分けてさ。
あっ 私ですか? あなたみたいに➡
湯船に つかる人は珍しいわ。
ああ そうですか。 はい。
私 ここに 70年近く 通ってるけどね…。
70年? そう 赤ん坊のときからだから。
常連さんですね。 そうね。
でも あなたみたいに 温泉に入ってる人は見たことない。
ああ なんか 恥ずかしいな…。
ごめんなさい 話しかけちゃって。
あっ いえ 全然。
ここに来るとね つい知らないお客さんにも➡
話しかけちゃう。 ああ…。
私 独り暮らしだから。 そうなんですか?
《どういう理由かは 知らないが➡
今は ひとりで 生活しているということか》
独り暮らしも珍しくないけどね。
70年も おんなじとこに住んでると あっちも1人減り➡
2人減り あっちの友達も 1人。
こっちも1人ってね なっていっちゃって。
これが 年を取る ってことなんだろうけど。
でも お元気そうですね。
おかげさまで。 できるだけ ここに➡
1人で来られるように 元気でいたいと思って。
ああ。
じゃあ お先に。
あっ どうも。
ありがとう。 年寄りの話に つきあってくれて。
いや こちらこそ。
《銭湯は 知らないお客さんに 話しかけられることが多い。
そして 私も身構えることなく 会話できる。
これが 裸のつきあい ということだろうか。
見知らぬ者同士の 会話のハードルが➡
下がっている気がする。 いや 待てよ。
ソロ活をするようになって 見知らぬ人と➡
会話することが増えて 私自身が設けていた壁が➡
なくなったのか?》
さてと…。
お世話になりました。 あっ お姉さん。
これ。 え?
うちのね 特製タオル。 プレゼント フォー ユー。
えっ 私? いただいて いいんですか?
どうぞ。 よく頑張ったで賞… です。 はい!
はぁ? 私の何を知っているんだって?
俺は ここでね 毎日 いろんな人 見てるんだよ。
人を見る目は あるんだよ。 だから お姉さんにはね➡
よく頑張ったで賞です! はい。
はい ありがとうございます。 はい ありがとうございます。
《頑張ったで賞。
なんだか 不思議な人たちと出会ったな。
よし 更に体を整えにいこう》
《銭湯からのサウナ活動 通称 サ活。
今日は 完全個室サウナだ》
《お~ おしゃれなカフェテリアの奥に サウナがあるわけね》
いらっしゃいませ。
お名前 ちょうだいして よろしいでしょうか?
あっ 五月女です。 かしこまりました。
ご確認いたしますので 少々 お待ちください。
《事前に スマートフォンで予約済み》
こちらの札 お持ちになって どうぞ お向かいください。 はい。
《本当に1人用の完全個室だ。
着替えも シャワーも 全部 この部屋の中。
日本初の 完全個室サウナを うたうだけのことはある。
枕もあって 寝転ぶこともできるわけね》
《これが サウナの本場➡
フィンランドから 輸入したという サウナストーブか》
《ブルートゥーススピーカーか。
スマホにつないで 自分の好きな音楽をかけられる。
そうか 普通のサウナみたいに 誰が見たいのかわからない➡
テレビ番組を 聞こえるか聞こえないかの➡
小さい音で見させられる苦痛を 味わわなくていいわけだ。
これはいい。 サウナの時間を➡
もっと 有効活用できないものか と ずっと思っていた》
日本に多い 高温のサウナと比べると➡
温度は 低くて湿度が高いんだ》
《まだ 入って10分。 汗が全身から出てきている。
これは 毛穴が開いているぞ。
出ていけ 老廃物よ!》
うわっ 冷たい!
《サウナ 冷水浴 休憩。
このサイクルを 繰り返すのが オススメらしい。
お店のオススメには まずは しっかり従う主義》
《これは ロウリュというやつか。
アロマ水を 熱いサウナストーンにかけると➡
水蒸気が上がって 部屋中が いい香りになる。
更に 湿度が上がって 汗も出やすくなるらしい》
はぁ~!
はぁ~ あ~!
《声を出しても 全然 大丈夫。
どんな姿勢になっても 大丈夫。
これは 天国と言わずとして 何を言うんだ。
しかし こんな1人に優しい サウナができたということは➡
ソロサウナを望む人たちが 結構 いるということか。
ヤバい… これは 睡魔が…》
(アラーム音)
《完全に寝てしまった。 でも…》
最高に 気持ちよかった。
はぁ~。
《こんな カフェテリアがあったら➡
スルーするわけには いかないじゃないか》
《ドリンクは 結構 種類があるけど➡
ここは やっぱり 生ビールか。
サンドイッチのパンは ライ麦ね。
ちょっとおしゃれな ニューヨーカー?
いや パリジェンヌ? ロンドンっ子か?
まぁ そんな感じでいってみよう》
すみません。 はい いらっしゃいませ。
え~ 生ビールと ローストポークチーズサンドイッチ ください。
はい ありがとうございます。
お待たせしました。
ありがとうございます。 ごゆっくりどうぞ。
はぁ~。
《汗を たくさん かいたあとの 生ビールは➡
なぜ かくもおいしいのか?》
《今日の ソロ活も楽しかった。
そして 何といっても サウナが ソロ活仕様になったとは。
自分が みんなに 受け入れられたような気がして➡
うれしい》
《リムジン 動物園 遊園地 気球。
ラブホテル 夜景クルーズ フレンチフルコース。
いろいろ行ったな~。
不思議なものだ。 人と関わるのが苦手で➡
ソロ活をしてみたら 結局最後は たくさんの人と➡
関わるようになった。
ソロ活とは 自分を知る行為であり 自分を癒やす行為でもあり➡
苦手なことと 歩み寄れる行為である》
五月女さん 今日 みんなで 焼き肉 行こうって➡
思ってるんですけど 行きません… よね?
さぁ 行こう。
行くんですか?
何? 自分から誘っておいて 行くんですか? はないでしょ。
あっ… すみません。 あっ じゃあ 行きましょう!
あっ みんな行くよ 早く行くよ!
あの~ 五月女さんの 気が変わらないうちに!
よし 行こう! 行きましょう!
(石岡)五月女さんの 気が変わらないうちに!
《勘違いしてほしくない。
私は ソロ活を 卒業したわけではない。
ただ 今日は みんなと焼き肉に 行く気分だっただけ。
ソロ活人生は まだ 始まったばかりだ》
<今回 五月女恵が ソロ活をしたのは➡
東京スカイツリーのお膝元 墨田区の御谷湯。
昭和22年創業の 下町の温泉銭湯が➡
平成27年に リニューアルし 初めての方にも入りやすい➡
たたずまい。 温泉は 関東平野に多い 黒湯。
美肌の湯ともいわれ➡
下町の女性たちを癒やしてきた。
そして 完全個室で➡
フィンランド式のサウナを 満喫できるのは➡
昨年 オープンしたばかりの ソロサウナ tune。
着替え シャワー サウナ 休憩スペース。
すべてが 個室内に完備されており➡
2mのベンチでは 1人で横になって➡
くつろぐことができる。
ソロ活仕様のサウナで➡
整えてみてはいかがだろうか。
それでは皆様 また お会いする日まで➡
ごきげんよう>
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