Afrikaans
Akan
Albanian
Amharic
Arabic
Armenian
Azerbaijani
Basque
Belarusian
Bemba
Bengali
Bihari
Bosnian
Breton
Bulgarian
Cambodian
Catalan
Cebuano
Cherokee
Chichewa
Chinese (Simplified)
Chinese (Traditional)
Corsican
Croatian
Czech
Danish
Dutch
English
Esperanto
Estonian
Ewe
Faroese
Filipino
Finnish
French
Frisian
Ga
Galician
Georgian
German
Greek
Guarani
Gujarati
Haitian Creole
Hausa
Hawaiian
Hebrew
Hindi
Hmong
Hungarian
Icelandic
Igbo
Indonesian
Interlingua
Irish
Italian
Japanese
Javanese
Kannada
Kazakh
Kinyarwanda
Kirundi
Kongo
Krio (Sierra Leone)
Kurdish
Kurdish (Soranî)
Kyrgyz
Laothian
Latin
Latvian
Lingala
Lithuanian
Lozi
Luganda
Luo
Luxembourgish
Macedonian
Malagasy
Malay
Malayalam
Maltese
Maori
Marathi
Mauritian Creole
Moldavian
Mongolian
Myanmar (Burmese)
Montenegrin
Nepali
Nigerian Pidgin
Northern Sotho
Norwegian
Norwegian (Nynorsk)
Occitan
Oriya
Oromo
Pashto
Persian
Polish
Portuguese (Brazil)
Portuguese (Portugal)
Punjabi
Quechua
Romanian
Romansh
Runyakitara
Russian
Samoan
Scots Gaelic
Serbian
Serbo-Croatian
Sesotho
Setswana
Seychellois Creole
Shona
Sindhi
Sinhalese
Slovak
Slovenian
Somali
Spanish
Spanish (Latin American)
Sundanese
Swahili
Swedish
Tajik
Tamil
Tatar
Telugu
Thai
Tigrinya
Tonga
Tshiluba
Tumbuka
Turkish
Turkmen
Twi
Uighur
Ukrainian
Urdu
Uzbek
Vietnamese
Welsh
Wolof
Xhosa
Yiddish
Yoruba
Zulu
<勤めていた製薬会社を リストラされた僕は➡
ひょんなことから➡
ビストロ・パ・マルで➡
ギャルソンとして 働くことになった>
⦅次の お仕事は? まだ 決まってません。
では ここで働きませんか? えっ?
おせっかい…。 ギャルソンが辞めて➡
ちょうど 困ってたんです⦆ < ひょんなことって➡
生まれて初めて 使ったかも>
⦅なんで 僕を このお店に 誘ってくれたんですか?
ギャルソンも 記憶力が求められる。
1年ぶりに来て メニューを見ずに 同じ料理とワインを頼んだ。
その能力が サビていなかったから 声をかけたんだ⦆
<三舟シェフに 記憶力のよさを 認められたからだ>
おはよう さんまの塩焼きは 秋の味覚だね!
キックボード兄さん。 へっ?
だいぶ 慣れてきた感じだね。 そう?
あっ お店の名前の意味 わかった?
悪くない って意味でしょ? おぉ~。
ゴミ! あっ!
じゃあ 頑張れよ!
お前もな!
どうですか? 直りそうですか?
どうだろうな 相当 古いからな。
あっ ガタガタしない。 とりあえず これでいっか。
(志村)おはようございます。 (金子)おはようございま~す。
おはようございま~す。 おはよう。
おっ じゃあ これ 片づけておいてくれ。 はい。
でさ その子ヤギ かわいいから みんなで 名前付けましょうって➡
ゆきちゃん って名前に なったんだけど。
私と 同じじゃないですか。 そうそう そう。
春になったら みんなで 食べましょうって。 ウソでしょ…。
< ここが 今の僕の職場だ> ☎
あっ 出ます 出ます。 ☎
☎
はい ビストロ・パ・マルです。
御木本様 2名様で。
はい かしこまりました。 はい…。
あの 来週の金曜日➡
御木本様という方から 予約が入りました。
ああ 甲陽出版の。 あぁ… あの➡
前菜は フォアグラを使った料理➡
メインは カスレが いいとのことなんですが…。
どうした? ガチョウのコンフィのカスレが➡
ご希望だそうです。 ガチョウ?
カモじゃなくて? はい…。
できれば ガチョウで お願いしたいと…。
肉屋に頼んでみるけど➡
手に入るかどうか わかんないよ~。
お連れの方の こだわりかもしれないな。
< なぜ ガチョウなのか?
その秘密を 僕たちは 後に 知ることになるのだが…>
自家製ベーコンのサラダでございます。
(ドアの開く音)
いらっしゃいませ。 いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。 御木本様。 こんにちは。
カウンター席でも よろしいでしょうか? はい。
どうぞ。
おいしい。 ありがとうございます。
昨日は 変なことお願いして すみません。
あ~ いえ。 あらかじめ➡
ご希望を言っていただけるのは ありがたいです。
あっ ただ 食材を確保できるかが まだ…。
ガチョウですね。 フランスからの空輸になります。
前にいたホテルにも 聞いてますから➡
なんとか 都合つけば いいんですけど…。
でも どうしてガチョウなんですか?
寺門小雪さんって ご存じですか?
あっ いえ…。 ちょっと待って エッセイストの!?
俺 ファンなんですよ! はぁ…。 エッセイスト?
ウソでしょ 知らないって… えっ? はぁ~。
寺門小雪さん。 あっ そうそう この人 この人。
うっ うぅ… わかんない。 テレビのコメンテーターで➡
出られてましたよね? 彼女が珍しく 東京に出てくるというので➡
何か食べたいものはあるか 聞いたら➡
ガチョウのコンフィで作った カスレが食べたいって。
寺門様って 以前 フランスに住んでましたよね?
10年くらい前だと思います。
もともと パリ在住で 向こうの お店情報や➡
ガイドブックの記事などを 書かれてました。
で 恋愛に関するエッセイが 大ヒットして エッセイストに 転向したんですよ。
さすがファン 詳しいっすね。
最近 なかなか テレビで お見かけしないですけど…。
数年前から 故郷の北海道で 執筆に 専念されてるんです。
そろそろ 恋愛小説を 書きたいということで➡
うちで 原稿をいただけるよう お願いしてるところなんです。
楽しみすぎる!
絶対 買いますから! あっ どうも。
志村さんが 恋愛小説…。 別に いいじゃねえかよ。
あっ カスレ!
そういえば カスレについて書かれた エッセイ ありましたよね?
たしか あの パリで 当時の恋人が カスレを作ってくれたっていう話。
『最低のカスレ』ですね。
最低? で その カスレが➡
別れる原因に なったっていう… ねっ?
寺門様にとって カスレは いい思い出がない料理ですね。
なぜ わざわざ リクエストしたんですかね?
それが わからないんですよね~。
≪すみません! はい。
志村 そのエッセイ 持ってるか? えっ?
読みたいんでしょ? 明日 持ってきますよ。
うわっ 偉そうだな。
三舟さんは 知らなかったんですね…。
へっ?
なんすか? それ。 えっ?
(金子) お飲み物は どうなさいますか?
え~っと… えっ 何が いいですかね?
ポトフを ご注文ですよね?
でしたら 白ワインの中でも 力強いもの➡
プイィ・フュイッセなんか オススメです。
お肉や野菜から出る だしとの相性は 抜群なんです。
じゃあ それを グラスで。
かしこまりました。 はい。
お客様は?
ねぇ 飲み物は? えっ?
あぁ… 水でいいです。 お水? えっ➡
お酒 大好きなのに お水でいいの? 水でいい。
かしこまりました。
こちら ポトフでございます。
え~ お好みに合わせて こちらを お使いください。
お塩 ディジョンマスタード サワークリームでございます。
すごいね~ とっても豪華だね。
ねぇ 聞いてる? えっ? あっ…。
サマードリーム…。
はっ? えっ? サワークリーム。
早く食べよう。
あちらの男性のお客様 体調でも 悪いんですかね。
食事も 全然 進んでないし。 やっぱり そう思います?
さっきから 水ばかり おかわりしてるんですよね。
ふだん お酒 好きみたいなのに…。
このお肉 すっごい やわらかい。 顔も赤いし 落ち着きないし➡
熱でも あるのかな?
金子。 (金子)はい。 シャンパンのストック あるか?
昨日 補充したばかりなので 十分 ありますけど。
1番テーブルに 準備しとけ。 えっ? でも…。
今 体調 悪いんじゃないかって 話してたんです。
あれは 体調が悪いんじゃない。 えっ?
極度の緊張だ。 緊張?
あぁ そういうこと…!?
どういうこと?
どういうことですか? えっ わかんないの? へっ?
わかんだろ。 わかんないです。 なんでだよ?
えっ わかんないの? わかんな… えっ どういうこと?
あっ 始まったぞ!
これ…。
えっ…。
僕が 結婚します!
あっ ま 間違えた…。
僕と 結婚してください!
はい!
お願いします! ふぅ~。
(杏子)フフフッ。
ありがとう…。
おめでとうございます。 シャンパンを どうぞ。
あっ すみません…。 (拍手)
あっ ありがとうございます。 ありがとうございます。
フフフッ。 (拍手)
どうぞ 乾杯してください。
じゃあ 乾杯!
フフッ 乾杯!
いや~ 解放感が 半端ないよ。 フフフッ。
お二人って どんな出会いだったんですか?
いやいや そんなこと聞いたら 失礼じゃないですか。
だって 気になるじゃないですか。
彼女 僕の親友の妹なんです。
えっと… どういうことですか? 食いついてる 食いついてる。
大学2年の学園祭で 彼女に 初めて会ったんです。
彼女は 高校3年で 僕の 一目ぼれでした。
あれから もう 10年たつ。
10年間も おつきあい されてるんですか?
いや ず~っと 僕の片思いで➡
つきあいだしたのは 3年前から。
杏子にも 彼氏がいたから。
今も 思い出すんですよ➡
初めて 2人きりで 出かけた日のこと。
夏休み前の テスト期間で 偶然 帰りの電車で会って➡
どこか 行かない? って 思い切って誘って。
へぇ~ どちらへ 行かれたんですか?
彼女が行きつけの甘味処。 彼女 かき氷が大好きで。
そうなんですか? ええ まあ。
へぇ~。 氷あんず。
かき氷の上に シロップ漬けの あんずが のってるんです。
あの味は 一生 忘れないなぁ。
すてきですね。
そうだ 3日後に また 予約できますか? 2名で。
お二人でですか? いえ➡
大学のときに お世話になった恩師が➡
上京してくるんですよ。 おいしいものが好きだから➡
ぜひ こちらに お連れしたいと思って。
ありがとうございます。
ごちそうさまです。 (2人)ありがとうございました。
はぁ~ 幸せそうだね。
あっ 一句できた。 えっ?
どうですか? あっ いいと思う。
すごく いいと思うよ なんか その 溶かす とかさ➡
ラブラブな感じが 伝わってきて…。 結婚か~ 羨ましいな~。
なんか 俳句って いいよね って… 聞いてないのかよ。
そういう相手 いるんですか?
ごめんなさい…。
どうでしょうね~?
あっ すみません もう 閉店の時間で…。
三舟さん いらっしゃいます?
わかりました。
三舟シェフ 隣に座りましたよ。
あの方 お知り合いですかね? じゃないですか?
私は 初めてですけど。
どういう関係なんですかね? さぁ…。
きれいな人だな~。
(金子)確かに…。
今日ですよね? 大島様の予約。 うん。
それで 明日が 御木本様。
ガチョウ 間に合うんですかね? う~ん…。
賄い できたぞ! は~い! はい!
親子丼だ~! うわっ うまそう!
よいしょ…。 いただきま~す!
いただきます。 いただきます。 いただきます。
う~ん! うん。
うん! うん。 うまっ!
あの 三舟シェフの賄いって いつも 和食ですよね?
いつもは フランス料理 作ってると 他の 作りたくなんだよ。
そういうもんなんですね。 あっ 三舟シェフ。
んっ? 寺門様のエッセイは もう読みました?
ああ 志村が 持ってきてくれたからな。
ウソだろ? 2人とも読んだ? はい。
読みましたよ。 切ないよな~ 『最低のカスレ』。
(志村)3年間の パリ生活に 疲れ果てていた寺門様が➡
ランドック地方出身の恋人 アンリと別れる話…。
⦅小雪…⦆ (志村)そのころ➡
まだ 学生だったアンリは 財布を 落としてしまい➡
寺門様の誕生日を祝う お金が ないと言って➡
寺門様本人から 100ユーロ 借りた。 ⦅ありがとう⦆
(志村)100ユーロあれば 家でなら 高級食材だって買える。
⦅アンリ プレゼントは いらない。
その分 とってもおいしい料理と ワインを 用意して⦆
(志村) 寺門様は アンリに そう頼んだ。
そして 翌日…。 ⦅サリュー。
(アンリ)小雪 おかえり。
ボナニヴェルセール! わっ!⦆ (クラッカーを鳴らす音)
(志村)アンリは 室内を飾りつけ 誕生日ディナーだと言って➡
ガチョウのカスレを 用意していた。
これは 特別なガチョウなんだ! アンリは うれしそうに何度も言った。
100ユーロも 貸したのに 安いガチョウだなんて…。
何より 寺門様を失望させたのが➡
その日は 誕生日じゃなかったということだ。
誕生日の 1日前だったんだ。
その夜 アンリが 深夜のバイトに出かけたあと➡
寺門様は 部屋を出て 友人宅に 身を寄せた。
それ以来 アンリには会っていない。
1週間後 日本に帰国する日➡
最後に見た エッフェル塔は 涙で にじんで見えた。
寺門様は もう一度だけ考えた。
もし あの夜のディナーが ガチョウのカスレでなければ と…。
でも なんか いろんなことが 重なったんでしょうね…。
俺も そう思う。
嫌いで 別れたわけじゃないんだよな…。
まあ フランス人のジュテームほど➡
日本人は 気軽に 愛してる って言えないからな。
ちょっと 三舟シェフ そんなこと 言います? あっ…。
寺門様にとって ガチョウのカスレが➡
特別な料理だってことは わかったけど➡
それって やっぱり➡
悲しい思い出を よみがえらせるだけですよね?
どうして 今頃になって➡
また 食べたいって 思うようになったんだろう?
悪い思い出を 払拭したいんじゃないの?
悪い思い出って 簡単に 忘れることできます?
僕は 小学生のときに いじめられたの➡
まだ 覚えてます。 でしょ?
悲しい思い出って ずっと心に 突き刺さったままなんですよね。
三舟シェフは どう思います?
寺門様の気持ちは わからないけど➡
アンリの気持ちなら わかる。 (志村/高築)えっ?
≪(熊井)こんにちは~! (ドアの開く音)
あっ 熊井さん。 この間 おっしゃってたもの➡
手に入りましたよ! ホントですか!
ええ。
(志村)あれれ…。 仕入れ担当者が➡
ちょうど トゥールーズ 行ってましてね➡
帰国1日前でしたから ギリギリセーフでした。
うん よさそうだな。
それが ガチョウの肉ですか? そうだ。
切り分けられてるんですね。 うん。
≪(草野)ごめんくださ~い。 (ドアの開く音)
いや 助かりました 熊井さん! この埋め合わせは 必ず!
ごめんください。 いえいえ。
(熊井)パ・マルさんには いつも お世話になってますから。
ごめんくださ~い!
おっ 草野! いつのまに。
志村さん ガチョウ 手に入りましたよ。 えっ? あぁ ホントか…。
うちの店の入ってるホテル 中華料理も入ってるじゃないすか。
あっ そこが 分けてくれたのか? あ~ そこの料理店の弟が…。
弟さんが? 知り合いの 知り合いの➡
台湾料理店から 譲ってもらえたんです。
なに 言ってるか 全然 わかんねえ。
台湾のは まるまるなんですね。 フランスと台湾から➡
ガチョウが 飛んできましたね。
(草野)そこの料理店の弟さんの➡
知り合いの 知り合いの 台湾料理店から…。
< その夜 大島様は 予約の時間に 遅れてきた。
とても疲れた ご様子で…>
いらっしゃいませ 大島様。 どうも…。
お連れ様は お見えです。 お預かりいたします。
あっ! おお 大島くん!
西村先生 すみません…。 ハッハッハッハッ! いいよ。
申し訳ないです お待たせしてしまいました…。
いいから 座ろう。
大島くん 忙しいようで 何よりだよ。
はい…。 ハッハッハッハッ!
食べなさいよ。 はぁ… すみません…。
大島様 今日も あまり 食事に 手をつけられてないね。
来たときから 元気 なかったし 今度こそ 体調 悪いのかも?
それにしては 赤ワイン 飲み続けてますよ。
すごい早いピッチで…。
あっ すみません。 はい。
まだ いけるだろ? あっ いただきます。
どうぞ。 あ~ どうも。
じゃあ おんなじものを。 かしこまりました。
犬が また かわいいんだよ。 ふぅ~。
毎朝 一緒に 散歩にいくんだけどさぁ➡
それがまた… かわいいんだよ アハハハ…。
大島くん? 大島くん!
あっ…。 大島くん!
お おいおい 大島くん!
大島くん おい!
ありがとうございました。
どう?
ちゃんと 息してるから 大丈夫だと思うけど…。
大丈夫 ただ 眠ってるだけだ。 ンガッ。
起きた。
ちょっと トイレ…。 トイレ? トイレ トイレ こっちです。
こっちですよ ちょっと… トイレ こっちです。
(せきこむ声)
やめろ やめ…! (嘔吐する声)
そっちは 関係者だから だめだって…。
こっち こっち…。
≪うわ~! (嘔吐する声)
かなり ひどいな…。
≪うわ~! (嘔吐する声)
お水です。
大丈夫ですか? すみません…。
まだ 片づけがあるんで しばらく いますから。 あぁ…。
あっ あの 一緒にいた…。
西村様なら お帰りになられました。
最終の 新幹線の時間が あるとのことで…。
すごく 心配は されていたんですけど…。
あ~ お代は…?
いただいております。
そうですか…。
ご迷惑を おかけしました…。
お荷物 お持ちします。
このまま帰っても 余計 つらいんじゃないですか?
えっ? また 浴びるように お酒を飲むんですか?
なんか 始まりましたよ 三舟シェフ。 おせっかい…。
えっ? 優しさじゃないんですか?
(志村)優しさだよ 優しさ。 ヴァン・ショー 出しますかね?
婚約者の方と 何か あったんですね? えっ!?
なぜ それを…?
落ち窪んで 充血した目は 寝不足の証拠。
落ち着きが なかったのは 二日酔いで 気分が悪かったから。
そのワイシャツ 昨日と 同じワイシャツですね?
そして 恩師の方との 食事中にもかかわらず➡
携帯電話を 気にしていた。
これらのことから察すると 大島様と 婚約者の方との間に➡
何か あったのではないかと 思ったんです。
ポトフのスープです。 少しでも 食べませんか?
プロポーズした日に 杏子が食べてた…。
胃が 落ち着きますよ。
ヴァン・ショーじゃない。
♬~
おいしい…。
この前も今日も ほとんど 召し上がられてませんでしたね。
すみません…。 いいんです。
いつも 元気でいられるなんてこと ありませんから。
調子の悪いときだって ありますよ。
あの… 聞いてもらっても いいですか?
僕と杏子に 何があったか…。
私で よければ…。
ここで プロポーズした翌朝➡
杏子は 入院してる おばあちゃんの お見舞いで➡
山梨の実家に 日帰りで帰ったんです。
ちょうど そのとき➡
大学の後輩だった 坂本から 3年半ぶりに 連絡があって…。
実は 僕が 杏子と つきあう前➡
杏子は 坂本と 婚約していました。
⦅最近 行ってなくない? どこ?
氷あんず⦆ (大島)坂本は➡
二枚目で 楽しいヤツでしたが 気が短いところがあって➡
しょっちゅう もめ事を 起こしていました。
そんなアイツが バイト先のコンビニで お客さんと もめて➡
ナイフで 刺し殺してしまったんです。
婚約は 解消になりました。
杏子は 坂本が刑務所から帰るのを 待つと言い張ったけど➡
彼女の両親が 許しませんでした。
僕は 時間の許すかぎり 傷ついた彼女の そばにいました。
どんな喪失感でも 時間が 癒やしてくれる。
半年ほどの時間を経て➡
彼女は 少しずつ 立ち直っていきました。
そして 僕を受け入れ 一緒に 暮らし始めました。
だから 一緒に暮らしてみて 初めて知ることも多かった…。
そのなかでも 驚いたのが➡
彼女が 思ってた以上に かき氷が 好きなことでした。
夏でも冬でも かき氷を作って 食べていました。
⦅ん~! また 食べてんの? うん。
それ 毎日 飽きないの? わかってないな~。
あ~ん あげな~い ヒヒヒヒ⦆
それで 坂本って人が 訪ねてきたっていうのは?
予定より早く 出所したので 謝罪させてほしいってことでした。
僕と杏子が 一緒に暮らしていることは➡
もう 知っていました。 会ったんですか?
はい。
その日の午後に 仕事を休んで➡
杏子が 実家に帰ってるのを伝えて 家に呼びました。
いろいろと はっきりさせたかったんです。
しばらくぶりに会った彼は 少し 雰囲気が変わっていました。
⦅誰かから 聞いたかもしれないけど➡
僕と杏子さんは 結婚することになったんだ。
おめでとうございます⦆ (大島)僕は 坂本に➡
杏子と 二度と会わないでほしいと 念を押しました。
⦅わかりました。
あの これ… 杏子さんの忘れ物です⦆
(大島)坂本は 保冷バッグから アルミの丸い容器を 出しました。
かき氷用の 氷を作るための容器です。
その中に あったのは 透明で きれいな氷でした。
⦅出る直前に 冷凍庫で見つけまして…⦆
(大島)そのまま 持ってきたのだと 言っていました。
それで どうしたんですか? その氷。
そのまま うちの冷蔵庫の 冷凍室に入れました。
あっ でも 坂本さんは 刑務所に いたんですよね?
アイツ 親に買ってもらった マンションに住んでいて➡
刑務所に行ってる 3年半の間も➡
電気とかガスとか 全部 そのままだったらしくて。
杏子さんは…? その夜 実家から帰ってきて➡
いつものように かき氷を作って 食べていました。
氷が2つあるのに 気付いたけど 特に 何も言わないままでした。
でも 次の日 僕が 仕事から帰ってくると➡
杏子は いなくなっていました…。
そして そのまま 帰ってきませんでした。
まさか…。 (大島)恐らく 坂本から 連絡を受けたんでしょう。
杏子は 僕を捨てて➡
坂本のもとに 行ったんです。
手紙か何か 残されていたんですか?
何も ありませんよ。
ただ… 杏子は 3年半の間➡
ず~っと 坂本のことを 忘れていなかったんです。
ちょっと いいですか? なんですか?
また 始まった。 今度は なに 思ったんだ?
ちょっと いいですか? なんですか?
また 始まった。 今度は なに 思ったんだ?
坂本さん 彼女に 連絡してませんよ。
そんなはず ありませんよ! アイツが 連絡しなきゃ➡
杏子が 坂本の出所を 知るはずがない!
周りも みんな 2人が もう 会わないことを望んでいた!
教えるような人間は いません。 誰も 教えなかった。
でも 彼女は気付いたんです 自分自身で。
そんな… どうやって?
大島様の 家の冷蔵庫は 小型のものですね?
えっ? そうですけど…。 氷は 無味無臭じゃない。
きちんと 味があるんです。 味?
坂本さんが持ってきた氷 きれいな透明だったと➡
おっしゃいましたね? はい。
透明な氷を作るのは 案外 難しいんです。
普通の製氷機で作ると➡
氷の中に 気泡が入って どうしても 白く濁ります。
透明な氷を 作るには➡
製氷機を 発泡スチロールの容器に入れたり➡
タオルで包んだりして 温度を遮断し ゆっくり凍らせないといけない。
場所をとるから 小さな冷蔵庫の 冷凍室では➡
到底 作れない。
そうやって 手間をかけて作った 透明な氷は➡
普通の氷より ずっと おいしい。
かき氷好きの彼女は そのことを知っていたはずです。
冷凍室に 透明な氷があるのを 発見したとき➡
坂本さんが来たことを 瞬時に 悟ったのでしょう。
じゃあ 坂本は その氷を わざと持ってきて…。
それは わかりません。 誰もいない部屋で➡
3年半 完璧な状態で 保存された氷が➡
彼女の中の 坂本さんへの思いを よみがえらせたのか…。
⦅あ~ ちょっと待って! 仕事帰りに 買ってきたんだ。
あんず…。 うん 好きだよね? うん⦆
僕は 杏子を➡
少しも 理解していなかったのかも…。
そんなこと ありませんよ。
あなたは 彼女を救ったんです。
どうしようもない 失望と孤独から。
ヴァン・ショー? ヴァン・ショー? ヴァン・ショー?
私も かき氷が好きなんです。
食べませんか?
こちら。
透明な氷…。
ウイスキーやカクテルを お出しするときに 使っています。
アイスね アイス。
ちょうど 今日の…。 こちら 本日…。
ちょうど 今日のデセールで使った あんずが ありました。
♬~
氷あんず…。
スプーン!
どうぞ。 あっ…。
♬~
あなたの 深い愛情は➡
彼女に 届いています。
うっ…。
そろそろかな。
何が? さぁ…。 ヴァン・ショー!
うっ…。
(ドアの開く音)
あっ… 杏子!? (杏子)すみません…。
はぁ~ 遅かったから 迎えにきたよ。
さ… 坂本のとこに 行ったんじゃ…。
行ったよ ちゃんと お別れするために。
圭ちゃんと➡
これから 幸せになりますって 伝えるために。
フフッ ごめんね 昨日は帰らなくて。
ちょっと 1人に なりたかったから。
これからも ずっと 圭ちゃんのそばに いさせて。
もちろんだ!
絶対に 離しはしない!
フフフッ うん…。
(笑い声)
だいぶ 遅くなっちゃったな~。
でも 大島様 よかったですね。
ホッとしましたよ。 そうだな。
あっ どうして 迎えにくるって わかったんですか?
何も の…。
何も 残されてなかったからだよ。
普通 出ていくなら 婚約指輪 置いていくだろ?
なるほど。 これ 明日の追加分 よろしく。
はい 明日ですね。 よし 帰ろう。
はい! 帰りましょう。
どうしたの?
えっ?
いや べつに…。
べつにって感じじゃないよ。
もしかして 恋人のこと?
実は 最近 ケンカ 多くて…。
いつか 私たちも 大島様たちみたいに➡
信頼しあえる関係に なれるのかな~って…。
帰りますか。
< いつになく 金子さんが悩んでいるようだった。
金子さんの恋人って どんな人なんだろう…>
あっ ひどい… ちょっと 消さないでよ!
<翌日 御木本様は 寺門様を連れて➡
パ・マルに やって来た>
自家製のフォアグラのパテでございます。 おいしそう。
当店のフォアグラ料理で 一番人気です。
へぇ~。
いただきましょうか。 ええ。
おいしい! 何度 食べても ホントに おいしい。
あ~ 幸せ。 天にも昇るような気分だわ。
(笑い声)
よし カスレ 焼き上がったぞ!
はい!
一皿だけですか?
今日は 2種類のカスレを出すから そう言ってくれ。 はい。
♬~
ガチョウのコンフィのカスレでございます。
本日は 2種類のカスレを ご用意しております。
2種類? はい。
では お取り分けいたします。
すぐに 二皿目も お持ちいたします。
うん 使う肉が変わると 風味も 変わるんですね。
そうね おいしいわ。
金子。 はい。
教えてやるよ。 はぁ?
ガチョウのコンフィは 通常 塩漬けにした肉を➡
ガチョウの脂の中で 煮るんだけど まあ それは 保存のためで➡
日本人の味覚からすると 脂が強い。
だから 三舟シェフは ガチョウの脂の代わりに➡
オリーブオイルを使って しつこさを 抑えてる。 へぇ~。
で それを一度 スキレットの上で 表面を 焼き固めてから➡
インゲン豆と 一緒に 時間をかけて 煮込んでる。
それが 一皿目のカスレ。 そう。
二皿目は また 違うんですか? そら そうだ~。
どんなものを シェフが用意してるのか➡
実は 俺も知らない。 知らねえのかよ。
1番テーブル お願いします。
これが 二皿目…。 そうだ。
説明は あとで 俺がするから。 はい。
ガチョウのコンフィのカスレでございます。
一皿目は 肉の味も豆の味も それぞれ 楽しめたけど➡
これは 混然一体となってるような 感じですね。
では お取り分けいたします。
(御木本)2つ目のほうが 長い時間 煮込んだんですかね?
ごゆっくり どうぞ。
♬~
(スプーンを落とす音)
すみません…。 はい。
驚いたわ… ホントに 驚いた…。
二皿目の カスレですか?
私が パリで食べたのと 同じだった…。
ううん 同じじゃない。
もちろん 今日のほうが 数倍 おいしかったわ。
それでも 同じだと思った。
エッセイ 拝読しました。
アンリが作った 最低のカスレ…。
でも どうやって同じものを 作ることが できたんですか?
エッセイを 読んだだけで。
自分が 恋人だったら どう考えるか➡
想像してみたんです。 どういうこと?
例えば 恋人の誕生日に 恋人を 驚かせようとしたら➡
どんな計画を 立てますか? サプライズパーティーとか?
誕生日を 忘れたフリして あとで いきなり驚かせる。
そうすると 驚きがプラスされて うれしさが 倍増する。
アンリも 寺門様の誕生日に➡
似たような計画を 立てたんじゃないでしょうか?
わざと 間違えたってこと?
でも そんなの 単なる憶測でしょう?
証拠は ないのよね?
証拠は 二皿目のカスレですよ。
エッセイにも 書かれていますが アンリは 特別なカスレではなく➡
特別なガチョウだと 何度も 言っています。
彼の言葉を 素直に受け取れば 重要なのは カスレじゃない。
ガチョウなのです。 だとすれば その肉だけではなく➡
肝臓も 用意していたと考えるのは 不自然じゃないでしょう。
フォアグラのパテ 喜んでいただけましたね。
フォアグラ お好きなんですね。 私の大好物。
では フォアグラが何か ご存じですよね?
とうもろこしを たくさん食べさせて太らせた➡
カモやガチョウの肝臓。 そうです。
フォアグラを取り出した カモやガチョウに 価値はないが➡
捨てるほどでもない。 フォアグラの産地では➡
コンフィにして 肉屋で よく 売られています。
じゃあ 二皿目のカスレは その コンフィを使った…。
抜け殻の ガチョウです。
(志村)トゥールーズから 仕入れました。
アンリの故郷 ランドック地方と同じ フォアグラの産地です。
ちなみに 一皿目のガチョウは➡
都内の 台湾料理店から 入手しました。
アンリは 寺門様の大好きなフォアグラを 翌日の 本当の誕生日に➡
出そうと思っていたのでは ないでしょうか?
シェフの言うとおりだわ。
二皿目のカスレが 何よりの証拠だもの。
あれは アンリが作ったカスレと 同じだった。
ただ 1つだけ わからないことが あるんです。
なぜ 今になって➡
ガチョウのコンフィのカスレを 食べたいと思ったのか。
アンリから 手紙が来たんです。
今 日本で フランス語講師として働いてるって…。
5年も前から 日本に来て➡
私のこと ずっと 捜していたそうです。
5年も前…。 (寺門)それで つい最近➡
私のエッセイを 目にして 間違いないって 思ったと…。
会おうか 会うまいか ずっと 迷っていたんです。
それで 久しぶりに ガチョウのコンフィの カスレが食べたいって思って…。
ヴァン・ショーです どうぞ。
懐かしい…。
パリに いたとき➡
風邪をひいたら アンリが 作ってくれた。
答えはもう 出ていますよね?
二皿目のカスレを食べて 決心が つきました。
月日が流れてるから どうなるか わからないけど➡
少なくとも 私は 彼に謝らなきゃならない。
簡単には 許してくれないでしょうね。
彼は あなたを捜しに 日本に来て➡
5年も諦めずに 滞在してるんです。
その覚悟と意味は わかるでしょう?
シェフのおかげです。
今日 ここに来なければ 私は ずっと 誤解したままだった。
もう1つ いいことを お教えしましょう。
カスレは 作ったあと しばらく置いて➡
また 食べる直前に煮返すと おいしくなるんです。
1日目よりも 2日目 2日目よりも 3日目と…。
< こうして ガチョウの謎は 解けたのだった>
あの… ちょっといいですか?
ウソだろ?
サイン ください。 あっ…。
あっ お疲れさまでした~。 もう 三舟さんも志村さんも➡
帰っちゃいました。 そうなんですね。
じゃあ お疲れさまでした。
恋愛って 難しいですよね…。
あ~ うん そうなんだね~。
なんか ちょっとした すれ違いや 思い込みで➡
こう 別れたり くっついたりって うん…。
不安になったり➡
わからなくなったり することばかり…。
でも わからないから わかろうとするんじゃない?
えっ?
トイレ。
♬「デデンデンデッデン」
いいこと 言ったのにな~ もう…。
なんだよ トイレって…。
なんだ うまくいってんじゃん…。
お疲れさまでした~!
Can't find what you're looking for?
Get subtitles in any language from opensubtitles.com, and translate them here.