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♬~
《五郎:いいなぁ。
久しぶりに目のレンズ 超ワイド。
焦点距離 無限大。
この景色の中を行けるだけでも この仕事 受けてよかった》
あっ すみません。
《なんだか楽しい》
<時間や社会に とらわれず 幸福に 空腹を満たすとき➡
つかの間 彼は自分勝手になり➡
自由になる。
誰にも邪魔されず➡
気を遣わず ものを食べるという 孤高の行為。
この行為こそが 現代人に 平等に与えられた➡
最高の癒やしといえるのである>
ありがとうございます。
《空気が 確かに うまい。
河津といえば 河津桜。
満開の頃は 大賑わいなんだろう》
《いいなぁ この路線バスの揺れ》
♬~
《こっちだな》
♬~
《この辺の話なんだ。 『伊豆の踊子』》
《ここだ》
すみません。
すみません。
すみません! はい!
あっ いらっしゃいませ。
佐々木様にお約束いただいてます 井之頭と申しますが。
佐々木様?
佐々木義輝様ですが。
あぁ 佐々木様なんて言うから 誰かと思っちゃった。
テルリン! お客様。
ちょっと待ってくださいね。
テルリンってば。
《テルリン?》
(佐々木)すみませんね こんなところまで来ていただいて。
あぁ いえいえ。
《テルリン…》
(佐々木)どうかしました?
あぁ いえいえ。
いくつか サンプルとして お持ちいたしました。
茶だったんですね。 ええ。
こっちのは何ですか? イタリアのサビネリ製です。
ちょっと いいですか? どうぞ。
今日は お持ちしませんでしたが カーステンとかアメリカ製のものも➡
ご用意できますので。
これ いいですね。 えぇ。
いい眺めですね。 でしょ?
私も この景色が好きで ここで働いてるようなもんです。
落ち着くんですよね。 わかります。
今の世の中 便利なほうばかりに 流れちゃって。
えぇ。
いや 悪いこっちゃないんですよ?
ただ 便利さにばかり頼ってると➡
心をどこかに 置き忘れちゃうような気がして。
私たちが お客さんを もてなす心を忘れたら➡
シャレになりませんもんね。 アハハ。
《テルリン いい》
どうも ありがとうございました。
井之頭さん 今度は プライベートでいらしてくださいよ。
温泉入って おいしい地酒 飲んでください。
ぜひ お願いします。
でも 私 酒が飲めないんで 温泉だけで。
えっ? 下戸さんですか? そうは 見えませんね。
よく言われます。 そう アハハ!
テルリン テルリン… ちょっと 電話。
あっ はいはい。 じゃ これで失礼します。
ありがとうございました。 失礼します。
どっから? 観光協会。
《仕事 あっさり終了。
ちょっと 観光客になろっかな》
《伊豆 緑がいい。
いろんな鳥が鳴いてる》
♬~
《おっ! 七滝茶屋。
寄るしかないっしょ》
いらっしゃいませ。 いいですか?
どうぞ。
いらっしゃいませ。
お決まりになりましたら お呼びください。
《猪鍋?
いるのか? 猪。
はは~ん! それで いろり》
《クラッシュド・ストロベリー いちご三昧。
いちごゼリー… いちごときたか。
よし! ここは クラッシュドでいこう》
すみません。 はい!
お決まりですか? この クラッシュド・ストロベリーをください。
はい かしこまりました。
歩きすぎだって! もう疲れた!
太りすぎだって。 知ってるわよ そんなの。
運動しなさい 運動! 運動嫌いだもん!
いちご三昧 お待たせいたしました。
いちご三昧きた! いちご三昧!
《おばちゃんって 脳と口が直結してるよな》
おいしい これ!
ねぇ これさ 多いって アンタに! いいから アンタは 意地汚いわね!
自分の食べてからにしなさい!
《まさに いちご三昧という光景だ》
お待たせしました。 クラッシュド・ストロベリーになります。
いただきます。
《おお! これは いい!》
《お~ 冷たっ!
クラッシュしてる》
《伊豆で ラブリー。
イズント シー ラブリー》
《水がきれいだ。
せせらぎの音 せせらぐなぁ》
《こういうの まだ 売ってるんだ。
木製 ニョロニョロコブラ》
《今の中高生男子も 修学旅行のとき➡
つい 木刀買ったりするのかな》
あそこ? 届くわけないじゃない。 (2人)大丈夫よ。
《あっ さっきの…。
何してるんだろう》
《願い石?
ふ~ん。
あそこに入ると 願いが叶うのか》
あぁ 惜しい! 大丈夫 もう1回 もう1回!
《おばちゃん 本気》
また 外れちゃったじゃない。 惜しかった!
《残念でした》
《ほう 失礼します》
《う~ん 滝はいい。
たぶん マイナスイオンのせいか➡
なんだか とっても腹が減った》
《よし 店を探そう》
入った 入った!
私もやる 私もやる! えっ まだ やるの?
何言ってんのよ!
《天城名物 わさび。
うん 伊豆に来たからには➡
わさびものも一発 入れておきたい。
踊り子さんは あんまり関係なさそうだけど➡
ここにしよう》
ありがとうございました!
《わさび…》
いらっしゃいませ!
はい お願いします!
お座敷 どうぞ。
お茶です。 お水がよかったら 言ってくださいね。
どうも。
《いい感じ。 この店 当たりなんじゃないか。
さあ 何わさびでいくか。
やっぱり 順当に そばか》
《生ワサビ付わさび丼?
自ら わさびをダブらせた丼。
聞いたことがない。 どんなものなんだ?
よし 勝負に出てみよう。
しかし 400円…。
ますます想像がつかない》
すみません。 はい!
わさび丼をください。
わさび丼 かしこまりました。
わさび丼 1つ! はい わさび丼 1つ!
《こういう ひととき なかったなぁ しばらく。
いかにもな お食事処➡
こういう いかにも 好き。
これも いかにも。 誰がやるんだ?
というか これ どこで売ってるんだ?》
《はいはい。 まっ こんなところか》
はい わさびです。
茎を折って その折ったほうから 擦ってくださいね。
擦るときは まぁるく擦ってください。
まぁるく?
はい まぁるく。
♬~
まぁるく まぁるく。
まぁるく まぁるくだよ。 うん。
楽しいね。 そうだね。
お父さん違うよ まぁるくだよ。
あっ そうか ごめん。
まぁるく まぁるく…。
《まぁるく まぁるく…》
《どこまで擦ればいいんだろう?
こんなもんか?》
すみません 水ください。 はい!
辛くない?
《一生懸命わさび擦ってたら➡
のどが渇いた》
ごちそうさまでした。 ありがとうございました。
《おお! きたきたきた》
いらっしゃいませ。 ありがとうございました。
はい お待たせしました。 わさび丼です。
醤油 持ってきますね。
《かつおぶしが踊ってる… おかかの踊り子》
擦ったわさびを真ん中にのせて➡
醤油をまわりに ぐるっとたらして➡
よくかき混ぜて食べてくださいね。
よし。
♬~
いただきます。
《おお! これ いい!
うまい!》
《ご飯と かつおぶしと わさびだけなのに…》
《う~ん ナイス》
《みんな 少し わさび入れてる。
なるほど なるほど》
《うんうん 白い飯好きには たまらんぞ》
《うわっ 酢漬。
これもいい。
せっかく擦ったんだし➡
ガツンといっちゃえ》
《うっ! おお… きた!
いかん 入れすぎた…》
《あぁ…。
いや でも こうでなくっちゃ。 わさびだもの》
♬~
《うまかったぁ》
あぁ…。
すみません。 は~い。
わさび丼 もう一杯ください。
えっ? いいんですか? わさび丼で。
えぇ これ 初めて食べました。 おいしいですね。
ありがとうございます。 わさび丼 1つ!
わさび丼 1つ!
《また擦ってる 俺…》
さぁ 行こうか。
ごちそうさまでした! ありがとうございました。
《そんなもんばっか いじってんじゃないよ》
あの… わさび 擦ってくださいね。
えっ 料理がきてから 擦ろうと思ってたんですけど。
それだと 料理が冷めちゃいますんで。
あっ そうですよね。
《ちょっと考えれば わかる段取りじゃないか》
ここ… ここの茎を持って で こっちから擦って…。
いらっしゃいませ。 あっ おかえりなさい。
あぁ お父さん。 あちらのお客さん➡
わさび丼 おかわりして くださったんですよ。
どうも。 アハハ。
あんまり おいしくて ビックリしました。
やっぱり わさびが違うんですかね。
いや ハハハ 今では 伊豆の名産ですけど➡
もともとは違うんですよね。
えっ そうなんですか?
今でも わさびについて残ってる いちばん古い資料は➡
飛鳥時代なんですよ。 685年に 奈良県 明日香村の遺跡に➡
わさびのことが書かれた 木簡が残っていたんですよ。
ちょ… ちょっと 待っててくださいよ。
ちょっとね。 ちょっ ちょっ…。
その木簡に こういう 漢字が書かれていたんですよね。
これで 委佐俾。
これって 『魏志倭人伝』の 倭に似てるでしょ。
これも ニンベン取ったら 卑弥呼の卑でしょ ハハハ。
そういうことです。
《どういうことだ?》
わさびが普及しはじめたのは 江戸時代に➡
野生のわさびの栽培を 始めてからなんですが➡
徳川家康が わさびを 独占しちゃったんですよ。
しかも 栽培方法を 門外不出にしちゃったんですね。
そのとき 命がけで わさびの苗を 天城に持ってきたのが➡
板垣勘四郎っていう人なんですよ。
ハハッ もう これは 本当に ノーベル賞ものですよ うん。
《川端康成じゃなくて…》
わさびにはね アリルイソチオシアネート っていう物質がありましてね。
殺菌作用があるんですよ。
《今は うんちく 結構です…》
でね わさびが なぜ 辛いかといいますとね…。
お父さん! お客さんが 食べらんないでしょ。
すみません。 話しだすと止まらなくて。
あっ いえ。 全然 大丈夫ですよ。
♬~
《改めまして…》
いただきます。
♬~
《やっぱり うまいなぁ。
うん 醤油がいい働きをしてる》
《俺は 最終的には➡
こういう シンプル極まりない ご飯が➡
いちばん好きな気がする》
♬~
あぁ~。
ごちそうさまでした。
これで 委佐俾。
これって 『魏志倭人伝』の 倭に似てるでしょ。
わさびが普及し始めたのは 江戸時代に…。
《でも こういう ご主人の話ってのは➡
ネット情報とは味わいが違うんだ。
多少 面倒くさいけど》
《食ったら眠くなってきた。
朝早かったしな。 急ぐことない。
パソコン仕事は 明日にするか。
ちょいと ゆっくりしよう》
<原作者 久住昌之が➡
実際に お店訪問>
<伊豆急行 河津駅から バスで15分ほどのところにある➡
わさび園 かどや。
久住さん いつもの 飲み物を片手に待っていると…>
こちらが わさびのくきの 三杯酢漬になります。
わさびのくきの やわらかいところを➡
三杯酢に漬けた…。 お酒の一品になります。
これ いいね。 食べてください。
おいしい!
これは なんか わりと生っぽいというか…。
そうですね。
これ おいしい。
<今回は かどやのご主人が➡
オリジナルおつまみで 久住さんを おもてなし>
塩辛? これ オクラなんですけど。
えっ!? オクラ? 混ぜて食べてみてください。
焼酎!
これね 私が作った焼酎なんですけど。
へぇ~!
どうぞ。
おいしい! これ おいしいね。
なんかね わさびが かえって➡
甘い感じにさせてるような感じが。
< さて オクラのわさび和え お味は いかが?>
思ったより… もっと 辛いかと思ったら。
いいでしょ? うん。
わりに 今の人って わさびって ツーンとくるから➡
嫌だって言うんですけどね そんなことない…。
塩辛なんていうのは↴
< ご機嫌で 焼酎を飲んでいると…>
そうですね 2杯ぐらい…。
そうですね 2杯ぐらい。 2杯ぐらい。
2杯ぐらい いいかな。 アハハハハ!
まぁ ゆっくりやってくださいよ。
<久住さん。 飲んでばかりいて➡
今回のお目当てを 忘れてはいませんか?>
あぁ うまい!
うわ~!
いや おいしい!
ねっ?
結構 ファンも…。
今日は もう 堪能です。
<久住さん大絶賛のわさび丼。
ぜひ 河津まで 足を運んでみてはいかがですか>
梅沢さん 今日はどちらへ?
どちらへって… 今日は海鮮が食べたいよ。
うん 海鮮 海鮮。
梅沢富美男が 街で評判のこだわり酒場で➡
こだわり料理を 心行くまで食べ歩く!
うまい!
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