All language subtitles for (2020.10.04)_ドクターY~外科医・加地秀樹~SP

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Original subtitles

(操作音)

(三葉真帆)はあ… はあ…。

(荒い息遣い)

(那須浩一)右肺中葉切除 メッツェン。

(韮崎 翔)早い…。 さすがです 先生。

中葉切ったらリークテスト。 生食用意。

(有働竜吾)はい。

三葉 両肺換気の準備。

三葉! (三葉)あっ… はい!

♬~

右肺中葉 摘出完了。

三葉 両肺換気。 はい!

♬~

(有働)加圧しすぎ! 気管支断端が壊れるだろ!

すいません ちょっと待ってください!

出たよ 「ちょっと待ってください」 何回目だよ。

すぐに減圧します。 慌てるな。

こちらから中枢気管支を クランプすればいい。

気管支鉗子。 (根岸美紀)はい。

すいません…。 ありがとうございます。

♬~

気道内圧 調節できました。 オーケー クランプ解除。

えっ… なんで!?

(有働)おい 今度はなんだよ。 全然 肺が膨らんでこないぞ!

メッツェン。 (美紀)はい。

(有働)早くしろ! お前は こっちに集中しろ!

(有働)は… はい! スパーテル! (美紀)はい。

(韮崎)先生 全然 膨らんできません!

(心電図モニターのアラーム)

サチュレーションも低下してる。 左の肺の膨らみも悪い。

バルブ 閉めすぎてないか? あっ… すいません!

(有働)おい まだ膨らまないぞ。 どうなってんだ!?

(有働)誰だ? あんた。

(城之内博美)ちょっとどいて。 (三葉)あっ… はい。

♬~

(有働)おい 何してる? 勝手に手術室に…。

スパズム。 アミノフィリン投与。 ステロイド持ってきて!

(看護師)はい!

(三葉)アミノフィリンです。

バッグ代わって。 (三葉)あっ… はい!

どいて。 (心電図モニターのアラーム)

スパズム 改善しました。 10センチH2Oで加圧します。

オペ 続けてください。

城之内先生ですね。 助かります。

(有働)リークもなさそうです。

オーケー。 じゃあ 片肺換気に戻します。

その間に止血作業を。 了解。

4-0モノフィラメント。 (美紀)はい。

尾蔵会長…→

検査の結果が出ました。

♬~

…言ってくれ。

私は なんの病気なんだ?

あの… ありがとうございました!

麻酔科医になって何年? 2年目です。

麻酔科部長から この手術室が心配だから→

様子見てきてほしいって 言われたの。

信用されてないみたいよ。

はい… すいません。 頑張ります!

城之内先生。

はじめまして 那須です。

今日から お世話になります 城之内です。

東帝大で難しい手術を 何度も経験されてきた→

城之内先生に来て頂けるとは 心強いです。

いえ 那須先生も お噂どおり 見事なオペでした。

いやいや…。 あっ そうだ。 東帝大という事は→

うちに客員准教授として来た あの先生をご存じなんですね。

えっ?

ああ… あの先生ね。

♬~

肝臓に腫瘍が…?

はい。

広範囲に広がっておりまして 難しい手術になります。

長期の入院が必要になるかと…。

そうか…。

〈これは 一匹狼の外科医の話〉

〈…ではない〉

…という病名では いかがでしょうか?

ワ~オ! それは素晴らしい! それでいこう!

念のため 検査をさせて頂きましたが→

さすがは日本スポーツ連合会長 見事な健康体でございました。

おいおい おいおい… めったな事を言うんじゃないぞ。

私はな 体調不良で入院したんだから。

それをマスコミは→

贈賄疑惑で逃げただなんて 抜かしおって。

あっ 君。 今 聞いたとおりだ。 すぐ発表したまえ。

(小松菜実)しかし 会長 あまり重い病気ですと→

辞任を迫られる恐れが…。

あっ それはまずいな…。

それはまずいだろ。 非常にまずいです。

もう少し 軽い病気はないのか?

か… 軽い病気ですか? うん。

しかし 長期の入院が必要なのは 重い病気で…。

そんな事もわからんのか! ああ!?

東帝大の蛭間くんが 目をかけていた医者だと聞いたが→

大した事ないようだな。

はい! 思いつきました!

なんだ? では こうしましょう。

具体的な病名は公表せずに 体調不良のままでいきましょう。

入念な検査が必要な体調不良です。

やはり この時代→

下手な嘘がバレては 致命傷になりますから。

なるほど…。

それが一番無難かもしんねえな。 うん…。

君 なかなか 機転が利くじゃないか。

ありがとうございます。

ゆっくり お休みください。 オッケー。

元東帝大の この私 加地秀樹が 責任を持って お守り致します。

あっ 会長 会長…。

実は 私 その東帝大に戻りたいと 思っておりまして→

その際には 会長に お口添えをして頂けないかと…。

なるほど ああ…。

まあ 君の協力次第で考えとこう。 ありがとうございます!

おい。 はい。

ああ… これは これは…。

ハハッ… あっ!

しかし 会長 私は こういうものを頂くために→

医師をしているわけでは ありませんので。

うわっ びっくりした!

尾蔵さんは入院ですか?

ああ そうだよ。 体調不良でな。

検査結果を見ましたけど 特に問題なかったと思いますが。

お前さ そこは察しろよ。

尾蔵会長は 医学界にも 太いパイプを持ってる。

ここの病院長とも昵懇だし→

何より 東帝大も頭が上がらない大物だ。

加地先生。 ん?

左手 どうされました?

ん…? 何?

患者から お礼を受け取るのは 禁止されてます。

いや… 受け取ってないよ ほら。 な~い。

なんだよ?

尾蔵さんにお返しします。 嘘でしょ?

うう~!

うう… ぐっ…!

あっ… 嘘だ…!

クッソ 聖人ぶりやがって。

ああいう奴が 俺は一番嫌いだよ。 真面目ぶって。

なんなんだ あいつは! ≫相変わらずねえ。

加地秀樹。

城之内先生!

なんで ここに?

特患の手術があって呼ばれたの。 特患?

(榎木武史) 我が成鏡大学病院では この度→

バスケットボール界の若きスター→

大根類さんを お迎えする事になった。

大根類か…。 そりゃ特患だ。

有名なの? えっ 知らないんですか?

アメリカの大学バスケで 去年 MVPを獲得して→

NBA入り確実なんですよ。

しかも 性格良くて ファンを大事にするイケメンです。

ふ~ん。

教授。 お迎えするという事は 大根さんが…?

腹部大動脈瘤だと判明した。

(榎木)腎動脈の直上にある 直径5センチの嚢状動脈瘤。

増大傾向はあるが 幸い 自覚症状はなく→

瘤も さほど大きくない。

(男性)頑張れ 頑張れ! (女性)頑張れ!

(女性)頑張れ!

(大根 類)ヘイヘイ! ヘイ!

(榎木の声)大根さんは 今日 入院し→

近日中に 手術を受ける事になっている。

近い将来 世界が注目する アスリートの→

大事な手術だ。

はい。 そういう事でしたら…。

(ぶつかる音) すいません。

執刀は この私 加地秀樹が適任かと。

大動脈瘤のオペには自信…。 執刀医は もう決まっている。

那須先生。 はい。

また那須かよ。 クソ…!

(ぶつかる音) (榎木)うるさいな 君!

すいません。

(榎木)那須先生の腕なら 間違いない。

そして 万全を期すべく 麻酔科医に→

フリーランスで実績のある 城之内先生をお迎えしている。

よろしくお願いします。

302号室の佐藤さんですが 術後経過は順調なのですが→

アルブミンが少し低めで やや むくみもあります。

アルブミン製剤を するまでもないな。

アミノ酸の点滴 追加しよう。 はい。

(吉田)那須先生 こんにちは。 ああ 吉田さん こんにちは。

酸素吸入が外れてよかったですね。 (吉田)はい。

娘さんの結婚式 間に合いますよ。

本当ですか!? はい。

ありがとうございます! お大事になさってください。

(吉田)ありがとうございます!

うわあ… しょぼい大名行列だ。

こんなの やる意味あんのか?

見てて恥ずかしいわ。

(有働)ちょっと…!

大人のひがみは かっこ悪いっすね。

行きましょう。

〈群れを好み 金を愛し→

腹腔鏡のスキルと 要領の良さだけが→

彼の武器だ〉

俺は こんな所で終わる男じゃない。

ここで手柄を上げて 必ず 東帝大に返り咲いてみせる。

〈外科医 加地秀樹〉

〈またの名を ドクターY〉

♬~

(鳴き声)

(城之内 舞)こんばんは!

舞! おかえりなさい。

久しぶりね。 ただいま。

舞が晶さんたちに会いたい って言うから→

今日は ごちそうになりま~す! いいえ どうぞ どうぞ。

ほら 起きなさいよ。 博美と舞が来たわよ。

えっ 未知子もいるの!?

もう 遅いよ。 先 やっちゃってるよ。

誰? なんだ~!

「なんだ」って何よ! ごめんね 未知子 いないのよ。

ドバイの大富豪から 手術の依頼があってね。

ドバイだよ。 相変わらず スケールが違うよな あいつは。

ねえ なんで ここにいんの?

いや 原も海老名先生も 地方 飛ばされちゃったからさ→

Zoom飲み会やろう っつってんだけど→

2人とも地方だから 8時半には寝ちゃうんだよ。

東帝大いた頃は よかったなあ…。

(海老名 敬)腹腔鏡の魔術師と うたわれた君の 天才的な技を→

遺憾なく発揮してくれ。

金沢のウナギもうまいもんだな。 でしょう?

ごちそうさま。 ごちそうさま。

(銃声) 嘘だ…。

今の 銃声だろ? これ…。

(原 守)物騒ですね。 帰りましょう。

よく断ってくれた。 勝利の美酒は 我々だけで。

ほら。 ありがとうございます!

勝利の美酒は やっぱり シャンパンだよな…。

(博美の声) 一緒に飲む人がいないのね。

成鏡大の医局は み~んな那須先生派だしね。

はい 舞。 ありがとう。

あいつ 気に食わねえんだよ 頭固くて。 もう…。

那須先生… 成鏡大学病院のホープね。

オペの実績もあり 論文も多く発表→

…にもかかわらず 権威に興味を示さず→

患者の事を一番に考える。

次期教授は確実って噂ね。

まあ 那須くらいが教授になるのが ちょうどいいんじゃないかな→

あの程度の病院は…。 ねえ ドバイのオペって難しいの?

まあ 俺クラスになると…。 うん。 難しいんだけど→

未知子は失敗しないから大丈夫よ。

聞いてんの? 俺の話。 そうだよねえ。 ねえ~!

ああ~ 今頃 ちょうどオペ中かな?

うわあ…。 ≪(戸の開く音)

(大門未知子)ただいまー!

未知子! うわっ デーモン!

(未知子)おおっ! 舞 久しぶり!

大門さん ドバイのオペ もう終わったの?

もう す~ぐ終わっちゃったから 帰ってきちゃった。

相変わらずオペが早えな デーモン!

あっ びっくりした…。 いたの? 相変わらず性格悪いな デーモン!

ああーっ!! なんだよ!

焼き肉だーっ!! 聞けよ 人の話を!

アラブ料理もよかったけどさ…。 声がでけえなあ もう…!

日本に帰ってきたら やっぱ これだよね。

さあ 食うぞーっ! (神原)みんなで食べましょ~う!

痛えなあ…!

ねえ 舞。 背 伸びたんじゃん?

そうなの。 会う度に成長してて 私も驚いちゃうの~。

一緒にワニザメさん やった頃が 懐かしいね。

ねえ~。 急患が入って→

晶さんにお願いして 舞を見ててもらったのよねえ。

(神原)騙された!? ワハハッ!

そ~れ 食べちゃうぞ! ワハハッ!

もう一回。

懐かしいなあ。

そうよ。 舞の運動会なのに→

大門さんに 急にオペに呼び出されて。

そんな事あったじゃん。

そうだっけ? あったわよ。

えっ でも 舞 バレエ留学は? 終わったの?

ううん。 今は一時帰国。

夏休みの間だけ 帰ってきてるのよね。

そうなんだ。 夢破れて 帰ってきちゃったのかと思ったよ。

そんなわけないでしょ。

誰かさんと違って 舞は優秀なんですから!

(神原)そうよ。 誰かさんって何よ?

秋にロンドンの劇場でやる 『ロミオとジュリエット』で→

舞はジュリエット役に 選ばれたんだから。

ええ~ すごいじゃん!

ちょっと ママ 晶さんに言ったの?

いいでしょ? 嬉しかったんだもん。

ジュリエットって主役じゃん。 すごいね。

あれって 確か あの→

許されない恋に落ちた2人が 最後 心中しちゃうやつだよね?

悲しいラストよね。

ジュリエットが死んだと思って ロミオは→

絶望して 自殺しちゃうのよねえ。

(博美の声)でも ジュリエットは 仮死状態から目覚めるのよね。

ロミオが死んでるのを見て ジュリエットは後を追う。

仮死状態ねえ。

ああ… すれ違いの悲劇だよな。

…って なんだよ 仮死状態になる薬って。

んなもん あるか! うるさいよ。

なんだよ! 加地先生はね→

特患の大根類選手のオペが できないから機嫌が悪いの。

あの バスケの大根選手? うん。

すごい! 私 ファンなの。 そうなの? 知らなかった。

じゃあ 私がオペやる!

やめれ! お前まで関わってきたら 俺が仮死状態になるわ!

なんでよ 私がやりたいんだよ!

お前 だって 手術やって 帰ってきたばっかりじゃないかよ。

はい はい はい! もう うるさい!

打倒 那須先生の加地先生には 焼きナスをどうぞ。

えっ ナス? 嫌ですよ! 食べたくないですよ こんなの!

じゃあさ 生のも食べない?

うわっ うまい! うまいんかい!

手術を担当します 那須と申します。

麻酔科医の城之内です。 大根です。 よろしくお願いします。

よろしくお願いします。 お願いします。

どうぞ お掛けになってください。 失礼します。

検査結果ですが 腹部大動脈に 5センチほどの瘤ができていて→

放っておくと 破裂の危険性があります。

この瘤を切除して 人工血管に切り替えます。

幸い 瘤も それほど大きくないので→

今 手術をすれば 回復も早いと思います。

全米大学選手権が 11月に開幕するんです。

間に合いますか? ええ。

手術後には リハビリが必要になりますが→

大丈夫でしょう。 よかった…。

なんとか そこで活躍して ドラフトで指名されたいんです。

NBAは 僕と母の夢なので。

微力ながら→

大根さんの夢をかなえる お手伝いをさせて頂きます。

よろしくお願いします。

(尾蔵)ちょっと これを見てみろ。 はい。

君の言うとおり 体調不良だと発表したら→

炎上しちゃったじゃないか。 どうしてくれるんだ?

申し訳ありません!

やっぱり 重い病気にしときゃ よかったんだよな。

こんな役にも立たん医者を あてがいおって→

院長に抗議させてもらうからな。

ちょ… ちょっとお待ちを!

えっ… あっ では こうしましょう。

私が 尾蔵会長の病状を マスコミに説明致します。

ひどい体調不良で 綿密な検査が必要な入院だと。

あっ そうか…。 それは いい案だな。

医者が言えば 説得力があるからな。

君 なかなか いい度胸してるね。

ありがとうございます。

日本スポーツ界の トップであられる→

尾蔵会長の名誉回復のためなら→

私など いくらでも犠牲になります。

ハッハッハ…。 あっ ところで この部屋 変えてくれないかな?

この部屋 煙草くさい。

煙草ですか? (尾蔵)うん。

(においを嗅ぐ音)

いえ そのようなにおいは…。

何 言ってんだ。 どう考えたって煙草くさいだろ。

あっ ああ…。

言われてみれば そんな気も…。

しかし あいにく もう一つの特別室には→

大根類選手が入っておりまして→

ご存じのように 彼は 近く手術を…。

大根類?

それがどうした?

ああ? たかが選手を 私より優先するのか?

あっ? あっ? いえ… いえ…。

加地くん どうなんだ? いえ…。

優先するんだろ? するんだろ? いいえ…。 いいえ!

病気でない人の理不尽な希望に 応える事はできません。

そう言うと思ったよ。 だから そこを あえてお願いしてんだよ。

尾蔵会長の頼みなんだぞ?

加地先生。 何?

頼むよ。 (大根)あの…。

いいですよ。 代わります。

僕は 大部屋でもいいくらいですから。

ほら 一流プレーヤーは違うね。 人間ができてるもん。

ありがとうございます 大根さん。 すいません お願いします。

でも 部屋は そのままで大丈夫ですので。

すいません お騒がせしました。

えっ ちょっと…。

えっ ちょっと… 待てよ! おい ちょっと 待てよ!

なんでだよ? 本人もいいって 言ってるじゃないか。

加地先生。

あなたは まるで患者を診てない。

医者として最低です。

♬~

(明日原和子) 前にも言ったじゃない。

抜管前に ちゃんと 自発呼吸を確認しなさいって!

また再挿管する羽目になるわよ。 (三葉)すいません!

(和子)麻酔って みんな簡単に言うけど→

患者を意図的に眠らせるって 実は すっごく危険な行為なのよ。

私たちは それを担ってるんだから しっかりしてちょうだい!

怖っ。

明日原先生です。

麻酔科のお局って 呼ばれてます。

お局さんねえ。

言ってる事は そのとおりだけど。

中心静脈圧の管理が うまくいかなくて→

外科医の先生たちに また いろいろ言われちゃって…。

下手だからでしょ。

えっ?

いろいろ言われたくないなら 文句なしの麻酔をすればいいだけ。

「本日は お忙しい中 お集まり頂き…」

はい。

(記者)「尾蔵会長 こちらに 入院されているという事で→

体調不良による雲隠れと 騒がれておりますが→

実際のところは?」

「尾蔵会長は 一刻も早く退院し→

潔白を証明したいと おっしゃっておりました」

しかしながら 著しい体調の悪化には→

何かしらの原因があると 思われまして→

詳細な検査が必要となります。

「改めまして→

私 担当医の加地秀樹と申します」

体調不良とは 具体的に どのような?

えっ?

体の具合がですね よくないと…。

「あなた 本当に お医者さんですか?」

「失礼ですね あなた! 私はね…」

なんか プライドない感じですよね。

那須先生と大違いです。

あれでも やる時はやるんだけどね。

でも 本当に那須先生って 人望あるのね。

外科医の中でも 那須先生だけは 私みたいな下っ端に優しくて→

この前も 手術のあと フォローしてくれて。

ああ あんたが もたついてた手術ね。

そうです…。

モニターで 麻酔深度を確認すること。

そうすれば 少しはマシになるんじゃない?

はい! ありがとうございます!

やっぱり 城之内先生 すごいですよね。

この仕事をしながら シングルマザーなんて尊敬します。

そんなのどうでもいいけど これだけは覚えておいて。

私たちにミスは許されないの。

患者の命は 一つしかないんだから。

…はい!

♬~

かわいいな~!

これ 舞に似合いそうね。

高っ!

ジャン! どうしたの? これ。

舞へのプレゼント。

ジュリエット役のお祝い。

プリマの夢に また一歩 近づいたね。

どうしたの? びっくりしちゃった?

うん。 ありがと。

うん。 今 ごはん作るから ちょっと待ってて。

さて…。

ママ。 んっ?

あのね…。

あっ…。

麦茶 なくなっちゃったみたい。

ああ… ごめん。 買うの忘れてた。 今度 買っておく。

頑張って マスコミの前で説明したのに→

なぜか 評判悪いんですよ。

(鳴き声) ねえ。

尾蔵会長は 怒って怒鳴り散らすし もう やってられないですよ。

あ~あ… 東帝大が また遠のくなあ。

はあ…。

おかわり。 うちは飲み屋じゃありませんから。

ところで デーモン どこ行ったんですか?

韓国の病院から オペの依頼がありまして→

今朝 発ちました。

じゃあ 今頃は 韓国料理でマッコリか。

いいよなあ フリーランスは自由で。

ただいま。

ああ! おかえり 未知子。 早っ! 韓国 日帰りかよ。

(未知子)晶さん これ 韓国の院長から お土産だって。

(神原)あらあら。 じゃあ お礼に メロンお送りしないとね。

請求書も。 (未知子)ねえ 次 どこ行く?

「次 どこ行く」って→

世界一周オペ旅行でも するつもりか!

うるさいな。 なんで またいるのよ!

いいよな フリーランスは。

俺なんて 一日中 特別室の消臭やらされてたんたぞ。

患者から 煙草のにおいがするとか いちゃもん つけられてさ。

煙草?

誰に聞いたって そんなにおい しないんだよ。

もう 尾蔵会長はさ 鼻がおかしいんだよ。

病室で煙草のにおい…。

那須の野郎は 部屋 変えてくれないしさ。

もう 一日中 尾蔵会長を なだめるのは大変だったよ!

(麻雀卓をたたく音) んっ?

それでも医者?

なだめるのは 医者の仕事じゃないだろ。

お前だって 医師免許がなくてもできる仕事は→

致しませんじゃないか。 致しません。

ほら。 病気の兆候は?

見逃しましぇん。 えっ?

そういう事ね。 そういう事。

どういう事? MRIかしら?

MRI。 えっ? だから どういう事?

MRI! どういう事なの?

患者は大根類さん 二十歳。

病名 腹部大動脈瘤。

術式は人工血管置換術で 行います。

異議あり。

なんですか? 加地先生。

人工血管置換術では 体に大きな傷が残る。

早く社会復帰させるなら→

低侵襲な ステントグラフト内挿術にするべきだ。

(韮崎)加地先生 アピールすごいですね。

あわよくば 執刀を奪い取りたいんだろ。

大根さんの場合 瘤が腎動脈に近く→

ステントグラフトのランディングゾーンに 不安が残ります。

それに彼は この先 何年も プロとして活躍していくんです。

激しい運動によって→

ステントグラフトが逸脱する リスクも考えなくてはいけません。

彼の未来を長期的に考えるなら 人工血管置換術がベストです。

(三葉)さすが 那須先生ですね。

加地先生も一理あるけどね。

人工血管置換は 多少のリスクはある。

まあ 那須先生の腕なら 大丈夫だと思うけど。

おい。 (医局員)はい。

今日の全米スポーツ欄でも→

大根類の手術の記事が掲載された。

これは 世界が注目するオペになる。

失敗は許されない!

(医局員たち)御意!

はい。

私からも オペに関して 説明をさせて頂きたい。

加地先生 術式を決めるのは 執刀医である私です。

大根さんは私の患者です。

大根選手のオペじゃない。 別の特患のオペだ。

えっ? 失礼。

これは 尾蔵会長のMRI画像です。

なぜ 尾蔵会長のMRI検査を?

尾蔵会長が しきりに→

煙草のにおいがすると 訴えていた事が きっかけです。

その事に 私が…→

私が違和感を覚え→

私がMRI検査を提案したんです。

その結果 尾蔵会長が 脳腫瘍である事が判明しました。

海綿状血管腫が 扁桃体に認められます。

これが原因となり→

ありもしない においがするという 症状が→

出現したものと考えられます。

てんかん発作の一種です。

そんな わずかな手掛かりから 脳腫瘍を…。

嘘の入院だったのに 本当に病気が見つかったのか。

病気の兆候を見逃さないのは→

医師の基本です。

ただの体調不良ではないと 私が…→

私が見抜いたからこそ 私は入院を勧めたのです。

素晴らしい!

加地くん 君を客員として 招いたのは正解だったよ!

ありがとうございます。

すでに 執刀は この私 加地秀樹が→

指名を受けております。

(拍手)

加地先生 すごいですね。

なんか… 嘘くさ。

(榎木)スポーツ界のドンと バスケのスーパースターか。

どちらも 注目するオペになるな。 御意。

ならば 2人の手術を 同日に行う事にしよう。

術後 回復した お二人に 握手をしてもらい→

写真を撮るんだ。

これ以上ない プレスリリースになる。

いいな?

(医局員たち)御意!

(拍手)

どこの大学病院も 考える事は同じか。

♬~

君と争う気はないよ。 俺は これで東帝大に返り咲く。

興味ありません。 僕は患者のオペをするだけです。

激しい運動は駄目ですよ。

ちょっと 体を動かしたくなって。

じっとしてると→

嫌なイメージばっかり 浮かぶもんで。

嫌なイメージ?

うん…。 病院には あまり いい思い出がないんです。

高校の時に 母が病気で亡くなっているので。

母も手術を受けたんですけど 結局 駄目で…。

NBAが 大根さんとお母さんの夢 って言ってたね。

うちは母子家庭だったんです。

母は 僕が 最高峰の舞台でプレーする事を→

楽しみにしていました。

そっか…。

うちの娘がね 大根さんのファンなの。

大根選手は 何があっても 絶対に弱音を吐かない。

前だけを向いてるって言ってた。

母の教えです。

どんなに つらい事があっても→

それは 乗り越えられる人間だからこそ→

与えられた試練なんだって。

だから 僕は母が死んだ時も 涙をこらえました。

何があっても 笑顔でいれば道は開けますから。

手術 よろしくお願いします。

麻酔は任せて。 執刀するのは那須先生だけどね。

手術もチームプレーでしょ。 僕も一緒に闘います。

♬~

あっ…。

こう?

(理事)榎木くんの人脈で 見事に 大根類を引き込んだじゃないか。

(榎木)はい。 大根類は 世界が注目する選手です。

彼の手術を成功させれば→

うちの病院の株は うなぎ登りです。

(拍手) ハハハハハハッ!

那須先生の腕なら間違いないね。

もちろんです。 彼は うちのホープですから。

最近 外科教授の椅子に 興味を示していまして→

私も うかうかしていられません。 そんな…。

その時は 榎木くんに 院長の椅子を用意してやらんとな。

ありがたい お言葉でございます。

さあ 召し上がりましょう。

こういう席が苦手なのは 知っているが→

もう少し努力したらどうだ?

私も君も 医師でいられるのは→

組織のおかげという事を 忘れるなよ。

…はい。

お疲れさま。 お疲れさまです。

那須先生。 まだ残ってたのか。

はい。 私はオペに入らないんですけど→

ちょっと勉強したくて。

ああ 大根さんの。 はい。

いい心がけだ。 麻酔科医も 大事なチームだからね。

明日 オペだっていうのに 会食に誘われちゃって。

教授になるために必要だと 言われると 断れなくてね。

あの…!

私なんかが 言う事じゃないんですけど→

那須先生は 教授にふさわしいと思います。

ありがとう。

別に 出世したいわけじゃ ないんだけどね。

患者そっちのけで権力争い… うんざりだよ。

でも 上にいかないと→

何も変えられないって 気づいたんだ。

僕は ここを 患者のための病院にしたい。

だから 教授になる。

はい。

ママ バレエの事なんだけど…。

うん…。

あっ ごめん。 なんか言った?

いいよ。 どうせ聞いてないでしょ?

聞いてるって。 何?

ずっとそうだったから もう 慣れてるよ。

えっ?

ちょっと 舞。

(金平蓮音)大根さん そろそろ行きましょうか。

ああ…! 加地くん 加地くん。 必ず治してくれ!

お任せください。

簡単に言うね! ひとごとだと思って。

メスを入れられる身にも なってみろ。 加地くん…!

すいません! すいません…。 痛くないんだろうな!?

私 痛いの嫌いな人でしょ? オペの準備がありますから!

痛いの嫌いな人…! お願いします!

行きますよ 行きますよ。 さっさと お連れして…。

痛い! 痛いのは俺ですよ。

なんだよ あの年で こんなに力があるのか。

♬~(音楽)

(女の子)待って そこ…。 (女の子)これか!

(女の子)ここから もう一回やろう!

(女の子)こっち ちょうだい!

ねえ ちょっ… ちょっと!

ねえ ねえ ちょっと何すんのよ!

(携帯電話の振動音) もしもし。

あっ そうですけど…。

警察ですか!?

あの… 娘さんが 今 こちらの交番にいまして→

迎えに来て頂けないかなと…。 はい。

それって 補導されたって事でしょうか?

舞が どうして そんな事…。

(美紀)城之内先生 大根さんが手術室に入りました。

はい。

すいません。 あの… できるだけ早く伺います。

すいません。 はい。

大丈夫ですか? すぐに行ってあげたほうが…。

いいの。 手術が始まるんだから。

あの… 私も参加させてください。

ちゃんと このオペの準備はしています。

おっ! いよいよ 世界が注目の同時オペだね。

あれ? どうしたの?

まあ いっか。

あっ ねえねえ 俺のオペの麻酔科医って君?

いえ 明日原先生が担当です。

外科医にも厳しい人なので 気をつけてください。

ああ お局さんだろ?

俺は 麻酔科医に敬意は払うけど オペは執刀医のものだよ。

相手が誰だろうと関係ない。

明日原先生は 日本医師倶楽部会長の娘さんです。

明日原先生 今日は よろしくお願い致します。

本日 ご一緒させて頂きます。

ちゃちゃっと終わらせてね。

ちゃい。

ちょっとチクッとしますよ。 (大根)はい。

なんか 緊張しますね。

バスケの試合と どっちが緊張する?

バスケは楽しいですから。

♬~

じゃあ 麻酔を始めます。

♬~

それでは 大根類さんの→

大動脈瘤人工血管置換術を 行います。

(一同)よろしくお願いします。

血圧124の74 心拍数65でサイナス。

メス。 はい。

モノポーラ。 (美紀)はい。

母親は いつになったら来るんですか?

できるだけ早く向かうと おっしゃってたので…。

信じられないです! もう いつまで…。

♬~

(舌打ち)

シルビウス裂 か か… 解放します。

マイクロクーパー。 (蕗田浩子)はい。

(舌打ち)

何 見てんのよ。

いえいえ…。

あの… そろそろ 腫瘍切除に入りますので→

す… 少なからず 出血するかもしれません。

この程度の腫瘍摘出で そんなに出血しないでしょ。

まさか 出血量100ミリリットル以下で できないの?

で… できると思います。 「思う」?

できます!

(荒い息)

(和子の舌打ち)

あっ あの…。

もう少し脳圧を下げて頂けると…。

(舌打ち) 麻酔が悪いって言うの?

いえいえ めっそうもございません!

じゃあ 早くやって。

御意…!

これ なんでしたっけ? (浩子)バイポーラです。

バイポーラ…! (舌打ち)

大動脈をテーピング。

血管テープ。 (有働)はい。

モスキート ちょうだい。 (美紀)はい。

城之内先生 あとは私ができるので 行ってください。

わかった。 お願い。

大動脈クランプの時は 血圧に注意して。

はい。

すいません 那須先生。

三葉さんにお願いして 少し離れます。

わかりました。 あとは大丈夫ですよ。

血行遮断します。 遮断鉗子。 (美紀)はい。

バイポーラ。 (浩子)はい。

腫瘍鑷子。 (浩子)はい。

マイクロクーパー。 (浩子)はい。

早い。 どうしたんだ? いつもより全然早いぞ。

そうか 進化したんだ。 よくわからないけど→

この悪夢のような時間を 早く終わらせたいから→

加地秀樹が外科医として 勝手に進化し始めちゃったんだ。

へえ~! やるじゃない。

おかげさまでございます。

加地先生 独身ですか?

はあ?

遅くなって すいません!

こんなに待たせて 何してたんですか!?

娘は いきなり突き飛ばされたって 言ってるんです。

こんな怪我までさせられて…。

舞 本当なの?

(警察官)偶然 通りかかって 見かけまして。

どっちも怪我されていたので こっちに来てもらったんです。

舞 どうして そんな事したの?

ちゃんと子供を見てるんですか?

警察が電話してるのに すぐに来れないなんて…。

本当に申し訳ありませんでした。

舞 謝りなさい。

舞! もう うるさいなあ!

何 言ってるの?

私が何しようが ママに関係ないでしょ!

(たたく音)

♬~

バイタルは?

(三葉)血圧104の62 心拍96です。

終了。 (有働・韮崎)お疲れさまでした。

♬~

(三葉)城之内先生。

pCO2が40 ヘモグロビンも10.5。

安定してるね。

大丈夫です。 手術は 無事 終わりました。

よかった。

今日はごめんね。 ありがとう。

いえ。

お嬢さんは…?

うん… 大丈夫。

(操作音)

那須先生。

ああ 城之内先生。

オペ お疲れさまでした。 途中で抜けて すいませんでした。

いえ。 お子さんがいらっしゃると いろいろと大変ですもんね。

何かできる事があれば いつでも おっしゃってください。

ありがとうございます。 では 失礼します。

お疲れさまでした。 お疲れさまでした。

ああ~! やっと解放された。 オペの時間よりも長かった…。

尾蔵さんのオペは?

成功したに決まってるでしょ。 俺を誰だと思ってんの。

成功した顔してないけど。

もう 大変だったんだよ! あの お局さん。

オペ中の態度が悪くてさ もう チェッチェ チェッチェ…。

すごいパワハラなんだよ。

オペ中だから オペハラだろ オペハラ。

しかもさ 途中から 俺の事が 好きになっちゃったみたいでさ→

すごい いやらしい目で 見るんだよ。

もう セクハラがすごいんだよ!

いくら 医師倶楽部会長の 娘だからってさ 絶対無理!

城之内先生が俺のオペに ついてくれてたら こんな事…→

って 誰もいないじゃないか! 真っ暗じゃないか!

お疲れさま。

ごめんね 晶さん 急に お願いしちゃって…。

いいのよ。 舞 部屋にいるよ。

♬~

晶さん ありがとう。 今 お茶 用意するね。

♬~

これ…。

舞 バレエが うまくいってなかったみたいね。

ジュリエット役に選ばれたのも 嘘だったの。

えっ…。

博美の期待に応えたくて つい 嘘をついちゃったんだって。

一人で抱え込んでたのね。

かわいそうな事しちゃったわ。

誰かさんと違って 舞は優秀なんですから!

(博美の声) ジュリエット役のお祝い。

プリマの夢に また一歩 近づいたね。

♬~

本日 那須先生の執刀により→

大根類選手のオペが 無事 成功致しました。

(拍手)

ありがとうございます。 ありがとうございます。

これからは 那須くんの時代だな。

教授になったあとは→

君の思うように改革してもらって 構わんよ。

(榎木)理事 私の事もお忘れなく。

わかってる。 今の院長は もう 年だからな。

そろそろ 新しい人間が必要だ。

(榎木)ありがとうございます。 よろしくお願いします。

私の事も よろしくお願いします!

よろしくお願いします!

では 乾杯しようじゃないか。

(携帯電話の着信音)

すみません…。

(携帯電話の着信音)

失礼します…。

もしもし。

三葉です。 今 大根さんの様子を 見に行ったんですけど→

ちょっと気になる事があって…。

しきりに 腰から下が ジンジンすると言っていて…。

えっ?

(三葉の声)一応 先生にお伝えしておいた方が→

いいかと思って…。

手術直後には たまに起こる事だよ。

筋弛緩薬の影響だろう。

うん 問題はないよ。

那須先生 こちらに戻れませんか?

明日の朝一番で 大根さんのところに行く。

それまでは様子を見よう。

でも 先生…。 (電話が切れる音)

(不通音)

失礼しました。

どうした? 急患かね?

いえ 大した事ではありません。 お待たせしました。

(榎木)では 那須新教授の未来に 乾杯!

(一同)乾杯!

おめでとう。 ありがとうございます。

(拍手)

(那須の声)失礼します。

大根さん 昨日は 手術 お疲れさまでした。

瘤は きれいに取りきりましたよ。 いかがですか? 具合は。

それが… 足が…。

えっ…?

(尾蔵)君は命の恩人だ。

なんとお礼をしていいのか…。

医師として 当然の事をしたまでです。

体調不良と発表していた事で 嘘の入院ではなくなり→

病気も完治しました。

脳腫瘍とわかって以来→

贈賄疑惑の記事も パタリとなくなったよ。

全ては 加地くん 君のおかげだ。

ああ… おい。 (菜実)はい。

(菜実)お受け取りください。

うおっ… こ… これは…。

ふ… 封筒から 木箱にランクアップ…!

命の恩人に 3本じゃ足りなかったかな?

さ… 3000万…!

ああっ…!

はっ…!

あっ すいません。 鼻血とよだれが同時に…。

アハハハ…。

ところで 会長。 うん?

私が東帝大に戻れるよう お口添えをして頂ける件は…?

ああ… 覚えてるとも。 うん お安い御用だ。

ありがとうございます。 では こちらもありがたく…。

ありがとうございました。 ああ。

♬~

あの… 尾蔵会長。 うん?

退院される際に また改めて ご挨拶に伺いますので→

今の話の続きは また その時に。

あっ そう。 ええ。

ああ わかった。

では 後日 改めまして…。 (尾蔵)ああ。

加地先生。 近い…。

大根さんが 大変な事になってるみたいよ。

えっ?

♬~

那須先生 これ…。

そんな…。

(榎木)よりによって 大根類の足が 動かなくなっただと!?

脊髄に虚血性所見があります。

これが下半身麻痺の原因かと…。

(榎木)なぜ こんな事になった?

(有働)那須先生の執刀は 完璧でした。

僕たちは ずっと術野を見ていましたし→

なんの問題もありませんでした。

考えられるとすれば→

硬膜外麻酔が 原因ではないでしょうか?

えっ?

よく見ると 第1腰椎と第2腰椎の 椎間腔付近に→

血腫が見られます。

ちょうど 硬膜外麻酔の刺入部位です。

(榎木)どうなんだ?

麻酔は問題なかったはずです。

「はず」? あっ いや…。

(有働)しかも 城之内先生は→

手術を途中で 抜けてしまいましたからね。

お嬢さんの急用が あったそうですが→

それで集中力を欠いていたとは 考えられませんか?

集中力って…。

(榎木)他に思い当たる原因は ないんだな?

君もいたんだろう? どうなんだ?

はい… 特に何も。

すみません!

手術室で起きた事は全て 執刀医である私の責任です。

(榎木)まったく とんでもない事をしてくれたな。

麻酔の危険性については 術前に承諾を得ている。

これは 起こり得る事故だ。

大根類には→

やむを得ない術後合併症として 説明しよう。

そんな…! 万が一にも訴えられんように→

うまく話せ。 マスコミへの発表は→

本人に 納得する時間を与えてからだ。

ちょっと待ってください! (榎木)黙りなさい!

監督責任が問われるんだよ 私の。

オペが成功しなかった以上→

最小限の傷で 済ませるしかないんだ。

フリーランスの君に 何がわかると言うんだ!

城之内先生。

ありがとうございます。

足の感覚 いつになったら戻るんですかね。

これじゃ 選手権に間に合うか 不安です。

どうしました?

下半身が… 麻痺を起こしています。

えっ?

原因は はっきりわからないんです。

でも… もしかしたら 麻酔が原因かもしれないんです。

すみません…。

本当にすみません。

そっか… じゃあ 次のドラフトは無理か…。

大丈夫ですよ。 これも試練です。

NBA入りは遅れるけど→

バスケができなくなるわけじゃ ないんだから。

リハビリすれば 動くようになるんですよね?

なるんですよね…?

♬~

やだな やめてくださいよ。

動くに決まってます。

俺 リハビリ頑張りますから。

早速やりましょう。

動かないで!

大根さん 大根さん!

大丈夫です!

♬~

出て行ってください。

ううっ…。

(嗚咽)

♬~

まじか…。

♬~

♬~

舞 ごはんよ。

(ノック) 舞。

出てきなさい。

舞!

待って。 ごはんは?

いらない。

ずっと引きこもるつもりなの? そんなの ママ 許さないよ。

じゃあ また たたけば? いい加減にしなさいよ!

バレエが少し下手なくらいで いつまでうじうじしてるの!

ママのところなんか 帰ってこなければよかった!

(玄関ドアの開閉音)

♬~

あっ すみません…。

♬~

(携帯電話の着信音)

もしもし?

城之内先生 あのさ…。

あの… 大根選手の事なんだけどさ…。

うん… えっ… えっ?

舞ちゃんが!?

城之内先生。

加地先生。 舞ちゃん まだ?

神原さんとこは? さっき電話したけど来てないって。

晶さんも 捜してくれてるんだけど…。

どうしよう 舞に何かあったら…。

舞の前では普通にしてようって 思ってたのに→

大根さんのオペの事で 頭がいっぱいになって…。

舞に当たるなんて…!

しっかりしろって!

落ち込むのは 見つかってからだよ。

手分けして捜そう。 俺 あっち見てくるわ。

♬~

(携帯電話の着信音)

もしもし 晶さん?

大門さん 舞は?

ああ 晶さんの部屋で 寝ちゃったみたい。

今日は そこで寝かせるって。

ああ そう…。

ごめんね。 大門さんにまで心配かけて。

ねえ。

オペした患者が 下半身麻痺になったって本当?

また お前は 人の傷口に 塩を塗り込むような事を…。

なんで?

…私が失敗したの。

あの時 自分が患者を見てたか 自信がないの。

集中はしてた。

硬膜外麻酔をミスしたなんて…。

自分でも信じられないんだけど…。

でも… 舞の事が頭の中にあったし→

他に原因はないし…。

結果的に手術は失敗した。

私にとっては それが全て。

ごめん。 今日は帰る。

舞の事 お願い。

オペは結果が全て。

でも 城之内先生は失敗しないよ。

何があっても。

♬~

ありがとう。

そうだよな。

デーモン…。

確かに お前の言うとおりだ。

じゃあ 俺も帰るわ。

なんで にらんでるの?

なんで にらんでるんだよ!?

えっ?

「あんた 城之内先生が オペを失敗したって→

疑ってたでしょ」って言いたいの?

すー…。 「すー」…? 違うんだ…。

ち… 違うのね? 何?

えっと… 「オペを失敗したのには→

何か他に理由があるはずでしょ」 って言いたいの?

えっ 何?

(息を吐く音)

当たったの? 当たったんだ! よし!

…って なんでクイズ形式なんだよ!

しゃべれよ! 2人きりなんだから。

うーん…。

何してるんですか? 加地先生。

大根選手の足を なんとか動かせないかなと→

思ってさ。 (有働)いや~ 無理ですよ。

リハビリで 歩けるようになったとしても→

とてもバスケは…。

なんで 動かなくなっちゃったのかなあ?

だから それは 麻酔が…。 なんでかなあ?

なんでかなあ~?

なんでかなあ~…?

(三葉)手術で何か気になった事 って どういう意味ですか?

原因が はっきりすれば→

大根選手を治す方法が 見つかるかもしれないと思ってさ。

榎木教授にも聞かれましたけど 手術は問題なく終わったので。

やっぱりそうか…。

加地先生は→

城之内先生のミスではないと 思ってるんですか?

当たり前だろ。

どうして そこまで?

絶対に失敗しない女医と 肩張れるぐらい→

失敗しない麻酔科医だからだよ。

(和子)加地先生!

加地先生 尾蔵会長が 体の異変を訴えています。

えっ?

(尾蔵)ああ 痛っ。 ちょっと… イテテテ… イテッ… イテッ。

腰が痛くてたまらんちんだ…。

なんか重い病気かなと思って…。

会長は 元々 腰痛持ちでいらっしゃいますし→

ベッドに寝てる時間が 長いですから。

ただの腰痛か? はい。

(尾蔵)「はい」なんて軽く言うな。

君は 私の鼻がおかしいと 見抜いたな。

何か 陰で病気があるのかもしれんな。

ありません。 もう大丈夫です。

(尾蔵)本当か? だと思います。

「だと思います」だと? はっきりしろ!

うわあ! ギャオーッス!

痛い… じゃないのかな!?

ううっ…。

うっ…。

♬~

(三葉)あの 城之内先生。

先生!

麻酔科医 やめないですよね?

♬~

三葉さんにお願いして 少し離れます。

わかりました。 あとは大丈夫ですよ。

血行遮断します。 遮断鉗子。

(心電図モニターのアラーム)

ああ ごめん ごめん。 すいません。

もう あれだけ相手にして もらうもん もらえなかったら→

訴えてやるぞ…。 もらうもん?

あっ いえ なんでもないです。 でも さすがです 加地先生。

煙草のにおいがする っていうだけで→

脳腫瘍を見抜いたんですから。 ああ…。

まあ 今思えば 自分でも よく気づいたと思いますよ。

だけど 尾蔵会長は 鼻に問題があるっていうよりも→

もう 性格と人間に…。

鼻…?

鼻か!

その方法があった!

でかした 明日原先生。 ありがとう!

理事には うまく説明して→

君の教授推薦に 支障がないようにする。

すみません。 ありがとうございます。

二度とこんな事はごめんだぞ。

私の院長就任も 台無しになるところだった。

(ノック)

失礼します。 加地くん どうした?

大根選手の再手術を やらせてください。

どういう事だ?

嗅粘膜移植をします。

嗅粘膜…。

鼻の粘膜を脊髄の損傷部位に 移植する手術です。

嗅粘膜にある 嗅神経細胞は→

脊髄などの神経に対して 再生効果が期待できます。

大根類の足が 動くという事か?

はい。 加えて 骨髄間葉系幹細胞を投与すれば→

さらに 可能性は高くなります。

私は反対です。

なんでだよ。

その方法でも足が動くという 保証はありません。

二度も手術して駄目だった時の 彼のショックを考えてください。

そんなの やってみなきゃ わからないだろ。

教授 大根さんが 訴えてくる可能性もあります。

マスコミにもたたかれますよ。

おい。 ちょっと待てよ。

なんで そこまで 再手術を拒むんだよ! おい。

足が治る可能性があるのに→

やらないなんておかしいだろ。 どいてください。

おい。 加地先生。

客員といえど あなたは うちの人間ですよ。

病院の決定に従えないんですか?

♬~

(韮崎)那須先生 302号室の佐藤さんなんですが→

鎮痛剤は どうしましょうか?

先生? うん?

鎮痛剤は どうしましょうか?

そんな事をいちいち私に聞くな。

あっ 那須先生 こんにちは…。

(心電図モニターのアラーム)

(韮崎)出血点がわかりません! (三葉)血圧 低下しています!

補液全開! 早く!

なんだよ?

私 これ以上 黙ってられません。

えっ どうするつもりだよ?

こんな事 バレたら 俺たちも終わりだぞ!

でも やっぱり間違ってます!

だって あの時 本当は…。

奥の縫合に入る。 テープ牽引して。 (有働)はい。

(有働)動脈性出血です!

(心電図モニターのアラーム)

吸引! (韮崎)はい!

(韮崎)出血点がわかりません! (三葉)血圧 低下しています。

補液全開! 早く! (三葉)はい!

(韮崎) あっ 腎動脈が裂けてます!

吸引 代われ。 3―0モノフィラメント。

(有働)先生 アダムキュービッツが あるかもしれません。 慎重に。

わかってる!

♬~

やっぱり なんかあったんだな。

加地先生…。

奴がミスをしたのか?

那須をかばって お前たちは黙ってたって事か。

違うんです! ミスって言っても→

ちゃんと縫合して 問題なかったはずなんです。

問題なかったら こんな事になるわけないだろ!

(有働)那須先生 これ…。

(有働)先生 あの時の縫合で→

人工血管とアダムキュービッツを 引っ掛けてしまったのでは…。

それで 脊髄虚血が起こって→

大根さんの足に麻痺が…?

なぜ こんな事が…。

ですから…。 なぜだ…。

なぜ こんな事が起きた…?

これは誰のせいだ?

♬~

そんな! 城之内先生のせいにするなんて…。

ここで止まるわけには いかないんだ!

君ならわかってくれるはずだ。

僕が教授にふさわしいって 言ってくれただろ?

教授になったら 君を悪いようにはしない。

だから 頼む。 頼むよ!

那須先生の執刀は完璧でした。

硬膜外麻酔が原因では ないでしょうか?

他に思い当たる原因は ないんだな?

はい… 特に何も。

(妻)どうした? (夫)早く帰ってきてください。

シャンプーしてたら 後ろに気配が…。

そういうときあるから。

≪(猫の鳴き声)ニャーオ!

何かいる! 早く帰ってきてください!

無理だよ メキシコだし。

いつ帰ってきますか? あした? あした? あしたとか?

No te preocupes!

え? ねぇ ちょっと…。 <部屋があなたを守ります>

<セキュリティ賃貸住宅 「D-room」> おかえりなさい。

ニャーオ! ひぃ!

ふふっ。 ただいま。 <見学会やります>

加地先生…。

うっ!

ああ… イッテ~…!

自分の出世のために… お前こそ 医者として最低だ!

再手術に反対したのも→

開腹したら お前のミスがバレるからだろ!

僕は こんなとこで つまずくわけにいかないんです。

残念だが 俺は再手術するぞ。

もう手遅れです。 ふざけんな!

患者の事 一番に考えてたお前 どこ行ったんだよ!

お前には がっかりだ。

待ってください!

もう少しで 教授の席に手が届くんです。

やっと変えられる!

僕が ずっと目指してきた 患者のための病院に。

♬~

受け取ってください。

加地先生にも 教授の椅子を約束します。

金も 出世も… 加地先生の思いどおりですよ。

♬~

バカタレが!

♬~

患者を見殺しにする人間が→

どうやって 患者のための病院に変えるんだ!

お前はもう… 医者じゃない。

♬~

あっ!

い… 1枚くらい…。

いかん…!

ああ… 欲しい…!

ああ… いかん。

また戻ってこいよ。

キャッチ アンド リリース。

(神原)どうぞ。 ありがとう 晶さん。

舞… たたいてごめんね。

バレエの事は すぐに決めなくていいから。

ゆっくり考えて。

ママ しばらく 舞と一緒にいる。

(携帯電話の着信音)

どうせ お仕事 行っちゃうでしょ。

信用できないよね…。

運動会も参観日も→

行くって約束したのに 行けなくて…。

舞には たくさんつらい思いさせた。

♬~

でも もう行かない。

約束する。

♬~

(大根)うっ… くっ…!

ああ…。

ううっ…!

うっ…! ううっ!

ああ…。

あっ!

うっ…!

うう…。

(蓮音)大根さん 検温の時間です。

(大根の荒い息) (蓮音)大根さん!?

大根さん 大丈夫ですか? 大根さん!?

(韮崎)加地先生 大根さんが倒れました!

何? 肺塞栓症を起こしたようです。

まずいな…。 緊急オペだ!

行くぞ。

何やってんだよ?

僕たちは 取り返しのつかない事をしました。

オペをする資格は…。

バカタレ!

一人でも多くの患者さん救うのが 俺たちの仕事だろ!

いいから 来い! はい!

三葉! はい!

お腹すいてる? どっかで ごはん食べてこっか。

うん。 舞の好きなもの なんでもいいよ。

えっ 本当? うん。

じゃあ どうしようかな? フフフ。

(携帯電話の着信音)

あっ… ごめんね。

ちょっと待ってて。 (舞)うん。

もしもし。

城之内先生 三葉です。

大根さんが…。

肺塞栓症?

すいません! 私たち 嘘をついてました。

城之内先生がミスしてないって わかってたのに…。

そんな事は どうでもいい。

城之内先生 これからオペだ。

大根選手の足を治す方法も 思いついた。 すぐに来てくれ。

♬~

どうしたの?

ごめん 舞。 病院に行かなきゃ。

ごはん食べに行くって 言ったのに?

本当にごめんね。

大根さんが大変なんだ。

♬~

これより 肺動脈血栓除去術を始めます。

よろしくお願いします。 (一同)よろしくお願いします。

少し急ぐよ。 メス。 はい。

モノポーラ。 (浩子)はい。

(有働)コーピン。 (浩子)はい。

♬~

肺動脈を露出。 メッツェン。 (浩子)はい。

♬~

は… 早い。 (韮崎)那須先生より上かも…。

肺動脈切開。 ルーペ下げて。

メス。 はい。

切開延長する。 大動脈よけて 術野を展開して。

(有働)はい。

あっ!

(心電図モニターのアラーム)

循環血液量 低下しています。

まずいな 止血するぞ。 吸引。 (韮崎)はい。

3―0モノフィラメント。 はい。

♬~

駄目だ 縫合が間に合わない…。

♬~

(三葉)城之内先生!

(三葉)城之内先生!

やっと来たか。 遅いよ。

冷却した生食 持ってきて。

(有働)何言ってるんですか? 急がないと 患者 死にますよ!

死なせる。 (韮崎)死なせる!?

一時的にね。

仮死状態手術。 仮死状態…?

体内の血液を 冷却した生食に入れ替えて→

人工冬眠状態にする。

低体温循環停止して 出血が抑えられるから→

縫合の時間が稼げる。

意図的に仮死状態をつくるのか…。

まるで『ロミオとジュリエット』…。 急いで。

はい。

城之内先生 すみませんでした。

ありがとう。 あとは代わる。

はい。

血栓除去完了。

(韮崎)よかった。 これで命は助かりましたね。

まだだ。 復温後に閉胸して 嗅粘膜移植に移る。

えっ… ここから 足を動かすための手術を?

なんのための再手術だ。

バスケットボール選手としての命も 必ず救う。

城之内先生 いけるよな? オッケー。

まずは 肺動脈を閉じる。 3―0モノフィラメント。

はい。

経鼻内視鏡 準備しといて。 (三葉)はい!

♬~

嗅粘膜を採取します。

生検鉗子。 (浩子)はい。

脊髄の梗塞部位を露出。 メス。 (浩子)はい。

モノポーラ。 (浩子)はい。

(有働)コーピン。 (浩子)はい。

♬~

終わったら 嗅粘膜細切するぞ。 (有働・韮崎)はい。

細切完了。 損傷部位に移植します。

マイクロ鑷子。 はい。

サチュレーションは?

安定してる。 循環は こっちに任せて。

わかった。 よろしく。

(有働)本当に これで 足が動くようになるんですか?

医者が希望を持てなくなったら 終わりなの。

♬~

バイタルは? 血圧 102の58。

心拍数90でサイナス。

お疲れ。 (一同)お疲れさまでした。

お疲れさま。

♬~

ありがとう。

♬~

(舞)ママ!

舞!

大根選手 大丈夫?

うん。

なんで ここにいるの?

お医者さんのママを見てみたくて。

♬~

こんな感じよ。

最高にかっこいい!

フフッ…。

もう…。

♬~

くっ…。

うっ…!

(大根)うう… うっ…。

うっ!

くっ…!

♬~

ありがとうございます。

必ず NBAでプレーすると 約束します。

楽しみにしてる。

あっ そうだ サインもらえますか?

もちろんです。

やめたほうがいいよ。 どうせ転売するんでしょ?

なんでだよ。 転売なんかするかよ。

理事…! 那須くんが 何を言ったのかはわかりませんが→

私が医療ミスの隠蔽を 指示したわけでは…。

えっ… ぶ… 分院に異動!?

(通知音)

神原名医紹介所でございます。

なんだ…?

今回は うちの城之内を使って頂き ありがとうございました。

各国とのギャラ交渉会議で忙しく 今回は こちらから失礼致します。

(キーを打つ音)

請求書です。

(マウスのクリック音)

(榎木)3000万!?

(神原)城之内への名誉毀損による 賠償金も含まれております。

(ノック)

(ドアの開く音) (秘書)失礼します。

教授 お荷物が。

(神原)ちょうど届いたようですね。

遅ればせながら メロンです。

残念だったな 教授になれなくて。

それどころか ヒラからやり直しか。

僕が医師を続けるなんて 納得できないでしょうね。

でも 償うチャンスを もらいたいんです。

ああ 納得できないね。

償うため?

俺たちはな 患者のためにいるんだよ。

すいません。 加地先生を見くびってました。

あなたのような人こそ 教授にふさわしい。

興味ないね。

えっ?

教授の椅子なんて興味ない。

お前が初心に戻って はい上がって→

患者のための病院に変えればいい。

♬~

興味あるか 教授の椅子なんて。

だって もっと大きなご褒美が 待ってるんだも~ん。

(加地の声) 退院 おめでとうございます。

加地先生には 本当に世話になった。

この恩は忘れない。

あっ いえいえ。 私は 見返りを求めて→

医師をしているわけでは ありませんので。

ん? 本当か?

東帝大に戻りたいと 言っていただろう。

見返り最高です。 ビバ見返り。

今すぐお願い致します。

そうだ ずっと渡しそびれていたな。

おい。

♬~

はっ…!

なんだ? 君たちは。 人の病室に勝手に入ってきて。

東京地検です。

尾蔵大介 贈賄容疑で→

逮捕する。

はっ? ええー!?

待て待て 待て待て…。 私は何も覚えがないぞ。

無罪なんだよ。 無罪なんだよ。

あっ… 加地先生 助けてくれ!

俺に協力してくれただろ!

協力とは?

いえいえ… あの 協力と申しましてもですね…。

少し お話伺えますか?

いや やめてください。 まだ謝礼も もらってないし…。

あの… 謝礼と言いましてもですね→

お心付けというか…。 ちょっと こちらへ。

寸志と言いますか 松の葉と言いますか…。

赤ちゃんのお年玉 みたいなもので…。

加地なんです 加地が。 あいつは とんでもない医者だ。

なんでもないからね。 やめてくださいよ。

尾蔵会長! ちょっと なんとかしてもらえませんか?

尾蔵会長…! ちょっと 消毒をしないと…。

それはそれは 災難でしたね。

もう 危うく 共犯にされるとこでしたよ。

逮捕するなら 退院してからにしてくれっつうの。

あっ ねえ 舞は? もうロンドン着いたの?

うん。 次はジュリエット役が もらえるように頑張るって。

未知子にも元気もらったって 言ってたわよ。

えっ? 世界で活躍して→

しかも 楽しそうだって。

アハハハハハ!

だって 特技・手術 趣味・手術だから。

アハハハハハ。 (電話)

あら~。 もう 誰? 今頃。 (電話)

あっ 大根選手だ。 おっ!

(インタビュアー)「率直に 今のお気持ちはいかがですか?」

「またバスケができる希望を 持てるのは→

手術をして頂いた 先生のおかげです」

そりゃそうだろ! 俺が大根類を治したんだから→

これで 東帝大カムバック 間違いなしだ。

「城之内先生 本当にありがとうございました」

あれ? あれ なんで 城之内先生だけ…。

俺は? 俺の名前は?

「城之内先生のおかげで→

この試練を 乗り越える事ができました」

俺のおかげだよ! なんで 城之内先生だけ?

俺の名前を言えよ! 治したの 俺じゃないか!

なんだ あいつ…。 腹立つ…。

未知子にオペの依頼よ。 (未知子)えっ?

あっ 「アー」のアフリカ!

今回は違うの 日本なの。 しかも 東帝大病院。

東帝大!? 嫌だ。 絶対嫌だ!

そんな事 言わないの。 特患中の特患よ。

えっ 誰? 誰 誰 誰?

誰だ? 誰? 邪魔。

(未知子・博美)えー!

誰? 誰? やるやる!

えっ 誰? 報酬も がっぽり請求するわよ。

やるやる! やるやる~! 誰? 誰…?

ああ もう誰でもいいや。 なあなあなあ デーモン→

お前だけが頼りなんだよ。 なあ 頼む。

弟子でも助手でも なんでもいいから→

東帝大に 俺を推薦してくれよ! 致しません。

致せよ! たまには致せよ。

いいから もう 番! 早く!

わかった。 じゃあ これで勝負しよう。

やだよ。 なんでだよ。 これで俺が勝ったら→

俺の言う事 全部聞くよな? なんでよ。

いいな? いいじゃねえかよ。 よし わかった。

よし いくぞ。

東帝… 大と。

あー ロン! 字一色!

ええー!?

嘘だ~! うわあ 嘘だ~!

こんなの…!

〈群れを好み 金を愛し→

腹腔鏡のスキルと 要領の良さだけが→

彼の武器だ〉

(未知子)生きてる?

(神原)仮死状態? えっ?

〈外科医 加地秀樹 またの名を…〉

(未知子)あっ それは 「Y」だね。

〈ドクター ワ ワ Y!〉

≪(スタッフ)はい オッケー!

こんにちは! (内田・米倉)うわあ!

〈ラストシーン撮影直後に なんと 遠藤憲一 乱入!?〉

(内田)えっ?

〈『ドクターY』 5周年スペシャルトークは→

動画配信プラットフォーム TELASAで独占配信〉

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